JP2004322021A - 内燃機関の排ガス浄化方法とその装置及びその触媒とその製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、H20添加によってHC及びNOx浄化に優れ、且つ低温でのHC及びNOx浄化に優れた性能を発揮させることができる排ガス浄化方法とその装置及びその触媒とその製造法を提供することにある。
【解決手段】本発明は、内燃機関の排ガス中にH20を添加し、該H20を有する前記排ガスを、多孔質担体にPd、Pt及びRhから選ばれた少なくとも一種と、Ceと、Agとを担持した排ガス浄化触媒に接触させることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化方法にある。
【選択図】 図10
【解決手段】本発明は、内燃機関の排ガス中にH20を添加し、該H20を有する前記排ガスを、多孔質担体にPd、Pt及びRhから選ばれた少なくとも一種と、Ceと、Agとを担持した排ガス浄化触媒に接触させることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化方法にある。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な内燃機関の排ガス浄化方法とその装置及びその触媒とその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平7−166845号公報
【特許文献2】特開平11−270331号公報
【特許文献3】特開2001−2098036号公報
自動車等の内燃機関から排出される排ガスに含まれる、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC:Hydrocarbon)、窒素酸化物(NOx)等は大気汚染物質として人体に悪影響を及ぼす。そこで、従来より、内燃機関の燃焼方法の改善による発生量の低減に加え、排出された排ガスを触媒等により浄化する方法の開発が進められてきた。ガソリンエンジン車に関しては、耐火性担体上のアルミナコート層にPt、Rh、Pd等の貴金属を活性の主成分とした三元触媒により、HC及びCOの酸化とNOxの還元を同時に行って無害化する方法が主流となっている。
【0003】
ところがこれら触媒の触媒活性は温度に大きく依存し、低温では触媒活性がきわめて乏しい。したがって、エンジン始動時など排ガス温度が低い場合には、触媒の浄化活性が十分に発現しないという不具合があった。
【0004】
そこで、触媒温度を上昇させることで排ガスの浄化活性を高めることが行われている。例えば特許文献1には、コールドスタート時に触媒をヒータで加熱することで低温時の浄化活性を向上させることが提案されている。更に特許文献2には、冬期における活性の低い状態においては排ガスを圧縮機で圧縮することによって昇温し、昇温された排ガスを触媒と接触させることで触媒の浄化活性を高める方法が提案されている。
【0005】
なお、特許文献3には、排ガス温度を高めることとは直接関係ないが、排ガス中に水を噴射することが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1及び2の排ガス浄化触媒を加熱する排ガス浄化方法は、エンジン始動時の排ガス温度増大に対して、一つの方策を与えるものであるが、必ずしも十分とは言えない。
【0007】
本発明の目的は、H20の添加によってHC及びNOx浄化に優れ、且つ低温でのHC及びNOx浄化に優れた性能を発揮させることができる排ガス浄化方法とその装置及びその触媒とその製造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、排ガス中にH20を添加することにより触媒のHC及びNOx浄化性能が変化し、H20濃度が所定の範囲ではH20濃度が高いほどHC及びNOx浄化性能が向上することを見出し、本発明に至ったものである。
【0009】
即ち、本発明は、内燃機関の排ガス中にH20を添加し、次いで前記H20を有する前記排ガスを多孔質担体に、Pd、Pt及びRhから選ばれた少なくとも一種と、Ceと、Agとが担持した排ガス浄化触媒に接触させることを特徴とする。
【0010】
又、本発明の内燃機関の排ガスを排ガス浄化触媒に接触させて浄化させる内燃機関の排ガス浄化方法は、前記排ガス浄化触媒に接触させる前の前記排ガス中のH20濃度、前記排ガス浄化触媒に接触させた後の前記排ガス中のHC濃度及び前記排ガス浄化触媒に接触させた後の前記排ガス中のNOx濃度の少なくとも1つを計測し、該計測されたH20濃度、HC濃度及びNOx濃度の少なくとも1つに基づいて前記排ガス浄化触媒に接触させる前の前記排ガスに添加するH20量を決定し、次いでH20が添加された前記排ガスを前記排ガス浄化触媒に接触させることを特徴とする。前記触媒は、Pd、Pt及びRhから選ばれた少なくとも一種と、Ceと、Agとを担持した多孔質担体を有することが好ましい。前記排ガス浄化触媒に接触させる前の前記排ガス中のH20濃度が5〜20体積%となるように前記H20の添加量を制御することが好ましい。
【0011】
更に、本発明は、内燃機関の排ガス流路に排ガス浄化触媒を備えた排ガス浄化装置において、前記排ガス流路の前記排ガス浄化触媒の前段にH20を添加するH20添加装置を備え、前記排ガス浄化触媒が、前述に記載のものであることを特徴とする。又、本発明は、前記排ガス浄化触媒の前段の前記排ガス流路にH20を添加するH20添加装置と、前記排ガス浄化触媒の前段で前記排ガス中のH20濃度を計測するH20濃度センサー、前記排ガス浄化触媒の後段の前記排ガス中のHC濃度を計測するHC濃度センサー及び前記排ガス浄化触媒の後段の前記排ガス中のNOx濃度を計測するNOx濃度センサーの少なくとも1つと、前記計測されたH20濃度、HC濃度及びNOx濃度の少なくとも1つに基づいて前記H20の添加量を制御する制御装置を備えたことを特徴とする。前記H20濃度センサーは、前記排ガス浄化触媒の前段で、前記H20添加装置の前段及び後段の少なくとも一方に設ける。
【0012】
本発明は、多孔質担体に、該多孔質担体100重量部に対して、元素換算で、Ce15〜45重量部と、Pd、Pt及びRhから選ばれた少なくとも一種0.5〜5重量部と、Ag0.3〜5重量部とが担持されていることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化触媒にある。
【0013】
