JP2022137948A - 合成樹脂製容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】デザイン上の特徴を備えた合成樹脂製容器を提供することを目的とする。【解決手段】口部2、胴部3、及び底部4を含む所定の容器形状に成形された容器本体1aと、前記容器本体1aの表面に、該容器本体1aから剥離可能に設けられた被覆層5とを備えた合成樹脂製容器1であって、前記被覆層5の少なくとも一部に、示温性着色剤を含むことによって解決される。【選択図】 図1
Description
本発明は、合成樹脂製容器に関し、特に、容器本体の表面に被覆層を備えた合成樹脂製容器に関する。
従来、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を用いて有底筒状のプリフォームを形成し、次いで、このプリフォームを二軸延伸ブロー成形などによってボトル状に成形してなる合成樹脂製の容器が、各種飲料品、各種調味料等を内容物とする容器として広い分野で利用されている。
この種の容器は、内容物を充填密封するとともに、通常は、その商品名や内容物表示、さらには、装飾デザインなどを印刷したラベルが装着されて市場に供される。このようなラベルとしては、熱収縮によって装着されるシュリンクラベル、粘着剤によって装着されるシールラベルなどが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、この種の容器の利用が広い分野でより一般的なものとなってきた近年の状況においては、他の商品との差別化を図るべく、デザイン上の特徴を備えたものが望まれるようになってきている。
そこで、本発明者らは、デザイン上の特徴を備えた合成樹脂製容器を提供するべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
本発明に係る合成樹脂製容器は、口部、胴部、及び底部を含む所定の容器形状に成形された容器本体と、前記容器本体の表面に、該容器本体から剥離可能に設けられた被覆層とを備えた合成樹脂製容器であって、前記被覆層の少なくとも一部に、示温性着色剤を含む構成としてある。
本発明によれば、容器表面に施されている色彩が温度変化によって変化するというデザイン上の特徴を備えた合成樹脂製容器を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[合成樹脂製容器]
図1は、本実施形態に係る合成樹脂製容器の概略を示す正面図であり、図2は、図1のA-A端面図、図3は、図1のB-B端面図である。
図1は、本実施形態に係る合成樹脂製容器の概略を示す正面図であり、図2は、図1のA-A端面図、図3は、図1のB-B端面図である。
これらの図に示す容器1は、口部2、胴部3、及び底部4を含む所定の容器形状に成形された容器本体1aと、容器本体1aの表面に、該容器本体1aから剥離可能に設けられた被覆層5とを備えている。図示する例において、容器1(容器本体1a)は、概ね円筒状に成形され、高さ方向上側の部位を口部2に向かって縮径させた胴部3と、いわゆるペタロイド形状に成形された底部4を含む容器形状としているが、容器1の形状は、これに限定されない。
ここで、図1には、口部2から胴部3の上端側の一部を切り欠いて、その断面を示しているが、断面にあらわれる容器本体1a、被覆層5の肉厚を誇張して模式的に描写している。他の図面においても、断面にあらわれる容器本体1a、被覆層5などの肉厚を適宜誇張して描写している。
また、高さ方向とは、口部2を上にして容器1を水平面に正立させたときに、水平面に直交する方向をいうものとし、この状態(図1に示す状態)で容器1の上下左右及び縦横の方向を規定するものとする。
また、高さ方向とは、口部2を上にして容器1を水平面に正立させたときに、水平面に直交する方向をいうものとし、この状態(図1に示す状態)で容器1の上下左右及び縦横の方向を規定するものとする。
口部2は、内容物の注ぎ口となる円筒状の部位である。かかる口部2の開口端側の側面には、図示しない蓋体を取り付けるためのねじ山21が設けられている。
また、口部2の下端側には、周方向に沿って外方に突出する環状のネックリング22が設けられている。
また、口部2の下端側には、周方向に沿って外方に突出する環状のネックリング22が設けられている。
図示する例では、被覆層5は、底部4の底面から胴部3の周面の全面を覆うとともに、その末端側が、口部2の下端側に設けられたネックリング22の下面を覆いつつ、ネックリング22の周端縁に達するように、容器本体1aの外周面側に積層されている。
このような態様によれば、被覆層5が容器1の口部側の一部を除く全体を覆うことにより、容器本体1aに求められるリサイクル性によって制限されることなく、容器1全体に色彩によるデザインを付与して、容器1の外観の印象を容易に変更することができるため、好ましい。
被覆層5は、少なくとも一部が、示温性着色剤を含むことによって、温度に応じた色彩変化が可能となるように構成されている。
