JP2004323066A - ガス充填包装機 - Google Patents

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Toshio Ishiwatari
敏夫 石渡
Tatsuya Asari
達也 浅利
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Tosei Denki Corp
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Abstract

【課題】ノズル挿入位置の袋部分をガスノズル外周に気密性良く密着させて充填ガス漏れを防止し、包装袋を膨満状態にガス充填でき、包装完了後の包装体の保形性を高め得るガス充填包装機を提供する。
【解決手段】包装領域内に設けられた包装袋21の開口部を上下の封止ブロック31a、31bで圧接して封止する封止機構部6と、包装袋21内を脱気する真空ポンプと、脱気した包装袋21内にガスを充填するガスノズル5とを備えたガス充填包装機であって、被包装物22を収納した包装袋21の開口部内に挿入するガスノズル5の上下に、そのノズル挿入位置の袋部分を上下から挟持する袋押さえ部材23a、23bを設け、これら上下の袋押さえ部材23a、23bとしてゲル材40を装着した。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被包装物を包装袋に収納した状態で内部に不活性ガスや酸素等を充填し、包装袋の開口部を封止するガス充填包装機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、食品等の被包装物を樹脂フィルム製などの包装袋内に収納した状態で不活性ガス等を充填し、包装袋の開口部を封止する真空包装機は、例えば、特開2002−19723号公報(特許文献1)に開示されている。
【0003】
この特許文献1に記載の発明は、チャンバ内にセットされた包装袋の開口部にノズルを差し込んで不活性ガスを充填するとともに、上記開口部を上封止部材と下封止部材とで圧接して封止する機構と、チャンバ内を減圧する真空ポンプとを備えている。したがって、この真空包装機は食品等を収納した包装袋の周り全体を減圧してから包装袋内に不活性ガス等を充填して封止することができる。
【0004】
近年、ガス充填包装機は、例えば、活魚介類の個別パッキング等に用いることが注目されているが、従来の個別パッキングは逆止弁付きの包装袋内に海水や成分調整した人工海水とともに活魚介類を収納し、そのまま酸素充填している。すなわち、従来は魚介類を活きたまま輸送する手段として輸送車に水槽を取り付け、この水槽内に種々の魚介類を入れて輸送するという方法が採られていたが、この方法では輸送コストが高い上に輸送途中に魚介類が死んでしまうことも珍しくなく、非常にリスクの高い輸送方法であったが、活魚介類を個別パッキングして輸送する方法は、大きな水槽を必要としないので輸送コストが抑えられることから採用されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−19723号公報(図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の逆止弁付きの包装袋を用いた活魚介類の個別包装は、逆止弁付きの包装袋のコストが高く、ランニングコストが高くなってしまう。また、逆止弁付きの包装袋に活魚介類および海水または人工海水を収納するのに手間がかかり、作業が煩雑である。さらに、酸素の充填は作業者の目安で行っていたため、酸素濃度がばらついていた。
【0007】
そこで、普通の包装袋を用い、該包装袋内に被包装物を収納して、包装袋内を脱気した後にガス充填を行い、包装袋の開口部を熱溶着により封止するガス充填包装機の活魚介類の個別パッキングへの応用が注目されるが、以下に説明するような種々の課題があった。すなわち、従来のガス充填包装機は、被包装物を収納した包装袋の開口部内にガスノズルを挿入して、そのノズル挿入位置の袋部分を上下の発泡材製の袋押さえ部材で挟持したとしても、その袋部分のガスノズルの外周に対する馴染みが悪くて気密性が低く、また包装袋の保持力が不十分であった。したがって、ガスノズルの外周近傍に形成された隙間から充填ガスが漏れてしまったり包装袋が外れてしまう不都合があった。このため、包装袋を膨満状態にガス充填することができず、包装を完了した包装体の保形性が悪く、特に活魚介類の個別包装に用いる場合には包装体が撓んで取り扱い難かった。
【0008】
また、従来のガス充填包装機では、ガス充填した包装袋を上下の封止ブロックで圧接して熱溶着しようとする際に、包装袋内に充満したガスの膨張力が包装袋を構成しているフィルムを引き伸ばす引張力として作用し、これにより熱で柔らかくなった部分を引き伸ばしてしまい、包装袋のフィルムが薄くなり過ぎて熱溶着が首尾良く行えない場合(例えば、熱溶着部分が破れたり溶着不良)があるという不具合が生じていた。
【0009】
また、ガスノズルのノズル口の断面形状が円筒体状に形成されていたため、上記袋押さえ部材が包装袋を介してノズル口の周囲に密着し難く、そのため、気密性が不足し、また、包装袋の開口部がガスノズルから離脱し易かった。
【0010】
さらに、包装袋内の脱気操作や、包装袋内へのガス充填を行うガスノズルが固定式であったため、被包装物を収納した包装袋の開口部内にガスノズルを挿入する作業が煩雑であった。その対策として、また、包装袋内の奥まで挿入できるようにするために前後移動式のガスノズルも開発されているが、装置が大掛かりになり、移動に伴ってアクセス時間がかかっていた。
【0011】
そして、ガス充填する前に、ガスノズルにより被包装物を収納した包装袋内を脱気しているが、ガスノズルの外周に包装袋の開口部を気密性良く密着させると、包装袋を構成している上下のフィルムが接近し、ガスノズルの脱気力が強過ぎるとノズル口の前方で上下のフィルムが密着してしまったり、或いはフィルムがノズル口に吸着されて口を閉塞してしまい、包装袋内に空気が残っていても脱気できない不都合が生じる。