又、本発明は、基材に、アルミナ粉末のスラリー又はアルミナ前駆体の硝酸溶液を含浸後焼成し、次いで硝酸セリウム溶液と、Pd、Pt及びRhから選ばれた少なくとも一種の硝酸溶液と、Agの硝酸溶液と、を別々に含浸後焼成するか又はそれらの混合溶液を含浸後焼成し、アルミナと、該アルミナ100重量部に対して、元素換算で、Ce15〜45重量部と、Pd、Pt及びRhから選ばれた少なくとも一種0.5〜5重量部と、Ag0.3〜5重量部とを担持した多孔質担体を形成することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化触媒の製造法にある。
【0014】
本発明の方法において使用される、Pd、Pt及びRhはHCの酸化性能及びNOxの還元性能を持つことが一般的に知られている。Pd、Pt、Rhの少なくとも一種を多孔質担体100重量部に対して元素換算で、0.5〜5重量部含むことにより触媒のHC及びNOx浄化性能が向上する。担持されるPd、Pt、Rhは一種でもよいが、PtとPdが担持されていると耐熱性が向上する。PtとPdを添加すると、貴金属のシンタリングが抑制されるためと考えられる。特にPd、Pt及びRhの3種を含むことが望ましい。これにより酸化力及び還元力が強まり、排ガス浄化性能が向上されるが、これらの貴金属同士が相互作用を及ぼしあっているためと考えられる。これらの元素は、多孔質担体100重量部に対して合計で1〜3重量部、Pdが1.0〜2.0重量部、Ptが0.1〜0.5重量部及びRhが0.05〜0.3重量部であることが好ましい。
【0015】
触媒成分としてAgが含有されていると、H20存在下において低温でのNOx浄化効率が向上する。Agは金属又は酸化物の形態、もしくは貴金属、A1、Ceから選ばれた少なくとも1種との複合酸化物の形態で存在していると考えられる。Ag含有により水蒸気存在下において低温でのNOx浄化が高くなる理由は明らかでないが、この効果はAgを含有する場合に顕著に得られる効果である。触媒にAgを含有しない場合ではこのような効果は得られない。このことから、Agにより低温でのNOx浄化の促進作用が起きているものと考えられる。
【0016】
Ag担持量は多孔質担体100重量部に対し、元素換算でO.3〜6重量部とすることが好ましい。Ag担持量がO.3重量部より少ないとAg担持効果は不十分となり、6重量部より多いと触媒の比表面積が低下するため好ましくない。より2〜4.5重量部が好ましい。ここで重量部とは、各成分のg換算での含有比率を表したものであり、例えばA成分1重量部に対してB成分の担持量がO.5重量部ということは、A成分の絶対量の多少にかかわらず、g換算でAが1に対しBがO.5の割合で担持されていることを意味する。
【0017】
本発明の触媒において、Ceは酸素を捕捉する機能を持つため、触媒の、NOx酸化に寄与すると考えられる。Ce担持量としては、多孔質担体100重量部に対し、元素換算で15〜45重量部とすると高いHC、NOx浄化性能が得られる。従って、高いHC、NOx浄化性能を有するには、Ce担持量を15〜45重量部とする。しかし、これより多いと触媒の比表面積が低下するため好ましくない。特に、25〜35重量部が好ましい。
【0018】
多孔質担体は触媒活性成分の分散性を高める役割をするものと考えられる。多孔質担体は基材上に担持してもよく、その場合基材1リットルに対し多孔質担体の担持量を10〜400gとするとHC、NOx浄化性能にとって好ましい。多孔質担体の担持量が10gより少ないと多孔質担体の効果は不十分となり、400gより多いと多孔質担体自体の比表面積が低下するため好ましくない。特に、多孔質担体としてアルミナが好ましく、その量を100〜300gとすることが好ましい。
【0019】
排ガス浄化触媒の調製順序は、多孔質担体への貴金属、Ce及びAgの担持順序は任意の順序でよく、同時に担持してもよい。排ガス浄化触媒の調製方法は、含浸法、共沈法、ゾルゲル法、イオン交換法、蒸着法等の物理的調製方法や化学反応を利用した調製方法等いずれも適用可能である。
【0020】
排ガス浄化触媒の出発原料としては、硝酸化合物、酢酸化合物、錯体化合物、水酸化物、炭酸化合物、有機化合物などの種々の化合物や金属及び金属酸化物を用いることができる。
【0021】
本発明による排ガス浄化触媒の形状は、用途に応じ各種の形状で適用できる。コージェライト、ステンレス等の各種材料からなるハニカム構造体に各種成分を担持した触媒粉末をコーティングして得られるハニカム形状を始めとし、ペレツト状、板状、粒状、粉末状等として適用できる。
【0022】
前述のように、本発明の排ガス浄化装置においては、排ガス浄化触媒の前段にH20添加装置を設け、H20添加後の排ガス中のH20濃度を測定するH20濃度センサーによって、H20添加装置の前段及び後段の少なくとも一方の排ガス中のH20濃度測定結果をもとに中央制御装置CPUで適正なH20添加量を計算し、更にCPUからの信号で制御されるH20添加装置により排ガス中にH20を添加する。H20を含んだ排ガスに該排ガス浄化触媒を接触させることにより、排気ガスを効率よく浄化することができる。
【0023】
また、HC濃度或いはNOx濃度を測定するセンサーを用いて排ガス中のHC濃度、NOx濃度を計測し、触媒後流のHC、NOx濃度が高い場合、CPUを用いて適正H20添加量を計算し、H20添加装置を用いて排ガス中にH20を添加する。上記のようにHC濃度、NOx 濃度に基づいて、H20添加量にフィードバックをかけることで一層HC、NOx 浄化効率が高まる。
【0024】
本発明の処理対象となる排ガスには、ガソリン自動車、ディーゼル自動車、ディーゼルエンジンやリーンバーンガスエンジン、ガスタービン等を用いた発電設備、ボイラや加熱炉、焼結炉等の産業設備、火力発電所、廃棄物焼却炉などからの排ガスが全て含まれる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0026】
(実施例1)
アルミナ粉末及びアルミナの前駆体からなる硝酸酸性に調製したスラリーをコージェラィト製ハニカム(400セル/inc2)にコーティングした後、乾燥焼成して、ハニカムの見かけの容積1リットル当たり190gのアルミナを多孔質担体としてコーティングしたアルミナコートハニカムを得た。このアルミナコートハニカムに第一回目の含浸成分として硝酸Ce溶液を含浸した後、150℃で乾燥し、続いて600℃で1時間焼成した。次に第二回目の含浸成分としてCe担持ハニカムに、ジニトロジアミンPd硝酸溶液、ジニトロジアミンPt硝酸溶液、硝酸Rh溶液及び硝酸Agの混合溶液を含浸し、150℃で乾燥し、続いて600℃で1時間焼成した。
