JP2004327634A - レーザ発振器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板上に形成された発光素子と、光共振器とを有するレーザ発振器であって、発光素子は、発光層と、発光層を間に挟んでいる陽極及び陰極とを有し、発光層は、ホスト材料と、ホスト材料に10wt%以上の濃度で分散された燐光材料とを有しており、陽極及び陰極は透光性を有しており、光共振器により、燐光材料のエキシマ状態からの発光のうち、発光層と交差する一方向の光を、増幅することを特徴とするレーザ発振器。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エキシマの誘導放出によってレーザ光が得られるレーザ発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザは、他のガスまたは固体レーザと比較してレーザ発振器を飛躍的に小型化、軽量化できるというメリットを有しており、光集積回路において光インターコネクションにより信号の送受を行なうための光源として、光ファイバーなどを光導波路として用いる光通信の光源として、さらには光ディスク、光メモリーなどの記録媒体への記録を行なう際の光源として、様々な分野で実用化されている。そして半導体レーザの発振波長は青色から赤外までと広範囲に及ぶが、一般的に実用化されている半導体レーザは、例えばGaAsレーザ(波長0.84μm)、InAsレーザ(波長3.11μm)、InSbレーザ(波長5.2μm)、GaAlAs(波長0.72μm〜0.9μm)、InGaAsP(波長1.0μm〜1.7μm)のように、その発振波長が赤外領域に存在するものが多い。
【0003】
レーザ光の指向性やビームスポットを光学系で絞り込む際の回折限界はレーザ光の波長に依存しており、具体的には波長が短くなるほどレーザ光の指向性が高まり、回折限界が小さくなることが知られている。レーザ光の指向性が高まるとディスクリネーションが抑えられるため、光通信や光集積回路における光インターコネクションにおける信号の送受の確実性を高め、光集積回路の高集積化することができる。また回折限界を小さくするとレーザ光のビームスポットをより小さく絞り込むことができるので、光ディスクや光メモリーなどの記録媒体への記録を高密度に行ない、記録媒体の大容量化を実現することができる。従って、上記半導体レーザを用いたいずれの分野においても、レーザ光の短波長化は重要な課題であり、発振波長を可視領域に有する半導体レーザの実用化に関する研究が数多くなされている。
【0004】
下記特許文献1には、ピーク波長がλが510nmである有機半導体レーザに関して記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−156536号公報(第11頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで半導体レーザの励起(ポンピング)方法として、接合を作ってキャリアを注入する方法、電子線励起法、光励起法、なだれ破壊励起法等、様々な方法が知られている。半導体レーザにおいて誘導放出光を得るためには、上記方法に代表される励起方法を用いて、反転分布の状態を作り得るような強いエネルギー(ポンピングエネルギー)を、レーザ媒質として機能する半導体に与える必要がある。さらに実際にレーザ光を発振するためには、反転分布の状態を形成するだけでは不充分であり、誘導放出が吸収やその他共振器内に生じる全ての損失を上回るように、発振開始に必要な閾値以上のポンピングエネルギーをレーザ媒質に与えなくてはならない。
【0007】
この発振開始に必要なポンピングエネルギーの値は、レーザ媒質を構成している物質の特性に左右されるため、半導体レーザの種類によってまちまちである。該ポンピングエネルギーが小さい半導体レーザほど、励起入力の出力光への変換効率が高く、消費電力を抑えることができるので好ましい。そのため、ポンピングエネルギーを抑えつつ、出力光の変換効率を高めることができる半導体レーザの提案が望まれている。特に光集積回路のように消費電力が商品価値に直結するような分野では、半導体レーザの高変換効率化への要求は切実である。
【0008】
上述したような技術的背景のもと、本発明は可視領域に発振波長を有し、なおかつ出力光の変換効率を高め、消費電力を抑えることができるレーザ発振器の提供を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、三重項励起状態にある分子が会合することでエキシマを形成することができる燐光材料を含んだレーザ媒質を用い、レーザ発振器を形成する。本発明においてレーザ発振器は、光共振器と励起部とを有し、励起部はレーザ媒質(励起媒質)と、該レーザ媒質にポンピングエネルギーを供給するポンピング源とを有する。また燐光材料は、三重項励起状態を発光に変換できる材料、すなわち三重項励起状態から基底状態に戻る際に得られる燐光を放出できる材料を意味する。
【0010】
具体的に本発明のレーザ発振器では、燐光材料として、白金を中心金属とする有機金属錯体を用い、レーザ媒質中に該燐光材料を10wt%以上の高濃度で分散させる。本発明者は、上記濃度で燐光材料を分散させる事が、エキシマを形成するのに有効であることを見出した。また白金を中心金属とする有機金属錯体を用いることで、可視領域の一部である500nm以上700nm以下の領域にピークを有するエキシマ状態からの発光(エキシマ発光)と燐光を得ることができる。なお該燐光材料から得られる光は、エキシマ発光と燐光の他、一重項励起状態から基底状態に戻る際の蛍光を含んでいても良い。燐光材料の濃度をより高めることで、エキシマ発光のみを得ることもできる。
【0011】
