JP2004321410A - 固形化粧料容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】多色渦巻模様を綺麗に維持し且つ固形化粧料の離脱を防止する。
【解決手段】容器3が、円筒状を成し、その内側に同心円状に配設される複数の円環状保持体3eを備えると共に、上方ノズル8から多色溶解固形化粧料9a,9bが流し込まれる際に逆さにされ凹部6aを備える型6に載置されて型6とノズル8との相対回転に供される構成とし、円環状保持体3eが、最内側円環状保持体に囲まれる開口3gを通し流し込まれ容器3内に充填される溶解固形化粧料9a,9bに覆われる状態とし溶解固形化粧料9a,9bの固化、離型で成形される凸状の多色渦巻模様の固形化粧料を保持するため、円環状保持体3eが、相対回転により円周方向に渦を巻く渦巻模様の形成を邪魔することは無く消費限界に近い円環状保持体3e近傍での渦巻模様の崩れが防止され且つ固形化粧料が複数の円環状保持体3eを挟むようにして円環状保持体3eに堅固に保持される。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、凸状を成し多色の渦巻模様に形成される固形化粧料を保持する固形化粧料容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、凸状の多色渦巻模様の固形化粧料を製造する方法として、凹部を備える棒状化粧料成形型と当該成形型上方のノズルとを相対回転させ、多色の固形化粧料を溶解状態でノズルを通して成形型に流し込み固化させ離型することで、多色渦巻模様に形成される棒状化粧料を得る方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公平4−65806号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この多色渦巻模様の棒状化粧料は、固形化粧料容器に嵌め込まれることで装着されるが、落下等の衝撃が作用すると当該固形化粧料が容器から離脱する虞がある。
【0005】
特に、外径が大とされる凸状の多色渦巻模様の固形化粧料や、ドーム形状の成形型を用い成形される略半球体状又は略球帽体状を成す多色渦巻模様の固形化粧料のように、固形化粧料の体積が大きくなると、落下等の衝撃により固形化粧料が容器から離脱する虞が一層高まる。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、落下等の衝撃に起因して凸状の多色渦巻模様の固形化粧料が容器から離脱することが防止されると共に、当該凸状の固形化粧料の多色渦巻模様が消費限界迄綺麗に維持される固形化粧料容器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による固形化粧料容器は、凹部を備える型と当該型上方のノズルとを相対回転させ、多色の固形化粧料を溶解状態でノズルを通して型に流し込み固化させ離型することで、成形される凸状の多色渦巻模様の固形化粧料を、容器本体が保持する固形化粧料容器であって、容器本体は、円筒状を成し、その内側に同心円状に配設される複数の円環状保持体を備えると共に、溶解状態の固形化粧料が流し込まれる際に逆さにされその上部が下にその下部が上にされて型上に載置されて相対回転に供され、円環状保持体は、最内側の円環状保持体に囲まれる開口を通して流し込まれ容器本体内に充填される溶解状態の固形化粧料に覆われた状態とされ当該溶解状態の固形化粧料の固化、離型により成形される凸状の多色渦巻模様の固形化粧料を保持することを特徴としている。
【0008】
このような固形化粧料容器によれば、円筒状を成し、その内側に同心円状に配設される複数の円環状保持体を備える容器本体が、凹部を備える型に対して逆さにされその上部が下にその下部が上にされて載置され、型上方のノズルと当該型とが相対回転され、この時、多色の固形化粧料が、溶解状態でノズルから容器本体の最内側の円環状保持体に囲まれる開口を通して流し込まれ容器本体内に充填されて円環状保持体を覆う状態とされ、この溶解状態の固形化粧料の固化、離型に従い凸状の多色渦巻模様の固形化粧料が成形されて円環状保持体に保持される。このように、同心円状に配設される複数の円環状保持体が、相対回転により円周方向に渦を巻く渦巻模様の形成を邪魔することは無く固形化粧料の消費限界に近い円環状保持体近傍での渦巻模様の崩れが防止されつつ、固形化粧料が複数の円環状保持体を挟むようにして当該円環状保持体に堅固に保持される。
