JP3469007B2 - 付着性含水ゲル状重合物の粉砕方法 - Google Patents

付着性含水ゲル状重合物の粉砕方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性単量体を水
性媒体中で重合して得られる含水ゲル状重合物の粉砕方
法に関するものである。詳しくは、本発明は、高分子凝
集剤や高吸水性樹脂等を製造する際、水溶性単量体を重
合して取得した含水ゲル状重合物の乾燥工程に先立って
実施される粉砕工程において、相互付着性が少なく、粒
径の小さい粉砕ゲル状重合体粒子を効率よく得る方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】高分子凝集剤や高級水性樹脂等はその用
途に従って種々の特性を有するが、主として水溶性重合
体から形成されている。このような重合体は、通常、例
えば、アクリルアミド、アクリル酸、アクリル酸ソー
ダ、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルア
ミン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチ
ルアンモニウムクロライドなどの水溶性単量体を、水媒
体中で単独重合あるいは共重合して含水ゲル状重合物を
得、必要な場合には、得られた重合物に更に化学的変性
処理を施した後、この含水ゲル状重合物を乾燥させて製
造されている。特に原料単量体としてアクリルアミドを
用いた場合には、アクリルアミドの単独重合体を生成
し、ついでこれをアルカリを用いて部分的に加水分解
し、その後乾燥することによってアクリルアミド−アク
リル酸ソーダの共重合体も製造されている。
【0003】水媒体中での重合により製造された含水ゲ
ル状重合物は、通常50〜80(重量)%程度の水分を
含有しているので、乾燥の効率を高めるため、乾燥に先
立って粉砕することが必要とされている。そして、この
粉砕工程においては、一般的に肉挽機のような、有孔板
の内表面に接触して作動する切断刃を備えたスクリュー
押出機を使用して粒状化することが知られている。粉砕
工程で得られた含水重合体粒子は、必要に応じてアルカ
リ加水分解等の変性後処理を施した後、乾燥される。こ
の含水重合体粒子は非常に粘着性であるため、機器への
付着や自己付着による塊状化を生起し易いので乾燥工程
では、通常バンド乾燥機などの静置式の乾燥機を用いて
乾燥される。また、重合体粒子の強い相互付着性のため
に、乾燥後には粒子が互いに合着したいわゆる「おこ
し」状の塊となっていることが多々あるため、通常この
「おこし」状の塊を機械的に粉砕し、篩分して製品とさ
れている。
【0004】乾燥重合体粒子の塊状化を防ぎ、また乾燥
工程での熱による品質劣化を避ける為には、高い乾燥効
率で乾燥することが望ましく、そのためには、粉砕工程
によって得られる粉砕ゲル状重合体粒子の粒径をなるべ
く小さくし、伝熱面積を大きくすることが有効である。
また、粉砕重合体粒子のアルカリ加水分解等の後処理工
程において均一な後処理を行うためにも、粉砕ゲル重合
体粒子の粒径はなるべく小さいことが望ましい。このよ
うな観点から考えれば、粉砕工程におけるスクリュー押
出機の有孔板の孔径はなるべく小さくすることが所望さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有孔板
の孔径を任意に小さくすることは次のような問題点が存
するため、実際には極めて困難である。スクリューによ
って有孔板に押しつけられた含水ゲル状重合物は、有孔
板の内表面に接触して作動する切断刃によって切断さ
れ、有孔板の開口部より排出されるが、この際、含水ゲ
ル状重合物の付着性が高いと、切断された重合物粒子は
開口部に付着し、また、切断刃で切断されているにも拘
わらず粒子がつながり易く、開口部からのスムースな排
出が妨げられる。このような状況下で、この開口部に引
き続いて切断された次の重合物粒子が供給されると、開
口部内で重合物粒子同士の相互付着による合一化が起こ
り、さらに排出が妨げられる。そして、このように排出
が妨げられている有孔板に引き続いて含水ゲル状重合物
がスクリューにより供給されても、もはや排出速度がき
わめて遅くなっているために、含水ゲル重合物は押出機
の先端で滞留し、スクリューによって強い練り込みを受
けることになる。このような強い練り込みを受けた部分
は、付着性がいっそう強くなっており、切断粒子どうし
の合着をさらに促進することとなる。
【0006】付着性含水ゲル状重合物の粉砕では、常に
このような付着・合着を繰り返して排出口が塞がれやす
いため、押出抵抗が大きくなる。このような付着・合着