このような容器1によれば、温度変化によって、容器1の外観が変化するというデザイン上の特徴を備えた合成樹脂製容器を提供することができる。
また、容器1の温度を目視で判断することができるため、例えば店頭に陳列されている容器1を用いた商品について、消費者は、商品に触れて確認することなく希望する温度の商品を購入することが可能となる。
このような容器1によれば、温度変化によって、容器1の外観が変化するというデザイン上の特徴を備えた合成樹脂製容器を提供することができる。
また、容器1の温度を目視で判断することができるため、例えば店頭に陳列されている容器1を用いた商品について、消費者は、商品に触れて確認することなく希望する温度の商品を購入することが可能となる。
また、被覆層5を、本実施形態のように口部2側の一部を除いた容器本体1aの外周面側に積層させた構成とした場合、従来の容器に施されているシュリンクラベルやシールラベルのようにして容器本体1aの表面に被覆層5を設けた場合よりも、容器本体1aと示温性着色剤を含む被覆層5とがより密着した構成となり、示温性着色剤の変色性が、容器1内部の温度変化の影響をより受けやすくなるため、容器1内部の温度を視認することを目的とする場合には、より好ましい。
示温性着色剤としては、例えば、クロミカラーPEコンクBW(株式会社松井色素化学工業所社製)やクロミカラーPPコンクBW(株式会社松井色素化学工業所社製)などを用いることができる。クロミカラーPEコンクBWは、ポリエチレン樹脂中に感温変色性色素を高濃度に配合したマスターバッチであり、クロミカラーPPコンクBWは、ポリプロピレン樹脂中に感温変色性色素を高濃度に配合したマスターバッチである。これらの示温性着色剤を、被覆層5を形成する樹脂材料中に配合して射出成形することで、感温変色性の成形物を得ることができる。
示温性着色剤は、求める温度変化域や色彩を適宜選択して用いることができる。例えば、クロミカラーPEコンクBWグレード#15 G-0(Fast Blue)(株式会社松井色素化学工業所社製)は、高温から低温への温度変化に伴って色彩変化し、色彩変化が開始する変化開始点は19℃で、色彩変化が完了する変化完了点は11℃となる温度変化域を有する。この場合、19℃以上では白色だった色彩が、19℃以下になると徐々に青色に変色し、11℃まで冷却されると、完全に青色が発色する。なお、この色彩の変化は可逆的である。
温度変化域の変化開始点より高温の温度における光線透過率に対し、温度変化域の変化完了点より低温の温度における光線透過率は、波長380~780nmの範囲で10%以上低下するように構成されると好ましい。これにより、可視光線の波長領域において、示温性着色剤による色の変化を明瞭に認識することが可能となる。例えば、クロミカラーPEコンクBWグレード#15 G-0(Fast Blue)を用いた場合には、常温から温度が低下した際の色の変化を明瞭に認識して、容器1内部の温度が冷えているかどうかを容易に確認することができる。
温度変化域の変化開始点より高温の温度における光線透過率に対し、温度変化域の変化完了点より低温の温度における光線透過率は、波長380~780nmの範囲で10%以上低下するように構成されると好ましい。これにより、可視光線の波長領域において、示温性着色剤による色の変化を明瞭に認識することが可能となる。例えば、クロミカラーPEコンクBWグレード#15 G-0(Fast Blue)を用いた場合には、常温から温度が低下した際の色の変化を明瞭に認識して、容器1内部の温度が冷えているかどうかを容易に確認することができる。
また、示温性着色剤は、容器のラベルや被覆層5の着色に通常用いられる着色剤と混ぜて用いてもよく、例えば前述のクロミカラーPEコンクBWグレード#15 G-0と黄色の着色剤を混ぜて用いると、変色前は薄黄色、温度変化による変色後は緑色の色彩とすることができる。さらに、複数の異なる発色温度域を有する示温性着色剤を掛け合わせ、容器1に温度変化による複数回の色彩変化を施してもよい。
なお、本実施形態における容器1の被覆層5は、内容物を消費し終えた後に、使用済みの容器1から剥離して分別廃棄できるように、容器本体1aに剥離可能に積層されるが、被覆層5には、容器1から剥離するに際して、被覆層5を引き裂き易くするための引き裂きガイド部を設けることができる。図示する例では、被覆層5の厚みが周囲に比して薄肉にされた薄肉部を含み、かかる薄肉部が線状に所定の方向に延在する引き裂きガイド部が設けられている。
引き裂きガイド部の具体的な形態は特に限定されないが、図示する例では、容器本体1aの胴部3に、容器内方に窪んで帯状に延在する帯状凹部6と、帯状凹部6の一端側に周囲より低く落ち込んだ窪み部7とが設けられ、被覆層5には、当該帯状凹部6に対応して線状薄肉部5cが形成され、また、窪み部7に対応して厚肉部5a及び厚肉部5aに連接した薄肉部5bが形成されて、被覆層5を引き裂く際の起点とされている。
