JP5062952B2 - レーザ発振器 - Google Patents

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Description

本発明は、有機物を含む材料によりなる発光素子を用いたレーザー装置に関し、特に電流励起型の有機レーザ発振器に関する。
固体レーザーは高出力、高効率、高いエネルギー蓄積性、広い波長可変特性、小型であるなどの特徴を有しており、このため応用分野の広いレーザーである。なかでも半導体レーザーは小型、軽量であり、かつ閾値が小さいなどが大きな特徴である。すでに無機半導体を用いた半導体レーザーが開発されており、多方面で実用化されている。
一方、有機化合物を用いてレーザー発振が実現されれば、無機半導体レーザーでは得られない特性を付与することができる。例えば材料の柔軟性に基づいてフレキシブルなレーザーが作製できること、製造プロセスの簡素化やコスト削減が可能であること、製造プロセスが多様である(蒸着、スピンコート法、印刷法、ディップコーティングなどが適用できるなど)ことなどが挙げられる。有機化合物材料を用いたレーザーに関しては非特許文献1に総説としてまとめられている。
Nir Tessler、"Lasers Based on Semiconducting Organic Materials"、Adv. Mater.、 1999、11、p.363-370
有機物を含む材料を発光させる代表的な発光素子として、電界をかけることで発光する発光素子が知られている。この素子は、一対の電極間に有機物を含む材料を挟んでなり、ホール輸送層、発光層、電子輸送層と呼ばれる機能層を積層することで形成されている。そして、電極間に電圧を印加して発光層に電子、ホールを注入することにより発光させるものである。この発光は、発光層に用いる材料または添加するゲスト材料の種類により、発光の波長帯域を変えることができる。
このような有機物を含む発光素子を用いてレーザを作製すれば容易に大面積化が可能である上、その作成コストも小さくて済む。また、電流励起のレーザであるため、光励起のレーザと比較して制御がしやすく、装置そのものをコンパクト化することが可能となる。
そこで本発明では有機物を含む発光素子を用い、電流励起によるレーザ発振器を提供することを課題とする。
そこで本発明では、有機物を含む発光素子において、少なくとも有機物として発光材料を含む発光層に屈折率の高い金属化合物(酸化物、硫化物など)を同時に含有させ、発光層の屈折率を当該発光層を挟む他の機能層より高くすることで発光層内部でレーザを発振する為の共振構造を有する半導体装置を提供する。
また、本発明は電流により励起することでレーザを発振する半導体装置であって、前記レーザ照射装置は基板上に形成された第1の電極と第2の電極の間に、有機物よりなる第1の層と、有機物と金属化合物を含む第2の層と、有機物よりなる第3の層とが順に積層された積層体が挟まれてなる発光素子を有し、前記第2の層における有機物は少なくとも発光材料を含むことを特徴とする。
また、本発明の半導体装置は電流により励起することによって波長λのレーザビームを発振する半導体装置であって、基板上に形成された第1の電極と第2の電極の間に、有機物よりなる第1の層と、有機物と金属化合物を含む第2の層と、有機物よりなる第3の層とが順に積層された積層体が挟まれてなる発光素子を有し、第2の層における有機物は少なくとも発光材料を含み、第2の層の膜厚deは前記第2の層の屈折率をneとしてde=mλ/(2ne)(mは1以上の整数)を満たすことを特徴とする。
また、本発明の他の構成は、上記構成において、第1の層又は/及び前記第2の層の各々の膜厚dfは各々の屈折率をnfとすると、df=(2m−1)λ/(4nf)を満たすことを特徴とする
本発明の半導体装置は、有機物を含む発光素子を用いたレーザ発振器であって、電流励起により発振することが可能なレーザ発振器である。
また、本発明の半導体装置は、大面積化が容易なレーザ発振器である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
本発明のレーザ発振器の概要について図1を参照しながら説明する。本発明のレーザ発振器は、有機物を含む材料を一対の電極103、104で挟んでなる発光素子105を基板106上に形成して作製したレーザ発振器において、当該発光素子における発光物質を含む発光層100に屈折率の高い金属化合物(金属酸化物、金属硫化物など)を含有させ、発光層100を当該金属化合物を含有しない場合と比較して屈折率の高い層とする。発光層100は電子注入、輸送層101、正孔注入、輸送層102などの各機能層によって発光層100が挟まれている構造とし、これらの各機能層は有機物により形成する。有機物の屈折率は押し並べて低い傾向があり、また、同程度の屈折率を有する。そのため、屈折率の高い金属化合物を含有する発光層100は当該発光層100が挟まれている各機能層よりも高い屈折率を有することとなる。これにより、発光層100で発光した光は発光層100と機能層との界面において反射される。
このような構成で作製される発光素子105において、発光層100の膜厚deを、所望のレーザビームにおける波長をλとしてde=mλ/(2ne)(mは1以上の整数、neは発光層の屈折率)とすることで共振構造を作製することが可能となる。
