JP2010080950A - 固体色素レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】固体色素レーザにおける発光体を効率よく高密度光励起することで、レーザ発振閾値を低下させ、レーザ発振を容易にし、また励起光源を含む固体色素レーザの小型化を図ることを目的とする。
【解決手段】光共振器構造に組み込まれた発光体に、励起光源からの光を効率よく導入することにより、発光体を高い光密度で励起し、レーザ発振させることが可能な固体色素レーザを実現する。具体的には、励起光源の光を受光して発光する第1の発光体と、第1の発光体に隣接する光共振器とを有し、光共振器は、励起光源および第1の発光体が発光する光を受光して発光する第2の発光体を有する固体色素レーザを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体色素を用いた固体色素レーザに関する。
可視光における波長可変レーザである有機レーザの種類としては、液体色素レーザや固体色素レーザ等が知られている。
液体色素レーザでは、レーザ色素溶液を循環して用いるためにレーザ色素の劣化の影響を受けにくく、また溶液交換が可能であるという利点を有しているが、溶液を使う性質上、溶液タンクや溶液を循環させる為の循環装置などが必要となり、装置が大型化してしまうという問題を有している。
一方、固体色素レーザでは、レーザ色素を薄膜化して用いるために装置の小型化が可能であるが、一度形成されたレーザ色素薄膜は、交換することができないため、レーザ色素薄膜の劣化を抑えることが重要である。
なお、色素レーザを動作させるためには通常励起光源(本明細書中では、単に光源とも記す)としてコヒーレント光源(エキシマレーザなどの気体レーザ、NdYAGレーザなどの固体レーザなど各種レーザ)が用いられる。インコヒーレント光源のキセノンランプ、ハロゲンランプ、発光ダイオードなどを励起光源に用いて、固体色素からレーザ発振による光を得ることは容易ではない。レーザ発振による光を得るためには、レーザ発振閾値(励起光源の単位時間あたりの光密度)を低下させることが必要であり、例えば、誘導放出光を逃がさない共振器構造を設け、色素分子に高密度の励起光を照射することにより、レーザ発振閾値を低下させてレーザ発振を得やすくするという報告がされている(例えば特許文献1参照)。
固体色素レーザを発振させるためには、固体色素に単位面積あたりの光強度(光密度)が高い励起光源を用いて照射し、固体色素に高密度の光吸収を誘起する必要がある。この目的のため励起光源としては、通常光密度が高いコヒーレント光源が用いられる場合が多く、レーザ光源を用いない場合には各種ランプなどからのインコヒーレント光源からレンズ等を用いて集光して光密度を高めて照射する必要がある。レーザ光を用いるにしても、インコヒーレント光を用いるにしても、固体色素に高密度に光照射する場合には、固体色素膜に密着する形での面状光源を用いることは困難であり、如何に薄膜状の固体色素を用いても、励起光源を含めた色素レーザシステム全体を小型化することには限界があり、ましてやシステム全体を薄膜化することはまず不可能であると考えられてきた。
特開2004−282012号公報
本発明の一態様は、固体色素レーザにおける発光体を効率よく高密度光励起することで、レーザ発振閾値を低下させ、レーザ発振を容易にし、また励起光源を含む固体色素レーザの小型化を図ることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、光共振器構造に組み込まれた発光体に、励起光源からの光を効率よく導入することにより、発光体を高い光密度で励起し、レーザ発振させることが可能な固体色素レーザを実現する。
本発明の一態様は、励起光源の光を受光して発光する第1の発光体と、第1の発光体に隣接する光共振器とを有し、光共振器は、励起光源および第1の発光体が発光する光を受光して発光する第2の発光体を有する固体色素レーザである。
本発明の一態様は、基板上に第1の発光体と、光共振器構造に組み込まれた第2の発光体を形成する固体色素レーザである。また、本発明の一態様は、励起光源が発する光を吸収する物質を用いて第1の発光体(集光媒体)を形成し、励起光源および第1の発光体が発する光を吸収する物質を用いて第2の発光体(レーザ媒体)を形成する固体色素レーザである。
本発明の一態様は、基板上に形成された第1の発光体および光共振器を有し、光共振器は、回折格子および第2の発光体を含み、第1の発光体は、励起光源が発する光を吸収する物質からなり、第2の発光体は、励起光源および第1の発光体が発する光を吸収する物質からなり、第1の発光体および第2の発光体は、基板および回折格子と重なる位置に部分的にそれぞれ分離形成される固体色素レーザである。
本発明の一態様は、基板上に形成された回折格子を複数有し、基板および回折格子と重なる位置に部分的に第1の発光体または第2の発光体のいずれか一方が形成され、第1の発光体は、光源が発する光を吸収する物質からなり、第2の発光体は、光源および第1の発光体が発する光を吸収する物質からなる固体色素レーザである。
本発明の一態様は、基板上に形成された回折格子を複数有し、基板および回折格子上に第1の発光体が形成され、少なくとも回折格子の一部およびそれと重なる第1の発光体上に第2の発光体が形成され、第1の発光体は、光源が発する光を吸収する物質からなり、第2の発光体は、光源および第1の発光体が発する光を吸収する物質からなる固体色素レーザである。
本発明の一態様は、一対の基板間に光源、第1の発光体、および光共振器を有し、光共振器は、回折格子および第2の発光体を含み、光源は、一方の基板に形成され、第1の発光体および回折格子は、他方の基板に接して形成され、かつ、第2の発光体は、少なくとも回折格子と重なる位置に形成され、第1の発光体は、光源が発する光を吸収する物質からなり、第2の発光体は、光源および第1の発光体が発する光を吸収する物質からなる固体色素レーザである。なお、光源には、発光素子も含めることとする。
上記各構成において、第1の発光体には、発光量子効率が50%以上の物質を用いる。
また、上記各構成において、基板上の端部であって、光共振器によって固体色素レーザが発振される方向とは異なる方向に反射体を有する構成も含めることとする。
この様な構造とすることにより、励起光源(基板に対向して設置された面状光源)から照射された光は、第1の発光体に吸収され、第1の発光体に吸収された光は、第1の発光体に用いた物質により発光し、その光は第2の発光体に吸収される。このように、第2の発光体に光が吸収されることによって、第2の発光体を含んで構成される光共振器の内部におけるレーザ活性色素分子を励起させ、レーザ発振を実現することができる。
励起光源(面状光源)、第1の発光体(集光体)、および第2の発光体(レーザ媒体)を用いることにより、高密度の光を光共振器内のレーザ媒体に吸収させることができる原理を以下に説明する。
第1の発光体の形状として、長辺がL、短辺がWで厚さがDのスラブ状の薄膜を考える。このスラブ状薄膜の上面は空気層(屈折率1.0)に接しており、下面は屈折率1.54のガラスに直接接しているか、低屈折率層(例えば屈折率1.3の低屈折率ポリマー)を介してガラス基板に接しているとする。このスラブ状薄膜のL・Wの面積の上面から単位面積あたりI(J/cm)の光を照射する。薄膜の膜厚と第1の発光体の光吸収係数を勘案して、照射した光の薄膜中で吸収量を調整することは容易であり、例えば80−100%に設定できるが、この吸収率をAとする。第1の発光体が吸収した光は量子効率Qで吸収した光より長波長の発光へと転換される。即ち、励起光源(面状光源)からの全光量である、I・L・Wは第一の発光体からの全発光量、I・L・W・A・Qへと変換される。
スラブ状薄膜内で発生した第1の発光体からの光は、光学の原理により、薄膜内を導波し薄膜端面から射出される導波光成分と、薄膜上面と下面から放出される空間放射成分として薄膜外へ放出される。全発光量に対する導波光成分の割合をPとする。L>>Wとすれば、励起光源(面状光源)からの全励起光量に対するスラブ状薄膜の長さ方向の端面からの全射出光量は、I・L・W・A・Q・Pであるが、薄膜端面(片側)の大きさは、L・Dであるので、端面における射出光の単位面積あたりの強度は、
(I・L・A・Q・P)/(2L・D)=(I・A・Q・P・W)/2D
となる。
第1の発光体からなる薄膜の形状を長辺10mm、短辺4mm、厚さ300nmとし、光吸収率Aを100%、発光の量子効率Qを80%、導波光成分の割合Pを50%とすると、薄膜端面における単位面積あたりの光強度はIの26000倍となる。即ち、励起光源(面状光源)から直接放出される励起光の単位面積あたりの光密度に比べて、4桁以上高くできることがわかる。
