JPH11102783A - 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法

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JPH11102783A
JPH11102783A JP9261195A JP26119597A JPH11102783A JP H11102783 A JPH11102783 A JP H11102783A JP 9261195 A JP9261195 A JP 9261195A JP 26119597 A JP26119597 A JP 26119597A JP H11102783 A JPH11102783 A JP H11102783A
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JP
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light emitting
organic
light
emitting layer
organic compound
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JP9261195A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Fuchigami
宏幸 渕上
Eiji Nobutoki
英治 信時
Makoto Tsunoda
誠 角田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より簡易な方法で発光効率が向上した有機エ
レクトロルミネッセンス素子を提供すること。 【解決手段】 アノード電極層とカソード電極層で有機
化合物からなる発光層を挟持してなる有機エレクトロル
ミネッセンス素子であって、前記発光層が真空中でのド
ライプロセスによって形成され、かつ前記発光層を構成
する有機化合物分子が発光層の面方向に対して平行に配
向してなる有機エレクトロルミネッセンス素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い発光効率を有
する有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【0002】
【従来の技術】1987年に、有機化合物からなる薄膜
を発光層または電子輸送層として用いた有機エレクトロ
ルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」ともい
う)が開発された。
【0003】たとえば、シー ダブリュ タン(C.W.Ta
ng)およびエス エー バンスライク(S.A.BanSlyke)
著、アプライド フィジカル レターズ(Applied Phys
icalLetters)、51号、第913頁(1987年)に
は、図4に示すような有機EL素子の基本構造を開示し
ている。図4は、有機EL素子の基本構造を示す概略断
面図ある。図4において、1は基板、2はアノード電
極、3はホール輸送層、4は発光層、5は電子輸送層、
6はカソード電極である。ホール輸送層3および電子輸
送層5は、発光層4の発光効率をよくするため設けられ
ており、アノード電極2からホール輸送層3を介して発
光層4に注入されるホールと、カソード電極6から電子
輸送層5を介して発光層4に注入される電子とが、発光
層4において再結合し、基底状態へ失活するときのエネ
ルギーが光となって外部への放射されるというものであ
る。一般的には、インジウム錫酸化物(ITO)などか
らなる透明薄膜で構成されるアノード電極側から基板面
に垂直な方向で光が取り出される。したがって、EL素
子の発光効率とは発光面に垂直な方向における光の取り
出し率であるともいえる。
【0004】かかる有機EL素子の発光効率などの諸特
性を向上させるために、特に発光層を構成する発光材料
について研究がなされており、たとえば細川ら著、第5
2回応用物理学会予稿集、10p−S−5(1991
年)には、発光材料としてジスチリルベンゼン誘導体を
用いる有機EL素子が開示されている。しかし、このば
あいデバイス特性は改善されるものの、充分な発光効率
をうるに至ってはいない。
【0005】また、従来の有機EL素子の発光層におい
ては、該発光層を構成する有機化合物分子が3次元的に
ランダムに配向しているため、光が発光面に対して全方
向に放射されて素子を構成する各層の界面で反射し発光
効率に限界があること、さらに、発光面に対して平行な
方向への発光を抑制し、かつ垂直方向への発光を増加さ
せることができれば有機EL素子の発光効率を向上させ
ることができることから、たとえば特開平4−4041
3号公報には一軸方向に配向した分子からなる発光層が
開示されている。
【0006】しかし、前記従来技術による発光層中の分
子を配向させる方法は、真空中では適用できない水面展
開法(LB法)またはラビング法によるラビング膜の形
成工程を要する方法しか提案されておらず、しかもえら