【0027】
以上によりハニカム1リットルに対してアルミナが190g、及び元素換算でCe60g、Pd3.08g、PtO.62g、RhO.3g、Ag6.0gを含有する実施例触媒1を得た。
【0028】
(試験方法)
触媒の耐熱性能を評価するため、上記触媒を常圧固定床流通式反応管に充填し、自動車のエンジンが理諭空燃比で運転されているときの排ガスを想定した表1に示すストイキモデルガスと、自動車のエンジンがリーンバーン運転を行っているときの排ガスを想定した表2に示すリーンモデルガスを3分ごとに交互に触媒に流通させ、触媒入口温度を800℃に固定し、3時間耐久処理した(SV=30,OOO/hとした)。この触媒に対して、次の条件でHC及びNOx浄化性能試験を行った。容量6ccのハニカム触媒を石英ガラス反応管中に固定した。この反応管を電気炉中に導入し、室温から500℃まで10℃/分で昇温した。反応管に導入されるガスは、ガソリンエンジンを模擬した表1のストイキモデルガスにH20を添加した。このガスを室温から500℃まで10℃/分で昇温し、H20濃度が0、5、10及び20体積%におけるHC及びNOx浄化活性を測定した(SV=30,OOO/hとした)。
【0029】
又、多孔質担体としてのアルミナコートAl2O3をβゼオライトコートヘと変更し、その他の触媒成分及び調製法を前述と同じとした実施例触媒2を調製し、同様の試験により評価した。
【0030】
【表1】
【表2】
【0031】
(試験結果)
図1は、実施例触媒1及び2についてのH20濃度に対するHC−T9O(HCの浄化率が90%に達する触媒入口温度)の結果を示す線図である。図1に示すように、実施例触媒1及び2において、H20無添加では、HC−T9Oが約500℃であるが、H20濃度が5体積%以上では、HCT−90はいずれの触媒においてもH20濃度が高いほど浄化温度が徐々に低温化しており、20体積%では実施例触媒1が約430℃及び実施例触媒2が約450℃である。
【0032】
図2は、同様にH20濃度に対するNOx−T9O(NOxの浄化率が90%に達する触媒入口温度)の結果を示す線図である。図2に示すように、H20無添加では、実施例触媒1が約355℃及び実施例触媒2が約480℃である。しかし、H20濃度が5体積%以上では、その添加量の増加によって徐々にNOx−T9Oが低下しており、浄化温度が低温化していく。そして、H20濃度が20体積%では, 実施例触媒1が約320℃及び実施例触媒2が約440℃である。そして、実施例触媒1のアルミナコートしたものが、実施例触媒2のゼオライトコートしたものより約120℃低温で浄化できる。
【0033】
図3は、同様にH20濃度に対する200℃までの浄化NO量を示す線図である。図3に示すように、H20濃度が5体積%以上では、その増加と共に200℃までの浄化NO量が増加していく。又、図3に示すように、実施例触媒1のアルミナコートしたものが、実施例触媒2のゼオライトコートしたものより高い浄化NO量が得られる。
【0034】
図4は、実施例触媒1について、H20添加しないH20濃度O体積%(比較例1)及びH20添加したH20濃度10体積%(実施例1)における触媒入口温度に対するHC浄化率を示す線図である。図4に示すように、HC浄化率は、320℃以上においてH20濃度10体積%のH20添加したものがH20を添加しない場合に比較してその温度が高いほどHC浄化率が高くなることが明らかである。従って、HC浄化率は、H20添加による効果が大きいことが分かる。
【0035】
図5は、実施例触媒1について、H20添加しないH20濃度O体積%(比較例1)及びH20添加したH20濃度10体積%(実施例1)における触媒入口温度に対するNOx浄化率を示す線図である。図5に示すように、NOx浄化率は、H20添加したH20濃度10体積%(実施例1)ではH20添加しないH20濃度O体積%(比較例1)より全体に約30℃低温側にシフトしたNOx浄化特性を示し、特に130〜135℃において50%以上の高い浄化率が得られる。
【0036】
以上の結果より、貴金属と、Ce及びAgを添加した触媒において、H2O添加はHC及びNOx浄化に対し効果的であり、且つ140℃以下のNOxの浄化に対しても効果的であることが明らかである。また、多孔質担体としてはA1203が好ましいことがわかる。
【0037】
(実施例2)
実施例1と同様の方法を用いて、比較例触媒1(Agを添加せず)、実施例触媒1のAg量を1とし、実施例触媒3(1/10倍)、実施例触媒4(1/2倍)、実施例触媒5(2倍)の量に変更し、その他の触媒成分及び調製法は同じとした実施例触媒を調製した。この比較例触媒1、実施例触媒3〜5について実施例1のH20濃度10体積%について同様の試験により評価した。
【0038】
図6は、実施例触媒1、3、4、5と比較例触媒1について、Ag含有量に対するNOx−T50(NOxの浄化率が50%に達する触媒入口温度)の結果を示す線図である。図6に示すように、Ag量を6%以下で含有させることによりNOx浄化温度を最大で約30℃低下できる。以上のことから、Agの含有はNOx浄化温度を低め、特に、Ag量が1〜4%のとき130〜140℃の低い温度でも高い浄化率が得られることが明らかである。
【0039】
(実施例3)
実施例1と同様の方法を用いて、多孔質担体として実施例1のA1203量を1とし、A1203量を実施例触媒6(1/10倍)、実施例触媒7(1/2倍)、実施例触媒8(2倍)の量に変更し、その他の触媒成分及び調製法は同じとした実施例触媒を調製した。この実施例触媒6〜8について実施例1のH20濃度10体積%について同様の試験により評価した。
【0040】
図7は、実施例触媒1及び6〜8について、Al2O3量に対するHC−T90の結果を示す線図である。同様に、図8は、Al2O3量に対するNOx−T90の結果を示す線図である。グラフ横軸はハニカムの見かけの容積1リットル当たりのAl2O3の重量を示す。Al2O3量がハニカムの見かけの容積1リットル当たり19〜380gの範囲では、H20を添加しない場合(HC−T9O:500℃、NOx−T90:355℃)に比べてHC−T90及びN0x−T50が得られる温度が低下しているが、Al2O3量がハニカムの見かけの容積1リットル当たり100〜300gの範囲とすると、HC−T90及びNOx−T9Oが得られる温度が低下しより効果的であることが分かる。特に、HC−T90が得られる温度が475〜485℃、NOx−T9Oが得られる温度が335〜345℃の低い温度で高い浄化率が得られる。