なお、この励起光源(面状光源)に対向して設置された第1の発光体による光集光の効果(集光率)における簡単な試算はほんの一例であり、第1の発光体の形状を工夫や基板や低屈折率層の材料選択や形状の工夫により、さらに数桁に及んで高くできる。例えば、薄膜の一方の端面近傍に分布ブラッグ反射型共振器構造(DBR)を形成する。薄膜形状をドーナツ状にし、外側にDBR構造を形成し、内側の内円部に第2の発光体を含む光共振器構造を取り付けるなども可能であるので、本発明における第1の発光体による集光率の値は数万倍に留まるものではない。
第1の発光体から形成される薄膜内に導波光成分として集光された光を、第2の発光体をレーザ媒体とする光共振器に導く方法は複数ある。最も簡便な方式は、第1の発光体のスラブ状薄膜に並行して第2の発光体からなる光共振器を設置し、両方の薄膜の端面を狭い空気層を介して光結合させる方式である。この場合、第2の発光体を含む光共振器には端面を反射面とする薄膜(正方形、長方形、多角形、円形、楕円形などの形状を持つ)とすることができるが、このような各種形状の薄膜は分布帰還型共振器(DFB)やDBR共振器と組み合わせて使用することもできる。なお、第2の発光体を含む光共振器は、回折格子構造、フォトニック結晶構造であってもよい。
第1の発光体の薄膜と第2の発光体をレーザ媒体とする共振器との光結合の方式としては、狭い空気層を介した直接的なカップリング以外にも、透明光導波路を介して光結合させる、光回折格子構造を介して結合させる、一次元フォトニック結晶構造を用いる、2次元フォトニック結晶構造を用いるなど、多くの方法を利用できる。
上記の説明において、第1の発光体の形状としては垂直な端面を有する薄膜を用いたが、光回折格子構造を持つ基板上に第1の発光体を形成する、または第1の発光体の形状自体を光回折格子の形状に形成することで、第1の発光体から発する光を上下面からもらさずに面内で伝搬させることができ、膜外への集光射出の効率をさらに高めることもできる。そのような場合、光回折格子を基板全面に形成し、第1の発光体および第2の発光体をそれぞれ分離形成する、または基板上に形成された光回折格子構造を覆うように第1の発光体を形成した後、光共振器を形成する場所のみに第2の発光体を分離形成する等の構造とすることもできる。
また、励起光源(面状光源)からの光が第1の発光体で十分吸収されない場合には、基板の光照射される面とは反対側の面に光反射層を形成することで、励起光源(面状光源)からの光を再度第1の発光体に吸収させることもできる。更に、第1の発光体に吸収されなかった光を、光共振器を構成する第2の発光体に直接吸収させることで、光利用効率をより向上させることもできる。
本発明においてはいかなる形状の光源も用いることができるが、小型レーザとしての利便性から面状光源を用いることが望ましい。特に、有機ELのような薄膜状の光源が望ましいが、発光ダイオード(発光ダイオードアレイ)、冷陰極管、平面蛍光ランプなどを用いて面状にした光源を用いることもできる。
さらに上記構成に加えて、励起光源を組み込んだ固体色素レーザを実現する。
すなわち、一対の基板間に光源、第1の発光体、および第2の発光体を含む光共振器を有する構成とし、一対のガラス基板内に全ての機構が組み込まれたいわゆる内部光源を備えた構成とすることもできる。この構成では、一対の基板は接着樹脂などで堅固に封止されており、面状光源を駆動するリード線だけがガラス基板外に引き出されている。なお、内部光源として有機EL素子を用いる場合には、基板に接して形成された電極と異なる面状電極は、透光性を有することが好ましい。
なお、上記各構成において、第1の発光体に用いる物質には、発光量子効率(吸収されたフォトンに対する発生したフォトンの割合)の高い(好ましくは50%以上)物質(有機物質もしくは無機物質)を用いることができ、また、第2の発光体に用いる物質には、発光量子効率が高い(好ましくは50%以上)だけでなく、レーザ活性を有する物質(いわゆる、レーザ色素)(有機物質もしくは無機物質)を用いることとする。なお、第1の発光体としては各種の蛍光色素類、特に固体薄膜としての発光量子効率が高いことが実証されている有機EL用の発光性材料の利用が好ましいが、これに限定されるものではない。第2の発光体に用いることのできる物質としては、レーザ色素として知られているスチルベン系、クマリン系、キサンテン系、シアニン系、オキサジン系、ローダミン系、スチリル系の有機色素を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の一態様では、単位面積あたりの光密度が高くない面状光源で第1の発光体を照射し、第1の発光体からの発光を第1の発光体薄膜内で導波光として集光することによって、高い光密度で第2の発光体を励起することが可能となり、光共振器に組み込まれた第2の発光体(レーザ媒体)をレーザ発振の条件を満たす状態にすることができる。即ち、固体色素レーザにおけるレーザ発振のための励起エネルギーの閾値を実効的に低下させ、レーザ発振を容易にすることができる。本発明の一態様である固体色素レーザは、従来よりも出力の小さいインコヒーレント光源を用いる場合であってもレーザ発振が可能であり、出力の大きいコヒーレント光源に限らず様々な光源を選択することができる。また、本発明の一態様である固体色素レーザは、固体の特徴を生かして小型化が容易である。さらに、有機EL等の薄膜光源と組み合わせた固体色素レーザを形成することができるため、外観上は2枚のガラスまたはプラスチック基板で構成され、電源とつないで直接駆動可能な超軽量、超薄型の固体色素レーザであり、他の小型装置に組み合わせて利用すれば、幅広い用途に適用できる。
本発明の一態様に係る固体色素レーザについて説明する図。 本発明の一態様に係る固体色素レーザについて説明する図。 内部光源を有する固体色素レーザについて説明する図。 複数の光共振器を有する固体色素レーザについて説明する図。 発光体が積層された光共振器を有する固体色素レーザについて説明する図。
以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることが可能である。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である固体色素レーザの構成について説明する。
本発明の一態様である固体色素レーザは、図1(A)の上面図で示すように絶縁表面のような光を吸収しない基板101上に第1の発光体102、および光共振器103が設けられており、光共振器103は、基板上に形成されたグレーティング(回折格子)105上に第2の発光体104が積層された構造を有する。なお、基板101としては、例えばガラス、石英、プラスチックなどを用いることができる。
また、基板上に形成されるグレーティング105は、酸化珪素、酸化窒化珪素等の透光性を有する材料を用いることができ、公知のフォトリソグラフィー法やナノインプリンティング法を用いることができる。
図1(A)の線分A−A’における断面図を図1(B)に示す。線分A−A’における光共振器103は、グレーティング105と第2の発光体104とが積層された構造を有する。なお、図1(B)に示す構造ではグレーティング105の端部が露出している場合について示しているが、グレーティング105の端部が第2の発光体104で覆われた構造としても良い。
また、第1の発光体102と光共振器103の膜厚は同じであることが好ましい。従って、グレーティング105と第2の発光体104の積層膜が第1の発光体102の膜厚と同じ膜厚になるように調整する。なお、図1(A)の線分B−B’における断面図を図1(C)に示すが、線分B−B’においては、グレーティング105が形成されていないため第2の発光体104の膜厚は、グレーティング105の膜厚の分だけ第1の発光体102の膜厚より薄く形成される。
本実施の形態に示す固体色素レーザは、図1(B)に示すように光源106から基板101上の第1の発光体102、および第2の発光体104に光を照射することにより光共振器103からレーザ発振を得ることができる。なお、ここで示す固体色素レーザは、光源106からの光が第1の発光体102にまず吸収され、次に第1の発光体102より発光した光の導波光成分により光共振器103の端面が照射され、次に光共振器103内部に励起分子が生成し閉じこめられる。更に、光源106から直接第2の発光体104に吸収された光によっても励起分子が生成する。このように面状光源からの励起光は無駄なく光共振器内の第2の発光体104の励起に利用されるので、光共振器103の内部でレーザ発振に有効な励起分子を増やすことができ、レーザ発振閾値をさらに低下させることができる。
すなわち、本実施の形態に示す固体色素レーザは、光源からの光を効率よく集めることができる構造を有しているため、出力の大きいコヒーレント光源に限らず、出力の小さいインコヒーレント光源を用いることが可能であり、様々な光源を選択することができる。従って、光源106としては、発光素子(例えば、発光ダイオードアレイ、有機EL等)、冷陰極管、平面蛍光ランプといった面光源を用いることができる。