より詳細には、容器本体1aの胴部3に、所定の幅で容器内方に窪んで帯状に延在する帯状凹部6が、高さ方向に沿って胴部3の上端側(口部2側)から下端側(底部4側)に至るように設けられている。帯状凹部6の幅方向の両端縁には、帯状凹部6の底面6aから隆起して、胴部3の周面に連なる段差部6bが形成されている(図2参照)。
帯状凹部6の一端側には、周囲より低く落ち込んだ窪み部7が連接して設けられている。窪み部7は、その底面7aが、隣接する胴部3の周面及び帯状凹部6の底面6aよりも容器内方に陥入するように設けられており、窪み部7の底面7aから隆起して、隣接する胴部3の周面及び帯状凹部6の底面6aのそれぞれに連なる縁部7bによって縁取られている(図3参照)。
なお、窪み部7の底面7aは、軸方向に沿って平行又は傾斜した面とすることができ、平面であっても曲面であってもよい。
帯状凹部6の一端側には、周囲より低く落ち込んだ窪み部7が連接して設けられている。窪み部7は、その底面7aが、隣接する胴部3の周面及び帯状凹部6の底面6aよりも容器内方に陥入するように設けられており、窪み部7の底面7aから隆起して、隣接する胴部3の周面及び帯状凹部6の底面6aのそれぞれに連なる縁部7bによって縁取られている(図3参照)。
なお、窪み部7の底面7aは、軸方向に沿って平行又は傾斜した面とすることができ、平面であっても曲面であってもよい。
一方、このような容器本体1aの外周面側に積層された被覆層5には、窪み部7の底面7aから隆起して、帯状凹部6の底面6aに連なる縁部7b上に位置する部位に、被覆層5の厚みが周囲に比して厚肉となった厚肉部5aが形成されている。これとともに、厚肉部5aに連接し、かつ、窪み部7の底面7a側に位置する部位には、被覆層5の厚みが周囲に比して薄肉となった薄肉部5bが形成されている(図3参照)。
また、被覆層5には、帯状凹部6の両端側に形成された段差部6bに沿って、周囲に比して線状に薄肉とされた線状薄肉部5cが形成されている(図2参照)。
また、被覆層5には、帯状凹部6の両端側に形成された段差部6bに沿って、周囲に比して線状に薄肉とされた線状薄肉部5cが形成されている(図2参照)。
このようにすることで、内容物を消費し終えた容器1を廃棄する際には、窪み部7の縁部7b上に形成された厚肉部5aに、窪み部7の底面7a側から手指の爪を引っ掛けるなどして、薄肉部5bを破断して、厚肉部5aを薄肉部5b側から切り離し、切り離された厚肉部5aを手指で摘まみ上げながら、引き裂きガイド部として形成された線状薄肉部5cに沿って、被覆層5を引き裂いていくことによって、容器本体1aと被覆層5とを容易に分別することが可能となる。
[合成樹脂製容器の製造方法]
本実施形態に係る容器1は、円筒状の胴部30の一端側に口部20が形成され、他端側に半球状の底部40が形成された、一端が開口する有底筒状のプリフォーム本体10aと、プリフォーム本体10aの外周面側に積層された被覆材層50とを有するプリフォーム10を、二軸延伸ブロー成形などにより所定の容器形状に成形することによって製造することができる。
本実施形態に係る容器1は、円筒状の胴部30の一端側に口部20が形成され、他端側に半球状の底部40が形成された、一端が開口する有底筒状のプリフォーム本体10aと、プリフォーム本体10aの外周面側に積層された被覆材層50とを有するプリフォーム10を、二軸延伸ブロー成形などにより所定の容器形状に成形することによって製造することができる。
図4に、プリフォーム10の一例を示す。なお、図では、断面にあらわれるプリフォーム本体10a、被覆材層50の肉厚を誇張して模式的に描写している。
前述したような態様で被覆層5が積層された容器1を製造するには、プリフォーム本体10aの外周面側に、底部40から口部20の直下に至る全面を覆うとともに、その末端側が、口部20の下端側に設けられたネックリング22の下面を覆いつつ、ネックリング22の周端縁に達するように、被覆材層50が積層されたプリフォーム10を用いればよい。
前述したような態様で被覆層5が積層された容器1を製造するには、プリフォーム本体10aの外周面側に、底部40から口部20の直下に至る全面を覆うとともに、その末端側が、口部20の下端側に設けられたネックリング22の下面を覆いつつ、ネックリング22の周端縁に達するように、被覆材層50が積層されたプリフォーム10を用いればよい。
このようなプリフォーム本体10aの外周面側に被覆材層50が積層されたプリフォーム10は、ダブルモールドと称される射出成形法により、次のようにして成形することが好ましい。
プリフォーム10(プリフォーム本体10a)の内周面及びその口部20の上端面を成形するコア型と、ネックリング22の上面及び周端面を含む口部20の外面側を成形する口部型と、ネックリング22の下面から底部40に至るまでのプリフォーム本体10aの外面側を成形する第一の胴部型一次金型とを型締めし、プリフォーム本体10aを射出成形する。次いで、第一の胴部型一次金型に代えて、成形されたプリフォーム本体10aとの間に被覆材層50を成形する空隙が形成されるように構成された第二の胴部型を用いて型締めし直してから、プリフォーム本体10aの外周面側に被覆材層50を射出成形することによって、プリフォーム本体10aの外周面側に被覆材層50が積層されたプリフォーム10を成形することができる。
