JP2004324767A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 管継手のバルブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管継手の継手部材の流体通路内に設けられたバルブにおいて、
上記流体通路の壁面に設けられた環状の弁座に当接する環状面を含む外側表面と、
該環状面に設けられた環状溝と、
該環状溝に配置されたシールリングと、
該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて該外側表面に開口している流体抜け通路と
を有し、
該シールリングが該弁座に当接し該流体通路を閉鎖する閉位置と該弁座から後方へ離れ該流体通路を開放する開位置との間で可動とされていることを特徴とするバルブ。
【請求項2】
請求項1に記載のバルブにおいて、
該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて、該環状溝よりも後方において該外側表面に開口していることを特徴とするバルブ。
【請求項3】
請求項1に記載のバルブにおいて、
該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から該環状溝の側壁に沿って設けられて、該環状溝の溝底又は溝底の近傍と該環状面との間に延びる細長い溝であることを特徴とするバルブ。
【請求項4】
請求項1に記載のバルブにおいて、
該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて、該環状溝よりも前方において該外側表面に開口していることを特徴とするバルブ。
【請求項5】
管継手の継手部材において、
流体通路と、該流体通路の壁面に形成された環状の弁座とを有する継手本体と、
該継手本体の該流体通路に設けられるバルブと
を有し、
該バルブが、
該弁座に当接する環状面を含む外側表面と、該環状溝に装着されるシールリングと、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて該外側面に開口している流体抜け通路とを有し、
該シールリングが該弁座に当接し該流体通路を閉鎖する閉位置と、該シールリングが該弁座から後方に離れ該流体通路を開放する開位置との間で可動とされていることを特徴とする管継手の継手部材。
【請求項6】
請求項5に記載の継手部材において、
該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて、該環状溝の後方において該外側表面に開口していることを特徴とする継手部材。
【請求項7】
請求項5に記載の継手部材において、
該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から該環状溝の側壁に沿って設けられ、該環状溝の溝底又は溝底の近傍と該環状面との間に延びる溝であることを特徴とする継手部材。
【請求項8】
請求項5に記載の継手部材において、
該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて、該環状溝の前方において該外側表面に開口していることを特徴とする継手部材。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、管継手に関し、特に管継手に設けられるバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ソケットとプラグとから構成される管継手においては、流体通路を開閉するためのバルブがソケット内の流体通路とプラグ内の流体通路の双方或いは何れか一方に設けられている。かかる管継手のバルブとして、流体通路に形成した弁座に対して接離する弁頭を先端部に有し、該弁頭の外周溝にシールリングを装着した管継手のバルブが知られている。
【0003】
図5はかかる管継手のバルブの一部分を示す縦半断面図である。図において、50はバルブであり、このバルブ50は、ソケット或いはプラグを構成する継手本体51内の流体通路52に図示しないスプリングによって前進方向に付勢されて設けられている。バルブ50は、その先端部に、流体通路52に形成した弁座53に接離して流体通路52を開閉する略円錐台形の弁頭54を有している。弁頭54の外周溝55にはゴムで形成されたシールリング56が装着されている。
かかる外周溝55内のシールリング56は、弁頭54の底部外周溝57を先端方向に加締めることにより、外周溝55内に挟着され、外周溝55からの抜け出しが防止されている。
【0004】
このようなバルブを開示する先行技術として以下のようなものがある。
【特許文献1】 実開昭58−187687号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなバルブにおいては、図に示すように、弁頭54が弁座53に当接し、流体通路52が閉じた状態で該流体通路52が高圧状態にある場合、流体通路52内における高圧流体が、シールリング56の内部やシールリング56との外周溝55内の側部58との間を透過又は/及び進入して、次第にシールリング56との外周溝55内の溝底59との間に蓄圧されることがある。