エレクトロルミネッセンスでは、一重項励起状態と三重項励起状態が1:3の割合で生成すると考えられているため、燐光材料を用いることにより高い発光効率を達成できることが知られている。そして三重項励起状態にある分子と基底状態にある分子とが会合することで形成されるエキシマは、三重光励起状態を経ているため、一重項励起状態の分子に比べて励起寿命が長い。そのため、上記燐光材料を含んだレーザ媒質において発生するエキシマ発光は、燐光とほぼ同じ程度の長い寿命を有する。
【0012】
図1(A)に、三重項励起状態にある分子Mが会合することで形成されるエキシマのエネルギー準位を示す。図1(A)に示すように、基底状態(エネルギーE1)の分子Mにポンピングエネルギーを与えると励起し、三重項励起状態(エネルギーE2)の分子M*が得られる。この三重項励起状態の分子M*は、基底状態にある分子Mと会合し、エネルギーE2よりもややエネルギーの低い励起状態(エネルギーE3)の、励起2量体[M+M]*を形成する。この励起状態(エネルギーE3)から基底状態(エネルギーE1)に戻る際に発せられる光(hν)が、エキシマ発光に相当する。
【0013】
励起2量体[M+M]*の励起寿命は、三重項励起状態の寿命と同じ程度であり、一重項励起状態における励起寿命に比べて比較的長い。よって、反転分布の状態を、一重項励起状態の場合よりも小さいポンピングエネルギーで形成することができる。
【0014】
さらに本発明ではエキシマを用いて反転分布の状態を形成するので、単量体の場合と比べて、小さいポンピングエネルギーでレーザ光を発振することができる。エキシマの場合と単量体の場合の比較のために、図1(B)に、三重項励起状態にある単量体の分子Mのエネルギー準位を示す。図1(B)に示すように、基底状態(エネルギーE1)の分子Mにポンピングエネルギーを与えると励起し、三重項励起状態(エネルギーE2)の分子M*が得られるとする。そして図1(B)ではエキシマが形成されないと仮定すると、この三重項励起状態の分子は励起寿命が来ると基底状態(エネルギーE1)に戻り、その際に燐光(hν)を放出する。
【0015】
図1(A)と図1(B)を比較すると、図1(A)の場合では、1つの分子Mをポンピングエネルギーにより励起させることで、結果的に2つの分子を励起状態に導くことができるが、図1(B)の場合では、ポンピングエネルギーによって各分子が個別に励起させることになる。よってエキシマを形成する場合の方が、単量体の場合よりも、小さいポンピングエネルギーで反転分布の状態を形成することができる。
【0016】
なお上述したように、上記燐光材料から得られる発光は、燐光材料の濃度を高めることでエキシマ発光のみを得ることができるが、濃度によっては全てエキシマ発光というわけではなく、三重項励起状態の単量体から得られる燐光も含まれている場合もある。よって、光共振器内において定在波が形成されるように、光共振器を構成する2つのミラー間の長さ(共振器長)や、ミラー間におけるレーザ媒質の長さを各光の波長に合わせて最適化することで、光共振器内で増幅させる光を選択することができる。
【0017】
励起方法は、光励起法であっても、接合を作り、それを通してキャリアを注入する方法であっても、その他の励起方法であってもよい。ただし、光励起法を用いる場合、増幅させたい光と同じ波長の光が励起光に含まれるようにする。また、キャリアを注入する方法の場合、該燐光材料を発光層に含む発光素子を形成し、電流によって直接電子・正孔対を形成するようにしても良い。具体的に本発明で用いる発光素子は、電場を加えることで発生するルミネッセンス(Electroluminescence)が得られる発光層と、陽極と、陰極とを有している。発光層は陽極と陰極の間に設けられており、発光層と陽極の間にホール注入層、ホール輸送層等、発光層と陰極の間に電子注入層、電子輸送層等が設けられていても良い。この場合、発光層を含む、陽極と陰極の間に設けられた全ての層を、電界発光層と呼ぶ。電界発光層を構成する層の中に、無機化合物を含んでいる場合もある。エキシマを効率的に形成するためには、発光層に接して設けられるホール輸送層またはホール注入層のイオン化ポテンシャルをホスト材料もしくは発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きくするか、または、ホスト材料もしくは発光層のイオン化ポテンシャルの方が大きくても、その差を0.4eV未満とするのが好ましい。
【0018】
本発明は上記構成により、可視領域に発振波長を有するレーザ光を発振し、なおかつ出力光の変換効率を高め、消費電力を抑えられるレーザ発振器を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図2を用いて、本発明のレーザ発振器の構成について説明する。図2(A)は、光励起法を用いた本発明のレーザ発振器の構成を示す。本発明のレーザ発振器は、燐光材料を含むレーザ媒質101と、光共振器102と、励起光源103とを有している。本発明においてレーザ媒質101には、白金を中心金属とする有機金属錯体が含まれている。具体的には、下記構造式(1)〜(4)で示される物質が10wt%以上の濃度でホスト材料に分散されたレーザ媒質101を用いれば、燐光発光とそのエキシマ発光の両方を導出することができる。
【0020】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【0021】
また燐光材料をゲスト材料とする際のホスト材料としては、芳香族アミン系(すなわち、ベンゼン環−窒素の結合を有するもの)の化合物を用いることができる。広く用いられている材料として、例えば、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(略称:TPD)や、その誘導体である4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)などがある。また、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)や、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)などのスターバースト型芳香族アミン化合物が挙げられる。