発光素子105に電流を流し反転分布を得、発光層100において誘導励起を起こし、発光層100により構成された共振構造により誘導励起された光がさらに増幅されることによって、レーザビームが発振される。
なお、本発明の構成によると共振構造が発光を得る為の発光層100により設けられている為、他の膜との界面を通過することなく共振することが可能であることから光の損失が少なく非常に効率の良いレーザ発振器とすることができる。
また、大基板に蒸着や湿式法などによって素子を作製することが可能である為、一つの素子を作製する為のコストが非常に安く済む。また、上記方法によって作成することが可能である為大面積レーザビームを得ることができる可能性がある。
また、光励起の有機レーザと比較して光源が必要ない為コンパクトなレーザ発振器とすることができる。また、制御性にも優れる。
ところで、有機EL素子では、有機薄膜に対して多量のキャリアが供給される。大まかな見積りを行うと、通電中に素子に存在するキャリア数と有機EL素子中の分子数とはほぼ同等、あるいは前者が多い。従って、キャリアを持たない分子、すなわち基底状態の分子の数は、キャリアを持った分子よりも少ない可能性がある。この状態でキャリアの再結合が起こって励起状態が生成すると、励起状態の分子数は基底状態の分子数よりも相対的に多い状態を作り出すことができる可能性がある。すなわち、低電流量の通電でも十分に反転分布を作り出せるものと予想できる。ここで素子に共振器構造を付与してやれば良い。すなわち、共振器として機能する有機膜の膜厚を半波長の整数倍にすることで、反転分布状態から生じる誘導放射と共振によって、光が増幅することでレーザーの発振が可能になる。
有機EL素子からのレーザー発振の可能性を探ることを目的として、低電流領域での電流密度と発光強度との相関関係を見てみると、電流密度に対する発光強度の相関関係の全て、あるいは一部が、傾きの異なる二つの直線で表され、かつ傾きの大きい領域は、傾きの小さい領域に対して高電流側に位置する。そして前記二つの領域が接する電流密度(以下、閾値と記す)は数mAから数十mA/cm2という、極めて小さな値である。同時に、この閾値前後で発光スペクトルの半値幅が20%程度減少するため、ある特定の複数の有機化合物の層を接して形成することにより、有機化合物を媒体としても電流励起型のレーザー装置と全く同様の挙動を示す。
即ち、如何に適当な共振構造を作製するかに、電流励起による有機物を含む発光素子を用いたレーザ発振器の実現がかかっていることがわかる。
以下、本発明の実施の態様について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、基板上に電極層と有機物を含む層を積層した発光素子を用いたレーザー装置において、基板側からレーザー光を取り出すことのできる構造について説明する。
図2に、基板106上に複数の層が積層形成されて構成される本実施の形態のレーザー装置を示す。この形態では、基板側からレーザー発光を取り出すので、基板106は透光性を有する基板であればよい。具体的には、ガラス、石英、透明プラスチックなどを用いることができる。
103は発光素子の第1の電極、104は発光素子の第2の電極であり、どちらかに高い電圧をかけることによって発光素子が発光する。第1の電極103、第2の電極104は金属、合金、電気導電性化合物、あるいはこれらの混合物を用いることが可能である。通常、発光を得る為に他方の電極より高い電圧をかける方の電極には仕事関数の高い(仕事関数4.0eV以上)材料、低い電圧をかける方の電極には仕事関数の小さい(仕事関数3.8eV以下)材料を用いる。本実施の形態では基板106側にレーザーを出力させるので、第1の電極103はできるだけ透明性を有することが好ましい。したがって金属や合金の場合には、可視光領域における吸収が小さいもの金属を用い、それを薄膜として形成しておくことが好ましい。
本実施の形態においては第1の電極103には、発光を得る際に他方の電極より高い電圧をかけることとし、このような場合には、ITO(Indium Tin Oxide)やZnO(Zinc Oxide)、TiN(Titanium Nitride)などの透光性導電性酸化物、または窒化物を用いることができる。しかし、これらの材料もある程度は光を吸収するので、厚さを1000nm程度あるいはそれ以下の薄膜とするのが好ましい。
有機化合物層は、ホール注入に優れるホール注入層1011、ホール注入層1011から発光層100へホールを効率よく輸送するためのホール輸送層1012、電子注入障壁を軽減する機能を有する電子注入層1022であり、注入された電子を発光層へ効率よく輸送するための電子輸送層1021が含まれている。そして注入されたキャリア(ホールと電子)は発光層100で再結合する。これらのキャリア注入、輸送、再結合から発光に至る機構は、通常の有機EL素子と同様である。したがって、通常の有機EL素子で用いることができる材料を発光層以外の各機能層で用いることができる。なお、本実施の形態では、有機化合物層として5つの機能層を用いることとしているが、本発明はこれに限定されず、複数の機能を同一の層で担うことにより、電極と発光層との間の機能層の数を0としない範囲において減らすことも可能であるし、その他の機能層を加えても良い。