れる有機EL素子の偏光度は高められているものの発光
効率についてはなんら言及されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】叙上の事実に鑑み、本
発明の目的は、従来に比べて簡易な方法により真空中で
のドライプロセスにおいて発光効率が向上した有機エレ
クトロルミネッセンス素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、アノード電極
層とカソード電極層で有機化合物からなる発光層を挟持
してなる有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記発光層が真空中でのドライプロセスによって形成さ
れ、かつ前記発光層を構成する有機化合物分子が発光面
に対して平行に配向してなる有機エレクトロルミネッセ
ンス素子に関する。
【0009】また、本発明は、発光層の有機化合物の配
向をドライプロセス中の光照射による光化学反応により
形成する前記有機エレクトロルミネッセンス素子の製造
方法にも関する。
【0010】前記光化学反応はシス−トランス光異性化
反応であるのが好ましい。
【0011】また、前記光化学反応が1種もしくは2種
以上の有機化合物分子の重合反応または分子間反応であ
るのが好ましい。
【0012】さらに本発明は、前記の方法によりえられ
る有機エレクトロルミネッセンス素子にも関する。
【0013】本明細書において「発光面」とは、発光層
から光を取り出す面のことをいい、発光層の膜厚方向に
垂直な面である。通常、基板面と平行である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、アノード電極層とカソ
ード電極層で有機化合物からなる発光層を挟持してなる
有機EL素子であって、前記発光層が真空中でのドライ
プロセスによって形成され、かつ前記発光層を構成する
有機化合物分子が発光面に対して平行に配向してなる有
機EL素子に関する。
【0015】本発明の有機EL素子の各層について図1
に従って説明する。
【0016】本発明の有機EL素子の基本的層構造は図
4に示す従来の有機EL素子と同じである。
【0017】本発明においては前述のとおり、発光層4
を構成する有機化合物7の配向方向に最大の特徴を有す
る。
【0018】従来の発光層は、該層を構成する有機化合
物の分子が3次元的にランダムに配向しているために発
光効率は約0.2が限界であった。これに対し、本発明
においては、分子が発光面8に平行に配向しているた
め、発光面8に垂直な方向Aへの発光効率、すなわち有
機EL素子としての発光効率に優れているというもので
ある。なお、有機化合物7は発光面8に平行な面内では
2次元的にランダムに配向していてもよい。
【0019】本発明におけるアノード電極2としては、
発光層4または電子輸送層5にホールを効率よく注入す
るという点から仕事関数が4.0eV以上の電気伝導体
からなるものであれば従来から用いられているものであ
ってよく、金属、無機酸化物、半導体などの無機化合
物、有機化合物などのいずれからなるものであってもよ
い。さらに詳しくは、有機EL素子においては、通常基
板1側、すなわちアノード電極2側から光を取り出すた
め、ITO、In23、SnO2などからなる透明な電
極であるのが好ましい。
【0020】本発明におけるカソード電極6としては、
発光層4または電子輸送層5に電子を効率よく注入する
という点から仕事関数が4.5eV以下の電気伝導体で
あれば従来から用いられているものであってよく、金
属、無機酸化物、半導体などの無機化合物、有機化合物
などのいずれからなるものであってもよい。さらに詳し
くは、注入効率という点からAl、Mg、Agなどから
なる電極であるのが好ましい。
【0021】本発明の発光層4を構成する有機化合物7
としては、発光特性に異方性をもつものであればよい。
かかる有機化合物としては、(1)たとえばナフタレ
ン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フェナントレ
ン、ペンタセン、テトラセン、クリセン、クマリン、コ
ロネン、ペリノン、これらの誘導体などの縮合多環芳香
族化合物である平面状分子、(2)たとえばオリゴアゾ
ベンゼン、オリゴフェニレン、オリゴチオフェン、ビス
スチリルベンゼン、オリゴフェニレンビニレン、ジフェ
ニルオキサゾール、ビス(フェニルオキサゾール)ベン
ゼン、ジフェニルオキサゾール、ビス(ベンゾオキサゾ
リル)チオフェン、キノジカルボシアニンイオダイド、
オキサカルボシアニンイオダイド、これらの誘導体など
の環集合炭化水素である棒状分子など、
【0022】
【化1】
【0023】そして、本発明における発光層4において
は、発光面8に対して垂直方向に選択的に発光させるた
め、平面状分子にあってはその分子面を発光面8に対し
て平行に配向させ、棒状分子にあってはその分子長軸を
発光面8に対して平行に配向させる。また棒状分子がベ
ンゼン環などの平面状部分をもつばあいは、分子長軸が
発光面8に対して平行に配向していればよく、平面状部
