JP2004327653A - 真空処理装置 - Google Patents

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JP2004327653A JP2003119259A JP2003119259A JP2004327653A JP 2004327653 A JP2004327653 A JP 2004327653A JP 2003119259 A JP2003119259 A JP 2003119259A JP 2003119259 A JP2003119259 A JP 2003119259A JP 2004327653 A JP2004327653 A JP 2004327653A
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Abstract

【課題】石英製容器に耐圧性を求める必要がなく、そのため、石英製容器を管状に形成する代わりに、平板状の石英板を接合することで石英製容器を製作することが可能で、それにより、大型の石英製容器を低コストで構成する。
【解決手段】セレン化処理又は硫化処理が可能な石英製容器(10)の外側に間隔を隔てて金属製耐圧容器(60)を配置し、石英製容器(10)の内部空間(40)と金属製耐圧容器(60)との間に形成される外部空間(50)とを、独立又は連通して真空排気可能に構成した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばCIS太陽電池の基板の量産に好適な真空処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、CIS(CuInSe)太陽電池の基板の生産には、650℃程度のセレン化工程又は硫化工程が必要になる。このような工程に用いられる真空チャンバは、高温での耐セレン特性を有する物質である石英で製作されるのが通例である。
【0003】
【特許文献1】
再公表00−63956号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、太陽電池のガラス基板が大型化し、生産枚数を増やすためには、大型の真空チャンバが必要となる。このような真空チャンバを石英で構成するには、図8に示すように、大気圧との差圧に耐える大型の石英管(すなわち円筒形の石英チャンバ)を製作しなければならないが、コストが非常に高くなる。そのうえ、このような大型の石英管が万一破損した場合、その交換には高いコストと、納期までに長い時間のかかることが避けられず、はなはだ不便であるという問題があった。
【0005】
この発明の課題は、上記従来のもののもつ問題点を排除して、石英製容器の外側に間隔を隔てて金属製耐圧容器を配置することで、石英製容器に耐圧性を求める必要がなく、そのため、石英製容器を管状に形成する代わりに、平板状の石英板を接合することで石英製容器を製作することが可能で、それにより、大型の石英製容器を低コストで構成することのできる真空処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題を解決するものであって、請求項1に係る発明は、セレン化処理又は硫化処理が可能な石英製容器の外側に間隔を隔てて金属製耐圧容器を配置し、前記石英製容器の内部空間と前記金属製耐圧容器との間に形成される外部空間とを、独立又は連通して真空排気可能に構成した真空処理装置である。
【0007】
請求項2に係る発明は、セレン化処理又は硫化処理が可能な石英製容器の外側に間隔を隔てて金属製耐圧容器を配置し、前記石英製容器の下部にシール構造を介して連結した金属製部材の下端部と前記金属製耐圧容器の下端部とを一体的に組み付けることで石英製容器と金属製耐圧容器とを相互に間隔を隔てて一体に構成し、前記石英製容器の内部空間と前記金属製耐圧容器との間に形成される外部空間とを、独立又は連通して真空排気可能に構成した真空処理装置である。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項2記載の発明において、前記石英製容器は主要部と裾部分とで構成され、前記外部空間に設けた加熱装置により前記主要部の内部空間はプロセス温度まで昇温され、前記裾部分は前記主要部のプロセス温度が前記金属製部材まで伝わらないように断熱することで、前記金属製部材はセレン化処理又は硫化処理で劣化されない温度以下に維持される真空処理装置である。
【0009】
