JP2008093268A

JP2008093268A - ゴルフクラブヘッド

Info

Publication number: JP2008093268A
Application number: JP2006280298A
Authority: JP
Inventors: Hideo Matsunaga; 英夫松永; Makoto Kubota; 誠久保田; Masaomi Hiruta; 正臣蛭田
Original assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Current assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Priority date: 2006-10-13
Filing date: 2006-10-13
Publication date: 2008-04-24
Also published as: US20080090676A1; GB0718311D0; CN101161314A; GB2442842A; KR20080033851A; US7819759B2

Abstract

【課題】打点がバラツキ易いアマチュアゴルファーが使用しても、平均して飛距離を増大させることができるゴルフクラブヘッドを提供する。
【解決手段】ゴルフクラブヘッド１は、チタン又はチタン合金製のフェース部２と、クラウン部３と、ソール部４と、サイド部５と、ホゼル部６とを有する。クラウン部３の後部のうちトウ・ヒール方向の中央部付近に厚肉部１０が設けられている。厚肉部１０の最前部１０ｆとクラウン部３の最前部との距離ａは、クラウン部３の全長Ｌの２０〜８０％である。
【選択図】図１

Description

本発明は、金属製中空ゴルフクラブヘッドに係り、特にドライバーなど大形のゴルフクラブヘッドに関するものである。

ドライバーやフェアウェーウッドなどのウッド型ゴルフクラブヘッドとして、中空の金属製のものが広く用いられている。一般に、中空のウッド型のゴルフクラブヘッドは、ボールをヒットするためのフェース部と、ゴルフクラブヘッドの上面部を構成するクラウン部と、ゴルフクラブヘッドの底面部を構成するソール部と、ゴルフクラブヘッドのトウ側、バック側及びヒール側の側面部を構成するサイド部と、ホゼル部とを有している。このホゼル部にシャフトが挿入され、接着剤等によって固定される。

この中空ゴルフクラブヘッドを構成する金属としては、アルミニウム合金、ステンレスやチタン合金が用いられているが、近年は特にチタン合金が広く用いられている。
中空の金属製ゴルフクラブヘッドのショットの飛距離を大きくするために、フェース面の撓み（トランポリン効果）を利用してボールの反発を上げるようにした開発が行われてきた。

また、特開２００５−２１１４３８号には、クラウン部を撓み易くすることにより飛距離を伸すようにしたゴルフクラブヘッドが記載されている。
特開２００５−２１１４３８号公報

ゴルフ規則の改定により反発係数の上限が設定されたため、他の方策によって飛距離を伸ばすことが求められるようになった。なお、トランポリン効果を利用した、いわゆる高反発型ゴルフクラブヘッドの場合、フェースセンターでヒットした場合には大きな飛距離が得られるが、打点がフェースセンターから外れるとそれ程の飛距離は得られない。

上記特開２００５−２１１４３８号のゴルフクラブヘッドにおいても、打点がフェースセンターから外れると飛距離が十分には伸びない。

本発明は、ボールの当る箇所がバラツキ易いアマチュアゴルファー等が使用しても平均して飛距離が伸びるゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。

本発明のゴルフクラブヘッドは、フェース部、ソール部、サイド部及びクラウン部を有する金属製の中空のゴルフクラブヘッドにおいて、該クラウン部の後部のうちトウ・ヒール方向の中央部に厚肉部が設けられていることを特徴とするものである。

かかる本発明のゴルフクラブヘッドにおいては、クラウン部のトウ・ヒール方向の中央部の後部に厚肉部を設けているので、ボールヒット時におけるクラウン部の該中央部の撓みが抑制され、トウ側及びヒール側の撓みが相対的に大きなものとなる。また、重心位置が後方寄りとなる。この結果、フェース面のトウ側やヒール側でボールを打った場合でも反発力を確保できる。

これらの理由により、フェース面の中心を外してボールをヒットすることが多く、またヘッドスピードがさほど大きくないマチュアゴルファー等が使用しても、平均して飛距離が伸びる。

本発明は、容積が２５０〜４６０ｃｃの大形ヘッドに適用するのに好適である。

以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図１（ａ），（ｂ）は実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの斜視図と断面図、図２はこのゴルフクラブヘッドの平面図である。なお、以下の説明において、幅とはトウ・ヒール方向の幅をいうものとする。