【0006】
このように外周溝55内の溝底59に高圧流体が蓄圧されている場合に、高圧状態となっていた前記流体通路52が急激に脱圧されると、外周溝55内の溝底59に蓄圧された高圧流体が、脱圧されて圧力が低くなった流体通路52に出ようとする。かかる高圧流体により、外周溝55内のシールリング56は外周溝55の外側に向かって押圧される。これにより、外周溝55から抜け出したシールリング56が弁座53を押圧することによりスプリングの弾発力に抗してバルブ50が後退して、図6のようにシールリング56が外周溝55から抜け出してしまうおそれがある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような従来の管継手の問題に鑑みてなされたものである。
【0008】
すなわち本発明は、
管継手の継手部材の流体通路内に設けられたバルブにおいて、
上記流体通路の壁面に設けられた環状の弁座に当接する環状面を含む外側表面と、
該環状面に設けられた環状溝と、
該環状溝に配置されたシールリングと、
該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて該外側表面に開口している流体抜け通路と
を有し、
該シールリングが該弁座に当接し該流体通路を閉鎖する閉位置と該弁座から後方へ離れ該流体通路を開放する開位置との間で可動とされているバルブを提供する。
【0009】
具体的には、上記バルブにおいて、該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて、該環状溝よりも後方において該外側表面に開口しているものとすることができる。
【0010】
更に他の具体例としては、上記バルブにおいて、該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から該環状溝の側壁に沿って設けられて、該環状溝の溝底又は溝底の近傍と該環状面との間に延びる細長い溝とすることができる。
【0011】
更に他の具体例としては、上記バルブにおいて、該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて、該環状溝よりも前方において該外側表面に開口しているものとすることができる。
【0012】
また、管継手の継手部材において、
流体通路と、該流体通路の壁面に形成された環状の弁座とを有する継手本体と、
該継手本体の該流体通路に設けられるバルブと
を有し、
該バルブが、
該弁座に当接する環状面を含む外側表面と、該環状溝に装着されるシールリングと、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて該外側面に開口している流体抜け通路とを有し、
該シールリングが該弁座に当接し該流体通路を閉鎖する閉位置と、該シールリングが該弁座から後方に離れ該流体通路を開放する開位置との間で可動とされていることを特徴とする管継手を提供する。
【0013】
具体的には、管継手の継手部材において、該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて、該環状溝の後方において該外側表面に開口しているものとすることができる。
【0014】
更に他の具体例としては、管継手の継手部材において、該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から該環状溝の側壁に沿って設けられ、該環状溝の溝底又は溝底の近傍と該環状面との間に延びる溝とすることができる。
【0015】
更に他の具体例としては、管継手の継手部材において、該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて、該環状溝の前方において該外側表面に開口しているものとすることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、シールリングを装着するためにバルブに設けられる環状溝の溝底若しくはその近傍から延びて、当該バルブの外表面に開口する流体抜け通路を形成したので、管継手の連結解除等によって、該バルブ周囲の圧力が急激に減圧されたとしても、環状溝の溝底の圧力は直ちにバルブ周囲の圧力と等しくなるので、シールリングを環状溝の外に押し出すような圧力は働かず、従って、前述の従来のものにおいて生じていたシールリングの抜け出しを防止することが出来る。
【発明の実施の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明に係る管継手のバルブの実施の形態について説明する。
図1は本発明に係るバルブを内装した管継手を示す縦半断面図、図2は図1に示す管継手を構成するプラグに内装された実施の形態の第1例に係るバルブの一部分を示す縦半断面図である。
【0018】
図1において、1は本例のバルブを内装した管継手であり、この管継手1は、プラグ2とソケット3とから構成されている。プラグ2の流体通路4とソケット3の流体通路5には、本例のバルブ6、6が設けられている。