【0012】
加えて、脱気操作を行う際、ガスノズルから被包装物の一部や液汁等を吸い込んでしまっても、ガスノズルに連通する吸気系内を清掃する手段がなく、衛生上好ましくなく、また、吸気系が腐食する虞れがあった。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、ノズル挿入位置の袋部分をガスノズルの外周に気密性良く密着させて充填ガスの漏れを防止し、包装袋を膨満状態にガス充填することができ、さらには、ガス充填した包装袋の封止不良を防止できるガス充填包装機を提供することにある。
【0014】
また、本発明の第2の目的は、ガスノズルの外周に対する袋押さえ部材の包装袋を介した密着性を改善し、包装袋の開口部がガスノズルから離脱するのを防止することができるガス充填包装機を提供することにある。
【0015】
さらに、本発明の第3の目的は、簡単な構造で、被包装物を収納した包装袋の開口部内にガスノズルを挿入する作業を容易かつ迅速に行うことができるガス充填包装機を提供することにある。
【0016】
そして、本発明の第4の目的は、包装袋をガスノズルの外周に気密性良く密着させても、ガスノズルの口やその前方で上下の包装袋が密着することがなく、包装袋内の脱気操作を良好に継続することができるガス充填包装機を提供することにある。
【0017】
加えて、本発明の第5の目的は、ガスノズルに連通する吸気系内を容易に清掃できるガス充填包装機を提供することにある。
【0018】
ひいては、活魚介類の包装に使用する場合に、ランニングコストが安く、包装袋に活魚介類および海水または人工海水を収納するのが簡単かつ容易であり、所定量の酸素を充填することができるガス充填包装機を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、包装領域にセットされた包装袋の開口部を上下の封止ブロックで圧接して熱溶着する封止機構部と、上記包装袋内を脱気した後にガスを充填するガスノズルとを備え、被包装物を包装袋に収納した状態で該袋内にガスを充填し、包装袋の開口部を熱溶着により封止するガス充填包装機において、
上記被包装物を収納した包装袋の開口部内に挿入するガスノズルの上方及び下方に、そのノズル挿入位置の袋部分を上下から挟持する袋押さえ部材を設け、これら上下の袋押さえ部材としてゲル材を装着したことを特徴とする。
【0020】
なお、ここでゲルとは、コロイド粒子が連なったり、高分子鎖が架橋したりして網目構造を形成し、流動性を失って多少の弾性と硬さをもってゼリー状に固化したものをいう。
【0021】
請求項2に記載のものは、前記封止ブロックの圧接面に、包装袋の封止部よりも収納部側に位置する非加熱部分を押圧して挟持する押圧挟持部を設け、包装袋体の非加熱部分を上記押圧挟持部により挟持しながら熱溶着することを特徴とする請求項1に記載のガス充填包装機である。
【0022】
請求項3に記載のものは、前記押圧挟持部が、上下の封止ブロックの相対向する圧接面のいずれか一面において、ヒーターよりも包装袋の収納部側に形成された突起部により構成されていることを特徴とする請求項2に記載のガス充填包装機である。
【0023】
請求項4に記載のものは、前記ガスノズルの少なくとも前記袋押さえ部材による挟持部分を偏平形状としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のガス充填包装機である。
【0024】
請求項5に記載のものは、前記ガスノズルをそのノズル口が上下方向に回動するように、ノズル基部側を支点として首振り可能に設け、付勢手段により上記ノズル口を下方の袋押さえ部材に押し付けるように付勢していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のガス充填包装機である。
【0025】
請求項6に記載のものは、前記ガスノズルと真空ポンプとを結ぶ吸気系に、脱気力を調整する調整手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のガス充填包装機である。
【0026】
請求項7に記載のものは、前記ガスノズルと真空ポンプとを結ぶ吸気系に、該吸気系内に清掃流体を導入する清掃用切替弁を設けたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のガス充填包装機である。
【0027】
請求項8に記載のものは、前記ガスノズルとガス供給源とを結ぶガス供給系に圧力センサーを設け、該圧力センサーからの信号により包装袋内の充填ガス圧力が所定圧力に到達したことを検知すると前記封止機構部を作動させる制御装置を設けたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のガス充填包装機である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明のガス充填包装機の全体外観を示す斜視図、図2はガス充填包装機の正面図、図3はその側面図、図4はガス充填包装機の内部構造を示す主要部の模式図、図5はガス充填包装機における封止機構部および袋押さえ部材の一例を示す要部拡大図である。
【0029】
これらの図面に示すように、本実施形態のガス充填包装機1は、筐体2の上部に、載置トレイ29を筐体2の後方に向かって下り傾斜させた状態で設けるとともに、筐体2の後半寄りの両側に配置した支軸9を中心として開閉可能なカバー状のアーム3を設け、該アーム3が被さって区画される包装領域4内の筐体前面寄りには複数のガスノズル5を筐体2の後方に向けて設けるとともに、ガスノズル5の先端近傍に、包装袋21の開口部を封止する封止機構部6を設け、筐体2内には真空ポンプ19や切替弁、及び制御装置(図示せず)などを設け、アーム3の自由端側に位置する筐体2の前面に操作パネル7を設けてある。
