JP2004322862A - 車両検査診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】検査中の内容をユーザが十分理解できるようにすると共に、各検査項目について車両の状況を正確にかつリアルタイムに伝える。
【解決手段】検査機4〜10,18が被検査車両101の検査を行なうと、現在行なわれている検査がどのような内容のものなのかを、管理表示装置57が表示する。また、検査機4〜10,18から検査データが送リ出される毎に、その検査データに基づく検査結果が数値化された状態でリアルタイムに合否結果と共に表示される。ユーザは単にその検査の合否についてだけでなく、数値に基づく客観的な判断を的確に行なうことができる。
【選択図】 図6
【解決手段】検査機4〜10,18が被検査車両101の検査を行なうと、現在行なわれている検査がどのような内容のものなのかを、管理表示装置57が表示する。また、検査機4〜10,18から検査データが送リ出される毎に、その検査データに基づく検査結果が数値化された状態でリアルタイムに合否結果と共に表示される。ユーザは単にその検査の合否についてだけでなく、数値に基づく客観的な判断を的確に行なうことができる。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に車検場や自動車整備工場などで使用され、被検査車両を検査診断する車両検査診断装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、車検(一定期間毎の自動車の各種機能を所定場所で検査する法定制度)に対する設備は、主として整備工場内に合理化されたラインシステムとして提供され、車両がラインを一巡することにより、車検に必要な全ての検査が円滑かつ連携的に行なわれるようになっている。
【0003】
例えば特許文献1には、検査時における被検査車両の移動距離を短縮する目的で、車両入口部から車両出口部に通じる車両通路に、被検査車両の速度計の精度を検査するスピードテスト装置と、被検査車両のブレーキ力を検査するブレーキテスト装置と、被検査車両のサイドスリップを検査するサイドスリップテスト装置と、マフラーから排出される排気ガス濃度を検査する排気ガステスト装置と、ヘッドライトの照射方向や光度を検査するヘッドライトテスト装置と、被検査車両の下廻りを点検・調整するために被検査車両を昇降させるリフト装置とをそれぞれ配置した車両検査設備が開示されている。ここでは、各種検査ごとに表示装置の検査項目別ランプと合否ランプが点灯するようになっており、検査の最中に検査室の外部から表示装置を目視することで、リアルタイムで検査の進行状況や検査結果を確認できるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−138885号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の車両検査設備は、車両検査の際に特にユーザが立ち会う場合に、自分の車両が現在何の検査を行なっているのかを、表示装置により直接的に理解することができる。しかし、ユーザが理解できるのは、現在行なわれている検査名と、その合否についてだけで、現在の検査が何の目的で行なわれていているのかを知ることはできない。この場合、検査内容の説明を人に頼ると、ユーザからの質問などで説明が長引いて、実際の検査と説明とのタイミングが合わなくなり、結局は検査内容の十分な理解が得られない。また、上記車両検査設備は個々の検査について合否判定を表示するものの、同じ合格や不合格でも、その検査について被検査車両がどのような状況にあるのかを客観的に把握することができない。そのため、ユーザは内容のわからない検査の合否だけが一方的に伝えられ、それぞれの検査項目に関し車両の正確な状況をリアルタイムに知ることができなかった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決しようとするものであり、検査中の内容をユーザが十分理解できるようにすると共に、各検査項目について車両の状況を正確にかつリアルタイムに伝えることができる車両検査診断装置を提供することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の車両検査診断装置では、検査部が被検査車両の検査を行なうと、現在行なわれている検査がどのような内容のものなのかを、ユーザは表示手段を通して理解することができる。しかも、検査が進行するにしたがって、検査部からの検査データに基づく検査結果が、数値化またはグラフ化された状態でリアルタイムに合否結果と共に表示されるので、ユーザは単にその検査の合否についてだけでなく、数値やグラフに基づく客観的な判断を的確に行なうことができる。
【0008】
また、本発明の請求項2の車両検査診断装置では、検査部から検査データが取り込まれる毎に、その検査データが表示手段にグラフで表示されるので、被検査車両の検査を行ないながら、検査データがどのように推移するのかを適確に把握することができる。
【0009】
また、本発明の請求項3の車両検査診断装置では、望ましい検査結果の基準値と共に、前回の検査結果と、今回の検査結果と、今回の検査の合否結果が、ユーザにわかり易い表形式またはユーザに直感して理解し易いグラフ形式に出力(印刷または表示)される。そのためユーザは、今回の検査についての評価はもとより、過去の症例を基に判断される予見情報を出力することで、やがて起こりうる被検査車両の状況を、事前に予測することができる。
【0010】
また、本発明の請求項4の車両検査診断装置では、検査員は検査を開始するときに、車両検査出力手段を通して前回の検査結果を表示や印刷により知ることができる。そのため、今回の検査結果が検査部の誤差範囲程度のものなのか否かを、検査中に判断することができる。
【0011】
【発明の実施形態】
以下、本発明における車両検査診断装置の好ましい一実施例について、添付図面を参照しながら説明する。
【0012】
先ず、検査部の構成を図1に基づき説明すると、1は車検場や自動車整備工場内の適所に設けられる検査室で、この検査室1の床面には被検査車両101の車両通路2が形成される。検査室1の内部には、ブローバイガス検査機4と、排気ガス検査機5と、ラテラルフォース検査機6と、駆動バランス検査機7と、ショックアブソーバ検査機8と、バキューム波形検査機9と、オートマチックトランスミッションオイル検査機10と、ヘッドライト検査機18などが同居状に各々配置される。
【0013】
ブローバイガス検査機4は、被検査車両101におけるエンジンオイルの劣化やエンジンの磨耗度を検査するもので、具体的には図2に示すように、被検査車両101の内燃機関たるエンジン102に設けられたエンジンオイル注入口103に装着可能であって、エンジン102内部に漏れるブローバイガスを取り込む吸入口11と、この吸入口11から取り込んだブローバイガスの不純成分を除去するフィルタ12と、ブローバイガス中の未燃焼成分(HC)の濃度を検出するブローバイガス濃度検出手段としての検査機本体13とを備えて構成される。検査機本体13の前面には、測定開始/終了などの各種操作キーを備えた操作部14と、ブローバイガスの濃度などを表示する表示部15が設けられ、ブローバイガスの検査結果が一目で確認できるようになっている。ここでは、エンジン102からエンジンオイル注入口103に吹き抜けてきたブローバイガスの未燃焼成分の濃度により、エンジンオイルの劣化度やエンジン102内部の密閉状態の良否を直接的に判断することができるので、被検査車両101におけるエンジンオイルの劣化やエンジンの磨耗度をより適確に検査できる。
【0014】
なお上記吸入口11は、エンジンオイル注入口103に限らず、エンジン102に設けられた例えばエンジンオイルのレベルゲージ挿入口やホース取付け部(いずれも図示せず)など、要はエンジン102内全体に充満するブローバイガスを取り込める任意の部位に装着できればよい。
【0015】
排気ガス検査機5は、排気ガス中の各成分の濃度を測定することで、エンジン102の総合診断を検査するもので、これは図2に示すように、マフラー104からの排気ガスを取り込むプローブ21付きの吸入口22と、排気ガス中の各成分(CO,HC,CO2,O2など)の濃度を検出する排気ガス濃度検出手段としての検査機本体23とを備えて構成される。特に本実施例における検査機本体23は、被検査車両101のアイドリング時のみならず負荷時においても、排気ガスの各成分の濃度を測定できるように、負荷時にマフラー104から排出される水の影響を排除する水処理機能を備えたものが選定される。
【0016】
検査機本体23の前面には、測定開始/終了などの各種操作キーを備えた操作部24と、排気ガスの濃度などを表示する表示部25が設けられ、被検査車両101のマフラー104から排出される排気ガスの検査結果が一目で確認できるようになっている。また、この検査機本体23と連動して測定を開始/終了するスピードテスト装置26が排気ガス検査機5に付随して設けられている。スピードテスト検査機26は、被検査車両101のタイヤ111A〜111Dに接する回転自在なスピードテスト用ローラ27A〜27Dと、被検査車両101の負荷時にローラ27A〜27Dの単位時間当たりの回転数を検出して、その速度を算出する速度検出部28とにより構成され、検出速度が図示しない表示器に表示されるようになっている。
【0017】
ラテラルフォース検査機6は、被検査車両101のタイヤ111に発生する横向きの力(損失駆動力)を測定するもので、これは例えば特公平4−23207号公報に開示される既存のサイドスリップ検査装置を利用してもよい。この検査は、前輪および後輪の左右の各タイヤ111A〜111Dについて、図3に示すように昇降自在なラテラルフォース用ローラ29A〜29Dを利用して行なわれる。
【0018】
駆動バランス検査機7は、被検査車両101のエンジン102の駆動力がタイヤ111の各輪に伝わるバランスを検査するものである。この駆動バランス検査機7は、具体的には図3に示すように、被検査車両101の各タイヤ111A〜111Dに対応して前後左右にそれぞれ一つずつ設けられ、各々が独立して回動自在に設けられる駆動バランステスト用ローラ31A〜31Dと、同じく被検査車両101の各タイヤ111A〜111Dに対応して前後左右にそれぞれ一つずつ設けられ、各々が独立して回動自在に設けられる接地面が凹凸を有する昇降可能なブレーキローラ32A〜32Dと、これらのブレーキローラ32A〜32Dにそれぞれ独立して設けられる制動機構としてのブレーキ装置33A〜33Dと、前記ブレーキ装置33A〜33Dの動作を各々制御すると共に、各ローラ31A〜31Dの単位時間当たりの回転数から速度を算出し、これを表示器(図示せず)により表示する検査制御部34とにより構成される。検査制御部34は、アイドリング状態にある被検査車両101の駆動輪の一方(例えばタイヤ111C)を回転可能にする一方で、他のタイヤ111Dをブレーキ装置33Dにより回転させないようにし、このときの駆動バランステスト用ローラ31Cの単位時間当たりの回転数から速度を算出する動作を、駆動輪に対応した各ローラ31C,31Dに対して順に行なう機能を有する。これにより、被検査車両101の各駆動輪(タイヤ111C,111D)における駆動バランスを測定することができる。
【0019】
なお、図3の被検査車両101はFR車を想定したものであり、112はエンジン102の回転力を被検査車両101の後方へ伝達するプロペラシャフト、113はプロペラシャフト112の回転力を後駆動輪のタイヤ111C,111Dに連結したドライブシャフト114に伝達する差動装置(デファレンシャル)である。FF車の場合は、前駆動輪(タイヤ111A,111B)に対応したローラ31A,31B,32A,32Bを利用して、タイヤ111A,111Bにおける駆動バランスを測定すればよい。また4WD車の場合は、全てのローラ31A〜31D,32A〜32Dを利用して、各駆動輪(タイヤ111A〜111D)における駆動バランスを測定する。さらに本実施例では、駆動バランステスト用ローラ31A〜31Dと前記スピードテスト用ローラ27A〜27Dとを兼用させることにより、検査室1内の構成の簡素化を図っている。
【0020】
ショックアブソーバ検査機8は、タイヤ111A〜111Dの路面への追従性能を測定するもので、具体的には各タイヤ111A〜111Dの共振周波数と接地能力を検査するものである。
【0021】
バキューム波形検査機9は、エンジン102の負圧の変動を検出することによりエンジンの総合的な燃焼状態を検査するもので、これは具体的には図2に示すように、エンジン102の吸気管106に装着され、エンジン102の負圧を検出する負圧センサ41と、この負圧センサ41で検出されるエンジン102の動作に伴う負圧の脈動を、バキューム波形として観測し、それを表示部43にて表示する負圧脈動測定機としてのオシロスコープ42とにより構成される。つまり、ここでの負圧センサ41やオシロスコープ42は、負圧の脈動を検出し得る分解能を有するものが必要とされる。図4に示すような脈動するバキューム波形は、エンジン102内のピストン(図示せず)の動きに伴い生じるもので、脈動波形が乱れているもの程、例えばエンジン102の点火プラグ(図示せず)が劣化して、エンジン102の燃焼状態が低下していると判断できる。これにより、エンジン102から点火プラグをいちいち外さなくても、点火プラグひいてはエンジン102の状態を簡単に検査することなどができる。
【0022】
オートマチックトランスミッションオイル検査機10は、オートマチック車におけるオートマチックトランスミッションオイルの劣化を検査するためのもので、具体的には図示しない変速機構のオイル入口に挿入され、被検査車両101の走行直後におけるオートマチックトランスミッションオイルの温度を検出する温度検出素子45と、この温度検出素子45からの出力により検出温度を表示する検査機本体46とにより構成される。そして、検査機本体46に表示されるオートマチックトランスミッションオイルの温度が高い程、変速機構内部の摩擦に伴う熱が多く発生しており、オイルの交換時期が近付いていると判断する。
【0023】
ヘッドライト検査機18は、被検査車両101の前部に取付けられる左右のヘッドライトの照度および接地面からの高さを含む照射位置を検査するもので、これは受光部19と検査機本体20とにより構成される。
【0024】
図5は、装置の全体構成を示すブロック図である。同図において、51は検査部である各検査機4〜10,18から出力される数値化された検査データを、検査室1の外部にある管理装置52に伝送装置53を介して転送する制御装置である。この制御装置51には、赤外線による通信手段により双方向の通信が可能な遠隔操作部としてのリモコン60が接続される。このリモコン60は、複数の操作キー(図示せず)を備え、この操作キーからのキー入力により、制御装置51や管理装置52に対して各検査機4〜10,18や後述する各装置57〜59の起動や停止などの動作指示信号を出力するものである。なお、本実施例では通信手段として赤外線を利用しているがその他の無線あるいは有線の通信手段を利用してもよい。また、制御装置51には、各検査機4〜10からの検査結果を同一箇所で表示するための車両検査表示装置54が接続される。制御装置51は、検査室1内にあって、リモコン60からの動作指示信号を受けて各検査機4〜10,18の各部を制御すると共に、リモコン60からの動作指示信号が、管理装置52に従属する各装置56〜59に関連するものであれば、その動作指示信号を伝送装置53から管理装置52に転送する機能を有する。