【0041】
(実施例4)
実施例1と同様の方法を用いて、実施例1において、Ceを添加せず、その他の触媒成分及び調製法を同じとした比較例触媒2を調製した。この比較例触媒2について実施例1のH20濃度10体積%について同様の試験により実施例触媒1及び比較例触媒2について評価した。
【0042】
図9は、H20濃度10体積%におけるHC−T9O及びNOx−T9Oの結果を示すグラフである。Ceがある実施例触媒1の方が、Ceを除いた比較例触媒2よりもHC−T9Oが得られる温度が5℃及びNOx−T9Oが得られる温度が42℃いずれも低下しており、Ce添加によりHC及びNOx浄化温度が低下することが明らかである。
【0043】
(実施例5)
図10は実施例1〜4に記載の排ガス浄化触媒を用いた本発明の排ガス浄化装置を備えた内燃機関の一実施態様を示す全体構成図である。本発明の浄化装置はH20添加装置2、H20濃度センサー4、CPU3、排ガス浄化触媒5を有する。
【0044】
本実施例の排気浄化装置は、エンジン1から排出した排ガス中のH20濃度がH20濃度センサー4により計量され、その信号がCPU3に入力される。CPU3では排ガス中のH20濃度を常時判定して適正なH20添加量が計算される。CPU3からの信号により、H20添加装置2からのH20添加量と時間等が制御され、排ガス浄化触媒5の前段の排ガス中のH20濃度が5〜20体積%の所定値になるように制御される。本実施例では、H20濃度センサー4はH20添加装置2の排ガス流路の前段に設けたものであるが、その後段でも同様に設けることができ、両方に設けると更に良好な制御ができる。
【0045】
以上の操作により、本装置を用いればエンジン燃焼条件下における排ガスを効果的に浄化することができる。更に低温においてHC及びNOx浄化性能を高めることができることから低温で使用でき、そのため長寿命とすることができる。
【0046】
(実施例6)
図11は実施例1〜4に記載の排ガス浄化触媒を用いた本発明の排ガス浄化装置を備えた内燃機関の一実施態様を示す全体構成図である。本発明の浄化装置はH20添加装置2、HC濃度センサー6、NOx濃度センサー7、CPU3、排ガス浄化触媒5を有する。
【0047】
本実施例の排ガス浄化装置は、排ガス浄化触媒5の後段にあるHC濃度センサー6及びNOx濃度センサー7により排ガス中のHC濃度及びNOx濃度が計測され、その信号がCPU3に入力される。CPU3では排ガス中のHC濃度、NOx濃度を常時判定し、それらの濃度に基づいてエンジン1から排出した排ガス中への適正なH20添加量が計算される。CPU3からの信号により、H20添加装置2の噴射量と噴射時間等が制御され、排ガス浄化触媒5の前段の排ガス中のH20濃度が5〜20体積%の所定値になるように制御される。H20が導入された排ガスは、排ガス浄化触媒5により実施例5と同様に適正な温度でNOx及びHCが浄化される。
【0048】
このようにHC濃度、NOx濃度測定の結果を用いて、H20添加量に対してフィードバックをかけることにより、HC及びNOx浄化効率を高めることができ、本装置ではエンジン燃焼条件下における排ガスを効果的に浄化することができる。又、本実施例に対して、実施例5のH20濃度センサー4を併用させることによって更に効果的に排ガスの浄化を行うことができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、内燃機関の排ガス中にH20を添加することにより、排ガス中のHC及びNOxを排ガス浄化装置において効率よく除去することができ、更に低温においてHC及びNOx浄化性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】H20濃度とHC−T9Oとの関係を示すグラフである。
【図2】H20濃度とNOx−T90との関係を示すグラフである。
【図3】H20濃度と200℃までのNOx浄化量との関係を示すグラフである。
【図4】触媒入口温度とHC浄化率との関係を示すグラフである。
【図5】触媒入口温度とNOx浄化率との関係を示すグラフである。
【図6】Ag含有量とNOx−T5Oとの関係を示すグラフである。
【図7】Al2O3含有量とHC−T90との関係を示すグラフである。
【図8】Al2O3含有量とNOx−T9Oとの関係示すグラフである。
【図9】Ce有無とHC−T9O、NOx−T9Oとの関係を示す棒グラフである。
【図10】本発明の排ガス浄化装置の一実施態様を示す全体構成図である。
【図11】本発明の排ガス浄化装置の一実施態様を示す全体構成図である。
【符号の説明】
1…エンジン、2…H20添加装置、3…CPU、4…H20濃度センサー、5…排ガス浄化触媒、6…HC濃度センサー、7…NOx濃度センサー。
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な内燃機関の排ガス浄化方法とその装置及びその触媒とその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平7−166845号公報
【特許文献2】特開平11−270331号公報
【特許文献3】特開2001−2098036号公報
自動車等の内燃機関から排出される排ガスに含まれる、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC:Hydrocarbon)、窒素酸化物(NOx)等は大気汚染物質として人体に悪影響を及ぼす。そこで、従来より、内燃機関の燃焼方法の改善による発生量の低減に加え、排出された排ガスを触媒等により浄化する方法の開発が進められてきた。ガソリンエンジン車に関しては、耐火性担体上のアルミナコート層にPt、Rh、Pd等の貴金属を活性の主成分とした三元触媒により、HC及びCOの酸化とNOxの還元を同時に行って無害化する方法が主流となっている。
【0003】
ところがこれら触媒の触媒活性は温度に大きく依存し、低温では触媒活性がきわめて乏しい。したがって、エンジン始動時など排ガス温度が低い場合には、触媒の浄化活性が十分に発現しないという不具合があった。
【0004】
そこで、触媒温度を上昇させることで排ガスの浄化活性を高めることが行われている。例えば特許文献1には、コールドスタート時に触媒をヒータで加熱することで低温時の浄化活性を向上させることが提案されている。更に特許文献2には、冬期における活性の低い状態においては排ガスを圧縮機で圧縮することによって昇温し、昇温された排ガスを触媒と接触させることで触媒の浄化活性を高める方法が提案されている。