【0019】
プラグ2のバルブ6は、プラグ2内に設けられたバルブ受け体7の貫通孔8にその一部が挿入され、該バルブ受け体7との間に介装されたスプリング9により前方に付勢されている。
【0020】
かかるプラグ2のバルブ6は、その先端部に略円錐台形の弁頭10を有している。弁頭10は、プラグ本体2aの内周面を縮径させて流体通路4に形成された弁座11に対して接離するようになっていて、これにより、流体通路4が開閉するようになっている。
【0021】
弁頭10には、図2に示すように外周溝12が形成されており、この外周溝12にゴムで形成されたシールリング13が装着されている。
【0022】
外周溝12内のシールリング13は、弁頭10の底部外周14を先端方向に向かって加締めることにより、外周溝12内に挟着されている。
【0023】
弁頭10の底部外周14には、外周溝12内の溝底15から流体通路4に通じる流体抜け通路16が形成されている。この流体抜け通路16は、本例では外周溝12の側部17側に溝底15から流体通路4まで貫通形成された貫通孔で構成されている。
【0024】
前記ソケット3のバルブ6も、ソケット3内に設けられたバルブ受け体7の貫通孔8にその一部が挿入され、該バルブ受け体7との間に介装されたスプリング9により前方に付勢されている。かかるソケット3のバルブ6もプラグ2のバルブ6と同様の構成となっており、その詳細な説明については省略する。
【0025】
18はソケット3内に挿入したプラグ2を施錠し、または施錠を解除するための施錠機構である。この施錠機構18は、ソケット本体3aの先端部に形成された施錠子嵌合孔19に求遠心方向に出没自在に嵌合しプラグ本体2aの外周に形成された施錠子係合溝20に係合する施錠子21と、ソケット本体3aの先端部外周に摺動自在に嵌合し、スプリング22に付勢されて前進して前記施錠子21を求心方向に押圧し、後退してその押圧を解放するスリーブ23とを備えて構成されている。
【0026】
例えば、プラグ2が高圧流体源に接続されており、ソケット3が高圧流体源からの高圧流体を受ける機材に接続されたものである場合、プラグ2内の流体通路4は図1に示すようにソケット3から離された状態では、高圧とされている。
このプラグ2をソケット3に接続すると、該プラグ2及びソケット3のバルブ6が開き、プラグ2がソケット3への流体の流れが生じる。従って、プラグ2内の流体通路4の圧力は低下する。しかし、この実施例に係るプラグの外周溝12の溝底15は流体抜け通路16を介して流体通路4に連通しているので、シールリング13の外側及び内側に差圧が生じることはなく、従って前述した従来のものの如く、シールリング13が外周溝12から抜け出ることはない。
【0027】
次に本発明に係る管継手のバルブの実施の形態の第2例について説明する。図3は本例のバルブの一部分を示す縦半断面図である。
【0028】
図に示す本例のバルブ30においては、流体抜け通路31は、弁頭10の外周溝12内の溝底15から流体通路4外に通じるようにして貫通形成された貫通孔により構成されている。その他の構成については、上記実施の形態の第1例と同様の構成となっており、対応する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0029】
次に本発明に係る管継手のバルブの実施の形態の第3例について説明する。図4は本例のバルブの一部分を示す縦半断面図である。
【0030】
本例のバルブ40においては、流体抜け通路41は、外周溝12内の底部外周14側の側部17に形成されている。より具体的には、流体抜け通路41は、外周溝12内の底部外周14側の側部17の一部を切り欠くようにして形成された溝により構成されている。かかる溝により構成された流体抜け通路41は、弁頭10の外周溝12内の溝底15から流体通路4内に通じるようにして形成されている。その他の構成については、上記実施の形態の第1例と同様の構成となっており、対応する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】
本発明に係るバルブを内装した管継手を示す縦半断面図。
【図2】
図1に示す管継手を構成するプラグに内装された実施の形態の第1例に係るバルブの一部分を示す縦半断面図。
【図3】
実施の形態の第2例の管継手のバルブの一部分を示す縦半断面図。
【図4】
実施の形態の第3例の管継手のバルブの一部分を示す縦半断面図。
【図5】
従来の管継手のバルブの一部分を示す縦半断面図。
【図6】
図5に示す状態から、外周溝内のシールリングが抜け出る状態を示す図。
【符号の説明】
【0032】
1 管継手
2 プラグ
2a プラグ本体
3 ソケット
3a ソケット本体
4、5 流体通路
6、30、40 バルブ
7 バルブ受け体
8 貫通孔
9 スプリング
10 弁頭
11 弁座
12 外周溝
13 シールリング
14 底部外周
15 溝底
16、31、41 流体抜け通路
17 側部
18 施錠機構
19 施錠子嵌合孔
20 施錠子係合溝
21 施錠子