ホール注入材料としては、イオン化ポテンシャルの小さな材料が用いられ、大別すると金属酸化物、低分子有機化合物、および高分子系化合物に分けられる。金属酸化物の例としては、酸化バナジウムや酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウムなどを用いることができる。低分子有機化合物の例としては、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(以下、m−MTDATAと示す)に代表されるスターバースト型アミンや金属フタロシアニンなどが挙げられる。一方高分子系化合物材料としては、ポリアニリンやポリチオフェン誘導体などの共役高分子を用いることができる。これらの材料をホール注入層1011として用いることにより、ホール注入障壁が低減し、効率よくホールが注入される。
ホール輸送層1012としても公知の材料を用いることができ、芳香族アミンが良い例である。例えば4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(以下、α−NPDと示す)や、4,4',4''−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(以下、TDATAと示す)などを用いることができる。一方、高分子材料としては良好なホール輸送性を示すポリ(ビニルカルバゾール)などを用いてもよい。
電子輸送層1021も公知材料を使用することが可能である。具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(以下、Alq3と記す)に代表されるような、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体やその混合配位子錯体などが好ましい。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(以下、PBDと示す)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(以下、OXD−7と示す)などのオキサジアゾール誘導体、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(以下、TAZと示す)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(以下、p−EtTAZと示す)などのトリアゾール誘導体、バソフェナントロリン(以下、BPhenと示す)、バソキュプロイン(以下、BCPと示す)などのフェナントロリン誘導体を用いることができる。
電子注入層1022では、フッ化カルシウムやフッ化リチウム、臭化セシウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属塩を使用すればよい。
本発明の場合はこの上に第2の電極104が形成される。本実施の形態においては発光を得る際、第2の電極104に第1の電極103より低くなるように電圧をかける為、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いる。また、基板106側にレーザビームを射出する構成とすることから、出来るだけビームの損失を少なくするために可視光の吸収が小さく、反射率の大きな金属が好ましい。具体的にはAlやMg、あるいはこれらの合金が好ましい。また、この陰極では反射率が限りなく100%に近いことが好ましいので、可視光が透過しない程度の膜厚は必要である。その他の材料としては1族または2族の典型元素、すなわちLiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(Mg/Ag、Al/Li)の他、希土類金属を含む遷移金属を用いて形成することができるが、Al、Ag、ITO等の金属(合金を含む)との積層により形成することもできる。
なお、第1の電極103に第2の電極104より低い電圧をかけることによって発光が得られる場合の構成については、第1の電極103を仕事関数の小さい材料を用い、発振するレーザー光の波長に対して透過率が50〜95%となるように膜厚を考慮して第2の電極104を形成する。例えばMgとAgとの合金の場合は5〜20nm程度となる。また、この場合、第2の電極104は仕事関数の大きい材料を用いて作製すれば良い。さらに、電極間に挟まれる各層についてはその積層順を逆に積層することが必要である。すなわち、本実施の形態と同様の膜構成であるとすれば、第1の電極103側から電子注入層、電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層そして第2の電極104が積層されることとなる。
なお、上述した有機物は、湿式、乾式、いずれの方法を適用して形成しても構わない。高分子材料の場合では、スピンコート法やインクジェット法、ディップコート法、印刷法などが適している。一方低分子材料であれば、ディップコート法やスピンコート法だけでなく、真空蒸着などによっても成膜される。電極材料は、蒸着法、スパッタリング法等によって形成される。
