JP2004329676A - ゴルフクラブ - Google Patents

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Abstract

【課題】飛距離を増大しうるゴルフクラブを提供する。
【解決手段】シャフト1Bと、このシャフト1Bの一端部Eが差し込まれるシャフト差込孔9を有する筒状のホーゼル7を具えた金属製のゴルフクラブヘッド1Aとからなる。前記シャフト差込孔9に、損失正接tanδが0.1〜1.0でありかつ比重がゴルフクラブヘッド1Aよりも小さい材料からなる筒状部材10を介して前記シャフト1Bが固着されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飛距離を増大するのに役立つゴルフクラブに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
チタンやアルミ合金などを用いた金属製のゴルフクラブヘッドは、フェース部の材料や厚さ形状などを種々改善することにより反発係数を大きくすることができる。反発係数が大きいヘッドはボールをより遠くに飛ばすのに役立つ。ところが、近年ではこの反発係数の上限値を規制する動きがある。このため、今後、フェース部を高反発化することには限界がある。
【0003】
ボールをより遠くまで飛ばすための打球時の要素としては、
▲1▼打ち出しされたボールの初速を高める
▲2▼ボールの打ち出し角度を増す
▲3▼ボールのバックスピン量を適正に減じる
などが挙げられる。前記フェース部の高反発化は、主として上記▲1▼の効果をもたらす。また上記▲2▼ないし▲3▼については、ヘッドの重心位置とロフト角に寄与するところが大きい。具体的には、前者については、ヘッドの重心を低く設定することが効果的であり、また後者については打球時のロフト角が大きいことが望ましい。
【0004】
発明者らは、ヘッドの低重心化と打球時のロフト角の増大とを同時に実現するべく、鋭意研究を重ねた結果、シャフトが差し込まれるゴルフクラブヘッドのホーゼルに着目した。そして、ホーゼルのシャフト差込孔に、損失正接tanδを限定した材料からなる筒状部材を介してシャフトを固着すると、第一にホーゼル部を軽量化してヘッドの低重心化が可能になること、第二に、打球時に筒状部材を変形させて打球時のロフト角を効果的に増大させ得ることを知見し本発明を完成させるに至った。
【0005】
本発明に関連する先行技術として、次の特許文献1ないし2がある。
【特許文献1】
特許第2873561号
【特許文献2】
特開平10−151228号
【特許文献3】
特公平8−2381号公報
【0006】
特許文献1ないし2では、ホーゼルに筒状部材を介してシャフトを固着する点を教える。しかし、筒状部材のtanδの物性が、打球時のヘッドのロフト角に密接に影響することの重要性を全く示唆していない。従って、本発明に対して動機付けを与えるものではない。また特許文献3では、ホーゼル全体が繊維強化樹脂からなるため、ホーゼルの軽量化には有利となるが実用上の強度が不足しやすく耐久性に劣るものと推測できる。
【0007】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出なされたもので、低重心化と打球時のロフト角の増大とを同時に実現しつつ耐久性にも優れたゴルフクラブを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、シャフトと、このシャフトの一端部が差し込まれるシャフト差込孔を有する筒状のホーゼルを具えた金属製のゴルフクラブヘッドとを有し、かつ前記シャフト差込孔に、損失正接tanδが0.1〜1.0でありかつ比重がゴルフクラブヘッドよりも小さい材料からなる筒状部材を介して前記シャフトが固着されていることを特徴とするゴルフクラブである。
【0009】
前記損失正接tanδは、試験片(幅4.0mm、厚さ1.66mm、長さ30.0mm)を、粘弾性測定装置(本明細書では、島津製作所製の粘弾性スペクトロメータ「DVA200」を使用している。)を用いて、治具を引張として昇温速度2℃/min 、初期歪2mm、変位振幅幅を±12.5μm、試験片の変位部分の長さを20.0mm、周波数10Hzとして10℃における損失正接を測定するものとする。
【0010】
また請求項2記載の発明は、前記シャフトの一端部の外径が8.3〜14.0mmであり、かつこのシャフトと前記筒状部材とが750〜1000mmの面積で接着されていることを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブである。
【0011】
また請求項3記載の発明は、前記筒状部材の比重が、前記ゴルフクラブヘッドの比重の15〜33%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフクラブである。