22 スプリング
23 スリーブ
【発明の名称】 管継手のバルブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管継手の継手部材の流体通路内に設けられたバルブにおいて、
上記流体通路の壁面に設けられた環状の弁座に当接する環状面を含む外側表面と、
該環状面に設けられた環状溝と、
該環状溝に配置されたシールリングと、
該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて該外側表面に開口している流体抜け通路と
を有し、
該シールリングが該弁座に当接し該流体通路を閉鎖する閉位置と該弁座から後方へ離れ該流体通路を開放する開位置との間で可動とされていることを特徴とするバルブ。
【請求項2】
請求項1に記載のバルブにおいて、
該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて、該環状溝よりも後方において該外側表面に開口していることを特徴とするバルブ。
【請求項3】
請求項1に記載のバルブにおいて、
該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から該環状溝の側壁に沿って設けられて、該環状溝の溝底又は溝底の近傍と該環状面との間に延びる細長い溝であることを特徴とするバルブ。
【請求項4】
請求項1に記載のバルブにおいて、
該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて、該環状溝よりも前方において該外側表面に開口していることを特徴とするバルブ。
【請求項5】
管継手の継手部材において、
流体通路と、該流体通路の壁面に形成された環状の弁座とを有する継手本体と、
該継手本体の該流体通路に設けられるバルブと
を有し、
該バルブが、
該弁座に当接する環状面を含む外側表面と、該環状溝に装着されるシールリングと、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて該外側面に開口している流体抜け通路とを有し、
該シールリングが該弁座に当接し該流体通路を閉鎖する閉位置と、該シールリングが該弁座から後方に離れ該流体通路を開放する開位置との間で可動とされていることを特徴とする管継手の継手部材。
【請求項6】
請求項5に記載の継手部材において、
該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて、該環状溝の後方において該外側表面に開口していることを特徴とする継手部材。
【請求項7】
請求項5に記載の継手部材において、
該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から該環状溝の側壁に沿って設けられ、該環状溝の溝底又は溝底の近傍と該環状面との間に延びる溝であることを特徴とする継手部材。
【請求項8】
請求項5に記載の継手部材において、
該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて、該環状溝の前方において該外側表面に開口していることを特徴とする継手部材。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、管継手に関し、特に管継手に設けられるバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ソケットとプラグとから構成される管継手においては、流体通路を開閉するためのバルブがソケット内の流体通路とプラグ内の流体通路の双方或いは何れか一方に設けられている。かかる管継手のバルブとして、流体通路に形成した弁座に対して接離する弁頭を先端部に有し、該弁頭の外周溝にシールリングを装着した管継手のバルブが知られている。
【0003】
図5はかかる管継手のバルブの一部分を示す縦半断面図である。図において、50はバルブであり、このバルブ50は、ソケット或いはプラグを構成する継手本体51内の流体通路52に図示しないスプリングによって前進方向に付勢されて設けられている。バルブ50は、その先端部に、流体通路52に形成した弁座53に接離して流体通路52を開閉する略円錐台形の弁頭54を有している。弁頭54の外周溝55にはゴムで形成されたシールリング56が装着されている。
かかる外周溝55内のシールリング56は、弁頭54の底部外周溝57を先端方向に加締めることにより、外周溝55内に挟着され、外周溝55からの抜け出しが防止されている。
【0004】
このようなバルブを開示する先行技術として以下のようなものがある。
【特許文献1】 実開昭58−187687号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなバルブにおいては、図に示すように、弁頭54が弁座53に当接し、流体通路52が閉じた状態で該流体通路52が高圧状態にある場合、流体通路52内における高圧流体が、シールリング56の内部やシールリング56との外周溝55内の側部58との間を透過又は/及び進入して、次第にシールリング56との外周溝55内の溝底59との間に蓄圧されることがある。