プリフォーム10(プリフォーム本体10a)の内周面及びその口部20の上端面を成形するコア型と、ネックリング22の上面及び周端面を含む口部20の外面側を成形する口部型と、ネックリング22の下面から底部40に至るまでのプリフォーム本体10aの外面側を成形する第一の胴部型一次金型とを型締めし、プリフォーム本体10aを射出成形する。次いで、第一の胴部型一次金型に代えて、成形されたプリフォーム本体10aとの間に被覆材層50を成形する空隙が形成されるように構成された第二の胴部型を用いて型締めし直してから、プリフォーム本体10aの外周面側に被覆材層50を射出成形することによって、プリフォーム本体10aの外周面側に被覆材層50が積層されたプリフォーム10を成形することができる。
被覆層5に示温性着色剤を含有させるには、被覆材層50を形成する樹脂材料に、所望の示温性着色剤を混ぜておけばよい。示温性着色剤の配合量は、成形物の物性を損なわない範囲で選択することができ、前述のクロミカラーPEコンクBWグレード#15 G-0を含有させる場合の配合量は、基材となる樹脂材料に対して5~10%が好ましい。
示温性着色剤を被覆材層50に含有させて、被覆層5が容器本体1aに積層された容器1とすると、示温性着色剤を被覆層5の表面に塗布した場合よりも、被覆層5に含まれる示温性着色剤の変温着色性は、容器1内部の温度変化の影響を受けやすくなり、容器1内容物の温度を視認する目的とする場合には、好ましい。
作製されたプリフォーム10は、加熱により軟化させてブロー成形が可能な状態とされてから、ブロー成形型100にセットされ、ネックリング22の直下から底部40に至るまでの部位が、必要に応じて延伸ロッドにより軸方向(縦方向)に延伸されつつ、高圧流体ブローにより軸方向及び周方向(横方向)に延伸される。そして、延伸された部位にブロー成形型100のキャビティ形状が転写されることによって、所定の容器形状を備える容器1に成形される。このとき、延伸されたプリフォーム本体10aによって容器本体1aが成形されるとともに、プリフォーム本体10aに積層された被覆材層50が、プリフォーム本体10aと一体に成形されて、容器本体1aに積層された被覆層5となるように成形される。
図5は、本実施形態に用いるブロー成形型の一例について、その概略を示す説明図である。なお、図5には、ブロー成形型100にセットされたプリフォーム10を一点鎖線で示している。
ブロー成形型100は、図1に示す容器1を成形対象とし、容器1の胴部3を成形する胴型103と、容器1の底部4を成形する底型104を備えている。胴型103は、開閉可能に構成された一対の分割型からなり、図5には、胴型103のパーティング面を含む面でブロー成形型100を切り取った断面を簡略化して示している。
図示する例において、胴型103のキャビティ面には、容器1の容器本体1aに帯状凹部6を賦形する突条部106が、その幅方向の両端縁に沿ってエッジ部106aが形成されるように切り立って設けられている(図6、図7参照)。突条部106は、所定の幅で突出して、胴型103の上端側から下端側に至るように延在し、胴型103の下端側には、容器1の容器本体1aに窪み部7を賦形する突出部107が、突条部106の一端側に連接して設けられている。突出部107は、周囲よりも高く突出し、すなわち、隣接するキャビティ面及び突条部106の上面よりも高く突出して、周縁にエッジ部107aが形成されるように切り立って設けられている(図6、図10参照)。
なお、図6は、胴型103のキャビティ面のうち突条部106の一部と突出部107を含む要部を斜視して示しており、図7は、図6のC-C端面図、図10は、図6のD-D端面図である。
なお、図6は、胴型103のキャビティ面のうち突条部106の一部と突出部107を含む要部を斜視して示しており、図7は、図6のC-C端面図、図10は、図6のD-D端面図である。
このようなブロー成形型100に、前述のように、プリフォーム10をセットするにあたり、プリフォーム本体10aが、プリフォーム本体10aを形成する樹脂材料の融点以下、ガラス転移点以上の温度に加熱されるようにして、プリフォーム本体10aを延伸可能に軟化させておき、被覆材層50にあっては、被覆材層50を形成する樹脂材料の融点付近の温度(例えば、[融点-30]~[融点+30]℃)に加熱されるようにして、被覆材層50を流動性が高い熔融状態又は半熔融状態としておくことによって、前述した引き裂きガイド部を備える容器1を製造することができる。
以下に、このように加熱されたプリフォーム10が、被覆層5に引き裂きガイド部を備えた容器1にブロー成形される過程について詳述する。
以下に、このように加熱されたプリフォーム10が、被覆層5に引き裂きガイド部を備えた容器1にブロー成形される過程について詳述する。
