JP2847249B2 - 顆粒状水溶性ポリマーの製造方法 - Google Patents
顆粒状水溶性ポリマーの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、水溶性ポリマー微粉末を、取り扱い易い顆
粒状にするための能率的な方法に関する。 〔従来の技術〕 (1)背景 カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセル
ロース、カルボキシメチルスターチ、ポリアクリル酸ナ
トリウム、ポリトリメチルアンモニウムクロライド等の
水溶性ポリマーは、増粘剤、紙力増強剤、廃水処理剤、
石油回収剤、分散剤等として各分野で広く利用されてお
り、用時水溶液として使用する場合が多い。一般に、こ
れらの水溶性ポリマー粉末中に粒子径0.18m/m未満の微
粉末が含まれていると、 溶解時にママコが発生し溶解時間が長くなる、 溶解時に微粉末が飛散し、作業環境が悪くなる、 等の問題がある。このため、製造業者は、主荷前に目開
き約0.18m/m(例えば目開き0.175m/m=80メッシュ)の
篩による篩別け、その他の分級手段によって微粉末を除
去し、微粉末分を含まない粉末状ポリマーを使用者に提
供して来た。 (2)従来技術の問題点 しかし、ここに分級の結果として生じる粒子径0.18m/
m未満の微粉末は、経済性の点から何等かの方法で粒子
径0.18m/m以上の顆粒状の造粒される必要がある。従来
の水溶性ポリマー微粉末の造粒方法としては、例えば、 水蒸気の湯気を微粉末と接触させて造粒する方法
(特開昭52−2877号) 微粉末を有機溶媒に分散させた後、水を添加し造粒
する方法(特開昭52−136262号) 含水親水性溶媒を用いて粗粒子に微粉末を接着させ
る方法(特開昭53−145852号) 等が提案され、更には皿型、ドラム型造粒機で水又は滑
剤水溶液をスプレーし造粒する方法、混練機や捏和機で
微粉と水又は滑剤水溶液とを練合した後、成形する方法
等が知られている。 しかしながら、このような従来の水溶性ポリマー微粉
の顆粒化方法においては、 (1)造粒用容器内壁に微粉末及び含水ゲル体徐々に付
着し、成長するため、時々洗浄する必要が起こり、長時
間の連続運転が難しい。かつ、ここに発生した洗浄水の
処理にも手数がかかる。 (2)有機溶媒を使用する方法では、溶媒の回収が必要
となり、不経済であると共に、溶媒蒸気による爆発、環
境汚染等の懸念もある。 (3)微粉末表面をスプレーによって濡らし、造粒する
方法では、微粒子間の付着力が弱いため、造粒顆粒が崩
壊し易い他、漏れむらに起因して造粒品粒子径の偏差が
大きい。 (4)混練、捏和する方法は、大動力と長時間を要と
し、このため、剪断力及び摩擦熱により分子鎖自体の切
断や変質による品質低下が生じ易いのみならず、特に連
続造粒を行うには、設備投資が大きくなる。 なお、微粉によるママコや飛散防止のため、含水率15
%以上のゲル体の形で使用に供することも提案されてい
るが、これは物流コストを高めるだけでなく、高含水率
により、ポリマーの経時劣化が生じ易いと言う問題点が
あった。 〔発明が解決しようとする課題〕 以上の実情に鑑み、本発明は、操作が簡単で連続多量
造粒に適し、しかも造粒品の物性及び棚寿命を低下させ
る恐れのない、新しい造粒手段を提供するのを目的とす
る。
粒状にするための能率的な方法に関する。 〔従来の技術〕 (1)背景 カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセル
ロース、カルボキシメチルスターチ、ポリアクリル酸ナ
トリウム、ポリトリメチルアンモニウムクロライド等の
水溶性ポリマーは、増粘剤、紙力増強剤、廃水処理剤、
石油回収剤、分散剤等として各分野で広く利用されてお
り、用時水溶液として使用する場合が多い。一般に、こ
れらの水溶性ポリマー粉末中に粒子径0.18m/m未満の微