【0012】
また請求項4記載の発明は、前記筒状部材は、シャフトの外周面に面する内孔が、一方から他方に向かって縮径するテーパ状をなし、そのテーパ角が0゜よりも大かつ5゜以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のゴルフクラブである。
【0013】
また請求項5記載の発明は、前記筒状部材は、ポリウレタン、6ナイロン、12ナイロン又は塩素化ポリエチレンからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のゴルフクラブである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態のゴルフクラブ1の全体斜視図、図2はその断面図を示す。図において、ゴルフクラブ1は、ゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」ということがある。)1Aと、シャフト1Bとを含み、本実施形態ではウッド型のゴルフクラブ、より具体的にはドライバー(#1)が例示されている。なおウッド型のゴルフクラブとは、ヘッド材料が木質材からなるものではなく、従来、木質材で形成することが慣例であったヘッドを含み、少なくともドライバー(#1)、プラッシー(#2)、スプーン(#3)、バフィ(#4)及びクリーク(#5)を含むが、これ以外にもクリーク(#5)よりもロフト角が大きい前記各ヘッドと略相似形のいわゆるユーティリティヘッドを持つクラブをも含む概念である。
【0015】
前記ヘッド1Aは、金属材料からなり、ボールを打球する面であるフェース面2を有するフェース部3と、前記フェース面2の上縁2aに連なりヘッド上面をなすクラウン部4と、フェース面2の下縁2bに連なりヘッド底面をなすソール部5と、クラウン部4とソール部5との間を継ぎフェース面2のトウ側縁2tからバックフェースを通りフェース面2のヒール側縁2eにのびるサイド部6と、フェース部3とクラウン部4とサイド部6とのヒール側で交わり部の近傍に設けられ斜め上方にのびるホーゼル7とを具え、内部に中空部iが形成された中空構造のものを例示している。前記ホーゼル7は、図2及びその拡大図である図3に示すように、筒状で斜め上方にのびるとともに、内部にシャフト1Bが差し込まれるシャフト差込孔9が形成されている。このシャフト差込孔9は本実施形態では断面円形であり、かつ実質的に同一外径Dhが軸方向に連続する円筒状で形成されたものが例示されている。
【0016】
ヘッド1Aを構成する金属材料としては、特に限定はされないが、例えばアルミニウム合金、チタン、チタン合金、ステンレス鋼などが好適である。本形態ではα+β型チタン合金であるTi−6Al−4V(比重約4.42)が採用される。またヘッド1Aは、例えばロストワックス鋳造法によって、2以上に分けて成形し、これらを溶接等により一体に固着して製造することができる。
【0017】
前記シャフト1Bは、本例では炭素繊維強化樹脂(CFRP)によって形成され、図2、図3に示されるように、内部を中空とした断面パイプ状で形成される。シャフト1Bは、炭素繊維以外の繊維で強化された樹脂の他、金属材料などを用いても良い。またシャフト1Bは、図3に示すように、ホーゼル7のシャフト差込孔9に差し込まれる前記一端部Eが実質的に同一外径Dsが軸方向に連続する円筒状で形成されている。またシャフト1Bは、この一端部Eの上方では、他端側に向かって外径が徐々に増大するテーパ状をなしており、その他端部にはグリップ(図示省略)が設けられる。
【0018】
ホーゼル7のシャフト差込孔9には、損失正接tanδが0.1〜1.0でありかつ比重がヘッド1Aよりも小さい材料からなる筒状部材10が配される。これにより、シャフト1Bは、筒状部材10を介してホーゼル9に固着される。このような筒状部材10は、低比重のためホーゼル近傍の重量の増加が少なく、また金属製のホーゼル7の一部をこの筒状部材10へと置き変えるときにはホーゼル7付近の重量をさらに軽減しヘッドの重心をより低く設定するのに役立つ。このような観点より、筒状部材10の比重は、ヘッド1の比重の15〜33%、より好ましく20〜30%とするのが望ましい。
【0019】
またヘッド1Aには、図4(A)に示すように、シャフトの軸中心線CLを垂直面に配してライ角に傾けたときに予めロフト角α(カタログなどに表示されるもので、「表示ロフト角」ということがある。)が設定されている。しかし、実際にボールを打撃する瞬間には、図4(B)に示す如く、シャフト1Bが円弧状にしなることによって、表示ロフト角よりも大きなロフト角βでボールBを打球することとなり、打球の打ち出し角度を増すこと、即ち前記▲2▼の効果をもたらす点で好ましい。ここで、シャフト1Bのしなりによる打ち出し角度の向上をより効果的に発揮させるためには、シャフト1Bをホーゼル7よりも外側(上方)の領域だけではなく、ホーゼル7の内部においてもしなりを生じさせることが望ましい。