なお、プリフォーム10を加熱するに際し、プリフォーム本体10aと被覆材層50のそれぞれが、上記のように加熱されるようにするには、例えば、赤外線ヒータなどによりプリフォーム10を外側から加熱するとともに、高周波誘導加熱により発熱させた棒状の高周波誘導発熱体をプリフォーム10内に挿通するなどして、プリフォーム10を内側からも加熱することにより、内外からの加熱温度を適宜調整するなどすればよい。
ブロー成形型100内でプリフォーム10のブロー成形が開始されると、延伸された部位がキャビティ面に接触して、プリフォーム本体10a(容器本体1aの胴部3)には、突条部106によって帯状凹部6が賦形されるとともに、突出部107によって窪み部7が賦形される。
このとき、プリフォーム本体10aに賦形される帯状凹部6は、両端縁に沿ってエッジ部106aが形成されるように切り立って設けられた突条部106の形状通りには賦形されない。プリフォーム本体10aは、図8~図9に示すように、被覆材層50を介して突条部106の上面に接した部位の両端側が、突条部106の両端縁側の段差に対して湾曲するように延伸される。これによって、帯状凹部6は、その両端縁に、帯状凹部6の底面6aから隆起して、胴部3の周面に連なる段差部6bが形成されるように賦形される(図2参照)。
これに対して、被覆材層50は、流動性が高い熔融状態又は半熔融状態にある。そのため、プリフォーム本体10aが、突条部106の両端縁側の段差に対して湾曲するように延伸されていくにつれて、突条部106の両端縁に沿って形成されたエッジ部106aに被覆材層50が押し当てられていくと、被覆材層50のエッジ部106aに圧接された部位が、押し退けられるようにして、プリフォーム本体10aの湾曲するように延伸された部位と、突条部106の両端縁側の段差との間を埋めるように流動する。これにより、被覆材層50は、概ね突条部106の形状通りに賦形され、突条部106のエッジ部106aに沿って線状に薄肉となるように成形される(図9参照)。
その結果、ブロー成形後の容器1において、被覆層5には、帯状凹部6の両端縁に形成された段差部6bに沿って、周囲に比して線状に薄肉とされた線状薄肉部5cが形成される(図2参照)。
このようにして、被覆層5に線状薄肉部5cが形成されるようにするにあたり、線状薄肉部5cが、より細幅で、かつ、より明瞭に形成されているほど、線状薄肉部5cに沿って被覆層5を引き裂き易くなる。このような観点から、突条部106の形状、寸法などを適宜設計することができる。
例えば、突条部106の段差h1、すなわち、図示する例では、突条部106の上面と隣接するキャビティ面との高低差h1や、突条部106の両端縁に沿って形成されるエッジ部106aの角度θ1、すなわち、突条部106の上面と、当該上面とともにエッジ部106aを形成する突条部106の側面とのなす角度θ1などが、上記観点から適宜設計される。
なお、上記のようにして被覆層5に線状薄肉部5cを形成することができれば、突条部106の両端縁に沿って形成されるエッジ部106aには、図7に示すようにRをつけてもよい。
なお、上記のようにして被覆層5に線状薄肉部5cを形成することができれば、突条部106の両端縁に沿って形成されるエッジ部106aには、図7に示すようにRをつけてもよい。
また、プリフォーム本体10aに賦形される窪み部7も同様に、周縁にエッジ部107aが形成されるように切り立って設けられた突出部107の形状通りには賦形されない。図11~図13に示すように、延伸されたプリフォーム本体10aが、被覆材層50を介して突出部107の上面に接すると、エッジ部107aが形成された周縁側の部位は、当該周縁側の段差に対して湾曲するように延伸される。これによって、窪み部7は、その底面7aから隆起して、隣接する胴部3の周面及び帯状凹部6の底面6aのそれぞれに連なる縁部7bによって縁取られるように賦形される(図3参照)。
その際、突出部107のエッジ部107aが形成された周縁側に一定以上の段差があると、プリフォーム本体10aが、かかる段差に対して湾曲するように延伸するにつれて、プリフォーム本体10aと突出部107の上面とに挟まれた被覆材層50が押圧されて、突出部107の上面から周縁側にはみ出すように流動していくようになる(図12参照)。これにより、当該段差との間に肉溜まりが形成されるようにして、突出部107のエッジ部107aが形成された周縁側では、被覆材層50が厚肉に成形されるのに対して、プリフォーム本体10aと突出部107の上面とに挟まれた被覆材層50は薄肉に成形される(図13参照)。
その結果、ブロー成形後の容器1において、被覆層5には、窪み部7の底面7aから隆起した当該窪み部7の縁部7b上に位置する部位に、被覆層5の厚みが周囲に比して厚肉となった厚肉部5aが形成されるとともに、この厚肉部5aに連接し、かつ、当該窪み部7の底面7a側上に位置する部位に、被覆層5の厚みが周囲に比して薄肉となった薄肉部5bが形成される(図3参照)。