なお、本実施の形態における第1の発光体102は、光源106が発する光を吸収する物質を有しており、光共振器103を構成する第2の発光体104は、第1の発光体102が発する光を吸収し、更に光源106からの光を吸収する物質を有している。従って、上述したように光源106から第1の発光体102に吸収された光を第2の発光体104に吸収させることができる。
第1の発光体102に用いる物質には、発光量子効率の高い物質を用いることができ、また、第2の発光体104に用いる物質には、発光量子効率が高いだけでなく、レーザ活性を有する物質(いわゆる、レーザ色素)を用いることとする。なお、第1の発光体102、第2の発光体104に用いることのできる物質としては、発光性を示す有機系・無機系材料があるが、大別して(1)レーザ色素を含む有機低分子蛍光色素類、(2)有機EL用発光材料、(3)π共役ポリマー類、(4)化合物半導体量子ドット微粒子材料、があげられるが、これに限定されるものではない。
(1)の分類では、オキサゾール、オキサジアゾール、DCM1(4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン)、ピリジン、ピロメテン、フルオレセイン、キトン赤、オリゴチオフェン、ピリダイン2等、並びにこれらの誘導体があげられる。
(2)の分類では、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,13−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)などが挙げられる。
(3)の分類では、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)(略称:POF)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)](略称:PF−DMOP)、ポリ{(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−[N,N’−ジ−(p−ブチルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン]}(略称:TAB−PFH)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(略称:PPV)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−alt−co−(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,7−ジイル)](略称:PFBT)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−alt−co−(2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレン)]、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキソキシ)−1,4−フェニレンビニレン](略称:MEH−PPV)、ポリ(3−ブチルチオフェン−2,5−ジイル)(略称:R4−PAT)、ポリ{[9,9−ジヘキシル−2,7−ビス(1−シアノビニレン)フルオレニレン]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}、ポリ{[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−ビス(1−シアノビニレンフェニレン)]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}(略称:CN−PPV−DPD)などが挙げられる。
(4)の分類では、CdSeナノ微粒子、CdSナノ微粒子、ZnOナノ微粒子などがあげられる。
また、第1の発光体102並びに第2の発光体104の内部においてホスト−ゲストの関係を構成し、上述した物質をゲスト物質とする別の物質(ホスト物質)を組み合わせて用いることもできる。なお、ホスト物質としては、ポリビニルカルバゾールや、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)などホスト物質が励起光を吸収し、ゲスト分子が発光するタイプのものがあげられる。又、ポリメタクリル酸メチル(略称:PMMA)、ポリカーボネート、ポリスチレン等の透明樹脂を用いることもできる。
また、第1の発光体102および第2の発光体104の作製には、蒸着法(真空蒸着法)、転写法、スピンコート法、インクジェット法、ゾル−ゲル法等を用いることができる。
また、図1に示す光共振器103は、グレーティング105と第2の発光体104の積層構造である分布帰還型共振器(DFB)の場合について示したが、本発明はこれに限られることはなく、光共振器103として分布ブラッグ反射型共振器(DBR)、リング型共振器、微小球共振器、ウィスパーリングギャラリーモードを利用するマイクロディスク、およびフォトニック結晶であってもよい。
また、第1の発光体102や第2の発光体104と光共振器103の形状や相互配置関係についても、図1以外の任意の配置が可能である。例えば、第1の発光体102をドーナツ状とし、その内側に円形の形状にした第2の発光体104と光共振器103を配置すると集光率の更なる向上を達成できる。
また、図2に示すように第1の発光体102や光共振器103が形成される基板101の端部であって、レーザ発振がなされる方向(図2(A)に示す矢印の方向)以外の部分に反射体107を形成してもよい。なお、図2(A)の線分C−C’における断面図を図2(B)に示す。ここで示す反射体107は、絶縁材料(酸化珪素、窒化珪素など)を用いて形成された突起物108に反射率の高い金属膜である反射膜109(銀、アルミニウム等)が積層された構造を有しており、これらの形状は、公知のパターニング技術を用いればよい。図2に示す突起物108の場合には、グレーティング105と同時に形成した絶縁膜と、後の別工程で形成された絶縁膜との積層により形成される。
このように固体色素レーザに反射体107を設けることにより、第1の発光体102や第2の発光体104に吸収されていない光が外部に漏れるのを防止し、光共振器103において、レーザ発振に用いる励起分子を増やすことができるため、発振閾値をさらに低下させることができる。
また、本発明の一態様である固体色素レーザでは、図2(C)に示すように第1の発光体102、光共振器103等が形成された基板101を別の基板110で封止してもよい。この場合、基板101の周囲に封止材を設けて、基板110を貼り合わせ、基板間を空間にしても良いが、図2(C)に示すように基板101と基板110との間を封止材111で完全に充填する構造としても良い。なお、基板110も基板101と同様であり、例えばガラス、石英、プラスチックなどを用いることができる。
また、封止材111としては、代表的には可視光硬化性、紫外線硬化性または熱硬化性の樹脂を用いることができる。例えば、ビスフェノールA型液状樹脂、ビスフェノールA型固形樹脂、含ブロムエポキシ樹脂、ビスフェノールF型樹脂、ビスフェノールAD型樹脂、フェノール型樹脂、クレゾール型樹脂、ノボラック型樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、エピビス型エポキシ樹脂、グリシジルエステル樹脂、グリシジルアミン系樹脂、複素環式エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂等を用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本実施の形態1とは異なる本発明の一態様である固体色素レーザの構成について説明する。すなわち、実施の形態1では、固体色素レーザが封止構造を有する場合(図2(C)参照)、封止構造の内部には光源が設けられていなかったが、本実施の形態2では、封止構造の内部に光源を設ける場合について説明する。
本実施の形態で説明する固体色素レーザは、図3(A)に示すように基板301、309、および封止材314で覆われた空間内部に設けられた光源306(以下、内部光源とよぶ)から第1の発光体302、および第2の発光体304に光を照射することにより、光共振器303からレーザ発振を得ることができる。なお、ここで示す固体色素レーザは、光源306からの光が第1の発光体302にまず吸収され、次にこれにより発光した光の導波光成分により光共振器303の端面が照射され、次に光共振器303内部に励起分子が生成し閉じこめられる。更に、光源306から直接第2の発光体304に吸収された光によっても励起分子が生成する。このように面状光源からの励起光は、無駄なく光共振器303内の第2の発光体304の励起に利用されるので、光共振器303の内部でレーザ発振に有効な励起分子を増やすことができ、レーザ発振閾値をさらに低下させることができる。