【0025】
また制御装置51には、検査中の現場を撮影したり、あるいは検査員の頭部などに装着され、検査員の視線からの現場風景を撮影する撮影装置30が接続される。
【0026】
一方、センター55内に設置される管理装置52は、例えばパーソナルコンピュータの本体で構成され、他にキーボードからなる入力装置56を入力側に接続すると共に、CRTや液晶モニタなどからなる出力装置としての管理表示装置57と、プリンタからなる同じく出力装置からなる印刷装置58と、音声や各種効果音を出力する音出力装置59を出力側に接続して構成される。なお、表示手段に相当する管理表示装置57は、被検査車両101の所有者であるユーザが視認できる位置に設けられる。
【0027】
管理装置52は、記憶手段が記憶するソフトウェアの機能的な構成として、各検査機4〜10,18からの数値化された検査データを取り込んで、各被検査車両101のメンテナンスデータを管理するメンテナンス管理部61と、このメンテナンス管理部61から得られた各種情報を、所定のフォーマットで印刷装置58に印刷出力させるための印刷制御部62と、リモコン60からの動作指示信号と、各検査機4〜10,18から送られる検査データに同期して、どのような検査項目で、その検査がどのような内容のものであるのかを管理表示手段57に表示させると共に、制御装置51から数値化された検査データが出力される毎に、これを管理表示装置57に数値として出力表示させる表示制御部63と、この表示制御部63に連動して、音出力装置59から各検査項目の内容をナレーションで説明すると共に、合否結果を特殊効果音で報知する音出力制御部64とを備えて構成される。
【0028】
管理装置52の構成をさらに詳しく説明すると、図6に示すように、メンテナンス管理部61は、検査を実施する車両データとして、車番と車種と走行距離と顧客名を入力装置56から入力すると、これを記憶する車両データ記憶手段71と、制御装置51から伝送装置53を通じて各検査機4〜10,18の検査データが送られてくると、この検査データを車両データに関連付けて記憶する検査データ記憶手段72と、検査データに含まれる各検査機4〜10の検査結果を分析し、被検査車両101毎に各検査項目の合否を判定する合否判定手段73と、合否判定手段73で部品の交換や調整が必要な場合、そうした必要整備項目のデータ(必要整備データ)を車両データに関連付けて記憶する必要整備データ記憶手段74と、各車種毎の部品リストと、それに対応する単価と交換費用の他に、整備費用を費用データとして記憶する費用データ記憶手段75とを備えている。
【0029】
この中で、検査データ記憶手段72は、被検査車両101を後日再び検査した場合に、そのときの検査データが以前入力された車両データに関連付けられて記憶される。これにより、一つの車両データには、検査を行なう毎に新たな検査データが対応して蓄積されて行くので、各検査項目における被検査車両101の経時的な変化、より具体的には各検査項目に関連する部品の使用限度予測を合否判定手段73で判定することができる。また、費用データ記憶手段75に記憶される部品リストは、タイヤ,エンジンオイル,オートマチックトランスミッション,ブレーキパッド,ブレーキシュー,バッテリ,点火プラグなどである。
【0030】
またメンテナンス管理部61は、入力装置56より車番と交換した部品名や終了した調整項目を入力すると、上記必要整備データ記憶手段74から、この車番を有する車両データに関連付けられた必要整備データから、該当する部品名や調整項目に関わる内容を消去(実際にはデータを消去せず、消去フラグとすることも含む)する。またメンテナンス管理部61は、入力装置56より検査報告書の印刷指令が入力されると、該当する車種を有する車両データに関連付けられた検査データと必要整備データを、合否判定手段73による判定結果と共に印刷制御部62へ出力する。特に本実施例の印刷制御部62は、後述するエコ診断レポートを出力する機能、すなわち被検査車両101の車名や年式などの車両データは勿論、被検査車両101の各検査項目について、望ましい検査結果の基準値と、検査データ記憶手段72に記憶された前回の検査時における検査結果と、今回の整備前の検査結果と、今回の整備後の検査結果を、いずれも数値化して並べて印刷出力させると共に、今回の整備前および整備後における複数段階(実施例では5段階)の合否判定を、合否判定手段73からの判定結果に基づき各検査項目毎に印刷出力し、かつ今回の判定結果により判断される推奨整備期限を算出して、その結果を印刷出力させる機能を備えている。
【0031】
さらにメンテナンス管理部61には、前述のように車両の部品毎の単価と交換費用、また整備費用が予め記憶された費用データ記憶手段75を有しており、入力装置56より見積書の印刷指令が入力されると、上記部品の交換や整備を要する必要整備データに一致した費用データを費用データ記憶手段75から検索して各部品の単価と交換費用または整備費用を求め、これらの費用を集計し、交換を要する部品名と単価,交換費用や、整備費用や、集計費用を印刷制御部62へ出力する機能も備えている。
【0032】
上記印刷制御部62には、前述したエコ診断レポートの報告書若しくは見積書のフォーマットが各々記憶されている。そして、メンテナンス管理部61から検査報告書の印刷命令を受けると、検査報告に必要なデータが報告書のフォーマットに組み込まれ、これが印刷装置58に出力される。またメンテナンス管理部61から見積書の印刷命令を受けると、見積に必要なデータが見積書のフォーマットに組み込まれ、これが印刷装置58に出力されるようになっている。さらに、上記報告書および見積書を、別々にではなく一体に印刷出力するように印刷制御部62を構成してもよい。こうすれば、被検査車両101の診断結果と、その診断に基づき必要な費用の内容を、1枚の紙で直ちに知ることが可能になる。
【0033】
また表示制御部63と音出力制御部64は、いずれも被検査車両101の検査に同期して、管理表示装置57や音出力装置59を制御するもので、この検査中に取り込まれる検査データが、前記メンテナンス管理部61の検査データ記憶手段72に記憶されるようになっている。
【0034】
図7は、被検査車両101の検査中において、表示制御部63により制御される管理表示装置57の表示形態の一例を示すものである。ここでは、ラテラルフォース検査機6によるラテラルフォースの検査中の説明画面を示しているが、81は各検査項目別の総合的な合否結果を記号と文字で表示する検査項目判定表示部であり、また82は何のための検査を行い、どのような検査であるのかを文字や図形描画で具体的に説明表示する検査内容表示部であり、さらに83は各検査項目の細部について、検査終了と共に基準値とラテラルフォース検査機6から得られる検査データを基に得た検査結果の数値とを並べて表示する検査結果数値表示部である。なお検査結果数値表示部83に示される検査結果の数値は、今回の検査結果若しくは今回及び前回の各検査結果の差から予測される次回の検査結果予測値と、基準値とを比較して得られる危険度の大きさに応じて、異なる色を表示するようになっている。具体的には、数値の背景が赤いものは、すでに今回の検査結果が基準値に満たず早急に整備を必要とすることを示し、数値の背景が黄色いものは、次回の検査結果予測値が基準値に満たず、近い将来整備が必要であることを示している。なお、この図7に示す表示画面部84の説明は、被検査車両101の検査に先立ち音出力制御部64による音出力装置59からのナレーション出力で、各ユーザに詳しく説明される。
【0035】
なお、各検査機4〜10,18からの検査データは、そのまま数値化された検査結果としてもよいが、例えば制動力の左右差のように、検査データから算出した検査結果もある。本実施例における検査結果とは、そのいずれも含むものである。
【0036】
以下、上記構成における作用を説明する。先ず、検査を行なうに先立ち、車番や、車種や、走行距離や、顧客名などを入力装置56から入力し、この入力した車両データを車両データ記憶手段71に記憶する。なお、被検査車両101を再検査する場合などにおいて、この被検査車両101の車両データが車両データ記憶手段71にすでに記憶されているときには、この車両データの入力を省略することができる。次に、顧客から預かった被検査車両101を検査室1の内部に進入させ、各タイヤ111A〜111Dをスピードテスト用ローラ27A〜27Dと兼用する駆動バランス用テストローラ31A〜31Dの上に乗り込ませる。なお初期状態では、各ブレーキ装置33A〜33Dを動作させずに、全ての駆動バランス用テストローラ31A〜31Dを回動可能な状態にさせておく。
【0037】
そして検査室1にいる検査員は、ショックアブソーバ検査機8を利用して、タイヤ111A〜111Dの路面への追従性能を測定する。これは上述の状態からリモコン60によりショックアブソーバ検査機8を始動させることで行なわれ、このリモコン60からの動作指示信号を受けて、音出力制御部64は効果音に続いて、音出力制御部64による音出力装置59からのナレーション出力でショックアブソーバ検査についての内容説明を行ない、同時に表示制御部63は図8(a)に示すショックアブソーバ検査の説明画面部85を表示する。これによりユーザは、どのような内容の検査をどのような目的で行っているのかを、被検査車両101の検査の進行に合わせて理解することができる。
【0038】
その後、ショックアブソーバ検査機8が検査した各タイヤ111A〜111D毎の共振周波数と接地能力の数値化された検査データが、制御装置51から伝送装置53を経て管理装置52に順に送り出されると、検査データ記憶手段72はこの検査データを個々に取り込んで記憶する。それと共に、合否判定手段73は個々のタイヤ111A〜111Dの共振周波数と接地能力について、今回の検査結果と基準値、若しくは今回及び前回の各検査結果の差から予測される次回の検査結果予測値と基準値とを比較して得られる危険度の大きさに応じて、複数段階(実施例では5段階)の合否判定を順に行なう。そして、今回の検査結果が基準値を満たしていない場合、あるいは次回の検査結果予測値が基準値に満たしていない場合は、検査結果数値表示部83に示される検査結果の数値を異なる色に変更すると共に、こうした細部の合否判定を基に、合否判定手段73はショックアブソーバ検査に関する総合的な判定を行なう。検査データが管理装置52に取り込まれる毎に、この検査データに基づく検査結果の数字が検査結果数値表示部83に表示され、かつ合否判定手段73に基づく細部の鑑定結果が色で識別されるので、ユーザは細部の合否結果と、基準値と比較した検査結果の度合いを、客観的に理解することができる。
【0039】
図8(b)は、検査終了時において管理表示装置57に表示される診断画面部86を示している。この診断表示部86は、検査すべき細部の検査データが全て管理装置52に取り込まれた時点で表示され、表示制御部63により検査内容表示部82の一部にショックアブソーバ検査に関する総合判定の合否結果が文字と記号で表示される。それと共に、音出力制御部64は、総合判定の合否結果に応じた効果音を音出力装置59から報知出力する。これにより、ユーザは視覚と聴覚の2つから、本検査に関する総合判定の合否結果を理解できる。
【0040】
次に、検査員は排気ガス検査機5による排気ガスの検査を行なうために、プローブ21付きの吸入口22をマフラー104の出口に挿入し、被検査車両101のアイドリング時と例えば40km/hの負荷時における排気ガスの各成分の濃度を測定する。またこれと同時に、バキューム波形検査機9を利用して、エンジンの燃焼状態を検査する。具体的には、負圧センサ41をエンジン102の吸気管106に装着し、エンジン102の動作に伴う負圧の脈動を、バキューム波形としてオシロスコープ42で観測する。
【0041】
この場合、リモコン60から排気ガス検査機5およびバキューム波形検査機9を始動させる動作指示信号を送り出すことで実際に検査が開始し、この動作指示信号を受けて、音出力制御部64は効果音に続いて、音出力制御部64による音出力装置59からのナレーション出力で排気ガスおよびバキューム波形を含むエンジン検査についての内容説明を行ない、同時に表示制御部63は図9(a)に示すエンジン検査の説明画面部85を表示する。これによりユーザは、どのような内容の検査をどのような目的で行っているのかを、被検査車両101の検査の進行に合わせて理解することができる。
【0042】
排気ガス検査機5から得られる各成分の濃度や空燃費の数値化された検査データと、バキューム波形検査機9により検査したエンジン102の負圧変動の数値化された検査データが、制御装置51から伝送装置53を経て管理装置52に順に送り出されると、検査データ記憶手段72はこの検査データを個々に取り込んで記憶する。なお、バキューム波形検査機9によるバキューム波形は、オシロスコープ42の表示部43でも表示される。合否判定手段73はそれぞれの項目細部について、合否判定を順に行なう。そして、今回の検査結果が基準値を満たしていない場合、あるいは次回の検査結果予測値が基準値に満たしていない場合は、検査結果数値表示部83に示される検査結果の数値を異なる色に変更すると共に、こうした細部の合否判定を基に、合否判定手段73はエンジン検査に関する総合的な判定を行なう。検査結果が管理装置52に取り込まれる毎に、この検査結果の数字が検査結果数値表示部83に表示され、かつ合否判定手段73に基づく細部の鑑定結果が色で識別されるので、ユーザは細部の合否結果と、基準値と比較した検査結果の度合いを、客観的に理解することができる。
【0043】
図9(b)は、検査終了時において管理表示装置57に表示される診断画面部86を示している。この診断表示部86は、検査すべき細部の検査データが全て管理装置52に取り込まれた時点で表示され、表示制御部63により検査内容表示部82の一部にエンジン検査に関する総合判定の合否結果が文字と記号で表示される。それと共に、音出力制御部64は、総合判定の合否結果に応じた効果音を音出力装置59から報知出力する。これにより、ユーザは視覚と聴覚の2つから、本検査に関する総合判定の合否結果を理解できる。
【0044】
また、排気ガス検査機5の検査機本体23とスピードテスト装置26の速度検出部28とは連動しており、被検査車両101の駆動輪(タイヤ111C,111D)を車検項目の条件である40km/hで回転走行させた時に、排気ガス検査機5による排気ガスの測定が行なわれるのと同時に、スピードテスト用ローラ27C,27Dの回転数から算出される速度が速度検出部28により検出され、表示器に表示される。
【0045】