【0030】
包装領域4は、矩形皿状の基台プレート8と、この基台プレート8の上面を覆うように開閉するアーム3とによって囲まれる。そして、アーム3は、基端に設けた支軸9により基台プレート8に対して回動(開閉)自在に支持され、筐体2の側面に設けたロック機構10により閉止状態でロックされるように構成されている。ロック機構10は、図2及び図3に示すように、アーム3の先端カバー部分内の一側に設けられたピン11に、基台プレート8の一側において回動するように設けられたフック12が係合することによりロックされるように構成されている。そして、フック12の操作は、屈曲させたフック基端部12aを、回動軸13を支点としてソレノイド14により回動させることにより行う。
【0031】
アーム3は、支軸9の近傍のアーム基端部3aに取り付けられたスプリング15によって常に開放方向に付勢されており、ロック機構10のフック12をピン11から解除すると、アーム3は自動的に開放するように構成されている。また、アーム3が包装領域4を上方から被さるようにして閉じられたときには、アーム基端部3aがリミットスイッチ16に接触して、アーム3の閉状態を検知するように成っている。
【0032】
包装領域4の開放側端部(前部)近くには、基台プレート8から起立するようにガスブロック17が設けてあり、このガスブロック17の上端部には包装領域4の内部へ向けて略水平に複数のガスノズル5が突設されている。ガスブロック17は減圧駆動室18を介して、真空ポンプ19の吸気系20と気密接続されている。
【0033】
図6は、本実施形態のガス充填包装機におけるガスノズル5、及びその近傍に配設した下部の袋押さえ部材を示しており、(a)はその側面図、(b)はその組立て状況の概略図である。また図7は、本実施形態のガス充填包装機1における上部封止ブロック、及びこれに附設した上部の袋押さえ部材を示しており、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
【0034】
図5乃至図7に示すように、被包装物22を収納した包装袋21の開口部内に挿入するガスノズル5の上方及び下方には、包装袋21の開口部にガスノズル5を挿入した際に、そのノズル挿入位置の袋部分外面を上下から挟持する袋押さえ部材23a、23bを設けており、これにより包装袋21のずれを防止するとともにガスノズル5の周囲からの漏れを防止して真空ポンプ19による脱気作業を確実ならしめている。下部の袋押さえ部材23aは、ガスノズル5を配設したガスブロック17のノズル直下に起立するように配された逆L字状のステー24の上面に設けられている。また、上部の袋押さえ部材23bは、後述する上部封止ブロック31bからノズル直上に突き出すように斜めに配されたステー25の下面に設けられている。なお、上部の袋押さえ部材23bを設けるステー25は、ピン45等を介して上部封止ブロック31bに固定されており、上下の袋押さえ部材23a、23bは封止ブロック31a、31bの略全幅に亘って設けられている。
【0035】
そして、本実施形態では、これら上下の袋押さえ部材23a、23bとして、肉厚帯状のゲル材40が装着してある。ここでゲルとは、コロイド粒子が連なったり、高分子鎖が架橋したりして網目構造を形成し、流動性を失って多少の弾性と硬さをもってゼリー状に固化したものをいい、本実施形態では、例えば、株式会社ジェルテック製のシリコーンを主原料としたゲル状素材をゲル材40として用いる。この種のゲル状素材は、例えば、ヤング率(kPa)が低いもので28.9kPaの値を示し、その場合に340%の伸びを示している。
【0036】
すなわち、本実施形態のガス充填包装機1によれば、被包装物22を収納した包装袋21の開口部内に挿入するガスノズル5の上下に、そのノズル挿入位置の袋部分外面を上下から挟持する袋押さえ部材23a、23bを設け、これら上下の袋押さえ部材23a、23bとしてゲル材40を装着したので、このゲル材40のゴムよりも優れた柔軟性によりノズル挿入位置の袋部分をガスノズル5の外周に気密性良く密着させて充填ガスの漏れを防止することができ、包装袋21を膨満状態にガス充填することを可能にしている。このため、包装完了後の包装体の保形性を高め、例えば、活イカに代表される活魚介類の個別包装等の包装体を取り扱い易くすることができる。
【0037】
また、本実施形態におけるガスノズル5は、上記袋押さえ部材23a、23bによって上下から挟持される挟持部分52を横長に偏平させた形状に成形している。すなわち、ガスノズル5のノズル口51の基部および先端部が円筒体状を呈し、これらの部分の中間部が横長の楕円筒体状を呈しており、この楕円筒体状の偏平部分に上下の袋押さえ部材23a、23bが包装袋21を介して当接するようになっている。したがって、本実施形態のガス充填包装機1によれば、ガスノズル5の少なくとも上記袋押さえ部材23a、23bによる挟持部分52を偏平した形状としたので、上記袋押さえ部材23a、23bが包装袋21を介してガスノズル5の外周に密着し易くなり、また包装袋21の開口部がガスノズル5から離脱するのを防止することができる。
【0038】
さらに、このガスノズル5は、図6に示すように、そのノズル口51が上下に回動するように、ノズル基部側を支点50として首振り可能に構成されている。このガスノズル5は、上述したように偏平させたノズル口51をエルボユニオン53の一方の接続部内に挿着し、他方の接続部を上下にノズルロック54およびノズルシム55を介してピン56を有するパイプサポート57内に挿通させて、順にストレートソケット58およびジョイント部59を挿着してL字状のノズルとして一体化させたものであり、このガスノズル5の基部側に位置するピン56を、固定具41、42等によって固定支持したガスブロック17のブラケット43の上部に位置するピン孔44に挿通し、上記ピン56を支点50としてガスノズル5を首振り可能に取り付けている。