分は発光面8に平行に配向させてもさせなくてもよい。
【0024】また、本発明において用いる基板1は、従
来から用いられているものであればよいが、有機EL素
子においては基板1側から光を取り出すため、たとえば
サファイア結晶、石英、各種ガラス、ポリカーボネート
などのプラスチックなどの発光領域で透明な基板を用い
るのが好ましい。
【0025】本発明の有機EL素子は、原則として前記
基板1、アノード電極2、発光層4およびカソード電極
6からなるが、発光層4へのホールの注入を効率よく行
ない、さらには電子をブロックするためにアノード層2
と発光層4とのあいだにホール輸送層3を設けてもよ
く、また、発光層4への電子の注入を効率よく行ない、
さらにはホールをブロックするために発光層4とカソー
ド層6とのあいだに電子輸送層5を設けてもよい。この
ばあい、ホール輸送層3および電子輸送層5を構成する
材料は従来からのものであればよい。
【0026】つぎに、本発明の有機EL素子の製造方法
を説明する。
【0027】まず、基板上に真空中でのドライプロセス
でアノード電極を作製したのちにアノード電極の上に、
発光層を作製する。このばあい、あらかじめアノード電
極の設けられたガラス基板を用いてもよい。
【0028】発光層の作製方法であるドライプロセスと
しては、真空蒸着法、分子線蒸着法、分子線エピタキシ
ャル成長法、クラスターイオンビーム法、パルスレーザ
ー蒸着法などの方法であればよいが、最も効率よく分子
を配向させるという点から分子線蒸着法を用いて、前記
有機化合物から発光層を作製するのが好ましい。
【0029】以下、分子線蒸着法に代表させて本発明の
発光層の作製方法を説明するが、当業者であれば他の方
法によっても本発明の発光層を作製することができる。
【0030】本発明においては、分子線強度および基板
温度を制御することによって発光層を構成する有機化合
物分子を発光面に平行に配向させる。真空度は、10-8
〜10-3Paの範囲であればよいが、基板表面を清浄に
保つという点から10-8〜10-5Paであるのが好まし
い。分子線蒸着法における分子線強度は、たとえば水晶
振動式の膜厚センサーまたは分子ビームフラックスモニ
ターなどを用いて計測すればよく、0.01〜10(nm
/min)の範囲であればよいが、効率よく分子を配向させ
るという点から0.01〜5(nm/min)であるのが好ま
しく、さらに、発光層形成時間の効率という点から0.
1〜5(nm/min)であるのが特に好ましい。
【0031】また、基板温度は、たとえば冷却するばあ
いには液体窒素を用い、また加熱するばあいにはヒータ
ーを用い、熱電対によりモニターして温度調整器で制御
すればよく、−196〜+200℃の範囲であればよい
が、稠密で平滑な発光層を形成するという点から−19
6〜+100℃であるのが好ましく、さらに、より効率
よく分子の配向方向を発光面に平行にさせるという点か
ら−196〜+70℃であるのが特に好ましい。
【0032】このように、本発明においては、高真空お
よび低分子線強度を用い、発光層を構成する有機化合物
分子の種類に応じて基板温度を適宜設定することにより
発光面に対して平行な分子配向をうることができる。こ
のばあい、前記有機化合物の分子の形状が棒状または平
面状であれば、前記分子は、その異方性により、当該分
子が基板表面上に構成する薄膜の表面エネルギーが最小
となるように、発光面に対して平行に配向するものと考
えられる。
【0033】さらに本発明においては、発光層を構成す
る有機化合物として光照射によって反応し、よりよい発
光効率を有する化合物に転換しうるものを用いるばあ
い、発光層として前記化合物を蒸着させるときに光化学
反応を起こさせるために基板付近に光を照射するのが好
ましい。かかる光化学反応としては、たとえば(a)発
光効率のよい異性体を生成しうる光異性化、たとえばシ
ス−トランス異性化、(b)1種または2種以上の分子
モノマーからより発光効率のよい化合物または重合体を
生成しうるカップリングなどの光分子間反応または光重
合反応などがあげられる。特に有機化合物として前記
(3)のものを用いるばあいは、光により容易に反応が
進行し、反応の結果前記(3)の有機化合物がえられや
すいという点から、チオールとエチニルを光分子間反応
によりカップリングさせるのが好ましい。
【0034】かかる光照射を併用する発光層の作製法を
図2にしたがって説明する。図2は分子線蒸着法を用い
た製造装置の概略断面図であり、超高真空とされた成長
室10内に配置された基板1にクヌーセンセル11中の
有機化合物7を分子線12として堆積させるものであ
る。このとき、光源13から光を基板1表面に向けて照
射する。光照射は基板1に対して垂直であっても平行で
あってもよいが、平行にしたばあいは、真空中で蒸発し
た化合物分子に対して光照射を行なうこととなり、光化
学反応の反応効率に劣る。一方、垂直にしたばあいは、
蒸発した化合物分子だけでなく電子輸送層または電極上
に一時的に存在している化合物分子にも光照射を行なう
ことができ、光化学反応の反応効率に優れる点で好まし
