JP2006321498A - 多色成形識別部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 容器を取扱う現場において、容器の構成部材として、他の容器の構成部材に比べて高い識別性を有する識別部材を提供すること、および該識別部材を備えた容器の提供。
【解決手段】 容器を構成する識別部材としての樹脂製キャップAは、筒体3外周面に凹設された溝部34と、溝部34の底面から外方へ向けて、筒体3と同時に射出成形により形成された、前記容器の商品表示を示す識別部32と、溝部34と識別部32の間にある海部に識別部32と異なる色の他の樹脂を注入して形成された背景部33からなる識別表示部31が形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 容器を構成する識別部材としての樹脂製キャップAは、筒体3外周面に凹設された溝部34と、溝部34の底面から外方へ向けて、筒体3と同時に射出成形により形成された、前記容器の商品表示を示す識別部32と、溝部34と識別部32の間にある海部に識別部32と異なる色の他の樹脂を注入して形成された背景部33からなる識別表示部31が形成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、容器の商品表示を示す識別表示部が形成された多色成形識別部材に関する。
従来から、点眼薬等の薬液が充填された薬液容器の識別を容易にするため、各社とも、該薬液容器の種類に応じて、主としてキャップの色を変えることで対応している。しかしながら、各社がそれぞれ独自の基準でキャップの色を決めているので、異種成分の薬液が充填されていても会社が異なれば同一ないし類似の色付きキャップを備えた、似たような形状の薬液容器が提供される場合があり、かかる場合、数多くの会社から提供される各種薬液容器を実際に取扱う薬局等では混乱が生じ、誤って目的外の薬液が充填された薬液容器を患者に提供することがしばしば生じる問題があった。
そこで、薬液容器として、キャップ等に色付けを行うことに加えて、文字、図形、記号等の識別表示を施せば、組み合わせのバリエーションが増え、他社容器と自社容器との識別が容易になると考えられる。しかしながら、容器の構成部材(例えば、キャップ)のうち、容器の識別性を高めることを目的として、識別表示と色付けを組み合わせる技術はほとんど開示されておらず、関連技術としては、印刷情報を容易に確認することができるように、筒部外周面に多色印刷が施された合成樹脂製キャップが開示されているにすぎない(特許文献1参照)。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、容器を取扱う現場において、容器の構成部材として、他の容器の構成部材に比べて高い識別性を有する識別部材を提供すること、および該識別部材を備えた容器を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために2色射出成形を適用することを着想し、容器を構成する構成部材の筒体外周面に互いに色が異なる樹脂を射出成形した識別表示部を形成することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
〔1〕 容器を構成する樹脂製の構成部材の筒体外周面から外方へ向けて、該筒体と同時に射出成形により形成された、前記容器の商品表示を示す識別部と、該識別部を囲み、前記筒体外周面を構成する谷部に、前記識別部と異なる色の他の樹脂を注入して形成された背景部からなる識別表示部が形成されていることを特徴とする多色成形識別部材、
〔2〕 前記識別部が、前記筒体外周面に凹設された溝部の底面から外方へ向けて形成されてなるとともに、前記背景部が、前記溝部と前記識別部の間にある海部に形成されてなることを特徴とする前記〔1〕に記載の多色成形識別部材、
〔3〕 識別表示部が、外方へ向けて凸に湾曲する曲面が形成された筒体外周面上に形成されていることを特徴とする前記〔2〕に記載の多色成形識別部材、
〔4〕 樹脂製の構成部材が、キャップ、ノズルまたはボトルのいずれかであることを特徴とする前記〔2〕または〔3〕に記載の多色成形識別部材、
〔5〕 一の樹脂を用いて容器の構成部材である筒体、該筒体の外周面に凹設された溝部、および該溝部の底面から外方へ向けて、前記容器の商品表示を示す識別部を射出成形により同時に形成し、次いで、前記溝部と前記識別部の間にある海部に前記識別部と異なる色の他の樹脂を注入して背景部を形成することを特徴とする前記〔2〕〜〔4〕のいずれかに記載の多色成形識別部材の製造方法、
〔6〕 前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の多色成形識別部材を備えたことを特徴とする容器。