このゴルフクラブヘッド１は、フェース部２と、クラウン部３と、ソール部４と、サイド部５と、ホゼル部６とを有する。
このクラウン部３のトウ・ヒール方向の中央部の後部に厚肉部１０が設けられている。この厚肉部１０の後端１０ｒはクラウン部３の最後縁部にまで達している。この厚肉部１０は、最前部１０ｆから後方に向って幅が徐々に広がっており、クラウン部３の周縁部にまで達している。
ゴルフクラブヘッド１の平面視において、厚肉部１０の最前部１０ｆとクラウン部３の最前部との距離ａはクラウン部３の全長Ｌの２０〜８０％特に４０〜６０％が好ましい。従って、ｄ（＝Ｌ−ａ）はＬの２０〜８０％特に３０〜６０％が好ましい。
厚肉部の最前部１０ｆの幅ｂは、クラウン部３の最大幅Ｗの４０％以下特に２５％以下が好ましい。なお、Ｗは３〜４５ｍｍ特に１０〜２５ｍｍ程度が好ましい。
厚肉部１０のトウ側の先端部１０ｔとヒール側の先端部１０ｈとはいずれもクラウン部３の周縁部に達しており、両者の幅方向の距離ｃはクラウン部３の最大幅Ｗの２０〜８０％特に３０〜６０％が好ましい。
クラウン部３の厚肉部１０以外の肉厚は平均して０．４〜０．９ｍｍ特に０．６〜０．８ｍｍが好ましく、厚肉部１０の肉厚は平均して０．９〜３．０ｍｍ特に１．０〜１．５ｍｍが好ましい。
なお、クラウン部３のうち前半後は、後半側（厚肉部１０を除く）よりも極くわずか薄くし、クラウン部３を撓み易くするのが好ましい。
具体的には、クラウン部３の最前部から後方へ距離ｅの範囲については、それよりも後半側よりも０．０５〜０．１５ｍｍ程度小さいことが好ましい。このｅの範囲の肉厚は０．３〜０．８ｍｍ特に０．５〜０．７ｍｍ程度が好ましく、後半側（厚肉部１０を除く）の肉厚は、０．４〜０．９ｍｍ特に０．６〜０．８ｍｍが好ましい。
このゴルフクラブヘッド１は、例えば、フェースプレートとその他の部分（ヘッド本体）とを別個に製作しておき、両者をレーザ溶接又はプラズマ溶接などの溶接により一体化したものである。なお、プラズマ溶接やレーザー溶接は、エネルギー密度が高く、ＴＩＧ溶接に比べ溶け込みが深く、精度良く、きれいに溶接できる。
ホゼル部６はソール部４にまで達するように設けられてもよく、ソール部４にまで達しないように設けられてもよい。溶接後は、必要に応じ各種の研磨、塗装等の仕上げ処理を施して製品ゴルフクラブヘッドとされる。

ヘッド本体は鋳造品であり、複雑な形状であっても容易に製造することができる。

フェースプレートは、鋳造、鍛造、プレス成形のいずれによっても成形することができる。フェースプレートには必要に応じ溝（スコアライン）が設けられる。

この実施の形態では、ヘッド本体及びフェースプレートはいずれもチタン又はチタン合金よりなる。

ヘッド本体としては、縦弾性率が１１０００ｋｇｆ／ｍｍ^２（１０７．８×１０^９Ｐａ）以上のα−β型チタン合金のＴｉ−６Ａｌ−４Ｖ、Ｔｉ−６Ａｌ−６Ｖ−２Ｓｎ、ほぼα型のチタン合金のＴｉ−８Ａｌ−１Ｍｏ−１Ｖが例示されるが、縦弾性率がこの範囲であるように熱処理されたβ型チタン合金のＴｉ−３Ａｌ−８Ｖ−６Ｃｒ−４Ｍｏ−４Ｚｒ、Ｔｉ−２２Ｖ−４Ａｌも用いることができる。

フェースプレートとしては前述したβ型チタン合金及びα−β型チタン合金のどちらでも良い。

本発明を適用するのに特に効果的なゴルフクラブヘッドは、クラウン部が撓み易い大型ゴルフクラブヘッドであり、具体的にはヘッド体積が２５０ｃｃ以上好ましくは、３００ｃｃ以上、より好ましくは３５０ｃｃ以上のゴルフクラブヘッド（ドライバー）である。上限はゴルフ規則通り４６０ｃｃである。

サイド部の厚みは平均して０．５〜１．２ｍｍ特に０．７〜１．０ｍｍが好ましく、ソール部４の厚みは平均して０．５〜１ｍｍ特に０．６〜０．９ｍｍが好ましく、フェース部２の厚みは平均して２〜３．５ｍｍ特に２．７〜３．２ｍｍが好ましい。フェース部２は、周縁部から中央部にかけて徐々に厚くなるのが好ましい。

このように構成されたゴルフクラブヘッド１にあっては、厚肉部１０をクラウン部３の後部のうちトウ・ヒール方向の中央部に設けているので、クラウン部３の後部の幅方向中央部の剛性が高いと共に、ゴルフクラブヘッド１の重心が後方寄り且つ上位となる。そのため、フェース面の中心付近で打ったときのクラウン部３の撓みを抑制し、反発係数を抑制すると共に、フェース面のトウ側やヒール側でボールを打った場合のクラウン部３の撓みを大きくし、反発力を確保できる。また、重心が深いので、スイートエリアが広いと共に、重心位置が高いのでボールにある程度のバックスピンが与えられるようになる。