請求項4に係る発明は、セレン化処理又は硫化処理が可能な石英製容器の外側に間隔を隔てて金属製耐圧容器を配置し、前記金属製耐圧容器との間に形成される前記石英製容器の外部空間に、当該石英製容器の内部空間をプロセス温度まで昇温させるための加熱装置を設け、前記石英製容器の内部空間と外部空間とを独立又は連通して真空排気可能に構成した真空処理装置である。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1、2または4記載の発明において、前記石英製容器の内部空間用と外部空間用とにそれぞれ独立して作動可能な真空排気手段を備えるとともに、内部空間の圧力と外部空間の圧力との差圧を検出する差圧検出手段を備え、前記内部空間用の真空排気手段を作動させるとき、前記差圧検出手段により検出される差圧がつねに均衡するように前記外部空間用の真空排気手段の作動を制御する真空処理装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、この発明による真空処理装置の一実施の形態を示す概略的縦断正面図、図2はその要部の横断平面図である。この真空処理装置1は、セレン化処理又は硫化処理が可能な石英製容器(石英チャンバ)10の外側に、間隔を隔てて金属製耐圧容器(耐圧チャンバ)60を配置し、石英製容器10の内部空間40と外部空間50とを、独立又は連通して真空排気可能に構成したものである。石英製容器10の内部空間40は、太陽電池のガラス基板41を多数枚セット可能な石英製の基板ホルダ42を収容可能な大きさに形成される。また、石英製容器10の外部空間50、すなわち、石英製容器10と金属製耐圧容器60との間には、石英製容器10の内部空間40を昇温させるための加熱装置(例えば石英ヒータ)51と、この加熱装置51が金属製耐圧容器60を過熱させないための金属製反射板52を配置してある。
【0012】
図2、図3、図4に示すように、石英製容器(石英チャンバ)10は、前後左右の4面に天板を加えた5面からなる底のない四角い箱体として形成され、裾部分を除く主要部10A全体が透明石英で構成される一方、裾部分10Bだけは不透明石英で構成されている。このような四角い箱体の主要部10Aは、板状の透明石英板を溶接などで接合することにより構成可能であり、また、主要部10Aと裾部分10Bとの継ぎ目も、透明石英と不透明石英とを溶接などで接合することにより構成可能である。石英製容器10の主要部10A全体を構成する透明石英は、加熱装置51から入射される赤外線を貫通させることで、また、加熱されて自身が赤外線を放射することで、内部空間40をセレン化処理又は硫化処理に適した650℃程度まで昇温させる。一方、石英製容器10の裾部分10Bを構成する不透明石英は、加熱装置51から入射される赤外線を貫通させないため、透明石英に比べて内部空間40の温度上昇を低く抑える。さらに、裾部分10Bの内部空間40には、不透明石英で構成される反射板43が基板ホルダ42に複数枚配置されることで、これらの反射板43より下方の内部空間40は反射板43により断熱されて200℃程度以下までの昇温に抑えられる。そして、この裾部分10Bの下端にはフランジ11が形成されている。
【0013】
図4に示すように、石英製容器10の下部には、例えばSUS310などの高クロム系のステンレス製部材20がシール構造30を介して連結される。このステンレス製部材20には上端フランジ21および下端フランジ22が形成されている。シール構造30は、ステンレス製部材20の上端フランジ21に形成された環状溝31内にOリング32を配置し、このOリング32に裾部分10B下端のフランジ11下面を接合し、このフランジ11上面にテフロンリング33を介して環状部材34を配置して、この環状部材34に円周方向に複数箇所形成された孔と、これに対応して上端フランジ21に形成された同様の孔とにねじ止め部材35を貫通してねじ止めすることで、ステンレス製部材20の上端フランジ21と裾部分10B下端のフランジ11とを、Oリング32によるシール機能を介して結合するものである。これにより、ステンレス製部材20は、石英製容器10の下部に一体に連結される。SUS310などの高クロム系のステンレスは、200℃程度までの温度ならセレン化処理又は硫化処理による劣化などの影響を実質的に受けずに済むため、不透明石英で構成される裾部分10Bおよび不透明石英で構成される反射板43より下方に配置されることで、セレン化処理又は硫化処理による劣化などの影響を受けないために必要な温度条件(200℃程度より低い温度)を満たすことができるが、さらに、図示しない適宜の水冷ジャケット等を付設することでこれより充分低い温度まで冷却することが好ましい。
