JP2004186599A - 有機半導体レーザ - Google Patents
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- IOXVEAQPVRNYAB-UHFFFAOYSA-N CC(CO[NH+](C)[O-])NO[NH+](C)[O-] Chemical compound CC(CO[NH+](C)[O-])NO[NH+](C)[O-] IOXVEAQPVRNYAB-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
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Abstract
【課題】本発明は、真空プロセスにより有機薄膜層を製膜する必要がなく、また、ピンホール等のない製膜性に優れた有機半導体レーザを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の有機半導体レーザは、少なくとも陽電極層、発光層、陰電極層がこの順で積層されており、該発光層がポリカーボネート樹脂を含有し、該樹脂はその分子主鎖中又は分子側鎖中に窒素原子を含むポリカーボネート構造単位を含有する。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明の有機半導体レーザは、少なくとも陽電極層、発光層、陰電極層がこの順で積層されており、該発光層がポリカーボネート樹脂を含有し、該樹脂はその分子主鎖中又は分子側鎖中に窒素原子を含むポリカーボネート構造単位を含有する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機色素高分子材料を用いた電流励起型有機半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】
高度情報化社会の実現のためには、高速、大容量の光通信技術が必要不可欠であり、この技術を支える重要なデバイスの一つがレーザである。現在は無機半導体レーザが使用されているが、複雑な製造プロセスによるコスト高を解決することが課題となっている。
【0003】
一方、最近、有機電界発光(EL)素子が開発され、まもなく携帯電話のカラー表示パネルなどに実用化される見通しである。有機ELは無機半導体に比べて素子構造が簡単であるにもかかわらず、多色の発光が可能である。特に、無機半導体レーザで得られる光の波長(一般に620nmから800nm)に比べ、短波長(400nmから550nm)の光が得られることから、たとえば大容量化(高記録密度化)が可能となる等、様々な分野への応用が期待できることから、今後、有機半導体レーザへの発展が期待され、これまでも多数の研究、報告がされている。
【0004】
かかる文献としては、例えば、S.R.Forrest, et al.,Nature389,362(1997)[非特許文献1]、R.E.Slusher, et al.,Appl.Phys.Lett.71,2230(1997)[非特許文献2]、S.R.Forrest, et al.,Appl.Phys.Lett.72,144(1998)[非特許文献3]が挙げられる。
【0005】
しかし、上記に例示した有機半導体レーザでは発光材料として低分子化合物を用いていることから、真空プロセスによる製膜が必要であり、無機半導体レーザと同様に複雑な製造プロセスを必要としている。従って、簡易な製造プロセスで有機半導体レーザを製造することが期待されている。また、これら有機低分子化合物の真空蒸着法による製膜プロセスでは、微結晶性の多結晶薄膜を形成してしまい、これに伴うピンホールなどの問題を回避することはできず、均一な薄膜を効率よく得ることが困難である。
【0006】
【非特許文献1】
S.R.Forrestetal.,Nature389,362(1997)
【非特許文献2】
R.E.Slusheretal.,Appl.Phys.Lett.71,2230(1997)
【非特許文献3】
S.R.Forrestetal.,Appl.Phys.Lett.72,144(1998)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題に鑑み、真空プロセスにより有機薄膜層を製膜する必要がなく、また、ピンホール等のない製膜性に優れた有機半導体レーザを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、湿式法により簡易に有機薄膜層を製膜することにより、簡易に製造可能な有機半導体レーザを実現するため、有機高分子材料に着目し、鋭意研究を重ねた。そしてその結果、発光層にポリカーボネート樹脂を用いることが可能であると見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、以下に示す有機半導体レーザが提供される。
〔1〕少なくとも陽電極層、発光層、陰電極層がこの順で積層された有機半導体レーザにおいて、該発光層がポリカーボネート樹脂を含有し、該樹脂はその分子主鎖中又は分子側鎖中に窒素原子を含むポリカーボネート構造単位を含有することを特徴とする有機半導体レーザ。
〔2〕前記ポリカーボネート構造単位が、分子主鎖中に下記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機半導体レーザ。
【化16】
〔(I)式中、Ar14は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。〕
〔3〕前記ポリカーボネート構造単位が、分子側鎖中に下記一般式(II)で表される分子構造をなす窒素原子を含むことを特徴とする前記〔1〕に記載の有機半導体レーザ。
【化17】
〔(II)式中、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示す。〕
〔4〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする前記〔2〕に記載の有機半導体レーザ。
【化18】
〔(1)式中、R19、R20は直鎖または分岐鎖のアルキレン基、または酸素原子を示し、Y4は無置換もしくは置換のアリーレン基、又は−Ar25−Y5−Ar25−(Ar25は無置換もしくは置換のアリーレン基、Y5はO、S、無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。)、eは0または1を示す。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。〕
〔5〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする前記〔2〕に記載の有機半導体レーザ。
【化19】
〔(2)式中、R14は無置換もしくは置換のアリール基を表し、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を表す。〕
〔6〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(3)で表されることを特徴とする前記〔2〕に記載の有機半導体レーザ。
【化20】
〔(3)式中、R14は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。〕
〔7〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(4)で表されることを特徴とする前記〔2〕に記載の有機半導体レーザ。
【化21】
〔(4)式中、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar13、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。〕
〔8〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(5)で表されることを特徴とする前記〔2〕に記載の有機半導体レーザ。
【化22】
〔(5)式中、R14、R16は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。〕
〔9〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(6)で表されることを特徴とする前記〔2〕に記載の有機半導体レーザ。
【化23】
〔(6)式中、Ar14、Ar15、Ar16は無置換もしくは置換のアリーレン基、X1、X2は無置換もしくは置換のエチレン基、又は無置換もしくは置換のビニレン基を示す。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示す。〕
〔10〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(7)で表されることを特徴とする前記〔2〕に記載の有機半導体レーザ。
【化24】
〔(7)式中、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を表し、Ar13、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を表す。〕
〔11〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(8)で表されることを特徴とする前記〔3〕に記載の有機半導体レーザ。
【化25】
〔(8)式中、R16は水素原子又は炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、無置換もしくは置換のアリール基、Ar11、Ar12、Ar13は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示す。〕
〔12〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(9)で表されることを特徴とする前記〔3〕に記載の有機半導体レーザ。
【化26】
〔(9)式中、R17、R18は無置換もしくは置換のアリール基、Ar17、Ar18、Ar19は無置換もしくは置換のアリーレン基、Y1、Y2、Y3は単結合、無置換もしくは置換のアルキレン基、無置換もしくは置換のシクロアルキレン基、無置換もしくは置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異なってもよい。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示す。〕
〔13〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(10)で表されることを特徴とする前記〔3〕に記載の有機半導体レーザ。
【化27】
〔(10)式中、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar11、Ar12、Ar13は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。〕
〔14〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(11)で表されることを特徴とする前記〔3〕に記載の有機半導体レーザ。
【化28】
〔(11)式中、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23、Ar24は無置換もしくは置換のアリーレン基を示し、R14、R15、R17、R18は無置換もしくは置換のアリール基を示す。〕
〔15〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(12)で表されることを特徴とする前記〔3〕に記載の有機半導体レーザ。
【化29】
〔(12)式中、R10は水素原子又は炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、R11、R12、R13はハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基(R11、R12、R13が各々複数個存在するときは同一であっても別異であってもよい)、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、a、b、cは各々0〜4の整数を示す。〕
〔16〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(13)で表されることを特徴とする前記〔3〕に記載の有機半導体レーザ。
【化30】
〔(13)式中、dは1〜5の整数を示す。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar11、Ar12、Ar13は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。〕
〔17〕前記陽電極層と発光層との間に正孔輸送層が設けられ、該発光層と陰電極層との間に電子輸送層が設けられていることを特徴とする前記〔1〕〜〔16〕に記載の有機半導体レーザ。
〔18〕前記正孔輸送層の厚みが100〜2000nmであることを特徴とする前記〔17〕に記載の有機半導体レーザ。
〔19〕前記電子輸送層の厚みが100〜2000nmであることを特徴とする前記〔17〕に記載の有機半導体レーザ。
〔20〕前記陽電極層と発光層との間に反射層が設けられていることを特徴とする前記〔1〕〜〔17〕に記載の有機半導体レーザ。
〔21〕前記発光層と陰電極層との間に反射層が設けられていることを特徴とする前記〔20〕に記載の有機半導体レーザ。
〔22〕前記陽電極層の一方の面に共振器が設けられていることを特徴とする前記〔1〕〜〔19〕に記載の有機半導体レーザ。
〔23〕基板上に、陰電極層側を該基板の反対側に向けて設けられていることを特徴とする前記〔1〕〜〔22〕に記載の有機半導体レーザ。
〔24〕前記発光層が正孔輸送物質を含むことを特徴とする前記〔1〕〜〔23〕に記載の有機半導体レーザ。
〔25〕前記発光層が電子輸送物質を含むことを特徴とする前記〔1〕〜〔23〕に記載の有機半導体レーザ。
〔26〕前記発光層が正孔輸送物質および電子輸送物質を含むことを特徴とする請求項前記〔1〕〜〔23〕に記載の有機半導体レーザ。
〔27〕前記発光層が湿式法により製膜されることを特徴とする前記〔1〕〜〔26〕に記載の有機半導体レーザ。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の有機半導体レーザは、少なくとも陽電極層、発光層、陰電極層がこの順で積層されている。かかる構成の有機半導体レーザは従来公知であるが、本発明の有機半導体レーザにおいては、上記発光層がポリカーボネート樹脂を含有し、該樹脂はその分子主鎖中又は分子側鎖中に窒素原子を含むポリカーボネート構造単位を含有することを特徴とする。かかる構成により、本発明の有機半導体レーザは簡易な製造プロセスであっても容易に製造することができる。
【0010】
本発明で用いるポリカーボネート樹脂は、その分子主鎖中又は分子側鎖中に窒素原子を含むポリカーボネート構造単位を含有する。該ポリカーボネート構造単位としては、分子主鎖中に下記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むものが好ましい。
【0011】
【化31】
〔式中、Ar14は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。〕
【0012】
また、本発明で用いるポリカーボネート樹脂を構成するポリカーボネート構造単位としては、分子主鎖中に下記一般式(II)で表される分子構造をなす窒素原子を含むものも好ましい。
【0013】
【化32】
〔式中、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示す。〕
【0014】
次に、分子主鎖中に前記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい態様である一般式(1)〜(7)について説明する。
【0015】
分子主鎖中に前記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第一の態様は、下記一般式(1)で表される。
【0016】
【化33】
【0017】
一般式(1)において、R19、R20は直鎖または分岐鎖のアルキレン基、または酸素原子を示し、Y4は無置換もしくは置換のアリーレン基、又は−Ar25−Y5−Ar25−(Ar25は無置換もしくは置換のアリーレン基、Y5はO、S、無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。)、eは0または1を示す。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。
【0018】
上記一般式(1)のアルキレン基において、その炭素数は2〜20、好ましくは4〜14である。このアルキレン基には、無置換又は置換のアルキレン基が包含される。
【0019】
上記一般式(1)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0020】
本発明で用いられる上記一般式(1)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、特開2001−247525号公報にその詳細が記載されている。
【0021】
該一般式(1)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0022】
分子主鎖中に前記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第二の態様は、下記一般式(2)で表される。
【0023】
【化34】
【0024】
上記一般式(2)において、R14は無置換もしくは置換のアリール基を表し、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を表す。
【0025】
上記一般式(2)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0026】
上記一般式(2)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0027】
本発明で用いられる上記一般式(2)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、米国特許第5,942,363号、特開平9−268226号公報にその詳細が記載されている。
【0028】
該一般式(2)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0029】
分子主鎖中に前記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第三の態様は、下記一般式(3)で表される。
【0030】
【化35】
【0031】
上記一般式(3)において、R14は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。
【0032】
上記一般式(3)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0033】
上記一般式(3)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0034】
本発明で用いられる上記一般式(3)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、特開平9−302085号公報にその詳細が記載されている。
【0035】
該一般式(3)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0036】
分子主鎖中に前記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第四の態様は、下記一般式(4)で表される。
【0037】
【化36】
【0038】
上記一般式(4)において、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar13、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。
【0039】
上記一般式のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0040】
上記一般式(4)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0041】
本発明で用いられる上記一般式(4)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、特開平9−302084号公報にその詳細が記載されている。
【0042】
該一般式(4)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0043】
分子主鎖中に前記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第五の態様は、下記一般式(5)で表される。
【0044】
【化37】
【0045】
上記一般式(5)において、R14、R16は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。
【0046】
上記一般式(5)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0047】
上記一般式(5)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0048】
本発明で用いられる上記一般式(5)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、特開2000−26590号公報にその詳細が記載されている。
【0049】
該一般式(5)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0050】
分子主鎖中に前記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第六の態様は、下記一般式(6)で表される。