発光層100は屈折率の高い金属化合物と有機物とを有する層により形成される。有機物は既知の材料が使用可能である。例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下、Alq3と示す)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(以下、Almq3と示す)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[η]−キノリナト)ベリリウム(以下、BeBq2と示す)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−(4−ヒドロキシ−ビフェニリル)−アルミニウム(以下、BAlqと示す)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(以下、Zn(BOX)2と示す)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜鉛(以下、Zn(BTZ)2と示す)などの金属錯体の他、各種蛍光色素が有効である。蛍光色素としては、例えば、クマリン102、クマリン334、クマリン6、クマリン30、クマリン545、クマリン545T等のクマリン色素や、ローダミンB、ローダミン6G等のローダミン色素、4,4’−ビス[2−(4−ジフェニルアミノフェニル)ビニル]ビフェニル(以下、DPAVBiと示す)、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(以下、DPVBiと示す)、1,4−ビス[2−(4−ジフェニルアミノフェニル)ビニル]ベンゼン(以下、PAVBと示す)等のスチルベン誘導体が挙げられる。また、白金オクタエチルポルフィリン錯体やトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体、トリス(ベンジリデンアセトナト)(フェナントロリン)ユーロピウム錯体などのりん光材料も有効である。特にりん光材料は蛍光材料と比較して励起寿命が長いため、レーザー発振に不可欠な、反転分布、すなわち、基底状態にある分子数よりも励起状態にある分子数が多い状態を作り出すことが容易になる。
なお、上述した発光層100では、発光材料をドーパントとして用いても構わない。すなわち、発光材料よりもイオン化ポテンシャルが大きく、かつバンドギャップの大きな材料をホストとし、これに上述した発光材料を少量(0.001%から30%程度)混合しても構わない。
屈折率の高い金属化合物としては、Biに代表されるビスマス酸化物、TiO、Ti、Ti、TiOに代表されるチタン酸化物、ZrOに代表されるジルコニウム酸化物、Ta に代表されるタンタル酸化物、NiOに代表されるニッケル酸化物、ZnOに代表される亜鉛酸化物のような金属酸化物が好ましい。その他、ZnS、CdSのような金属硫化物などを用いることもできる。また、In:SnOに代表されるインジウム錫酸化物や、ZrO :TiO に代表されるジルコニウムチタン酸化物のような複合酸化物も用いることができる。なお、金属化合物の量は少なすぎると屈折率の上昇が充分でなく、多すぎると抵抗が上昇しすぎる等の弊害がある。したがって、発光層における発光材料やホストも含めた全ての有機物と、金属化合物の全金属イオンとのモル比は、好ましくは、有機物/金属イオン=0.01以上100以下であり、より好ましくは、有機物/金属イオン=0.1以上10以下である。
発光層は各材料を共蒸着することによって形成しても良いし、また、ゾルゲル法などの湿式法を利用して成膜しても良い。金属化合物としてモリブデン酸化物など抵抗加熱による蒸着が可能な金属酸化物については、有機物共々抵抗加熱による共蒸着を行えば良く、ジルコニウム酸化物やチタン酸化物を発光層100に含有させる場合は、抵抗加熱で有機物を蒸着し、同時に電子ビームを蒸着材料に照射して蒸発させる電子銃蒸着(EB蒸着)によって金属酸化物を蒸着することによる、共蒸着法としても良い。また、抵抗加熱での蒸着(有機物の成膜)とスパッタリング法(金属酸化物の成膜)を同一のチャンバーで同時に行っても本発明の発光層を作製することもできる。また、ゾルゲル法を用いての発光層の作製方法については後述する。
ここで最も重要なことは、発光層100の膜厚deである。定在波を形成して光を増幅させるためには、半波長の整数倍の間隔が必要である。例えば400nmの光を増幅させるためには、少なくとも200nmの光学距離(屈折率×距離)が必要である。同様に、800nmの光を増幅させるためには、400nmの光学距離が必要である。上述した有機発光材料の発光波長は、主として可視光領域に存在する。したがって、400nmから800nmと定義される可視光を増幅させるためには、共振構造を構成する層の膜厚、即ち発光層100の光学膜厚(屈折率×膜厚)を200nm以上にする必要がある。なお、光速は材料の屈折率分小さくなることを考慮する必要があるため、上述の通り、実際には膜厚に屈折率をかけた値が200nmよりも大きいことが必要である。