【0022】
その他、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−(4−ヒドロキシ−ビフェニリル)−アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などの金属錯体が挙げられる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)などのオキサジアゾール誘導体、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)などのトリアゾール誘導体、2,2’,2”−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール](略称:TPBI)のようなイミダゾール誘導体、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などのフェナントロリン誘導体を用いることができる。
【0023】
また、4,4’−N,N’−ジカルバゾリル−ビフェニル(略称:CBP)などのバイポーラ性の材料も用いることができる。
【0024】
例えば、ホスト材料としてCBPを用い、ゲスト材料として上記構造式(1)で表されるPt(tpy)acacを用い、その濃度が15wt%となるように調整し、共蒸着法により20nmの膜厚でレーザ媒質を形成した場合、レーザ媒質からは、Pt(tpy)acacの燐光発光による緑色(〜490nmおよび〜530nm)、エキシマ発光による橙色(〜570nm)の3成分が得られる。本実施の形態ではエキシマ発光(〜570nm)を光共振器102を用いて増幅し、レーザ光を得ることができる。
【0025】
励起光源103は、具体的には、Xe、KrまたはArを封入したフラッシュランプ、超高圧水銀ランプ、窒素レーザ、GaAsxP(1−x)半導体レーザ等を用いることができる。
【0026】
図2(A)において光共振器102は、光を反射する反射材102a、102bを有している。そして、反射材102a、102bは、レーザ媒質101において発生した光が光共振器102内において反射材102a、102b間を往復するように配置されている。そして、光共振器102に用いられている反射材102a、102bは、一方の光の反射率が他方の反射率よりも高くなるようにすることで、反射率の低い方の反射材(ここでは反射材102b)から、レーザ光が得られる。
【0027】
また104は、モードロックするためのピンホールに相当する。なお、ピンホール104は必ずしも設ける必要はなく、またモードロックするためにピンホールではなく他の変調素子を設けるようにしても良い。
【0028】
なお、反射材102a、102bとしてミラーを用いることが可能であるが、レーザ媒質101において発生した光を共振させてレーザ光が得られる程度に、光共振器内に光を閉じ込めることができる構成を有していれば、反射材はミラーに限定されない。レーザ媒質101に比べて、光共振器内に光を閉じ込めることができる程度に屈折率が低い材料を用い、光共振器102を形成することができる。例えば、酸化珪素膜や金属などを用いても良い。
【0029】
また励起光源103はレーザ媒質101にポンピングエネルギーを供給するポンピング源に相当する。本実施の形態では、励起光源103から発せられる励起光により、レーザ媒質101に含まれる燐光材料の分子が三重項励起状態に励起され、該励起された分子と隣接する基底状態の分子とで、エキシマが形成される。そして該エキシマから自然放出されたエキシマ発光によって誘導放出が生じ、光共振器102の反射材102a、102b間を結ぶ軸方向の光のみが選択的に増幅され、反射材102bからレーザ光が発振される。
【0030】
なお燐光材料を含むレーザ媒質101から得られる光は、エキシマ発光のみならず、燐光も含む。エキシマ発光によってレーザ光を得る場合、共振器長の長さLが、エキシマ発光の波長λの半分の整数倍となるように、反射材102a、102bを配置する。同様に、レーザ媒質101から得られる燐光を用いてレーザ光を得る場合には、共振器長の長さLが、該燐光の波長λの半分の整数倍となるように、反射材102a、102bを配置する。
【0031】
なおエレクトロルミネッセンスが得られる電界発光材料は、一般的に水分、酸素などにより劣化が促進される傾向を有している。そこで本実施の形態では、レーザ媒質101を封止した状態で、光共振器102内に配置する。図2(B)に、図2(A)に示した、封止されている状態のレーザ媒質101の拡大図を示す。
【0032】
図2(B)では、レーザ媒質101が、基板105と複数の絶縁膜106〜108によって封止されている様子を示している。具体的には、基板105上に成膜された絶縁膜106に接するように、レーザ媒質101が成膜されている。そして該レーザ媒質101を覆うように、絶縁膜106上に、絶縁膜107、108が順に成膜されている。なお、絶縁膜106〜108は、レーザ媒質101への水分や酸素の侵入を抑える効果が比較的高く、またレーザ媒質101において発生する光を透過することができる絶縁膜を用いる。例えば、酸化窒化珪素や窒化珪素等に代表されるような、窒素を含む絶縁膜を用いるのが望ましい。また、レーザ媒質101を封止するのに用いる絶縁膜の数はこれに限定されない。また絶縁膜は無機の材料に限らず、有機の材料で形成された絶縁膜であってもよいし、無機と有機の絶縁膜を積層していても良い。また上述した絶縁膜に加えて、導電性を有する膜を用いていても良い。
【0033】
図2(B)は、レーザ媒質101の封止の1つの形態を示しているに過ぎず、本発明はこれに限定されない。図2(C)に、図2(B)とは異なる形態で、レーザ媒質101を封止している様子を示す。
【0034】