【0006】
このように外周溝55内の溝底59に高圧流体が蓄圧されている場合に、高圧状態となっていた前記流体通路52が急激に脱圧されると、外周溝55内の溝底59に蓄圧された高圧流体が、脱圧されて圧力が低くなった流体通路52に出ようとする。かかる高圧流体により、外周溝55内のシールリング56は外周溝55の外側に向かって押圧される。これにより、外周溝55から抜け出したシールリング56が弁座53を押圧することによりスプリングの弾発力に抗してバルブ50が後退して、図6のようにシールリング56が外周溝55から抜け出してしまうおそれがある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような従来の管継手の問題に鑑みてなされたものである。
【0008】
すなわち本発明は、
管継手の継手部材の流体通路内に設けられたバルブにおいて、
上記流体通路の壁面に設けられた環状の弁座に当接する環状面を含む外側表面と、
該環状面に設けられた環状溝と、
該環状溝に配置されたシールリングと、
該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて該外側表面に開口している流体抜け通路と
を有し、
該シールリングが該弁座に当接し該流体通路を閉鎖する閉位置と該弁座から後方へ離れ該流体通路を開放する開位置との間で可動とされているバルブを提供する。
【0009】
具体的には、上記バルブにおいて、該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて、該環状溝よりも後方において該外側表面に開口しているものとすることができる。
【0010】
更に他の具体例としては、上記バルブにおいて、該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から該環状溝の側壁に沿って設けられて、該環状溝の溝底又は溝底の近傍と該環状面との間に延びる細長い溝とすることができる。
【0011】
更に他の具体例としては、上記バルブにおいて、該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて、該環状溝よりも前方において該外側表面に開口しているものとすることができる。
【0012】
また、管継手の継手部材において、
流体通路と、該流体通路の壁面に形成された環状の弁座とを有する継手本体と、
該継手本体の該流体通路に設けられるバルブと
を有し、
該バルブが、
該弁座に当接する環状面を含む外側表面と、該環状溝に装着されるシールリングと、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて該外側面に開口している流体抜け通路とを有し、
該シールリングが該弁座に当接し該流体通路を閉鎖する閉位置と、該シールリングが該弁座から後方に離れ該流体通路を開放する開位置との間で可動とされていることを特徴とする管継手を提供する。
【0013】
具体的には、管継手の継手部材において、該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて、該環状溝の後方において該外側表面に開口しているものとすることができる。
【0014】
更に他の具体例としては、管継手の継手部材において、該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から該環状溝の側壁に沿って設けられ、該環状溝の溝底又は溝底の近傍と該環状面との間に延びる溝とすることができる。
【0015】
更に他の具体例としては、管継手の継手部材において、該流体抜け通路は、該環状溝の溝底又は溝底の近傍から延びて、該環状溝の前方において該外側表面に開口しているものとすることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、シールリングを装着するためにバルブに設けられる環状溝の溝底若しくはその近傍から延びて、当該バルブの外表面に開口する流体抜け通路を形成したので、管継手の連結解除等によって、該バルブ周囲の圧力が急激に減圧されたとしても、環状溝の溝底の圧力は直ちにバルブ周囲の圧力と等しくなるので、シールリングを環状溝の外に押し出すような圧力は働かず、従って、前述の従来のものにおいて生じていたシールリングの抜け出しを防止することが出来る。
【発明の実施の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明に係る管継手のバルブの実施の形態について説明する。
図1は本発明に係るバルブを内装した管継手を示す縦半断面図、図2は図1に示す管継手を構成するプラグに内装された実施の形態の第1例に係るバルブの一部分を示す縦半断面図である。
【0018】
図1において、1は本例のバルブを内装した管継手であり、この管継手1は、プラグ2とソケット3とから構成されている。プラグ2の流体通路4とソケット3の流体通路5には、本例のバルブ6、6が設けられている。
【0019】