【0051】
【化38】
【0052】
上記一般式(6)において、Ar14、Ar15、Ar16は無置換もしくは置換のアリーレン基、X1、X2は無置換もしくは置換のエチレン基、又は無置換もしくは置換のビニレン基を示す。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示す。
【0053】
上記一般式(6)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0054】
上記一般式(6)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0055】
本発明で用いられる上記一般式(6)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、米国特許第6,027,846号、特開平9−71642号公報にその詳細が記載されている。
【0056】
該一般式(6)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0057】
分子主鎖中に前記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第七の態様は、下記一般式(7)で表される。
【0058】
【化39】
【0059】
上記一般式(7)において、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を表し、Ar13、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を表す。
【0060】
上記一般式(7)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0061】
上記一般式(7)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0062】
本発明で用いられる上記一般式(7)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、特開平9−157378号公報にその詳細が記載されている。
【0063】
該一般式(7)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0064】
次に、分子側鎖中に前記一般式(II)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい態様である一般式(8)〜(13)について説明する。
【0065】
分子側鎖中に前記一般式(II)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第一の態様は、下記一般式(8)で表される。
【0066】
【化40】
【0067】
上記一般式(8)において、R16は水素原子又は炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、無置換もしくは置換のアリール基、Ar11、Ar12、Ar13は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示す。
【0068】
上記一般式(8)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0069】
上記一般式(8)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0070】
本発明で用いられる上記一般式(8)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、米国特許第6,018,014号、特開平9−272735号公報にその詳細が記載されている。
【0071】
該一般式(8)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0072】
分子側鎖中に前記一般式(II)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第二の態様は、下記一般式(9)で表される。
【0073】
【化41】
【0074】
上記一般式(9)において、R17、R18は無置換もしくは置換のアリール基、Ar17、Ar18、Ar19は無置換もしくは置換のアリーレン基、Y1、Y2、Y3は単結合、無置換もしくは置換のアルキレン基、無置換もしくは置換のシクロアルキレン基、無置換もしくは置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異なってもよい。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示す。
【0075】
上記一般式(9)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0076】
上記一般式(9)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0077】
上記一般式(9)のアルキレン基において、その炭素数は1〜20、好ましくは1〜6である。該アルキレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0078】
上記一般式(9)のシクロアルキレン基において、その炭素数は3〜20、好ましくは4〜8である。該シクロアルキレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0079】
上記一般式(9)のアルキレンエーテル基において、その炭素数は2〜20、好ましくは2〜8であり、酸素数は1〜3である。該アルキレンエーテル基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0080】
本発明で用いられる上記一般式(9)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、特開平9−110976号公報にその詳細が記載されている。
【0081】
該一般式(9)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0082】
分子側鎖中に前記一般式(II)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第三の態様は、下記一般式(10)で表される。
【0083】
【化42】
【0084】
上記一般式(10)において、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar11、Ar12、Ar13は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。
【0085】
上記一般式(10)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0086】
上記一般式(10)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0087】
本発明で用いられる上記一般式(10)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、米国特許第5,723,243号、特開平9−235367号公報にその詳細が記載されている。
【0088】
該一般式(10)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0089】
分子側鎖中に前記一般式(II)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第四の態様は、下記一般式(11)で表される。
【0090】
【化43】
【0091】
上記一般式(11)において、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23、Ar24は無置換もしくは置換のアリーレン基を示し、R14、R15、R17、R18は無置換もしくは置換のアリール基を示す。
【0092】
上記一般式(11)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0093】
上記一般式(11)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0094】
本発明で用いられる上記一般式(11)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、米国特許第5,910,561号、特開平9−227669号公報にその詳細が記載されている。
【0095】
該一般式(11)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0096】
分子側鎖中に前記一般式(II)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第五の態様は、下記一般式(12)で表される。
【0097】
【化44】
【0098】
上記一般式(12)において、R10は水素原子又は炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、R11、R12、R13はハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基(R11、R12、R13が各々複数個存在するときは同一であっても別異であってもよい)、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、a、b、cは各々0〜4の整数を示す。
【0099】
上記一般式(12)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0100】
本発明で用いられる上記一般式(12)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、米国特許第5,747,204号、特開平9−151248号公報、特開平7−258399号公報にその詳細が記載されている。
【0101】
該一般式(12)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0102】
分子側鎖中に前記一般式(II)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第六の態様は、下記一般式(13)で表される。
【0103】
【化45】
【0104】
上記一般式(13)において、dは1〜5の整数を示す。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar11,Ar12、Ar13は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。
【0105】
上記一般式(13)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0106】
上記一般式(13)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0107】
本発明で用いられる上記一般式(13)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、特開平9−87376号公報にその詳細が記載されている。
【0108】
該一般式(13)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0109】
本発明で用いるポリカーボネート樹脂を構成する前記のアリーレン基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキル基、アルキレン基、シクロアルキレン基、ビニレン基等は、以下▲1▼〜▲6▼に示す基を置換基として有してもよい。
【0110】
▲1▼ ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
▲2▼ 無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基。
▲3▼ 無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基(炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルコキシ基としては、上記定義のアルキル基をアルコキシ基に代えたものであり、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる)、アリールオキシ基(アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる)。
▲4▼ 置換メルカプト基又はアリールメルカプト基(置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる)。
▲5▼ アルキル置換アミノ基(具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる)。
▲6▼ アシル基(アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる)。
【0111】
以下に、前記において示した各種置換基の具体例を示すが、特に断りのない限り、同一表記については他の一般式中においても同義である。
炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられる。これらのアルキル基は、置換基として、フッ素原子、シアノ基を含有していてもよく、さらに、フェニル基もしくはハロゲン原子又は炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。
【0112】
具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0113】
無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、以下のものを挙げることができる。
フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基等。
【0114】
前記一般式(I)で表される分子構造を分子主鎖中に含むポリカーボネート構造単位(具体的には、一般式(1)〜(7))、又は前記一般式(II)で表される分子構造を分子側鎖中に含むポリカーボネート構造単位(具体的には、一般式(8)〜(13))の含有量は特に制約されないが、通常、分子主鎖中に含まれる単量体単位の合計モル数に対して、5モル%以上、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上で、その上限値は100モル%である。
【0115】
本発明で用いる前記ポリカーボネート樹脂は従来公知のビスフェノールと炭酸誘導体との重合と同様の方法で製造できる。製造法は、例えば、ポリカーボネート樹脂ハンドブック(編者:本間精一、発行:日刊工業新聞社)等に記載されている。
【0116】
本発明で用いるポリカーボネート樹脂は、その分子主鎖中に、前記一般式(I)又は一般式(II)で表わされるカーボネート構造単位とともに、下記一般式(III)で表されるカーボネート構造単位を共重合成分として好ましく含有することができる。この一般式(III)のカーボネート構造単位の含有割合は、前記一般式(I)及び/又は一般式(II)のカーボネート構造単位の合計量に対して、90モル%以下、好ましくは70モル%以下、より好ましくは50モル%以下である。
【0117】
【化46】
【0118】
上記(III)式中、Xは置換もしくは無置換の2価脂肪族基、置換もしくは無置換の2価芳香族基又は少なくとも2つの芳香族基を含有する2価有機基を示す。
【0119】
前記2価脂肪族基において、その炭素数は2〜20、好ましくは4〜10である。この2価脂肪族基には、炭素数2〜20、好ましくは2〜10の鎖状脂肪族基及び炭素数4〜12、好ましくは6〜8の環状脂肪族基が包含される。
【0120】
これらの脂肪族基は、各種の置換基を1つ又は複数有していてもよい。このような置換基には、ハロゲン原子(塩素、臭素等)や、ヘテロ原子(O、N、S等)を含む各種置換基(アルコシキ、フェノキシ基、水酸基、カルボキシル基、アシル基、アシロキシ基、ニトロ基)等が包含される。
【0121】
前記2価芳香族基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。この2価芳香族基には、炭素数6〜20、好ましくは6〜10のアリーレン基及び炭素数7〜20、好ましくは7〜10のアリレンアルキレン基もしくはアリレンジアルキレン基が包含される。アリーレン基には、前記した各種の芳香族炭化水素由来のものが包含される。アリレンアルキレン基には、モノアルキル化芳香族炭化水素由来のもの、例えば、フェニレンメチレン基(−PhCH2−)等が包含される。アリレンジアルキレン基には、ジアルキル化芳香族炭化水素由来のもの、例えば、フェニレンジメチレン基(−CH2PhCH2−)等が包含される。
前記芳香族基は、各種の置換基を1つ又は複数有していてもよい。
【0122】
前記した少なくとも2つの芳香族基を含む2価有機基において、その骨格構造に含まれる炭素数は14〜40、好ましくは20〜30である。この2価有機基には、酸素原子や窒素原子、イオウ原子等のヘテロ原子が含まれていてもよい。
【0123】
前記少なくとも2つの芳香族基を含有する2価有機基の好ましいものとして、下記式(14)〜(16)で表されるものを示すことができる。
【0124】
【化47】
【0125】
【化48】
【0126】
【化49】
【0127】
前記式(14)〜(16)中、R5、R6、R7、R8は、ハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基又は無置換もしくは置換アリール基(R5、R6、R7、R8が各々複数個存在するときは、それらは同一であっても別異であってもよい)を示し、o、pは0〜4の整数、q、rは0〜3の整数を示す。さらに、式(14)におけるYは単結合、炭素数2〜12の直鎖状のアルキレン基、炭素数3〜12の無置換もしくは置換分岐鎖状アルキレン基、1つ以上の炭素数1〜10のアルキレン基と1つ以上の酸素原子及び/又は硫黄原子から構成される2価基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−COO−又は下記式(17)〜(26)で表される2価基を示す。
【0128】
【化50】
【0129】
【化51】
【0130】
【化52】
【0131】
【化53】
【0132】
【化54】
【0133】
【化55】
【0134】
【化56】
【0135】
【化57】
【0136】
【化58】
【0137】
【化59】
【0138】
前記式(17)〜(26)中、Z1は無置換もしくは置換の炭素数2〜20の2価脂肪族基、無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリーレン基又は少なくとも2つの芳香族基を含有する炭素数14〜40の2価有機基を示し、Z2は無置換もしくは置換の炭素数2〜20の2価脂肪族基又は無置換もしくは置換アリーレン基を示す。R9はハロゲン原子、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリール基、無置換もしくは置換の炭素数4〜15のヘテロアリール基又は少なくとも2つの芳香族基を含有する炭素数14〜40の1価有機基を示す。R10、R11は水素原子、ハロゲン原子、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリール基、無置換もしくは置換の炭素数4〜15のヘテロアリール基又は少なくとも2つの芳香族基を含有する1価有機基を示す。また、R10、R11が結合して炭素数5〜12の炭素環を形成してもよく、R12、R13、R14、R15は水素原子、ハロゲン原子、無置換もしくは置換炭素数1〜6のアルキル基、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリール基、無置換もしくは置換の炭素数4〜15のヘテロアリール基又は少なくとも2つの芳香族基を含有する炭素数14〜40の1価有機基を示す。R16はハロゲン原子、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルコシキ基、無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリール基、無置換もしくは置換の炭素数4〜15のヘテロアリール基又は少なくとも2つの芳香族基を含有する骨格構造の炭素数が14〜40の1価有機基を示す。R17、R18は単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基を示す。R19、R20、R21、R22は無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基、無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリール基、無置換もしくは置換の炭素数4〜15のヘテロアリール基又は少なくとも2つの芳香族基を含有する炭素数14〜40の1価有機基を示す。sは0〜4の整数、tは1又は2、uは0〜4の整数、vは0〜20の整数、wは0〜2000を示す。
【0139】
以下に、前記において示した各種置換基の具体例を示すが、特に断りのない限り、同一表記については他の一般式中においても同義である。
炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられる。これらのアルキル基は、置換基として、フッ素原子、シアノ基を含有していてもよく、さらに、フェニル基もしくはハロゲン原子又は炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。
【0140】
具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0141】
無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、以下のものを挙げることができる。
フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基等。
【0142】
少なくとも2つの芳香族基を含有する骨格構造の炭素数が14〜40の1価有機基としては、下記式(27)の1価の基、又は前記式(15)、(16)の骨格構造を有する1価の基を示すことができる。
【0143】
【化60】
前記式(27)中、Wは、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−又は下記一般式(28)、(29)で表わされる2価基から選ばれる。
【0144】
【化61】
【0145】
【化62】
【0146】
前記式(27)、(28)、(29)中、R23は、水素原子、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基、無置換のもしくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリール基、炭素数4〜15のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリールアミノ基、ニトロ基、シアノ基を示し、R24は、水素原子、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基、無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリール基を表し、hは1〜12の整数、iは1〜3の整数である。
炭素数4〜15のヘテロアリール基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基等が挙げられる。
上記のアリール基及びヘテロアリール基等は、以下▲1▼〜▲6▼に示す基を置換基として有してもよい。
【0147】
▲1▼ ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
▲2▼ 無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基。
▲3▼ 無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基(炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルコキシ基としては、上記定義のアルキル基をアルコキシ基に代えたものであり、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる)、アリールオキシ基(アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる)。
▲4▼ 置換メルカプト基又はアリールメルカプト基(置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる)。
▲5▼ アルキル置換アミノ基(具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる)。
▲6▼ アシル基(アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる)。
【0148】
また、一般式(III)のXで示される2価基の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ぺンタンジオール、3−メチル−1,5−ぺンタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,5−へキサンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオぺンチルグリコール、2−エチル−1,6−へキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、キシリレンジオール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)べンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキシプロピル)べンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシブチル)べンゼン、1,4−ビス(5−ヒドロキシぺンチル)べンゼン、1,4−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)べンゼン、イソホロンジオール等のジオールからヒドロキシ基を2個除いた2価基を挙げることができる。
【0149】
前記一般式(14)のYで示される1つ以上の炭素数1〜10のアルキレン基と1つ以上の酸素原子及び/又は硫黄原子から構成される2価基の具体例として、OCH2CH2O、OCH2CH2OCH2CH2O、OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2O、OCH2CH2CH2O、OCH2CH2CH2CH2O、OCH2CH2CH2CH2CH2CH2O、OCH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2O、CH2O、CH2CH2O、CHEtOCHEtO、CHCH3O、SCH2OCH2S、CH2OCH2、OCH2OCH2O、SCH2CH2OCH2OCH2CH2S、OCH2CHCH3OCH2CHCH3O、SCH2S、SCH2CH2S、SCH2CH2CH2S、SCH2CH2CH2CH2S、SCH2CH2CH2CH2CH2CH2S、SCH2CH2SCH2CH2S、SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2S等が挙げられる。
【0150】
炭素数3〜12の分岐鎖状のアルキレン基に結合する置換基としては、無置換もしくは置換アリール基、又はハロゲン原子が挙げられる。
Z1、Z2が無置換もしくは置換脂肪族の2価基である場合の該2価基としては、前記Xとして示した脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基を挙げることができる。
【0151】
また、一般式(18)、(19)のZ1、Z2が無置換もしくは置換アリーレン基である場合の該基としては、上記無置換もしくは置換アリール基から誘導される2価基を挙げることができる。
【0152】
一般式(III)のXが芳香族の2価基である場合の好ましい具体例としては、下記で示されるジオールからヒドロキシル基2個を除いたものが挙げられる。ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス〈4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジメチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ぺンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルぺンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)へキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)へプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)へキサフルオロプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロぺンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、3,3,3’,3’−テトラメチル−6,6’−ジヒドロキシスピロ(ビス)インダン、3,3’,4,4’−テトラヒドロ−4,4,4’,4’−テトラメチル−2,2’−スピロビ(2H−1−べンゾピラン)−7,7’−ジオール、トランス−2,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブテン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサンテン、1,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,6−へキサンジオン、α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−キシレン、2,6−ジヒドロキシジベンゾ−p−ジオキシン、2,6−ジヒドロキシチアントレン、2,7−ジヒドロキシフェノキサチイン、9,10−ジメチル−2,7−ジヒドロキシフェナジン、3,6−ジヒドロキシジベンゾフラン、3,6−ジヒドロキシジベンゾチオフェン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシピレン、ハイドロキノン、レゾルシン、4−ヒドロキシフェニル−4−ヒドロキシベンゾエート、エチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、ジエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、トリエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、p−フェニレン−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、1,6−ビス(4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−1H,1H,6H,6H−パーフルオロヘキサン、1,4−ビス(4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−1H,1H,4H,4H−パーフルオロブタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラメチルジシロキサン等。
【0153】
次に、本発明の有機半導体レーザの層構成について、図1〜4に基づいて説明する。尚、図1〜4は本発明の有機半導体レーザの断面図である。
本発明の有機半導体レーザは、図1に示すように、少なくとも陽電極層2、発光層3、陰電極層4がこの順で積層されており、陽電極層2と発光層3と陰電極層4からなる積層体は、通常、基板1の上に陽電極層2が基板1と接するように(陰電極層4側を基板1の反対側に向けて)形成される。本発明の有機半導体レーザはこのように構成されているので、基板1上に設けられた陽電極層2から発光層3へ正孔が注入され、また、陰電極層4から発光層3に電子が注入され、発光層3内で上記正孔および上記電子が再結合することにより光が得られる。この光は反射可能な層間(具体的には、陽電極層2と発光層3との接触面、及び/又は発光層3と陰電極層4との接触面)で、反射を繰り返すことにより増幅され、レーザ光として放出される。
【0154】
上記基板1としては、一般的にはガラス、プラスチックフィルム等を用いることができる。
【0155】
本発明において、陽電極層2は発光層3に(後述するように、正孔輸送層を設けた場合は正孔輸送層を通して発光層3に)正孔を注入する作用を有する。陽電極層2は、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、又はその合金、電気導電性化合物及びこれらの混合物により形成することが好ましい。このような電極材料の具体例としては、Au等の金属、CuI、ITO(インジウムスズ酸化物)、SnO2、ZnO等の導電性材料が挙げられる。陽電極層2の厚さは、通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmである。陽電極層2の製膜方法としては蒸着、スパッタリングなど従来公知の方法を用いることができる。
【0156】
本発明において、陰電極層4は、発光層3に(後述するように、電子輸送層を設けた場合は電子輸送層を通して発光層3に)電子を注入する作用を有する。陰電極層4は、仕事関数の小さい(4eV以下)金属又はその合金、電気導電性化合物及びこれらの混合物により形成することが好ましい。このような電極材料の具体例としては、Na、Na・K合金、Mg、Li、Mg/Cu混合物、Mg・Ag合金、Al・Li合金、Al/Al2O3混合物、In、希土類金属等が挙げられる。陰電極層3の厚さは、通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmである。陰電極層の製膜方法としては蒸着、スパッタリングなど従来公知の方法を用いることができる。
【0157】
本発明において、発光層3は陽電極層2から注入された正孔と、陰電極層4から注入された電子とを再結合させることにより光を発生する作用を有する。本発明の発光層2は、前述したポリカーボネート樹脂を含有する。また、電気的特性の向上等を目的として、発光層3を製膜する際、後述する電子輸送材料や正孔輸送材料をポリカーボネート樹脂と共に含有させてもよい。その他、他の樹脂との混合物の形態で使用することもできる。他の樹脂としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジフェネチルベンゼン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、水素化ブタジエン、ジフェニルシクロヘキサン誘導体、ジスチリルトリフェニルアミン誘導体、ジフェニルジスチリルベンゼン誘導体、スチルベン誘導体、m−フェニレンジアミン誘導体、レゾルシン誘導体、トリアリールアミン誘導体などを含有させてもよい。
発光層の膜厚は特には制限はなく、適宜選択できるが、通常は5〜500nmの範囲内とするのが好ましい。
【0158】
本発明において、発光層2はスピンコート法、キャスト法、インクジェット工法、ディッピング塗工法等の公知の方法によって簡便に薄膜化することが可能である。本発明で用いるポリカーボネート樹脂はジクロロメタンやテトラヒドロフラン等の有機溶媒に容易に溶解する。従って、ポリカーボネート樹脂を溶解できる適当な溶媒により適当な濃度の溶液を作製し、これを用いて上記方法等により塗工すれば、発光層2を容易に作製できる。
【0159】
本発明の有機半導体レーザにおいては、図2に示すように、陽電極層2と発光層3との間に正孔輸送層5が設けられ、発光層3と陰電極層4との間に電子輸送層6が設けられていることが好ましい。このように構成されていると、陽電極層2と陰電極層4との間に電圧を印加することにより発光層3で光を発生させ、該光を正孔輸送層5と発光層3との接触面及び/又は該電子輸送層6と発光層3との接触面で全反射を繰り返すことにより増幅させてから、該光を発光層3の端部から放出することができる。
【0160】
上記正孔輸送層5に用いられる正孔輸送材料の例としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリビニルカルバゾール誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー等が挙げられる。
【0161】
前記電子輸送層6に用いる電子輸送材料の例としては、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アンドラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体などが挙げられる。また特開昭59−194393号公報に記載されている一連の電子伝達性化合物も、電子輸送材料として用いることができる。さらに上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他にメタルフリー若しくはメタルフタロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基などで置換されているものも電子輸送材料として用いることができる。またジスチリルピラジン誘導体も電子輸送材料として用いることができ、さらにn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。上記の電子輸送材料からなる電子輸送層6には、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属、及びアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属のフッ化物、塩化物、ヨウ化物などの化合物からなる電子供与性ドナーを0.1〜30モル%ドーピングすることが好ましい。
【0162】
本発明においては、上記に例示した電子輸送層5および正孔輸送層6の製膜はスピンコート法、キャスト法、蒸着法、スパッタリング法など従来公知の方法を使用することができるが、なかでも蒸着法を用いるのが好ましい。
【0163】
上記正孔輸送層5の厚みは、100〜2000nmであることが好ましく、200〜500nmであることがより好ましい。又、上記電子輸送層6の厚みは、100〜2000nmであることが好ましく、200〜500nmであることがより好ましい。正孔輸送層5の厚み、電子輸送層6の厚みがかかる範囲内であれば、正孔輸送層5と発光層3との接触面において発光層3で発光した光を全反射させレーザ光を得ることができる。正孔輸送層5や電子輸送層6の厚みが薄すぎると、接触面で発光した光を全反射させレーザ光を得ることができない虞があり、厚すぎると電子や正孔の輸送能力が低下する虞がある。
【0164】
本発明の有機半導体レーザにおいては、図3に示すように、陽電極層2と発光層3との間に反射層7が設けられていることが好ましい。このように構成されていると、光がこの反射層7と陰電極層4との間で反射を繰り返し、増幅するので(導波路効果)、有機半導体レーザの端面から増幅されたレーザ光を取り出すことができる。かかる観点からは、発光層3と陰電極層4との間にも反射層(図示はしない。)が設けられていることが好ましい。
【0165】
反射層7に用いることができる材料の例としては反射率の高い金属を用いるのが好ましい。該金属の例としては、上記に示した陰電極層4に用いるものと同様のものが挙げられる。
【0166】
本発明の有機半導体レーザにおいては、より効率的に増幅されたレーザ光を得るために、陽電極層3の一方の面に共振器8が設けられていることが好ましい。具体的には、図4に示すように、基板1上に共振器8を設け、共振器8上に陽電極層2、発光層3、陰電極層4がこの順で積層されることが好ましい。また、共振器は陽電極層3上(陽電極層2と発光層3の間)に設けてもよい。これにより、発光層3で発生した光は共振器内の回折格子導波路内で増幅、反射され、効率よくレーザ光として取り出される。
【0167】
本発明に用いられる共振器構造の例としては、DFB(DistributedFeedback)やDBR(DistributedBraggReflector)といった分布帰還型共振器を用いることが好ましい。これら共振器を得るための回折格子は従来公知のリソグラフィー技術により作製が可能である。
【0168】
尚、図2〜4に示す態様においても、基板1の上に陽電極層2等からなる積層体を、陽電極層2側を基板1に向けて(陰電極層4側を基板1の反対側に向けて)形成することが好ましく、基板1を構成する材料としては、図1の態様において説明したものが好ましく用いられる。
【0169】
【実施例】
本発明を以下の実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0170】
実施例1
厚さ150nmのITO膜(陽電極層)を設けたガラス基板を煮沸アルコールにより洗浄し、さらに表面を酸素プラズマにより表面処理した。この基板上に有機ポジ形フォトレジストを塗布し、リソグラフィー法により500nmピッチの回折格子(共振器)を作製した。この上に正孔輸送層としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)を250nmを蒸着したのち、本発明で用いられる一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(30)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂の1.5wt%ジクロロメタン溶液を作製し、孔径0.1μmのメンブランフィルターで濾過した。この溶液を使用してTPD膜上にスピンコート法により100nmの膜厚で塗布し発光層を形成した。十分乾燥を行った後に、電子輸送層として2−(4−tert.−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,3,4−オキサジアゾールを250nm蒸着した後に、陰電極層としてMgAg合金を200nm形成した。このようにして作製した有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化63】
【0171】
実施例2
厚さ150nmのITO膜(陽電極層)を設けたガラス基板を煮沸アルコールにより洗浄し、さらに表面を酸素プラズマにより表面処理した。この基板上にAuを10nm、続けて、正孔輸送層としてTPDを250nmを蒸着したのち、本発明で用いられる一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(31)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂の1.5wt%ジクロロメタン溶液を作製し、孔径0.1μmのメンブランフィルターで濾過した。この溶液を使用してTPD膜上にスピンコート法により100nmの膜厚で塗布し発光層を形成した。十分乾燥を行った後に、電子輸送層として2−(4−tert.−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,3,4−オキサジアゾールを250nm蒸着した後に、陰電極層としてMgAg合金を200nm形成した。このようにして作製した有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化64】
【0172】
実施例3