〔1〕 容器を構成する樹脂製の構成部材の筒体外周面から外方へ向けて、該筒体と同時に射出成形により形成された、前記容器の商品表示を示す識別部と、該識別部を囲み、前記筒体外周面を構成する谷部に、前記識別部と異なる色の他の樹脂を注入して形成された背景部からなる識別表示部が形成されていることを特徴とする多色成形識別部材、
〔2〕 前記識別部が、前記筒体外周面に凹設された溝部の底面から外方へ向けて形成されてなるとともに、前記背景部が、前記溝部と前記識別部の間にある海部に形成されてなることを特徴とする前記〔1〕に記載の多色成形識別部材、
〔3〕 識別表示部が、外方へ向けて凸に湾曲する曲面が形成された筒体外周面上に形成されていることを特徴とする前記〔2〕に記載の多色成形識別部材、
〔4〕 樹脂製の構成部材が、キャップ、ノズルまたはボトルのいずれかであることを特徴とする前記〔2〕または〔3〕に記載の多色成形識別部材、
〔5〕 一の樹脂を用いて容器の構成部材である筒体、該筒体の外周面に凹設された溝部、および該溝部の底面から外方へ向けて、前記容器の商品表示を示す識別部を射出成形により同時に形成し、次いで、前記溝部と前記識別部の間にある海部に前記識別部と異なる色の他の樹脂を注入して背景部を形成することを特徴とする前記〔2〕〜〔4〕のいずれかに記載の多色成形識別部材の製造方法、
〔6〕 前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の多色成形識別部材を備えたことを特徴とする容器。
本発明の多色成形識別部材によれば、容器を構成する樹脂製の構成部材の筒体外周面から外方へ向けて、該筒体と同時に射出成形により形成された、前記容器の商品表示を示す識別部と、該識別部を囲み、前記筒体外周面を構成する谷部に、前記識別部と異なる色の他の樹脂を注入して形成された背景部からなる識別表示部が形成されているので、他の容器の対応する構成部材に比べて識別性がより高くなる。このため、容器を取扱う現場において、本発明の多色成形識別部材を備えた容器を他の容器から容易に識別することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明は多色成形識別部材(以下、単に「識別部材」という場合がある)に関し、容器を構成する樹脂製の構成部材の筒体外周面から外方へ向けて、該筒体と同時に射出成形により形成された、前記容器の商品表示を示す識別部と、該識別部を囲み、前記筒体外周面を構成する谷部に、前記識別部と異なる色の他の樹脂を注入して形成された背景部からなる識別表示部が形成されている点に特徴を有する。
本発明において「容器」とは、液体状または固体状の商品が収容される入れ物をいう。該商品は特に限定されず、例えば、薬剤、化粧品、食品等が挙げられる。また、「構成部材」とは、前記容器を構成する樹脂製の部材であって、それ自身独立して製造されるものをいい、例えば、キャップ、ノズル、ボトル等が挙げられる。なお、本発明において「ノズル」とは、例えば、薬液等の注液口の下部外周面に、キャップに装着されるキャップ装着部を備えるとともに、該キャップ装着部の下部内周面にボトルに装着されるキャップ部を備えたもの(いわゆる、キャップ部付きノズル)をいう。また、「ボトル」とは、射出成形により形成される筒状の容器本体をいう。
「識別表示部」とは、容器の商品表示を示す識別部と、該識別部の周囲に形成された背景部を有する部分である。「容器の商品表示」とは、容器に収容される商品の商品名、成分名、使用方法、製造番号等の該商品に関連する表示をいい、通常、文字、図形、記号若しくはこれらの組み合わせで表される。本発明では、容器を正面から見たときの視認性の点から、前記識別表示部は、前記構成部材の筒体の外周面に形成される。「筒体」とは、前記構成部材のうち、上面と底面を除く側面壁が連なって中空の環状壁をなす部分をいう。該環状壁の外周面は、外方へ向けて凸に湾曲する曲面以外に平面も含まれ、さらに該曲面、平面等の平滑面以外に凹凸などが形成された非平滑面も含まれる。具体的には、例えば、構成部材としてキャップを用いる場合の筒体とは、円形の天板等の周縁部から垂下した中空筒状の環状壁をいい、構成部材としてノズルを用いる場合の筒体とは、前記キャップ部を構成する中空筒状の環状壁をいう。また、構成部材としてボトルを用いる場合の筒体とは、商品が収容される中空筒状の胴部をいう。
識別表示部は、前記筒体の外周面、好ましくは外方へ向けて凸に湾曲する曲面が形成された筒体の外周面に凹設された溝部に形成される。該溝部の形状・大きさ等は特に限定されず、例えば、構成部材の周方向に沿うように形成してもよいし、構成部材の上下方向に沿うように形成してもよい。また、前記識別部は、商品表示を示す文字、図形、記号等が前記溝部の底面から外方へ向けて、前記筒体と同時に射出成形により形成される。すなわち、前記識別部は、前記筒体と同一の樹脂材料からなり、前記筒体と一体に形成される。
