JP2004319874A - チップ抵抗器およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】通電による発熱により、抵抗値が変動したり、回路基板や周辺のチップに影響を与えることを防止可能な放熱効果の高いチップ抵抗器およびその製造方法を提供する。
【解決手段】チップ状の抵抗体1と、抵抗体1の裏面に間隔を隔てて設けられた一対の電極3と、を備えているチップ抵抗器A1であって、抵抗体1の一部を電極3と反対側に折り曲げられた折り曲げ片1aを備えていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】チップ状の抵抗体1と、抵抗体1の裏面に間隔を隔てて設けられた一対の電極3と、を備えているチップ抵抗器A1であって、抵抗体1の一部を電極3と反対側に折り曲げられた折り曲げ片1aを備えていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、チップ抵抗器およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のチップ抵抗器の一例としては、図18に示すようなものがある(特許文献1参照。)。図示されたチップ抵抗器Bは、金属製のチップ状の抵抗体90の下面90bに、一対の電極91が空隙部93を介して離間して設けられた構成を有している。各電極91の下面には、実装時のハンダ付け性をよくするための手段として、ハンダ層92が形成されている。
【0003】
このチップ抵抗器Bは、図19に示すような方法により製造される。まず、同図(a)に示すように、抵抗体90および電極91のそれぞれの材料として、2枚の金属板90’,91’を準備し、同図(b)に示すように、金属板90’の下面に金属板91’を重ねあわせて接合する。次いで、同図(c)に示すように、金属板91’の一部を機械加工によって切削し、空隙部93を形成する。その後は、同図(d)に示すように、金属板91’の下面にハンダ層92’を形成してから、同図(e)に示すように、金属板90’,91’を切断する。このことにより、チップ抵抗器Bが製造される。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−57009号公報(図1、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、チップ抵抗器Bには、次に述べるように、製造時や使用時における抵抗値の誤差の低減などに対する要請に的確に応えることができず、改善すべき点があった。
【0006】
第1に、チップ抵抗器Bを利用した電流の測定は、チップ抵抗器Bに電流が通電されたときのチップ抵抗器Bの両端における電圧降下を測定し、その測定値を換算して電流値を求めることによってなされる。このときの通電により抵抗体90には発熱が生じる。この発熱量に対してチップ抵抗器Bの放熱が充分になされない場合には、チップ抵抗器Bの温度上昇が適切に抑制されない。チップ抵抗器Bの抵抗値は、その温度に依存するものであり、上記温度上昇に起因して上記抵抗値が変動する。このような変動は、上記換算の結果に誤差を生じさせ、電流の測定精度を低下させる一因となる。さらに、チップ抵抗器Bは、他のチップとともに回路基板に高密度に実装されることが多い。チップ抵抗器Bが過度な温度上昇により高温となった場合には、これら周辺に実装された他のチップや回路基板などが加熱され、これらのチップが動作不良を生じたり基板の導通が不安定になるなどの虞れがあった。
【0007】
第2に、チップ抵抗器Bは、さらなる低抵抗化の要請が強い。これに加えて、実装時の衝撃などによるチップ抵抗器Bの損傷を防ぐために、その強度向上が望まれている。これらに対する一手段として、抵抗体90の幅や厚みを大きくすることにより、その断面積を増加させて、低抵抗化と高強度化とを図ることが考えられる。しかしながら、抵抗体90の幅を大きくすることは、チップ抵抗器Bを実装するためのスペースを大きくすることとなり、回路基板の高密度化の妨げとなるため好ましくない。一方、抵抗体90の厚みを大きくすることは、回路基板の高密度化には影響を与えることは無いが、抵抗体90の断面形状が偏平状から矩形状へと近づくこととなるために、発熱に関係する体積の増加率に対して、放熱に関係する表面積の増加率が少なく、上述した温度上昇に起因する不具合を助長する虞れがある。
【0008】