粉末が含まれていると、 溶解時にママコが発生し溶解時間が長くなる、 溶解時に微粉末が飛散し、作業環境が悪くなる、 等の問題がある。このため、製造業者は、主荷前に目開
き約0.18m/m(例えば目開き0.175m/m=80メッシュ)の
篩による篩別け、その他の分級手段によって微粉末を除
去し、微粉末分を含まない粉末状ポリマーを使用者に提
供して来た。 (2)従来技術の問題点 しかし、ここに分級の結果として生じる粒子径0.18m/
m未満の微粉末は、経済性の点から何等かの方法で粒子
径0.18m/m以上の顆粒状の造粒される必要がある。従来
の水溶性ポリマー微粉末の造粒方法としては、例えば、 水蒸気の湯気を微粉末と接触させて造粒する方法
(特開昭52−2877号) 微粉末を有機溶媒に分散させた後、水を添加し造粒
する方法(特開昭52−136262号) 含水親水性溶媒を用いて粗粒子に微粉末を接着させ
る方法(特開昭53−145852号) 等が提案され、更には皿型、ドラム型造粒機で水又は滑
剤水溶液をスプレーし造粒する方法、混練機や捏和機で
微粉と水又は滑剤水溶液とを練合した後、成形する方法
等が知られている。 しかしながら、このような従来の水溶性ポリマー微粉
の顆粒化方法においては、 (1)造粒用容器内壁に微粉末及び含水ゲル体徐々に付
着し、成長するため、時々洗浄する必要が起こり、長時
間の連続運転が難しい。かつ、ここに発生した洗浄水の
処理にも手数がかかる。 (2)有機溶媒を使用する方法では、溶媒の回収が必要
となり、不経済であると共に、溶媒蒸気による爆発、環
境汚染等の懸念もある。 (3)微粉末表面をスプレーによって濡らし、造粒する
方法では、微粒子間の付着力が弱いため、造粒顆粒が崩
壊し易い他、漏れむらに起因して造粒品粒子径の偏差が
大きい。 (4)混練、捏和する方法は、大動力と長時間を要と
し、このため、剪断力及び摩擦熱により分子鎖自体の切
断や変質による品質低下が生じ易いのみならず、特に連
続造粒を行うには、設備投資が大きくなる。 なお、微粉によるママコや飛散防止のため、含水率15
%以上のゲル体の形で使用に供することも提案されてい
るが、これは物流コストを高めるだけでなく、高含水率
により、ポリマーの経時劣化が生じ易いと言う問題点が
あった。 〔発明が解決しようとする課題〕 以上の実情に鑑み、本発明は、操作が簡単で連続多量
造粒に適し、しかも造粒品の物性及び棚寿命を低下させ
る恐れのない、新しい造粒手段を提供するのを目的とす
る。
(1)概要 以上の課題を解決するため、本発明に係る粒子径0.18
m/m以上の顆粒状水溶性ポリマーの製造方法は、含水率
が15重量%未満で、かつ粒子径が0.18m/m未満である微
粉状の水溶性ポリマーを、内部に高速回転する分散羽根
を備えた造粒装置内へ水又は滑剤水溶液と一緒に連続的
に供給し、該羽根を高速回転させて微粉末同士を付着さ
せることにより、一旦含水率15〜40重量%のゲル体粒子
を製造した後、乾燥することを特徴とする。 以下、発明の構成に関連する重要な事項につき項分け
して説明する。 (2)造粒機構 本発明造粒方の原理は、高速回転する分散羽根を内蔵
する造粒装置内で、対象微粉末と水とを該回転羽根によ
って遠心力により瞬時に分散させると、短時間内に0.18
m/m以上のゲル体が連続的に得られ、このゲル体を熱風
等により急速乾燥させ、微粉末を顆粒状に造粒すること
である。 この造粒方法において、粘着性の強い微粉末を対象と
する場合は、滑剤の使用と造粒装置から排出されるゲル
体に随伴する未造粒品の割合を多くすることによって、
撹拌容器内壁や撹拌羽根へのゲルの付着性を低下させる
ことができる。もっとも、遠心力により弾き飛ばされた
粉末が容器内壁へ付着するのは避けられないが、他面付
着と同時に、高速回転している羽根にて掻き取られるの
で、付着層は、回転羽根の外周縁と容器内壁との間の狭
いクリヤランス以上には成長しない。 なお、前記粘着性低減手段の併用及び器内滞留時間の