被検査車両101における検査は、アイドリングから負荷時に移行する過渡時に有害ガスが多量に発生するため、こうした過渡状態をできるだけ避けて短時間で行なうことが求められる。その点、本実施例では、被検査車両101の負荷時に、排気ガスを検査する排気ガス検査機5に連動して、スピードテスト装置26がローラ27A,27Bの回転数からの速度を算出するように構成しているので、被検査車両101の排気ガスとスピードメータの検査を一度に行なうことができ、過渡状態に何度も移行させることなく、しかも負荷時における測定時間の短縮を図って環境面を考慮した検査を行なうことが可能になる。
【0046】
また検査員は、駆動バランス検査機7を利用して、エンジン102から各駆動輪に伝わる力のバランスを測定する。これもリモコン60により駆動バランス検査機7を始動させることで行なわれる。このリモコン60からの動作指示信号を受けて、音出力制御部64は効果音に続いて、音出力制御部64による音出力装置59からのナレーション出力で駆動バランス検査についての内容説明を行ない、同時に表示制御部63は図10(a)に示すショックアブソーバ検査の説明画面部85を表示する。これによりユーザは、どのような内容の検査をどのような目的で行っているのかを、被検査車両101の検査の進行に合わせて理解することができる。
【0047】
具体的には、被検査車両101のアイドリング時において、被検査車両101の一方の駆動輪に対応したブレーキローラ32Cのブレーキ装置33Cを制動解除状態にすると共に、他方の駆動輪に対応したブレーキローラ32Dのブレーキ装置33Dを制動状態にする。これによりタイヤ111Dはロックされて回転せず、タイヤ111Cはロックされずに回転するようになるため、エンジン102の全回転力がテストローラ31Cに接するタイヤ111Cに伝達する。このときのテストローラ31Cの回転数から、駆動バランス検査機7の検査制御部34はタイヤ111Cに対応する速度を算出する。
【0048】
次いで、同じく被検査車両101のアイドリング時において、他方の駆動輪に対応したブレーキローラ32Dのブレーキ装置33Dを制動解除状態にすると共に、他方の駆動輪に対応したブレーキローラ32Cのブレーキ装置33Cを制動状態にする。これによりテストローラ31Cはロックされて回転せず、テストローラ31Dはロックされずに回転するようになるため、エンジン102の全回転力がテストローラ31Dに接するタイヤ111Dに伝達する。このときのテストローラ31Dの回転数から、検査制御部34はタイヤ111Dに対応する速度を算出する。そして、各々算出された各駆動輪(タイヤ111C,111D)における速度の数値化された検査データが、制御装置51から伝送装置53を経て管理装置52に順に送り出されると、検査データ記憶手段72はこの検査データを個々に取り込んで記憶する。ここでも、検査データが管理装置52に取り込まれる毎に、検査結果の数字が検査結果数値表示部83に表示され、かつ合否判定手段73に基づく細部の鑑定結果が色で識別されるので、ユーザは細部の合否結果と、基準値と比較した検査結果の度合いを、客観的に理解することができる。
【0049】
また図10(b)は、検査終了時において管理表示装置57に表示される診断画面部86を示している。この診断表示部86は、検査すべき細部の検査データが全て管理装置52に取り込まれた時点で表示され、表示制御部63により検査内容表示部82の一部に駆動バランス検査に関する総合判定の合否結果が文字と記号で表示される。それと共に、音出力制御部64は、総合判定の合否結果に応じた効果音を音出力装置59から報知出力する。これにより、ユーザは視覚と聴覚の2つから、本検査に関する総合判定の合否結果を理解できる。
【0050】
その後、検査員は各タイヤ111A〜111Dについて、ラテラルフォース検査機6によるラテラルフォース(損失駆動力)の測定を行なう。この場合、リモコン60からラテラルフォース検査機6を始動させる動作指示信号を送り出すことで実際に検査が開始し、この動作指示信号を受けて、音出力制御部64は効果音に続いて、音出力制御部64による音出力装置59からのナレーション出力でラテラルフォース検査についての内容説明を行ない、同時に表示制御部63は図11(a)に示すラテラルフォース検査の説明画面部85を表示する。これによりユーザは、どのような内容の検査をどのような目的で行っているのかを、被検査車両101の検査の進行に合わせて理解することができる。
【0051】
そして、ラテラルフォース検査機6からの数値化された検査データが、制御装置51から伝送装置53を経て管理装置52に順に送り出されると、検査データ記憶手段72はこの検査データを個々に取り込んで記憶する。ここでも、検査データが管理装置52に取り込まれる毎に、検査データに基づき得られる検査結果の数字が検査結果数値表示部83に表示され、かつ合否判定手段73に基づく細部の鑑定結果が色で識別されるので、ユーザは細部の合否結果と、基準値と比較した検査結果の度合いを、客観的に理解することができる。
【0052】
また図11(b)は、検査終了時において管理表示装置57に表示される診断画面部86を示している。この診断表示部86は、検査すべき細部の検査データが全て管理装置52に取り込まれた時点で表示され、表示制御部63により検査内容表示部82の一部にラテラルフォース検査に関する総合判定の合否結果が文字と記号で表示される。それと共に、音出力制御部64は、総合判定の合否結果に応じた効果音を音出力装置59から報知出力する。これにより、ユーザは視覚と聴覚の2つから、本検査に関する総合判定の合否結果を理解できる。
【0053】
その他、ここでは図示しないが、被検査車両におけるタイヤ111A〜111Dの磨耗状態やブレーキの制動力なども合わせて検査される。図12(a)はブレーキ検査に関する説明画面部85を示しており、ここでも音出力制御部64による音出力装置59からのナレーション出力でブレーキ検査についての内容説明が同時に行われる。なお、ここでは制動力や引きずりの他に、ブレーキ検査に関する法廷検査項目の細部も同時に測定される。
【0054】
図12(b)は、ブレーキ検査終了時において管理表示装置57に表示される診断画面部86を示しており、この診断表示部86は、検査すべき細部の検査データが全て管理装置52に取り込まれた時点で表示される。そして、表示制御部63により検査内容表示部82の一部にブレーキ検査に関する総合判定の合否結果が文字と記号で表示される。それと共に、音出力制御部64は、総合判定の合否結果に応じた効果音を音出力装置59から報知出力する。これにより、ユーザは視覚と聴覚の2つから、本検査に関する総合判定の合否結果を理解できる。
【0055】
図13(a)はヘッドライト検査に関する説明画面部85を示しており、これはリモコン60によりヘッドライト検査機18を始動させるとあらわれる。ここでも音出力制御部64による音出力装置59からのナレーション出力でヘッドライト検査についての内容説明が同時に行われる。なお、左右のヘッドライトの焦点位置は、単に数値化された検査結果でなく、二次元的にも表示され、より理解しやすいようになっている。
【0056】
図13(b)は、ヘッドライト検査終了時において管理表示装置57に表示される診断画面部86を示しており、この診断表示部86は、検査すべき細部の検査データが全て管理装置52に取り込まれた時点で表示される。そして、表示制御部63により検査内容表示部82の一部にヘッドライト検査に関する総合判定の合否結果が文字と記号で表示される。それと共に、音出力制御部64は、総合判定の合否結果に応じた効果音を音出力装置59から報知出力する。これにより、ユーザは視覚と聴覚の2つから、本検査に関する総合判定の合否結果を理解できる。
【0057】
図14(a)は、その他細部の検査に関する説明画面部85を示している。ここで行われる検査は、前記ブローバイガス検査機4による検査の他に、ブレーキオイル沸点,バッテリ負荷電圧,バッテリ回復電圧,オルタネータ波形,ヘッドガスケットなどの検査であり、いずれも被検査車両101の寿命を大きく作用する部分や、被検査車両101の故障原因の多くを閉める部分に集中している。ここでも音出力制御部64による音出力装置59からのナレーション出力で本検査についての内容説明が同時に行われる。
【0058】
因みに、ブローバイガス検査機4による検査では、検査機本体13へのオイルの吸込みを防ぐために、被検査車両101のエンジン102を停止させ、その直後に、吸入口11を被検査車両101のエンジンオイル注入口103に装着して、吸入口11からフィルタ12を通過したブローバイガスの未燃焼成分の濃度を検査機本体13にて測定する。
【0059】
図14(b)は、その他の検査終了時において管理表示装置57に表示される診断画面部86を示しており、この診断表示部86は、検査すべき細部の検査データが全て管理装置52に取り込まれた時点で表示される。そして、表示制御部63により検査内容表示部82の一部にその他の検査に関する総合判定の合否結果が文字と記号で表示される。それと共に、音出力制御部64は、総合判定の合否結果に応じた効果音を音出力装置59から報知出力する。これにより、ユーザは視覚と聴覚の2つから、本検査に関する総合判定の合否結果を理解できる。
【0060】
なお、上記検査項目の順番は、検査のやり易さなどを考慮して適宜変更してよい。
【0061】
最後に、上記検査項目から選択された検査の細部の合否判定を基に、法定検査の結果が管理表示装置57に表示される。図15(a)は法定検査に関する個別診断画面部88であり、これは前述のその他の検査が完了して、ナレーション出力が終了すると切り替え表示されるものである。ここでは、ヘッドライト,排気ガス,スピードメータ,ブレーキ,サイドスリップ,騒音,警音器,その他の各法定検査項目について、合格若しくは不合格の判定が表示される。また図15(b)は法定検査に関する総合診断画面部89であり、ここでは合格時における表示形態を示している。なお、不合格の場合は、整備後に再度上記検査が行われる。
【0062】
上述のように、管理装置52の合否判定手段73は、被検査車両101の検査中において、制御装置51から送られた各検査データをもとに、それぞれの検査について合否を判定する。例えば、ブローバイガス検査機4で測定されたブローバイガスの未燃焼成分の濃度が、どの程度のレベルにあるかによって、エンジンオイルの劣化度やエンジンの磨耗度を判断する。この場合、ブローバイガスの未燃焼成分の濃度が高い程、エンジン102内の密閉状態が低下しており、エンジンオイルの劣化やエンジンの磨耗が進んでいると判断できる。
【0063】
また、排気ガス検査機5において測定されたアイドリング時および負荷時における排気ガスの各成分の濃度を分析し、その合否を判定することにより、排ガス中の有害成分が多い程、環境汚染を招くと共に、燃費の悪化やエンジン102部品の故障を来たすものと判断できる。
【0064】
合否判定手段73は、ラテラルフォース検査機6により測定された各タイヤ111A〜111Dのラテラルフォースの検査結果から、その合否を判定する。この場合、ラテラルフォースが大きい程、燃費の悪化や、タイヤ111A〜111Dの異常磨耗や、走行不安定を招く虞れがあり、特にタイヤ111A〜111Dからの廃棄物によって環境面の低下も懸念される。
【0065】
合否判定手段73は、駆動バランス検査機7により測定された各駆動輪の速度と、その差を算出し、検査の合否を判定する。この場合、エンジン102の力が各駆動輪に均等に抵抗なく伝われば理想的であるが、主に差動装置113の不良により伝達力のバランスが崩れると、各駆動輪の速度差が大きくなり、またエンジン102から各駆動輪への抵抗が大きくなると、個々の駆動輪の速度が低下してくる。そしてこの場合は、燃費が悪化したり、タイヤが異常に磨耗したり、走行が不安定になる不具合を招くことになる。
【0066】
合否判定手段73は、バキューム波形検査機9により測定されたバキューム波形に基づいて、エンジンの総合的な燃焼状態に関する検査の合否を判定する。バキューム波形は一般にエンジン102内のピストンの動きに伴って脈動するが、例えば点火プラグが汚れている程、脈動が一定せず乱れてくる。因みに従来は、オシロスコープ42の分解能が低く、バキューム波形を直線的にしか観測できず、エンジン102の負圧は一定のゲージ値での判断が行なわれていた。そのため、バキューム波形に関し、精度の高い検査を行なうことができなかった。この点、本実施例ではバキューム波形の細部を観測できるオシロスコープ42を利用しており、これにより点火プラグにおける初期の不具合状態を発見して、必要な処置を施すことが可能になる。
【0067】
合否判定手段73は、オートマチックトランスミッションオイル検査機10により検出されたオートマチックトランスミッションオイルの温度に基づき、オートマチックトランスミッションオイルの劣化に関する検査の合否を判定する。この場合、オートマチックトランスミッションオイル検査機10が検出した温度が高い程、変速機構内部の摩擦に伴う熱が多く発生しており、オートマチックトランスミッションオイルの交換時期が近付いていると判断できる。
【0068】
本実施例では図16にも示すように、それぞれの検査項目について、「最高の状態です」「良好な状態です」(次回の点検まで安心して運転できる状態),「定期的な検査をお勧めします」「早めの整備をお勧めします」(高速走行をなるべく控えて安全運転するのが望ましい状態),「至急整備が必要です」(部品の交換または調整がすぐに必要な状態)の5段階での評価を行なっているが、例えば4段階以下または6段階以上の評価でもよい。少なくとも3段階以上の評価を行なうと、走行には支障がないものの、初期的な不具合状態であることを知ることができる。
【0069】
また本実施例では、今回の検査時のみならず過去の検査における全検査データを検査データ記憶手段72に記憶し、この検査データから得られる前後の検査結果における変化量に基づいて、合否判定手段73による合否や評価の判定基準を設定するように構成している。これを具体的に説明すると、例えば今回の検査で被検査車両101のブレーキバッドが走行距離1万kmで2mm減っていた場合と、3mm減っていた場合では、同じ型式,車種の被検査車両101であっても、ブレーキパッドの検査に関し後者の合否判定基準を高く設定する。これにより、磨耗の著しい被検査車両101であるほど、早めの部品交換や整備が可能となり、被検査車両101を好ましい状態に維持できる。これは、合否判定手段73におけるあらゆる合否判定に適用される。
【0070】
以上にて検査室1での各種検査が終了したら、入力装置56により検査報告書の出力命令を管理装置52に入力する。これを受けて印刷制御部62は、該当する車種を有する車両データに関連付けられた検査結果と必要整備データを、合否判定手段73による上記判定結果と共に取り込み、これらの各種データを検査報告書のフォーマットに組み込んで印刷装置58へ出力する。これにより顧客は、各検査項目における検査結果を把握することができる。
【0071】
図16は、印刷装置58の出力結果であるエコ診断レポートの報告書を部分的に示すものであるが、ここでは、前記検査項目およびその細部を示した検査項目印刷部91と、検査項目印刷部91に記載される細部の望ましい検査結果の閾値または範囲である基準値を示す基準値印刷部92と、前回,今回の整備前および今回の整備後の各検査結果を各細部毎に示す検査結果数値印刷部93と、この前回,今回の整備前および今回の整備後の数値化された各検査結果により、前記合否判定手段73で判定される各検査項目における判定結果を記号で示す判定結果印刷部94と、この判定結果に基づく判断により、合否判定手段73にて算出した次に整備すべき期限となる推奨整備期限を示す推奨整備期限印刷部95が並べて印刷出力されるように、印刷制御部62が印刷装置58を制御する。