プラグ2のバルブ6は、プラグ2内に設けられたバルブ受け体7の貫通孔8にその一部が挿入され、該バルブ受け体7との間に介装されたスプリング9により前方に付勢されている。
【0020】
かかるプラグ2のバルブ6は、その先端部に略円錐台形の弁頭10を有している。弁頭10は、プラグ本体2aの内周面を縮径させて流体通路4に形成された弁座11に対して接離するようになっていて、これにより、流体通路4が開閉するようになっている。
【0021】
弁頭10には、図2に示すように外周溝12が形成されており、この外周溝12にゴムで形成されたシールリング13が装着されている。
【0022】
外周溝12内のシールリング13は、弁頭10の底部外周14を先端方向に向かって加締めることにより、外周溝12内に挟着されている。
【0023】
弁頭10の底部外周14には、外周溝12内の溝底15から流体通路4に通じる流体抜け通路16が形成されている。この流体抜け通路16は、本例では外周溝12の側部17側に溝底15から流体通路4まで貫通形成された貫通孔で構成されている。
【0024】
前記ソケット3のバルブ6も、ソケット3内に設けられたバルブ受け体7の貫通孔8にその一部が挿入され、該バルブ受け体7との間に介装されたスプリング9により前方に付勢されている。かかるソケット3のバルブ6もプラグ2のバルブ6と同様の構成となっており、その詳細な説明については省略する。
【0025】
18はソケット3内に挿入したプラグ2を施錠し、または施錠を解除するための施錠機構である。この施錠機構18は、ソケット本体3aの先端部に形成された施錠子嵌合孔19に求遠心方向に出没自在に嵌合しプラグ本体2aの外周に形成された施錠子係合溝20に係合する施錠子21と、ソケット本体3aの先端部外周に摺動自在に嵌合し、スプリング22に付勢されて前進して前記施錠子21を求心方向に押圧し、後退してその押圧を解放するスリーブ23とを備えて構成されている。
【0026】
例えば、プラグ2が高圧流体源に接続されており、ソケット3が高圧流体源からの高圧流体を受ける機材に接続されたものである場合、プラグ2内の流体通路4は図1に示すようにソケット3から離された状態では、高圧とされている。
このプラグ2をソケット3に接続すると、該プラグ2及びソケット3のバルブ6が開き、プラグ2がソケット3への流体の流れが生じる。従って、プラグ2内の流体通路4の圧力は低下する。しかし、この実施例に係るプラグの外周溝12の溝底15は流体抜け通路16を介して流体通路4に連通しているので、シールリング13の外側及び内側に差圧が生じることはなく、従って前述した従来のものの如く、シールリング13が外周溝12から抜け出ることはない。
【0027】
次に本発明に係る管継手のバルブの実施の形態の第2例について説明する。図3は本例のバルブの一部分を示す縦半断面図である。
【0028】
図に示す本例のバルブ30においては、流体抜け通路31は、弁頭10の外周溝12内の溝底15から流体通路4外に通じるようにして貫通形成された貫通孔により構成されている。その他の構成については、上記実施の形態の第1例と同様の構成となっており、対応する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0029】
次に本発明に係る管継手のバルブの実施の形態の第3例について説明する。図4は本例のバルブの一部分を示す縦半断面図である。
【0030】
本例のバルブ40においては、流体抜け通路41は、外周溝12内の底部外周14側の側部17に形成されている。より具体的には、流体抜け通路41は、外周溝12内の底部外周14側の側部17の一部を切り欠くようにして形成された溝により構成されている。かかる溝により構成された流体抜け通路41は、弁頭10の外周溝12内の溝底15から流体通路4内に通じるようにして形成されている。その他の構成については、上記実施の形態の第1例と同様の構成となっており、対応する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】
本発明に係るバルブを内装した管継手を示す縦半断面図。
【図2】
図1に示す管継手を構成するプラグに内装された実施の形態の第1例に係るバルブの一部分を示す縦半断面図。
【図3】
実施の形態の第2例の管継手のバルブの一部分を示す縦半断面図。
【図4】
実施の形態の第3例の管継手のバルブの一部分を示す縦半断面図。
【図5】
従来の管継手のバルブの一部分を示す縦半断面図。
【図6】
図5に示す状態から、外周溝内のシールリングが抜け出る状態を示す図。
【符号の説明】
【0032】
1 管継手
2 プラグ
2a プラグ本体
3 ソケット
3a ソケット本体
4、5 流体通路
6、30、40 バルブ
7 バルブ受け体
8 貫通孔
9 スプリング
10 弁頭
11 弁座
12 外周溝
13 シールリング
14 底部外周
15 溝底
16、31、41 流体抜け通路
17 側部
18 施錠機構
19 施錠子嵌合孔
20 施錠子係合溝
21 施錠子
22 スプリング
23 スリーブ
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