短縮により、ゲル体は混練を受けずに器外へ排出され
る。このため、ゲル体が過度の剪断力を受ける懸念がな
いと共に、駆動力も小さくて済む。 以上の造粒手段を経て機外へ排出された造粒物(ゲル
体)中に数重量%の粉末が随伴するが、この未造粒微粉
末は、分級後、再度造粒原料として造粒装置へ繰返えし
供給できる。 (3)原料ポリマー微粉末 本発明における造粒原料として使用される微粉末は、
粒子径0.18m/m未満(ほぼ80メッシュ通)、含水率15重
量%未満の粉末状水溶性ポリマーである。粒子径0.18m/
m以上の粉末は、既述の如く溶解時ママコになる可能性
が小さく、かつ飛散する恐れも小であるので、あえて本
発明による造粒処理を施す必要がない。 また、含水率15重量%以上の微粉末は、自体粉体とし
ての挙動を示さないため、本発明による造粒手段を用い
ずとも、滑剤と共に押出成形することにより容易に成形
できる。 原料微粉末を組成する水溶性ポリマーとしては、例え
ば(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸及びそ
の塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸及びその塩、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート及びその4級化塩、ジメチルジアリルアンモニウ
ムクロリド等の単独重合体及びこれら各モノマーの2種
以上からなる共重合体が例示される。 (4)滑剤 滑剤は造粒装置の運転を円滑にするためのもので、で
きるだけ少量使用するのが望ましい。 滑剤としては、上記ポリマーとの併用に適した最も一
般的なものとして、常温で個体のポリエチレングリコー
ルが挙げられるが、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル
やポリオキシエチレンアルキルエーテル等の単独または
組合せ使用でもよい。更に、これらの非イオン活性剤に
対して動植物油、鉱物油等の油類を5〜20重量%混ぜて
も有効である。これらの滑剤は、予め微粉末と混合し
て、撹拌容器へ供給し、該容器内で水と接触させてもよ
いが、水溶液として使用した方が便利である。 造粒装置を安定して稼動させるのに必要な滑剤の量
は、対象とする微粉状ポリマーの種類によって異る。ア
クリルアミド単独又はアクリルアミドの比率が高いコポ
リマーの場合は、滑剤の添加は少なくて済むか又は全く
添加を必要としないが、他種ポリマーの場合は、粉末の
吸湿度合が大きいことや含水時の粘着性が大きいことな
どの理由から、対象微粉末1重量部に対して0.05〜0.12
重量部が必要である。滑剤の用量が必要量範囲を超え過
量となると、微粉末粒子間の結合力を弱め、製品顆粒の
耐粉砕強度を低下させる。このため、顆粒品とした後、
僅かの物理的外力によって、再び微粉末に戻る崩壊現象
が起き易くなると共に、滑剤が顆粒品中に含まれる割合
が多くなることによってポリマーの純度を低下させ、そ
れだけ品質が低下することにもなる。 (5)添加水 造粒装置に供給されるべき適当な水量も対象ポリマー
の種類によって異なるが、その量は微粉末1重量部に対
して0.15〜0.40重量部、好適には0.23〜0.35重量部であ
る。水量を多くすると、当然形成されたゲル体の含水率
が大きくなり、ポリマーの粘着性が増し、器内の詰りが
生じ易くなる他、乾燥負荷も大きくなるので不経済であ
る。逆に水量を少なくすると、器内から排出されるゲル
体粒子に同伴する未造粒品、即ち微粉末が多くなるの
で、これまた不得策である。 (6)造粒装置 前記した微粉末と、水又は滑剤水溶液を瞬時に分散し
連続して造粒するための造粒装置(造粒装置)10は、例
えば添付第1図及び第2図に示したように、円筒状のケ
ーシング7を貫通して高速回転しうる軸6に固定された
多数の送り羽根(インペラ)4,4・・及び撹拌羽根5,5・