【0039】
すなわち、本実施形態のガス充填包装機1によれば、ガスノズル5をそのノズル口51が上下に回動するように、ノズル基部側を支点50として首振り可能に設けているので、ガスノズル5を上方へ首振り回動させれば、包装袋21の開口部にガスノズル5を挿入した状態で容易に包装袋21をセットすることができる。したがって、簡単な構造で、被包装物22を収納した包装袋21の開口部内にガスノズル5を挿入する作業を容易かつ迅速に行うことができる。
【0040】
このガスノズル5は、上記ジョイント部59に接続されるエアホースの直線状に戻ろうとする弾性やスプリング、ウエイト等の付勢手段(図示せず)によって、常にそのノズル口51を下部の袋押さえ部材23bに押し付けるように下方へ付勢されている。したがって、本実施形態のガス充填包装機によれば、上記のような付勢手段により上記ノズル口51を下部の袋押さえ部材23bに押し付けるように下方へ付勢しているので、包装袋21の開口部の下側部分を支持することができ、包装袋21をセットを極めて容易に行うことができる。
【0041】
具体的には、作業者がノズル口51を上方に回動した状態でガスノズル5のノズル口51を包装袋21の開口部内に挿入できるので作業性が良好である。そして、この状態で手を離すと、ガスノズル5が付勢手段の付勢力によりノズル口51を下方に回動して包装袋21の下側のフィルムを袋押さえ部材23bに押し付け、これによりノズル口51と下側のゲル材40との間で包装袋21の下側のフィルムを挟持することができる。したがって、包装袋21に力が作用しても、包装袋21の位置がずれたり、あるいはガスノズル5から抜けてしまうなどの不都合を生じることがない。
【0042】
また、ガスノズル5から真空ポンプ19への経路には分岐を設け、この分岐路には、脱気した包装袋21内へ不活性ガス(窒素等)や酸素などの充填ガスをガスノズル5を介して注入するためのガスボンベが接続してある。したがって、包装袋21の開口部にガスノズル5を挿入し、アーム3を被せてロックした状態で真空ポンプ19を作動すると、食品等の被包装物22を収納した包装袋21内の空気をガスノズル5を介して脱気することができ、脱気が終了したならばガスノズル5を介してガスボンベ内のガスを包装袋21内に充填することができる。なお、脱気及びガス充填の操作については後述する。
【0043】
図4及び図5に示すように、包装領域4の前部における袋押さえ部材23a、23bの近傍には封止機構部6を設け、包装領域4の奥側(後部、即ち図3において右側)には、被包装物22を収納した包装袋21の移動を防止するとともに、上記の封止機構部6により封止する包装袋21の位置を規制して安定させるための突き当て板27および幅規制板28を配設した載置トレイ29がガスノズル5とは反対側の奥に向けて下り傾斜させた状態で設けてある。包装袋21は、被包装物22の量などにより様々なサイズのものがあるが、封止機構部6による封止位置(封止部)は同じであり、開口部とは反対側に位置する閉塞部(底)までの長さ、すなわち被包装物22を収納する収納部の長さが異なる。そこで、包装袋21の収納部の長さや袋幅(収納部の幅)に応じて突き当て板27および幅規制板28の位置を調整できるように構成してある。載置トレイ29は、包装領域4の奥側からから封止機構部6へ向けて上方へ傾斜しているので、この載置トレイ29に被包装物22を収納した包装袋21を載置すると、包装袋21の開口部近傍の封止部(熱溶着する帯状部分)が封止機構部6の所定位置に安定して静止する。
【0044】
次に、封止機構部6について説明する。本実施形態における封止機構部6は、図4に示すように、基台プレート8の前端部分に設けた減圧駆動室18のダイヤフラム34に下端を接続した昇降機構30の昇降ロッド30aを包装領域4内に起立し、該昇降ロッド30aの上端に下部封止ブロック31aを固定し、アーム3のカバー部分の天部に上部封止ブロック31bを下部封止ブロック31aに対向する状態で設けてある。そして、これらの封止ブロック31a、31bは包装領域4の幅方向に長尺なヒーターブロックとして構成されている。また、下部封止ブロック31aおよび上部封止ブロック31bの圧接面には板状のゴム部材を介して線状或いは細い帯状のヒーター32が上記幅方向に沿って配してあり、昇降機構30により下部封止ブロック31aを上昇させて上部封止ブロック31b側に圧接するように構成されている。
【0045】
減圧駆動室18には、戻しスプリング33によりダイヤフラム34と昇降ロッド30aが下向きに付勢されており、減圧駆動室18内を減圧すると、戻しスプリング33の付勢力に抗してダイヤフラム34が上昇し、その結果、下部封止ブロック31aを上昇させるように成っている。したがって、下部封止ブロック31aが上昇すると、包装袋21の開口部を挟んだ状態で上部封止ブロック31bに押し付けることができ、この状態でヒーター32に通電して加熱すると、間に挟んだ包装袋21を熱溶着して封止(密封)することができる。
【0046】
なお、本実施形態のガス充填包装機1には、減圧駆動室18に大気を導入する、すなわち大気開放するための後述する開放弁62(図8参照)が備えられている。したがって、この大気開放弁62を開放すると、戻しスプリング33の付勢力により下部封止ブロック31aが下降して元の位置に復帰する。
【0047】
また、下部封止ブロック31aおよび上部封止ブロック31bの圧接面には、包装袋21の封止部よりも収納部側に位置する非加熱部分(積極的には加熱しない部分)を押さえる押圧挟持部を配している。本実施形態では、この押圧挟持部として、下部封止ブロック31aおよび上部封止ブロック31bの相対向する圧接面のいずれか一面において、ヒーター32よりも包装袋21の収納部側に位置する面に突起部36を設けてある。
【0048】