第3に、上記従来技術においては、チップ抵抗器Bの製造作業が煩雑であり、その生産性が悪いという不具合もあった。より具体的には、従来においては、空隙部93の形成は、機械加工により行なっている。また、その加工は、一対の電極91間の寸法s5を精度良く仕上げなければならない。このため、上記加工はかなり慎重に行なう必要があり、チップ抵抗器Bの生産性が悪くなっていた。さらに、上記従来技術においては、切削加工を経てチップ抵抗器Bが製造されるために、その切削加工精度に起因する電極間抵抗値の誤差も発生していた。
【0009】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、通電に伴う発熱に起因して、電流の測定精度が劣ったり、回路が誤作動するといった不具合が生じることを抑制するとともに、低抵抗化および高強度化することが可能なチップ抵抗器を提供することをその課題としている。また、本願発明は、そのようなチップ抵抗器を効率良く、かつ適切に製造することが可能なチップ抵抗器の製造方法を提供することを他の課題としている。
【0010】
【発明の開示】
上記課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0011】
本願発明の第1の側面によって提供されるチップ抵抗器は、チップ状の抵抗体と、この抵抗体の表裏いずれかの片面に間隔を隔てて設けられた複数の電極と、を備えているチップ抵抗器であって、上記抵抗体の一部が上記複数の電極とは反対側に折り曲げられた折り曲げ片を備えていることを特徴としている。
【0012】
このような構成によれば、通電により抵抗体に発生した熱が、この折り曲げ片にも伝えられて、その表面から放熱されることとなる。これにより、抵抗体からの放熱に寄与する表面積が大きいものとなって、放熱の効率が向上されるために、通電により上記抵抗体に発熱が生じても、その放熱を充分に行なうことが可能である。したがって、上記抵抗体の温度は過度に上昇することが無く安定化されるために、抵抗値が大きく変動することが無く、たとえば電流の測定精度の低下を抑制することができる。また、上記チップ抵抗器の周囲に実装されたチップや回路基板が加熱されることによる不具合を防止することが可能である。しかも、折り曲げ加工により形成された上記折り曲げ片は、上記抵抗体と一体構造を有するものであるために、たとえば接合手段により形成された場合のように、接合面などが存在しない。したがって、折り曲げ片を介した伝熱が、接合面の存在によって妨げられることが無く、チップ抵抗器の放熱を高効率なものとするのに有利である。さらに、上記チップ抵抗器の占有面積の増加を伴わず、または少なくしつつ、上記抵抗体の断面積を大きくして、低抵抗化と高強度化とが可能な構成とすることができる。
【0013】
好ましい実施の形態においては、上記折り曲げ片は、上記抵抗体の一部を、略90度、もしくはそれを超える角度に折り曲げて形成されたものである。
【0014】
このような構成によれば、上記チップ抵抗器が実装されたときには、上記折り曲げ片が、このチップ抵抗器から隣接する他のチップに向かう方向に大きく突出することが無い。したがって、チップ抵抗器の放熱に寄与する表面積を大きくしつつ、チップ抵抗器の実装密度を高めるのに好適である。
【0015】
好ましい実施の形態においては、上記折り曲げ片は、上記複数の電極が離間する方向に延びている。
【0016】
好ましい実施の形態においては、上記折り曲げ片は、上記抵抗体のうち上記複数の電極が離間する方向と交差する方向における両端部のそれぞれを折り曲げることにより形成されている。
【0017】
このような構成によれば、上記複数の電極が離間する方向において、上記抵抗体の断面積が均一で大きいものとなる。したがって、上記抵抗体は、通電される方向の全長において大きな断面積を有するものとなるために、上記チップ抵抗器の低抵抗化を効果的に図ることができる。また、上記抵抗体は、断面積の増加に加えて、従来技術によるチップ抵抗器の断面のような矩形状の形状に比べて剛性の高い断面形状となるために、チップ抵抗器に力が加えられた場合に抵抗体に生じる曲げ歪みや曲げ応力を抑制することが可能であり、高強度なものとすることができる。さらに、これら低抵抗化および高強度化などの効果を発揮しつつ、上述した通り、表面積の増大により放熱の効率が向上されているために、上記抵抗器の温度上昇による不具合を助長することも無い。
【0018】