図1に示した有機レーザー装置の電極間に通電することにより、第2の電極104から注入された電子と第1の電極103から注入されたホールが主として発光層100で再結合して発光する。ここで得られた発光の一部は発光層内で反射し増幅される。したがって、閾値以上の電流密度で電流を印加することによって反転分布が形成され、レーザーが発振する。なお、本実施の形態においてレーザー光は第1の電極103側から取り出される。レーザー光は、発光層から放射されるスペクトルの内、共振器構造内で増幅が許容される波長を中心とする、比較的シャープな発光スペクトルとして観測することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、基板106側、すなわち第1の電極103側からレーザー光を取り出す構成について示したが、本実施の形態では基板の上面、すなわち第2の電極104側からレーザー光を取り出す構成について示す。図1において、106は基板であり、特に材料は選ばない。ガラスや石英、プラスチックのみならず、紙や布などの柔軟な基板でも用いることができる。もちろん、透明である必要はない。
103は第1の電極である。本実施の形態においては実施の形態1と同様、第1の電極103に他方の電極より高い電圧をかけることによって発光を得ることができる構造とする。したがって、仕事関数の大きい(仕事関数4.0eV以上)材料を用いて形成すればよい。
なお、本実施の形態は第2の電極104側からレーザビームを取り出す構造となっているため、第1の電極103は反射鏡状となっていることが望ましく、これらの条件を満たすものとしては、例えばAgやPt、あるいはAuなどが用いることが可能である。なお、第1の電極103を反射鏡として用いる場合は、可視光を透過しない程度以上の膜厚が必要である。具体的には、数十nmから数百nmとすればよい。
第1の電極103の上には、発光層100を除いて通常の有機物を用いた発光素子と同様の構造を用いることができる。つまり、ホール注入層1011、ホール輸送層1012、電子輸送層1021を設ける。これらは実施の形態1で示されるような公知の材料を用いればよい。電子輸送層1021の上には通常電子注入層1022を設けるが、LiやCeなどのアルカリ金属がドープされた有機化合物を使用するのが好ましい。この場合の有機化合物としては、実施の形態1に示した電子輸送材料を併用することができる。
発光層100については実施の形態1に示したような構成の材料によって作製すれば良い。なお発光層100の膜厚に関しても実施の形態1と同様、所望のレーザビームの波長をλとしてmλ/(2ne)(mは1以上の整数、neは発光層の屈折率)を満たすような膜厚とすればよい。
この後、第2の電極104を形成する。第2の電極104としては実施の形態1で示したような公知材料を用いればよい。あるいは、電子注入層1022を設けず、電子注入性に優れたMgAg合金を直接積層してもよい。なお、この構造では上面からレーザー光を取り出すので、陰極は出力鏡として機能する。したがって、発振するレーザー光の波長に対して透過率が50〜95%となるように膜厚を考慮して第2の電極104を形成する。例えばMgとAgとの合金の場合は5〜20nm程度となる。
なお、第1の電極103に第2の電極104より低い電圧をかけることによって発光が得られる場合の構成については、第1の電極103を仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いる。また、第2の電極104側にレーザビームを射出する構成とすることから、出来るだけビームの損失を少なくするために可視光の吸収が小さく、反射率の大きな金属が好ましい。具体的にはAlやMg、あるいはこれらの合金が好ましい。また、この陰極では反射率が限りなく100%に近いことが好ましいので、可視光が透過しない程度の膜厚は必要である。その他の材料としては1族または2族の典型元素、すなわちLiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(Mg/Ag、Al/Li)の他、希土類金属を含む遷移金属を用いて形成することができるが、Al、Ag、ITO等の金属(合金を含む)との積層により形成することもできる。また、第2の電極104については仕事関数の大きい材料を用いて作製すれば良い。また、第2の電極104側よりレーザビームを取り出すため、できるだけ透明性を有することが好ましい。したがって金属や合金の場合には、可視光領域における吸収が小さいもの金属を用い、それを薄膜として形成しておくことが好ましい。第2の電極19としてはITO(Indium Tin Oxide)やZnO(Zinc Oxide)、TiN(Titanium Nitride)などの透光性導電性酸化物、または窒化物を用いることができる。しかし、これらの材料もある程度は光を吸収するので、厚さを1000nm程度あるいはそれ以下の薄膜とするのが好ましい。さらに、電極間に挟まれる各層についてはその積層順を逆に積層することが必要である。すなわち、本実施の形態と同様の膜構成であるとすれば、第1の電極12側から電子注入層、電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層そして第2の電極が積層されることとなる。
このようにして形成された本実施の形態のレーザー装置に通電することにより、有機化合物層から誘導放射によって増幅された光が発光層100において共振し、レーザー光が素子上面(第2の電極104側)から取り出すことができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、発光層で増幅され、射出したレーザビームが電極によって反射すことで発光層中に戻され、さらに増幅されるような2重の増幅構造を有するレーザ発振器について説明する。