具体的に説明すると、図5に示す突起部36は、上部封止ブロック31bの圧接面の端部(ガスノズルとは反対側の端部)に該ブロック31bの長手方向に沿って固定した金属線により構成してある。上述したように、この金属線36は包装袋21の封止部よりも収納部側の非加熱部分を押さえるように成っており、下部封止ブロック31aを上昇させて上部封止ブロック31bに圧接すると、下部封止ブロック31aの圧接面に装着されたゴム部材を窪ませることになり、これにより間に挟持した包装袋21の非加熱部分を他の圧接面よりも強い力で挟持できる。したがって、この強い挟持力により、ガス充填による膨張力に起因する引っ張り力が下部封止ブロック31aと上部封止ブロック31bとの両圧接面に挟まれた包装袋21の封止部に作用することを阻止することができる。
【0049】
ガス充填した包装袋21の開口部を下部封止ブロック31aおよび上部封止ブロック31bで圧接してヒーター32により加熱する際に、上下の封止ブロック31a、31bの端部において包装袋21を上下に広げようとする膨張力が働くが、上部封止ブロック31bの圧接面に、包装袋21の封止部よりも収納部側の非加熱部分を押さえる金属線36を配したので、この金属線36によって包装袋21の非加熱部分を挟持することにより、上記膨張力が加熱されて延び易くなった封止部分に引っ張り力が掛からず、包装袋21の部分的な伸びを防止することができる。すなわち、非加熱部分は温度上昇しないために袋を構成している合成樹脂シートの強度が維持されており、この強度の高い部分で引っ張り力を受け止めることになる。したがって、加熱されて強度が低下した封止部に引っ張り力が作用することがなくなり、これにより封止作業を確実に行うことができる。
【0050】
なお、突起部36は、上記金属線に限らず、包装袋21の封止部よりも収納部側の非加熱部分を押圧挟持し得るものであれば、他の材料を使用することもできる。例えば、圧接面の板状ゴム部材の側縁に沿って突条を隆設して構成してもよい。また、包装袋21の非加熱部分を押圧挟持すればよいので、下部封止ブロック31aの圧接面に設けてもよい。さらには、封止ブロックをヒーター等の発熱源を設けた部分と発熱源のない部分とに分離し、発熱源のない封止ブロックに突起部36を設けてもよい。要するに、押圧挟持部(突起部)を設ける部位は、熱溶着する際の熱が包装袋に伝わり難く、尚且つガス充填に起因する膨張力を受ける部分であれば良い。
【0051】
次に図8は、本実施形態のガス充填包装機のガスノズルに気密接続された吸気系を示す概略系統図であり、この図面に基づいて上記吸気系20の構造を説明する。
【0052】
図8において、中央に位置するのは上記の真空ポンプ19であり、この吸気口61には、吸気系20を大気開放する開放弁62と、上記減圧駆動室18にシール操作路63を介して接続されたシール弁64と、上記ガスノズル5へと至る吸気路65の延出された脱気弁66とが接続してある。上記開放弁62は、減圧駆動室18に大気を導入するものであり、上述したように、戻しスプリング33の付勢力により下部封止ブロック31aを下降して元の位置に復帰させる際に使用する。上記シール弁64は、上述したように、減圧駆動室18のダイヤフラム34に下端を接続した昇降機構30の昇降ロッド30aを昇降操作する弁である。また、真空ポンプ19の下部にはドレン口67を接続してあり、このドレン口67はボール弁68を操作することにより開閉される。
【0053】
上記脱気弁66から延出された吸気路65の基端側には、脱気力を調整する調整手段(脱気スピード調整手段)70が介設してある。本実施形態では、この脱気力調整手段70としてボール弁を採用しているが、これに限るものではなく、脱気力(脱気スピード)を調整し得る手段であれば、例えば、レギュレーター等の他の装置を採用してもよい。さらに、この脱気力調整手段70の延出側には、ドレンを除去するドレンセパレータ71と、吸気系20内に洗浄水や空気等の清掃流体を導入する清掃用切替弁72とを設けてあり、その延出側はガスボンベ側とガスノズル5側とに分岐接続し、ガスボンベ側の分岐路にガス用電磁弁73を設け、ガスノズル5側の分岐路に圧力センサー74を設けてある。そして、ガス用電磁弁73及び圧力センサー74を制御装置(図示せず)にそれぞれ電気的に接続してある。ガス用電磁弁73は、制御装置からの信号により開くと、ガス供給源としてのガスボンベからガスを供給してガスノズル5を介して包装袋21にガスを充填するための弁である。一方、圧力センサー74は、ガスノズル5とガスボンベとを結ぶガス供給系に設けられ、包装袋内の充填ガス圧力が所定圧力に到達すると信号を制御装置に送るセンサーであり、この信号を受けると制御装置が前記封止機構部を作動させて包装袋の開口部を封止する。なお、圧力センサー74は、ガスノズル5とガス供給源(ガスボンベ)とを結ぶガス供給系であれば配設位置はどこでもよい。
【0054】
上記脱気力調整手段70としてのボール弁の操作部は本実施形態のガス充填包装機の右側パネル2aに露出しており、上記清掃用切替弁72の操作部は本実施形態のガス充填包装機の左側パネル2bに露出している。すなわち、本実施形態のガス充填包装機によれば、ガスノズル5と真空ポンプ19とを結ぶ吸気系20としての吸気路65に脱気力調整手段70を設けたので、ノズル挿入位置の袋部分をガスノズル5の外周に気密性良く密着させても、この脱気力調整手段70によって脱気力を適当な力(この場合気流の流量)に調整すれば、ガスノズル5の前方で包装袋21の上下のフィルムが密着することがなく、また、ガスノズル5の先端の口が閉塞されることがない。したがって、包装袋21内の脱気操作を良好に継続することができ、確実に脱気できる。
【0055】
さらに、ガスノズル5と真空ポンプ19とを結ぶ吸気系20としての吸気路65に、この吸気路65内に洗浄水や空気等の清掃流体を導入する清掃用切替弁72を設けたので、この清掃用切替弁72を切り替えて清掃流体を導入すれば、吸気系20を容易に洗浄でき、また、異物を除去することで詰まりを未然に防止することができる。具体的には、吸気系20の清掃が必要と判断した場合や、定期メンテナンスの際に、清掃用切替弁72の接続部に水道水や洗浄液などの清掃流体の供給系を適宜接続して清掃作業を行うことになる。