図2(C)では、基板110上に成膜された絶縁膜111に接するように、レーザ媒質101が成膜されている。そして該レーザ媒質101を覆うように、絶縁膜111上に絶縁膜112が成膜されている。そして、レーザ媒質101は絶縁膜112上に形成されたシール材114によって囲まれており、充填材115と共に基板110とカバー材113の間に封止されている。充填材115として酸化バリウム等の吸湿性物質が添加された樹脂を用いることができる。樹脂は、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。なお、充填材115として、窒素やアルゴンなどの不活性な気体も用いることが可能である。
【0035】
なお図2に示したレーザ発振器の構成は、本発明のレーザ発振器の一実施形態に過ぎない。本発明のレーザ発振器に用いられる励起法は、本実施の形態で示した光励起法に限定されず、その他の励起法であってもよい。
【0036】
白金を中心金属とする上記有機金属錯体の励起2量体の励起寿命は、三重項励起状態の寿命と同じ程度であり、一重項励起状態における励起寿命に比べて比較的長い。よって、一重項励起状態の場合よりも小さいポンピングエネルギーで反転分布の状態を形成することができる。また、1つの分子をポンピングエネルギーにより励起させることで、結果的に2つの分子を励起状態に導くことができるので、さらに小さいポンピングエネルギーで反転分布の状態を形成することができる。従って、レーザ発振に必要とされる消費電力を抑えることができる。そして、エキシマ発光によって得られるレーザ光は、その発振波長が赤外領域よりも波長の短い可視領域に存在するため、よりレーザ光の指向性を高く、回折限界を小さくすることができる。
【0037】
なお本実施の形態では、レーザ媒質で形成されている膜と交差する一方向、具体的には膜厚方向において、誘導放出で得られる光が増幅されているが、本発明はこれに限定されない。誘導放出で得られる光の増幅される方向が、レーザ媒質で形成される膜の面内に存在するようにしても良い。
【0038】
(実施の形態2)
本実施の形態では、キャリアを注入する方法を用いた本発明のレーザ発振器の構成について説明する。
【0039】
キャリアをレーザ媒質に注入するために、該レーザ媒質を発光層とし、該発光層を間に挟んで存在する陽極及び陰極とを有した発光素子を形成する。そして該発光素子に励起電流を供給することでレーザ媒質中の燐光材料を励起し、発せられた光を光共振器で共振させ、レーザ光を得る。
【0040】
図3(A)に、本実施の形態で用いる発光素子の素子構造を示す。図3(A)に示す発光素子は、陽極301と陰極307の間に電界発光層308を挟んだ構造を有している。電界発光層308は、陽極301側から順次積層された、ホール注入層302、ホール輸送層303、発光層304、電子輸送層305、電子注入層306を有している。そして発光層304では、ホスト材料に上述した白金錯体(上記構造式(1)〜(4))のような燐光材料を高濃度(具体的には10wt%以上)に分散しており、燐光発光とエキシマ発光の両方を導出することができる。
【0041】
なお本発明のレーザ発振器に用いる発光素子は、電界発光層に少なくとも上述した発光層を含めばよい。発光以外の機能を示す層(ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層)は適宜組み合わせることができる。上記各層に用いることのできる材料を、以下に具体的に例示する。ただし、本発明に適用できる材料は、これらに限定されるものではない。
【0042】
ホール注入層302に用いることができるホール注入材料としては、有機化合物であればポルフィリン系の化合物が有効であり、フタロシアニン(略称:H2−Pc)、銅フタロシアニン(略称:Cu−Pc)等を用いることができる。また、導電性高分子化合物に化学ドーピングを施した材料もあり、ポリスチレンスルホン酸(略称:PSS)をドープしたポリエチレンジオキシチオフェン(略称:PEDOT)や、ポリアニリン(略称:PAni)、ポリビニルカルバゾール(略称:PVK)などを用いることもできる。また、五酸化バナジウムのような無機半導体の薄膜や、酸化アルミニウムなどの無機絶縁体の超薄膜も有効である。
【0043】
ホール輸送層303に用いることができるホール輸送材料としては、芳香族アミン系(すなわち、ベンゼン環−窒素の結合を有するもの)の化合物が好適である。例えば、TPDや、その誘導体であるα−NPDなどがある。TDATAや、MTDATAなどのスターバースト型芳香族アミン化合物も用いることができる。また4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾール)トリフェニルアミン(略称:TCTA)を用いても良い。なおエキシマを効率的に形成するためには、発光層304に接して設けられるホール輸送層303のイオン化ポテンシャルを、ホスト材料もしくは発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きくするか、または、ホスト材料もしくは発光層のイオン化ポテンシャルの方が大きくても、その差を0.4eV未満とするのが好ましい。例えば燐光材料として上記構造式(1)に記載の有機金属錯体を発光層304に用いる場合、ホール輸送層303にTCTAを用いることで、燐光材料のイオン化ポテンシャルとホール輸送層303のイオン化ポテンシャルを同じ程度の高さにすることができ、エキシマを効率的に形成することができる。
【0044】
電子輸送層に用いることができる電子輸送材料としては、Alq3、Almq3、BeBq2、BAlq、Zn(BOX)2、Zn(BTZ)2などの金属錯体が挙げられる。さらに、金属錯体以外にも、PBD、OXD−7などのオキサジアゾール誘導体、TAZ、p−EtTAZなどのトリアゾール誘導体、TPBIのようなイミダゾール誘導体、BPhen、BCPなどのフェナントロリン誘導体を用いることができる。
【0045】