前記背景部は、前記溝部と前記識別部の間にある海部に樹脂を注入して形成されたものである。本発明では、容器を正面から見たときの識別性の点から、背景部を構成する樹脂は、前記識別部とは異なる色を呈する他の樹脂が使用される。また、前記背景部は必ずしも1色の樹脂に限定されず、必要に応じて2色以上の樹脂を用いてもよい。
上述した識別部の樹脂は、容器の構成部材として通常使用し得る樹脂であれば特に限定されず、代表的なものを例示すれば、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリスチレン(PS)、ABS樹脂、AS樹脂、PMMA樹脂、EVA樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
背景部の樹脂としては、成形後において識別部の樹脂との接着性が要求されることから、通常、識別部の樹脂と同一の樹脂が好適であるが、識別部の樹脂とは異なる他の樹脂も実際の試験結果により適宜選択することができる。すなわち、識別部を構成する「一の樹脂」と背景部を構成する「他の樹脂」は、通常同一の樹脂材料が好適であるが、一定の接着性を有すれば異なる樹脂材料を用いることができる。
識別部と背景部の樹脂は、目視にて外観上区別できる程度に色の差を有することが好ましい。色の差は、使用する樹脂自体がもつ固有の色が互いに異なる場合、双方の樹脂に着色剤を配合せず成形に供すればよいし、使用する樹脂自体がもつ固有の色が近似する場合、双方の樹脂または一方の樹脂に着色剤を配合して成形に供すればよい。なお、構成部材としてキャップまたはノズルを用いる場合、該キャップ等の開閉が容易な点で、グリップ性に優れた樹脂(すなわち、柔軟性のある樹脂)を選択することが好ましい。かかるグリップ性に優れた樹脂としては、例えば、LDPE、熱可塑性エラストマーが挙げられる。
上述した識別表示部を備えた識別部材によれば、識別部と背景部が異なる色の樹脂で形成されているので、他の容器の対応する構成部材に比べて識別性がより高くなる。このため、容器を取扱う現場において、本発明の識別部材を備えた容器を他の容器から容易に識別することができる。
図1は、薬液容器の識別部材として樹脂製キャップを用いた場合の一実施形態を示す外観斜視図である。樹脂製キャップAは、円板状の天板の周縁部から垂下して中空円筒状の壁面を構成する先端部1と、先端部1の周縁部から外方やや下側に延びる円環状の肩部2と、肩部2の周縁部から垂下して中空円筒状の壁面を構成する筒体3からなり、筒体3の内周面には薬液容器のボトルの口部に形成された雄ねじに螺合する雌ねじが形成されている。筒体3の外周面には、筒体3を周方向に沿って周回する識別表示部31が形成されている。識別表示部31には、薬液容器の内容物を表示する「S」、「F」および「T」の文字からなる識別部32が形成されているとともに、識別部32を囲む領域には、識別部32とは異なる色を呈する他の樹脂からなる背景部33が形成されている。
識別表示部31は、より詳細には、図2に示すように、樹脂製キャップAの筒体3外周面を周方向に沿って周回するように凹設された溝部34と、溝部34の底面から外方へ向けて、筒体3と同時に射出成形して筒体3と一体に形成された識別部32と、溝部34と識別部32の間にある海部に識別部32と異なる色を呈する他の樹脂を注入して形成された背景部33から構成されている。
樹脂製キャップAによれば、識別部32と背景部33が異なる色の樹脂で形成されているので、他の薬液容器の対応するキャップに比べて識別性がより高くなる。このため、薬局等の薬液容器を取扱う現場において、樹脂製キャップAを備えた薬液容器を他の薬液容器から容易に識別することができる。
続いて、本発明の識別部材の製造方法について説明する。本発明の識別部材は、通常、一の樹脂を用いて前記筒体、前記筒体の外周面に凹設された溝部、および該溝部の底面から外方へ向けて、前記容器の商品表示を示す識別部を射出成形により同時に形成する1次成形、次いで、前記溝部と前記識別部の間にある海部に前記識別部と異なる色の他の樹脂を注入して背景部を形成する2次成形を経て製造される。
1次成形は、コア金型と1次キャビ型を用いて行われる。コア金型は、1次成形後の構成部材の筒体底部を支持する支持部と、該支持部から上方に突出し、該構成部材の内周面を成形するための内金型から主として構成される。また、1次キャビ型は、前記構成部材の外周面を成形するための基体部から主として構成され、該基体部の内部で、型締めしたときに前記構成部材の識別表示部に対応する部分には、識別部としての文字などが平滑な内周面に彫刻された環状のキャビ型が着脱可能に装着されている。そして、型締めをした状態で、前記内金型と前記キャビ型の間に形成されるキャビティは、前記キャビ型の内周面が成形後の構成部材の溝部を形成するとともに、前記キャビ型の内周面に彫刻された識別部が成形後の構成部材の識別部を形成するようにされている。