好ましい実施の形態においては、上記折り曲げ片は、上記抵抗体のうち上記複数の電極が離間する方向における両端部のそれぞれを折り曲げることにより形成されている。
【0019】
好ましい実施の形態においては、上記電極上には、ハンダ層が形成されている。
【0020】
好ましい実施の形態においては、上記抵抗体のうち、上記複数の電極が離間する方向における両端面に、上記ハンダ層と一体または別体のハンダ層が形成されている。さらに、上記抵抗体のうち上記電極が設けられている面とは反対側に位置する面にハンダ層が形成されている構成とすることができる。
【0021】
このような構成によれば、チップ抵抗器の実装時には、折り曲げ片のうち対となって導通される上記電極どうしが離間している方向の両端面と、上記電極が設けられている面とは反対側に位置する面とに形成されたハンダ層を利用して、チップ抵抗器の上記電極どうしが離間している方向の両端部を包み込むような形状を有するハンダフィレットを形成することが可能である。したがって、上記ハンダフィレットの存在により、上記チップ抵抗器への通電時に発生する熱が上記ハンダフィレットを介して回路基板にも伝わりやすくなり、チップ抵抗器の温度上昇をさらに抑制することが期待できる。また、上記チップ抵抗器のハンダ接合強度が高まるとともに、上記ハンダフィレットの有無に基づいてチップ抵抗器の実装の適否を容易に判断することができる。
【0022】
好ましい実施の形態においては、上記折り曲げ片は、上記抵抗体の中心寄りにさらに折り曲げられている。
【0023】
このような構成によれば、上記チップ抵抗器は、嵩張ること無くその表面積と断面積とをさらに大きいものとすることが可能である。したがって、上記チップ抵抗器の実装密度を高めつつ、放熱の効率を向上させるとともに、低抵抗化、および高強度化を図るのに好適である。また、上記ハンダフィレットをより大きくし、その効果を高めるのに好適である。
【0024】
好ましい実施の形態においては、上記抵抗体の上記電極が設けられた面のうち、上記電極間の領域を覆う絶縁層を備えている。
【0025】
好ましい実施の形態においては、上記絶縁層の厚みは、上記電極と略同一である。上記絶縁層は、厚膜印刷により形成することができる。
【0026】
このような構成によれば、上記抵抗体の複数の電極間の領域は絶縁層によって覆われているために、チップ抵抗器を面実装する際のハンダ付けにおいて、これらの領域にハンダが誤って付着することを防止可能である。したがって、抵抗体への不当なハンダ付着に起因して抵抗値に大きな誤差が発生しないようにすることができる。また、上記絶縁層は上記電極と略同一の厚みであるために、上記抵抗体は上記電極と上記絶縁層とによって支持された構造を有するものとなる。したがって、実装時に衝撃力を受けた場合などにも、過度な曲げ変形を生じることが無く、容易に損傷しないものとすることができる。さらに、厚膜印刷によれば、上記絶縁層の幅を所望の幅に正確に仕上げることができる。したがって、後述する製造方法によれば、上記電極の間隔については高い精度で所望の寸法に設定することが可能となり、チップ抵抗器の定格抵抗値を目標抵抗値に近づけるのに好適となる。
【0027】
本願発明の第2の側面により提供されるチップ抵抗器の製造方法は、バー状の抵抗体材料の表面または裏面に間隔を隔てて並んだ複数の電極が設けられているバー状の抵抗器集合体を作製する工程と、上記抵抗器集合体の長手方向に延びる端部を折り曲げることにより、この抵抗器集合体に折り曲げ片を設ける工程と、上記抵抗器集合体をその長手方向の複数箇所において切断することにより、複数のチップ抵抗器に分割する工程と、を有していることを特徴としている。
【0028】
このような構成によれば、本願発明の第1の側面によって提供されるチップ抵抗器を効率良く、適切に製造することができる。とくに、上記折り曲げ片の形成は、複数個分のチップ抵抗器に相当する抵抗器集合体に対して一括して行なっているために、その作業効率がよい。また、接合面などが存在しない、高強度で伝熱性に優れる折り曲げ片を形成するのに好適である。
【0029】
好ましい実施の形態においては、上記バー状の抵抗器集合体を作製する工程は、プレート状の抵抗体材料の表面または裏面に、間隔を隔てて並んだ複数の導電層を形成する工程と、これらの工程の後に上記抵抗体材料を上記バー状の抵抗体材料に分割する工程と、を含んでいる。このような構成によれば、1つのプレート状の抵抗体材料から多数個のチップ抵抗器を製造することが可能となり、生産性が良い。