は粒子の表面積が大きくなるにつれてより増加するた
め、切断粒子の粒径を小さくするために有孔板の開孔径
を小さくしていくと、上記の現象が相乗されて単なる通
過抵抗の増加以上の抗力が発生し、押出量が極端に低下
することになる。このような場合、押出量を確保するた
めに押出圧力を高くしても、もはや、押出量が増加する
ことはなく、むしろ含水ゲル重合物は押出機内部で繰り
返し剪断を受け練り込まれていくのみである。このよう
な強い練り込みを受けると、その部分は繰り返しの剪断
によって分子鎖が断裂されて分子量の低下を生起し、加
えて繰り返し剪断時に発生する剪断発熱により、分子量
低下がさらに促進され品質劣化の原因ともなる。
【0007】さらに押出機の内部で練り込まれた部分
は、より付着性が強く、粉砕後のゲル重合物粒子のバイ
ンダーとなって、ひじょうに解砕されにくい2次粒子の
塊状物が形成される。このような塊状物は、乾燥工程に
おいて塊の外側のみが乾燥し、内側が未乾燥なものにな
りやすいため、乾燥効率がひじょうに悪い。このような
塊状物を製品としての品質上問題のない含水率まで乾燥
するためには、乾燥機の負荷が大きいものになる。ま
た、このような塊状物は、アルカリ加水分解等の後処理
工程において、外側のみが後処理をうけ内側が未処理の
ものになりやすく、このような後処理の不均一化は、製
品の品質上きわめて問題である。上記に述べたような種
々の問題点のため、有孔板の孔径は、含水ゲル重合物の
押出量、押出動力、および品質上の要求から、必然的に
ある下限が決まり、任意に小さい孔径を選択することは
できなかったのである。
【0008】このような問題点を解決するために、従来
から種々の方法が提案されている。例えば、ゲル重合物
の付着性を軽減させるような、付着防止剤を、重合時に
添加する方法があり、その際、添加する付着防止剤とし
ては、ポリエチレングリコール(特開昭52−8528
3号)、非イオン性界面活性剤(特開昭55−1026
11号)、アニオン性界面活性剤(特開昭60−152
514号)などが提案されている。しかしながら、これ
らの方法では、界面活性剤等の付着防止剤がゲル重合物
内部に取り込まれるため、充分な付着防止能力を得るた
めには、かなり多量の添加剤を使用する必要があった。
【0009】一方、少量の付着防止剤で効果を発揮させ
るためには、付着防止剤で生成ゲル重合物粒子の表面の
みを被覆することが必要かつ十分であり、このような方
法として、例えば、特開昭59−119172号には有
孔板の外表面と内表面の両面に接触して動作する回転刃
を備えた押出機を用い、吐出される紐状に連なったゲル
重合物粒子を切断しながら、付着防止剤を噴霧する方法
が開示されている。しかし、この方法では、表面が付着
防止剤で被覆されたゲル重合物粒子を得ることはできる
が、有孔板の孔径を小さくした際の押出圧力の増加なら
びに押出機内部での練り込み作用等の問題が回避される
ものではない。このような問題点を解決するためには、
付着防止剤を直接押出機内部に供給することが求められ
るが、付着防止剤をゲル重合物とともに押出機に供給す
ると、ゲル重合物がスクリュー部で滑り、食い込みが悪
化して、かえって押し出し量が低下する問題を生ずる。
【0010】特開昭59−30826号には、付着防止
剤を押出機スクリューの作動域に導入する方法が開示さ
れている。ここで、スクリューの作動域とは押出機スク
リューが内部圧を形成し、ゲル重合物にエネルギーを伝
達している領域を意味しているので、この方法では、付
着防止剤が導入される作動域では投入された含水ゲル重
合物はまだ切断作用を受けておらず、従って新しい表面
はまだほとんど生成していない。そして、ゲル重合物が
押出機の先端まで運ばれ切断刃の作用によって粒子表面
が新しく生成する際に、ゲル重合物に同伴された付着防
止剤が切断面にはじめて展着されるので、付着防止剤が
より有効に働くことができる。しかしこの方法をもって
しても、付着防止剤の展着はいまだ不十分であり、付着
防止剤を粒子表面に有効に塗布しようとすれば、かなり
多量の付着防止剤を用いる必要があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、含水ゲル
重合体の高い乾燥効率を得るのに有利な粒径の小さい粉
砕ゲル粒子を製造するために、押出機への付着防止剤の
添加方法について鋭意検討を重ねた結果、付着防止剤
を、押出機の有孔板と切断刃の接触面に供給することに
よって、前記問題点を解決しうることを見いだし本発明
に到達した。即ち、本発明は、付着性含水ゲル状重合物
を、有孔板の内表面に実質的に接触して作動する切断刃
を備えたスクリュー押出機を用いて粉砕するに際し、付
着防止剤を、該有孔板と切断刃の接触面に供給すること