【0009】
また、容器本体は、最内側の円環状保持体から放射状に延びて当該容器本体内周面に連結され円環状保持体を支持すると共に、その上部が、円環状保持体の上部より下部側に位置する複数の放射状保持体を備え、これらの放射状保持体が、溶解状態の固形化粧料に覆われた状態とされて当該溶解状態の固形化粧料の固化、離型により成形される凸状の多色渦巻模様の固形化粧料を保持する構成が好ましい。
【0010】
このような構成を採用した場合、放射状保持体の上部が、円環状保持体の上部より下部側に位置していることから、当該放射状保持体が、固形化粧料の消費限界に近い円環状保持体近傍での渦巻模様の崩れを招くこと無く、固形化粧料が、さらに複数の放射状保持体を挟むようにして一層堅固に保持される。
【0011】
ここで、凸状の多色渦巻模様の固形化粧料が、略半球体状又は略球帽体状を成していると、当該略半球体状又は略球帽体状の固形化粧料の体積は棒状化粧料等に比して大きく、落下等の衝撃により固形化粧料が容器から離脱し易いため、上記保持体の採用が特に効果的である。
【0012】
また、隣接する円環状保持体同士は、外側の円環状保持体が上部側に高くされているのが好ましい。
【0013】
このような構成を採用した場合、溶解状態の固形化粧料が、上記相対回転に従って内側の円環状保持体から外側の円環状保持体に亘って均等且つ良好に回り込むようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による固形化粧料容器の好適な実施形態について図1〜図7を参照しながら説明する。図1及び図2は、本発明の実施形態に係る固形化粧料容器を示す各図、図3〜図6は、固形化粧料容器の容器本体を示す各図、図7は、固形化粧料容器に保持される凸状を成す多色渦巻模様の固形化粧料の製造方法を示す図であり、当該固形化粧料容器は、例えばリップ、フェイスカラー、ファンデーション、アイカラー等の固形化粧料を備えるものである。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の固形化粧料容器1は、上記固形化粧料2を保持する中皿としての容器本体3を主体として、固形化粧料2を覆うようにして容器本体3の上部を覆う上蓋4及びこの容器本体3の下部を覆う底蓋5を具備している。これらの容器本体3、上蓋4及び底蓋5は、例えば樹脂等で形成されて成る。
【0016】
図1〜図6に示すように、容器本体3は、円筒形状を成し、図1及び図3に示すように、内周側に設けられる保持体3dが、図1及び図2に示すように、円筒空間を埋めるようにして上方に突出する略半球体状又は略球帽体状の固形化粧料2を保持する構成とされている(詳しくは後述)。
【0017】
この容器本体3は、図1〜図3に示すように、上部の外周面に沿って、上蓋4を着脱可能に装着するための雄螺子3cを備え、下部の外周面の開放端側に、図3に示すように、底蓋5との相対回転を拘束するための突状3bを周方向等配位置に複数個備えると共に、図1及び図3に示すように、この突状3bより上部位置に、底蓋5の上下方向の移動を拘束するための環状凸部3aを備えている。
【0018】
図1に示すように、上蓋4は、有底円筒状を成し、固形化粧料2に対向し当該固形化粧料2を上方から覆うドーム形状の覆部4aと、この覆部4aの周縁に連設される円環状の周壁部4bと、を備え、容器本体3の上部に外挿され、周壁部4bの内周面に形成される雌螺子4cが容器本体3の雄螺子3cに螺合することで、容器本体3に着脱可能に装着されている。
【0019】
この容器本体3の雄螺子3cと上蓋4の雌螺子4cとの螺合にあっては、上蓋4の覆部4a内面の周壁部4b近傍位置に突設される円環状の凸部4dが、容器本体3の上端面に当接し、螺子3c,4c同士の締め過ぎが防止されている。
【0020】
底蓋5は、有底円筒状を成し、容器本体3の下部に外挿され、円環状を成す周壁の内周面に沿って形成される多数のローレット5bに容器本体3の突状3bが進入することで、容器本体3との相対回転が拘束されていると共に、周壁のローレット5bより上部の内周面に沿って形成される環状溝部5aに容器本体3の環状凸部3aが係合することで、容器本体3に回転方向・上下方向共に固定されている。
【0021】