【0072】
これにより、エコ診断レポートを受け取ったユーザは、各検査項目の細部について、単にその合否を知るだけでなく、過去の履歴からどのように各検査データひいては検査結果が推移していて、それが基準値とどのような関係にあるのかを客観的に理解することができる。
【0073】
また、不合格の検査項目がある場合は、入力装置56により見積書の出力命令を管理装置52に入力すると、管理装置52は、必要整備データ記憶手段74に記憶された部品の交換や整備を要する必要整備データに一致した費用データを、費用データ記憶手段75の中から検索して各部品の単価と交換費用または整備費用を求め、これらの費用を集計し、交換を要する部品名と単価,交換費用や、整備費用や、集計費用を見積に必要なデータとして印刷制御部62に出力する。これを受けて印刷制御部62は、見積に必要なデータを見積書のフォーマットに組み込んで印刷装置58に出力する。これにより顧客は、部品交換や調整の必要な部分と、それに必要な費用の詳細を知ることができる。なお前述のように、見積書とエコ診断レポートを、1枚の紙に出力してもよい。
【0074】
以上のように本実施例では、被検査車両101の検査データを検査部である各検査機4〜10,18から取り込む管理手段としての管理装置52に、ユーザが視認可能な表示手段である管理表示装置57を制御する表示制御手段としての表示制御部63と、前記検査データに基づきその検査に関する合否を判定する合否判定手段73とを備え、表示制御部63は、検査機4〜10,18が被検査車両101の検査を行なうのに同期して、その検査に関する内容の説明を管理表示装置57に表示すると共に、検査機4〜10,18からの検査データで得られる検査結果を数値またはグラフで管理表示装置57に表示し、さらに合否判定手段73による合否結果も管理表示装置57に表示するように構成している。
【0075】
この場合、検査機4〜10,18が被検査車両101の検査を行なうと、現在行なわれている検査がどのような内容のものなのかを、ユーザは管理表示装置57を通して理解することができる。しかも、検査が進行するにしたがって、検査機4〜10,18からの検査データに基づく検査結果が、数値化またはグラフ化された状態でリアルタイムに合否結果と共に並べて表示されるので、ユーザは単にその検査の合否についてだけでなく、数値やグラフに基づく客観的な判断を的確に行なうことができる。したがって、検査中の内容をユーザが十分理解できると共に、各検査項目について被検査車両101の状況をユーザに正確にかつリアルタイムに伝えることができる。
【0076】
図17は、検査機4〜10,18からの検査データに得られる検査結果を、グラフで並べて管理表示装置57に表示する一例を示すものである。ここでは例えば被検査車両101のエンジン検査におけるCO排出量について、基準値と共に合格および不合格の範囲を棒グラフ状に望ましくは色分けして区画表示し、かつ、この棒グラフ状の区画表示に対応して、排気ガス検査機5から得られる検査データを基に得た検査結果を表示する検査結果グラフ表示部221が、管理表示装置57に設けられている。なお、グラフ表示の形態は図17のものに限定されない。このように、検査の各項目について、その検査結果をグラフで表示するようにすれば、より直感的な判断を下すことができる。
【0077】
また上記実施例において、検査機4〜10,18から取り込まれる検査中の検査データをグラフ表示できるように、管理表示装置57を構成してもよい。図18は、例えばブレーキ検査時における左右のタイヤ111A,111Bの制動力すなわち検査データを、この検査データが取り込まれる毎にプロットしてグラフ表示する検査中表示部231で、これを管理表示装置57内の適宜箇所に設ければよい。検査中表示部231の表示制御は、前記表示制御部63にて行なわれる。なお、グラフの表示形態は図18のものに限定されない。
【0078】
このようにすれば、検査機4〜10,18から検査データが取り込まれる毎に、その検査データが管理表示装置57にグラフで表示されるので、被検査車両101の検査を行ないながら、検査データがどのように推移するのかを適確に把握することができる。
【0079】
また本実施例では、検査に関する内容説明と、数値化またはグラフ化された検査結果と合否結果が、共通する画面部に表示される。そのため、こうした情報をユーザは一度に把握することができる。しかも、検査内容の説明や合否結果は、音出力装置59を通しても行なわれるので、管理表示装置57を確認できない状況であっても、どのような検査が行なわれていて、どのような結果であるのかを知ることができる。なお、検査に関する内容の説明の表示や報知は、リモコン60からの動作指示信号によらず、各検査機4〜10,18からの測定開始を知らせる開始信号に基づき、スタートさせてもよい。また、ここでいう検査部は、被検査車両101の各部を測定する測定器と、この測定器に表示される測定値をキー入力すると、この測定値を検査データとして管理装置52に出力するパソコンなどの検査データ出力機とを組み合わせたものでもよい。
【0080】
また本実施例では、被検査車両101の検査データの履歴を記憶する検査データ記憶手段72を備えると共に、望ましい検査結果の基準値と、検査データ記憶手段72からの検査データに基づく前回の数値化された検査結果と、検査中の検査データに基づく今回の数値化された検査結果と、合否判定手段73による合否結果とを並べて表形式に出力する出力制御手段としてのをさらに備えている。
【0081】
この場合、望ましい検査結果の基準値と共に、前回の数値化された検査結果と、今回の数値化された検査結果と、今回の検査の合否結果が並べられて、ユーザにわかり易い表形式に出力(印刷または表示)される。そのためユーザは、今回の検査についての評価はもとより、制御装置52にて過去の症例を元に判断される予見情報を、管理表示装置57や印刷制御部62にて表示または印刷することで、やがて起こりうる被検査車両101の状況を、事前に予測することができる。
【0082】
なおこの場合、基準値や検査結果を数値化された表形式ではなく、視覚的に直感できるグラフ形式にして出力してもよい。図19は、こうした出力の一例を示すものであるが、ここでは例えば被検査車両101のタイヤ111A〜111Dの最小残量について、安全な基準値の範囲の他に、場合によっては定期的な検査や早めの整備が必要な要注意の範囲と、至急整備が必要な危険範囲とを、棒グラフ状に望ましくは色分けして区画出力する基準値印刷部251と、この棒グラフ状の基準値印刷部251に対応して、前回,今回の整備前および今回の整備後の各検査結果を例えば記号で出力する検査結果印刷部252が、印刷表示部62により紙に出力される。
【0083】
このように、望ましい検査結果の基準値と共に、前回の数値化された検査結果と、今回の数値化された検査結果が、基準値印刷部251および検査結果印刷部252として、ユーザに直感して理解し易いグラフ形式に出力(印刷または表示)される。そのためユーザは、今回の検査についての評価はもとより、やがて起こりうる被検査車両101の状況を、事前に予測することができる。なお、グラフの形態は図19のものに限定されない。また、こうした表形式またはグラフ形式の出力を、印刷装置58のみならず管理表示手段57に表示させてもよい。
【0084】
さらに、各検査機4〜10,18が被検査車両の検査を行なうのに同期して、検査データ記憶手段72からの検査データに基づく前回の検査結果を表示する車両検査表示手段としての車両検査表示装置54を、被検査車両101の検査室1にいる検査員が視認できるように設けてもよい。
【0085】
こうすれば、検査員は検査を開始するときに、車両検査表示装置54を通して前回の検査結果を知ることができる。そのため、今回の検査結果が例えば各検査機4〜10,18の誤差範囲程度のものなのか否かを、検査中に判断することができる。なお、ここでいう車両検査表示手段は、前述のパソコンなどの検査データ出力器に兼用させてもよい。
【0086】
その他、本実施例では、1つの検査室1の内部で車検にて行われる複数種の車両検査のみならず、環境面を配慮した検査をまとめて行なうことができると共に、各検査機4〜10,18を検査室1内に集約化させることによって、検査時の被検査車両101の移動距離を短縮できる。また、上記各種検査ごとに各検査機4〜10や車両検査表示装置54がその測定結果を表示するので、リアルタイムで検査の進行状況とその検査結果とを確認することができる。
【0087】
また、前記各検査機4〜10,18から取り込んだ測定結果を、車両データと関連つけて検査データとして記憶させておくことで、必要な検査データを車両データから簡単に見つけ出すことができる。しかも検査が不合格なとき、即時に詳細な見積書が提示されるため、顧客は、被検査車両101の部品交換や調整に必要な費用を明確に知ることができる。
【0088】
特に本実施例では、車両データに記憶された被検査車両101の登録番号(通常は4桁)を例えば入力装置56から入力すると、その登録番号に一致するファイルフォルダを抽出し、同一の登録番号のファイルフォルダが複数ある場合には、それらのファイルフォルダに関する情報が管理表示手段57に表示され、そこから必要なファイルフォルダを特定する検索手段を管理装置52に備えている。具体的には図20に示すように、管理装置52には、移動可能なファイルフォルダ261が棚262に複数並設されると共に、ファイルフォルダ261の外面には、登録番号や分類番号や管轄支局毎に異なる識別部263が設けられる。この識別部263はファイルフォルダ261毎に異なる配列で開けられた孔や、バーコードラベルなどで実現できる。また264は、識別部263を読み取る読取手段である。各ファイルフォルダ261は、登録番号,分類番号および管轄支局毎に区分されており、それぞれ固有の識別部263を備えている。また、個々の識別部263に対応する登録番号,分類番号および管轄支局は、管理装置52の識別部記憶手段265に予め記臆される。このファイルフォルダ261に、登録番号,分類番号および管轄支局の一致する書類(例えば前記見積書やエコ診断レポート)が収容される。
【0089】
そして、被検査車両101の登録番号を入力装置56から入力すると、管理装置52は識別部記憶手段265に記憶される内容を基に、対応する識別部263が設けられたファイルフォルダ261があるか否かを読取手段264にて読み取る。そして、ファイルフォルダ261が見つかれば、読取手段264はそのファイルフォルダ261を棚262から引き出す方向に移動させる。一方、同一の登録番号に該当する複数のファイルフォルダ261が存在すると管理装置52が判断した場合には、その旨を管理表示装置57に表示させる。これを受けて、別の分類番号や管轄支局を入力装置56から入力すれば、さらにファイルフォルダ261が特定される。これにより、必要なファイルフォルダ261に収容されるファイルデータを登録番号だけで概ね検索することができ、また同じ登録番号のファイルフォルダ261が複数存在していても、管理表示手段57に表示されるファイルフォルダに関する情報を基に、そこから必要なファイルフォルダ261を適確に選択できる。
【0090】
また本実施例では、各車種毎に必要な個々の部品や整備の項目と、それに伴う費用を、メンテナンス管理部61の費用データ記憶手段75に費用データとして記憶しているので、この費用データを随時更新すれば、どのような車種の被検査車両101であっても、被検査車両101の部品交換や調整に必要な費用を即座に算出して、顧客に提示することができる。
【0091】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、被検査車両101の検査項目としては、上述したものに限定されない。
【0092】
【発明の効果】
本発明における請求項1の車両検査診断装置によれば、検査中の内容をユーザが十分理解できるようにすると共に、各検査項目について車両の状況を正確にかつリアルタイムに伝えることができる。
【0093】
本発明における請求項2の車両検査診断装置によれば、被検査車両の検査を行ないながら、検査データがどのように推移するのかを適確に把握することができる。
【0094】
本発明における請求項3の車両検査診断装置によれば、ユーザは、今回の検査についての評価はもとより、やがて起こりうる被検査車両の状況を、事前に予測することができる。
【0095】
本発明における請求項4の車両検査診断装置によれば、検査員は検査を開始するときに、車両検査表示手段を通して前回の検査結果を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す車両検査装置の全体斜視図である。
【図2】同上車両検査装置の要部の構成を示す概略図である。
【図3】同上駆動バランス検査機の構成を示す概略図である。
【図4】同上バキューム波形の時間変化を示す波形図である。
【図5】同上装置の機能構成を示すブロック図である。
【図6】同上管理装置のより具体的な構成を示すブロック図である。
【図7】同上説明画面の一例を示す管理表示装置の正面図である。
【図8】同上ショックアブソーバ検査に関する説明画面と診断画面を示す管理表示装置の正面図である。
【図9】同上エンジン検査に関する説明画面と診断画面を示す管理表示装置の正面図である。
【図10】同上駆動バランス検査に関する説明画面と診断画面を示す管理表示装置の正面図である。
【図11】同上ラテラルフォース検査に関する説明画面と診断画面を示す管理表示装置の正面図である。
【図12】同上ブレーキ検査に関する説明画面と診断画面を示す管理表示装置の正面図である。
【図13】同上ヘッドライト検査に関する説明画面と診断画面を示す管理表示装置の正面図である。
【図14】同上その他検査に関する説明画面と診断画面を示す管理表示装置の正面図である。
【図15】同上法定検査に関する個別診断画面と総合診断画面を示す管理表示装置の正面図である。
【図16】同上印刷結果を示す要部の正面図である。
【図17】同上エンジン検査に関する別な例を示す管理表示装置の正面図である。
【図18】同上ブレーキ検査中におけるグラフ表示を示す管理表示装置の要部正面図である。
【図19】同上別な印刷結果の一例を示す要部の正面図である。
【図20】同上管理装置を利用した検索システムの一例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 検査室
4〜10,18 検査機(検査部)
52 管理装置(管理手段)
54 車両検査表示装置(車両検査表示手段)
57 管理表示装置(表示手段)
63 表示制御部(表示制御手段)
72 検査データ記憶手段
73 合否判定手段
101 被検査車両