電子注入層に用いることができる電子注入材料としては、上述した電子輸送材料を用いることができる。その他に、LiF、CsFなどのアルカリ金属ハロゲン化物や、CaF2のようなアルカリ土類ハロゲン化物、Li2Oなどのアルカリ金属酸化物のような絶縁体の超薄膜がよく用いられる。また、リチウムアセチルアセトネート(略称:Li(acac)や8−キノリノラト−リチウム(略称:Liq)などのアルカリ金属錯体も有効である。
【0046】
また、本発明の発光層に用いるホスト材料としては、上述した例に代表されるホール輸送材料や電子輸送材料を用いることができる。また、4,4’−N,N’−ジカルバゾリル−ビフェニル(略称:CBP)などのバイポーラ性の材料も用いることができる。
【0047】
一方、本発明の発光素子における陽極材料としては、仕事関数の大きい導電性材料を用いることが好ましい。陽極側を光の取り出し方向とするのであれば、インジウム−スズ酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電性材料を用いればよい。また、陽極側を遮光性とするのであれば、TiN、ZrN、Ti、W、Ni、Pt、Cr等の単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との三層構造等を用いることができる。あるいは、Ti、Al等の反射性電極の上に上述した透明導電性材料を積層する方法でもよい。
【0048】
また、陰極材料としては、仕事関数の小さい導電性材料を用いることが好ましく、具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(Mg:Ag、Al:Liなど)の他、YbやEr等の希土類金属を用いて形成することもできる。また、LiF、CsF、CaF2、Li2O等の電子注入層を用いる場合は、アルミニウム等の通常の導電性薄膜を用いることができる。また、陰極側を光の取り出し方向とする場合は、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属を含む超薄膜と、透明導電膜(ITO、IZO、ZnO等)との積層構造を用いればよい。あるいは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属と電子輸送材料を共蒸着した電子注入層を形成し、その上に透明導電膜(ITO、IZO、ZnO等)を積層してもよい。
【0049】
なお、以上で述べた本発明の発光素子を作製するに当たっては、発光素子中の各層の積層法を限定されるものではない。積層が可能ならば、真空蒸着法やスピンコート法、インクジェット法、ディップコート法など、どの様な手法を選んでも良いものとする。
【0050】
図3(A)に示した発光素子において、陽極301にITO、ホール注入層302にCu−Pc、ホール輸送層303にTCTA、発光層304のホスト材料にCBP、ゲスト材料に上記構造式に示すPt(tpy)acac、電子輸送層305にBCP、電子注入層306にCaF2、陰極307にAlを用いた場合の、バンドダイアグラムを図3(B)に示す。
【0051】
図3(B)に、ホール注入層302、ホール輸送層303、発光層304、電子輸送層305及び電子注入層306の、HOMO準位(イオン化ポテンシャル)及びLUMO準位をそれぞれ示す。
【0052】
もし図3(A)に示す発光素子において、ホール輸送層303のイオン化ポテンシャル310が、発光層304のイオン化ポテンシャル311より高く、そのエネルギーギャップが0.4eV以上であるとすると、キャリアの大多数は、ホール輸送層303の発光層304との界面近傍において再結合し、ホール輸送層303から不必要な光が発せられてしまう。そこでこの現象を防ぐために、キャリアを発光層304において優先的に再結合させるために、ホール輸送層303のイオン化ポテンシャルを燐光材料のイオン化ポテンシャルよりも低くするか、もしくは、燐光材料のイオン化ポテンシャルの方が高くても、その差を0.4eV未満とするのが好ましい。上記構成により、ホール輸送層303から発光層304にホールが侵入しやすくなり、発光層304において優先的にキャリアを結合させることができる。さらに、ホール注入層302からホール輸送層303へホールが侵入しやすくなるように、ホール注入層302とホール輸送層303の間に、イオン化ポテンシャルがホール注入層302よりも低く、ホール輸送層303よりも高いような、もう1つのホール輸送層を設けても良い。
【0053】
次に図4に、キャリアを注入する励起方法を用いた本発明のレーザ発振器の構成を示す。図4(A)に示す本実施の形態のレーザ発振器は、燐光材料を含むレーザ媒質401と、光共振器402と、励起用電源403とを有している。レーザ媒質401は、実施の形態1と同様に、上記構造式(1)〜(4)で示される白金を中心金属とする有機金属錯体が、10wt%以上の濃度でホスト材料に分散されている。具体的には、レーザ媒質401を用いれば、燐光発光とそのエキシマ発光の両方を導出することができる。
【0054】
そして実施の形態1の場合と同様に、光共振器402は反射材402a、402bを有し、反射材402a、402bは、レーザ媒質401において発生した光が光共振器402内において反射材402a、402b間を往復するように配置されている。そして、光共振器402に用いられている反射材402a、402bは、一方の反射率が他方の反射率よりも高くなるようにすることで、反射率の低い方の反射材(ここでは反射材402b)から、レーザ光が得られる。また404は、モードロックするためのピンホールに相当する。なお、ピンホール404は必ずしも設ける必要はなく、またモードロックするためにピンホールではなく他の変調素子を設けるようにしても良い。
【0055】