ここで、特に本実施形態にあっては、略半球体状又は略球帽体状の固形化粧料2が、図2に示すように、多色(図では二色)の渦巻模様に構成され、この略半球体状又は略球帽体状の多色渦巻模様の固形化粧料2を保持する容器本体3の保持体3dが、図1〜図6に示すように、円環状保持体3eと、放射状保持体3fと、を備える構成とされている。
【0022】
円環状保持体3eは、図1に示すように、横断面矩形形状とされ、図1及び図3に示すように、複数個(図では三個)が同心円状に配設されている。これらの隣接する円環状保持体3e,3e同士は、図1に示すように、外側の円環状保持体が上部側に高くされ、具体的には、最内側の円環状保持体3eの上面3e1に比して中側の円環状保持体3eの上面3e2が高く、この中側の円環状保持体3eの上面3e2に比して最外側の円環状保持体3eの上面3e3が高く、且つ、これらの上面3e1,3e2,3e3が、略同角度で傾斜し上面同士が離間して連なる傾斜面に構成されている。そして、図1及び図3〜図6に示すように、上面3e1を備える最内側の円環状保持体3eに囲まれる開口3gが、後述の溶解状態の固形化粧料が流し込まれる充填口として設定されている。
【0023】
放射状保持体3fは、上面3e1を備える最内側の円環状保持体3eに連結されて当該最内側の円環状保持体3eから複数個(図では八個)が放射状に延び容器本体3の内周面に連結されている。これらの放射状保持体3fは、その上部が、円環状保持体3eの上部より下部側に位置するように円環状保持体3eを連結し、当該円環状保持体3eを容器本体3に支持させている。
【0024】
そして、これらの円環状、放射状保持体3e,3fを備える保持体3dが、図1に示すように、固形化粧料2に覆われた状態とされて当該固形化粧料2を保持する構成とされている。
【0025】
次に、図7を参照しながら、容器本体3の保持体3dに保持される略半球体状又は略球帽体状を成す多色渦巻模様の固形化粧料2の製造について説明する。
【0026】
先ず、回転体7と、この回転体7の上方に、溶解状態の固形化粧料を吐出する充填ノズル8と、を備える製造機を用意する。なお、本実施形態にあっては、二色の渦巻模様を形成すべく、充填ノズル8が二色の充填ノズル8a,8bを備えているが、三色以上の渦巻模様を形成する場合には、色数に応じた充填ノズルを設置することになる。
【0027】
次いで、ドーム形状の凹部6aを備える紅型(成形型)6に、容器本体3を逆さにして嵌め込み、紅型6を、回転体7に対して回転不能にセットする。この紅型6は、例えばアルミニウム、樹脂、ゴム等で構成される。
【0028】
次いで、回転体7を回転することで紅型6及び容器本体3を回転し、所定回転に達したら、充填ノズル8a,8bから、熱溶解された状態の異色の固形化粧料9a,9bを略同時に、容器本体3の開口3gを通して流し込む。
【0029】
すると、紅型6の回転に従って多色の渦巻模様が形成されながら、溶解状態の固形化粧料が、紅型7と容器本体3との間に画成される成形空間10に充填されていく。
【0030】
この溶解状態の固形化粧料の充填にあって、溶解固形化粧料が円環状保持体3eに達するが、円環状保持体3eは各々が円環状を成し同心円状に配設されているため、円周方向に渦を巻く溶解固形化粧料の渦巻模様の形成が邪魔されることは無く、渦巻模様の崩れは無い。また、この時、外側の円環状保持体が上部側(図7では下部側)に高くされ、加えて、円環状保持体3eの上面(図7では下面)3e1,3e2,3e3が、略同角度で傾斜し上面同士が離間して連なる傾斜面に構成されているため、溶解固形化粧料が、紅型6の回転に従って内側の円環状保持体から外側の円環状保持体に亘って均等且つ良好に回り込み、渦巻模様が良好に形成される。
【0031】
この渦を巻いている溶解固形化粧料はさらに充填され、当該溶解固形化粧料が、円環状保持体3eより下部側(図7では上側)に位置している放射状保持体3fに達すると、当該放射状保持体3fが渦巻模様の形成方向に交差することから、当該渦巻模様の形成が乱されて崩れが生じるが、円環状保持体3eより上部側(図7では下部側)での渦巻模様の崩れを招くこと無く、以降は、溶解固形化粧料が保持体3dを覆う迄充填される。
【0032】
そして、回転体7の回転を停め、溶解固形化粧料が固化したら、紅型6から離型し、これにより、容器本体3の保持体3dに保持される略半球体状又は略球帽体状を成す多色渦巻模様の固形化粧料2が得られる。
【0033】