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に車検場や自動車整備工場などで使用され、被検査車両を検査診断する車両検査診断装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、車検(一定期間毎の自動車の各種機能を所定場所で検査する法定制度)に対する設備は、主として整備工場内に合理化されたラインシステムとして提供され、車両がラインを一巡することにより、車検に必要な全ての検査が円滑かつ連携的に行なわれるようになっている。
【0003】
例えば特許文献1には、検査時における被検査車両の移動距離を短縮する目的で、車両入口部から車両出口部に通じる車両通路に、被検査車両の速度計の精度を検査するスピードテスト装置と、被検査車両のブレーキ力を検査するブレーキテスト装置と、被検査車両のサイドスリップを検査するサイドスリップテスト装置と、マフラーから排出される排気ガス濃度を検査する排気ガステスト装置と、ヘッドライトの照射方向や光度を検査するヘッドライトテスト装置と、被検査車両の下廻りを点検・調整するために被検査車両を昇降させるリフト装置とをそれぞれ配置した車両検査設備が開示されている。ここでは、各種検査ごとに表示装置の検査項目別ランプと合否ランプが点灯するようになっており、検査の最中に検査室の外部から表示装置を目視することで、リアルタイムで検査の進行状況や検査結果を確認できるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−138885号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の車両検査設備は、車両検査の際に特にユーザが立ち会う場合に、自分の車両が現在何の検査を行なっているのかを、表示装置により直接的に理解することができる。しかし、ユーザが理解できるのは、現在行なわれている検査名と、その合否についてだけで、現在の検査が何の目的で行なわれていているのかを知ることはできない。この場合、検査内容の説明を人に頼ると、ユーザからの質問などで説明が長引いて、実際の検査と説明とのタイミングが合わなくなり、結局は検査内容の十分な理解が得られない。また、上記車両検査設備は個々の検査について合否判定を表示するものの、同じ合格や不合格でも、その検査について被検査車両がどのような状況にあるのかを客観的に把握することができない。そのため、ユーザは内容のわからない検査の合否だけが一方的に伝えられ、それぞれの検査項目に関し車両の正確な状況をリアルタイムに知ることができなかった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決しようとするものであり、検査中の内容をユーザが十分理解できるようにすると共に、各検査項目について車両の状況を正確にかつリアルタイムに伝えることができる車両検査診断装置を提供することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の車両検査診断装置では、検査部が被検査車両の検査を行なうと、現在行なわれている検査がどのような内容のものなのかを、ユーザは表示手段を通して理解することができる。しかも、検査が進行するにしたがって、検査部からの検査データに基づく検査結果が、数値化またはグラフ化された状態でリアルタイムに合否結果と共に表示されるので、ユーザは単にその検査の合否についてだけでなく、数値やグラフに基づく客観的な判断を的確に行なうことができる。
【0008】
また、本発明の請求項2の車両検査診断装置では、検査部から検査データが取り込まれる毎に、その検査データが表示手段にグラフで表示されるので、被検査車両の検査を行ないながら、検査データがどのように推移するのかを適確に把握することができる。
【0009】
また、本発明の請求項3の車両検査診断装置では、望ましい検査結果の基準値と共に、前回の検査結果と、今回の検査結果と、今回の検査の合否結果が、ユーザにわかり易い表形式またはユーザに直感して理解し易いグラフ形式に出力(印刷または表示)される。そのためユーザは、今回の検査についての評価はもとより、過去の症例を基に判断される予見情報を出力することで、やがて起こりうる被検査車両の状況を、事前に予測することができる。
【0010】
また、本発明の請求項4の車両検査診断装置では、検査員は検査を開始するときに、車両検査出力手段を通して前回の検査結果を表示や印刷により知ることができる。そのため、今回の検査結果が検査部の誤差範囲程度のものなのか否かを、検査中に判断することができる。
【0011】
【発明の実施形態】
以下、本発明における車両検査診断装置の好ましい一実施例について、添付図面を参照しながら説明する。
【0012】
先ず、検査部の構成を図1に基づき説明すると、1は車検場や自動車整備工場内の適所に設けられる検査室で、この検査室1の床面には被検査車両101の車両通路2が形成される。検査室1の内部には、ブローバイガス検査機4と、排気ガス検査機5と、ラテラルフォース検査機6と、駆動バランス検査機7と、ショックアブソーバ検査機8と、バキューム波形検査機9と、オートマチックトランスミッションオイル検査機10と、ヘッドライト検査機18などが同居状に各々配置される。
【0013】
ブローバイガス検査機4は、被検査車両101におけるエンジンオイルの劣化やエンジンの磨耗度を検査するもので、具体的には図2に示すように、被検査車両101の内燃機関たるエンジン102に設けられたエンジンオイル注入口103に装着可能であって、エンジン102内部に漏れるブローバイガスを取り込む吸入口11と、この吸入口11から取り込んだブローバイガスの不純成分を除去するフィルタ12と、ブローバイガス中の未燃焼成分(HC)の濃度を検出するブローバイガス濃度検出手段としての検査機本体13とを備えて構成される。検査機本体13の前面には、測定開始/終了などの各種操作キーを備えた操作部14と、ブローバイガスの濃度などを表示する表示部15が設けられ、ブローバイガスの検査結果が一目で確認できるようになっている。ここでは、エンジン102からエンジンオイル注入口103に吹き抜けてきたブローバイガスの未燃焼成分の濃度により、エンジンオイルの劣化度やエンジン102内部の密閉状態の良否を直接的に判断することができるので、被検査車両101におけるエンジンオイルの劣化やエンジンの磨耗度をより適確に検査できる。
【0014】
なお上記吸入口11は、エンジンオイル注入口103に限らず、エンジン102に設けられた例えばエンジンオイルのレベルゲージ挿入口やホース取付け部(いずれも図示せず)など、要はエンジン102内全体に充満するブローバイガスを取り込める任意の部位に装着できればよい。
【0015】
排気ガス検査機5は、排気ガス中の各成分の濃度を測定することで、エンジン102の総合診断を検査するもので、これは図2に示すように、マフラー104からの排気ガスを取り込むプローブ21付きの吸入口22と、排気ガス中の各成分(CO,HC,CO2,O2など)の濃度を検出する排気ガス濃度検出手段としての検査機本体23とを備えて構成される。特に本実施例における検査機本体23は、被検査車両101のアイドリング時のみならず負荷時においても、排気ガスの各成分の濃度を測定できるように、負荷時にマフラー104から排出される水の影響を排除する水処理機能を備えたものが選定される。
【0016】
検査機本体23の前面には、測定開始/終了などの各種操作キーを備えた操作部24と、排気ガスの濃度などを表示する表示部25が設けられ、被検査車両101のマフラー104から排出される排気ガスの検査結果が一目で確認できるようになっている。また、この検査機本体23と連動して測定を開始/終了するスピードテスト装置26が排気ガス検査機5に付随して設けられている。スピードテスト検査機26は、被検査車両101のタイヤ111A〜111Dに接する回転自在なスピードテスト用ローラ27A〜27Dと、被検査車両101の負荷時にローラ27A〜27Dの単位時間当たりの回転数を検出して、その速度を算出する速度検出部28とにより構成され、検出速度が図示しない表示器に表示されるようになっている。
【0017】
ラテラルフォース検査機6は、被検査車両101のタイヤ111に発生する横向きの力(損失駆動力)を測定するもので、これは例えば特公平4−23207号公報に開示される既存のサイドスリップ検査装置を利用してもよい。この検査は、前輪および後輪の左右の各タイヤ111A〜111Dについて、図3に示すように昇降自在なラテラルフォース用ローラ29A〜29Dを利用して行なわれる。
【0018】
駆動バランス検査機7は、被検査車両101のエンジン102の駆動力がタイヤ111の各輪に伝わるバランスを検査するものである。この駆動バランス検査機7は、具体的には図3に示すように、被検査車両101の各タイヤ111A〜111Dに対応して前後左右にそれぞれ一つずつ設けられ、各々が独立して回動自在に設けられる駆動バランステスト用ローラ31A〜31Dと、同じく被検査車両101の各タイヤ111A〜111Dに対応して前後左右にそれぞれ一つずつ設けられ、各々が独立して回動自在に設けられる接地面が凹凸を有する昇降可能なブレーキローラ32A〜32Dと、これらのブレーキローラ32A〜32Dにそれぞれ独立して設けられる制動機構としてのブレーキ装置33A〜33Dと、前記ブレーキ装置33A〜33Dの動作を各々制御すると共に、各ローラ31A〜31Dの単位時間当たりの回転数から速度を算出し、これを表示器(図示せず)により表示する検査制御部34とにより構成される。検査制御部34は、アイドリング状態にある被検査車両101の駆動輪の一方(例えばタイヤ111C)を回転可能にする一方で、他のタイヤ111Dをブレーキ装置33Dにより回転させないようにし、このときの駆動バランステスト用ローラ31Cの単位時間当たりの回転数から速度を算出する動作を、駆動輪に対応した各ローラ31C,31Dに対して順に行なう機能を有する。これにより、被検査車両101の各駆動輪(タイヤ111C,111D)における駆動バランスを測定することができる。
【0019】
なお、図3の被検査車両101はFR車を想定したものであり、112はエンジン102の回転力を被検査車両101の後方へ伝達するプロペラシャフト、113はプロペラシャフト112の回転力を後駆動輪のタイヤ111C,111Dに連結したドライブシャフト114に伝達する差動装置(デファレンシャル)である。FF車の場合は、前駆動輪(タイヤ111A,111B)に対応したローラ31A,31B,32A,32Bを利用して、タイヤ111A,111Bにおける駆動バランスを測定すればよい。また4WD車の場合は、全てのローラ31A〜31D,32A〜32Dを利用して、各駆動輪(タイヤ111A〜111D)における駆動バランスを測定する。さらに本実施例では、駆動バランステスト用ローラ31A〜31Dと前記スピードテスト用ローラ27A〜27Dとを兼用させることにより、検査室1内の構成の簡素化を図っている。
【0020】
ショックアブソーバ検査機8は、タイヤ111A〜111Dの路面への追従性能を測定するもので、具体的には各タイヤ111A〜111Dの共振周波数と接地能力を検査するものである。
【0021】
バキューム波形検査機9は、エンジン102の負圧の変動を検出することによりエンジンの総合的な燃焼状態を検査するもので、これは具体的には図2に示すように、エンジン102の吸気管106に装着され、エンジン102の負圧を検出する負圧センサ41と、この負圧センサ41で検出されるエンジン102の動作に伴う負圧の脈動を、バキューム波形として観測し、それを表示部43にて表示する負圧脈動測定機としてのオシロスコープ42とにより構成される。つまり、ここでの負圧センサ41やオシロスコープ42は、負圧の脈動を検出し得る分解能を有するものが必要とされる。図4に示すような脈動するバキューム波形は、エンジン102内のピストン(図示せず)の動きに伴い生じるもので、脈動波形が乱れているもの程、例えばエンジン102の点火プラグ(図示せず)が劣化して、エンジン102の燃焼状態が低下していると判断できる。これにより、エンジン102から点火プラグをいちいち外さなくても、点火プラグひいてはエンジン102の状態を簡単に検査することなどができる。
【0022】
オートマチックトランスミッションオイル検査機10は、オートマチック車におけるオートマチックトランスミッションオイルの劣化を検査するためのもので、具体的には図示しない変速機構のオイル入口に挿入され、被検査車両101の走行直後におけるオートマチックトランスミッションオイルの温度を検出する温度検出素子45と、この温度検出素子45からの出力により検出温度を表示する検査機本体46とにより構成される。そして、検査機本体46に表示されるオートマチックトランスミッションオイルの温度が高い程、変速機構内部の摩擦に伴う熱が多く発生しており、オイルの交換時期が近付いていると判断する。
【0023】
ヘッドライト検査機18は、被検査車両101の前部に取付けられる左右のヘッドライトの照度および接地面からの高さを含む照射位置を検査するもので、これは受光部19と検査機本体20とにより構成される。
【0024】
図5は、装置の全体構成を示すブロック図である。同図において、51は検査部である各検査機4〜10,18から出力される数値化された検査データを、検査室1の外部にある管理装置52に伝送装置53を介して転送する制御装置である。この制御装置51には、赤外線による通信手段により双方向の通信が可能な遠隔操作部としてのリモコン60が接続される。このリモコン60は、複数の操作キー(図示せず)を備え、この操作キーからのキー入力により、制御装置51や管理装置52に対して各検査機4〜10,18や後述する各装置57〜59の起動や停止などの動作指示信号を出力するものである。なお、本実施例では通信手段として赤外線を利用しているがその他の無線あるいは有線の通信手段を利用してもよい。また、制御装置51には、各検査機4〜10からの検査結果を同一箇所で表示するための車両検査表示装置54が接続される。制御装置51は、検査室1内にあって、リモコン60からの動作指示信号を受けて各検査機4〜10,18の各部を制御すると共に、リモコン60からの動作指示信号が、管理装置52に従属する各装置56〜59に関連するものであれば、その動作指示信号を伝送装置53から管理装置52に転送する機能を有する。
【0025】
また制御装置51には、検査中の現場を撮影したり、あるいは検査員の頭部などに装着され、検査員の視線からの現場風景を撮影する撮影装置30が接続される。
【0026】
一方、センター55内に設置される管理装置52は、例えばパーソナルコンピュータの本体で構成され、他にキーボードからなる入力装置56を入力側に接続すると共に、CRTや液晶モニタなどからなる出力装置としての管理表示装置57と、プリンタからなる同じく出力装置からなる印刷装置58と、音声や各種効果音を出力する音出力装置59を出力側に接続して構成される。なお、表示手段に相当する管理表示装置57は、被検査車両101の所有者であるユーザが視認できる位置に設けられる。
【0027】