これらの理由により、フェース面の中心を外してボールをヒットすることが多いアマチュアゴルファーが使用しても、平均して飛距離が伸びる。

また、この実施の形態では、フェース部２からクラウン部３の前部にかけて全体として薄肉であり、ゴルフ規則による制限の範囲内で反発力が十分に高く、飛距離が伸びる。

上記実施の形態ではフェースプレートとヘッド本体との２体でゴルフクラブヘッドを構成しているが、３体以上でゴルフクラブヘッドを構成してもよい。

本発明では、第３図の肉厚部１０Ａの通り、上記肉厚部よりも前方へ延出させてもよい。また、上記実施の形態では、厚肉部を略台形としているが、第４図の通り、ｂ＝０とした略三角形状の肉厚部１０Ｂとしてもよい。

実施例１
容積が４６０ｃｃの図１，２に図示の構成のゴルフクラブヘッドを製作した。ヘッド本体１０はインベストメント鋳造法により作られた（Ｔｉ−６Ａｌ−４Ｖ）α−β型チタン合金で作成した。フェースプレート３０はβ型チタン合金を鍛造して製作した。このチタン合金の弾性率は１１０ＧＰａである。
Ｌ＝９２ｍｍ、Ｗ＝１２５ｍｍである。

厚肉部１０の寸法はｄ＝４０ｍｍ、ｂ＝２３ｍｍ、ｃ＝６０ｍｍとし、厚肉部の肉厚は１．０ｍｍとした。クラウン部の肉厚は、ｅ＝３．５ｍｍの範囲については０．６ｍｍとし、それよりも後半側（厚肉部１０を除く）を０．７ｍｍとした。サイド部は０．８ｍｍ、ソール部（厚肉部を除く）は０．９ｍｍとした。フェース部の肉厚は、全体として３．０ｍｍの均一厚さとした。

このゴルフクラブヘッドにシャフトを取り付けてゴルフクラブとした。株式会社ミヤマエのスイングロボットで、ヘッドスピードを４７ｍ／ｓとし、進入角０度、ブロー角０度とし、フェースセンターで打ったときと、トウ側に１０ｍｍずらしたときと、２０ｍｍずらして打ったときのボールの初速、打出し角、右打出し角、バックスピン量、サイドスピン量飛距離（キャリー）及びボール落下地点での左右のブレを測定した。

結果を表１に示す。

比較例１
クラウン部の肉厚を０．９ｍｍの均一厚さとした他は実施例１と同様にして測定を行い、その結果を表１に示した。

表１より、本発明によると、フェースセンターを外した場合でも飛距離が大きいことが認められる。なお、これらのゴルフクラブ実打評価を行った。その結果、実施例１のゴルフクラブヘッドを付けたゴルフクラブの方が、打った飛距離のバラツキが少なかった。また、打った感じが手に伝わり、打感が良かった。また、音が高くなり、打音も良かった。

（ａ）図は実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの斜視図、（ｂ）図は（ａ）図のＢ−Ｂ線断面図である。実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの平面図である。別の実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの平面図である。さらに別の実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの平面図である。

符号の説明

１ゴルフクラブヘッド
２フェース部
３クラウン部
４ソール部
５サイド部
６ホゼル部
１０，１０Ａ，１０Ｂ厚肉部

Claims

フェース部、ソール部、サイド部及びクラウン部を有する金属製の中空のゴルフクラブヘッドにおいて、
該クラウン部の後部のうちトウ・ヒール方向の中央部に厚肉部が設けられていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
請求項１において、該厚肉部を除いたクラウン部の平均の肉厚は０．４〜０．９ｍｍであり、厚肉部の平均の肉厚は０．９〜３．０ｍｍであり、両者の差が０．２〜２．５ｍｍであり、
該ゴルフクラブヘッドの平面視において前縁部とクラウン部の最前部との距離ａがクラウン部の前後方向長さＬの２０〜８０％であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
請求項１又は２において、該厚肉部のトウ・ヒール方向の幅が、厚肉部最前部から後方に向って拡大していることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
該請求項３において、厚肉部はクラウン部の後側の周縁部にまで達しており、該厚肉部のトウ側の先端部とヒール側の先端部とがクラウン部の周縁部に位置していることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
請求項３又は４において、厚肉部のトウ側の先端部とヒール側の先端部とのトウ・ヒール方向の距離ｃがクラウン部のトウ・ヒール方向の最大幅Ｗの２０〜８０％であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
請求項１ないし５のいずれか１項において、該厚肉部の最前部の幅が３〜４０ｍｍであることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
請求項１ないし６のいずれか１項において、該ゴルフクラブヘッドを形成する金属がチタン又はチタン合金であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。