【0030】
本願発明の第3の側面により提供されるチップ抵抗器の製造方法は、プレート状またはバー状の抵抗体材料の表面または裏面に、上記導電層を形成する工程と、上記抵抗体材料をチップ状の複数の抵抗体に、打ち抜きまたは切断により分割する工程と、上記チップ状の抵抗体の端部を折り曲げることにより、この抵抗体に折り曲げ片を設ける工程と、を有することを特徴としている。
【0031】
このような構成によっても、プレート状またはバー状の抵抗体材料から、本願発明の第1の側面により提供されるチップ抵抗器を、適切にしかも効率良く生産することができる。また、分割する工程の後に折り曲げ片を形成するために、折り曲げ片が上記分割する工程によって、歪められることを回避することができる。
【0032】
好ましい実施の形態においては、上記導電層を形成する工程は、上記抵抗体材料の表面または裏面に絶縁層をパターン形成する工程と、上記絶縁層が形成された面のうち、上記絶縁層が形成されていない領域に、導電層を形成する工程と、を含んでいる。上記絶縁層のパターン形成は、厚膜印刷により行なうことができる。このような構成によれば、上記絶縁層と上記導電層とを正確な寸法に、しかも効率良く形成することができる。
【0033】
好ましい実施の形態においては、上記導電層の形成は、メッキ処理により行なう。このような構成によれば、上記導電層の厚みを正確に仕上げることができる。
【0034】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0036】
図1〜図3は、本願発明に係るチップ抵抗器の一例を示している。これらの図によく表われているように、本実施形態のチップ抵抗器A1は、2つの折り曲げ片1aを有する抵抗体1、第1および第2の絶縁層2A,2B、および一対の電極3を具備している。
【0037】
図1によく表われているように、抵抗体1は、各部の厚みが一定で、その断面が上方に開いたコの字状の形状を有しており、かつ平面視長矩形状のチップ状の形態をもっている。その具体的な材質としては、Ni−Cu系合金、Cu−Mn系合金、Ni−Cr系合金などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、チップ抵抗器A1のサイズと目標抵抗値に見合った抵抗率をもつ金属材料を適宜選択すればよい。
【0038】
2つの折り曲げ片1aは、抵抗体1の短手方向における両端部において起立するように設けられている。これらの折り曲げ片1aは、後述するように、抵抗体1の短手方向における両端部を上方に向けて90度に折り曲げることにより形成されている。抵抗体1の断面積は、長手方向について均一である。
【0039】
第1および第2の絶縁層2A,2Bは、いずれもエポキシ樹脂系の樹脂製の塗装膜であり、厚膜印刷により形成される。第1の絶縁層2Aは、抵抗体1の裏面10bのうち、一対の電極3間の領域の全体と、2つの折り曲げ片1aのそれぞれの外面10cとを覆うように設けられている。第2の絶縁層2Bは、抵抗体1の表面10aと、2つの折り曲げ片1aのそれぞれの内面10dとを覆うように設けられている。第1および第2の絶縁層2A,2Bは、樹脂製の塗装膜により形成されたものであり、抵抗体1に強固に接着し、かつ柔軟性に優れており、後述するように折り曲げ片1aを形成するために抵抗体1が折り曲げられることによっても、抵抗体1から剥がれたり、破損する虞れが少ない。
【0040】
一対の電極3は、抵抗体1の裏面10bにおいて、この抵抗体1の長手方向に離間して設けられている。これら一対の電極3は、後述するように、たとえば抵抗体1に銅メッキを施すことにより形成されたものである。図2によく表われているように、各電極3の内端面は、第1の絶縁層2Aの両端面20に接している。すなわち、一対の電極3の間の寸法は、第1の絶縁層2Aの両端面20によって規定されており、第1の絶縁層2Aの幅s1と同一の寸法となっている。本実施形態のチップ抵抗器A1は、一対の電極3間の抵抗が、1mΩ〜100mΩ程度の低抵抗のものとして構成されている。各電極3の下面には、ハンダ付け性を良好にするためのハンダ層39が積層して形成されている。
【0041】
次に、チップ抵抗器A1の製造方法の一例について、図4〜図6を参照して説明する。
【0042】