よりなる付着性含水ゲル状重合物の粉砕方法を要旨とす
るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明についてさらに詳細
に説明する。本発明における付着性含水ゲル状重合物
は、とくに種類を限定されるものではないが、例えば、
アクリルアミド、アクリル酸、アクリル酸ソーダ、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルアミン、2
−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモ
ニウムクロライドなどの水溶性単量体を、水媒体中で単
独重合あるいは共重合して得た含水ゲル状重合物、更に
はアクリルアミド単独重合体をアルカリ部分加水分解し
たような含水ゲル状の変性重合物等を挙げることができ
る。
【0013】このように水性媒体中で重合して得られる
ゲル状重合物は、製品化のために次いで乾燥されるが、
ゲル状重合物は、通常50〜80(重量)%程度の水分
を含有しており、乾燥の効率を高めるために乾燥に先立
って粉砕される。本発明方法におけるこの粉砕工程で
は、含水ゲル状重合物の粒状化に一般的に使用されてい
る公知の肉挽機のような、有孔板の内表面に接触して作
動する切断刃を備えたスクリュー押出機を使用し、その
際、付着防止剤を押出機の所定の箇所に供給するもので
ある。即ち、本発明方法においては、このようなスクリ
ュー押出機を用いた含水ゲル重合物の粉砕において、付
着防止剤を、押出機の有孔板の内面と切断刃との接触面
という特定の場所に供給することが必須である。
【0014】本発明方法においては、付着防止剤が押出
機の所定位に供給される限り、その供給方法は特に制限
されないが、本発明方法を実施するのに適した押出機の
一例としての技術的形態の概略図を図−1に示す。図
中、は有孔板を、は有孔板の内表面に接触して作動
する回転切断刃を、は押出機スクリューを、は押出
機バレルを、は押出機ホッパーをそれぞれ示してい
る。ホッパーから投入された含水ゲル状重合物はスク
リューによってバレル前方に運ばれ、有孔板に押しつ
けられる。同時に、含水ゲル状重合物は有孔板の内表面
と回転切断刃表面で切断されて粒状化され、粒状化され
た含水ゲル粒子は有孔板の開口部をとおって排出され
る。
【0015】本発明方法では回転する切断刃による切断
作用の際、付着防止剤をその有孔板と切断刃の接触面に
ポンプ等を用いて供給するが、その供給する方法につい
ては、特に限定されるものではない。例えば、図−1に
示すような有孔板の外側表面から押出機内側に貫通して
いる有孔板内部の導管(a、a’)を通じて供給する方
法、押出機のバレル外側表面から押出機先端の内側に向
かうバレル内部の導管(b,b’)を通じて供給する方
法、押出機先端の内側に向かうスクリュー内部の導管
(c)を通じて供給する方法などがある。導管は、それ
ぞれ1本であっても複数本であってもよく、また、これ
らの方法を併用してもよい。
【0016】このように本発明方法に従い付着防止剤が
押出機の特定箇所に供給されることによって、重合物粒
子の有孔板開口部への付着が抑制され、粒子が排出され
やすくなり、また、付着防止剤は切断によって新しく生
成した粒子の表面に有効に供給されるため、粒子どうし
の付着が抑制され、有孔板開口部の閉塞が効果的に抑制
される。このような作用によって、有孔板の孔径を小さ
くしても、押出量をほとんど低下させずに粉砕を行うこ
とを可能にするのである。
【0017】付着防止剤としては、特に種類が限定され
るものではなく、例えば、パラフィン油類やナフテン類
等の石油類、シリコン油類、脂肪酸、脂肪酸エステル、
脂肪酸アルカリ金属塩、ポリプロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキ
ルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルフェニル
エーテル、ポリエチレングリコールアルキルエステルな
どが使用できるが、これらの中シリコン油、パラフィン
油類、ナフテン類等の脂肪族炭化水素などの非水溶性液
体が好ましい。これらは単独で使用しても、あるいは混
合物として使用してもよい。添加の形態は装置上、液状
で供給することが望ましい。液は、溶融液でも溶液であ
ってもよく、液中に別の成分が乳化あるいは分散してい
てもよい。付着防止剤の量は、とくに限定されるもので
はないが、製品の価格、品質などへの影響を考えれば、
少ない方が好ましく、ゲル重合物に対して3重量%以下
とするのがとくに好ましい。
【0018】付着防止剤としては、特に、非水溶性液体
と界面活性剤との混合物が、付着防止能力に優れており