【0020】
そこで、発明者らは鋭意研究を重ねたところ、前記筒状部材10の損失正接tanδを0.1〜1.0に設定することにより、上述のような効果が発揮され得ることを見出した。一般に、粘弾性体に応力を加えて変形させると、与えられた力の大部分は内部変形のエネルギーとして貯えられ、応力の除去に際し、復元の原動力となるが、一部は歪みに伴う内部の分子移動の摩擦のために消費され、最終的に熱として散逸する。本発明では、シャフト1Bの外周面に従来よりも損失正接tanδの大きい筒状部材10を配することにより、図5に誇張して示す如く、スイング時にホーゼル7の内部にてシャフトの微小なしなりを実現でき、筒状部材10はこのしなりに追従して変形する。変形に要したエネルギーの多くは筒状部材10の内部摩擦熱として散逸するとともにシャフト1Bのしなりを妨げようとする急激な変形復元力は小さい。このため、図5に示すように、打球時のロフト角βをさらに増大させることができる。これにより、ボールの高さが不足しがちなアベレージゴルファにおいて、打球の高さを補い飛距離のさらなる向上を図ることができる。
【0021】
また図6には、発明者らの種々の実験の結果を示す。この例では、tanδを種々変化させた筒状部材10を用いてゴルフクラブを試作し、打球テストを繰り返し行った。図6では、横軸に筒状部材のtanδ、縦軸にボール打球時のヘッドのロフト角を示している。また前記ロフト角はスイングの癖などを排除するため、各供試クラブをスイングロボットに取り付けてヘッドスピード45m/sで打球した時のロフト角(打球時のフェース面の垂直面に対する角度)を測定したものである。なおヘッドには、チタン合金製でかつヘッド体積が320cm、表示ロフト角が11.0゜のものを使用した。
【0022】
図から明らかなように、筒状部材10のtanδが上昇すると、これにほぼ比例してボール打球時のロフト角も大きくなることが確認できる。しかし、筒状部材10のtanδが0.1未満であると、表示ロフト角に対する打球時のロフト角の増加が2°程度となって十分に得られず、飛距離の向上が期待できない。逆に損失正接tanδが1.0を超えると、打球時のロフト角は十分に大きいものではあるが、シャフト1Bに対するヘッド1Aのブレが大きくなるため、方向性の悪化が生じやすくなる傾向がある。このように、飛距離と方向性とをバランス良く高めるには、より好ましくは前記損失正接tanδを0.2〜0.9、さらに好ましくは0.3〜0.8とすることが望ましい。
【0023】
上述のような比重と損失正接tanδとを満たす材料としては、例えばポリウレタン(比重1.20)、6ナイロン(比重1.14)、12ナイロン(比重1.14)、塩素化ポリエチレン(比重1.15)又はこれらを主体的に含む樹脂材料、さらには繊維強化樹脂(比重約1.40〜)などを挙げることができ、これらに所望の添加剤などを加えて上述の範囲に損失正接tan δを調節することが望ましい。また樹脂材料以外では、例えばイソプレンゴム(比重0.91)、ブタジエンゴム(比重0.92)といったゴム組成物も採用することができる。
【0024】
また本実施形態の筒状部材10は、図2、図3に示されるように、ホーゼル7のシャフト差込孔9に挿入される基部10aと、ホーゼル7の上端部7aから外方にはみ出すソケット状部10bとを一体に具えるものが例示される。本例の基部10aは底受部11によって下端が閉塞されている。このような底受部11は、シャフト1Bの下端部と当接することにより、該シャフト1Bを位置決めし、クラブ全長を精度良く仕上げるのに役立つ他、シャフト1Bを固着する際の接着剤を受けるいわゆるバックアップ部ともなり接着強度を高めるのにも役立つ。なお底受部11を省略し下開放としても良い。またソケット状部10bは、基部10aよりも外径を大としており、シャフト1Bの他端側に向かって徐々に外径を減じたテーパ状で形成されている。
【0025】
また筒状部材10には、シャフト1Bの外周面に面する内孔12が形成される。該内孔12は、シャフト1Bの外周面との間に微小な隙間tを形成しうる内径Dtに設定される。本実施形態では、この内孔12とシャフト1Bとの隙間tには接着剤が満たされることにより両部材を固着している。好ましくは内孔12は、内径が一方から他方、具体的には基部10aの底受部11からソケット状部10bに向かって減じるテーパ状で形成されることが望ましい。これにより、接着剤が硬化する前であれば、シャフト1Bの軸中心線CLを、筒状部材10の軸中心線に対して傾けるなど種々の仕様に合わせたライ角調整が簡単に行える点で好ましい。なお内孔12のテーパ角θは0゜よりも大であるが5゜以下、より好ましくは0.5〜2.5゜に設定されるのが望ましい。0゜では、ライ角の調整の自由度が無くなり、逆に5゜を超えると、隙間tが大きくなり、接着強度の低下を招きやすくなる。