【0056】
次に、ガス充填包装機1による一連の封止作業について説明する。
載置トレイ29上に食品等(例えば、人工海水に浸した状態の活イカ)の被包装物22を収納した包装袋21を載置するが、その際、ガスノズル5をピン56を支点50として上方へ首振り回動させた状態で、包装袋21の開口部にガスノズル5のノズル口51を挿入し、再びガスノズル5をピン56を支点50として下方へ首振り回動させて包装袋21をセットする。このようにガスノズル5をそのノズル口51が上下に回動するようにノズル基部側を支点50として首振り可能に設けているので、包装袋21の開口部にガスノズル5を挿入した状態で包装袋21をセットするのが容易になる。また、ガスノズル5に備えられた付勢手段により、上記ノズル口51を下部の袋押さえ部材23bに押し付けるように下方へ付勢することができるので、包装袋21の開口部の下側部分(下側フィルム)を支持することができ、包装袋21のずれがなくなりセットが極めて容易になる。
【0057】
このように被包装物22を収納した包装袋21をセットしてアーム3を被せてロック機構10によりロックすると、リミットスイッチ16がオンとなり、このリミットスイッチ16からの検出信号を受けて制御装置が流路切替弁73を真空ポンプ19側に切り換え、ガスノズル5を介して包装袋21内を脱気する(脱気工程)。その際、ガスノズル5の上下に配された袋押さえ部材23a、23bがノズル挿入位置の袋部分を上下から挟持する。本実施形態では、これら上下の袋押さえ部材23a、23bとしてゲル材40を装着したので、このゲル材40のゴムより優れた柔軟性及び変形容易性によりノズル挿入位置の袋部分をガスノズル5の外周に気密性良く密着させることができる。さらに、ガスノズル5の挟持部分52を偏平形状としたので、上下の袋押さえ部材23a、23bが包装袋21を介してガスノズル5の外周に密着し易くなり、また包装袋21の開口部がガスノズル5から離脱するのを防止することができる。そして、ガスノズル5と真空ポンプ19とを結ぶ吸気系20としての吸気路65に、脱気力(脱気スピード)を調整する調整手段70を介設しているので、ノズル挿入位置の袋部分をガスノズル5の外周に気密性良く密着させても、この脱気力調整手段70により脱気力を適当に調整すれば、ガスノズル5の前方で包装袋21の上下のフィルムが密着することがなく、包装袋21内の脱気操作を効率良く良好に継続することができる。
【0058】
そして、タイマーに予め設定した時間だけ脱気操作を行うと、次に、制御装置が脱気弁66を閉じ、ガス用電磁弁73を開いてガスノズル5から包装袋21内へ酸素ガスを充填する(ガス充填工程)。この場合にも、上述したと同様に、ガスノズル5の上下に配された袋押さえ部材23a、23bがノズル挿入位置の袋部分を上下から挟持しており、上下の袋押さえ部材23a、23bが包装袋21を介してガスノズル5の周囲に気密性良く密着し、またガスの充填圧力によって包装袋21の開口部がガスノズル5から離脱するのを防止する。
【0059】
包装袋21内に所定圧力の酸素ガスが充填されると圧力センサー74が制御装置に信号を送出し、この信号により制御装置がガス充填が十分になされたことを認識し、ガス用電磁弁74を閉じてガス充填工程を終了すると共に、制御装置は封止機構部を作動して封止工程(熱溶着工程)に移行する。
【0060】
封止工程に移行すると制御装置が脱気弁64を減圧駆動室18側に切り換えるので、下部封止ブロック31aが上昇して上部封止ブロック31bとの間に包装袋21の封止部を挟み付けるとともに、突起部36が包装袋21の非加熱部分を強い圧力で押圧挟持する。したがって、酸素ガスの充填による膨張力に起因する引っ張り力は突起部36によって押圧挟持されている部分まで作用するだけであって下部封止ブロック31aと上部封止ブロック31bとの間に挟みつけられた包装袋21の封止部には作用していない。この状態でヒーター32に通電されて発熱し、この熱により下部封止ブロック31aと上部封止ブロック31bとの間に挟みつけられた包装袋21の封止部が上記膨張力に起因する引っ張り力の影響を受けることなく熱溶着される(熱溶着工程)。
【0061】
このように本実施形態のガス充填包装機1によれば、ノズル挿入位置の袋部分を上下から挟持する袋押さえ部材23a、23bとしてゲル材40を装着したので、このゲル材40の優れた柔軟性によりノズル挿入位置の袋部分をガスノズル5の外周に気密性良く密着させて充填ガスの漏れを防止することができる。したがって、包装袋21を従来よりも高圧な膨満状態にガス充填することが可能となり、これにより包装完了後の包装体の保形性が高められて、包装体の取り扱い易くすることができる。特に、活魚介類を海水や人工海水とともに個別パッキングする場合には、包装完了後の包装体の保形性を高めて、包装体の取り扱い易くする必要があり、包装袋21内の圧力を大気圧(101.3kPa)よりも高めることが望ましい。例えば、袋サイズが160×470mmの場合には袋内圧力を125kPa、袋サイズが220×565mmの場合には袋内圧力を120kPa、袋サイズが250×650mmの場合には袋内圧力を117.5kPa程度に設定することが好ましく、包装袋21が大きくなる程袋内圧力を抑制しなければ破裂してしまう。
【0062】
熱溶着工程が終了すると、制御装置が開放弁62を開くので減圧駆動室18内の圧力が大気圧に復帰し、これによりが戻しスプリング33の付勢によって下部封止ブロック31aが下降して封止工程を終了する。そして、包装袋21の封止工程が終了すると制御装置がロック機構10のソレノイド14を励磁するので、フック12が回動してピン11から外れてロックを解除する。したがって、アーム3を上昇してから包装袋21を取り出すことができる。