い。
【0035】光照射の強度としては、光化学反応を起こ
させる有機化合物によって異なり、分解などの副反応が
起こらず、アブレーションなどが生じない範囲であれば
よいが、好ましくは0.1〜20mJ/cm2、特に好
ましくは1〜5mJ/cm2であるのがよい。また、光
の波長としては発光層の作製に用いる有機化合物に光化
学反応を起こさせる波長であればよく、好ましくは10
0〜600nm、特に好ましくは150〜400nmで
ある。光照射の光源としては、当業者であれば必要に応
じて適宜選択することができる。たとえば高圧水銀ラン
プ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀−キセノン
ランプ、タングステンランプなどを用いて発生させた光
から、分光またはフィルターによって所望の波長の光を
選択して利用してもよい。また、たとえばAr、Kr、
He、Neなどのイオンレーザー、KrF、XeCl、
ArFなどのエキシマレーザーおよびAr、Kr、H
e、Neなどのイオンレーザーの第2高調波などを利用
することもできる。なお、このときの照射光は連続光、
パルス光のいずれであってもよいが、反応効率の点から
連続光であるのが好ましい。
【0036】
【実施例】以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではな
い。
【0037】実施例1 まず、アノード電極であるITOをコートしたガラス基
板(シート抵抗15Ω/□)をイソプロピルアルコール
で超音波洗浄し、ついで純水で洗浄し、さらにイソプロ
ピルアルコールでリンスしてただちに乾燥させた。この
基板を真空チャンバー内の基板ホルダーに導入し、10
-7Paまで真空排気を行なった後、基板を加熱処理して
表面を清浄化した。クヌーセンセルを化合物の蒸発温度
以下の温度に加熱し、あらかじめ原料中の脱ガスを行な
った。
【0038】脱ガス処理後、クヌーセンセルを加熱し、
まずアノード電極上に式(3):
【0039】
【化2】
【0040】に示すN,N′−ジフェニル−N,N′−
ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニ
ル]−4,4′−ジアミン(TPD)からなるホール輸
送層(厚さ100nm)を作製した。
【0041】つぎに、分子線蒸着法により式(4):
【0042】
【化3】
【0043】に示す1,4−ビス(2−メチルスチリ
ル)ベンゼンを用いて発光層(厚さ50nm)を作製し
た。このとき分子線強度を0.5nm/min、基板温度を2
5℃とした。
【0044】つぎに、式(5):
【0045】
【化4】
【0046】に示す2−(4−ビフェニリル)−5−
(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキ
サジアゾールを用いて前記ホール輸送層と同様にして電
子輸送層(厚さ100nm)を作製し、最後に、Mgと
Agを共蒸着させて、カソード電極(厚さ100nm、
Mg:Ag=10:1(重量比))を作製し、前述した
図1に示す構造をもつ本発明の有機EL素子をえた。
【0047】[評価方法] 配向状態 えられた有機EL素子の発光層中における分子の配向状
態を、AgもしくはAuなどの薄膜上または該薄膜上の
ホール輸送層上に素子を作製するのと同条件で作製した
発光層に対して、p−偏光のIR光を用いてIR−RA
S(IR−反射吸収スペクトル)を測定するという方
法、またはKBrおよびCaF2などの基板上もしくは
該基板上のホール輸送層上に素子を作製するのと同条件
で作製した発光層に対して、IR光の入射角度を基板に
対して傾けることによって変化させながらIRスペクト
ルを透過法で測定するという方法で調べた。分子が発光
面に沿って平行に配向しているばあいを○、平行に配向
していないばあいを×とした。
【0048】発光効率 えられた有機EL素子の発光効率(lm/w)を、素子
を積分球中にセットし、DC電圧を15V印加したとき
の全方向の発光を集め、これを分光光度計にて測定する
という方法で調べた。
【0049】発光強度分布 えられた有機ELの発光強度分布を、ゴニオステージの
サンプルホルダーに素子をセットし、DC電圧を15V
印加したときの発光をゴニオステージのアーム上に位置
する光ファイバーで受けて、これを分光器および検出機
(光電子増倍管)に導き、該光ファイバーの先端の発光
面に対する角度を変化させながら、発光強度を測定する
という方法で調べた。結果を角度0°の発光強度を1に
規格化した分布として図3に示す。図3においてBは実
施例1の結果であり、Cは後述する比較例1に記載の方
法で作製した3次元にランダムに1,4−ビス(2−メ
チルスチリル)ベンゼンが配向した比較用の発光層を持
つ有機EL素子の分布であり、その分布はほぼランベル
ト分布となっている。
【0050】えられた有機EL素子の各層に用いた材
料、発光層の作製条件および前記評価およびの結果
を表1に示す。
【0051】実施例2 発光層を作製するために用いる有機化合物を式(6):
【0052】
【化5】