なお、第1の発光体302、光共振器303、また光共振器303に含まれる第2の発光体304およびグレーティング305の構成については、実施の形態1に示す第1の発光体102、光共振器103、第2の発光体104、およびグレーティング105と同様であるため、実施の形態1を参照することとし、ここでの説明は省略する。
また、本実施の形態に示す光源としては、面光源が好ましく、発光素子(例えば、発光ダイオードアレイ、有機EL等)、冷陰極管、平面蛍光ランプといった光源を用いることができる。
図3(B)には、内部光源として発光素子を用いる場合、具体的には、基板309に有機ELを利用した発光素子308が形成される場合について説明する。なお、基板301上に形成される第1の発光体302および光共振器303の構成については、図3(A)と同様であるとする。
発光素子308は、第1の電極311と第2の電極312との間にEL層313が挟まれた構造を有し、EL層313からみて基板309側の電極を第1の電極311とする。なお、第1の電極311と第2の電極312のうち、一方が陽極として機能し、他方が陰極として機能する。そして、陽極として機能する電極の方が陰極として機能する電極よりも電位が高くなるように、それぞれに電圧を印加したとき、EL層313において正孔と電子とが再結合することにより発光が得られる。但し、本実施の形態の場合には、発光素子308のEL層313で生じた光を第1の発光体302および光共振器303に照射する必要があるため、少なくとも第2の電極312は、透光性を有する電極となるように形成する必要がある。また、発光素子308からの光を外部に逃がすことなく与えるために第1の電極311は、反射率の高い電極となるように形成することがより好ましい。
陽極として機能する電極の材料としては、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。具体的には、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。但し、陽極として機能する電極と接して形成されるEL層の一部が、陽極として機能する電極の電極材料の仕事関数に関係なく正孔(ホール)注入が容易である複合材料を用いて形成される場合には、電極材料として可能な材料(例えば、金属(アルミニウム、銀など)、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物、その他、元素周期表の第1族または第2族に属する元素も含む)であれば、あらゆる公知の材料を用いることができる。
これらの材料は、通常スパッタリング法により成膜される。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)は、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットや、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)は、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。その他、真空蒸着法、塗布法、インクジェット法、スピンコート法などにより作製してもよい。
EL層313には、公知の物質を用いることができ、低分子系化合物および高分子系化合物のいずれを用いることもできる。なお、EL層313を形成する物質には、有機化合物のみから成るものだけでなく、無機化合物を一部に含む構成も含めるものとする。
EL層313は、少なくとも発光性物質からなる発光層を有しており、その他の機能層である正孔注入性の高い物質を含んでなる正孔注入層、正孔輸送性の高い物質を含んでなる正孔輸送層、電子輸送性の高い物質を含んでなる電子輸送層、電子注入性の高い物質を含んでなる電子注入層などを適宜組み合わせた積層構造とすることもできる。
ただし、これらの機能層を設ける場合には、陽極として機能する電極側から順に正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層が順次積層された構造とする必要がある。
EL層313に含まれる発光層に用いる材料としては、次に挙げる低分子系の発光物質を用いることができる。
青色系の発光物質としては、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)などが挙げられる。
緑色系の発光物質としては、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)などが挙げられる。
黄色系の発光物質としては、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)などが挙げられる。さらに、赤色系の発光物質として、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,13−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)などが挙げられる。
また、発光層は、上述した発光性の高い物質を他の物質に分散させる構成としてもよい。なお、分散させる場合には、分散させる物質の濃度が、質量比で全体の20%以下になるようにするのが好ましい。また、発光性の物質を分散させる物質としては、公知の物質を用いることができるが、発光性の物質よりも最低空軌道準位(LUMO準位)が浅く(絶対値が小さく)、最高被占有軌道準位(HOMO準位)が深い(絶対値が大きい)物質を用いることが好ましい。
具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体を用いることができる。
また、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などの複素環化合物を用いることができる。
その他、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、3,3’,3’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリピレン(略称:TPB3)などの縮合芳香族化合物を用いることもできる。
また、発光性の物質を分散させるための物質は複数種用いることができる。例えば、結晶化を抑制するためにルブレン等の結晶化を抑制する物質をさらに添加してもよい。さらに、発光性の物質へのエネルギー移動をより効率良く行うためにNPB、あるいはAlq等を添加してもよい。このように、発光性の高い物質を他の物質に分散させた構成とすることで、結晶化を抑制することができる。さらに、発光性の高い物質の濃度が高いことによる濃度消光を抑制することができる。
また、発光層には、次に挙げる高分子系の発光物質を用いることもできる。
青色系の発光物質としては、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)(略称:POF)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)](略称:PF−DMOP)、ポリ{(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−[N,N’−ジ−(p−ブチルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン]}(略称:TAB−PFH)などが挙げられる。
緑色系の発光物質としては、ポリ(p−フェニレンビニレン)(略称:PPV)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−alt−co−(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,7−ジイル)](略称:PFBT)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−alt−co−(2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレン)]などが挙げられる。