【0063】
また、本実施形態のガス充填包装機1では、ガスノズル5と真空ポンプ19とを結ぶ吸気系20としての吸気路65に、該吸気路65内に清掃流体を導入する清掃用切替弁72を介設している。したがって、例えば、活魚介類の個別パッキングのように海水や人工海水を吸引する可能性がある場合には、この清掃用切替弁72の接続部に清掃流体の供給系を接続し、該清掃用切替弁72を切り替えて吸気路65内に洗浄水等の清掃流体を導入すれば、吸気路65およびこれに付随する経路を清浄に保つことができ、悪臭の発生を防止でき、また、腐食や詰まりを未然に防止することができるものである。
【0064】
以上のように、本実施形態のガス充填包装機1は、近年注目されている活魚介類の個別パッキングへの応用に特に適した装置である。すなわち、逆止弁付きの包装袋ではなく、普通の包装袋を使用してパッキングすることができるため、ランニングコストが安くて済む。また、普通の包装袋に活魚介類および海水または人工海水を収納するので、手間がかからず短時間でパッキングすることができる。さらに、空気を脱気した後酸素を充填するため、酸素濃度が高く、活きた魚介類を輸送するのに有利である。酸素の充填量はガス充填包装機の時間で管理できるため、常に所定量の酸素を充填し得る。そして、包装袋の開口部の封止は熱溶着であるため、逆止弁よりも確実な封止が可能である。なお、本実施形態において被包装物22は例示したものに限れられない。
【0065】
なお、上記の実施形態では、ガスノズル5がガス充填を行うだけでなく、脱気手段の一要素(吸気口)として機能しているが、本発明はこれに限るものではなく、別個に脱気用のノズルを設け、ガス充填手段と脱気手段との機能を分けるように構成してもよい。また、ヒーター32は、熱伝達良く構成されていれば、上下の封止ブロック31a、31bのいずれか一方の圧接面に配されていればよい。そして、ガスノズル5から充填するガスは、窒素ガスなどの不活性ガスや酸素に限らず、必要に応じて適宜選択することができる。
【0066】
また、上記の実施形態では、包装領域が大気開放であるが、この包装領域をチャンバー内に設定して、真空包装できるように、すなわち、熱溶着して封止する封止機構部を備えた真空包装機を兼ねたガス充填包装機としてもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は以下の効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、被包装物を収納した包装袋の開口部内に挿入するガスノズルの上下に、そのノズル挿入位置の袋部分を上下から挟持する袋押さえ部材を設け、これら上下の袋押さえ部材としてゲル材を装着したので、このゲル材の柔軟性によりノズル挿入位置の袋部分をガスノズルの外周に気密性良く密着させて充填ガスの漏れを防止することができ、包装袋を膨満状態にガス充填することが可能となる。したがって、包装完了後の包装体の保形性を従来よりも高めることができ、これにより包装体の取り扱い易くすることができる。
【0068】
請求項2に記載の発明によれば、封止ブロックの圧接面に、包装袋の封止部よりも収納部側に位置する非加熱部分を押圧して挟持する押圧挟持部を設け、包装袋体の非加熱部分を上記押圧挟持部により挟持しながら熱溶着するので、ガス充填による包装袋の膨張力に起因する引っ張り力が上下の封止ブロックで圧接されている包装袋の封止部に及ぶことがない。したがって、熱溶着する際に、包装袋の封止部が加熱されて柔らかくなっても、上記引っ張り力によって破損したり溶着不良が生じることを有効に防止することができる。このため、封止作業を確実に行うことができる。
【0069】
請求項3に記載の発明によれば、上記の押圧挟持部が、上下の封止ブロックの相対向する圧接面のいずれか一面において、ヒーターよりも包装袋の閉塞側に形成された突起部であるので、簡単な構造であり、安価かつ確実に包装袋の部分的な伸びを防止し、封止作業を確実に行うことができる。
【0070】
請求項4に記載の発明によれば、袋押さえ部材によって挟持されるガスノズルの挟持部分を偏平形状としたので、上記袋押さえ部材が包装袋を介してガスノズルの周囲に密着し易くなり、また包装袋の開口部がガスノズルから離脱するのを防止することができる。
【0071】
請求項5に記載の発明によれば、ガスノズルをそのノズル口が上下に回動するように、ノズル基部側を支点として首振り可能に設けているので、ガスノズルを上方へ首振り回動させれば、包装袋の開口部にガスノズルを挿入した状態で包装袋をセットするのが容易になる。したがって、簡単な構造で、被包装物を収納した包装袋の開口部内にガスノズルを挿入する作業を容易かつ迅速に行うことができる。また、付勢手段により上記ノズル口を下部の袋押さえ部材に押し付けるように下方へ付勢しているので、包装袋の開口部の下側部分を支持することができ、包装袋のズレや抜けを防止でき、セットが極めて容易になる。
【0072】
請求項6に記載の発明によれば、ガスノズルと真空ポンプとを結ぶ吸気系に、脱気力を調整する調整手段を設けたので、ノズル挿入位置の袋部分をガスノズルの外周に気密性良く密着させても、脱気力を適当に調整すれば、ガスノズルの前方で上下の包装袋が密着することがなく、包装袋内の脱気操作を効率良く良好に継続することができる。
【0073】
請求項7に記載の発明によれば、ガスノズルと真空ポンプとを結ぶ吸気系に、該吸気系内に清掃流体を導入する清掃用切替弁を設けたので、この清掃用切替弁を切り替えて清掃流体を導入すれば、吸気系の清掃を容易に行うことができ、また、詰まりを未然に防止することができる。
【0074】
請求項8に記載の発明によれば、ガスノズルとガス供給源とを結ぶガス供給系に圧力センサーを設け、該圧力センサーからの信号により包装袋内の充填ガス圧力が所定圧力に到達したことを検知すると封止機構部を作動させる制御装置を設けたので、脱気の工程と包装袋の開口部を封止する工程を連続して効率良く行うことができ、また、包装袋内に充填したガスの圧力を一定にして封止することができる。