【0005】
なお、特許文献3には、排ガス温度を高めることとは直接関係ないが、排ガス中に水を噴射することが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1及び2の排ガス浄化触媒を加熱する排ガス浄化方法は、エンジン始動時の排ガス温度増大に対して、一つの方策を与えるものであるが、必ずしも十分とは言えない。
【0007】
本発明の目的は、H20の添加によってHC及びNOx浄化に優れ、且つ低温でのHC及びNOx浄化に優れた性能を発揮させることができる排ガス浄化方法とその装置及びその触媒とその製造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、排ガス中にH20を添加することにより触媒のHC及びNOx浄化性能が変化し、H20濃度が所定の範囲ではH20濃度が高いほどHC及びNOx浄化性能が向上することを見出し、本発明に至ったものである。
【0009】
即ち、本発明は、内燃機関の排ガス中にH20を添加し、次いで前記H20を有する前記排ガスを多孔質担体に、Pd、Pt及びRhから選ばれた少なくとも一種と、Ceと、Agとが担持した排ガス浄化触媒に接触させることを特徴とする。
【0010】
又、本発明の内燃機関の排ガスを排ガス浄化触媒に接触させて浄化させる内燃機関の排ガス浄化方法は、前記排ガス浄化触媒に接触させる前の前記排ガス中のH20濃度、前記排ガス浄化触媒に接触させた後の前記排ガス中のHC濃度及び前記排ガス浄化触媒に接触させた後の前記排ガス中のNOx濃度の少なくとも1つを計測し、該計測されたH20濃度、HC濃度及びNOx濃度の少なくとも1つに基づいて前記排ガス浄化触媒に接触させる前の前記排ガスに添加するH20量を決定し、次いでH20が添加された前記排ガスを前記排ガス浄化触媒に接触させることを特徴とする。前記触媒は、Pd、Pt及びRhから選ばれた少なくとも一種と、Ceと、Agとを担持した多孔質担体を有することが好ましい。前記排ガス浄化触媒に接触させる前の前記排ガス中のH20濃度が5〜20体積%となるように前記H20の添加量を制御することが好ましい。
【0011】
更に、本発明は、内燃機関の排ガス流路に排ガス浄化触媒を備えた排ガス浄化装置において、前記排ガス流路の前記排ガス浄化触媒の前段にH20を添加するH20添加装置を備え、前記排ガス浄化触媒が、前述に記載のものであることを特徴とする。又、本発明は、前記排ガス浄化触媒の前段の前記排ガス流路にH20を添加するH20添加装置と、前記排ガス浄化触媒の前段で前記排ガス中のH20濃度を計測するH20濃度センサー、前記排ガス浄化触媒の後段の前記排ガス中のHC濃度を計測するHC濃度センサー及び前記排ガス浄化触媒の後段の前記排ガス中のNOx濃度を計測するNOx濃度センサーの少なくとも1つと、前記計測されたH20濃度、HC濃度及びNOx濃度の少なくとも1つに基づいて前記H20の添加量を制御する制御装置を備えたことを特徴とする。前記H20濃度センサーは、前記排ガス浄化触媒の前段で、前記H20添加装置の前段及び後段の少なくとも一方に設ける。
【0012】
本発明は、多孔質担体に、該多孔質担体100重量部に対して、元素換算で、Ce15〜45重量部と、Pd、Pt及びRhから選ばれた少なくとも一種0.5〜5重量部と、Ag0.3〜5重量部とが担持されていることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化触媒にある。
【0013】
又、本発明は、基材に、アルミナ粉末のスラリー又はアルミナ前駆体の硝酸溶液を含浸後焼成し、次いで硝酸セリウム溶液と、Pd、Pt及びRhから選ばれた少なくとも一種の硝酸溶液と、Agの硝酸溶液と、を別々に含浸後焼成するか又はそれらの混合溶液を含浸後焼成し、アルミナと、該アルミナ100重量部に対して、元素換算で、Ce15〜45重量部と、Pd、Pt及びRhから選ばれた少なくとも一種0.5〜5重量部と、Ag0.3〜5重量部とを担持した多孔質担体を形成することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化触媒の製造法にある。
【0014】
本発明の方法において使用される、Pd、Pt及びRhはHCの酸化性能及びNOxの還元性能を持つことが一般的に知られている。Pd、Pt、Rhの少なくとも一種を多孔質担体100重量部に対して元素換算で、0.5〜5重量部含むことにより触媒のHC及びNOx浄化性能が向上する。担持されるPd、Pt、Rhは一種でもよいが、PtとPdが担持されていると耐熱性が向上する。PtとPdを添加すると、貴金属のシンタリングが抑制されるためと考えられる。特にPd、Pt及びRhの3種を含むことが望ましい。これにより酸化力及び還元力が強まり、排ガス浄化性能が向上されるが、これらの貴金属同士が相互作用を及ぼしあっているためと考えられる。これらの元素は、多孔質担体100重量部に対して合計で1〜3重量部、Pdが1.0〜2.0重量部、Ptが0.1〜0.5重量部及びRhが0.05〜0.3重量部であることが好ましい。
【0015】
触媒成分としてAgが含有されていると、H20存在下において低温でのNOx浄化効率が向上する。Agは金属又は酸化物の形態、もしくは貴金属、A1、Ceから選ばれた少なくとも1種との複合酸化物の形態で存在していると考えられる。Ag含有により水蒸気存在下において低温でのNOx浄化が高くなる理由は明らかでないが、この効果はAgを含有する場合に顕著に得られる効果である。触媒にAgを含有しない場合ではこのような効果は得られない。このことから、Agにより低温でのNOx浄化の促進作用が起きているものと考えられる。
【0016】
Ag担持量は多孔質担体100重量部に対し、元素換算でO.3〜6重量部とすることが好ましい。Ag担持量がO.3重量部より少ないとAg担持効果は不十分となり、6重量部より多いと触媒の比表面積が低下するため好ましくない。より2〜4.5重量部が好ましい。ここで重量部とは、各成分のg換算での含有比率を表したものであり、例えばA成分1重量部に対してB成分の担持量がO.5重量部ということは、A成分の絶対量の多少にかかわらず、g換算でAが1に対しBがO.5の割合で担持されていることを意味する。
【0017】