【0026】
なおこの実施形態では、シャフト1Bの一端部Eを一定の外径Dsで形成し筒状部材10の内径Dtをテーパ状として軸方向に厚さが変化する隙間tを形成してライ角調整を可能としているが、これとは逆にシャフト1Bをテーパ状として筒状部材10の内孔12を同一内径の円筒状に形成することもでき、さらには筒状部材10とホーゼル7とシャフト差込孔9との間に上述のような隙間を形成してライ角調整を行っても良い。
【0027】
また筒状部材10は、例えば基部10aの厚さtを、好ましくは0.2〜1.0mm、より好ましくは0.2〜0.8mmとすることが望ましい。基部10aの厚さtが0.2mm未満であると、厚さが薄すぎて上述の如くホーゼル7の内部にてシャフト1Bをしならせヘッドの打球時のロフト角を増大させる効果が得られ難い。逆に基部10aの厚さtが0.8mmを超えると、スイング時にヘッドのブレ角が大きくなる傾向があり、方向性の悪化が生じやすくなる。
【0028】
また前記シャフト1Bの一端部Eの外径Dsが大きすぎると、該一端部Eが高剛性化しスイング時のシャフト1Bのしなりが十分に得られ難い傾向があり、逆に小さすぎても強度が不足しやすく、耐久性に劣る。このような観点より、シャフト1Bの一端部Eの外径Dsは、好ましくは8.3〜14.0mm、さらに好ましくは8.5〜12.0mm、特に好ましくは10.0〜10.5mmとするのが望ましい。このようにシャフトの一端部の外径Dsを規定したときには、該一端部Eの高剛性化と強度不足を防ぎ、ヘッドのインパクトロフト角を最適化するのにさらに役立つ。なおシャフト1Bの剛性は、外径に加えて、その肉厚や原材料などの要因によっても変化するため、特に好ましくは、シャフトの一端部Eの先端から100mmの長さの範囲の曲げ剛性EIが100kg・m以上かつ300kg・m未満、さらに好ましくは120kg・m以上かつ280kg・m以下とするのが望ましい。なおEはシャフト材料の弾性率、Iはシャフトの断面二次モーメントである。
【0029】
またシャフト1Bと筒状部材10の内孔12との接着面積は、例えば750〜1400mm、より好ましくは750〜1000mm、さらに好ましくは800〜950mmであることが望ましい。接着面積が小さいと、接合強度が不足しやすく、逆に大きすぎると、シャフト1Bの外径や筒状部材の内径Dtないし軸方向長さなどを大とする必要がある。特にシャフト1Bの外径Dsを大とすると前記しなりが十分に得られ難くなるため好ましくない。接着剤には、特に制限はなく、慣例に従いアクリル系やウレタン系構造用の接着剤が好適に使用できる。
【0030】
なお筒状部材10の軸方向の長さは、シャフトの外径Dsと上述の接着面積との兼ね合いにより定められるが、好適には、15〜45mm、より好ましくは25〜40mmとするのが望ましい。筒状部材10の軸方向の長さが小さすぎると、打球時のロフト角を増加させる効果が小さくなりやすく、逆に大きすぎても打球の方向性を損ねるため好ましくない。
【0031】
以上本発明の実施形態について説明したが、筒状部材10を基部10aのみから構成し、ソケット状部10bを別部材として形成することもできる。即ち、シャフト1Bとホーゼル7のシャフト差込孔9との間の少なくとも一部に、損失正接tanδが上述の範囲の筒状部材があれば良い。またソケット状部10bの材料などは、基部とは異なり種々選択することができる。また、図7、図8に示すように、ホーゼル7は、その大部分がヘッド内部の中空部iに突出するものでも良い。この態様では、ヘッドの重心をより低く設定するのに役立つ他、シャフト1Bのたわみ領域を増し、さらに打球時のロフト角を増大させるのに役立つ。このように、本発明は種々の態様にて実施できる。
【0032】
【実施例】
表1の仕様に基づくヘッドを用いてゴルフクラブを試作するとともに、打球時のロフト角、飛距離、耐久性についてテストを行った。各クラブは、ヘッドをいずれもTi−6Al−4Vのロストワックス鋳造で成形したヘッド本体にソール板を固着して製造した。シャフトは、炭素繊維強化樹脂製とし、該炭素繊維には三菱レイヨン社製の「MR40」(引張弾性率4.41GPa)のものを使用した。そして、クラブ全長が46インチとなるように固着した。筒状部材については、図3、表1の仕様に基づき、それぞれtanδが異なるものを用いた。ヘッド、筒状部材及びシャフトの接合には、電気化学工業社製のハードロックを使用した。またテストは、次の方法により行った。
【0033】
<飛距離>
各供試クラブを用いてアベレージゴルファ50人で上記ゴルフボールを打撃するテストを行い、飛距離の平均値を示した(小数点以下切り捨て)。数値が大きいほど良好である。