橙色〜赤色系の発光物質としては、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキソキシ)−1,4−フェニレンビニレン](略称:MEH−PPV)、ポリ(3−ブチルチオフェン−2,5−ジイル)(略称:R4−PAT)、ポリ{[9,9−ジヘキシル−2,7−ビス(1−シアノビニレン)フルオレニレン]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}、ポリ{[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−ビス(1−シアノビニレンフェニレン)]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}(略称:CN−PPV−DPD)などが挙げられる。
また、EL層313に含まれる機能層のうち、正孔注入層に用いる材料としては、正孔注入性を高める物質や正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を含有させた複合材料を用いることができる。
正孔注入性を高める物質としては、酸化バナジウムや酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウムなどの金属酸化物等が挙げられる。あるいは、有機化合物であればポルフィリン系の化合物が有効であり、フタロシアニン(略称:HPc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)等を用いることができる。
なお、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いることもできる。例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などが挙げられる。また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることができる。
また、複合材料を形成する正孔輸送性の高い有機化合物としては、10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。
例えば、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス[4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル]−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)等の芳香族アミン化合物や、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(N−カルバゾリル)]フェニル−10−フェニルアントラセン(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等のカルバゾール誘導体を挙げることができる。
また、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]−2−tert−ブチル−アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン等の芳香族炭化水素化合物を挙げることができる。
さらに、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン、ペンタセン、コロネン、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等の芳香族炭化水素化合物も挙げることができる。
また、複合材料を形成するアクセプター性物質としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F−TCNQ)、クロラニル等の有機化合物や、遷移金属酸化物を挙げることができる。また、元素周期表における第4族から第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
なお、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)等の高分子化合物と、上述したアクセプター性物質を用いて複合材料を形成してもよい。
陽極として機能する電極に接して複合材料からなる正孔注入層を形成することにより、陽極として機能する電極の材料を仕事関数に依らずに選ぶことができる。つまり、陽極として機能する電極の電極材料として、仕事関数の大きい材料だけでなく、仕事関数の小さい材料も用いることができる。なお、複合材料は、正孔輸送性の高い物質とアクセプター物質とを共蒸着することにより形成することができる。
EL層313に含まれる機能層のうち、正孔輸送層に用いる材料としては、正孔輸送性の高い物質が好ましく、例えば低分子の有機化合物であるNPB(またはα−NPD)、TPD、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]−1,1’−ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、2,7−ジ(N−カルバゾリル)−スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:SFDCz)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:m−MTDATA)、N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニル−スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−アミン(略称:YGASF)、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル−N,N’−ジフェニルビフェニル−4,4’−ジアミン(略称:YGABP)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−2’−フェニルトリフェニルアミン(略称:o−YGA1BP)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−3’−フェニルトリフェニルアミン(略称:m−YGA1BP)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−フェニルトリフェニルアミン(略称:p−YGA1BP)、1,3,5−トリ(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:TCzB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)や、高分子化合物であるPVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPDを用いることができる。
なお、上述した物質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、前記以外の公知の物質を用いることができる。
EL層313に含まれる機能層のうち、電子輸送層に用いる物質としては、電子輸送性の高い物質が好ましく、例えば、低分子の有機化合物であるAlq、Almq、BeBq、BAlq、Znq、ZnPBO、ZnBTZなどの金属錯体等を用いることができる。また、金属錯体以外にも、PBD、OXD−7、TAZ、TPBI、BPhen、BCPなどの複素環化合物を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いてもよい。また、電子輸送層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
また、電子輸送層に用いる物質としては、高分子化合物を用いることもできる。例えば、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)などを用いることができる。
また、EL層313に含まれる機能層のうち、電子注入層に用いる物質としては、電子注入性の高い物質が好ましく、例えば、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、又はそれらの化合物を用いることができる。その他、電子輸送性を有する物質にアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を含有させたもの、具体的にはAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いてもよい。
陰極として機能する電極の材料としては、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物などを用いることができる。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。
なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金を用いて陰極として機能する電極を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。また、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを用いることができる。
なお、上述した電子注入層を設ける場合には、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等様々な導電性材料を用いて陰極として機能する電極を形成することができる。また、これらの導電性材料は、スパッタリング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することができる。
なお、本実施の形態で説明した発光素子308は、パッシブマトリクス型であっても、薄膜トランジスタ(TFT)によって発光素子の駆動が制御されたアクティブマトリクス型であっても適用可能である。
なお、図3(B)に示すように、第1の発光体302および光共振器303が形成された基板301と、内部光源となる発光素子308が形成された基板309とは、封止材314によって貼り合わされ、封止構造が形成されている。封止構造の内部は、発光素子の劣化を防止するために酸素や水分の少ない窒素雰囲気とすることが好ましい。
また、内部光源として発光素子を形成する場合にも、第1の発光体302や光共振器303が形成される基板301の端部であって、レーザ発振がなされる方向(図3(C)の紙面に垂直な方向)以外の部分に反射体315を形成してもよい(図3(C)。)。なお、ここで示す反射体315は、絶縁材料(酸化珪素、窒化珪素など)を用いて形成された突起物316に反射率の高い金属膜である反射膜317(銀、アルミニウム等)が積層された構造を有しており、これらの形状は、公知のパターニング技術を用いればよい。図3(C)に示す突起物316の場合には、光共振器303を構成するグレーティング305と同時に形成した絶縁膜と、後の別工程で形成された絶縁膜との積層により形成される。
このように固体色素レーザに反射体315を設けることにより、光共振器303に閉じこめられていない光が外部に漏れるのを防止し、レーザ発振に用いる励起分子を増やすことができるため、発振閾値をさらに低下させることができる。なお、この場合も、封止材314によって基板301と基板309とを貼り合わせた封止構造とし、封止構造の内部は、発光素子の劣化を防止するために酸素や水分の少ない窒素雰囲気とすることが好ましい。
さらに、図3(D)に示すように封止構造内部の空間が、封止材314で完全に充填された構造とすることもできる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1や実施の形態2で説明した場合に比べて、基板上に分離形成される第1の発光体および第2の発光体の1つ当たりの面積が小さく、また、分離形成される第1の発光体および第2の発光体の数が多くなる場合について、図4を用いて説明する。
図4(A)において、絶縁表面を有する基板401上に一列に並んだグレーティング405が複数列形成される場合について示す。ここでは、グレーティング405が4列配列された場合について示すが、本発明はこれに限られることはなく、配列数は、適宜変えることができる。なお、基板401としては、例えばガラス、石英、プラスチックなどを用いることができる。
また、基板401上に形成されるグレーティング405は、酸化珪素、酸化窒化珪素等の透光性を有する材料を用いることができ、公知のフォトリソグラフィー法やナノインプリンティング法を用いることができる。
また、グレーティング405上には、第1の発光体403、および第2の発光体404が、それぞれ分離形成されており、本実施の形態では、グレーティング405上に第2の発光体404が積層された部分が光共振器406となる。なお、本実施の形態のようにグレーティング405上に第1の発光体403が積層された部分(図4(A)の407)において、第1の発光体403の面積が十分に小さく、光閉じ込め効果が小さい場合には、グレーティング405による影響は無視できるため、あえて、第1の発光体403を形成する領域のグレーティング405を除去することなく積層構造を有していても良い。
図4(A)の線分A−A’における断面図を図4(B)に示す。線分A−A’における光共振器406は、グレーティング405と第2の発光体404とが積層された構造を有する。なお、図4(B)に示す構造ではグレーティング405の端部が露出している場合について示しているが、グレーティング405の端部が第1の発光体403、または第2の発光体404で覆われた構造としても良い。
なお、グレーティング405上に積層される第1の発光体403および第2の発光体404の作製には、蒸着法(真空蒸着法)、転写法、インクジェット法、ゾル−ゲル法等を用いることができる。また、第1の発光体403および第2の発光体404は、いずれもグレーティング405上に積層されているため、本実施の形態の場合には、第1の発光体403と第2の発光体404の膜厚が同じになるように調節して形成する。
本実施の形態に示す固体色素レーザは、光源(図示せず)から基板401上の第1の発光体403、および第2の発光体404に光を照射することにより、光共振器406からレーザ発振を得ることができる。なお、ここで示す固体色素レーザは、光源からの光が第1の発光体403にまず吸収され、次に第1の発光体403より発光した光の導波光成分により光共振器406の端面が照射され、次に光共振器406内部に励起分子が生成し閉じこめられる。更に、光源から直接第2の発光体404に吸収された光によっても励起分子が生成する。このように面状光源からの励起光は無駄なく光共振器406内の第2の発光体404の励起に利用されるので、光共振器406の内部でレーザ発振に有効な励起分子を増やすことができ、レーザ発振閾値をさらに低下させることができる。
すなわち、本実施の形態に示す固体色素レーザは、光源からの光を効率よく集めることができる構造を有しているため様々な光源を用いることができるが、用いる光源としては、発光素子(例えば、発光ダイオードアレイ、有機EL等)、冷陰極管、平面蛍光ランプといった面光源がより好ましい。
なお、本実施の形態における第1の発光体403は、光源が発する光を吸収する物質を有しており、光共振器406を構成する第2の発光体404は、光源および第1の発光体403が発する光を吸収する物質を有している。従って、上述したように光源から第1の発光体403に吸収された光を第2の発光体404に吸収させることができる。
第1の発光体403に用いる物質には、発光量子効率の高い物質を用いることができ、また、第2の発光体404に用いる物質には、発光量子効率が高いだけでなく、レーザ活性を有する物質(いわゆる、レーザ色素)を用いることとする。なお、第1の発光体403、第2の発光体404に用いることのできる物質としては、発光性を示す有機系・無機系材料があるが、大別して(1)レーザ色素を含む有機低分子蛍光色素類、(2)有機EL用発光材料、(3)π共役ポリマー類、(4)化合物半導体量子ドット微粒子材料、があげられるが、これに限定されるものではない。
(1)の分類では、オキサゾール、オキサジアゾール、DCM1(4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン)、ピリジン、ピロメテン、フルオレセイン、キトン赤、オリゴチオフェン、ピリダイン2等、並びにこれらの誘導体があげられる。
(2)の分類では、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,13−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)などが挙げられる。