1次成形を行うにあたっては、上述したコア金型と1次キャビ型を型締めした状態で、1次キャビ型に形成された樹脂注入部から溶融樹脂を前記キャビティへ射出し、次いで冷却固化させることで、構成部材の筒体、該筒体の外周面に凹設された溝部、および該溝部の底面から外方へ向けて突出する識別部が同時に形成される。なお、溶融樹脂の温度、冷却固化の温度・時間等は、使用する溶融樹脂に応じて適宜設定すればよい。
1次成形終了後、1次キャビ型を型開きして1次成形後の構成部材を取り出し、続いて2次成形を行う。2次成形は、コア金型と2次キャビ型を用いて行われる。コア金型は、前記構成部材の筒体底部を支持する支持部と、該支持部から上方に突出し、前記構成部材の内周面を保持するための内金型から主として構成される。このため、製造ラインの効率化等製造上の便宜を考慮して、2次成形用のコア金型は、1次成形用のコア金型と同一構造のものを採用してもよい。また、2次キャビ型は、前記構成部材の外周面全体を外嵌する基体部から主として構成される。そして、前記基体部のうち、前記構成部材の筒体外周面に凹設された溝部に対応する部分には、該溝部全体を覆うとともに、平滑な内周面を備えた環状の溝部被覆部が形成されている。
2次成形を行うにあたっては、上述したコア金型と2次キャビ型を型締めした状態で、前記2次キャビ型に形成された樹脂注入部から、前記識別部と異なる色を呈する溶融樹脂を、前記溝部と前記識別部の間にある海部(すなわち、キャビティ)へ射出する。そして、該海部の全体が前記溶融樹脂で満たされるまで該溶融樹脂を射出し、次いで冷却固化させることで、筒体外周面上に、識別部の周囲に背景部が形成された識別表示部を有する構成部材が製造される。なお、溶融樹脂の温度、冷却固化の温度・時間等は、使用する溶融樹脂に応じて適宜設定すればよい。また、2次成形は、1次成形品を成形するごとに連続して行ってもよいし(かかる成形法を「多色成形」という)、1次成形品を多数ストックした後、まとめて行ってもよい(かかる成形法を「インサート成形」という)。
上述した製造方法を採用すれば、内周面に種々の識別部を彫刻したキャビ型をあらかじめ用意し、必要に応じて1次キャビ型に取り替えて装着するだけで、種々の識別部を有する識別表示部を備えた構成部材を容易に製造することができる。
以下では、識別部材として図1に示す樹脂製キャップを採り上げ、その製造方法を具体的に説明する。1次成形は、図3(a)に示すように、コア金型4と1次キャビ型5を用いて行われる。コア金型4は、1次成形後の樹脂製キャップA1の筒体3底部を支持する支持部41と、支持部41から上方に突出し、キャップA1の内周面を成形するための内金型42から主として構成される。また、1次キャビ型5は、樹脂製キャップA1の筒体3外周面から先端部1の途中までを成形するための基体部51と、基体部51の上部に装着され、先端部1の途中から天板までを成形する上基体部52から主として構成される。そして、基体部51の内部で、型締めしたときに樹脂製キャップAの識別表示部31に対応する部分には、識別部32としての文字が平滑な内周面に彫刻された円環状のキャビ型51aが着脱可能に装着されている。なお、1次キャビ型5を構成する基体部51(キャビ型51aを含む)と上基体部52は、それぞれ上下方向に沿って分割される割り金型とされている。また、キャビ型51aの割り金型を対合させたときの対向する内周面には、それぞれ識別部(文字)が彫刻されている。
1次成形を行うにあたっては、上述したコア金型4と1次キャビ型5を型締めした状態で、上基体部52に形成された樹脂注入部52aから溶融樹脂をキャビティ61へ射出し、次いで冷却固化させることで、図3(b)に示すように、樹脂製キャップA1の筒体3、筒体3を周方向に周回するように凹設された溝部34、および溝部34の底面から外方(すなわち、径方向外側)へ向けて突出する識別部32が同時に形成される。
1次成形終了後、1次キャビ型5を構成する基体部51と上基体部52を型開きして1次成形後の樹脂製キャップA1を取り出し、続いて2次成形を行う。2次成形は、図4(a)に示すように、コア金型7と2次キャビ型8を用いて行われる。コア金型7は、樹脂製キャップA1の筒体3底部を支持する支持部71と、支持部71から上方に突出し、キャップA1の内周面を保持するための内金型72から主として構成される。また、2次キャビ型8は、樹脂製キャップA1の筒体3外周面から先端部1の途中までを外嵌する基体部81と、基体部81の上部に装着され、先端部1の途中から天板までを外嵌する上基体部82から主として構成される。そして、基体部81のうち、キャップA1の筒体3外周面に凹設された溝部34に対応する部分には、溝部34全体を覆うとともに、平滑な内周面を備えた円環状の溝部被覆部81aが形成されている。なお、2次キャビ型8を構成する基体部81と上基体部82は、それぞれ上下方向に沿って分割される割り金型とされている。