・を持った横形の円筒容器である。この容器は、夫々別
個に微粉末入口1及び水又は滑剤水溶液入口2を備え、
この中で微粉末と水(又は滑剤水溶液)とが強制的に混
合、接触せしめられる。 先ず、原料微粉末を定常的に入口1より供給し、羽根
4により分散させながら器内へ送り込む。この羽根4
は、矢印方向へ回転したとき、気流と共に原料粉末を出
口3側へ逐次移送しうるように、適度の捻り角を持たせ
て軸6に対し取り付けられているので、微粉末は、本羽
根4及び撹拌羽根5(捻り角を有しない)とにより、推
力と遠心力による分散作用とを受けながら逐次ゲル体出
口3側へ移送される。これと同時に、微粉末入口1より
若干内側(ゲル体出口側)に配置された水入口2から供
給される水等と接触する。この水等も分散羽根4,5によ
って瞬間的に分散せしめられ、既に分散している微粉末
表面を均一に漏らすので、微粉末同士は互いに接着し合
い、粒径0.5〜5m/mの大きさのゲル体粒子に成長し、こ
の粒子は新たに供給される微粉末による推力と気流とに
よって、速やかに器外に排出されるから、器内滞留時間
が適当であれば、粒径が過度に大きくなることはない。 以上の分散羽根4、5は、前記諸作用を奏するため、
500〜4000rpm、好適には1500〜2500rpmの高速で回転せ
しめられる。このような高速回転下においても、羽根5
はスクリューと異なって器内のゲル体を混合するより
は、むしろ推進させ、かつ切断するように使用するの
で、平均的な器内滞留時間が普通10秒以内の短時間であ
る。このため、強カチオンポリマーゲルのような粘着性
と吸湿性が強いものであっても混捏作用を受けにく、容
易に高品質のゲル体粒子を得ることができる。 回転軸への羽根の取付角度(捻り角)は、対象とする
ポリマーの種類に応じて実験的に最適の角度を選択する
のが好ましい。例えば粘着性の弱いゲル体を対象とする
場合は、該角度を小さくして送り速度を高め、混合度を
増加させた方が微粉末と水等との接触機会が増し、好結
果を得易い。 分散羽根の回転数が好適範囲より小さいときは、微粉
末と水が充分に分散せず、微粉末表面の漏れむらが起こ
り、この結果、容器内の詰りを起こし易くなり、かつ、
ゲル体粒子に随伴する微粉末の量も多くなる。逆に回転
数が好適範囲より大きい場合は、器内滞留時間が短くな
りすぎるため、回転数が小さすぎる場合と同様、ゲル体
に夾雑する微粉末が多くなり易い。 ゲル体に伴なって排出される微粉末、即ち未造粒品の
量は、造粒装置に供給される水量や滑剤量及び羽根の回
転数が好適であっても、ゲル体粒子の1〜20重量%を占
めるのが普通である。 粘着性のない未造粒品を数%ゲル粒子中に夾雑させる
ことによって、器壁へのゲル体粒子の付着を少なくする
ことができるが、夾雑量が必要以上に多いと再度造粒装
置へ戻す量が増加するから合理的でなくなる。 (7)乾燥 造粒装置から排出されたゲル粒子は、ポリマーの種類
に拘りなく粘着性を有しているため、これの乾燥には伝
熱面を介する間接加熱方式よりも回転通風型や、流動通
風型のような直接加熱方式を使用した方が好ましい。更
に熱風による直接乾燥方式によれば、ゲル体粒子に混在
している微粉末は熱風によって乾燥機外へ素早く排出さ
れるため、過乾燥による品質劣化が起きにくいという利
点もある。 〔作用〕 本発明方法によると、微粉状水溶性ポリマー粒子と水
粒子が遠心力により高速度で衝突し合う結果、高能率で
造粒されるとともに、造粒の過程で殆ど混捏作用乃至剪
断力が働かないので、造粒品の品質が良好であり、しか
も大きな駆動力を必要としない。加えて、器壁に粘着し
たポリマー層は高速回転している羽根により絶えず掻き
取られるため、保守管理や簡単で済む。 〔実施例〕 以下実施例により、発明実施の態様及び効果につき記
述するが、例示は当然説明用のものであって、発明思想
の内包・外延を限るものではない。 実施例1 第1図及び第2図に示した造粒装置(200mmφ×500mm