【0014】
また、図2、図3に示すように、金属製耐圧容器(耐圧チャンバ)60は、例えばステンレス、鉄など適宜の金属製のものであり、天井があって底がなく、しかも内側に、石英製容器10をその下部にステンレス製部材20を連結したままそっくり収容可能な大きさの円筒の箱体として形成されている。このような金属製耐圧容器60は、その外側面が周囲環境との境界を形成するから、図示しない適宜の水冷ジャケット等を付設することで周囲環境に安全な温度まで冷却することが好ましい。また、金属製耐圧容器60の下端にはフランジ61が形成されていて、石英製容器10下部のステンレス製部材20の下端フランジ22および金属製耐圧容器60下端のフランジ61が、装置フレーム70に固定されることで、下部にステンレス製部材20を連結した石英製容器10と金属製耐圧容器60とが相互に間隔を隔てて一体に構成される。そして、石英製容器10の内部空間40に連なる底部開口を開閉するための、例えばSUS310などの高クロム系のステンレス製底蓋71が、装置フレーム70の下方に昇降可能に配置され、ステンレス製底蓋71を上昇させて装置フレーム70の下面に密着シールすることで、石英製容器10の内部空間40が完全に密閉されるようになっている。そのため、ステンレス製底蓋71を開けない限り、石英製容器10の内部空間40で行われるセレン化処理又は硫化処理による環境汚染などの影響を外部にもたらす危険性はない。
【0015】
図1、図5に示すように、真空処理装置1の下方には、太陽電池のガラス基板41を多数枚セット可能な石英製の基板ホルダ42を収容可能なエアロック室80が設けられる。このエアロック室80と石英製容器10の内部空間40とは、ステンレス製底蓋71を開けることで連通可能に構成され、ステンレス製底蓋71を載せて昇降させることでステンレス製底蓋71の開閉を行う昇降機構81がエアロック室80内に設けてある。そのため、この昇降機構81にステンレス製底蓋71を載せ、さらにその上に基板ホルダ42を載置した状態で、昇降機構81を作動させることで、ガラス基板41をセットした基板ホルダ42を、エアロック室80から石英製容器10の内部空間40へ搬入し、また、石英製容器10の内部空間40からエアロック室80へ搬出できるようになっている。また、エアロック室80には、基板ホルダ42をエアロック室80に出し入れするためのハッチ82が設けられ、このハッチ82を開けてガラス基板41を出し入れできるようになっている。
【0016】
このような真空処理装置1には、石英製容器10の内部空間40と外部空間50とを独立又は連通して真空排気を実現するため、つぎのような圧力制御システム100が設けられている。
【0017】
図6に示すように、圧力制御システム100は、石英製容器10の内部空間40のプロセス圧力を計測するプロセス圧力計101と、内部空間40と外部空間50との差圧を計測する差圧計102と、外部空間50内の残留ガスなどの状態を分析する残留ガス分析器(RGA)103とを備える。また、圧力制御システム100は、石英製容器10の内部空間40に所要のガスを導入するための内部給気配管110と、内部空間40からガスを排気するための内部排気配管120と、石英製容器10の外部空間50に所要のガスを導入するための外部給気配管130と、外部空間50からガスを排気するための外部排気配管140と、さらに、石英製容器10の内部空間40と外部空間50とを連通可能な連通配管150とで構成される。このうち、プロセス圧力計101の計測プローブ、差圧計102の内部空間圧力計測プローブ、内部給気配管110および内部排気配管120の先端は、いずれも、石英製容器10の下部にシール構造30を介して連結されたステンレス製部材20に設置することができ、これにより、石英製容器10自身には孔加工などを全く行わないで済ますことが可能である。
【0018】
内部給気配管110は、材料ガス供給管111およびリークテスト用He(ヘリウム)ガス供給管112を備えている。また、内部排気配管120は、その排気管路中に、メインバルブ121とニードルバルブ122のほか、水冷トラップ123、ルーツブロワ124および真空排気するためのドライポンプ125を備えている。水冷トラップ123は、内部空間40からの排気ガス中に含まれるプロセスに用いたセレンや硫黄を冷却することで凝縮させ、このようにして凝縮させたセレンや硫黄を排気ガス中から除去するものである。ルーツブロワ124は、排気ポンプとしてのドライポンプ125を効率よく働かせるため、排気ガスを一旦圧縮するものである。