厚さ150nmのITO膜(陽電極層)を設けたガラス基板を煮沸アルコールにより洗浄し、さらに表面を酸素プラズマにより表面処理した。この基板上に正孔輸送層としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)を250nmを蒸着した後、本発明で用いられる一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(30)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂の1.5wt%ジクロロメタン溶液を作製し、孔径0.1μmのメンブランフィルターで濾過した。この溶液を使用してTPD膜上にスピンコート法により100nmの膜厚で塗布し発光層を形成した。十分乾燥を行った後に、電子輸送層として2−(4−tert.−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,3,4−オキサジアゾールを250nm蒸着した後に、陰極としてMgAg合金を200nm形成した。このようにして作製した有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0173】
実施例4
厚さ150nmのITO膜を設けたガラス基板を煮沸アルコールにより洗浄し、さらに表面を酸素プラズマにより表面処理した。この基板上に正孔輸送層としてTPDを250nmを蒸着した後、本発明で用いられる一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(31)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂と5wt%のAlq3および5wt%のTPDを混合した1.5wt%ジクロロメタン溶液を作製し、孔径0.1μmのメンブランフィルターで濾過した。この溶液を使用してTPD膜上にスピンコート法により100nmの膜厚で塗布し発光層を形成した。十分乾燥を行った後に、電子輸送層としてAlq3を250nm蒸着した後に、陰極としてMgAg合金を200nm形成した。このようにして作製した有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0174】
実施例5
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(2)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(32)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化65】
【0175】
実施例6
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(2)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(33)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化66】
【0176】
実施例7
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(2)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(32)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0177】
実施例8
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(2)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(33)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0178】
実施例9
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(34)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化67】
【0179】
実施例10
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(35)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化68】
【0180】
実施例11
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(34)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0181】
実施例12
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(35)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0182】
実施例13
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(4)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(36)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化69】
【0183】
実施例14
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(4)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(37)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化70】
【0184】
実施例15
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(4)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(36)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0185】
実施例16
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(4)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(37)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0186】
実施例17
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(5)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(38)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化71】
【0187】
実施例18
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(5)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(39)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化72】
【0188】
実施例19
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(5)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(38)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0189】
実施例20
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(5)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(39)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0190】
実施例21
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(6)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(40)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化73】
【0191】
実施例22
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(6)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(41)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化74】
【0192】
実施例23
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(6)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(40)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0193】
実施例24
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(6)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(41)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0194】
実施例25
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(7)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(42)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化75】
【0195】
実施例26
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(7)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(43)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化76】
【0196】
実施例27
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(6)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(42)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0197】
実施例28
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(7)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(43)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0198】
実施例29
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(8)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(44)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化77】
【0199】
実施例30
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(8)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(45)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化78】
【0200】
実施例31
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(8)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(44)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0201】
実施例32
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(8)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(45)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0202】
実施例33
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(9)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(46)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化79】
【0203】
実施例34
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(9)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(47)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化80】
【0204】
実施例35
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(9)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(46)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0205】
実施例36
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(9)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(47)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0206】
実施例37
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(10)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(48)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化81】
【0207】
実施例38
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(10)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(49)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化82】
【0208】
実施例39
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(10)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(48)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0209】
実施例36
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(10)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(49)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0210】
実施例41
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(11)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(50)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化83】
【0211】
実施例42
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(11)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(51)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化84】
【0212】
実施例43
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(11)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(50)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0213】
実施例44
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(11)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(51)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0214】
実施例45
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(12)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(52)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化85】
【0215】
実施例46
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(12)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(53)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化86】
【0216】
実施例47
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(12)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(52)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0217】
実施例48
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(12)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(53)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0218】
実施例49
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(13)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(54)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化87】
【0219】
実施例50
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(13)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(55)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化88】
【0220】
実施例51
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(13)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(54)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0221】
実施例52
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(12)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(55)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0222】
【発明の効果】
本発明の有機半導体レーザは、発光層にその分子主鎖中又は分子側鎖中に窒素原子を含むポリカーボネート構造単位を含有するポリカーボネート樹脂を用いていることから、製造が容易であり実用性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機半導体レーザの一例を示すための断面図である。
【図2】本発明の有機半導体レーザの他の一例を示すための断面図である。
【図3】本発明の有機半導体レーザの他の一例を示すための断面図である。
【図4】本発明の有機半導体レーザの他の一例を示すための断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 陽電極層
3 発光層
4 陰電極層
5 正孔輸送層
6 電子輸送層
7 反射層
8 共振器
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機色素高分子材料を用いた電流励起型有機半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】
高度情報化社会の実現のためには、高速、大容量の光通信技術が必要不可欠であり、この技術を支える重要なデバイスの一つがレーザである。現在は無機半導体レーザが使用されているが、複雑な製造プロセスによるコスト高を解決することが課題となっている。