このようにして、被覆層5に、厚肉部5aと薄肉部5bとを連接させて形成するにあたり、前述したようにして、薄肉部5bを破断して、厚肉部5aを薄肉部5b側から切り離すことが、より良好になされるようにするという観点から、突出部107の形状、寸法などを適宜設計することができる。
例えば、突出部107のエッジ部107aが形成された周縁側の段差h2、すなわち、図示する例では、突出部107の上面と突条部106の上面との高低差h2や、突出部107の周縁に形成されるエッジ部107aの角度θ2、すなわち、突出部107の上面と、当該上面とともにエッジ部107aを形成する突出部107の側面とのなす角度θ2などが、上記観点から適宜設計される。
なお、上記のようにして、被覆層5に、厚肉部5aと薄肉部5bとを連接させて形成することができれば、突出部107の周縁に形成されるエッジ部107aには、図10に示すようにRをつけてもよい。
なお、上記のようにして、被覆層5に、厚肉部5aと薄肉部5bとを連接させて形成することができれば、突出部107の周縁に形成されるエッジ部107aには、図10に示すようにRをつけてもよい。
また、本実施形態において、突出部107は、突条部106に連接する側において、突出部107の上面とともにエッジ部107aを形成する側面が、突条部106の両端縁に向かって凹状に湾曲するように設けられている。
このような形状となるように突出部107を設けると、プリフォーム本体10aと突出部107の上面との間で押圧されて、突出部107の上面から周縁側にはみ出す被覆材層50が、当該側面の中央側に集まるようなり、これによって、被覆層5に形成される厚肉部5aをより厚肉にして、薄肉部5b側からより容易に切り離すことができるようになるため好ましい。
このような形状となるように突出部107を設けると、プリフォーム本体10aと突出部107の上面との間で押圧されて、突出部107の上面から周縁側にはみ出す被覆材層50が、当該側面の中央側に集まるようなり、これによって、被覆層5に形成される厚肉部5aをより厚肉にして、薄肉部5b側からより容易に切り離すことができるようになるため好ましい。
このようにして、プリフォーム10をブロー成形するに際し、ネックリング22を含むプリフォーム10の口部20は、ブロー成形によって延伸されずに、そのまま容器1の口部2となる。したがって、図4に示すプリフォーム10を用いれば、ネックリング22の下面を覆う被覆材層50の末端側もそのまま容器1の被覆層5の末端側となるため、前述したような態様で被覆層5が積層された容器1を製造することができる。
本実施形態において、容器本体1a(プリフォーム本体10a)を形成する樹脂材料としては、ブロー成形が可能な任意の熱可塑性樹脂を使用することができるが、リサイクル性を考慮すると、ポリエチレンテレフタレートなどのエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルを好ましく用いることができる。
被覆層5(被覆材層50)を形成する樹脂材料としては、容器本体1aと被覆層5とを容易に分別できるようにする観点から、容器本体1aを形成する樹脂材料と非相溶性の熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。
例えば、容器本体1aを形成する樹脂材料として、エチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルを用いる場合、被覆層5を形成する樹脂材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等のポリアミド系樹脂などを用いることができる。
また、被覆層5に示温性着色剤を含有させる場合、用いる示温性着色剤と相溶性の高い樹脂材料を適宜選択することが好ましい。例えば、前述のクロミカラーPEコンクBWグレードは、ポリエチレン樹脂中に感温変色性色素を高濃度に配合したマスターバッチであるため、この示温性着色剤を被覆層5に含有させる場合には、被覆層5を形成する樹脂材料としてはポリエチレンを用いることが好ましい。
例えば、容器本体1aを形成する樹脂材料として、エチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルを用いる場合、被覆層5を形成する樹脂材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等のポリアミド系樹脂などを用いることができる。
また、被覆層5に示温性着色剤を含有させる場合、用いる示温性着色剤と相溶性の高い樹脂材料を適宜選択することが好ましい。例えば、前述のクロミカラーPEコンクBWグレードは、ポリエチレン樹脂中に感温変色性色素を高濃度に配合したマスターバッチであるため、この示温性着色剤を被覆層5に含有させる場合には、被覆層5を形成する樹脂材料としてはポリエチレンを用いることが好ましい。