まず、図4(a)に示すように、抵抗体1の材料となる金属製のプレート1Aを準備する。このプレート1Aは、抵抗体1を複数個取り可能な縦横のサイズを有するものであり、全体にわたって厚みの均一化が図られたものである。同図(b)に示すように、このプレート1Aの上向きとした片面10aの全体または略全体には、第2の絶縁層2B’を形成する。この第2の絶縁層2B’の形成は、たとえば、エポキシ樹脂をベタ塗り状に厚膜印刷して行なう。この第2の絶縁層2B’の表面に標印を施す工程を行なってもよい。
【0043】
次いで、同図(c)に示すように、プレート1Aを裏表反転させて上向きとした面10bに、第1の絶縁層2A’を複数の矩形状をした孔部21が縦横に規則的に配置されるようにしてパターン形成する。この第1の絶縁層2A’の形成は、第2の絶縁層2B’の形成に用いたのと同一の樹脂および装置を用いて厚膜印刷により行なう。この厚膜印刷によれば、第1の絶縁層2A’に設けられた複数の孔部21のサイズ、およびこれら複数の孔部21間の寸法を、正確に仕上げることができる。
【0044】
プレート1Aの面10bのうち、第1の絶縁層2A’によって覆われていない領域には、図5(d)に示すように、導電層3A’とハンダ層39A’とを形成する。導電層3A’は電極3の原形となる部分であり、その形成はたとえば銅メッキにより行なう。メッキ処理によれば、導電層3A’と第1の絶縁層2A’との間に隙間を生じさせないようにして、導電層3A’を正確な寸法で形成することが可能である。また、導電層3A’の厚みを所定の寸法に正確に仕上げることができる。ハンダ層39A’の形成は、たとえばメッキ処理によって行なう。
【0045】
上記したメッキ処理後には、図5(d)に示されるプレート1Aを、同図(e)に示すように、仮想線C1で示す箇所を切断することにより分割する。これにより、チップ抵抗器A1が直列に繋がった構成に相当するバー状の抵抗器集合体A1’a(図6(f)に拡大して示す)が得られる。この作業における仮想線C1のピッチは、抵抗器集合体A1’aの幅を決定するものであり、この幅はこの後の切断作業により得られるチップ抵抗器A1の幅となる。チップ抵抗器A1の抵抗値は、この幅によって規定されるものであり、この抵抗値を高精度なものとするために、仮想線C1で示された箇所の切断は精度良く行なわれる。本実施形態においては、一回の上記切断が、複数個のチップ抵抗器A1を精度良く切断することに相当するために、高精度を要する切断作業を少ない回数とすることが可能であり、作業効率の向上に好適である。なお、プレート1Aを切断する手段としては、たとえば、シャー(せん断機)やロータリ式カッターなどを用いることができる。
【0046】
抵抗器集合体A1’aを製造した後には、図6(g)に示すように、この抵抗器集合体A1’aの短手方向における両端部を折り曲げることにより、折り曲げ片を形成する。この作業はたとえば、同図(f)に示す抵抗器集合体A1’aの上記両側端部を仮想線C2において、導電層3A’とは反対側に向けて、90度に折り曲げることにより行なう。これにより、2つの折り曲げ片1a’を備える抵抗器集合体A1’aが得られる。この2つの折り曲げ片1a’は、この後の切断作業によって得られるチップ抵抗器A1の2つの折り曲げ片1aとなるものである。このように抵抗器集合体A1’aの段階で折り曲げを行なえば、複数のチップ抵抗器A1の各折り曲げ片1aに相当する部分の形成が一括して行なわれることとなるために、折り曲げ作業の回数が少なくなり、作業効率がよい。
【0047】
その後、図6(h)に示すように、抵抗器集合体A1’aを切断して複数のチップに分割していく。この作業は、たとえば各導電層3A’を抵抗器集合体A1’aの長手方向において分断するように、同図仮想線C3で示す箇所を切断することにより行なう。これにより、導電層3A’は、チップ抵抗器A1の電極3となるとともに、チップ抵抗器A1の短手方向における両端部には2つの折り曲げ片1aが形成されることとなり、1つの抵抗器集合体A1’aから複数のチップ抵抗器A1が好適に製造される。
【0048】
図7および図8は、打ち抜きによる製造方法の一例を示している。まず、上述した打ち抜きによる製造方法の例と同様の手順により得られた、図5(d)に示されるプレート1Aを、図7に示すように、打ち抜き加工(ブランキング)を繰り返して施し、プレート1Aを複数のチップ状の抵抗体1A’に分割していく。このような打ち抜き作業を繰り返して行なう場合、1つの打ち抜き用型(図示略)を繰り返して使用する。
【0049】