本発明の触媒において、Ceは酸素を捕捉する機能を持つため、触媒の、NOx酸化に寄与すると考えられる。Ce担持量としては、多孔質担体100重量部に対し、元素換算で15〜45重量部とすると高いHC、NOx浄化性能が得られる。従って、高いHC、NOx浄化性能を有するには、Ce担持量を15〜45重量部とする。しかし、これより多いと触媒の比表面積が低下するため好ましくない。特に、25〜35重量部が好ましい。
【0018】
多孔質担体は触媒活性成分の分散性を高める役割をするものと考えられる。多孔質担体は基材上に担持してもよく、その場合基材1リットルに対し多孔質担体の担持量を10〜400gとするとHC、NOx浄化性能にとって好ましい。多孔質担体の担持量が10gより少ないと多孔質担体の効果は不十分となり、400gより多いと多孔質担体自体の比表面積が低下するため好ましくない。特に、多孔質担体としてアルミナが好ましく、その量を100〜300gとすることが好ましい。
【0019】
排ガス浄化触媒の調製順序は、多孔質担体への貴金属、Ce及びAgの担持順序は任意の順序でよく、同時に担持してもよい。排ガス浄化触媒の調製方法は、含浸法、共沈法、ゾルゲル法、イオン交換法、蒸着法等の物理的調製方法や化学反応を利用した調製方法等いずれも適用可能である。
【0020】
排ガス浄化触媒の出発原料としては、硝酸化合物、酢酸化合物、錯体化合物、水酸化物、炭酸化合物、有機化合物などの種々の化合物や金属及び金属酸化物を用いることができる。
【0021】
本発明による排ガス浄化触媒の形状は、用途に応じ各種の形状で適用できる。コージェライト、ステンレス等の各種材料からなるハニカム構造体に各種成分を担持した触媒粉末をコーティングして得られるハニカム形状を始めとし、ペレツト状、板状、粒状、粉末状等として適用できる。
【0022】
前述のように、本発明の排ガス浄化装置においては、排ガス浄化触媒の前段にH20添加装置を設け、H20添加後の排ガス中のH20濃度を測定するH20濃度センサーによって、H20添加装置の前段及び後段の少なくとも一方の排ガス中のH20濃度測定結果をもとに中央制御装置CPUで適正なH20添加量を計算し、更にCPUからの信号で制御されるH20添加装置により排ガス中にH20を添加する。H20を含んだ排ガスに該排ガス浄化触媒を接触させることにより、排気ガスを効率よく浄化することができる。
【0023】
また、HC濃度或いはNOx濃度を測定するセンサーを用いて排ガス中のHC濃度、NOx濃度を計測し、触媒後流のHC、NOx濃度が高い場合、CPUを用いて適正H20添加量を計算し、H20添加装置を用いて排ガス中にH20を添加する。上記のようにHC濃度、NOx 濃度に基づいて、H20添加量にフィードバックをかけることで一層HC、NOx 浄化効率が高まる。
【0024】
本発明の処理対象となる排ガスには、ガソリン自動車、ディーゼル自動車、ディーゼルエンジンやリーンバーンガスエンジン、ガスタービン等を用いた発電設備、ボイラや加熱炉、焼結炉等の産業設備、火力発電所、廃棄物焼却炉などからの排ガスが全て含まれる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0026】
(実施例1)
アルミナ粉末及びアルミナの前駆体からなる硝酸酸性に調製したスラリーをコージェラィト製ハニカム(400セル/inc2)にコーティングした後、乾燥焼成して、ハニカムの見かけの容積1リットル当たり190gのアルミナを多孔質担体としてコーティングしたアルミナコートハニカムを得た。このアルミナコートハニカムに第一回目の含浸成分として硝酸Ce溶液を含浸した後、150℃で乾燥し、続いて600℃で1時間焼成した。次に第二回目の含浸成分としてCe担持ハニカムに、ジニトロジアミンPd硝酸溶液、ジニトロジアミンPt硝酸溶液、硝酸Rh溶液及び硝酸Agの混合溶液を含浸し、150℃で乾燥し、続いて600℃で1時間焼成した。
【0027】
以上によりハニカム1リットルに対してアルミナが190g、及び元素換算でCe60g、Pd3.08g、PtO.62g、RhO.3g、Ag6.0gを含有する実施例触媒1を得た。
【0028】
(試験方法)
触媒の耐熱性能を評価するため、上記触媒を常圧固定床流通式反応管に充填し、自動車のエンジンが理諭空燃比で運転されているときの排ガスを想定した表1に示すストイキモデルガスと、自動車のエンジンがリーンバーン運転を行っているときの排ガスを想定した表2に示すリーンモデルガスを3分ごとに交互に触媒に流通させ、触媒入口温度を800℃に固定し、3時間耐久処理した(SV=30,OOO/hとした)。この触媒に対して、次の条件でHC及びNOx浄化性能試験を行った。容量6ccのハニカム触媒を石英ガラス反応管中に固定した。この反応管を電気炉中に導入し、室温から500℃まで10℃/分で昇温した。反応管に導入されるガスは、ガソリンエンジンを模擬した表1のストイキモデルガスにH20を添加した。このガスを室温から500℃まで10℃/分で昇温し、H20濃度が0、5、10及び20体積%におけるHC及びNOx浄化活性を測定した(SV=30,OOO/hとした)。
【0029】
又、多孔質担体としてのアルミナコートAl2O3をβゼオライトコートヘと変更し、その他の触媒成分及び調製法を前述と同じとした実施例触媒2を調製し、同様の試験により評価した。
【0030】
【表1】
【表2】
【0031】
(試験結果)
図1は、実施例触媒1及び2についてのH20濃度に対するHC−T9O(HCの浄化率が90%に達する触媒入口温度)の結果を示す線図である。図1に示すように、実施例触媒1及び2において、H20無添加では、HC−T9Oが約500℃であるが、H20濃度が5体積%以上では、HCT−90はいずれの触媒においてもH20濃度が高いほど浄化温度が徐々に低温化しており、20体積%では実施例触媒1が約430℃及び実施例触媒2が約450℃である。
【0032】
図2は、同様にH20濃度に対するNOx−T9O(NOxの浄化率が90%に達する触媒入口温度)の結果を示す線図である。図2に示すように、H20無添加では、実施例触媒1が約355℃及び実施例触媒2が約480℃である。しかし、H20濃度が5体積%以上では、その添加量の増加によって徐々にNOx−T9Oが低下しており、浄化温度が低温化していく。そして、H20濃度が20体積%では, 実施例触媒1が約320℃及び実施例触媒2が約440℃である。そして、実施例触媒1のアルミナコートしたものが、実施例触媒2のゼオライトコートしたものより約120℃低温で浄化できる。
【0033】
図3は、同様にH20濃度に対する200℃までの浄化NO量を示す線図である。図3に示すように、H20濃度が5体積%以上では、その増加と共に200℃までの浄化NO量が増加していく。又、図3に示すように、実施例触媒1のアルミナコートしたものが、実施例触媒2のゼオライトコートしたものより高い浄化NO量が得られる。