ここで、示温性着色剤は、一般的には250℃前後になると分子構造が破壊され、示温性が失われる傾向がある。このような示温性着色剤を樹脂材料に混ぜて射出成形して被覆層5(被覆材層50)とする場合、被覆層5を形成する樹脂材料には、融点が200℃以下のものを選択することが好ましい。また、示温性着色剤を含んだ被覆材層50を備えたプリフォーム10をブロー成形に供する場合、被覆層5及び容器本体1aを形成する樹脂材料は、200℃以下でブロー成形が可能なものを選択することが好ましい。このようにして被覆層5及び容器本体1aの樹脂材料を適宜選択することにより、例えば、前述のように容器1を作製するにあたり、200℃前後の熔融温度で被覆材層50を射出成形して、100~150℃程度の金型温度でプリフォーム10をブロー成形しても、被覆層5に含まれる示温性着色剤の示温性が失われることなく、容器1を作成することができる。
なお、使用する示温性着色剤によって、また、容器1の製造方法によって、条件に応じた被覆層5及び容器本体1aの樹脂材料が、示温性が失われない範囲で適宜選択可能であることはいうまでもない。
なお、使用する示温性着色剤によって、また、容器1の製造方法によって、条件に応じた被覆層5及び容器本体1aの樹脂材料が、示温性が失われない範囲で適宜選択可能であることはいうまでもない。
また、前述したように、被覆層5に薄肉部を含む引き裂きガイド部を形成する場合には、ブロー成形に際して、プリフォーム10を加熱して、プリフォーム本体10aを延伸可能に軟化させつつ、被覆材層50を熔融状態又は半熔融状態とするために、容器本体1a及び被覆層5を形成する樹脂材料の融点及びガラス転移点を考慮してこれらの樹脂材料を選択する必要がある。
また、被覆層5(被覆材層50)を形成する樹脂材料には、容器本体1aに求められるリサイクル性によって制限されることなく、前述した示温性着色剤や顔料及び着色剤などの他、各種の添加剤を必要に応じて添加することができる。
本願実施形態にかかる合成樹脂製容器1は、このようにして製造することができるが、容器1を製造するにあたり、温度によって被覆層5の色彩が変化するという特徴を、例えば以下のように利用することも可能である。
成形後の被覆層5を、遮光率が高い黒などに着色したい場合であって、プリフォーム本体10aとともに被覆材層50をブロー成形して容器1を製造する場合、被覆材層50を黒などに着色した状態でブロー成形に供すると、被覆材層50の遮光率が高く、プリフォーム10の加熱効率が低下する虞があるところ、所定の温度以上では遮光率が低い色彩で発色し、所定の温度以下では黒色が発色されるように調整された示温性着色剤を含有する被覆材層50とすることで、ブロー成形時のプリフォーム本体10aと被覆材層50の双方の加熱効率を高くして、ブロー成形性を向上させることに利用することができる。
また、所定の温度で容器1の被覆層5(プリフォーム10の被覆材層50)の光線透過率が高くなるように、被覆層5(被覆材層50)に示温性着色剤を含有させた容器1(プリフォーム10)とし、容器1の製造ラインにおける検査の際に、被覆層5(被覆材層50)の光線透過率が高い状態とすることで、検査の精度を高めることに利用することができる。
成形後の被覆層5を、遮光率が高い黒などに着色したい場合であって、プリフォーム本体10aとともに被覆材層50をブロー成形して容器1を製造する場合、被覆材層50を黒などに着色した状態でブロー成形に供すると、被覆材層50の遮光率が高く、プリフォーム10の加熱効率が低下する虞があるところ、所定の温度以上では遮光率が低い色彩で発色し、所定の温度以下では黒色が発色されるように調整された示温性着色剤を含有する被覆材層50とすることで、ブロー成形時のプリフォーム本体10aと被覆材層50の双方の加熱効率を高くして、ブロー成形性を向上させることに利用することができる。
また、所定の温度で容器1の被覆層5(プリフォーム10の被覆材層50)の光線透過率が高くなるように、被覆層5(被覆材層50)に示温性着色剤を含有させた容器1(プリフォーム10)とし、容器1の製造ラインにおける検査の際に、被覆層5(被覆材層50)の光線透過率が高い状態とすることで、検査の精度を高めることに利用することができる。
以下、具体的な実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。
前述したダブルモールド成形法により、無色透明のポリエチレンテレフタレート系樹脂からなるプリフォーム本体10aと、無色透明のポリエチレンに示温性着色剤を配合した被覆材層50とを備えたプリフォーム10を成形した。
示温性着色剤はクロミカラーPEコンクBWグレード#15 G-0(Fast Blue)が用いられ、当該示温性着色剤の被覆材層50における配合量は、ポリエチレンに対して10%となるように調整された。
プリフォーム10を二軸延伸ブロー成形によって図1に示す容器形状に成形し、容器本体1aと容器本体1aの表面に被覆層5とを備えた容器1を作製した。
作製した容器1の胴部30中央付近の平滑部から10mm×10mmのサンプル片を切り出し、20℃(常温)に設置した場合及び冷却スプレーによって10℃に冷却した場合それぞれの温度におけるサンプル片の全光線透過率を、紫外可視近赤外分光光度計V-770(日本分光株式会社製)を用いて測定した。その結果を図14に示す。