このようにして得られる固形化粧料2は、粉体を多く含む化粧料であり、使用感的にはパウダリーなものである。そして、本発明者らの実験によると、二〜三色を用いて綺麗な渦巻模様を形成するには、充填温度を80〜100°Cとし、充填粘度を500〜3000mpa・sとするのが望ましく、渦巻模様を特に綺麗に形成するには、化粧料を構成する粉体とオイル、ワックスとの比率を、3:7〜5:5とするのが特に望ましい。
【0034】
そして、このような固形化粧料2を保持する容器本体3が得られたら、上蓋4をその開放端側から容器本体3の上部に外挿し、上蓋4と容器本体3とを相対回転しながら、上蓋4の雌螺子4cと容器本体3の雄螺子3cとを螺合していくことで、上蓋4を容器本体3に着脱可能に装着し、次いで、底蓋5をその開放端側から、上蓋4が装着された容器本体3の下部に外挿し、底蓋5のローレット5bに容器本体3の突状3bを進入させると共に、底蓋5の環状溝部5aと容器本体3の環状凸部3aとを係合することで、底蓋5を容器本体3に固着し、図1に示す固形化粧料容器1が得られる。
【0035】
このような構成を有する固形化粧料容器1によれば、略半球体状又は略球帽体状を成す多色渦巻模様の固形化粧料2が、複数の円環状保持体3eを挟むようにして当該円環状保持体3eに堅固に保持されているため、落下等の衝撃に起因する固形化粧料2の容器本体3からの離脱が防止されている。
【0036】
また、当該固形化粧料2は、さらに複数の放射状保持体3fを挟むようにして当該放射状保持体3fに堅固に保持されているため、固形化粧料2の容器本体3からの離脱が一層防止されている。
【0037】
次に、このような固形化粧料容器1により固形化粧料2を塗布する場合には、先ず、上蓋4と底蓋5を掴み、上蓋4と底蓋5とを相対回転しながら、上蓋4の雌螺子4cと容器本体3の雄螺子3cとの螺合を解除していき、上蓋4を容器本体3から抜脱して図2に示す状態とし、容器本体3から略半球体状又は略球帽体状に突出する固形化粧料2を塗布すれば良い。
【0038】
この塗布に従って固形化粧料2は消費され、消費限界に近い円環状保持体3eの近傍に達するが、前述したように、この消費限界に近い円環状保持体3eの近傍では、渦巻模様の崩れが生じていないため、固形化粧料2の多色渦巻模様が、消費限界迄、綺麗に維持され美観の向上が図られている。
【0039】
なお、底蓋5の環状溝部5aと容器本体3の環状凸部3aとを抜脱(着脱)可能な係合としても良い。このように構成することで、固形化粧料2の消費限界迄の消費により固形化粧料2を交換する必要が生じた場合に、容器本体3に対して、上蓋4を相対回転し螺合を解除して当該上蓋4を取り外すと共に、底蓋5を抜脱し係合を解除して当該底蓋5を取り外し、新規の固形化粧料2を保持する交換用の容器本体3に交換することが可能である。
【0040】
因みに、特開2003−61742号公報に記載の固形化粧料容器に、略半球体状又は略球帽体状を成す多色渦巻模様の固形化粧料を成形し保持させる場合には、中央に充填口が開口されると共に、当該充填口から放射状に延びる複数のスリット及びスリット同士間に形成される薄肉部を備える容器本体(中皿)を逆さにして、ドーム形状の紅型に上から嵌め込み、この紅型の上方に配設される色別の充填ノズルと当該紅型とを相対回転させながら、多色の固形化粧料を熱溶解した状態で色別の充填ノズルを介し容器本体の充填口を通して紅型と容器本体との間に画成される成形空間に流し込むと共に容器本体のスリット及び薄肉部が覆われる迄流し込み、紅型の回転を停止し溶解状態の化粧料を固化させ紅型を離型することで、略半球体状又は略球帽体状の多色渦巻模様の固形化粧料を成形すると共に容器本体の薄肉部を挟むようにして当該固形化粧料を保持させることになるが、このような固形化粧料容器では、略半球体状又は略球帽体状を成す多色渦巻模様の形成の際に、スリット及び薄肉部が、渦巻模様の形成方向に交差し当該渦巻模様の形成を邪魔し乱すため、スリット及び薄肉部の近傍では固形化粧料の渦巻模様が崩れ、従って、スリット及び薄肉部の近傍迄固形化粧料を消費すると、この崩れた渦巻模様が露出し美観が悪いという問題があると共に、固形化粧料に対する保持力が多少弱く落下等の衝撃に対し固形化粧料が離脱する虞がある。
【0041】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、特に効果的であるとして、落下等の衝撃により離脱の虞が高い略半球体状又は略球帽体状の多色渦巻模様の固形化粧料2に対する適用を述べているが、多色渦巻模様に形成される棒状化粧料等に対しても適用可能であり、さらには、上面に模様形状としての凸部を備える平板状の固形化粧料であって、この凸部及び平板状部分を共に、連続する多色渦巻模様に成形して成る固形化粧料に対しても適用可能である。この場合には、紅型が、模様形状としての凸部に対応するキャビティ(成形空間)を有する構成とされる。