L)の軸6を2000rpmで回転させながら、ジメチルアミノ
エチルメタクリレートとメチルクロライドとからなる4
級塩のポリマー微粉末を1100g/分、濃度25重量%の滑剤
水溶液を530g/分の速度で供給した。容器出口3から排
出されたゲル体と未造粒品との混合物を目開き0.177m/m
の篩で篩分けして不通のゲル体を採取し、通風型乾燥機
で乾燥し、粒径1〜5m/mの顆粒状粉末を得た。 本例において、未造粒品の比率は、顆粒品に対し10%
であった。 上記例を試験No.1として、更に微粉末に対する水量、
滑剤量及び回転数を変化させた各試験結果を併せて下表
−1に示す。 実施例2 ジメチルアミノエチルアクリレートをメチルクロライ
ドで4級化したモノマー50モル%とアクリルアミド50モ
ル%からなるコポリマーの微粉末を顆粒状にした時の結
果を下表−2に示す。 実施例3 アクリルアミド80モル%とアクリル酸ナトリウム20モ
ル%からなるコポリマーの微粉末を前例と同様に造粒し
た結果を下表−3に示す。
m/m以上の顆粒状水溶性ポリマーの製造方法は、含水率
が15重量%未満で、かつ粒子径が0.18m/m未満である微
粉状の水溶性ポリマーを、内部に高速回転する分散羽根
を備えた造粒装置内へ水又は滑剤水溶液と一緒に連続的
に供給し、該羽根を高速回転させて微粉末同士を付着さ
せることにより、一旦含水率15〜40重量%のゲル体粒子
を製造した後、乾燥することを特徴とする。 以下、発明の構成に関連する重要な事項につき項分け
して説明する。 (2)造粒機構 本発明造粒方の原理は、高速回転する分散羽根を内蔵
する造粒装置内で、対象微粉末と水とを該回転羽根によ
って遠心力により瞬時に分散させると、短時間内に0.18
m/m以上のゲル体が連続的に得られ、このゲル体を熱風
等により急速乾燥させ、微粉末を顆粒状に造粒すること
である。 この造粒方法において、粘着性の強い微粉末を対象と
する場合は、滑剤の使用と造粒装置から排出されるゲル
体に随伴する未造粒品の割合を多くすることによって、
撹拌容器内壁や撹拌羽根へのゲルの付着性を低下させる
ことができる。もっとも、遠心力により弾き飛ばされた
粉末が容器内壁へ付着するのは避けられないが、他面付
着と同時に、高速回転している羽根にて掻き取られるの
で、付着層は、回転羽根の外周縁と容器内壁との間の狭
いクリヤランス以上には成長しない。 なお、前記粘着性低減手段の併用及び器内滞留時間の
短縮により、ゲル体は混練を受けずに器外へ排出され
る。このため、ゲル体が過度の剪断力を受ける懸念がな
いと共に、駆動力も小さくて済む。 以上の造粒手段を経て機外へ排出された造粒物(ゲル
体)中に数重量%の粉末が随伴するが、この未造粒微粉
末は、分級後、再度造粒原料として造粒装置へ繰返えし
供給できる。 (3)原料ポリマー微粉末 本発明における造粒原料として使用される微粉末は、
粒子径0.18m/m未満(ほぼ80メッシュ通)、含水率15重
量%未満の粉末状水溶性ポリマーである。粒子径0.18m/
m以上の粉末は、既述の如く溶解時ママコになる可能性
が小さく、かつ飛散する恐れも小であるので、あえて本
発明による造粒処理を施す必要がない。 また、含水率15重量%以上の微粉末は、自体粉体とし
ての挙動を示さないため、本発明による造粒手段を用い
ずとも、滑剤と共に押出成形することにより容易に成形
できる。 原料微粉末を組成する水溶性ポリマーとしては、例え
ば(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸及びそ
の塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸及びその塩、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート及びその4級化塩、ジメチルジアリルアンモニウ
ムクロリド等の単独重合体及びこれら各モノマーの2種