【0053】に示す1,4−ビス(エチニルスチニル)
ベンゼンのシス−シス体とし、蒸着させる際に、基板温
度を40℃にし、KrFエキシマレーザーにより2mJ
/cm2、1Hzの条件で248nmの光を照射して式
(7):
【0054】
【化6】
【0055】に示すトランス−トランス体に異性化させ
て発光層を作製し、さらにアルミニウムを用いてカソー
ド電極(厚さ50nm)を作製したほかは実施例1と同
様にして本発明による有機EL素子を製造した。
【0056】えられた有機EL素子について実施例1と
同じ評価を行なった。結果を表1に示す。またの発光
強度分布は実施例1と同様のシャープな分布であった。
【0057】実施例3 発光層を作製するために用いる有機化合物を式(8):
【0058】
【化7】
【0059】に示す1,4−ビフェニルジチオールと式
(9):
【0060】
【化8】
【0061】に示す1,4−ビフェニルジエチニルと
し、共蒸着させたほかは実施例2と同様にして本発明に
よる有機EL素子を製造した。
【0062】えられた有機EL素子について実施例1と
同じ評価を行った。結果を表1に示す。また、の発光
強度分布は実施例1と同様のシャープな分布であった。
【0063】比較例 分子線強度を20nm/minにかえたほかは実施例1と同様
にして比較用有機EL素子をえ、実施例1と同じ評価を
行なった。結果を表1に示す。また、の発光強度分布
については図3のCに示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、比較的簡易な方法で分
子が発光面に平行に配向してなる発光層を作製すること
ができ、かかる発光層を有することにより発光効率の向
上した有機EL素子を提供することができる。
【0066】また、発光の方向が発光面に対して垂直方
向に選択的に絞られるために、横方向への発光によって
素子内部でロスする割合が抑制され、結果的に素子全体
としての発光効率が向上する。
【0067】本発明によれば、光化学反応を加えたプロ
セスにより容易に発光面に平行な方向にだけ配向した分
子からなる発光層を作製することができる。
【0068】また、本発明によれば、シス−トランス光
異性化を加えた蒸着プロセスにより発光面に平行な方向
にだけ配向した分子からなる発光層を作製することがで
きる。
【0069】さらに、本発明によれば、プロセス中に1
種または2種以上の有機化合物を光重合反応または光分
子間反応させることにより容易に発光面に平行な方向に
だけ配向した分子からなる発光層を作製することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の有機EL素子の基本構造を示す概略
断面図である。
【図2】 分子蒸着法を用いた製造装置の概略断面図で
ある。
【図3】 本発明の実施例1および比較例でえた有機E
L素子の発光強度分布を示すランベルト分布である。
【図4】 従来の有機EL素子の基本構造を示す概略断
面図である。
【符号の説明】
1 基板、2 アノード電極、3 ホール輸送層、4
発光層、5 電子輸送層、6 カソード電極、7 有機
化合物、8 発光面、10 成長室、11 クヌーセン
セル、12 分子線、13 光源。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アノード電極層とカソード電極層で有機
    化合物からなる発光層を挟持してなる有機エレクトロル
    ミネッセンス素子であって、前記発光層が真空中でのド
    ライプロセスによって形成され、かつ前記発光層を構成
    する有機化合物分子が発光面に対して平行に配向してな
    る有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 【請求項2】 発光層の有機化合物の配向をドライプロ
    セス中の光照射による光化学反応により形成する請求項
    1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 光化学反応がシス−トランス光異性化反
    応である請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 光化学反応が1種もしくは2種以上の有
    機化合物分子の重合反応または分子間反応である請求項
    2記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかに記載の方法に
    よりえられる有機エレクトロルミネッセンス素子。
JP9261195A 1997-09-26 1997-09-26 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 Pending JPH11102783A (ja)

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Cited By (15)

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