【0003】
一方、最近、有機電界発光(EL)素子が開発され、まもなく携帯電話のカラー表示パネルなどに実用化される見通しである。有機ELは無機半導体に比べて素子構造が簡単であるにもかかわらず、多色の発光が可能である。特に、無機半導体レーザで得られる光の波長(一般に620nmから800nm)に比べ、短波長(400nmから550nm)の光が得られることから、たとえば大容量化(高記録密度化)が可能となる等、様々な分野への応用が期待できることから、今後、有機半導体レーザへの発展が期待され、これまでも多数の研究、報告がされている。
【0004】
かかる文献としては、例えば、S.R.Forrest, et al.,Nature389,362(1997)[非特許文献1]、R.E.Slusher, et al.,Appl.Phys.Lett.71,2230(1997)[非特許文献2]、S.R.Forrest, et al.,Appl.Phys.Lett.72,144(1998)[非特許文献3]が挙げられる。
【0005】
しかし、上記に例示した有機半導体レーザでは発光材料として低分子化合物を用いていることから、真空プロセスによる製膜が必要であり、無機半導体レーザと同様に複雑な製造プロセスを必要としている。従って、簡易な製造プロセスで有機半導体レーザを製造することが期待されている。また、これら有機低分子化合物の真空蒸着法による製膜プロセスでは、微結晶性の多結晶薄膜を形成してしまい、これに伴うピンホールなどの問題を回避することはできず、均一な薄膜を効率よく得ることが困難である。
【0006】
【非特許文献1】
S.R.Forrestetal.,Nature389,362(1997)
【非特許文献2】
R.E.Slusheretal.,Appl.Phys.Lett.71,2230(1997)
【非特許文献3】
S.R.Forrestetal.,Appl.Phys.Lett.72,144(1998)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題に鑑み、真空プロセスにより有機薄膜層を製膜する必要がなく、また、ピンホール等のない製膜性に優れた有機半導体レーザを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、湿式法により簡易に有機薄膜層を製膜することにより、簡易に製造可能な有機半導体レーザを実現するため、有機高分子材料に着目し、鋭意研究を重ねた。そしてその結果、発光層にポリカーボネート樹脂を用いることが可能であると見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、以下に示す有機半導体レーザが提供される。
〔1〕少なくとも陽電極層、発光層、陰電極層がこの順で積層された有機半導体レーザにおいて、該発光層がポリカーボネート樹脂を含有し、該樹脂はその分子主鎖中又は分子側鎖中に窒素原子を含むポリカーボネート構造単位を含有することを特徴とする有機半導体レーザ。
〔2〕前記ポリカーボネート構造単位が、分子主鎖中に下記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機半導体レーザ。
【化16】
〔(I)式中、Ar14は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。〕
〔3〕前記ポリカーボネート構造単位が、分子側鎖中に下記一般式(II)で表される分子構造をなす窒素原子を含むことを特徴とする前記〔1〕に記載の有機半導体レーザ。
【化17】
〔(II)式中、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示す。〕
〔4〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする前記〔2〕に記載の有機半導体レーザ。
【化18】
〔(1)式中、R19、R20は直鎖または分岐鎖のアルキレン基、または酸素原子を示し、Y4は無置換もしくは置換のアリーレン基、又は−Ar25−Y5−Ar25−(Ar25は無置換もしくは置換のアリーレン基、Y5はO、S、無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。)、eは0または1を示す。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。〕
〔5〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする前記〔2〕に記載の有機半導体レーザ。
【化19】
〔(2)式中、R14は無置換もしくは置換のアリール基を表し、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を表す。〕
〔6〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(3)で表されることを特徴とする前記〔2〕に記載の有機半導体レーザ。
【化20】
〔(3)式中、R14は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。〕
〔7〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(4)で表されることを特徴とする前記〔2〕に記載の有機半導体レーザ。
【化21】
〔(4)式中、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar13、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。〕
〔8〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(5)で表されることを特徴とする前記〔2〕に記載の有機半導体レーザ。
【化22】
〔(5)式中、R14、R16は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。〕
〔9〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(6)で表されることを特徴とする前記〔2〕に記載の有機半導体レーザ。
【化23】
〔(6)式中、Ar14、Ar15、Ar16は無置換もしくは置換のアリーレン基、X1、X2は無置換もしくは置換のエチレン基、又は無置換もしくは置換のビニレン基を示す。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示す。〕
〔10〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(7)で表されることを特徴とする前記〔2〕に記載の有機半導体レーザ。
【化24】
〔(7)式中、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を表し、Ar13、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を表す。〕
〔11〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(8)で表されることを特徴とする前記〔3〕に記載の有機半導体レーザ。
【化25】
〔(8)式中、R16は水素原子又は炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、無置換もしくは置換のアリール基、Ar11、Ar12、Ar13は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示す。〕
〔12〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(9)で表されることを特徴とする前記〔3〕に記載の有機半導体レーザ。
【化26】
〔(9)式中、R17、R18は無置換もしくは置換のアリール基、Ar17、Ar18、Ar19は無置換もしくは置換のアリーレン基、Y1、Y2、Y3は単結合、無置換もしくは置換のアルキレン基、無置換もしくは置換のシクロアルキレン基、無置換もしくは置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異なってもよい。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示す。〕
〔13〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(10)で表されることを特徴とする前記〔3〕に記載の有機半導体レーザ。
【化27】
〔(10)式中、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar11、Ar12、Ar13は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。〕
〔14〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(11)で表されることを特徴とする前記〔3〕に記載の有機半導体レーザ。
【化28】
〔(11)式中、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23、Ar24は無置換もしくは置換のアリーレン基を示し、R14、R15、R17、R18は無置換もしくは置換のアリール基を示す。〕
〔15〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(12)で表されることを特徴とする前記〔3〕に記載の有機半導体レーザ。
【化29】
〔(12)式中、R10は水素原子又は炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、R11、R12、R13はハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基(R11、R12、R13が各々複数個存在するときは同一であっても別異であってもよい)、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、a、b、cは各々0〜4の整数を示す。〕
〔16〕前記ポリカーボネート構造単位が、下記一般式(13)で表されることを特徴とする前記〔3〕に記載の有機半導体レーザ。
【化30】
〔(13)式中、dは1〜5の整数を示す。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar11、Ar12、Ar13は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。〕
〔17〕前記陽電極層と発光層との間に正孔輸送層が設けられ、該発光層と陰電極層との間に電子輸送層が設けられていることを特徴とする前記〔1〕〜〔16〕に記載の有機半導体レーザ。
〔18〕前記正孔輸送層の厚みが100〜2000nmであることを特徴とする前記〔17〕に記載の有機半導体レーザ。
〔19〕前記電子輸送層の厚みが100〜2000nmであることを特徴とする前記〔17〕に記載の有機半導体レーザ。
〔20〕前記陽電極層と発光層との間に反射層が設けられていることを特徴とする前記〔1〕〜〔17〕に記載の有機半導体レーザ。
〔21〕前記発光層と陰電極層との間に反射層が設けられていることを特徴とする前記〔20〕に記載の有機半導体レーザ。
〔22〕前記陽電極層の一方の面に共振器が設けられていることを特徴とする前記〔1〕〜〔19〕に記載の有機半導体レーザ。
〔23〕基板上に、陰電極層側を該基板の反対側に向けて設けられていることを特徴とする前記〔1〕〜〔22〕に記載の有機半導体レーザ。
〔24〕前記発光層が正孔輸送物質を含むことを特徴とする前記〔1〕〜〔23〕に記載の有機半導体レーザ。
〔25〕前記発光層が電子輸送物質を含むことを特徴とする前記〔1〕〜〔23〕に記載の有機半導体レーザ。
〔26〕前記発光層が正孔輸送物質および電子輸送物質を含むことを特徴とする請求項前記〔1〕〜〔23〕に記載の有機半導体レーザ。
〔27〕前記発光層が湿式法により製膜されることを特徴とする前記〔1〕〜〔26〕に記載の有機半導体レーザ。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の有機半導体レーザは、少なくとも陽電極層、発光層、陰電極層がこの順で積層されている。かかる構成の有機半導体レーザは従来公知であるが、本発明の有機半導体レーザにおいては、上記発光層がポリカーボネート樹脂を含有し、該樹脂はその分子主鎖中又は分子側鎖中に窒素原子を含むポリカーボネート構造単位を含有することを特徴とする。かかる構成により、本発明の有機半導体レーザは簡易な製造プロセスであっても容易に製造することができる。
【0010】
本発明で用いるポリカーボネート樹脂は、その分子主鎖中又は分子側鎖中に窒素原子を含むポリカーボネート構造単位を含有する。該ポリカーボネート構造単位としては、分子主鎖中に下記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むものが好ましい。
【0011】
【化31】
〔式中、Ar14は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。〕
【0012】
また、本発明で用いるポリカーボネート樹脂を構成するポリカーボネート構造単位としては、分子主鎖中に下記一般式(II)で表される分子構造をなす窒素原子を含むものも好ましい。
【0013】
【化32】
〔式中、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示す。〕
【0014】
次に、分子主鎖中に前記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい態様である一般式(1)〜(7)について説明する。
【0015】
分子主鎖中に前記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第一の態様は、下記一般式(1)で表される。
【0016】
【化33】
【0017】
一般式(1)において、R19、R20は直鎖または分岐鎖のアルキレン基、または酸素原子を示し、Y4は無置換もしくは置換のアリーレン基、又は−Ar25−Y5−Ar25−(Ar25は無置換もしくは置換のアリーレン基、Y5はO、S、無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。)、eは0または1を示す。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。
【0018】
上記一般式(1)のアルキレン基において、その炭素数は2〜20、好ましくは4〜14である。このアルキレン基には、無置換又は置換のアルキレン基が包含される。
【0019】
上記一般式(1)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0020】
本発明で用いられる上記一般式(1)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、特開2001−247525号公報にその詳細が記載されている。
【0021】
該一般式(1)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0022】
分子主鎖中に前記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第二の態様は、下記一般式(2)で表される。
【0023】
【化34】
【0024】
上記一般式(2)において、R14は無置換もしくは置換のアリール基を表し、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を表す。
【0025】
上記一般式(2)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0026】
上記一般式(2)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0027】
本発明で用いられる上記一般式(2)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、米国特許第5,942,363号、特開平9−268226号公報にその詳細が記載されている。
【0028】
該一般式(2)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0029】
分子主鎖中に前記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第三の態様は、下記一般式(3)で表される。
【0030】
【化35】
【0031】
上記一般式(3)において、R14は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。
【0032】
上記一般式(3)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0033】
上記一般式(3)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0034】
本発明で用いられる上記一般式(3)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、特開平9−302085号公報にその詳細が記載されている。
【0035】
該一般式(3)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0036】
分子主鎖中に前記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第四の態様は、下記一般式(4)で表される。
【0037】
【化36】
【0038】
上記一般式(4)において、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar13、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。
【0039】
上記一般式のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0040】
上記一般式(4)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0041】
本発明で用いられる上記一般式(4)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、特開平9−302084号公報にその詳細が記載されている。
【0042】
該一般式(4)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0043】
分子主鎖中に前記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第五の態様は、下記一般式(5)で表される。
【0044】
【化37】
【0045】
上記一般式(5)において、R14、R16は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。
【0046】
上記一般式(5)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0047】
上記一般式(5)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0048】
本発明で用いられる上記一般式(5)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、特開2000−26590号公報にその詳細が記載されている。
【0049】
該一般式(5)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0050】
分子主鎖中に前記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第六の態様は、下記一般式(6)で表される。
【0051】
【化38】
【0052】
上記一般式(6)において、Ar14、Ar15、Ar16は無置換もしくは置換のアリーレン基、X1、X2は無置換もしくは置換のエチレン基、又は無置換もしくは置換のビニレン基を示す。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示す。
【0053】
上記一般式(6)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0054】
上記一般式(6)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0055】
本発明で用いられる上記一般式(6)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、米国特許第6,027,846号、特開平9−71642号公報にその詳細が記載されている。
【0056】
該一般式(6)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0057】
分子主鎖中に前記一般式(I)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第七の態様は、下記一般式(7)で表される。
【0058】
【化39】
【0059】
上記一般式(7)において、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を表し、Ar13、Ar14、Ar15は無置換もしくは置換のアリーレン基を表す。
【0060】
上記一般式(7)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0061】
上記一般式(7)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0062】
本発明で用いられる上記一般式(7)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、特開平9−157378号公報にその詳細が記載されている。