示温性着色剤はクロミカラーPEコンクBWグレード#15 G-0(Fast Blue)が用いられ、当該示温性着色剤の被覆材層50における配合量は、ポリエチレンに対して10%となるように調整された。
プリフォーム10を二軸延伸ブロー成形によって図1に示す容器形状に成形し、容器本体1aと容器本体1aの表面に被覆層5とを備えた容器1を作製した。
作製した容器1の胴部30中央付近の平滑部から10mm×10mmのサンプル片を切り出し、20℃(常温)に設置した場合及び冷却スプレーによって10℃に冷却した場合それぞれの温度におけるサンプル片の全光線透過率を、紫外可視近赤外分光光度計V-770(日本分光株式会社製)を用いて測定した。その結果を図14に示す。
波長380nmにおける20℃温度下のサンプル片の光線透過率は0.07%Tであり、10℃温度下のサンプル片の光線透過率は0.06%Tであった。また、波長780nmにおける20℃温度下のサンプル片の光線透過率は35.5%Tであり、10℃温度下のサンプル片の光線透過率は25.5%Tであった。
本実施例の容器1において、色彩変化が開始する変化開始点である19℃より高温の温度における光線透過率に対し、色彩変化が完了する変化完了点である11℃より低温の温度における光線透過率は、可視光線(波長380~780nm)の波長領域で10%以上低下していることが確認できた。
本実施例の容器1において、色彩変化が開始する変化開始点である19℃より高温の温度における光線透過率に対し、色彩変化が完了する変化完了点である11℃より低温の温度における光線透過率は、可視光線(波長380~780nm)の波長領域で10%以上低下していることが確認できた。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、容器1の製造方法は、前述した実施形態で示したように、二色成形によってプリフォーム本体10aの外周面側に被覆材層50が積層されたプリフォーム10を、二軸延伸ブロー成形などにより所定の容器形状に成形することによって製造する製造方法に限定されない。プリフォーム本体の外周面側にフィルムを装着することで、被覆材層を備えたプリフォームとし、該プリフォームをブロー成形して容器1としてもよい。プリフォームをブロー成形して中間体を成形し、中間体に被覆層となる熱収縮性フィルムを装着させて、さらにブロー成形して容器1としてもよい。
また、前述した実施形態では、被覆層5に引き裂きガイド部を設けて、被覆層5を引き裂き易くしているが、引き裂きガイド部は省略してもよい。この場合には、例えば、被覆層5の胴部3の上端付近に刃物等を用いて切り込みを入れて、そこを起点として被覆層5を引き裂いていくようにすればよい。このようにして被覆層5を剥離するようにしても、被覆層5の末端側を確実に引き裂くことができ、容器本体1aから剥がされた被覆層5の末端側を捲りながら剥ぎ取るようにして残りの部分を剥離していくことによって、容器本体1aと被覆層5とを容易に分別することができる。
1 容器
1a 容器本体
2 口部
3 胴部
4 底部
5 被覆層
10 プリフォーム
10a プリフォーム本体
50 被覆材層
1a 容器本体
2 口部
3 胴部
4 底部
5 被覆層
10 プリフォーム
10a プリフォーム本体
50 被覆材層
Claims (4)
- 口部、胴部、及び底部を含む所定の容器形状に成形された容器本体と、前記容器本体の表面に、該容器本体から剥離可能に設けられた被覆層とを備えた合成樹脂製容器であって、
前記被覆層の少なくとも一部に、示温性着色剤を含むことを特徴とする合成樹脂製容器。 - 前記示温性着色剤を含有した前記被覆層が、前記口部側の一部を除いた前記容器本体の外周面側に積層されていることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製容器。
- 前記示温性着色剤は、高温から低温への温度変化に伴って、色彩変化が開始する変化開始点から色彩変化が完了する変化完了点までの温度変化域を有しており、前記変化開始点より高温の温度における光線透過率に対し、前記変化完了点より低温の温度における光線透過率は、波長380~780nmの範囲で10%以上低下することを特徴とする請求項1又は2に記載の合成樹脂製容器。
- 請求項1~3のいずれかに記載された合成樹脂製容器の製造方法であって、
熱可塑性樹脂からなる有底筒状のプリフォーム本体と、示温性着色剤を含有する熱可塑性樹脂からなる被覆材層とを備えたプリフォームを、ダブルモールド成形法により成形し、
前記プリフォームをブロー成形することによって、所定の容器形状に成形された容器本体と、前記容器本体の表面に、前記示温性着色剤を含有した被覆層とを備えた合成樹脂製容器を成形する
ことを特徴とする合成樹脂製容器の製造方法。
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