そして本実施の形態では、励起用電源403はレーザ媒質401にポンピングエネルギーを供給するポンピング源に相当する。励起用電源403からレーザ媒質に供給される励起電流により、レーザ媒質401に含まれる燐光材料の分子が三重項励起状態に励起され、該励起された分子と隣接する基底状態の分子とで、エキシマが形成される。そして該エキシマから自然放出されたエキシマ発光によって誘導放出が生じ、光共振器402の反射材402a、402b間を結ぶ軸方向の光のみが選択的に増幅され、反射材402bからレーザ光が発振される。
【0056】
図4(B)に、図4(A)に示したレーザ媒質401と、該レーザ媒質401を発光層として用いる発光素子の拡大図を示す。図4(B)に示すように、キャリアの注入による励起方法の場合、レーザ媒質401を発光層とし、該発光層を間に挟むように陽極410と陰極411とを設け、発光素子を形成する。図4(B)では、絶縁膜412が成膜された基板413上に、陽極410、レーザ媒質401、陰極411が順に形成されているが、陽極410と陰極411は、その位置が入れ替わるように形成されていても良い。なお陽極410または陰極411と、発光層として機能するレーザ媒質401との間に、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層などを適宜挿入するようにしても良い。また図4(A)に示す光共振器402を用いる場合は、陽極410と陰極411は、レーザ媒質401で発生した光を透過するような電極を用いる。具体的には、透光性を有する材料で電極を構成しても良いし、材料そのものが透光性を有していなくとも、光を透過する程度の膜厚(例えば5nm〜30nm程度)で、電極を形成しても良い。
【0057】
そして、陽極410と陰極411との間を電流が順方向バイアスに流れるように、配線414を介して励起用電源403から励起電流が供給される。具体的には、配線414に接続されたFPC等のコネクター415を介して、励起用電源403から励起電流がレーザ媒質401に供給される。
【0058】
そして図4(B)では、図2(B)の場合と同様に、陽極410と、陰極411と、レーザ媒質401とで形成される発光素子416は、単数または複数の層で構成される絶縁膜417で覆われており、該絶縁膜417によって水分又は酸素に曝されないよう発光素子416を封止し、電界発光材料の劣化を抑制することができる。なお図2(C)の場合と同様に、カバー材を用いて発光素子を封止しても良い。図4(C)に、基板420上に形成された発光素子421がシール材422によって囲まれており、充填材423と共に基板420とカバー材424の間に封止されている様子を示す。
【0059】
なお、キャリアの注入を用いた励起方法の場合、陽極と陰極のいずれか一方に光を反射する材料で形成された電極を用い、該光を反射する電極と、反射材とで、レーザ媒質において発生した光を共振させるようにしても良い。
【0060】
また本実施の形態では、レーザ媒質で形成されている膜の膜厚方向において誘導放出で得られる光が増幅されているが、本発明はこれに限定されない。誘導放出で得られる光の増幅される方向が、レーザ媒質で形成される膜の面内に存在するようにしても良い。
【0061】
本実施の形態のようにキャリアの注入による励起方法を用いた場合、励起電流を制御することによって、直接出力光を変調することが可能である。
【0062】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0063】
(実施例1)
本実施例では、誘導放出で得られる光の増幅される方向が、レーザ媒質で形成される膜の面内に存在する場合の、反射材とレーザ媒質の位置関係について説明する。
【0064】
図5(A)に、キャリアの注入により励起させるレーザ発振器の、レーザ媒質と光共振器の位置関係を示す。501はレーザ媒質を支持するための基板であり、具体的に基板501上に、陽極502、レーザ媒質に相当する発光層を含む電界発光層503、絶縁膜504、陰極505が順に積層されている。そして絶縁膜504は溝状の開口部を有しており、該開口部において電界発光層503と陰極505が接している。そのため、電界発光層503のうち、該開口部において陰極505と重なる領域にキャリアが注入され、該領域において誘導放出による光が導出される。
【0065】
光共振器507が有する反射材506a、506bは、間に電界発光層503を挟み、なおかつ該電界発光層503で形成される面とそれぞれ交差するように設けられている。そして電界発光層503から発せられた光が、反射材506a、506bによって共振することで、反射材506aと反射材506bとを結ぶ軸と同じ方向に発振するレーザ光が得られる。
【0066】
なお図5(A)では、キャリアの注入による励起方法を用いた場合について示したが、励起方法はこれに限定されない。例えば光励起法を用いる場合、キャリアを注入する方法も同様に、光共振器が有する2つの反射材の間に、レーザ媒質を含む層を挟み、なおかつ該レーザ媒質を含む層で形成される面と2つの反射材がそれぞれ交差するように配置する。ただし、陽極と陰極は設ける必要はない。上記構成により、レーザ媒質を含む層から発せられる光が、2つの反射材によって共振することで、2つの反射材を結ぶ軸と同じ方向に発振するレーザ光が得られる。
【0067】
次に図5(B)に、図5(A)とは異なる構成を有する、キャリアの注入により励起させるレーザ発振器の、レーザ媒質と光共振器の位置関係を示す。511はレーザ媒質を支持するための基板であり、該基板511上に陽極512が形成されている。そして該陽極512上には、溝状の開口部を有する絶縁膜514と、該開口部に形成された電界発光層513とが形成されており、絶縁膜514及び電界発光層513上に、陰極515が形成されている。よって絶縁膜514が有する開口部と重なる領域において、陽極512と、電界発光層513と、陰極515とが順に接するように重なっており、該領域において誘導放出による光が導出される。
【0068】