以上からなる共重合体が例示される。 (4)滑剤 滑剤は造粒装置の運転を円滑にするためのもので、で
きるだけ少量使用するのが望ましい。 滑剤としては、上記ポリマーとの併用に適した最も一
般的なものとして、常温で個体のポリエチレングリコー
ルが挙げられるが、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル
やポリオキシエチレンアルキルエーテル等の単独または
組合せ使用でもよい。更に、これらの非イオン活性剤に
対して動植物油、鉱物油等の油類を5〜20重量%混ぜて
も有効である。これらの滑剤は、予め微粉末と混合し
て、撹拌容器へ供給し、該容器内で水と接触させてもよ
いが、水溶液として使用した方が便利である。 造粒装置を安定して稼動させるのに必要な滑剤の量
は、対象とする微粉状ポリマーの種類によって異る。ア
クリルアミド単独又はアクリルアミドの比率が高いコポ
リマーの場合は、滑剤の添加は少なくて済むか又は全く
添加を必要としないが、他種ポリマーの場合は、粉末の
吸湿度合が大きいことや含水時の粘着性が大きいことな
どの理由から、対象微粉末1重量部に対して0.05〜0.12
重量部が必要である。滑剤の用量が必要量範囲を超え過
量となると、微粉末粒子間の結合力を弱め、製品顆粒の
耐粉砕強度を低下させる。このため、顆粒品とした後、
僅かの物理的外力によって、再び微粉末に戻る崩壊現象
が起き易くなると共に、滑剤が顆粒品中に含まれる割合
が多くなることによってポリマーの純度を低下させ、そ
れだけ品質が低下することにもなる。 (5)添加水 造粒装置に供給されるべき適当な水量も対象ポリマー
の種類によって異なるが、その量は微粉末1重量部に対
して0.15〜0.40重量部、好適には0.23〜0.35重量部であ
る。水量を多くすると、当然形成されたゲル体の含水率
が大きくなり、ポリマーの粘着性が増し、器内の詰りが
生じ易くなる他、乾燥負荷も大きくなるので不経済であ
る。逆に水量を少なくすると、器内から排出されるゲル
体粒子に同伴する未造粒品、即ち微粉末が多くなるの
で、これまた不得策である。 (6)造粒装置 前記した微粉末と、水又は滑剤水溶液を瞬時に分散し
連続して造粒するための造粒装置(造粒装置)10は、例
えば添付第1図及び第2図に示したように、円筒状のケ
ーシング7を貫通して高速回転しうる軸6に固定された
多数の送り羽根(インペラ)4,4・・及び撹拌羽根5,5・
・を持った横形の円筒容器である。この容器は、夫々別
個に微粉末入口1及び水又は滑剤水溶液入口2を備え、
この中で微粉末と水(又は滑剤水溶液)とが強制的に混
合、接触せしめられる。 先ず、原料微粉末を定常的に入口1より供給し、羽根
4により分散させながら器内へ送り込む。この羽根4
は、矢印方向へ回転したとき、気流と共に原料粉末を出
口3側へ逐次移送しうるように、適度の捻り角を持たせ
て軸6に対し取り付けられているので、微粉末は、本羽
根4及び撹拌羽根5(捻り角を有しない)とにより、推
力と遠心力による分散作用とを受けながら逐次ゲル体出
口3側へ移送される。これと同時に、微粉末入口1より
若干内側(ゲル体出口側)に配置された水入口2から供
給される水等と接触する。この水等も分散羽根4,5によ
って瞬間的に分散せしめられ、既に分散している微粉末
表面を均一に漏らすので、微粉末同士は互いに接着し合
い、粒径0.5〜5m/mの大きさのゲル体粒子に成長し、こ
の粒子は新たに供給される微粉末による推力と気流とに
よって、速やかに器外に排出されるから、器内滞留時間
が適当であれば、粒径が過度に大きくなることはない。 以上の分散羽根4、5は、前記諸作用を奏するため、
500〜4000rpm、好適には1500〜2500rpmの高速で回転せ
しめられる。このような高速回転下においても、羽根5
はスクリューと異なって器内のゲル体を混合するより
は、むしろ推進させ、かつ切断するように使用するの