本実施の形態においては実施の形態1及び実施の形態2と同様の構成を用いるが、発光層から電極までの距離について規定する。
本発明においては発光層の屈折率は、屈折率の高い金属酸化物を含有することで当該発光層が接しているその他の機能層(ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層んど)より高く作られている。そのため、発光層内で電流励起により発光した光は発光層内で共振し、増幅されレーザ発振する。しかし、例えば、第1の電極側にレーザを射出する構成のレーザ発振器であったとした場合、第2の電極側に漏れていったレーザビームは損失となってしまう。また、第1の電極側にレーザビームが出て行ったとしても、電極との界面で反射されるレーザビームも無いとは言い切れず、損失となる。
そこで本実施の形態では、発光層から電極までの距離を所望のレーザビームの波長をλとして、(2m−1)λ/(4n)(mは1以上の整数、nは機能層の屈折率)を満たすように設定する。
ここで、発光層と当該発光層を挟む機能層との間の界面による反射を考える。本発明では発光層の屈折率の方が機能層の屈折率より大きい値を示す為、発光層から機能層に向かう光の反射は自由端反射となる。一方、機能層に透過した光が電極で反射される場合を考えると、通常、機能層より電極の方が屈折率が高いため、固定端反射となる。自由端反射による反射波は入射波との位相のズレはないが、固定端反射である場合は反射波と入射はとの位相はπだけずれる。それを考慮して電極での反射波が発光層に入射した際に強めあう条件が、発光層と電極間の距離dが(2m−1)λ/(4nf)(mは1以上の整数、nfは機能層の屈折率)を満たすこととなる。なお、異なる材質でなる複数の機能層が発光層と電極との間に存在する場合は、各機能層の屈折率に当該機能層が存在する発光層と電極との間の距離を1として、当該機能層の膜厚比を乗じた数値の和をnfとして用いるなど適宜対応すればよい。
また、発光層と電極との距離の規定は発光層の両側で設けられることが好ましいが、どちらか一方の電極側のみに設けられていても良い。
なお、電極に透光性を有する電極を使用した場合は、同様の理由から、その屈折率nが当該電極における発光層がある方の面と反対側の面に接している層より高い場合はmλ/(2n)(mは1以上の整数、n は電極の屈折率)を満たすような膜厚で形成し、低い場合は(2m−1)λ/(4n)(mは1以上の整数、n は電極の屈折率)を満たすような膜厚で形成すると望ましい。
このような構成を有するレーザ発振器はより効率よくレーザを発振することが可能となる。
本実施の形態は実施の形態1又は実施の形態2と組み合わせて用いると望ましい構成となる。
(実施の形態4)
本実施の形態では端面(エッジ部分)からレーザー光を取り出すことが可能なレーザー装置の構造を記述する。
図3において、基板61の材質として特に限定されるものはない。実施の形態5に示したような材料を用いることができる。この上に電極62が形成される。ここでは、共振による光の増幅は膜面に対して平行な発光成分のみに着目する。すなわち、縦モードのみに着目し、実施の形態1又は実施の形態2で示したような横モードの共振は無視することができる。従って、電極の透明性や反射率は無視することができるので、仕事関数を主たるパラメータとして選択すればよいが、面方向に出る光の回り込みを考慮すると、透明性のない電極が好ましい。
第1の電極62の上には、発光層16を除いて電流を印加することによって発光に至らしめる有機物を用いた発光素子と同様な構造を採用する。つまり、ホール注入層63、ホール輸送層64、電子輸送層66、ならびに電子注入層67が設けられ、これらは実施の形態1で示すような方法、材料を選択することによって作製される。なお、これらの有機化合物層、ならびに前記した電極の膜厚は、効率よく発光するに適切な膜厚を選択すればよい。電子注入層67の上には第2の電極が68設けられる。
なお、本実施の形態では電極間の端面、もしくは基板からレーザー発振する。従って、電極間の幅は小さくても良く、通常幅数μm、長さ数百μmで十分である。ここで重要なことは、複数の縦モードの制御である。電極間の横方向から発振する場合、電極間の長さよりも波長の方が短いので、多くの縦モードが生じ、その結果、スペクトル形状曲線の幅の中に何本もの縦モードが入る。そこで図3に示すように、発光層付近に回折格子を作製する。例えば図3では、ホール輸送層の上面は平坦とせず、縞状にして回折格子を形成する。すると、発光層内で発生した光はこの回折格子の格子間隔によって周期的に反射されて共振・増幅され、単色性の高い光を増幅することができる。ここで発光層の屈折率をn、発振させる波長をλとすると、(λ/2n)の格子間隔を作製すれば良い。
このようにすることで、単一の縦モードが実現でき、単色性の良いレーザー光を有機化合物層の側面から得ることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では本発明における発光層を湿式法を用いて作製する方法について説明する。