管理装置52は、記憶手段が記憶するソフトウェアの機能的な構成として、各検査機4〜10,18からの数値化された検査データを取り込んで、各被検査車両101のメンテナンスデータを管理するメンテナンス管理部61と、このメンテナンス管理部61から得られた各種情報を、所定のフォーマットで印刷装置58に印刷出力させるための印刷制御部62と、リモコン60からの動作指示信号と、各検査機4〜10,18から送られる検査データに同期して、どのような検査項目で、その検査がどのような内容のものであるのかを管理表示手段57に表示させると共に、制御装置51から数値化された検査データが出力される毎に、これを管理表示装置57に数値として出力表示させる表示制御部63と、この表示制御部63に連動して、音出力装置59から各検査項目の内容をナレーションで説明すると共に、合否結果を特殊効果音で報知する音出力制御部64とを備えて構成される。
【0028】
管理装置52の構成をさらに詳しく説明すると、図6に示すように、メンテナンス管理部61は、検査を実施する車両データとして、車番と車種と走行距離と顧客名を入力装置56から入力すると、これを記憶する車両データ記憶手段71と、制御装置51から伝送装置53を通じて各検査機4〜10,18の検査データが送られてくると、この検査データを車両データに関連付けて記憶する検査データ記憶手段72と、検査データに含まれる各検査機4〜10の検査結果を分析し、被検査車両101毎に各検査項目の合否を判定する合否判定手段73と、合否判定手段73で部品の交換や調整が必要な場合、そうした必要整備項目のデータ(必要整備データ)を車両データに関連付けて記憶する必要整備データ記憶手段74と、各車種毎の部品リストと、それに対応する単価と交換費用の他に、整備費用を費用データとして記憶する費用データ記憶手段75とを備えている。
【0029】
この中で、検査データ記憶手段72は、被検査車両101を後日再び検査した場合に、そのときの検査データが以前入力された車両データに関連付けられて記憶される。これにより、一つの車両データには、検査を行なう毎に新たな検査データが対応して蓄積されて行くので、各検査項目における被検査車両101の経時的な変化、より具体的には各検査項目に関連する部品の使用限度予測を合否判定手段73で判定することができる。また、費用データ記憶手段75に記憶される部品リストは、タイヤ,エンジンオイル,オートマチックトランスミッション,ブレーキパッド,ブレーキシュー,バッテリ,点火プラグなどである。
【0030】
またメンテナンス管理部61は、入力装置56より車番と交換した部品名や終了した調整項目を入力すると、上記必要整備データ記憶手段74から、この車番を有する車両データに関連付けられた必要整備データから、該当する部品名や調整項目に関わる内容を消去(実際にはデータを消去せず、消去フラグとすることも含む)する。またメンテナンス管理部61は、入力装置56より検査報告書の印刷指令が入力されると、該当する車種を有する車両データに関連付けられた検査データと必要整備データを、合否判定手段73による判定結果と共に印刷制御部62へ出力する。特に本実施例の印刷制御部62は、後述するエコ診断レポートを出力する機能、すなわち被検査車両101の車名や年式などの車両データは勿論、被検査車両101の各検査項目について、望ましい検査結果の基準値と、検査データ記憶手段72に記憶された前回の検査時における検査結果と、今回の整備前の検査結果と、今回の整備後の検査結果を、いずれも数値化して並べて印刷出力させると共に、今回の整備前および整備後における複数段階(実施例では5段階)の合否判定を、合否判定手段73からの判定結果に基づき各検査項目毎に印刷出力し、かつ今回の判定結果により判断される推奨整備期限を算出して、その結果を印刷出力させる機能を備えている。
【0031】
さらにメンテナンス管理部61には、前述のように車両の部品毎の単価と交換費用、また整備費用が予め記憶された費用データ記憶手段75を有しており、入力装置56より見積書の印刷指令が入力されると、上記部品の交換や整備を要する必要整備データに一致した費用データを費用データ記憶手段75から検索して各部品の単価と交換費用または整備費用を求め、これらの費用を集計し、交換を要する部品名と単価,交換費用や、整備費用や、集計費用を印刷制御部62へ出力する機能も備えている。
【0032】
上記印刷制御部62には、前述したエコ診断レポートの報告書若しくは見積書のフォーマットが各々記憶されている。そして、メンテナンス管理部61から検査報告書の印刷命令を受けると、検査報告に必要なデータが報告書のフォーマットに組み込まれ、これが印刷装置58に出力される。またメンテナンス管理部61から見積書の印刷命令を受けると、見積に必要なデータが見積書のフォーマットに組み込まれ、これが印刷装置58に出力されるようになっている。さらに、上記報告書および見積書を、別々にではなく一体に印刷出力するように印刷制御部62を構成してもよい。こうすれば、被検査車両101の診断結果と、その診断に基づき必要な費用の内容を、1枚の紙で直ちに知ることが可能になる。
【0033】
また表示制御部63と音出力制御部64は、いずれも被検査車両101の検査に同期して、管理表示装置57や音出力装置59を制御するもので、この検査中に取り込まれる検査データが、前記メンテナンス管理部61の検査データ記憶手段72に記憶されるようになっている。
【0034】
図7は、被検査車両101の検査中において、表示制御部63により制御される管理表示装置57の表示形態の一例を示すものである。ここでは、ラテラルフォース検査機6によるラテラルフォースの検査中の説明画面を示しているが、81は各検査項目別の総合的な合否結果を記号と文字で表示する検査項目判定表示部であり、また82は何のための検査を行い、どのような検査であるのかを文字や図形描画で具体的に説明表示する検査内容表示部であり、さらに83は各検査項目の細部について、検査終了と共に基準値とラテラルフォース検査機6から得られる検査データを基に得た検査結果の数値とを並べて表示する検査結果数値表示部である。なお検査結果数値表示部83に示される検査結果の数値は、今回の検査結果若しくは今回及び前回の各検査結果の差から予測される次回の検査結果予測値と、基準値とを比較して得られる危険度の大きさに応じて、異なる色を表示するようになっている。具体的には、数値の背景が赤いものは、すでに今回の検査結果が基準値に満たず早急に整備を必要とすることを示し、数値の背景が黄色いものは、次回の検査結果予測値が基準値に満たず、近い将来整備が必要であることを示している。なお、この図7に示す表示画面部84の説明は、被検査車両101の検査に先立ち音出力制御部64による音出力装置59からのナレーション出力で、各ユーザに詳しく説明される。
【0035】
なお、各検査機4〜10,18からの検査データは、そのまま数値化された検査結果としてもよいが、例えば制動力の左右差のように、検査データから算出した検査結果もある。本実施例における検査結果とは、そのいずれも含むものである。
【0036】
以下、上記構成における作用を説明する。先ず、検査を行なうに先立ち、車番や、車種や、走行距離や、顧客名などを入力装置56から入力し、この入力した車両データを車両データ記憶手段71に記憶する。なお、被検査車両101を再検査する場合などにおいて、この被検査車両101の車両データが車両データ記憶手段71にすでに記憶されているときには、この車両データの入力を省略することができる。次に、顧客から預かった被検査車両101を検査室1の内部に進入させ、各タイヤ111A〜111Dをスピードテスト用ローラ27A〜27Dと兼用する駆動バランス用テストローラ31A〜31Dの上に乗り込ませる。なお初期状態では、各ブレーキ装置33A〜33Dを動作させずに、全ての駆動バランス用テストローラ31A〜31Dを回動可能な状態にさせておく。
【0037】
そして検査室1にいる検査員は、ショックアブソーバ検査機8を利用して、タイヤ111A〜111Dの路面への追従性能を測定する。これは上述の状態からリモコン60によりショックアブソーバ検査機8を始動させることで行なわれ、このリモコン60からの動作指示信号を受けて、音出力制御部64は効果音に続いて、音出力制御部64による音出力装置59からのナレーション出力でショックアブソーバ検査についての内容説明を行ない、同時に表示制御部63は図8(a)に示すショックアブソーバ検査の説明画面部85を表示する。これによりユーザは、どのような内容の検査をどのような目的で行っているのかを、被検査車両101の検査の進行に合わせて理解することができる。
【0038】
その後、ショックアブソーバ検査機8が検査した各タイヤ111A〜111D毎の共振周波数と接地能力の数値化された検査データが、制御装置51から伝送装置53を経て管理装置52に順に送り出されると、検査データ記憶手段72はこの検査データを個々に取り込んで記憶する。それと共に、合否判定手段73は個々のタイヤ111A〜111Dの共振周波数と接地能力について、今回の検査結果と基準値、若しくは今回及び前回の各検査結果の差から予測される次回の検査結果予測値と基準値とを比較して得られる危険度の大きさに応じて、複数段階(実施例では5段階)の合否判定を順に行なう。そして、今回の検査結果が基準値を満たしていない場合、あるいは次回の検査結果予測値が基準値に満たしていない場合は、検査結果数値表示部83に示される検査結果の数値を異なる色に変更すると共に、こうした細部の合否判定を基に、合否判定手段73はショックアブソーバ検査に関する総合的な判定を行なう。検査データが管理装置52に取り込まれる毎に、この検査データに基づく検査結果の数字が検査結果数値表示部83に表示され、かつ合否判定手段73に基づく細部の鑑定結果が色で識別されるので、ユーザは細部の合否結果と、基準値と比較した検査結果の度合いを、客観的に理解することができる。
【0039】
図8(b)は、検査終了時において管理表示装置57に表示される診断画面部86を示している。この診断表示部86は、検査すべき細部の検査データが全て管理装置52に取り込まれた時点で表示され、表示制御部63により検査内容表示部82の一部にショックアブソーバ検査に関する総合判定の合否結果が文字と記号で表示される。それと共に、音出力制御部64は、総合判定の合否結果に応じた効果音を音出力装置59から報知出力する。これにより、ユーザは視覚と聴覚の2つから、本検査に関する総合判定の合否結果を理解できる。
【0040】
次に、検査員は排気ガス検査機5による排気ガスの検査を行なうために、プローブ21付きの吸入口22をマフラー104の出口に挿入し、被検査車両101のアイドリング時と例えば40km/hの負荷時における排気ガスの各成分の濃度を測定する。またこれと同時に、バキューム波形検査機9を利用して、エンジンの燃焼状態を検査する。具体的には、負圧センサ41をエンジン102の吸気管106に装着し、エンジン102の動作に伴う負圧の脈動を、バキューム波形としてオシロスコープ42で観測する。
【0041】
この場合、リモコン60から排気ガス検査機5およびバキューム波形検査機9を始動させる動作指示信号を送り出すことで実際に検査が開始し、この動作指示信号を受けて、音出力制御部64は効果音に続いて、音出力制御部64による音出力装置59からのナレーション出力で排気ガスおよびバキューム波形を含むエンジン検査についての内容説明を行ない、同時に表示制御部63は図9(a)に示すエンジン検査の説明画面部85を表示する。これによりユーザは、どのような内容の検査をどのような目的で行っているのかを、被検査車両101の検査の進行に合わせて理解することができる。
【0042】
排気ガス検査機5から得られる各成分の濃度や空燃費の数値化された検査データと、バキューム波形検査機9により検査したエンジン102の負圧変動の数値化された検査データが、制御装置51から伝送装置53を経て管理装置52に順に送り出されると、検査データ記憶手段72はこの検査データを個々に取り込んで記憶する。なお、バキューム波形検査機9によるバキューム波形は、オシロスコープ42の表示部43でも表示される。合否判定手段73はそれぞれの項目細部について、合否判定を順に行なう。そして、今回の検査結果が基準値を満たしていない場合、あるいは次回の検査結果予測値が基準値に満たしていない場合は、検査結果数値表示部83に示される検査結果の数値を異なる色に変更すると共に、こうした細部の合否判定を基に、合否判定手段73はエンジン検査に関する総合的な判定を行なう。検査結果が管理装置52に取り込まれる毎に、この検査結果の数字が検査結果数値表示部83に表示され、かつ合否判定手段73に基づく細部の鑑定結果が色で識別されるので、ユーザは細部の合否結果と、基準値と比較した検査結果の度合いを、客観的に理解することができる。
【0043】
図9(b)は、検査終了時において管理表示装置57に表示される診断画面部86を示している。この診断表示部86は、検査すべき細部の検査データが全て管理装置52に取り込まれた時点で表示され、表示制御部63により検査内容表示部82の一部にエンジン検査に関する総合判定の合否結果が文字と記号で表示される。それと共に、音出力制御部64は、総合判定の合否結果に応じた効果音を音出力装置59から報知出力する。これにより、ユーザは視覚と聴覚の2つから、本検査に関する総合判定の合否結果を理解できる。
【0044】
また、排気ガス検査機5の検査機本体23とスピードテスト装置26の速度検出部28とは連動しており、被検査車両101の駆動輪(タイヤ111C,111D)を車検項目の条件である40km/hで回転走行させた時に、排気ガス検査機5による排気ガスの測定が行なわれるのと同時に、スピードテスト用ローラ27C,27Dの回転数から算出される速度が速度検出部28により検出され、表示器に表示される。
【0045】
被検査車両101における検査は、アイドリングから負荷時に移行する過渡時に有害ガスが多量に発生するため、こうした過渡状態をできるだけ避けて短時間で行なうことが求められる。その点、本実施例では、被検査車両101の負荷時に、排気ガスを検査する排気ガス検査機5に連動して、スピードテスト装置26がローラ27A,27Bの回転数からの速度を算出するように構成しているので、被検査車両101の排気ガスとスピードメータの検査を一度に行なうことができ、過渡状態に何度も移行させることなく、しかも負荷時における測定時間の短縮を図って環境面を考慮した検査を行なうことが可能になる。
【0046】
また検査員は、駆動バランス検査機7を利用して、エンジン102から各駆動輪に伝わる力のバランスを測定する。これもリモコン60により駆動バランス検査機7を始動させることで行なわれる。このリモコン60からの動作指示信号を受けて、音出力制御部64は効果音に続いて、音出力制御部64による音出力装置59からのナレーション出力で駆動バランス検査についての内容説明を行ない、同時に表示制御部63は図10(a)に示すショックアブソーバ検査の説明画面部85を表示する。これによりユーザは、どのような内容の検査をどのような目的で行っているのかを、被検査車両101の検査の進行に合わせて理解することができる。
【0047】
具体的には、被検査車両101のアイドリング時において、被検査車両101の一方の駆動輪に対応したブレーキローラ32Cのブレーキ装置33Cを制動解除状態にすると共に、他方の駆動輪に対応したブレーキローラ32Dのブレーキ装置33Dを制動状態にする。これによりタイヤ111Dはロックされて回転せず、タイヤ111Cはロックされずに回転するようになるため、エンジン102の全回転力がテストローラ31Cに接するタイヤ111Cに伝達する。このときのテストローラ31Cの回転数から、駆動バランス検査機7の検査制御部34はタイヤ111Cに対応する速度を算出する。