光共振器517が有する反射材516a、516bは、間に電界発光層513を挟み、なおかつ該電界発光層513で形成される面とそれぞれ交差するように設けられている。そして電界発光層513から発せられた光が、反射材516a、516bによって共振することで、反射材516aと反射材516bとを結ぶ軸と同じ方向に発振するレーザ光が得られる。
【0069】
そして図5(B)では、電界発光層513から発せられた光を効率的に閉じ込めるために、絶縁膜514で光導波路を形成する。具体的には、酸化珪素などの電界発光層513よりも屈折率の低い材料で形成する。上記構成により、半導体レーザをより効率良く発振させることができる。
【0070】
なお図5(B)では、キャリアの注入による励起方法を用いた場合について示したが、励起方法はこれに限定されない。例えば光励起法を用いる場合、キャリアを注入する方法も同様に、光共振器が有する2つの反射材の間に、レーザ媒質を含む層を挟み、なおかつ該レーザ媒質を含む層で形成される面と2つの反射材がそれぞれ交差するように配置する。上記構成により、レーザ媒質を含む層から発せられる光が、2つの反射材によって共振することで、2つの反射材を結ぶ軸と同じ方向に発振するレーザ光が得られる。
【0071】
(実施例2)
本実施例では、図3(A)に示した発光素子において、陽極301にITO、ホール注入層302にCu−Pc、ホール輸送層303にTCTA、発光層304のホスト材料にCBP、ゲスト材料に上記構造式に示すPt(tpy)acac、電子輸送層305にBCP、電子注入層306にCaF2、陰極307にAlを用いた場合の、発光素子の作製方法について説明する。
【0072】
まず、絶縁表面を有するガラス基板上に発光素子の陽極301が形成される。材料として透明導電膜であるITOを用い、スパッタリング法により110nmの膜厚で形成した。次に、陽極301上に電界発光層308が形成される。電界発光層308は、ホール注入層302、ホール輸送層303、発光層304、電子輸送層305、電子注入層306からなる積層構造を有する。発光層304には、ホスト材料および燐光発光を呈するゲスト材料を用いる。
【0073】
はじめに、陽極301が形成された基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに陽極301が形成された面を下方にして固定し、真空蒸着装置の内部に備えられた蒸発源にCu−Pcを入れ、抵抗加熱法を用いた真空蒸着法により20nmの膜厚でホール注入層302を形成した。次に、正孔輸送性および発光性に優れた材料によりホール輸送層303を形成する。ここでは、α−NPDを同様の方法により、30nmの膜厚で形成した。さらに、発光層304を形成する。なお、本実施例では、ホスト材料としてCBPを用い、ゲスト材料として上記構造式(1)で表されるPt(tpy)acacを用い、その濃度が15wt%となるように調整し、共蒸着法により20nmの膜厚で形成した。また、発光層304の上には電子輸送層305が形成される。なお、電子輸送層305は、BCP(バソキュプロイン)を用いて、蒸着法により20nmの膜厚で形成した。その上に、電子注入層306としてCaF2を2nm形成し、積層構造を有する電界発光層308を形成した。
【0074】
最後に、陰極307を形成する。なお、本実施例では、アルミニウム(Al)を抵抗加熱による真空蒸着法により、20nmの膜厚となるように陰極307を形成した。上記膜厚で陰極307を形成することにより、発光層304で発生した光を、陰極307側からも出射させることができる。なお、レーザ光を発振させる方向が発光層304で形成される面内に存在する場合、必ずしも陰極307が光を透過するような構成にしなくとも良い。またレーザ光を発振させる方向が発光層304の膜厚方向と一致している場合でも、陰極307を光共振器の反射材として用いるときは、陰極307が光を反射するような構成とする。
【0075】
以上により、本発明の発光素子が形成される。なお、本実施例1に示す構造では、ホール輸送層303および発光層304においてそれぞれ発光が得られるため、全体として白色発光を呈する素子を形成することができる。なお、本実施例では、基板上に陽極を形成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、基板上に陰極を形成することもできる。ただし、この場合(すなわち陽極と陰極とを入れ替えた場合)には、電界発光層の積層順が本実施例で示した場合と逆になる。
【0076】
(実施例3)
本実施例では、レーザ媒質に含まれている燐光材料を、一定の方向に配列させる例について説明する。
【0077】
キャリアを注入することにより励起を行なう場合、レーザ媒質を含む発光層の膜厚を薄くすればするほど少ない電流で効率良く発光を得ることができる。しかしレーザ媒質に含まれる燐光材料は、アモルファスの状態よりも結晶の状態の方がエネルギー的に安定しており、複数の結晶粒が集合した微結晶の状態を取りやすい。そのため発光層を薄くすると、静電破壊やグレインバウンダリーに起因する漏れ電流が生じるという問題が起こりやすくなる。そこで本発明では、燐光材料として用いる複数の有機金属錯体を、ホスト材料中においてその白金の位置が一定の方向に連なるように配向させる。
【0078】
図6(A)に示すように、燐光材料として用いる有機金属錯体602がホスト材料601に加えられているレーザ媒質603は、該レーザ媒質603に電流を供給するための陽極605と陰極606の間に設けられている。そして有機金属錯体602は、その白金の位置が陽極605と陰極606を結ぶ方向において連なるように、ホスト材料601中に配列している。そして、陽極605と陰極606を結ぶ方向に対して垂直方向においては、有機金属錯体602の列どうしは、間に存在するホスト材料601によって互いに分散している。
【0079】
上記構成により、アモルファスよりもエネルギー的に安定した状態で、なおかつ発光層の膜厚をμmオーダーまで薄くする際に、静電破壊やグレインバウンダリーに起因する漏れ電流の発生を抑え、発光素子が劣化するのを防ぐことができる。