【0063】
該一般式(7)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0064】
次に、分子側鎖中に前記一般式(II)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい態様である一般式(8)〜(13)について説明する。
【0065】
分子側鎖中に前記一般式(II)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第一の態様は、下記一般式(8)で表される。
【0066】
【化40】
【0067】
上記一般式(8)において、R16は水素原子又は炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、無置換もしくは置換のアリール基、Ar11、Ar12、Ar13は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示す。
【0068】
上記一般式(8)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0069】
上記一般式(8)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0070】
本発明で用いられる上記一般式(8)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、米国特許第6,018,014号、特開平9−272735号公報にその詳細が記載されている。
【0071】
該一般式(8)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0072】
分子側鎖中に前記一般式(II)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第二の態様は、下記一般式(9)で表される。
【0073】
【化41】
【0074】
上記一般式(9)において、R17、R18は無置換もしくは置換のアリール基、Ar17、Ar18、Ar19は無置換もしくは置換のアリーレン基、Y1、Y2、Y3は単結合、無置換もしくは置換のアルキレン基、無置換もしくは置換のシクロアルキレン基、無置換もしくは置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異なってもよい。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示す。
【0075】
上記一般式(9)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0076】
上記一般式(9)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0077】
上記一般式(9)のアルキレン基において、その炭素数は1〜20、好ましくは1〜6である。該アルキレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0078】
上記一般式(9)のシクロアルキレン基において、その炭素数は3〜20、好ましくは4〜8である。該シクロアルキレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0079】
上記一般式(9)のアルキレンエーテル基において、その炭素数は2〜20、好ましくは2〜8であり、酸素数は1〜3である。該アルキレンエーテル基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0080】
本発明で用いられる上記一般式(9)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、特開平9−110976号公報にその詳細が記載されている。
【0081】
該一般式(9)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0082】
分子側鎖中に前記一般式(II)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第三の態様は、下記一般式(10)で表される。
【0083】
【化42】
【0084】
上記一般式(10)において、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar11、Ar12、Ar13は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。
【0085】
上記一般式(10)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0086】
上記一般式(10)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0087】
本発明で用いられる上記一般式(10)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、米国特許第5,723,243号、特開平9−235367号公報にその詳細が記載されている。
【0088】
該一般式(10)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0089】
分子側鎖中に前記一般式(II)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第四の態様は、下記一般式(11)で表される。
【0090】
【化43】
【0091】
上記一般式(11)において、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23、Ar24は無置換もしくは置換のアリーレン基を示し、R14、R15、R17、R18は無置換もしくは置換のアリール基を示す。
【0092】
上記一般式(11)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0093】
上記一般式(11)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0094】
本発明で用いられる上記一般式(11)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、米国特許第5,910,561号、特開平9−227669号公報にその詳細が記載されている。
【0095】
該一般式(11)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0096】
分子側鎖中に前記一般式(II)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第五の態様は、下記一般式(12)で表される。
【0097】
【化44】
【0098】
上記一般式(12)において、R10は水素原子又は炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、R11、R12、R13はハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基(R11、R12、R13が各々複数個存在するときは同一であっても別異であってもよい)、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、a、b、cは各々0〜4の整数を示す。
【0099】
上記一般式(12)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0100】
本発明で用いられる上記一般式(12)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、米国特許第5,747,204号、特開平9−151248号公報、特開平7−258399号公報にその詳細が記載されている。
【0101】
該一般式(12)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0102】
分子側鎖中に前記一般式(II)で表される分子構造をなす窒素原子を含むポリカーボネート構造単位のより好ましい第六の態様は、下記一般式(13)で表される。
【0103】
【化45】
【0104】
上記一般式(13)において、dは1〜5の整数を示す。R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、Ar11,Ar12、Ar13は無置換もしくは置換のアリーレン基を示す。
【0105】
上記一般式(13)のアリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。
該アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0106】
上記一般式(13)のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
【0107】
本発明で用いられる上記一般式(13)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の具体例は、特開平9−87376号公報にその詳細が記載されている。
【0108】
該一般式(13)で表される構成単位からなるポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合は成膜時にひびが入ったりして実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は一般溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、同様に実用性に乏しくなる。
【0109】
本発明で用いるポリカーボネート樹脂を構成する前記のアリーレン基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキル基、アルキレン基、シクロアルキレン基、ビニレン基等は、以下▲1▼〜▲6▼に示す基を置換基として有してもよい。
【0110】
▲1▼ ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
▲2▼ 無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基。
▲3▼ 無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基(炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルコキシ基としては、上記定義のアルキル基をアルコキシ基に代えたものであり、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる)、アリールオキシ基(アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる)。
▲4▼ 置換メルカプト基又はアリールメルカプト基(置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる)。
▲5▼ アルキル置換アミノ基(具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる)。
▲6▼ アシル基(アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる)。
【0111】
以下に、前記において示した各種置換基の具体例を示すが、特に断りのない限り、同一表記については他の一般式中においても同義である。
炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられる。これらのアルキル基は、置換基として、フッ素原子、シアノ基を含有していてもよく、さらに、フェニル基もしくはハロゲン原子又は炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。
【0112】
具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0113】
無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、以下のものを挙げることができる。
フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基等。
【0114】
前記一般式(I)で表される分子構造を分子主鎖中に含むポリカーボネート構造単位(具体的には、一般式(1)〜(7))、又は前記一般式(II)で表される分子構造を分子側鎖中に含むポリカーボネート構造単位(具体的には、一般式(8)〜(13))の含有量は特に制約されないが、通常、分子主鎖中に含まれる単量体単位の合計モル数に対して、5モル%以上、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上で、その上限値は100モル%である。
【0115】
本発明で用いる前記ポリカーボネート樹脂は従来公知のビスフェノールと炭酸誘導体との重合と同様の方法で製造できる。製造法は、例えば、ポリカーボネート樹脂ハンドブック(編者:本間精一、発行:日刊工業新聞社)等に記載されている。
【0116】
本発明で用いるポリカーボネート樹脂は、その分子主鎖中に、前記一般式(I)又は一般式(II)で表わされるカーボネート構造単位とともに、下記一般式(III)で表されるカーボネート構造単位を共重合成分として好ましく含有することができる。この一般式(III)のカーボネート構造単位の含有割合は、前記一般式(I)及び/又は一般式(II)のカーボネート構造単位の合計量に対して、90モル%以下、好ましくは70モル%以下、より好ましくは50モル%以下である。
【0117】
【化46】
【0118】
上記(III)式中、Xは置換もしくは無置換の2価脂肪族基、置換もしくは無置換の2価芳香族基又は少なくとも2つの芳香族基を含有する2価有機基を示す。
【0119】
前記2価脂肪族基において、その炭素数は2〜20、好ましくは4〜10である。この2価脂肪族基には、炭素数2〜20、好ましくは2〜10の鎖状脂肪族基及び炭素数4〜12、好ましくは6〜8の環状脂肪族基が包含される。
【0120】
これらの脂肪族基は、各種の置換基を1つ又は複数有していてもよい。このような置換基には、ハロゲン原子(塩素、臭素等)や、ヘテロ原子(O、N、S等)を含む各種置換基(アルコシキ、フェノキシ基、水酸基、カルボキシル基、アシル基、アシロキシ基、ニトロ基)等が包含される。
【0121】
前記2価芳香族基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。この2価芳香族基には、炭素数6〜20、好ましくは6〜10のアリーレン基及び炭素数7〜20、好ましくは7〜10のアリレンアルキレン基もしくはアリレンジアルキレン基が包含される。アリーレン基には、前記した各種の芳香族炭化水素由来のものが包含される。アリレンアルキレン基には、モノアルキル化芳香族炭化水素由来のもの、例えば、フェニレンメチレン基(−PhCH2−)等が包含される。アリレンジアルキレン基には、ジアルキル化芳香族炭化水素由来のもの、例えば、フェニレンジメチレン基(−CH2PhCH2−)等が包含される。
前記芳香族基は、各種の置換基を1つ又は複数有していてもよい。
【0122】
前記した少なくとも2つの芳香族基を含む2価有機基において、その骨格構造に含まれる炭素数は14〜40、好ましくは20〜30である。この2価有機基には、酸素原子や窒素原子、イオウ原子等のヘテロ原子が含まれていてもよい。
【0123】
前記少なくとも2つの芳香族基を含有する2価有機基の好ましいものとして、下記式(14)〜(16)で表されるものを示すことができる。
【0124】
【化47】
【0125】
【化48】
【0126】
【化49】
【0127】
前記式(14)〜(16)中、R5、R6、R7、R8は、ハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基又は無置換もしくは置換アリール基(R5、R6、R7、R8が各々複数個存在するときは、それらは同一であっても別異であってもよい)を示し、o、pは0〜4の整数、q、rは0〜3の整数を示す。さらに、式(14)におけるYは単結合、炭素数2〜12の直鎖状のアルキレン基、炭素数3〜12の無置換もしくは置換分岐鎖状アルキレン基、1つ以上の炭素数1〜10のアルキレン基と1つ以上の酸素原子及び/又は硫黄原子から構成される2価基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−COO−又は下記式(17)〜(26)で表される2価基を示す。
【0128】
【化50】
【0129】
【化51】
【0130】
【化52】
【0131】
【化53】
【0132】
【化54】
【0133】
【化55】
【0134】
【化56】
【0135】
【化57】
【0136】
【化58】
【0137】
【化59】
【0138】
前記式(17)〜(26)中、Z1は無置換もしくは置換の炭素数2〜20の2価脂肪族基、無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリーレン基又は少なくとも2つの芳香族基を含有する炭素数14〜40の2価有機基を示し、Z2は無置換もしくは置換の炭素数2〜20の2価脂肪族基又は無置換もしくは置換アリーレン基を示す。R9はハロゲン原子、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリール基、無置換もしくは置換の炭素数4〜15のヘテロアリール基又は少なくとも2つの芳香族基を含有する炭素数14〜40の1価有機基を示す。R10、R11は水素原子、ハロゲン原子、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリール基、無置換もしくは置換の炭素数4〜15のヘテロアリール基又は少なくとも2つの芳香族基を含有する1価有機基を示す。また、R10、R11が結合して炭素数5〜12の炭素環を形成してもよく、R12、R13、R14、R15は水素原子、ハロゲン原子、無置換もしくは置換炭素数1〜6のアルキル基、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリール基、無置換もしくは置換の炭素数4〜15のヘテロアリール基又は少なくとも2つの芳香族基を含有する炭素数14〜40の1価有機基を示す。R16はハロゲン原子、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルコシキ基、無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリール基、無置換もしくは置換の炭素数4〜15のヘテロアリール基又は少なくとも2つの芳香族基を含有する骨格構造の炭素数が14〜40の1価有機基を示す。R17、R18は単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基を示す。R19、R20、R21、R22は無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基、無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリール基、無置換もしくは置換の炭素数4〜15のヘテロアリール基又は少なくとも2つの芳香族基を含有する炭素数14〜40の1価有機基を示す。sは0〜4の整数、tは1又は2、uは0〜4の整数、vは0〜20の整数、wは0〜2000を示す。
【0139】
以下に、前記において示した各種置換基の具体例を示すが、特に断りのない限り、同一表記については他の一般式中においても同義である。
炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられる。これらのアルキル基は、置換基として、フッ素原子、シアノ基を含有していてもよく、さらに、フェニル基もしくはハロゲン原子又は炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。
【0140】
具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0141】
無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、以下のものを挙げることができる。
フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基等。
【0142】
少なくとも2つの芳香族基を含有する骨格構造の炭素数が14〜40の1価有機基としては、下記式(27)の1価の基、又は前記式(15)、(16)の骨格構造を有する1価の基を示すことができる。
【0143】
【化60】
前記式(27)中、Wは、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−又は下記一般式(28)、(29)で表わされる2価基から選ばれる。
【0144】
【化61】
【0145】
【化62】
【0146】
前記式(27)、(28)、(29)中、R23は、水素原子、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基、無置換のもしくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリール基、炭素数4〜15のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリールアミノ基、ニトロ基、シアノ基を示し、R24は、水素原子、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基、無置換もしくは置換の炭素数6〜20のアリール基を表し、hは1〜12の整数、iは1〜3の整数である。
炭素数4〜15のヘテロアリール基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基等が挙げられる。
上記のアリール基及びヘテロアリール基等は、以下▲1▼〜▲6▼に示す基を置換基として有してもよい。