【0048】
次いで、同じく被検査車両101のアイドリング時において、他方の駆動輪に対応したブレーキローラ32Dのブレーキ装置33Dを制動解除状態にすると共に、他方の駆動輪に対応したブレーキローラ32Cのブレーキ装置33Cを制動状態にする。これによりテストローラ31Cはロックされて回転せず、テストローラ31Dはロックされずに回転するようになるため、エンジン102の全回転力がテストローラ31Dに接するタイヤ111Dに伝達する。このときのテストローラ31Dの回転数から、検査制御部34はタイヤ111Dに対応する速度を算出する。そして、各々算出された各駆動輪(タイヤ111C,111D)における速度の数値化された検査データが、制御装置51から伝送装置53を経て管理装置52に順に送り出されると、検査データ記憶手段72はこの検査データを個々に取り込んで記憶する。ここでも、検査データが管理装置52に取り込まれる毎に、検査結果の数字が検査結果数値表示部83に表示され、かつ合否判定手段73に基づく細部の鑑定結果が色で識別されるので、ユーザは細部の合否結果と、基準値と比較した検査結果の度合いを、客観的に理解することができる。
【0049】
また図10(b)は、検査終了時において管理表示装置57に表示される診断画面部86を示している。この診断表示部86は、検査すべき細部の検査データが全て管理装置52に取り込まれた時点で表示され、表示制御部63により検査内容表示部82の一部に駆動バランス検査に関する総合判定の合否結果が文字と記号で表示される。それと共に、音出力制御部64は、総合判定の合否結果に応じた効果音を音出力装置59から報知出力する。これにより、ユーザは視覚と聴覚の2つから、本検査に関する総合判定の合否結果を理解できる。
【0050】
その後、検査員は各タイヤ111A〜111Dについて、ラテラルフォース検査機6によるラテラルフォース(損失駆動力)の測定を行なう。この場合、リモコン60からラテラルフォース検査機6を始動させる動作指示信号を送り出すことで実際に検査が開始し、この動作指示信号を受けて、音出力制御部64は効果音に続いて、音出力制御部64による音出力装置59からのナレーション出力でラテラルフォース検査についての内容説明を行ない、同時に表示制御部63は図11(a)に示すラテラルフォース検査の説明画面部85を表示する。これによりユーザは、どのような内容の検査をどのような目的で行っているのかを、被検査車両101の検査の進行に合わせて理解することができる。
【0051】
そして、ラテラルフォース検査機6からの数値化された検査データが、制御装置51から伝送装置53を経て管理装置52に順に送り出されると、検査データ記憶手段72はこの検査データを個々に取り込んで記憶する。ここでも、検査データが管理装置52に取り込まれる毎に、検査データに基づき得られる検査結果の数字が検査結果数値表示部83に表示され、かつ合否判定手段73に基づく細部の鑑定結果が色で識別されるので、ユーザは細部の合否結果と、基準値と比較した検査結果の度合いを、客観的に理解することができる。
【0052】
また図11(b)は、検査終了時において管理表示装置57に表示される診断画面部86を示している。この診断表示部86は、検査すべき細部の検査データが全て管理装置52に取り込まれた時点で表示され、表示制御部63により検査内容表示部82の一部にラテラルフォース検査に関する総合判定の合否結果が文字と記号で表示される。それと共に、音出力制御部64は、総合判定の合否結果に応じた効果音を音出力装置59から報知出力する。これにより、ユーザは視覚と聴覚の2つから、本検査に関する総合判定の合否結果を理解できる。
【0053】
その他、ここでは図示しないが、被検査車両におけるタイヤ111A〜111Dの磨耗状態やブレーキの制動力なども合わせて検査される。図12(a)はブレーキ検査に関する説明画面部85を示しており、ここでも音出力制御部64による音出力装置59からのナレーション出力でブレーキ検査についての内容説明が同時に行われる。なお、ここでは制動力や引きずりの他に、ブレーキ検査に関する法廷検査項目の細部も同時に測定される。
【0054】
図12(b)は、ブレーキ検査終了時において管理表示装置57に表示される診断画面部86を示しており、この診断表示部86は、検査すべき細部の検査データが全て管理装置52に取り込まれた時点で表示される。そして、表示制御部63により検査内容表示部82の一部にブレーキ検査に関する総合判定の合否結果が文字と記号で表示される。それと共に、音出力制御部64は、総合判定の合否結果に応じた効果音を音出力装置59から報知出力する。これにより、ユーザは視覚と聴覚の2つから、本検査に関する総合判定の合否結果を理解できる。
【0055】
図13(a)はヘッドライト検査に関する説明画面部85を示しており、これはリモコン60によりヘッドライト検査機18を始動させるとあらわれる。ここでも音出力制御部64による音出力装置59からのナレーション出力でヘッドライト検査についての内容説明が同時に行われる。なお、左右のヘッドライトの焦点位置は、単に数値化された検査結果でなく、二次元的にも表示され、より理解しやすいようになっている。
【0056】
図13(b)は、ヘッドライト検査終了時において管理表示装置57に表示される診断画面部86を示しており、この診断表示部86は、検査すべき細部の検査データが全て管理装置52に取り込まれた時点で表示される。そして、表示制御部63により検査内容表示部82の一部にヘッドライト検査に関する総合判定の合否結果が文字と記号で表示される。それと共に、音出力制御部64は、総合判定の合否結果に応じた効果音を音出力装置59から報知出力する。これにより、ユーザは視覚と聴覚の2つから、本検査に関する総合判定の合否結果を理解できる。
【0057】
図14(a)は、その他細部の検査に関する説明画面部85を示している。ここで行われる検査は、前記ブローバイガス検査機4による検査の他に、ブレーキオイル沸点,バッテリ負荷電圧,バッテリ回復電圧,オルタネータ波形,ヘッドガスケットなどの検査であり、いずれも被検査車両101の寿命を大きく作用する部分や、被検査車両101の故障原因の多くを閉める部分に集中している。ここでも音出力制御部64による音出力装置59からのナレーション出力で本検査についての内容説明が同時に行われる。
【0058】
因みに、ブローバイガス検査機4による検査では、検査機本体13へのオイルの吸込みを防ぐために、被検査車両101のエンジン102を停止させ、その直後に、吸入口11を被検査車両101のエンジンオイル注入口103に装着して、吸入口11からフィルタ12を通過したブローバイガスの未燃焼成分の濃度を検査機本体13にて測定する。
【0059】
図14(b)は、その他の検査終了時において管理表示装置57に表示される診断画面部86を示しており、この診断表示部86は、検査すべき細部の検査データが全て管理装置52に取り込まれた時点で表示される。そして、表示制御部63により検査内容表示部82の一部にその他の検査に関する総合判定の合否結果が文字と記号で表示される。それと共に、音出力制御部64は、総合判定の合否結果に応じた効果音を音出力装置59から報知出力する。これにより、ユーザは視覚と聴覚の2つから、本検査に関する総合判定の合否結果を理解できる。
【0060】
なお、上記検査項目の順番は、検査のやり易さなどを考慮して適宜変更してよい。
【0061】
最後に、上記検査項目から選択された検査の細部の合否判定を基に、法定検査の結果が管理表示装置57に表示される。図15(a)は法定検査に関する個別診断画面部88であり、これは前述のその他の検査が完了して、ナレーション出力が終了すると切り替え表示されるものである。ここでは、ヘッドライト,排気ガス,スピードメータ,ブレーキ,サイドスリップ,騒音,警音器,その他の各法定検査項目について、合格若しくは不合格の判定が表示される。また図15(b)は法定検査に関する総合診断画面部89であり、ここでは合格時における表示形態を示している。なお、不合格の場合は、整備後に再度上記検査が行われる。
【0062】
上述のように、管理装置52の合否判定手段73は、被検査車両101の検査中において、制御装置51から送られた各検査データをもとに、それぞれの検査について合否を判定する。例えば、ブローバイガス検査機4で測定されたブローバイガスの未燃焼成分の濃度が、どの程度のレベルにあるかによって、エンジンオイルの劣化度やエンジンの磨耗度を判断する。この場合、ブローバイガスの未燃焼成分の濃度が高い程、エンジン102内の密閉状態が低下しており、エンジンオイルの劣化やエンジンの磨耗が進んでいると判断できる。
【0063】
また、排気ガス検査機5において測定されたアイドリング時および負荷時における排気ガスの各成分の濃度を分析し、その合否を判定することにより、排ガス中の有害成分が多い程、環境汚染を招くと共に、燃費の悪化やエンジン102部品の故障を来たすものと判断できる。
【0064】
合否判定手段73は、ラテラルフォース検査機6により測定された各タイヤ111A〜111Dのラテラルフォースの検査結果から、その合否を判定する。この場合、ラテラルフォースが大きい程、燃費の悪化や、タイヤ111A〜111Dの異常磨耗や、走行不安定を招く虞れがあり、特にタイヤ111A〜111Dからの廃棄物によって環境面の低下も懸念される。
【0065】
合否判定手段73は、駆動バランス検査機7により測定された各駆動輪の速度と、その差を算出し、検査の合否を判定する。この場合、エンジン102の力が各駆動輪に均等に抵抗なく伝われば理想的であるが、主に差動装置113の不良により伝達力のバランスが崩れると、各駆動輪の速度差が大きくなり、またエンジン102から各駆動輪への抵抗が大きくなると、個々の駆動輪の速度が低下してくる。そしてこの場合は、燃費が悪化したり、タイヤが異常に磨耗したり、走行が不安定になる不具合を招くことになる。
【0066】
合否判定手段73は、バキューム波形検査機9により測定されたバキューム波形に基づいて、エンジンの総合的な燃焼状態に関する検査の合否を判定する。バキューム波形は一般にエンジン102内のピストンの動きに伴って脈動するが、例えば点火プラグが汚れている程、脈動が一定せず乱れてくる。因みに従来は、オシロスコープ42の分解能が低く、バキューム波形を直線的にしか観測できず、エンジン102の負圧は一定のゲージ値での判断が行なわれていた。そのため、バキューム波形に関し、精度の高い検査を行なうことができなかった。この点、本実施例ではバキューム波形の細部を観測できるオシロスコープ42を利用しており、これにより点火プラグにおける初期の不具合状態を発見して、必要な処置を施すことが可能になる。
【0067】
合否判定手段73は、オートマチックトランスミッションオイル検査機10により検出されたオートマチックトランスミッションオイルの温度に基づき、オートマチックトランスミッションオイルの劣化に関する検査の合否を判定する。この場合、オートマチックトランスミッションオイル検査機10が検出した温度が高い程、変速機構内部の摩擦に伴う熱が多く発生しており、オートマチックトランスミッションオイルの交換時期が近付いていると判断できる。
【0068】
本実施例では図16にも示すように、それぞれの検査項目について、「最高の状態です」「良好な状態です」(次回の点検まで安心して運転できる状態),「定期的な検査をお勧めします」「早めの整備をお勧めします」(高速走行をなるべく控えて安全運転するのが望ましい状態),「至急整備が必要です」(部品の交換または調整がすぐに必要な状態)の5段階での評価を行なっているが、例えば4段階以下または6段階以上の評価でもよい。少なくとも3段階以上の評価を行なうと、走行には支障がないものの、初期的な不具合状態であることを知ることができる。
【0069】
また本実施例では、今回の検査時のみならず過去の検査における全検査データを検査データ記憶手段72に記憶し、この検査データから得られる前後の検査結果における変化量に基づいて、合否判定手段73による合否や評価の判定基準を設定するように構成している。これを具体的に説明すると、例えば今回の検査で被検査車両101のブレーキバッドが走行距離1万kmで2mm減っていた場合と、3mm減っていた場合では、同じ型式,車種の被検査車両101であっても、ブレーキパッドの検査に関し後者の合否判定基準を高く設定する。これにより、磨耗の著しい被検査車両101であるほど、早めの部品交換や整備が可能となり、被検査車両101を好ましい状態に維持できる。これは、合否判定手段73におけるあらゆる合否判定に適用される。
【0070】
以上にて検査室1での各種検査が終了したら、入力装置56により検査報告書の出力命令を管理装置52に入力する。これを受けて印刷制御部62は、該当する車種を有する車両データに関連付けられた検査結果と必要整備データを、合否判定手段73による上記判定結果と共に取り込み、これらの各種データを検査報告書のフォーマットに組み込んで印刷装置58へ出力する。これにより顧客は、各検査項目における検査結果を把握することができる。
【0071】
図16は、印刷装置58の出力結果であるエコ診断レポートの報告書を部分的に示すものであるが、ここでは、前記検査項目およびその細部を示した検査項目印刷部91と、検査項目印刷部91に記載される細部の望ましい検査結果の閾値または範囲である基準値を示す基準値印刷部92と、前回,今回の整備前および今回の整備後の各検査結果を各細部毎に示す検査結果数値印刷部93と、この前回,今回の整備前および今回の整備後の数値化された各検査結果により、前記合否判定手段73で判定される各検査項目における判定結果を記号で示す判定結果印刷部94と、この判定結果に基づく判断により、合否判定手段73にて算出した次に整備すべき期限となる推奨整備期限を示す推奨整備期限印刷部95が並べて印刷出力されるように、印刷制御部62が印刷装置58を制御する。
【0072】
これにより、エコ診断レポートを受け取ったユーザは、各検査項目の細部について、単にその合否を知るだけでなく、過去の履歴からどのように各検査データひいては検査結果が推移していて、それが基準値とどのような関係にあるのかを客観的に理解することができる。
【0073】
また、不合格の検査項目がある場合は、入力装置56により見積書の出力命令を管理装置52に入力すると、管理装置52は、必要整備データ記憶手段74に記憶された部品の交換や整備を要する必要整備データに一致した費用データを、費用データ記憶手段75の中から検索して各部品の単価と交換費用または整備費用を求め、これらの費用を集計し、交換を要する部品名と単価,交換費用や、整備費用や、集計費用を見積に必要なデータとして印刷制御部62に出力する。これを受けて印刷制御部62は、見積に必要なデータを見積書のフォーマットに組み込んで印刷装置58に出力する。これにより顧客は、部品交換や調整の必要な部分と、それに必要な費用の詳細を知ることができる。なお前述のように、見積書とエコ診断レポートを、1枚の紙に出力してもよい。