上記打ち抜き作業においては、左右方向において隣り合う2つの電極3A’およびハンダ層39A’のそれぞれが2分割されるように、プレート1Aを打ち抜く。このことによって、チップ状の抵抗体1A’の両端部には、電極3、およびハンダ層39が形成されることとなり、チップ抵抗器A1の基となるチップ抵抗器用部材A1’bが得られることとなる。プレート1Aの打ち抜きは、同図の仮想線で示す複数の打ち抜き領域が微小な間隔s2を隔ててマトリクス状に並んでいくように進めればよい。このチップ抵抗器用部材A1’bの一対の電極3は、それらが離間している方向と垂直な方向における抵抗体1A’の両端面から離れて設けられている。
【0050】
上記打ち抜き作業により、図8(a)に示すチップ抵抗器用部材A1’bが得られた後には、チップ状の抵抗体1A’の一つの電極3が離間している方向と交差する方向における両端部を折り曲げることにより、2つの折り曲げ片1aを形成する。この作業はたとえば、チップ状の抵抗体1A’の上記両端部を仮想線C4において、一対の電極3とは反対側に向けて、90度に折り曲げることにより行なう。これにより、同図(b)に示すように、2つの折り曲げ片1aを備えるチップ抵抗器A1が得られる。
【0051】
プレート1Aを複数の抵抗体1に分割する手段として、打ち抜き手段を採用すれば、抵抗体1の縦横の寸法をほとんど誤差の無い正確な寸法に仕上げることができる。また、打ち抜きを用いた分割する工程の後に折り曲げ片1aを形成するために、折り曲げ片1aが一旦形成された後は、上記分割する工程などによって、折り曲げ片1aに無理な力が加えられることが無い。したがって折り曲げ片1aが歪められることを回避することができる。
【0052】
上述したいずれの製造方法においても、従来技術とは異なり、金属板の一部に切削加工を施すことによって一対の電極を形成するといった必要がなく、さらに折り曲げ片1aの形成においても切削加工は不要である。したがって、製造作業の効率が良く、チップ抵抗器A1のコストをより低減することができる。
【0053】
次にチップ抵抗器A1の作用について説明する。
【0054】
本実施形態においては、チップ抵抗器A1に通電されることにより、抵抗体1に発熱が生じた場合、この熱は、抵抗体1から折り曲げ片1aへと伝えられ、折り曲げ片1aの表面から放熱される。これにより、抵抗体1に発生した熱が効果的に放熱されることとなり、チップ抵抗器A1の温度が過度に上昇することが無く、その温度は安定したものとなる。したがって、この温度に依存する性質を有するチップ抵抗器A1の抵抗値は、大きく変動することが無く、チップ抵抗器A1の性能を安定化させることができる。また、チップ抵抗器A1が高温となることにより、その周辺に実装された他のチップや、回路基板が容易には加熱されない。したがって、これらのチップに誤動作を招くことや、回路基板の導通不良などの不具合を抑制することができる。
【0055】
また、折り曲げ片1aは、抵抗体1を折り曲げることにより形成されており、抵抗体1と一体構造である。したがって、抵抗体1から折り曲げ片1aへの伝熱が接合面の存在などにより妨げられることが無く、チップ抵抗器A1の放熱を高効率なものとするのに有利である。さらに、2つの折り曲げ片1aは、90度に折り曲げることにより形成されているために、側方に大きく突出することが無い。したがって、上記放熱の効果を向上させつつ、チップ抵抗器A1の実装密度を高めることができる。
【0056】
本実施形態においては、2つの折り曲げ片1aが一対の電極3が離間している方向に延びており、この方向における抵抗体1の断面積が均一で大きいものとなっている。抵抗体1の断面積は、部分的に小さくなる箇所が無く、通電される方向の全長において大きいものとなるために、チップ抵抗器A1の低抵抗化を効果的に図ることができる。また、上記断面積の増加に加えて、上記方向の断面は矩形状の形状に比べて剛性の高い形状となるために、チップ抵抗器A1に力が加えられた場合に抵抗体1に生じる曲げ歪みや曲げ応力を抑制することが可能であり、高強度なものとすることができる。しかも、上述したように2つの折り曲げ片1aは抵抗体1と一体構造とされているために、たとえば溶接欠陥などのように接合部が存在する場合に強度低下の虞れとなり得るものが無く、チップ抵抗器A1の高強度化に好適である。
【0057】
このチップ抵抗器A1は、所望の実装対象領域に対し、たとえばハンダリフローの手法を用いて面実装される。このハンダリフローの手法では、実装対象領域に設けられている端子上に各電極3を接触させるようにチップ抵抗器を装填した状態でリフロー炉を利用して加熱する。