【0019】
外部給気配管130は、ベンチレーション用N(窒素)ガス供給管131を備え、ベンチレーション用N(窒素)ガス供給管131の管路中には、ニードルバルブ132およびストップバルブ133を備えている。また、外部排気配管140は、その排気管路中に、メインバルブ141とニードルバルブ142のほか、ターボ分子ポンプ143および真空排気するための油回転ポンプ144を備えている。ターボ分子ポンプ143は、残留ガス分析器(RGA)103を使って例えばリークテストをするために、外部空間50の残留ガス濃度を分子量領域まで低下させるものである。
【0020】
連通配管150には連通管バルブ151が設けられ、この連通管バルブ151を閉めることで石英製容器10の内部空間40と外部空間50とは完全に遮断され、また、連通管バルブ151を開くことで内部空間40と外部空間50とを連通させることができるようになっている。
【0021】
次に、上記のように構成された真空処理装置1を使用して実行する例えばCIS太陽電池の基板生産プロセスについて、図7を参照して説明する。
【0022】
まず最初に、連通管バルブ151を開けて、石英製容器10の内部空間40と外部空間50とを連通させた状態で、内部排気配管120のメインバルブ121を閉め、外部排気配管140のメインバルブ141を開けて油回転ポンプ144を作動させることで、石英製容器10の内部空間40および外部空間50をすべて真空排気する。このとき、つぎのようにしてリークテストを行うことが可能である。すなわち、リークテスト用He(ヘリウム)ガス供給管112から石英製容器10の内部空間40にリークテスト用のHe(ヘリウム)ガスを例えば100〜200Pa(パスカル)程度導入する。万一、シール構造30の例えばOリング32のどこかの箇所でリーク(ガス漏れ)が発生した場合、内部空間40に導入されたHe(ヘリウム)ガスが外部空間50へ漏れ出すことになるから、外部空間50におけるこのHe(ヘリウム)ガスの存在の有無を残留ガス分析器(RGA)103が調べることで、リーク(ガス漏れ)の有無を検出することができる。そして、真空排気が完了したら、外部排気配管140のメインバルブ141を閉めて油回転ポンプ144を停止させるとともに、連通管バルブ151を閉めることで、内部空間40と外部空間50とを完全に遮断させる。
【0023】
つぎに、材料ガス供給管111から石英製容器10の内部空間40に、HSe(セレン化水素)ガスを約2/3気圧程度入れる。このとき、ベンチレーション用N(窒素)ガス供給管131から石英製容器10の外部空間50にN(窒素)ガスを入れることで、石英製容器10の内部空間40の圧力と外部空間50の圧力とを均衡させた状態に保つ。すなわち、内部空間40はHSe(セレン化水素)ガスによって約2/3気圧になり、外部空間50はN(窒素)ガスによって同様に約2/3気圧になる。
【0024】
つぎに、加熱装置51を作動させて内部空間40の温度を上げていく。もちろん、加熱装置51を作動させるのであるから、外部空間50の温度も上がっていく。このとき、内部空間40のHSe(セレン化水素)ガスは温度上昇とともに膨張して内部空間40の圧力が高くなるから、内部空間40のガス圧力が大気圧を超える手前まで高くなったら、内部排気配管120のニードルバルブ122を開けてドライポンプ125をわずかに作動させることで少し排気してガス圧力を低下させる。一方、外部空間50のN(窒素)ガスも温度上昇とともに膨張して外部空間50の圧力が高くなるから、外部空間50のガス圧力が大気圧を超える手前まで高くなったら、外部排気配管140のニードルバルブ142を開けて油回転ポンプ144をわずかに作動させることで少し排気してガス圧力を低下させる。もちろん、このような内部空間40のガス圧力の調整および外部空間50のガス圧力の調整は、内外両ガス圧力を実質的に均衡させた状態に保って行うことが好ましい。内部空間40の温度がCIS太陽電池の基板生産プロセスに必要な所定の温度に達するまで、このような内部空間40のガス圧力の調整および外部空間50のガス圧力の調整を繰り返す。
【0025】
そして、内部空間40の温度がCIS太陽電池の基板生産プロセスに必要な所定の温度まで上昇して一定の状態になると、内部空間40のHSe(セレン化水素)ガス圧力も一定の状態になるから、この内部空間40の温度とHSe(セレン化水素)ガス圧力が一定の状態を所要時間維持することで、石英製容器10の内部空間40ではセレン化工程が行われる。