(3)の分類では、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)(略称:POF)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)](略称:PF−DMOP)、ポリ{(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−[N,N’−ジ−(p−ブチルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン]}(略称:TAB−PFH)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(略称:PPV)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−alt−co−(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,7−ジイル)](略称:PFBT)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−alt−co−(2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレン)]、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキソキシ)−1,4−フェニレンビニレン](略称:MEH−PPV)、ポリ(3−ブチルチオフェン−2,5−ジイル)(略称:R4−PAT)、ポリ{[9,9−ジヘキシル−2,7−ビス(1−シアノビニレン)フルオレニレン]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}、ポリ{[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−ビス(1−シアノビニレンフェニレン)]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}(略称:CN−PPV−DPD)などが挙げられる。
(4)の分類では、CdSeナノ微粒子、CdSナノ微粒子、ZnOナノ微粒子などがあげられる。
また、第1の発光体403並びに第2の発光体404の内部においてホスト−ゲストの関係を構成し、上述した物質をゲスト物質とする別の物質(ホスト物質)を組み合わせて用いることもできる。なお、ホスト物質としては、ポリビニルカルバゾールや、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)などホスト物質が励起光を吸収し、ゲスト分子が発光するタイプのものがあげられる。又、ポリメタクリル酸メチル(略称:PMMA)、ポリカーボネート、ポリスチレン等の透明樹脂を用いることもできる。
また、第1の発光体403および第2の発光体404の作製には、蒸着法(真空蒸着法)、転写法、スピンコート法、インクジェット法、ゾル−ゲル法等を用いることができる。
また、図4に示す光共振器406は、グレーティング405と第2の発光体404の積層構造である分布帰還型共振器(DFB)の場合について示したが、本発明はこれに限られることはなく、光共振器406として分布ブラッグ反射型共振器(DBR)、リング型共振器、微小球共振器、ウィスパーリングギャラリーモードを利用するマイクロディスク、およびフォトニック結晶であってもよい。
また、図4(C)に示すように第1の発光体403や光共振器406が形成される基板401の端部であって、レーザ発振がなされる方向(図4(A)に示す矢印の方向)以外の部分に反射体408を形成してもよい。なお、ここで示す反射体408は、絶縁材料(酸化珪素、窒化珪素など)を用いて形成された突起物409に反射率の高い金属膜である反射膜410(銀、アルミニウム等)が積層された構造を有しており、これらの形状は、公知のパターニング技術を用いればよい。図4に示す突起物409の場合には、グレーティング405と同時に形成した絶縁膜と、後の別工程で形成された絶縁膜との積層により形成される。
このように固体色素レーザに反射体408を設けることにより、第1の発光体403や第2の発光体404に吸収されていない光が外部に漏れるのを防止し、光共振器406において、レーザ発振に用いる励起分子を増やすことができるため、発振閾値をさらに低下させることができる。
また、本発明の一態様である固体色素レーザでは、図4(D)に示すように第1の発光体403、光共振器406等が形成された基板401を別の基板411で封止してもよい。この場合、基板401の周囲に封止材を設けて、基板411を貼り合わせ、基板間を空間にしても良いが、図4(D)に示すように基板401と基板411との間を封止材412で完全に充填する構造としても良い。なお、基板411も基板401と同様であり、例えばガラス、石英、プラスチックなどを用いることができる。
また、封止材412としては、代表的には可視光硬化性、紫外線硬化性または熱硬化性の樹脂を用いることができる。例えば、ビスフェノールA型液状樹脂、ビスフェノールA型固形樹脂、含ブロムエポキシ樹脂、ビスフェノールF型樹脂、ビスフェノールAD型樹脂、フェノール型樹脂、クレゾール型樹脂、ノボラック型樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、エピビス型エポキシ樹脂、グリシジルエステル樹脂、グリシジルアミン系樹脂、複素環式エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂等を用いることができる。
本実施の形態に示す固体色素レーザは、同一基板上に第1の発光体403が複数存在するため、光共振器における励起分子の閉じ込め効率をさらに向上させることができ、レーザ発振閾値を低下させることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1や実施の形態2で説明した場合に比べて、基板501上に分離形成される第2の発光体504の1つ当たりの面積が小さく、また、分離形成される第2の発光体504の数が多くなる場合であり、さらに、第1の発光体503については、複数個に分離形成される実施の形態3の構造とは異なり、グレーティング502の有無にかかわらず同一膜で基板501上に形成される場合について図5を用いて説明する。
図5(A)において、絶縁表面を有する基板501上に一列に並んだグレーティング502が複数列形成される場合について示す。ここでは、グレーティング502が4列配列された場合について示すが、本発明はこれに限られることはなく、配列数は、適宜変えることができる。なお、基板501としては、例えばガラス、石英、プラスチックなどを用いることができる。
また、基板上に形成されるグレーティング502は、酸化珪素、酸化窒化珪素等の透光性を有する材料を用いることができ、公知のフォトリソグラフィー法やナノインプリンティング法を用いることができる。
また、グレーティング502上には、第1の発光体503が形成されている。なお、第1の発光体503は、基板501上のグレーティング502を覆うように同一膜で形成される。第2の発光体504は、グレーティング502および第1の発光体503上であって、光共振器を形成する部分に分離形成される。従って、本実施の形態では、グレーティング502上に第1の発光体503および第2の発光体504が積層された部分が光共振器505となる。なお、本実施の形態のように光共振器505の一部に第1の発光体が含まれた構造であっても、第1の発光体503で吸収された光は、さらに第2の発光体504に吸収されるため、第1の発光体503が存在していても問題はない。
なお、グレーティング502上に積層される第1の発光体503および第2の発光体504の作製には、蒸着法(真空蒸着法)、転写法、インクジェット法、ゾル−ゲル法等を用いることができる。また、本実施の形態で示す構造の場合、第1の発光体503は、パターニングが不要である為、第1の発光体のパターニングが必要であった実施の形態3に比べて工程を簡略化することができる。
本実施の形態に示す固体色素レーザは、光源(図示せず)から基板501上の第1の発光体503、および第2の発光体504に光を照射することにより、光共振器505からレーザ発振を得ることができる。なお、ここで示す固体色素レーザは、光源からの光が第1の発光体503にまず吸収され、次に第1の発光体503より発光した光の導波光成分等により光共振器505が照射され、次に光共振器505内部に励起分子が生成し閉じこめられる。更に、光源から直接第2の発光体504に吸収された光によっても励起分子が生成する。このように面状光源からの励起光は無駄なく光共振器内の第2の発光体504の励起に利用されるので、光共振器505の内部でレーザ発振に有効な励起分子を増やすことができ、レーザ発振閾値をさらに低下させることができる。
すなわち、本実施の形態に示す固体色素レーザは、光源からの光を効率よく集めることができる構造を有しているため様々な光源を用いることができるが、用いる光源としては、発光素子(例えば、発光ダイオードアレイ、有機EL等)、冷陰極管、平面蛍光ランプといった面光源がより好ましい。
なお、本実施の形態における第1の発光体503は、光源が発する光を吸収する物質を有しており、光共振器505を構成する第2の発光体504は、光源および第1の発光体503が発する光を吸収する物質を有している。従って、上述したように光源から第1の発光体503に吸収された光を第2の発光体504に吸収させることができる。