で、平均的な器内滞留時間が普通10秒以内の短時間であ
る。このため、強カチオンポリマーゲルのような粘着性
と吸湿性が強いものであっても混捏作用を受けにく、容
易に高品質のゲル体粒子を得ることができる。 回転軸への羽根の取付角度(捻り角)は、対象とする
ポリマーの種類に応じて実験的に最適の角度を選択する
のが好ましい。例えば粘着性の弱いゲル体を対象とする
場合は、該角度を小さくして送り速度を高め、混合度を
増加させた方が微粉末と水等との接触機会が増し、好結
果を得易い。 分散羽根の回転数が好適範囲より小さいときは、微粉
末と水が充分に分散せず、微粉末表面の漏れむらが起こ
り、この結果、容器内の詰りを起こし易くなり、かつ、
ゲル体粒子に随伴する微粉末の量も多くなる。逆に回転
数が好適範囲より大きい場合は、器内滞留時間が短くな
りすぎるため、回転数が小さすぎる場合と同様、ゲル体
に夾雑する微粉末が多くなり易い。 ゲル体に伴なって排出される微粉末、即ち未造粒品の
量は、造粒装置に供給される水量や滑剤量及び羽根の回
転数が好適であっても、ゲル体粒子の1〜20重量%を占
めるのが普通である。 粘着性のない未造粒品を数%ゲル粒子中に夾雑させる
ことによって、器壁へのゲル体粒子の付着を少なくする
ことができるが、夾雑量が必要以上に多いと再度造粒装
置へ戻す量が増加するから合理的でなくなる。 (7)乾燥 造粒装置から排出されたゲル粒子は、ポリマーの種類
に拘りなく粘着性を有しているため、これの乾燥には伝
熱面を介する間接加熱方式よりも回転通風型や、流動通
風型のような直接加熱方式を使用した方が好ましい。更
に熱風による直接乾燥方式によれば、ゲル体粒子に混在
している微粉末は熱風によって乾燥機外へ素早く排出さ
れるため、過乾燥による品質劣化が起きにくいという利
点もある。 〔作用〕 本発明方法によると、微粉状水溶性ポリマー粒子と水
粒子が遠心力により高速度で衝突し合う結果、高能率で
造粒されるとともに、造粒の過程で殆ど混捏作用乃至剪
断力が働かないので、造粒品の品質が良好であり、しか
も大きな駆動力を必要としない。加えて、器壁に粘着し
たポリマー層は高速回転している羽根により絶えず掻き
取られるため、保守管理や簡単で済む。 〔実施例〕 以下実施例により、発明実施の態様及び効果につき記
述するが、例示は当然説明用のものであって、発明思想
の内包・外延を限るものではない。 実施例1 第1図及び第2図に示した造粒装置(200mmφ×500mm
L)の軸6を2000rpmで回転させながら、ジメチルアミノ
エチルメタクリレートとメチルクロライドとからなる4
級塩のポリマー微粉末を1100g/分、濃度25重量%の滑剤
水溶液を530g/分の速度で供給した。容器出口3から排
出されたゲル体と未造粒品との混合物を目開き0.177m/m
の篩で篩分けして不通のゲル体を採取し、通風型乾燥機
で乾燥し、粒径1〜5m/mの顆粒状粉末を得た。 本例において、未造粒品の比率は、顆粒品に対し10%
であった。 上記例を試験No.1として、更に微粉末に対する水量、
滑剤量及び回転数を変化させた各試験結果を併せて下表
−1に示す。 実施例2 ジメチルアミノエチルアクリレートをメチルクロライ
ドで4級化したモノマー50モル%とアクリルアミド50モ
ル%からなるコポリマーの微粉末を顆粒状にした時の結
果を下表−2に示す。 実施例3 アクリルアミド80モル%とアクリル酸ナトリウム20モ
ル%からなるコポリマーの微粉末を前例と同様に造粒し
た結果を下表−3に示す。
本発明は、操作が簡単で連続多量造粒に適し、しかも
造粒品の物性及び棚寿命を低下させる恐れのない新しい
造粒手段を提供できたことにより、関連産業界に対し貢
献しうる。
造粒品の物性及び棚寿命を低下させる恐れのない新しい
造粒手段を提供できたことにより、関連産業界に対し貢
献しうる。
第1図は、本発明の実施に使用される造粒装置の概略縦
断面図、第2図は、第1図、線A−Aに沿う矢視断面図