【0075】
前記したように、本発明のガス充填包装機は、近年注目されている活魚介類の個別包装への応用に特に適した装置であり、逆止弁付きの包装袋ではなく、普通の包装袋を使用してパッキングすることができるため、ランニングコストが安くて済む。また、普通の包装袋に活魚介類および海水または人工海水を収納するので、手間がかからず短時間でパッキングすることができる。さらに、空気を脱気した後酸素を充填するため、酸素濃度が高く、活きた魚介類を輸送するのに有利である。酸素の充填量はガス充填包装機の時間で管理できるため、常に所定量の酸素を充填し得る。そして、包装袋の開口部の封止は熱溶着であるため、逆止弁よりも確実な封止が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス充填包装機の全体外観を示す斜視図である。
【図2】本発明のガス充填包装機の正面図である。
【図3】本発明のガス充填包装機の側面図である。
【図4】本発明のガス充填包装機の内部構造を示す主要部の模式図である。
【図5】本発明のガス充填包装機における封止機構部および袋押さえ部材の一例を示す要部拡大図である。
【図6】本発明のガス充填包装機におけるガスノズル、及びその近傍に配設した下部の袋押さえ部材を示しており、(a)はその側面図、(b)はその組立て状況の概略図である。
【図7】本発明のガス充填包装機における上部封止ブロック、及びこれに附設した上部の袋押さえ部材を示しており、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
【図8】本発明のガス充填包装機のガスノズルに気密接続された吸気系を示す概略系統図である。
【符号の説明】
1 ガス充填包装機
2 筐体
2a 右側パネル
2b 左側パネル
3 アーム
3a アーム基端部
4 包装領域
5 ガスノズル
6 封止機構部
7 操作パネル
8 基台プレート
9 支軸
10 ロック機構
11 ピン
12 フック
12a フック基端部
13 回動軸
14 ソレノイド
15 スプリング
16 リミットスイッチ
17 ガスブロック
18 減圧駆動室
19 真空ポンプ
20 吸気系
21 包装袋
22 被包装物
23a、23b 袋押さえ部材
24、25 ステー
27 突き当て板
28 幅規制板
29 載置トレイ
30 昇降機構
30a 昇降ロッド
31a 下部封止ブロック
31b 上部封止ブロック
32 ヒーター
33 戻しスプリング
34 ダイヤフラム
36 押圧挟持部(突起部、金属線)
40 ゲル材
41、42 固定具
43 ブラケット
44 ピン孔
45 ピン
50 支点
51 ノズル口
52 挟持部分
53 エルボユニオン
54 ノズルロック
55 ノズルシム
56 ピン
57 パイプサポート
58 ストレートソケット
59 ジョイント部
61 吸気口
62 開放弁
63 シール操作路
64 シール弁
65 吸気路
66 脱気弁
67 ドレン口
68 ボール弁
70 脱気力調整手段
71 ドレンセパレータ
72 清掃用切替弁
73 ガス用電磁弁
74 圧力センサー

Claims (8)

  1. 包装領域にセットされた包装袋の開口部を上下の封止ブロックで圧接して熱溶着する封止機構部と、上記包装袋内を脱気した後にガスを充填するガスノズルとを備え、被包装物を包装袋に収納した状態で該袋内にガスを充填し、包装袋の開口部を熱溶着により封止するガス充填包装機において、
    上記被包装物を収納した包装袋の開口部内に挿入するガスノズルの上方及び下方に、そのノズル挿入位置の袋部分を上下から挟持する袋押さえ部材を設け、これら上下の袋押さえ部材としてゲル材を装着したことを特徴とするガス充填包装機。
  2. 前記封止ブロックの圧接面に、包装袋の封止部よりも収納部側に位置する非加熱部分を押圧して挟持する押圧挟持部を設け、包装袋体の非加熱部分を上記押圧挟持部により挟持しながら熱溶着することを特徴とする請求項1に記載のガス充填包装機。
  3. 前記押圧挟持部が、上下の封止ブロックの相対向する圧接面のいずれか一面において、ヒーターよりも包装袋の収納部側に形成された突起部により構成されていることを特徴とする請求項2に記載のガス充填包装機。
  4. 前記袋押さえ部材によって挟持されるガスノズルの挟持部分を偏平形状としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のガス充填包装機。
  5. 前記ガスノズルをそのノズル口が上下方向に回動するように、ノズル基部側を支点として首振り可能に設け、付勢手段により上記ノズル口を下方の袋押さえ部材に押し付けるように付勢していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のガス充填包装機。
  6. 前記ガスノズルと真空ポンプとを結ぶ吸気系に、脱気力を調整する調整手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のガス充填包装機。
  7. 前記ガスノズルと真空ポンプとを結ぶ吸気系に、該吸気系内に清掃流体を導入する清掃用切替弁を設けたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のガス充填包装機。
  8. 前記ガスノズルとガス供給源とを結ぶガス供給系に圧力センサーを設け、該圧力センサーからの信号により包装袋内の充填ガス圧力が所定圧力に到達したことを検知すると前記封止機構部を作動させる制御装置を設けたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のガス充填包装機。
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