2次成形を行うにあたっては、上述したコア金型7、基体部81および上基体部82を型締めした状態で、上基体部82と基体部81に連設された樹脂注入部82a,82aから、識別部32と異なる色を呈する溶融樹脂を、溝部34と識別部32の間にある海部62に射出する。そして、海部62の全体が前記溶融樹脂で満たされるまで該溶融樹脂を射出し、次いで冷却固化させることで、図4(b)に示すように、筒体3外周面上に、識別部32の周囲に背景部33が形成された識別表示部31を有する樹脂製キャップAが製造される。
上述した製造方法を採用すれば、内周面に種々の識別部を彫刻したキャビ型51aをあらかじめ用意し、必要に応じて1次キャビ型5に取り替えて装着するだけで、種々の識別部32を有する識別表示部31を備えた樹脂製キャップAを容易に製造することができる。
なお、上述した製造方法はキャップの製造方法だけに限定されず、ボトルやノズル等他の識別部材の製造方法にも適用可能である。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り他の実施形態も適宜採用することができる。例えば、図1の実施形態では、識別表示部31が、筒体3の外周面に凹設された溝部34に形成されているが、溝部34を形成せずに、筒体3の外周面から外方へ向けて識別部32を形成するとともに、識別部32を囲み、筒体3の外周面を構成する谷部に、識別部32と異なる色の他の樹脂を注入して背景部33を形成するようにした識別表示部31を採用してもよい。
A 樹脂製キャップ
A1 一次成形後の樹脂製キャップ
1 先端部
2 肩部
3 筒体
31 識別表示部
32 識別部
33 背景部
34 溝部
4 コア金型
41 支持部
42 内金型
5 1次キャビ型
51 基体部
51a キャビ型
52 上基体部
52a 樹脂注入部
61 キャビティ
62 海部
7 コア金型
71 支持部
72 内金型
8 2次キャビ型
81 基体部
81a 溝部被覆部
82 上基体部
82a 樹脂注入部
A1 一次成形後の樹脂製キャップ
1 先端部
2 肩部
3 筒体
31 識別表示部
32 識別部
33 背景部
34 溝部
4 コア金型
41 支持部
42 内金型
5 1次キャビ型
51 基体部
51a キャビ型
52 上基体部
52a 樹脂注入部
61 キャビティ
62 海部
7 コア金型
71 支持部
72 内金型
8 2次キャビ型
81 基体部
81a 溝部被覆部
82 上基体部
82a 樹脂注入部
Claims (6)
- 容器を構成する樹脂製の構成部材の筒体外周面から外方へ向けて、該筒体と同時に射出成形により形成された、前記容器の商品表示を示す識別部と、
該識別部を囲み、前記筒体外周面を構成する谷部に、前記識別部と異なる色の他の樹脂を注入して形成された背景部
からなる識別表示部が形成されていることを特徴とする多色成形識別部材。 - 前記識別部が、前記筒体外周面に凹設された溝部の底面から外方へ向けて形成されてなるとともに、
前記背景部が、前記溝部と前記識別部の間にある海部に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の多色成形識別部材。 - 識別表示部が、外方へ向けて凸に湾曲する曲面が形成された筒体外周面上に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の多色成形識別部材。
- 樹脂製の構成部材が、キャップ、ノズルまたはボトルのいずれかであることを特徴とする請求項2または3に記載の多色成形識別部材。
- 一の樹脂を用いて容器の構成部材である筒体、該筒体の外周面に凹設された溝部、および該溝部の底面から外方へ向けて、前記容器の商品表示を示す識別部を射出成形により同時に形成し、
次いで、前記溝部と前記識別部の間にある海部に前記識別部と異なる色の他の樹脂を注入して背景部を形成することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の多色成形識別部材の製造方法。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の多色成形識別部材を備えたことを特徴とする容器。
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