始めに、ゾルーゲル法によって発光層100を作製する方法を説明する。本実施の形態では実施の形態1で述べた金属化合物のうち、金属酸化物を含む発光層を作製することができる。まず、発光層100に含ませたい金属酸化物における金属のアルコキシドを用意する。なお、金属化合物を複数種用いる場合はさらに他の金属アルコキシドを添加すればよい。
このアルコキシドを適当な溶媒に溶かしたアルコキシド溶液に、安定化剤としてβ―ジケトンなどのキレート剤、および水を加えたゾルを調整する。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール等の低級アルコールの他、THF、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、あるいはこれらの混合溶媒等を用いることができるが、これに限定されることはない。
安定化剤に用いることのできる化合物としては、例えばアセチルアセトン、アセト酢酸エチル、ベンゾイルアセトン等が挙げられる。ただし、安定化剤はゾルにおける沈殿を防ぐためのものであり、必ずしも必要ではない。
水の添加量としては、アルコキシドの金属が通常2価〜6価であるため、金属のアルコキシドに対して2当量以上6当量以下が好ましい。ただし、水は金属アルコキシドの反応の進行を制御するために用いるものであり、必ずしも必要ではない。
次に、発光層100に用いる実施の形態1に示したような有機物の溶液を用意し、調整したゾルと混合、撹拌することで、金属のアルコキシドと有機物とを含む混合溶液が得られる。その後、当該溶液を塗布、焼成することにより、本発明のレーザ発振器に用いる発光素子の発光層100に用いられる膜を成膜することができる。混合溶液を塗布する方法としては、ディップコート法、またはスピンコート法、またはインクジェット法などの湿式法を用いることができるが、これらに限定されることはない。
なお、有機物の分子量が小さい(具体的には、分子量が500以下の化合物)場合はバインダー物質を添加することによって膜質を向上させてもよい。無論、有機物として高分子化合物を用いる場合も、バインダー物質が添加されていてよい。この場合には、金属のアルコキシド溶液に予めバインダー物質を加えておけばよい。バインダー物質としては、ポリビニルアルコール(略称:PVA)、ポリメチルメタクリレート(略称:PMMA)、ポリカーボネート(略称:PC)、フェノール樹脂等が挙げられる。
なお、アルコキシド溶液に水を加えず、発光層100に用いる実施の形態1に示したような有機物の溶液と混合した後、塗布し、水蒸気に曝してから焼成しても本発明のレーザ発振器に用いる発光素子の発光層100に用いられる膜を成膜することができる。水蒸気に曝すことによりアルコキシドの加水分解反応が起こり、その後焼成することにより、重合または架橋が進行して金属酸化物と有機物を含む層を作製することができる。
なお、バインダー物質を添加する場合には、アルコキシド溶液に予めバインダー物質を加えておけばよい。
また、上述した水蒸気による加水分解反応を行う場合においても、金属のアルコキシドおよび有機物を含む溶液に安定化剤を添加してもよい。安定化剤を添加することにより、大気中等の水分によって第1の金属の水酸化物の多核沈殿が生じることを抑制することができる。なお、水蒸気にさらすまで、水分のない環境で作業するならば、安定化剤は必ずしも必要ではない。
続いて、上述したアルコキシドを用いるゾルーゲル法とは異なるゾル−ゲル法によって、本発明のレーザ発振器に用いる発光素子の発光層100に用いられる膜を作製する方法について説明する。本法によっても金属酸化物と有機物を含む膜を作製することができる。
まず、発光層100に含ませる金属酸化物における金属を含む酸性塩の水溶液にアンモニア水溶液を滴下し、当該金属の水酸化物の多核沈殿を得る。なお、複数種の金属酸化物を発光層100に含ませる場合は、さらにその金属塩を添加すればよい。
得られた沈殿に酢酸等の酸を加えて還流することにより、解膠し、ゾルを得る。得られたゾルに、発光層に用いる有機物の溶液(または有機物)を添加し、撹拌することで、金属のゾルと、有機物とを含む第1の溶液を得ることができる。その後、第1の溶液を塗布、焼成することにより、本発明のレーザ発振器に用いる発光素子の発光層100に用いられる膜を成膜することができる。第1の溶液を塗布する方法としては、ディップコート法、またはスピンコート法、またはインクジェット法などの湿式法を用いることができるが、これらに限定されることはない。
なお、バインダー物質を添加する場合には、第1の溶液に予めバインダー物質を加えておけばよい。
本発明のレーザ発振器の断面模式図。 本発明のレーザ発振器の断面模式図。 本発明のレーザ発振器の断面模式図。

Claims (14)

  1. レーザビームを発振するレーザ発振器であって、
    基板上に設けられた第1の電極と、
    前記第1の電極上に設けられた、有機物を含む第1の層と、
    前記第1の層上に設けられた、少なくとも発光材料を含む有機物と金属酸化物とを含む第2の層と、
    前記第2の層上に設けられた、有機物を含む第3の層と、
    前記第3の層上に設けられた第2の電極と、で構成される発光素子を有し、