【0034】
図4は、実施例触媒1について、H20添加しないH20濃度O体積%(比較例1)及びH20添加したH20濃度10体積%(実施例1)における触媒入口温度に対するHC浄化率を示す線図である。図4に示すように、HC浄化率は、320℃以上においてH20濃度10体積%のH20添加したものがH20を添加しない場合に比較してその温度が高いほどHC浄化率が高くなることが明らかである。従って、HC浄化率は、H20添加による効果が大きいことが分かる。
【0035】
図5は、実施例触媒1について、H20添加しないH20濃度O体積%(比較例1)及びH20添加したH20濃度10体積%(実施例1)における触媒入口温度に対するNOx浄化率を示す線図である。図5に示すように、NOx浄化率は、H20添加したH20濃度10体積%(実施例1)ではH20添加しないH20濃度O体積%(比較例1)より全体に約30℃低温側にシフトしたNOx浄化特性を示し、特に130〜135℃において50%以上の高い浄化率が得られる。
【0036】
以上の結果より、貴金属と、Ce及びAgを添加した触媒において、H2O添加はHC及びNOx浄化に対し効果的であり、且つ140℃以下のNOxの浄化に対しても効果的であることが明らかである。また、多孔質担体としてはA1203が好ましいことがわかる。
【0037】
(実施例2)
実施例1と同様の方法を用いて、比較例触媒1(Agを添加せず)、実施例触媒1のAg量を1とし、実施例触媒3(1/10倍)、実施例触媒4(1/2倍)、実施例触媒5(2倍)の量に変更し、その他の触媒成分及び調製法は同じとした実施例触媒を調製した。この比較例触媒1、実施例触媒3〜5について実施例1のH20濃度10体積%について同様の試験により評価した。
【0038】
図6は、実施例触媒1、3、4、5と比較例触媒1について、Ag含有量に対するNOx−T50(NOxの浄化率が50%に達する触媒入口温度)の結果を示す線図である。図6に示すように、Ag量を6%以下で含有させることによりNOx浄化温度を最大で約30℃低下できる。以上のことから、Agの含有はNOx浄化温度を低め、特に、Ag量が1〜4%のとき130〜140℃の低い温度でも高い浄化率が得られることが明らかである。
【0039】
(実施例3)
実施例1と同様の方法を用いて、多孔質担体として実施例1のA1203量を1とし、A1203量を実施例触媒6(1/10倍)、実施例触媒7(1/2倍)、実施例触媒8(2倍)の量に変更し、その他の触媒成分及び調製法は同じとした実施例触媒を調製した。この実施例触媒6〜8について実施例1のH20濃度10体積%について同様の試験により評価した。
【0040】
図7は、実施例触媒1及び6〜8について、Al2O3量に対するHC−T90の結果を示す線図である。同様に、図8は、Al2O3量に対するNOx−T90の結果を示す線図である。グラフ横軸はハニカムの見かけの容積1リットル当たりのAl2O3の重量を示す。Al2O3量がハニカムの見かけの容積1リットル当たり19〜380gの範囲では、H20を添加しない場合(HC−T9O:500℃、NOx−T90:355℃)に比べてHC−T90及びN0x−T50が得られる温度が低下しているが、Al2O3量がハニカムの見かけの容積1リットル当たり100〜300gの範囲とすると、HC−T90及びNOx−T9Oが得られる温度が低下しより効果的であることが分かる。特に、HC−T90が得られる温度が475〜485℃、NOx−T9Oが得られる温度が335〜345℃の低い温度で高い浄化率が得られる。
【0041】
(実施例4)
実施例1と同様の方法を用いて、実施例1において、Ceを添加せず、その他の触媒成分及び調製法を同じとした比較例触媒2を調製した。この比較例触媒2について実施例1のH20濃度10体積%について同様の試験により実施例触媒1及び比較例触媒2について評価した。
【0042】
図9は、H20濃度10体積%におけるHC−T9O及びNOx−T9Oの結果を示すグラフである。Ceがある実施例触媒1の方が、Ceを除いた比較例触媒2よりもHC−T9Oが得られる温度が5℃及びNOx−T9Oが得られる温度が42℃いずれも低下しており、Ce添加によりHC及びNOx浄化温度が低下することが明らかである。
【0043】
(実施例5)
図10は実施例1〜4に記載の排ガス浄化触媒を用いた本発明の排ガス浄化装置を備えた内燃機関の一実施態様を示す全体構成図である。本発明の浄化装置はH20添加装置2、H20濃度センサー4、CPU3、排ガス浄化触媒5を有する。
【0044】
本実施例の排気浄化装置は、エンジン1から排出した排ガス中のH20濃度がH20濃度センサー4により計量され、その信号がCPU3に入力される。CPU3では排ガス中のH20濃度を常時判定して適正なH20添加量が計算される。CPU3からの信号により、H20添加装置2からのH20添加量と時間等が制御され、排ガス浄化触媒5の前段の排ガス中のH20濃度が5〜20体積%の所定値になるように制御される。本実施例では、H20濃度センサー4はH20添加装置2の排ガス流路の前段に設けたものであるが、その後段でも同様に設けることができ、両方に設けると更に良好な制御ができる。
【0045】
以上の操作により、本装置を用いればエンジン燃焼条件下における排ガスを効果的に浄化することができる。更に低温においてHC及びNOx浄化性能を高めることができることから低温で使用でき、そのため長寿命とすることができる。
【0046】
(実施例6)
図11は実施例1〜4に記載の排ガス浄化触媒を用いた本発明の排ガス浄化装置を備えた内燃機関の一実施態様を示す全体構成図である。本発明の浄化装置はH20添加装置2、HC濃度センサー6、NOx濃度センサー7、CPU3、排ガス浄化触媒5を有する。
【0047】
本実施例の排ガス浄化装置は、排ガス浄化触媒5の後段にあるHC濃度センサー6及びNOx濃度センサー7により排ガス中のHC濃度及びNOx濃度が計測され、その信号がCPU3に入力される。CPU3では排ガス中のHC濃度、NOx濃度を常時判定し、それらの濃度に基づいてエンジン1から排出した排ガス中への適正なH20添加量が計算される。CPU3からの信号により、H20添加装置2の噴射量と噴射時間等が制御され、排ガス浄化触媒5の前段の排ガス中のH20濃度が5〜20体積%の所定値になるように制御される。H20が導入された排ガスは、排ガス浄化触媒5により実施例5と同様に適正な温度でNOx及びHCが浄化される。