【0026】
セレン化工程の所要時間が経過したら、内部排気配管120のメインバルブ121を開けてドライポンプ125を作動させることで、石英製容器10の内部空間40からHSe(セレン化水素)ガスを排気して一旦真空にする。一方、外部排気配管140のメインバルブ141を開けて油回転ポンプ144を作動させることで、石英製容器10の外部空間50からも同時にN(窒素)ガスを排気して一旦真空にする。このとき、内部空間40から排気するのに合わせて外部空間50からも排気することで差圧計102が中立位置からどちらへも振れないようにするため、外部排気配管140のニードルバルブ142と外部給気配管130のストップバルブ133とを用いて外部空間50からの排気を制御する。真空排気が完了したら、内部排気配管120のメインバルブ121を閉めてドライポンプ125を停止させるとともに、外部排気配管140のメインバルブ141を閉めて油回転ポンプ144を停止させる。
【0027】
つぎに、材料ガス供給管111から石英製容器10の内部空間40に、HS(硫化水素)ガスを約2/3気圧程度入れる。一方、ベンチレーション用N(窒素)ガス供給管131から石英製容器10の外部空間50に、N(窒素)ガスを同様に約2/3気圧程度入れる。このとき、気体の熱容量は非常に小さいので、ガスを入れても温度はほとんど下がらず、実質的に温度変化は生じない。そして、内部空間40にHS(硫化水素)ガスが約2/3気圧充填され、外部空間50にN(窒素)ガスが約2/3気圧充填されて内部空間40の圧力と外部空間50の圧力とが均衡したこの状態を所要時間維持することで、石英製容器10の内部空間40では硫化工程が行われる。
【0028】
硫化工程の所要時間が経過したら、内部排気配管120のメインバルブ121を開けてドライポンプ125を作動させることで、石英製容器10の内部空間40からHS(硫化水素)ガスを排気して一旦真空にする。一方、外部排気配管140のメインバルブ141を開けて油回転ポンプ144を作動させることで、石英製容器10の外部空間50からも同時にN(窒素)ガスを排気して一旦真空にする。このとき、内部空間40から排気するのに合わせて外部空間50からも排気することで差圧計102が中立位置からどちらへも振れないようにするため、外部排気配管140のニードルバルブ142と外部給気配管130のストップバルブ133とを用いて外部空間50からの排気を制御する。真空排気が完了したら、内部排気配管120のメインバルブ121を閉めてドライポンプ125を停止させるとともに、外部排気配管140のメインバルブ141を閉めて油回転ポンプ144を停止させる。
【0029】
そのあと、連通管バルブ151を開けて、石英製容器10の内部空間40と外部空間50とを連通させた状態にし、ベンチレーション用N(窒素)ガス供給管131から石英製容器10の外部空間50にN(窒素)ガスを入れ、さらに連通配管150を経て内部空間40にもN(窒素)ガスを入れることで、石英製容器10の内部空間40および外部空間50をいずれも無害なガスによって大気圧にする。そして、この大気圧状態で内部空間40の温度が適度に低下したら、ハッチ82を開いてエアロック室80からガラス基板41を取り出す。
【0030】
なお、上記の実施の形態では、真空処理装置1の一部としてエアロック室80を備えた構成としたが、これに限定するものでなく、例えば、エアロック室80の代わりに真空処理装置本体を所要の高さに担持する適宜の支持部材を備えた構成とすることが可能である。
【0031】
また、図7のグラフでは、プロセスの開始時の温度が常温付近にあって、この常温付近からプロセス温度まで加熱しているが、例えばエアロック室80の温度を管理しておき、プロセス温度から大きく温度低下しないよう予備加熱しておけば、開始直後からプロセス温度でCIS太陽電池の基板生産プロセスを実行することが可能である。
【0032】
【発明の効果】
この発明は以上のように、セレン化処理又は硫化処理が可能な石英製容器の外側に間隔を隔てて金属製耐圧容器を配置し、前記石英製容器の内部空間と前記金属製耐圧容器との間に形成される外部空間とを、独立又は連通して真空排気可能に構成したので、石英製容器の外側に間隔を隔てて金属製耐圧容器を配置することで、石英製容器に耐圧性を求める必要がなく、そのため、石英製容器を管状に形成することが不要で、平板状の石英板を接合することで石英製容器を構成することが可能である。このため、大型の石英製容器を安価な初期投資コストで構成することができるばかりでなく、石英が破損した場合の交換コストも安価になる。また、石英製容器が大型になれば金属製耐圧容器を含めても、耐圧石英管に比べて全体のコストを低く抑えることができる。さらに、真空断熱されているので、均一な容器内温度を得やすく、省エネルギーである。したがって、例えばCIS太陽電池の基板の量産に適用して好適なものであるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による真空処理装置の一実施の形態を示す概略的縦断正面図である。