    前記第2の層は、前記第1の層よりも屈折率が高く、
    前記第2の層は、前記第3の層よりも屈折率が高く、
    前記第2の層は、前記金属酸化物を含有しない場合と比較して高い屈折率を有することを特徴とするレーザ発振器。
  2. 波長λのレーザビームを発振するレーザ発振器であって、
    基板上に設けられた第1の電極と、
    前記第1の電極上に設けられた、有機物を含む第1の層と、
    前記第1の層上に設けられた、少なくとも発光材料を含む有機物と金属酸化物とを含む第2の層と、
    前記第2の層上に設けられた、有機物を含む第3の層と、
    前記第3の層上に設けられた第2の電極と、で構成される発光素子を有し、
    前記第2の層は、前記第1の層よりも屈折率が高く、
    前記第2の層は、前記第3の層よりも屈折率が高く、
    前記第2の層は、前記金属酸化物を含有しない場合と比較して高い屈折率を有し、
    前記第2の層の膜厚dは、前記第2の層の屈折率をnとしてd=mλ/2n(mは1以上の整数)を満たすことを特徴とするレーザ発振器。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記金属酸化物は、ビスマス酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、タンタル酸化物、ニッケル酸化物、亜鉛酸化物、インジウム錫酸化物、又はジルコニウムチタン酸化物であることを特徴とするレーザ発振器。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
    前記第2の層に含まれる前記有機物の前記金属酸化物の金属原子に対するモル比は、0.1以上10以下であることを特徴とするレーザ発振器。
  5. レーザビームを発振するレーザ発振器であって、
    基板上に設けられた第1の電極と、
    前記第1の電極上に設けられた、有機物を含む第1の層と、
    前記第1の層上に設けられた、少なくとも発光材料を含む有機物と金属硫化物とを含む第2の層と、
    前記第2の層上に設けられた、有機物を含む第3の層と、
    前記第3の層上に設けられた第2の電極と、で構成される発光素子を有し、
    前記第2の層は、前記第1の層よりも屈折率が高く、
    前記第2の層は、前記第3の層よりも屈折率が高く、
    前記第2の層は、前記金属硫化物を含有しない場合と比較して高い屈折率を有することを特徴とするレーザ発振器。
  6. 波長λのレーザビームを発振するレーザ発振器であって、
    基板上に設けられた第1の電極と、
    前記第1の電極上に設けられた、有機物を含む第1の層と、
    前記第1の層上に設けられた、少なくとも発光材料を含む有機物と金属硫化物とを含む第2の層と、
    前記第2の層上に設けられた、有機物を含む第3の層と、
    前記第3の層上に設けられた第2の電極と、で構成される発光素子を有し、
    前記第2の層は、前記第1の層よりも屈折率が高く、
    前記第2の層は、前記第3の層よりも屈折率が高く、
    前記第2の層は、前記金属硫化物を含有しない場合と比較して高い屈折率を有し、
    前記第2の層の膜厚dは、前記第2の層の屈折率をnとしてd=mλ/2n(mは1以上の整数)を満たすことを特徴とするレーザ発振器。
  7. 請求項5又は請求項6において、
    前記金属硫化物は、ZnS又はCdSであることを特徴とするレーザ発振器。
  8. 請求項5乃至請求項7のいずれか一項において、
    前記第2の層に含まれる前記有機物の前記金属硫化物の金属原子に対するモル比は、0.1以上10以下であることを特徴とするレーザ発振器。
  9. 請求項2又は請求項6において、
    前記第1の層の膜厚dは、前記第1の層の屈折率をnとすると、d=(2m−1)λ/4n(mは1以上の整数)を満たすことを特徴とするレーザ発振器。
  10. 請求項2又は請求項6において、
    前記第3の層の膜厚dは、前記第3の層の屈折率をnとすると、d=(2m−1)λ/4n(mは1以上の整数)を満たすことを特徴とするレーザ発振器。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか一項において、
    前記第1の層は正孔注入層又は正孔輸送層を有し、
    前記第3の層は電子輸送層又は電子注入層を有することを特徴とするレーザ発振器。
  12. 請求項1乃至請求項10のいずれか一項において、
    前記第1の層は電子輸送層又は電子注入層を有し、
    前記第3の層は正孔注入層又は正孔輸送層を有することを特徴とするレーザ発振器。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか一項において、
    前記基板及び前記第1の電極は透光性を有することを特徴とするレーザ発振器。
  14. 請求項1乃至請求項12のいずれか一項において、
    前記第2の電極上に設けられた基板を有し、
    前記第2の電極上に設けられた基板と前記第2の電極は透光性を有することを特徴とするレーザ発振器。
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