第1の発光体503および第2の発光体504の材料として用いることのできる物質としては、オキサゾール、オキサジアゾール、DCM1(4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン)、ピリジン、ピロメテン、フルオレセイン、キトン赤、ポリ(p−フェニレンビニレン)、オリゴチオフェン、ピリダイン2等であり、その他これらの誘導体を用いることができる。但し、上述したように第2の発光体504に用いる物質は、第1の発光体503に用いる物質が発する光を吸収できる物質となるように適宜選択する必要がある。
また、第2の発光体504の内部においてホスト−ゲストの関係を構成し、上述した物質をゲスト物質とする別の物質(ホスト物質)を組み合わせて用いることもできる。なお、ホスト物質としては、ポリビニルカルバゾール、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、ポリメタクリル酸メチル等を用いることができる。
また、第1の発光体503および第2の発光体504の作製には、蒸着法(真空蒸着法)、転写法、インクジェット法、ゾル−ゲル法等を用いることができる。
また、図5に示す光共振器505は、グレーティング502と第1の発光体503と第2の発光体504の積層構造である分布帰還型共振器(DFB)の場合について示したが、本発明はこれに限られることはなく、光共振器505として分布ブラッグ反射型共振器(DBR)、リング型共振器、微小球共振器、ウィスパーリングギャラリーモードを利用するマイクロディスク、およびフォトニック結晶であってもよい。
また、図5(C)に示すように第1の発光体503や光共振器505が形成される基板501の端部であって、レーザ発振がなされる方向(図5(A)に示す矢印の方向)以外の部分に反射体508を形成してもよい。なお、ここで示す反射体508は、絶縁材料(酸化珪素、窒化珪素など)を用いて形成された突起物509に反射率の高い金属膜である反射膜510(銀、アルミニウム等)が積層された構造を有しており、これらの形状は、公知のパターニング技術を用いればよい。図5に示す突起物509の場合には、グレーティング502と同時に形成した絶縁膜と、後の別工程で形成された絶縁膜との積層により形成される。
このように固体色素レーザに反射体508を設けることにより、第1の発光体503や第2の発光体504に吸収されていない光が外部に漏れるのを防止し、レーザ発振に用いる励起分子を増やすことができるため、発振閾値をさらに低下させることができる。
また、本発明の一態様の固体色素レーザでは、図5(D)に示すように第1の発光体503、光共振器505等が形成された基板501を別の基板511で封止してもよい。この場合、基板501の周囲に封止材を設けて、基板511を貼り合わせ、基板間を空間にしても良いが、図5(D)に示すように基板501と基板511との間を封止材512で完全に充填する構造としても良い。なお、基板511も基板501と同様であり、例えばガラス、石英、プラスチックなどを用いることができる。
また、封止材512としては、代表的には可視光硬化性、紫外線硬化性または熱硬化性の樹脂を用いることができる。例えば、ビスフェノールA型液状樹脂、ビスフェノールA型固形樹脂、含ブロムエポキシ樹脂、ビスフェノールF型樹脂、ビスフェノールAD型樹脂、フェノール型樹脂、クレゾール型樹脂、ノボラック型樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、エピビス型エポキシ樹脂、グリシジルエステル樹脂、グリシジルアミン系樹脂、複素環式エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂等を用いることができる。
本実施の形態に示す固体色素レーザは、第1の発光体503は、パターニングが不要である為、第1の発光体のパターニングが必要であった実施の形態3に比べて工程を簡略化することができる。
101 基板
102 第1の発光体
103 光共振器
104 第2の発光体
105 グレーティング
106 光源
107 反射体
108 突起物
109 反射膜
110 基板
111 封止材
301 基板
302 第1の発光体
303 光共振器
304 第2の発光体
305 グレーティング
306 光源
308 発光素子
309 基板
311 第1の電極
312 第2の電極
313 EL層
314 封止材
315 反射体
316 突起物
317 反射膜
401 基板
403 第1の発光体
404 第2の発光体
405 グレーティング
406 光共振器
408 反射体
409 突起物
410 反射膜
411 基板
412 封止材
501 基板
502 グレーティング
503 第1の発光体
504 第2の発光体
505 光共振器
508 反射体
509 突起物
510 反射膜
511 基板
512 封止材

Claims (11)

  1. 励起光源の光を受光して発光する第1の発光体と、前記第1の発光体に隣接する光共振器とを有し、
    前記光共振器は、前記励起光源および前記第1の発光体が発光する光を受光して発光する第2の発光体を有する固体色素レーザ。
  2. 請求項1において、
    前記光共振器は、回折格子構造、フォトニック結晶構造、または端面を反射面とする薄膜である固体色素レーザ。
  3. 基板上に形成された第1の発光体および光共振器を有し、
    前記光共振器は、回折格子および第2の発光体を含み、
    前記第1の発光体は、励起光源が発する光を吸収する物質からなり、
    前記第2の発光体は、前記励起光源および前記第1の発光体が発する光を吸収する物質からなり、
    前記第1の発光体および前記第2の発光体は、前記基板および前記回折格子と重なる位置に部分的にそれぞれ分離形成される固体色素レーザ。
  4. 基板上に形成された回折格子を複数有し、
    前記基板および前記回折格子と重なる位置に部分的に第1の発光体または第2の発光体のいずれか一方が形成され、
    前記第1の発光体は、光源が発する光を吸収する物質からなり、
    前記第2の発光体は、前記光源および前記第1の発光体が発する光を吸収する物質からなる固体色素レーザ。
  5. 基板上に形成された回折格子を複数有し、
    前記基板および前記回折格子上に第1の発光体が形成され、
    少なくとも前記回折格子の一部およびそれと重なる前記第1の発光体上に第2の発光体が形成され、
    前記第1の発光体は、光源が発する光を吸収する物質からなり、
    前記第2の発光体は、前記光源および前記第1の発光体が発する光を吸収する物質からなる固体色素レーザ。
  6. 一対の基板間に光源、第1の発光体、および光共振器を有し、
    前記光共振器は、回折格子および第2の発光体を含み、
    前記光源は、一方の基板に形成され、
    前記第1の発光体および前記回折格子は、他方の基板に接して形成され、かつ、前記第2の発光体は、少なくとも前記回折格子と重なる位置に形成され、
    前記第1の発光体は、前記光源が発する光を吸収する物質からなり、
    前記第2の発光体は、前記光源および前記第1の発光体が発する光を吸収する物質からなる固体色素レーザ。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
    前記光源は、有機EL、発光ダイオード、冷陰極管、平面蛍光ランプのいずれか一である固体色素レーザ。
  8. 一対の基板間に発光素子、第1の発光体、および光共振器を有し、
    前記光共振器は、回折格子および第2の発光体を含み、
    前記発光素子は、一方の基板に形成され、
    前記第1の発光体および前記回折格子は、他方の基板に接して形成され、かつ、前記第2の発光体は、少なくとも前記回折格子と重なる位置に形成され、
    前記第1の発光体は、前記発光素子が発する光を吸収する物質からなり、
    前記第2の発光体は、前記発光素子および前記第1の発光体が発する光を吸収する物質からなる固体色素レーザ。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一において、
    前記第1の発光体には、発光量子効率が50%以上の物質を用いる固体色素レーザ。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一において、
    前記第2の発光体は、スチルベン系、クマリン系、キサンテン系、シアニン系、オキサジン系、ローダミン系、スチリル系の発光量子効率が50%以上であり、かつレーザ活性を有する物質を用いる固体色素レーザ。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか一において、
    前記基板上の端部であって、前記光共振器によって固体色素レーザが発振される方向とは異なる方向に反射体を有する固体色素レーザ。
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