【0147】
▲1▼ ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
▲2▼ 無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基。
▲3▼ 無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基(炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルコキシ基としては、上記定義のアルキル基をアルコキシ基に代えたものであり、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる)、アリールオキシ基(アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルキル基、無置換もしくは置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる)。
▲4▼ 置換メルカプト基又はアリールメルカプト基(置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる)。
▲5▼ アルキル置換アミノ基(具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる)。
▲6▼ アシル基(アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる)。
【0148】
また、一般式(III)のXで示される2価基の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ぺンタンジオール、3−メチル−1,5−ぺンタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,5−へキサンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオぺンチルグリコール、2−エチル−1,6−へキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、キシリレンジオール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)べンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキシプロピル)べンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシブチル)べンゼン、1,4−ビス(5−ヒドロキシぺンチル)べンゼン、1,4−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)べンゼン、イソホロンジオール等のジオールからヒドロキシ基を2個除いた2価基を挙げることができる。
【0149】
前記一般式(14)のYで示される1つ以上の炭素数1〜10のアルキレン基と1つ以上の酸素原子及び/又は硫黄原子から構成される2価基の具体例として、OCH2CH2O、OCH2CH2OCH2CH2O、OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2O、OCH2CH2CH2O、OCH2CH2CH2CH2O、OCH2CH2CH2CH2CH2CH2O、OCH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2O、CH2O、CH2CH2O、CHEtOCHEtO、CHCH3O、SCH2OCH2S、CH2OCH2、OCH2OCH2O、SCH2CH2OCH2OCH2CH2S、OCH2CHCH3OCH2CHCH3O、SCH2S、SCH2CH2S、SCH2CH2CH2S、SCH2CH2CH2CH2S、SCH2CH2CH2CH2CH2CH2S、SCH2CH2SCH2CH2S、SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2S等が挙げられる。
【0150】
炭素数3〜12の分岐鎖状のアルキレン基に結合する置換基としては、無置換もしくは置換アリール基、又はハロゲン原子が挙げられる。
Z1、Z2が無置換もしくは置換脂肪族の2価基である場合の該2価基としては、前記Xとして示した脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基を挙げることができる。
【0151】
また、一般式(18)、(19)のZ1、Z2が無置換もしくは置換アリーレン基である場合の該基としては、上記無置換もしくは置換アリール基から誘導される2価基を挙げることができる。
【0152】
一般式(III)のXが芳香族の2価基である場合の好ましい具体例としては、下記で示されるジオールからヒドロキシル基2個を除いたものが挙げられる。ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス〈4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジメチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ぺンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルぺンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)へキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)へプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)へキサフルオロプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロぺンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、3,3,3’,3’−テトラメチル−6,6’−ジヒドロキシスピロ(ビス)インダン、3,3’,4,4’−テトラヒドロ−4,4,4’,4’−テトラメチル−2,2’−スピロビ(2H−1−べンゾピラン)−7,7’−ジオール、トランス−2,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブテン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサンテン、1,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,6−へキサンジオン、α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−キシレン、2,6−ジヒドロキシジベンゾ−p−ジオキシン、2,6−ジヒドロキシチアントレン、2,7−ジヒドロキシフェノキサチイン、9,10−ジメチル−2,7−ジヒドロキシフェナジン、3,6−ジヒドロキシジベンゾフラン、3,6−ジヒドロキシジベンゾチオフェン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシピレン、ハイドロキノン、レゾルシン、4−ヒドロキシフェニル−4−ヒドロキシベンゾエート、エチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、ジエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、トリエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、p−フェニレン−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、1,6−ビス(4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−1H,1H,6H,6H−パーフルオロヘキサン、1,4−ビス(4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−1H,1H,4H,4H−パーフルオロブタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラメチルジシロキサン等。
【0153】
次に、本発明の有機半導体レーザの層構成について、図1〜4に基づいて説明する。尚、図1〜4は本発明の有機半導体レーザの断面図である。
本発明の有機半導体レーザは、図1に示すように、少なくとも陽電極層2、発光層3、陰電極層4がこの順で積層されており、陽電極層2と発光層3と陰電極層4からなる積層体は、通常、基板1の上に陽電極層2が基板1と接するように(陰電極層4側を基板1の反対側に向けて)形成される。本発明の有機半導体レーザはこのように構成されているので、基板1上に設けられた陽電極層2から発光層3へ正孔が注入され、また、陰電極層4から発光層3に電子が注入され、発光層3内で上記正孔および上記電子が再結合することにより光が得られる。この光は反射可能な層間(具体的には、陽電極層2と発光層3との接触面、及び/又は発光層3と陰電極層4との接触面)で、反射を繰り返すことにより増幅され、レーザ光として放出される。
【0154】
上記基板1としては、一般的にはガラス、プラスチックフィルム等を用いることができる。
【0155】
本発明において、陽電極層2は発光層3に(後述するように、正孔輸送層を設けた場合は正孔輸送層を通して発光層3に)正孔を注入する作用を有する。陽電極層2は、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、又はその合金、電気導電性化合物及びこれらの混合物により形成することが好ましい。このような電極材料の具体例としては、Au等の金属、CuI、ITO(インジウムスズ酸化物)、SnO2、ZnO等の導電性材料が挙げられる。陽電極層2の厚さは、通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmである。陽電極層2の製膜方法としては蒸着、スパッタリングなど従来公知の方法を用いることができる。
【0156】
本発明において、陰電極層4は、発光層3に(後述するように、電子輸送層を設けた場合は電子輸送層を通して発光層3に)電子を注入する作用を有する。陰電極層4は、仕事関数の小さい(4eV以下)金属又はその合金、電気導電性化合物及びこれらの混合物により形成することが好ましい。このような電極材料の具体例としては、Na、Na・K合金、Mg、Li、Mg/Cu混合物、Mg・Ag合金、Al・Li合金、Al/Al2O3混合物、In、希土類金属等が挙げられる。陰電極層3の厚さは、通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmである。陰電極層の製膜方法としては蒸着、スパッタリングなど従来公知の方法を用いることができる。
【0157】
本発明において、発光層3は陽電極層2から注入された正孔と、陰電極層4から注入された電子とを再結合させることにより光を発生する作用を有する。本発明の発光層2は、前述したポリカーボネート樹脂を含有する。また、電気的特性の向上等を目的として、発光層3を製膜する際、後述する電子輸送材料や正孔輸送材料をポリカーボネート樹脂と共に含有させてもよい。その他、他の樹脂との混合物の形態で使用することもできる。他の樹脂としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジフェネチルベンゼン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、水素化ブタジエン、ジフェニルシクロヘキサン誘導体、ジスチリルトリフェニルアミン誘導体、ジフェニルジスチリルベンゼン誘導体、スチルベン誘導体、m−フェニレンジアミン誘導体、レゾルシン誘導体、トリアリールアミン誘導体などを含有させてもよい。
発光層の膜厚は特には制限はなく、適宜選択できるが、通常は5〜500nmの範囲内とするのが好ましい。
【0158】
本発明において、発光層2はスピンコート法、キャスト法、インクジェット工法、ディッピング塗工法等の公知の方法によって簡便に薄膜化することが可能である。本発明で用いるポリカーボネート樹脂はジクロロメタンやテトラヒドロフラン等の有機溶媒に容易に溶解する。従って、ポリカーボネート樹脂を溶解できる適当な溶媒により適当な濃度の溶液を作製し、これを用いて上記方法等により塗工すれば、発光層2を容易に作製できる。
【0159】
本発明の有機半導体レーザにおいては、図2に示すように、陽電極層2と発光層3との間に正孔輸送層5が設けられ、発光層3と陰電極層4との間に電子輸送層6が設けられていることが好ましい。このように構成されていると、陽電極層2と陰電極層4との間に電圧を印加することにより発光層3で光を発生させ、該光を正孔輸送層5と発光層3との接触面及び/又は該電子輸送層6と発光層3との接触面で全反射を繰り返すことにより増幅させてから、該光を発光層3の端部から放出することができる。
【0160】
上記正孔輸送層5に用いられる正孔輸送材料の例としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリビニルカルバゾール誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー等が挙げられる。
【0161】
前記電子輸送層6に用いる電子輸送材料の例としては、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アンドラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体などが挙げられる。また特開昭59−194393号公報に記載されている一連の電子伝達性化合物も、電子輸送材料として用いることができる。さらに上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他にメタルフリー若しくはメタルフタロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基などで置換されているものも電子輸送材料として用いることができる。またジスチリルピラジン誘導体も電子輸送材料として用いることができ、さらにn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。上記の電子輸送材料からなる電子輸送層6には、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属、及びアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属のフッ化物、塩化物、ヨウ化物などの化合物からなる電子供与性ドナーを0.1〜30モル%ドーピングすることが好ましい。
【0162】
本発明においては、上記に例示した電子輸送層5および正孔輸送層6の製膜はスピンコート法、キャスト法、蒸着法、スパッタリング法など従来公知の方法を使用することができるが、なかでも蒸着法を用いるのが好ましい。
【0163】
上記正孔輸送層5の厚みは、100〜2000nmであることが好ましく、200〜500nmであることがより好ましい。又、上記電子輸送層6の厚みは、100〜2000nmであることが好ましく、200〜500nmであることがより好ましい。正孔輸送層5の厚み、電子輸送層6の厚みがかかる範囲内であれば、正孔輸送層5と発光層3との接触面において発光層3で発光した光を全反射させレーザ光を得ることができる。正孔輸送層5や電子輸送層6の厚みが薄すぎると、接触面で発光した光を全反射させレーザ光を得ることができない虞があり、厚すぎると電子や正孔の輸送能力が低下する虞がある。
【0164】
本発明の有機半導体レーザにおいては、図3に示すように、陽電極層2と発光層3との間に反射層7が設けられていることが好ましい。このように構成されていると、光がこの反射層7と陰電極層4との間で反射を繰り返し、増幅するので(導波路効果)、有機半導体レーザの端面から増幅されたレーザ光を取り出すことができる。かかる観点からは、発光層3と陰電極層4との間にも反射層(図示はしない。)が設けられていることが好ましい。
【0165】
反射層7に用いることができる材料の例としては反射率の高い金属を用いるのが好ましい。該金属の例としては、上記に示した陰電極層4に用いるものと同様のものが挙げられる。
【0166】
本発明の有機半導体レーザにおいては、より効率的に増幅されたレーザ光を得るために、陽電極層3の一方の面に共振器8が設けられていることが好ましい。具体的には、図4に示すように、基板1上に共振器8を設け、共振器8上に陽電極層2、発光層3、陰電極層4がこの順で積層されることが好ましい。また、共振器は陽電極層3上(陽電極層2と発光層3の間)に設けてもよい。これにより、発光層3で発生した光は共振器内の回折格子導波路内で増幅、反射され、効率よくレーザ光として取り出される。
【0167】
本発明に用いられる共振器構造の例としては、DFB(DistributedFeedback)やDBR(DistributedBraggReflector)といった分布帰還型共振器を用いることが好ましい。これら共振器を得るための回折格子は従来公知のリソグラフィー技術により作製が可能である。
【0168】
尚、図2〜4に示す態様においても、基板1の上に陽電極層2等からなる積層体を、陽電極層2側を基板1に向けて(陰電極層4側を基板1の反対側に向けて)形成することが好ましく、基板1を構成する材料としては、図1の態様において説明したものが好ましく用いられる。
【0169】
【実施例】
本発明を以下の実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0170】
実施例1
厚さ150nmのITO膜(陽電極層)を設けたガラス基板を煮沸アルコールにより洗浄し、さらに表面を酸素プラズマにより表面処理した。この基板上に有機ポジ形フォトレジストを塗布し、リソグラフィー法により500nmピッチの回折格子(共振器)を作製した。この上に正孔輸送層としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)を250nmを蒸着したのち、本発明で用いられる一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(30)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂の1.5wt%ジクロロメタン溶液を作製し、孔径0.1μmのメンブランフィルターで濾過した。この溶液を使用してTPD膜上にスピンコート法により100nmの膜厚で塗布し発光層を形成した。十分乾燥を行った後に、電子輸送層として2−(4−tert.−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,3,4−オキサジアゾールを250nm蒸着した後に、陰電極層としてMgAg合金を200nm形成した。このようにして作製した有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化63】
【0171】
実施例2
厚さ150nmのITO膜(陽電極層)を設けたガラス基板を煮沸アルコールにより洗浄し、さらに表面を酸素プラズマにより表面処理した。この基板上にAuを10nm、続けて、正孔輸送層としてTPDを250nmを蒸着したのち、本発明で用いられる一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(31)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂の1.5wt%ジクロロメタン溶液を作製し、孔径0.1μmのメンブランフィルターで濾過した。この溶液を使用してTPD膜上にスピンコート法により100nmの膜厚で塗布し発光層を形成した。十分乾燥を行った後に、電子輸送層として2−(4−tert.−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,3,4−オキサジアゾールを250nm蒸着した後に、陰電極層としてMgAg合金を200nm形成した。このようにして作製した有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化64】
【0172】
実施例3
厚さ150nmのITO膜(陽電極層)を設けたガラス基板を煮沸アルコールにより洗浄し、さらに表面を酸素プラズマにより表面処理した。この基板上に正孔輸送層としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)を250nmを蒸着した後、本発明で用いられる一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(30)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂の1.5wt%ジクロロメタン溶液を作製し、孔径0.1μmのメンブランフィルターで濾過した。この溶液を使用してTPD膜上にスピンコート法により100nmの膜厚で塗布し発光層を形成した。十分乾燥を行った後に、電子輸送層として2−(4−tert.−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,3,4−オキサジアゾールを250nm蒸着した後に、陰極としてMgAg合金を200nm形成した。このようにして作製した有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0173】
実施例4
厚さ150nmのITO膜を設けたガラス基板を煮沸アルコールにより洗浄し、さらに表面を酸素プラズマにより表面処理した。この基板上に正孔輸送層としてTPDを250nmを蒸着した後、本発明で用いられる一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(31)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂と5wt%のAlq3および5wt%のTPDを混合した1.5wt%ジクロロメタン溶液を作製し、孔径0.1μmのメンブランフィルターで濾過した。この溶液を使用してTPD膜上にスピンコート法により100nmの膜厚で塗布し発光層を形成した。十分乾燥を行った後に、電子輸送層としてAlq3を250nm蒸着した後に、陰極としてMgAg合金を200nm形成した。このようにして作製した有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0174】