【0042】
また、上記実施形態においては、容器本体3が嵌め込まれた紅型6を回転するようにしているが、充填ノズル8の方を回転するようにしても良く、要は、紅型6と充填ノズル8とを相対回転する構成であれば良い。
【0043】
【発明の効果】
本発明による固形化粧料容器は、容器本体が、円筒状を成し、その内側に同心円状に配設される複数の円環状保持体を備えると共に、上方のノズルから溶解状態の多色の固形化粧料が流し込まれる際に逆さにされ凹部を備える型上に載置されて、型とノズルとの相対回転に供される構成とし、円環状保持体が、最内側の円環状保持体に囲まれる開口を通して流し込まれ容器本体内に充填される溶解状態の固形化粧料に覆われた状態とし当該溶解状態の固形化粧料の固化、離型により成形される凸状の多色渦巻模様の固形化粧料を保持する構成としている。このため、同心円状に配設される複数の円環状保持体が、上記相対回転により円周方向に渦を巻く渦巻模様の形成を邪魔することは無く固形化粧料の消費限界に近い円環状保持体近傍での渦巻模様の崩れが防止され、固形化粧料の多色渦巻模様を消費限界迄綺麗に維持することが可能になると共に、当該固形化粧料が、複数の円環状保持体を挟むようにして当該円環状保持体に堅固に保持され、落下等の衝撃に起因する固形化粧料の容器本体からの離脱を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る固形化粧料容器を示す縦断面図である。
【図2】図1の固形化粧料容器の上蓋を外した状態を示す斜視図である。
【図3】図1及び図2中の容器本体を抽出して示す平面斜視図である。
【図4】図3に示す容器本体の平面図である。
【図5】図3に示す容器本体の底面斜視図である。
【図6】図3に示す容器本体の底面図である。
【図7】溶解状態の多色固形化粧料を型と容器本体との間に画成される成形空間に充填する製造方法を示す状態説明図である。
【符号の説明】
1…固形化粧料容器、2…凸状の多色渦巻模様の固形化粧料、3…容器本体、3d…保持体、3e…円環状保持体、3e1,3e2,3e3…円環状保持体上面、3f…放射状保持体、3g…充填口(開口)、4…上蓋、5…底蓋、6…紅型(型)、6a…紅形の凹部、7…回転体、8,8a,8b…充填ノズル、9a,9b…溶解状態の固形化粧料、10…成形空間。

Claims (4)

  1. 凹部を備える型と当該型上方のノズルとを相対回転させ、多色の固形化粧料を溶解状態で前記ノズルを通して前記型に流し込み固化させ離型することで、成形される凸状の多色渦巻模様の固形化粧料を、容器本体が保持する固形化粧料容器であって、
    前記容器本体は、円筒状を成し、その内側に同心円状に配設される複数の円環状保持体を備えると共に、前記溶解状態の固形化粧料が流し込まれる際に逆さにされその上部が下にその下部が上にされて前記型上に載置されて前記相対回転に供され、
    前記円環状保持体は、最内側の円環状保持体に囲まれる開口を通して流し込まれ前記容器本体内に充填される溶解状態の固形化粧料に覆われた状態とされ当該溶解状態の固形化粧料の固化、離型により成形される凸状の多色渦巻模様の固形化粧料を保持することを特徴とする固形化粧料容器。
  2. 前記容器本体は、前記最内側の円環状保持体から放射状に延びて当該容器本体内周面に連結され前記円環状保持体を支持すると共に、その上部が、前記円環状保持体の上部より下部側に位置する複数の放射状保持体を備え、
    これらの放射状保持体が、前記溶解状態の固形化粧料に覆われた状態とされて当該溶解状態の固形化粧料の固化、離型により成形される凸状の多色渦巻模様の固形化粧料を保持することを特徴とする請求項1記載の固形化粧料容器。
  3. 前記凸状の多色渦巻模様の固形化粧料は、略半球体状又は略球帽体状を成していることを特徴とする請求項1又は2記載の固形化粧料容器。
  4. 前記隣接する円環状保持体同士は、外側の円環状保持体が上部側に高くされていることを特徴とする請求項3記載の固形化粧料容器。
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