好ましい。界面活性剤が添加されることにより、非水溶
性液体が含水ゲル状重合物の表面に広がりやすく、付着
防止効果を高めることができる。非水溶性液体に添加す
る界面活性剤としては、とくに種類を限定されるもので
はないが、ソルビタンエステル類、ポリエチレングリコ
ールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールアル
キルフェニルエーテル類などが例示されうる。これらの
界面活性剤は、非水溶性液体に混和していても、混和し
ていなくてもよい。界面活性剤を添加する場合、その量
は、製品の価格、品質などへの影響を考えれば、少ない
方が好ましく、付着防止剤に対して3重量%以下とする
のがとくに好ましい。
【0019】公知方法に従って、付着防止剤を押出機の
先端ではなく、バレルの途中に供給した場合には、重合
物粒子の切断面に付着防止剤が塗布される効果が小さ
く、押出量は期待どおりに増加しない。また含水ゲル状
重合物と共にスクリューに供給した場合には、同様に切
断面への付着防止剤の塗布効果が小さいのみならず、含
水ゲル状重合物がスクリューで滑るために食い込みが悪
化し、かえって押出量が低下する。しかしながら、本発
明方法は、必要な場合このような押出機先端の有孔板表
面以外の場所に添加剤を導入する公知方法と、併用して
もなんら差し支えない。
【0020】本発明方法は、上記の如き利点を有するが
更に次のような利点も挙げることができる。まず、含水
ゲル状重合物が押出機先端で練り込みを受ける前にスム
ースに排出されるため、練り込みによる品質低下、とく
に、分子量の低下が防止される。また、付着防止剤が存
在していることに加えて、ゲル重合体は練り込みを受け
た付着性の強い部分がほとんど生成しなくなるために、
重合物粒子は2次粒子の塊状物を形成し難く、ばらばら
に分かれた小粒子として得ることができる。したがっ
て、粉砕後の後処理工程、すなわち、アルカリ加水分解
工程や、乾燥工程などが、均一に、かつ速やかに進行す
る。さらに1次粒子が小さいために乾燥後の粉砕・篩分
工程の負荷が少ない。このように、本発明方法の適用に
よりプロセス全体の負荷を下げると同時に、品質的にも
優れた製品を得ることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいてさらに具
体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以
下の実施例によってなんら限定されるものではない。
【0022】参考例:含水ゲル重合体サンプルの調製 アクリルアミド2500gと、脱塩水7500gとからなるモノマ
ー水溶液を重合容器に入れ、密閉して窒素を通じて溶存
酸素を除去した。同時に重合容器を冷却し、液温を5℃
まで低下させた。この水溶液に、V-50(2,2'-アゾビス
(2-アミジノプロパン)二塩酸塩)1.25g、硫酸銅1.25m
g、亜硫酸水素ナトリウム37.5mgとからなる触媒を加え
てよく攪拌すると、直後から発熱を伴って液粘度が上昇
し始めた。二時間後、温度は85℃に達し、反応液系は
流動性を失ったゲル状になった。このゲルを鋏で切って
30mm角の大きさとしたものを以下の粉砕テストに用い
た。
【0023】実施例1〜3及び比較例1 粉砕機として南常鉄工社製ステンレスミンチM-22Eを用
いた。スクリューの有効長は150mmで、先端にスクリュ
ーと一体で回転する4枚羽根の回転切断刃を有してい
る。スクリューの回転数は217rpmに固定使用した。有孔
板として外径82mmφ、孔径3.2mmφの孔を228ヶ有するプ
レートを用いた。この孔の一カ所に配管を溶接し、定量
性ポンプに接続した。ポンプからの付着防止剤の吐出量
は9.9ml/minに設定した。付着防止剤として、エクソン
化学(株)からExxsolD-110の商標で市販されている脂
肪族炭化水素、あるいは東レ・ダウコーニング・シリコ
ーン(株)からSH-200(2cs)の商標で市販されているシ
リコーンオイルを使用した。また付着防止剤の効果を高
めるために界面活性剤としてソルビタンモノラウレート
あるいはエマルゲン105(花王(株);ポリオキシエチ
レン(5)ラウリルエーテル)を、ExxsolまたはSH-200
の100重量部に対して3重量部添加した。
【0024】配管より付着防止剤を導入しつつ参考例で
得たゲル重合体の粉砕を行った結果を表−1に示す。ま
た比較例1として付着防止剤を導入しなかった場合の結
果を合わせて示す。表−1から明らかなように、付着防
止剤を導入した場合は、導入しなかった場合に比較して
処理量が増加し、かつ装置内部での練り込みが少ないた
め有孔板の開口部から吐出された重合体粒子は、相互付
着のないばらばらの粒子の状態で得られた。また、界面