【0048】
このようにHC濃度、NOx濃度測定の結果を用いて、H20添加量に対してフィードバックをかけることにより、HC及びNOx浄化効率を高めることができ、本装置ではエンジン燃焼条件下における排ガスを効果的に浄化することができる。又、本実施例に対して、実施例5のH20濃度センサー4を併用させることによって更に効果的に排ガスの浄化を行うことができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、内燃機関の排ガス中にH20を添加することにより、排ガス中のHC及びNOxを排ガス浄化装置において効率よく除去することができ、更に低温においてHC及びNOx浄化性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】H20濃度とHC−T9Oとの関係を示すグラフである。
【図2】H20濃度とNOx−T90との関係を示すグラフである。
【図3】H20濃度と200℃までのNOx浄化量との関係を示すグラフである。
【図4】触媒入口温度とHC浄化率との関係を示すグラフである。
【図5】触媒入口温度とNOx浄化率との関係を示すグラフである。
【図6】Ag含有量とNOx−T5Oとの関係を示すグラフである。
【図7】Al2O3含有量とHC−T90との関係を示すグラフである。
【図8】Al2O3含有量とNOx−T9Oとの関係示すグラフである。
【図9】Ce有無とHC−T9O、NOx−T9Oとの関係を示す棒グラフである。
【図10】本発明の排ガス浄化装置の一実施態様を示す全体構成図である。
【図11】本発明の排ガス浄化装置の一実施態様を示す全体構成図である。
【符号の説明】
1…エンジン、2…H20添加装置、3…CPU、4…H20濃度センサー、5…排ガス浄化触媒、6…HC濃度センサー、7…NOx濃度センサー。
Claims (10)
- 内燃機関の排ガス中にH20を添加し、該H20を有する前記排ガスを、多孔質担体にPd、Pt及びRhから選ばれた少なくとも一種と、Ceと、Agとを担持した排ガス浄化触媒に接触させることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化方法。
- 内燃機関の排ガスを排ガス浄化触媒に接触させて浄化する内燃機関の排ガス浄化方法において、前記排ガス浄化触媒に接触させる前の前記排ガス中のH20濃度、前記排ガス浄化触媒に接触させた後の前記排ガス中のHC濃度及び前記排ガス浄化触媒に接触させた後の前記排ガス中のNOx濃度の少なくとも1つを計測し、該計測されたH20濃度、HC濃度及びNOx濃度の少なくとも1つに基づいて前記排ガス浄化触媒に接触させる前の前記排ガスに添加するH20量を決定し、次いでH20が添加された前記排ガスを前記排ガス浄化触媒に接触させることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化方法。
- 請求項2において、前記触媒は、Pd、Pt及びRhから選ばれた少なくとも一種と、Ceと、Agとを担持した多孔質担体を有することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化方法。
- 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記排ガス浄化触媒に接触させる前の前記排ガス中のH20濃度が5〜20体積%となるように前記H20の添加量を制御することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化方法。
- 内燃機関の排ガス流路に排ガス浄化触媒を備えた排ガス浄化装置において、前記排ガス浄化触媒の前段の前記排ガス流路にH20を添加するH20添加装置を備え、前記排ガス浄化触媒が、Pd、Pt及びRhから選ばれた少なくとも一種と、Ceと、Agとを担持した多孔質担体を有することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
- 内燃機関の排ガス流路に排ガス浄化触媒を備えた排ガス浄化装置において、前記排ガス浄化触媒の前段の前記排ガス流路にH20を添加するH20添加装置と、前記排ガス浄化触媒の前段で前記排ガス中のH20濃度を計測するH20濃度センサー、前記排ガス浄化触媒の後段の前記排ガス中のHC濃度を計測するHC濃度センサー及び前記排ガス浄化触媒の後段の前記排ガス中のNOx濃度を計測するNOx濃度センサーの少なくとも1つと、前記計測されたH20濃度、HC濃度及びNOx濃度の少なくとも1つに基づいて前記H20の添加量を制御する制御装置を備えたことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
- 請求項6において、前記排ガス浄化触媒は、Pd、Pt及びRhから選ばれた少なくとも一種と、Ceと、Agとを担持した多孔質担体を有することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
- 内燃機関の排ガス中にH20を添加する噴射ノズルを有するH20添加装置と、前記排ガス中のH20濃度、HC濃度及びNOx濃度の少なくとも1つに基づいて前記H20の添加量を制御する制御装置とを備えたことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
- 多孔質担体に、該多孔質担体100重量部に対して、元素換算で、Ce15〜45重量部と、Pd、Pt及びRhから選ばれた少なくとも一種0.5〜5重量部と、Ag0.5〜6重量部とが担持されていることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化触媒。
- 基材に、アルミナ粉末のスラリー又はアルミナ前駆体の硝酸溶液を含浸後焼成し、次いで硝酸セリウム溶液と、Pd、Pt及びRhから選ばれた少なくとも一種の硝酸溶液と、Agの硝酸溶液とを別々に含浸後焼成するか又はそれらの混合溶液を含浸後焼成し、アルミナ100重量部に対して元素換算で、Ce15〜45重量部と、Pd、Pt及びRhから選ばれた少なくとも一種0.5〜5重量部と、Ag0.3〜6重量部とを担持した多孔質担体を形成することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化触媒の製造法。
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