【0034】
<打球時のロフト角>
打球時の瞬間を側方より連続撮影し、ボールとフェース面とが接触したときのロフト角を測定した。
【0035】
<耐久性>
各供試クラブをスイングロボットに取り付け、ヘッドスピードを52m/sとなるように調節して上記ゴルフボールをフェース面のスイートスポットから20mmヒール側に寄った位置で3000発打球してホーゼル部に大きな負荷を与えた。そして打球後、シャフトやホーゼルの状況を目視により観察した。損傷などが全くない場合を○、少しでも損傷が見られたものを×として評価した。
テストの結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 2004329676
【0037】
テストの結果、実施例のものは比較例と比べて、打球時のロフト角が増大しており、ひいては飛距離を増大していることが確認できる。また耐久性についても十分満足のゆく性能を具えることが確認でき、本発明の優位性が明らかである。次に、シャフトの一端部の外径のみを変化させ同様のテストを行った。テストの結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
Figure 2004329676
【0039】
【発明の効果】
上述したように、請求項1記載の発明では、tanδが大きい筒状部材を介してシャフトをホーゼルのシャフト差込孔に固着しているため、打球時にはこの筒状部剤を最適に変形させることでホーゼル7の内部においてシャフトをしならせることができる。これによって、打球時におけるヘッドのロフト角を増し、打ち出し角度を大としてボールをより遠くまで飛ばすことができる。
【0040】
また請求項2記載の発明では、シャフトの一端部の外径と、シャフトと筒状部材との接着面積を限定したときには、シャフトのしなりと打球の方向性などをバランス良く維持できる。また請求項3記載の発明のように、筒状部材の比重を限定したときには、ヘッドの低重心化に役立つ。さらに請求項4記載の発明のように、筒状部材は、シャフトの外周面に面する内孔が、一方から他方に向かって縮径するテーパ状をなし、そのテーパ角が0゜よりも大かつ5゜以下であるときには、シャフトとの間に軸方向で厚さが変化する隙間を容易に形成でき、ライ角の調整が簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のゴルフクラブを例示する部分斜視図である。
【図2】その断面図である。
【図3】その部分拡大図である。
【図4】(A)は表示ロフト角を示す線図、(B)は打球時のロフト角を示す線図である。
【図5】本実施形態のヘッドの打球時の状態を例示する断面図である。
【図6】筒状部材のtanδと、打球時のロフト角との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の他の実施形態を示すゴルフクラブの部分斜視図である。
【図8】その断面図である。
【符号の説明】
1 ゴルフクラブ
1A ゴルフクラブヘッド
1B シャフト
E シャフトの一端部
7 ホーゼル
9 シャフト差込孔
10 筒状部材

Claims (5)

  1. シャフトと、このシャフトの一端部が差し込まれるシャフト差込孔を有する筒状のホーゼルを具えた金属製のゴルフクラブヘッドとを有し、
    かつ前記シャフト差込孔に、損失正接tanδが0.1〜1.0でありかつ比重がゴルフクラブヘッドよりも小さい材料からなる筒状部材を介して前記シャフトが固着されていることを特徴とするゴルフクラブ。
  2. 前記シャフトの一端部の外径が8.3〜14.0mmであり、かつこのシャフトと前記筒状部材とが750〜1000mmの面積で接着されていることを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブ。
  3. 前記筒状部材の比重が、前記ゴルフクラブヘッドの比重の15〜33%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフクラブ。
  4. 前記筒状部材は、シャフトの外周面に面する内孔が、一方から他方に向かって縮径するテーパ状をなし、そのテーパ角が0゜よりも大かつ5゜以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のゴルフクラブ。
  5. 前記筒状部材は、ポリウレタン、6ナイロン、12ナイロン又は塩素化ポリエチレンからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のゴルフクラブ。
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