活性剤を添加した場合はより効果が大きいことが明白で
ある。
【0025】
【表1】
【0026】比較例2 有孔板として、孔径4.0mmの孔を138ヶ有するプレー
トを用い、付着防止剤を使用しなかった以外は上記実施
例1〜3と同様にしてステンレスミンチで粉砕処理を行
った。処理量は、1040g/minであったが、吐出され
た粒子は相互に付着しており、容易には解砕できなかっ
た。
【0027】比較例3 付着防止剤として、Exxsol/ソルビタンモノラウレート
(100重量部/3重量部)を用い、含水ゲル重合体に1重
量%まぶしたのち、上記実施例1〜3で用いたステンレ
スミンチで処理した。有孔板は、実施例1〜3と同じ孔
径3.2mmφのプレートを用いた。明らかに、スクリュー
部分での滑りにより食い込みが悪化しており、処理量は
370g/minにすぎなかった。
【0028】比較例4 上記実施例1〜3で用いたステンレスミンチの圧力伝達
域である、有孔板面から30mm奥の位置に導入孔を設け、
ここから、9.9ml/minで付着防止剤を導入しつつ粉砕処
理を行った。付着防止剤は、Exxsol/ソルビタンモノラ
ウレート(100重量部/3重量部)を用いた。有孔板は、
実施例1〜3と同じ孔径3.2mmのプレートを用いた。処
理量は700g/minであり、粒子は相互に弱く付着して
いた。したがって、付着防止剤を圧力伝達域へ導入する
のでは、その付着防止効果は小さく処理量も低下する。
【0029】
【発明の効果】本発明による付着防止剤の導入法によ
り、より小さい粒径のゲル粒子を、効率よく得ることが
できる。これにより乾燥工程での負荷が減少し、より簡
略化された生産プロセスが可能となる。また、アルカリ
変性などの後処理が局在化なく均一に行われるようにな
り、製品の品質向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するのに適した押出機の一例を示
す概略図である。
【符号の説明】 有孔板 回転刃 スクリュー バレル ホッパー P ポンプ

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】付着性含水ゲル状重合物を、有孔板の内表
    面に実質的に接触して作動する切断刃を備えたスクリュ
    ー押出機を用いて粉砕するに際し、付着防止剤を該有孔
    板と切断刃の接触面に供給することを特徴とする付着性
    含水ゲル状重合物の粉砕方法。
  2. 【請求項2】有孔板の外表面から有孔板内部を貫通する
    導管を通じて、有孔板と切断刃の接触面に付着防止剤を
    供給することを特徴とする請求項1に記載の付着性含水
    ゲル状重合物の粉砕方法。
  3. 【請求項3】押出機のバレル外側表面から押出機先端の
    有孔板内表面に達する導管を通じて、有孔板と切断刃の
    接触面に付着防止剤を供給することを特徴とする請求項
    1または2に記載の付着性含水ゲル状重合物の粉砕方
    法。
  4. 【請求項4】押出機の外側から押出機先端に向かうスク
    リュー軸内部の導管を通じて、有孔板と切断刃の接触面
    に付着防止剤を供給することを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれか1項に記載の付着性含水ゲル状重合物の粉
    砕方法。
  5. 【請求項5】付着性含水ゲル状重合物が、アクリルアミ
    ド、アクリル酸、アクリル酸ソーダ、2−(メタ)アク
    リロイルオキシエチルジメチルアミン及び2−(メタ)
    アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロ
    ライドからなるビニル単量体群から選ばれる少なくとも
    一種のモノマー単位を50モル%以上含有し、且つビニ
    ル単量体の水溶液重合によって得られたものであること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の付
    着性含水ゲル状重合物の粉砕方法。
  6. 【請求項6】付着防止剤が、非水溶性液体及び界面活性
    剤を含んでいることを特徴とする請求項1乃至5のいず
    れか1項に記載の付着性含水ゲル状重合物の粉砕方法。
  7. 【請求項7】非水溶性液体がシリコン油類または脂肪族
    炭化水素類であり、界面活性剤がソルビタン脂肪酸エス
    テル類またはポリエチレングリコールアルキルエーテル
    類であることを特徴とする請求項6に記載の付着性含水
    ゲル状重合物の粉砕方法。
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