実施例5
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(2)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(32)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化65】
【0175】
実施例6
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(2)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(33)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化66】
【0176】
実施例7
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(2)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(32)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0177】
実施例8
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(2)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(33)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0178】
実施例9
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(34)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化67】
【0179】
実施例10
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(35)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化68】
【0180】
実施例11
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(34)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0181】
実施例12
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(35)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0182】
実施例13
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(4)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(36)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化69】
【0183】
実施例14
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(4)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(37)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化70】
【0184】
実施例15
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(4)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(36)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0185】
実施例16
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(4)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(37)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0186】
実施例17
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(5)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(38)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化71】
【0187】
実施例18
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(5)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(39)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化72】
【0188】
実施例19
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(5)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(38)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0189】
実施例20
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(5)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(39)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0190】
実施例21
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(6)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(40)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化73】
【0191】
実施例22
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(6)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(41)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化74】
【0192】
実施例23
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(6)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(40)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0193】
実施例24
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(6)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(41)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0194】
実施例25
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(7)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(42)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化75】
【0195】
実施例26
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(7)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(43)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化76】
【0196】
実施例27
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(6)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(42)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0197】
実施例28
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(7)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(43)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0198】
実施例29
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(8)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(44)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化77】
【0199】
実施例30
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(8)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(45)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化78】
【0200】
実施例31
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(8)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(44)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0201】
実施例32
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(8)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(45)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0202】
実施例33
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(9)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(46)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化79】
【0203】
実施例34
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(9)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(47)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化80】
【0204】
実施例35
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(9)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(46)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0205】
実施例36
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(9)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(47)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0206】
実施例37
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(10)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(48)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化81】
【0207】
実施例38
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(10)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(49)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化82】
【0208】
実施例39
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(10)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(48)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0209】
実施例36
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(10)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(49)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0210】
実施例41
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(11)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(50)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化83】
【0211】
実施例42
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(11)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(51)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化84】
【0212】
実施例43
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(11)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(50)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0213】
実施例44
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(11)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(51)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0214】
実施例45
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(12)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(52)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化85】
【0215】
実施例46
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(12)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(53)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化86】
【0216】
実施例47
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(12)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(52)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0217】
実施例48
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(12)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(53)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0218】
実施例49
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(13)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(54)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、レーザ光が放出されることを確認した。
【化87】
【0219】
実施例50
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(13)で表されるポリカーボネート樹脂として、下記(55)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例2と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【化88】
【0220】
実施例51
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(13)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(54)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例3と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0221】
実施例52
一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂の代わりに、一般式(12)で表されるポリカーボネート樹脂として、上記(55)式で表される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様に、有機半導体レーザを作製した。該有機半導体レーザに30Vの電圧を印加したところ、発光層端部からレーザ光が放出されることを確認した。
【0222】
【発明の効果】
本発明の有機半導体レーザは、発光層にその分子主鎖中又は分子側鎖中に窒素原子を含むポリカーボネート構造単位を含有するポリカーボネート樹脂を用いていることから、製造が容易であり実用性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機半導体レーザの一例を示すための断面図である。
【図2】本発明の有機半導体レーザの他の一例を示すための断面図である。
【図3】本発明の有機半導体レーザの他の一例を示すための断面図である。
【図4】本発明の有機半導体レーザの他の一例を示すための断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 陽電極層
3 発光層
4 陰電極層
5 正孔輸送層
6 電子輸送層
7 反射層
8 共振器
Claims (27)
- 少なくとも陽電極層、発光層、陰電極層がこの順で積層された有機半導体レーザにおいて、該発光層がポリカーボネート樹脂を含有し、該樹脂はその分子主鎖中又は分子側鎖中に窒素原子を含むポリカーボネート構造単位を含有することを特徴とする有機半導体レーザ。
- 該陽電極層と発光層との間に正孔輸送層が設けられ、該発光層と陰電極層との間に電子輸送層が設けられていることを特徴とする請求項1〜16に記載の有機半導体レーザ。
- 該正孔輸送層の厚みが100〜2000nmであることを特徴とする請求項17に記載の有機半導体レーザ。
- 上記電子輸送層の厚みが100〜2000nmであることを特徴とする請求項17に記載の有機半導体レーザ。
- 該陽電極層と発光層との間に反射層が設けられていることを特徴とする請求項1〜17に記載の有機半導体レーザ。
- 該発光層と陰電極層との間に反射層が設けられていることを特徴とする請求項20に記載の有機半導体レーザ。
- 該陽電極層の一方の面に共振器が設けられていることを特徴とする請求項1〜19に記載の有機半導体レーザ。
- 基板上に、陰電極層側を該基板の反対側に向けて設けられていることを特徴とする請求項1〜22に記載の有機半導体レーザ。
- 該発光層が正孔輸送物質を含むことを特徴とする請求項1〜23に記載の有機半導体レーザ。
- 該発光層が電子輸送物質を含むことを特徴とする請求項1〜23に記載の有機半導体レーザ。
- 該発光層が正孔輸送物質および電子輸送物質を含むことを特徴とする請求項1〜23に記載の有機半導体レーザ。
- 該発光層が湿式法により製膜されることを特徴とする請求項1〜26に記載の有機半導体レーザ。
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