【図2】図1の真空処理装置の要部の横断平面図である。
【図3】エアロック室を除く真空処理装置本体の概略的説明図である。
【図4】シール構造を含む要部の拡大説明図である。
【図5】真空処理装置本体の一部を含むエアロック室の概略的説明図である。
【図6】圧力制御システムの構成を示す概略的説明図である。
【図7】圧力制御システムの動作を示すグラフである。
【図8】従来の円筒形の石英チャンバを使用した場合の要部の横断平面図である。
【符号の説明】
1 真空処理装置
10 石英製容器(石英チャンバ)
10A 主要部
10B 裾部分
11 フランジ
20 ステンレス製部材
21 上端フランジ
22 下端フランジ
30 シール構造
31 環状溝
32 Oリング
33 テフロンリング
34 環状部材
35 ねじ止め部材
40 内部空間
41 ガラス基板
42 基板ホルダ
43 反射板
50 外部空間
51 加熱装置(例えば石英ヒータ)
52 金属製反射板
60 金属製耐圧容器(耐圧チャンバ)
61 フランジ
70 装置フレーム
71 ステンレス製底蓋
80 エアロック室
81 昇降機構
82 ハッチ
100 圧力制御システム
101 プロセス圧力計
102 差圧計
103 残留ガス分析器(RGA)
110 内部給気配管
111 材料ガス供給管
112 リークテスト用He(ヘリウム)ガス供給管
120 内部排気配管
121 メインバルブ
122 ニードルバルブ
123 水冷トラップ
124 ルーツブロワ
125 ドライポンプ
130 外部給気配管
131 ベンチレーション用N(窒素)ガス供給管
132 ニードルバルブ
133 ストップバルブ
140 外部排気配管
141 メインバルブ
142 ニードルバルブ
143 ターボ分子ポンプ
144 油回転ポンプ
150 連通配管
151 連通管バルブ

Claims (5)

  1. セレン化処理又は硫化処理が可能な石英製容器の外側に間隔を隔てて金属製耐圧容器を配置し、
    前記石英製容器の内部空間と前記金属製耐圧容器との間に形成される外部空間とを、独立又は連通して真空排気可能に構成したことを特徴とする真空処理装置。
  2. セレン化処理又は硫化処理が可能な石英製容器の外側に間隔を隔てて金属製耐圧容器を配置し、前記石英製容器の下部にシール構造を介して連結した金属製部材の下端部と前記金属製耐圧容器の下端部とを一体的に組み付けることで石英製容器と金属製耐圧容器とを相互に間隔を隔てて一体に構成し、前記石英製容器の内部空間と前記金属製耐圧容器との間に形成される外部空間とを、独立又は連通して真空排気可能に構成したことを特徴とする真空処理装置。
  3. 前記石英製容器は主要部と裾部分とで構成され、前記外部空間に設けた加熱装置により前記主要部の内部空間はプロセス温度まで昇温され、
    前記裾部分は前記主要部のプロセス温度が前記金属製部材まで伝わらないように断熱することで、前記金属製部材はセレン化処理又は硫化処理で劣化されない温度以下に維持されることを特徴とする請求項2記載の真空処理装置。
  4. セレン化処理又は硫化処理が可能な石英製容器の外側に間隔を隔てて金属製耐圧容器を配置し、
    前記金属製耐圧容器との間に形成される前記石英製容器の外部空間に、当該石英製容器の内部空間をプロセス温度まで昇温させるための加熱装置を設け、
    前記石英製容器の内部空間と外部空間とを独立又は連通して真空排気可能に構成したことを特徴とする真空処理装置。
  5. 前記石英製容器の内部空間用と外部空間用とにそれぞれ独立して作動可能な真空排気手段を備えるとともに、内部空間の圧力と外部空間の圧力との差圧を検出する差圧検出手段を備え、
    前記内部空間用の真空排気手段を作動させるとき、前記差圧検出手段により検出される差圧がつねに均衡するように前記外部空間用の真空排気手段の作動を制御することを特徴とする請求項1、2または4記載の真空処理装置。
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