【0074】
以上のように本実施例では、被検査車両101の検査データを検査部である各検査機4〜10,18から取り込む管理手段としての管理装置52に、ユーザが視認可能な表示手段である管理表示装置57を制御する表示制御手段としての表示制御部63と、前記検査データに基づきその検査に関する合否を判定する合否判定手段73とを備え、表示制御部63は、検査機4〜10,18が被検査車両101の検査を行なうのに同期して、その検査に関する内容の説明を管理表示装置57に表示すると共に、検査機4〜10,18からの検査データで得られる検査結果を数値またはグラフで管理表示装置57に表示し、さらに合否判定手段73による合否結果も管理表示装置57に表示するように構成している。
【0075】
この場合、検査機4〜10,18が被検査車両101の検査を行なうと、現在行なわれている検査がどのような内容のものなのかを、ユーザは管理表示装置57を通して理解することができる。しかも、検査が進行するにしたがって、検査機4〜10,18からの検査データに基づく検査結果が、数値化またはグラフ化された状態でリアルタイムに合否結果と共に並べて表示されるので、ユーザは単にその検査の合否についてだけでなく、数値やグラフに基づく客観的な判断を的確に行なうことができる。したがって、検査中の内容をユーザが十分理解できると共に、各検査項目について被検査車両101の状況をユーザに正確にかつリアルタイムに伝えることができる。
【0076】
図17は、検査機4〜10,18からの検査データに得られる検査結果を、グラフで並べて管理表示装置57に表示する一例を示すものである。ここでは例えば被検査車両101のエンジン検査におけるCO排出量について、基準値と共に合格および不合格の範囲を棒グラフ状に望ましくは色分けして区画表示し、かつ、この棒グラフ状の区画表示に対応して、排気ガス検査機5から得られる検査データを基に得た検査結果を表示する検査結果グラフ表示部221が、管理表示装置57に設けられている。なお、グラフ表示の形態は図17のものに限定されない。このように、検査の各項目について、その検査結果をグラフで表示するようにすれば、より直感的な判断を下すことができる。
【0077】
また上記実施例において、検査機4〜10,18から取り込まれる検査中の検査データをグラフ表示できるように、管理表示装置57を構成してもよい。図18は、例えばブレーキ検査時における左右のタイヤ111A,111Bの制動力すなわち検査データを、この検査データが取り込まれる毎にプロットしてグラフ表示する検査中表示部231で、これを管理表示装置57内の適宜箇所に設ければよい。検査中表示部231の表示制御は、前記表示制御部63にて行なわれる。なお、グラフの表示形態は図18のものに限定されない。
【0078】
このようにすれば、検査機4〜10,18から検査データが取り込まれる毎に、その検査データが管理表示装置57にグラフで表示されるので、被検査車両101の検査を行ないながら、検査データがどのように推移するのかを適確に把握することができる。
【0079】
また本実施例では、検査に関する内容説明と、数値化またはグラフ化された検査結果と合否結果が、共通する画面部に表示される。そのため、こうした情報をユーザは一度に把握することができる。しかも、検査内容の説明や合否結果は、音出力装置59を通しても行なわれるので、管理表示装置57を確認できない状況であっても、どのような検査が行なわれていて、どのような結果であるのかを知ることができる。なお、検査に関する内容の説明の表示や報知は、リモコン60からの動作指示信号によらず、各検査機4〜10,18からの測定開始を知らせる開始信号に基づき、スタートさせてもよい。また、ここでいう検査部は、被検査車両101の各部を測定する測定器と、この測定器に表示される測定値をキー入力すると、この測定値を検査データとして管理装置52に出力するパソコンなどの検査データ出力機とを組み合わせたものでもよい。
【0080】
また本実施例では、被検査車両101の検査データの履歴を記憶する検査データ記憶手段72を備えると共に、望ましい検査結果の基準値と、検査データ記憶手段72からの検査データに基づく前回の数値化された検査結果と、検査中の検査データに基づく今回の数値化された検査結果と、合否判定手段73による合否結果とを並べて表形式に出力する出力制御手段としてのをさらに備えている。
【0081】
この場合、望ましい検査結果の基準値と共に、前回の数値化された検査結果と、今回の数値化された検査結果と、今回の検査の合否結果が並べられて、ユーザにわかり易い表形式に出力(印刷または表示)される。そのためユーザは、今回の検査についての評価はもとより、制御装置52にて過去の症例を元に判断される予見情報を、管理表示装置57や印刷制御部62にて表示または印刷することで、やがて起こりうる被検査車両101の状況を、事前に予測することができる。
【0082】
なおこの場合、基準値や検査結果を数値化された表形式ではなく、視覚的に直感できるグラフ形式にして出力してもよい。図19は、こうした出力の一例を示すものであるが、ここでは例えば被検査車両101のタイヤ111A〜111Dの最小残量について、安全な基準値の範囲の他に、場合によっては定期的な検査や早めの整備が必要な要注意の範囲と、至急整備が必要な危険範囲とを、棒グラフ状に望ましくは色分けして区画出力する基準値印刷部251と、この棒グラフ状の基準値印刷部251に対応して、前回,今回の整備前および今回の整備後の各検査結果を例えば記号で出力する検査結果印刷部252が、印刷表示部62により紙に出力される。
【0083】
このように、望ましい検査結果の基準値と共に、前回の数値化された検査結果と、今回の数値化された検査結果が、基準値印刷部251および検査結果印刷部252として、ユーザに直感して理解し易いグラフ形式に出力(印刷または表示)される。そのためユーザは、今回の検査についての評価はもとより、やがて起こりうる被検査車両101の状況を、事前に予測することができる。なお、グラフの形態は図19のものに限定されない。また、こうした表形式またはグラフ形式の出力を、印刷装置58のみならず管理表示手段57に表示させてもよい。
【0084】
さらに、各検査機4〜10,18が被検査車両の検査を行なうのに同期して、検査データ記憶手段72からの検査データに基づく前回の検査結果を表示する車両検査表示手段としての車両検査表示装置54を、被検査車両101の検査室1にいる検査員が視認できるように設けてもよい。
【0085】
こうすれば、検査員は検査を開始するときに、車両検査表示装置54を通して前回の検査結果を知ることができる。そのため、今回の検査結果が例えば各検査機4〜10,18の誤差範囲程度のものなのか否かを、検査中に判断することができる。なお、ここでいう車両検査表示手段は、前述のパソコンなどの検査データ出力器に兼用させてもよい。
【0086】
その他、本実施例では、1つの検査室1の内部で車検にて行われる複数種の車両検査のみならず、環境面を配慮した検査をまとめて行なうことができると共に、各検査機4〜10,18を検査室1内に集約化させることによって、検査時の被検査車両101の移動距離を短縮できる。また、上記各種検査ごとに各検査機4〜10や車両検査表示装置54がその測定結果を表示するので、リアルタイムで検査の進行状況とその検査結果とを確認することができる。
【0087】
また、前記各検査機4〜10,18から取り込んだ測定結果を、車両データと関連つけて検査データとして記憶させておくことで、必要な検査データを車両データから簡単に見つけ出すことができる。しかも検査が不合格なとき、即時に詳細な見積書が提示されるため、顧客は、被検査車両101の部品交換や調整に必要な費用を明確に知ることができる。
【0088】
特に本実施例では、車両データに記憶された被検査車両101の登録番号(通常は4桁)を例えば入力装置56から入力すると、その登録番号に一致するファイルフォルダを抽出し、同一の登録番号のファイルフォルダが複数ある場合には、それらのファイルフォルダに関する情報が管理表示手段57に表示され、そこから必要なファイルフォルダを特定する検索手段を管理装置52に備えている。具体的には図20に示すように、管理装置52には、移動可能なファイルフォルダ261が棚262に複数並設されると共に、ファイルフォルダ261の外面には、登録番号や分類番号や管轄支局毎に異なる識別部263が設けられる。この識別部263はファイルフォルダ261毎に異なる配列で開けられた孔や、バーコードラベルなどで実現できる。また264は、識別部263を読み取る読取手段である。各ファイルフォルダ261は、登録番号,分類番号および管轄支局毎に区分されており、それぞれ固有の識別部263を備えている。また、個々の識別部263に対応する登録番号,分類番号および管轄支局は、管理装置52の識別部記憶手段265に予め記臆される。このファイルフォルダ261に、登録番号,分類番号および管轄支局の一致する書類(例えば前記見積書やエコ診断レポート)が収容される。
【0089】
そして、被検査車両101の登録番号を入力装置56から入力すると、管理装置52は識別部記憶手段265に記憶される内容を基に、対応する識別部263が設けられたファイルフォルダ261があるか否かを読取手段264にて読み取る。そして、ファイルフォルダ261が見つかれば、読取手段264はそのファイルフォルダ261を棚262から引き出す方向に移動させる。一方、同一の登録番号に該当する複数のファイルフォルダ261が存在すると管理装置52が判断した場合には、その旨を管理表示装置57に表示させる。これを受けて、別の分類番号や管轄支局を入力装置56から入力すれば、さらにファイルフォルダ261が特定される。これにより、必要なファイルフォルダ261に収容されるファイルデータを登録番号だけで概ね検索することができ、また同じ登録番号のファイルフォルダ261が複数存在していても、管理表示手段57に表示されるファイルフォルダに関する情報を基に、そこから必要なファイルフォルダ261を適確に選択できる。
【0090】
また本実施例では、各車種毎に必要な個々の部品や整備の項目と、それに伴う費用を、メンテナンス管理部61の費用データ記憶手段75に費用データとして記憶しているので、この費用データを随時更新すれば、どのような車種の被検査車両101であっても、被検査車両101の部品交換や調整に必要な費用を即座に算出して、顧客に提示することができる。
【0091】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、被検査車両101の検査項目としては、上述したものに限定されない。
【0092】
【発明の効果】
本発明における請求項1の車両検査診断装置によれば、検査中の内容をユーザが十分理解できるようにすると共に、各検査項目について車両の状況を正確にかつリアルタイムに伝えることができる。
【0093】
本発明における請求項2の車両検査診断装置によれば、被検査車両の検査を行ないながら、検査データがどのように推移するのかを適確に把握することができる。
【0094】
本発明における請求項3の車両検査診断装置によれば、ユーザは、今回の検査についての評価はもとより、やがて起こりうる被検査車両の状況を、事前に予測することができる。
【0095】
本発明における請求項4の車両検査診断装置によれば、検査員は検査を開始するときに、車両検査表示手段を通して前回の検査結果を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す車両検査装置の全体斜視図である。
【図2】同上車両検査装置の要部の構成を示す概略図である。
【図3】同上駆動バランス検査機の構成を示す概略図である。
【図4】同上バキューム波形の時間変化を示す波形図である。
【図5】同上装置の機能構成を示すブロック図である。
【図6】同上管理装置のより具体的な構成を示すブロック図である。
【図7】同上説明画面の一例を示す管理表示装置の正面図である。
【図8】同上ショックアブソーバ検査に関する説明画面と診断画面を示す管理表示装置の正面図である。
【図9】同上エンジン検査に関する説明画面と診断画面を示す管理表示装置の正面図である。
【図10】同上駆動バランス検査に関する説明画面と診断画面を示す管理表示装置の正面図である。
【図11】同上ラテラルフォース検査に関する説明画面と診断画面を示す管理表示装置の正面図である。
【図12】同上ブレーキ検査に関する説明画面と診断画面を示す管理表示装置の正面図である。
【図13】同上ヘッドライト検査に関する説明画面と診断画面を示す管理表示装置の正面図である。
【図14】同上その他検査に関する説明画面と診断画面を示す管理表示装置の正面図である。
【図15】同上法定検査に関する個別診断画面と総合診断画面を示す管理表示装置の正面図である。
【図16】同上印刷結果を示す要部の正面図である。
【図17】同上エンジン検査に関する別な例を示す管理表示装置の正面図である。
【図18】同上ブレーキ検査中におけるグラフ表示を示す管理表示装置の要部正面図である。
【図19】同上別な印刷結果の一例を示す要部の正面図である。
【図20】同上管理装置を利用した検索システムの一例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 検査室
4〜10,18 検査機(検査部)
52 管理装置(管理手段)
54 車両検査表示装置(車両検査表示手段)
57 管理表示装置(表示手段)
63 表示制御部(表示制御手段)
72 検査データ記憶手段
73 合否判定手段
101 被検査車両
Claims (4)
- 被検査車両の検査データを検査部から取り込む管理手段に、ユーザが視認可能な表示手段を制御する表示制御手段と、前記検査データに基づきその検査に関する合否を判定する合否判定手段とを備え、前記表示制御手段は、前記検査部が被検査車両の検査を行なうのに同期して、その検査に関する内容の説明を前記表示手段に表示すると共に、前記検査部からの検査データに基づく数値またはグラフの検査結果と、前記合否判定手段による合否結果を前記表示手段に表示するものであることを特徴とする車両検査診断装置。
- 前記表示手段は、前記検査部から取り込まれる検査中の検査データをグラフまたは車両の形態で表示するものであることを特徴とする請求項1記載の車両検査診断装置。
- 前記被検査車両の検査データの履歴を記憶する検査データ記憶手段を備えると共に、望ましい検査結果の基準値と、前記検査データ記憶手段からの検査データに基づく前回の検査結果と、検査中の検査データに基づく今回の検査結果とを表形式またはグラフ形式に出力する出力制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2記載の車両検査診断装置。
- 前記被検査車両の検査データの履歴を記憶する検査データ記憶手段を備えると共に、前記検査データ記憶手段からの検査データに基づく前回の検査結果を表示する車両検査出力手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の車両検査診断装置。
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