である。図中の符号の意味は下記の通り:− 1:微粉末入口、2:水等入口、3:ゲル体出口、4:送り羽
根、5:撹拌羽根、6:回転軸、7:ケーシング。
断面図、第2図は、第1図、線A−Aに沿う矢視断面図
である。図中の符号の意味は下記の通り:− 1:微粉末入口、2:水等入口、3:ゲル体出口、4:送り羽
根、5:撹拌羽根、6:回転軸、7:ケーシング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 3/12 B29B 9/08 B01J 2/10
Claims (3)
- 【請求項1】含水率が15重量%未満で、かつ粒子径が0.
18m/m未満である微粉状の水溶性ポリマーを、内部に高
速回転する分散羽根を備える造粒装置内へ水又は滑剤水
溶液と一緒に連続的に供給し、該羽根を高速回転させて
微粉末同士を付着させることにより、一旦含水率15〜40
重量%のゲル体粒子を製造した後、乾燥、することを特
徴とする粒子径0.18m/m以上の顆粒状水溶性ポリマーの
製造方法。 - 【請求項2】造粒装置内の分散羽根が回転数が500rpm以
上で、かつ対象粉末の器内滞留時間が10秒以内である請
求項1記載の方法。 - 【請求項3】乾燥を直接加熱方式を用いて行う請求項1
記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28432889A JP2847249B2 (ja) | 1989-10-31 | 1989-10-31 | 顆粒状水溶性ポリマーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28432889A JP2847249B2 (ja) | 1989-10-31 | 1989-10-31 | 顆粒状水溶性ポリマーの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03143604A JPH03143604A (ja) | 1991-06-19 |
JP2847249B2 true JP2847249B2 (ja) | 1999-01-13 |
Family
ID=17677139
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28432889A Expired - Fee Related JP2847249B2 (ja) | 1989-10-31 | 1989-10-31 | 顆粒状水溶性ポリマーの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2847249B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB9506360D0 (en) * | 1995-03-28 | 1995-05-31 | Unilever Plc | A method of preparing polymer granules |
KR101409564B1 (ko) * | 2006-05-12 | 2014-06-19 | 스미또모 세이까 가부시키가이샤 | 과립상 카르복실기 함유 중합체 입자의 제조 방법 및 과립상 카르복실기 함유 중합체 입자 |
JP7481812B2 (ja) * | 2019-07-29 | 2024-05-13 | ダイセルミライズ株式会社 | カルボキシメチルセルロースまたはその塩およびその組成物 |
-
1989
- 1989-10-31 JP JP28432889A patent/JP2847249B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03143604A (ja) | 1991-06-19 |
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