【0080】
またレーザ媒質603は2つの反射材604a、604bの間に挟まれており、レーザ媒質603において生じた光が反射材604a、604bによって共振することで、2つの反射材604a、604bを結ぶ軸方向と同じ方向に、レーザ光が発振される。なお図6(A)では、有機金属錯体602が連なっている方向とレーザ光の発振する方向とが交差しているが、図6(B)に示すように上記2つの方向が一致していても良い。
【0081】
なお、燐光材料として用いる有機金属錯体から発せられる光は、有機金属錯体を中心としてあらゆる方向に均一に出射されるのではなく、ある特定の方向において特に強く出射される場合も想定される。この場合、特に強い光が出射される方向と、2つの反射版604a、604bを結ぶ軸の方向とを一致させる事で、ポンピングエネルギーを抑えつつ、出力光の変換効率を高めることができる。
【0082】
また図6では、発光層が陽極と陰極の間に挟まっている単純な構成を示しているが、発光層と陽極または陰極の間に、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層等を挿入するようにしても良い。
【0083】
【発明の効果】
本発明は上記構成により、可視領域に発振波長を有するレーザ光を発振し、なおかつ出力光の変換効率を高め、消費電力を抑えられるレーザ発振器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エキシマ発光が得られる場合の燐光材料のエネルギー準位と、燐光が得られる場合の燐光材料のエネルギー準位とを示す図。
【図2】光励起法を用いた本発明のレーザ発振器の構成を示す図。
【図3】本発明のレーザ発振器に用いられる発光素子の素子構成と、該発光素子が有する電界発光層のバンドダイアグラムを示す図。
【図4】キャリアを注入する励起法を用いた本発明のレーザ発振器の構成を示す図。
【図5】誘導放出で得られる光の増幅される方向が、レーザ媒質で形成される膜の面内に存在する場合の、反射材とレーザ媒質の位置関係を示す図。
【図6】レーザ媒質に含まれている燐光材料を、一定の方向に配列させた場合の、レーザ発振器の構成を示す図。
【符号の説明】
101 レーザー媒質
102a 反射材
102b 反射材
103 励起光源
104 ピンホール
105 基板
106 絶縁膜
107 絶縁膜
108 絶縁膜
110 基板
112 絶縁膜
113 カバー材
114 シール材
115 充填材
Claims (9)
- ホスト材料に燐光材料が10wt%以上の濃度で分散されたレーザ媒質と、前記燐光材料のエキシマ状態からの発光を増幅するための光共振器とを有するレーザ発振器。
- 基板上に形成されたレーザ媒質を含む膜と、光共振器とを有するレーザ発振器であって、
前記レーザー媒質は、ホスト材料と、前記ホスト材料に10wt%以上の濃度で分散された燐光材料とを有しており、
前記光共振器により、前記燐光材料のエキシマ状態からの発光のうち、前記レーザ媒質を含む膜と交差する一方向の光を、増幅することを特徴とするレーザ発振器。 - 基板上に形成されたレーザ媒質を含む膜と、光共振器とを有するレーザ発振器であって、
前記レーザー媒質は、ホスト材料と、前記ホスト材料に10wt%以上の濃度で分散された燐光材料とを有しており、
前記光共振器により、前記燐光材料のエキシマ状態からの発光のうち、前記レーザ媒質を含む膜によって形成される面内に含まれる一方向の光を、増幅することを特徴とするレーザ発振器。 - 請求項2または請求項3において、
前記レーザ発振器は励起光源を有しており、前記励起光源から発せられる励起光によって、前記燐光材料をエキシマ状態に励起することを特徴とするレーザ発振器。 - 基板上に形成された発光素子と、光共振器とを有するレーザ発振器であって、
前記発光素子は、発光層と、前記発光層を間に挟んでいる陽極及び陰極とを有し、
前記発光層は、ホスト材料と、前記ホスト材料に10wt%以上の濃度で分散された燐光材料とを有しており、
前記陽極及び前記陰極は透光性を有しており、
前記光共振器により、前記燐光材料のエキシマ状態からの発光のうち、前記発光層と交差する一方向の光を、増幅することを特徴とするレーザ発振器。 - 基板上に形成された発光素子と、光共振器とを有するレーザ発振器であって、
前記発光素子は、発光層と、前記発光層を間に挟んでいる陽極及び陰極とを有し、
前記発光層は、ホスト材料と、前記ホスト材料に10wt%以上の濃度で分散された燐光材料とを有しており、
前記光共振器により、前記燐光材料のエキシマ状態からの発光のうち、前記発光層によって形成される面内に含まれる一方向の光を、増幅することを特徴とするレーザ発振器。 - 基板上に形成された発光素子と、反射材とを有するレーザ発振器であって、
前記発光素子は、発光層と、前記発光層を間に挟んでいる陽極及び陰極とを有し、
前記発光層は、ホスト材料と、前記ホスト材料に10wt%以上の濃度で分散された燐光材料とを有しており、
前記陽極は透光性を有しており、
前記陰極と前記反射材の間に前記発光層が挟まれており、
前記陰極及び前記反射材により、前記燐光材料のエキシマ状態からの発光のうち、前記発光層と交差する一方向の光を、増幅することを特徴とするレーザ発振器。 - 請求項5乃至請求項7のいずれか1項において、
前記陽極と前記発光層の間に、前記発光層に接するホール輸送層が設けられており、
前記ホール輸送層のイオン化ポテンシャルは、前記発光層または前記ホスト材料のイオン化ポテンシャルよりも低いか、もしくは0.4eV未満の差を有して高いことを特徴とするレーザ発振器。 - 請求項1乃至請求項8において、
前記燐光材料は500nm以上700nm以下の領域に2つ以上のピークを有する発光を示し、かつ、前記2つ以上のピークのいずれかがエキシマ発光であることを特徴とするレーザ発振器。
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