【0058】
上記面実装時には、溶融ハンダが上記端子からはみ出す場合がある。ところが、抵抗体1の裏面10bの電極3間の領域は、第1の絶縁層2Aにより覆われているために、抵抗体1のこの領域にハンダが直接付着することはない。したがって、抵抗体1への不当なハンダ付着に起因して抵抗値に大きな誤差が発生しないようにし、チップ抵抗器A1を利用して構成される電気回路に大きな狂いが生じるといったことを適切に解消することができる。
【0059】
また、このチップ抵抗器A1の表面10a,10c,10dは、第1および第2の絶縁層2A,2Bにより覆われている。このような構成によれば、この表面10a,10c,10dと他の部材や機器との間に不当な電気導通が生じることも防止される。
【0060】
このチップ抵抗器A1においては、既述したとおり、抵抗体1の縦横の寸法は、所望の寸法に高い精度で仕上げることが可能である。抵抗体1の厚みについては、プレート1Aの段階から正確に仕上げることができる。また、一対の電極3間の寸法s1は、厚膜印刷によってパターン形成される絶縁層2Aの形成工程において規定することが可能であり、その寸法精度を高めることも容易に達成することができる。したがって、チップ抵抗器A1の定格抵抗値を、目標抵抗値に近づけるのに好適である。
【0061】
また、厚膜印刷によって形成される第1の絶縁層2Aと、メッキ処理によって形成される電極3は、ともに所定の厚みに精度良く仕上げられ、これらの厚みを略同一とすることが可能である。したがって、抵抗体1に過大な曲げ応力が発生することを効果的に抑制することができる。
【0062】
図9〜図17は、本願発明に係るチップ抵抗器の他の実施形態を示している。これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一符号を付している。
【0063】
図9〜図11に示すチップ抵抗器A2は、2つの折り曲げ片1aがそれらの中央付近でさらに折り曲げられており、その長手方向の断面が上向きに開いたC字状の形状を有する構成とされている。さらに、第1の絶縁層2Aは、一対の電極3の厚みと同一となっている。
【0064】
より具体的には、まず2つの折り曲げ部1aは、その中央付近において、抵抗体1の中心に向けて90度に折り曲げられている。本実施形態によれば、抵抗体1の表面積をさらに大きくすることができる。したがって、2つ折り曲げ部1aからの放熱がさらに促進され、チップ抵抗器A2の温度がより安定化される。また、図11によく表われているように、このチップ抵抗器A2の長手方向における断面積は、チップ抵抗器A1と比較してさらに大きくされており、高い剛性なものとなっている。したがって、チップ抵抗器A2のさらなる低抵抗化と高強度化が期待できる。折り曲げ部1aは中央付近において折り曲げられていることにより、抵抗体1の断面積および表面積が増加されているにもかかわらず、チップ抵抗器A2の高さの増加が抑えられているために、チップ抵抗器A2は嵩張ることが無く、その設置スペースの増大を抑制することができる。
【0065】
また、図10によく表われているように、チップ抵抗器A2においては、一対の電極3間の領域を覆う第1の絶縁層2Aの厚みt2は、一対の電極3の厚みt1と同じとされている。本実施形態によれば、たとえば抵抗体1を曲げるような力がチップ抵抗器A2に加えられた場合にも、抵抗体1は一対の電極3と第1の絶縁層2Aとによって支持されることとなる。したがって、チップ抵抗器A2に加えられる力が、一対の電極3と第1の絶縁層2Aとによって適切に負担されて、チップ抵抗器A2を損傷を受けにくいものとすることができる。
【0066】
図12および図13に示すチップ抵抗器A3は、2つの折り曲げ部1aがチップ抵抗器A3の長手方向における両端部に起立するように設けられており、これら折り曲げ部1aの両端面10eを覆うハンダ層39が設けられている。
【0067】
より具体的には、2つの折り曲げ部1aは抵抗体1の長手方向における両端部を、電極3とは反対側に向けて90度に折り曲げることにより形成されている。また、ハンダ層39は、電極3の下面および側面と、2つ折り曲げ片1aのそれぞれの側面10eとを覆うように設けられている。
【0068】
本実施形態においても、2つの折り曲げ部1aにより抵抗体1に発生した熱を効果的に放熱し、チップ抵抗器A3の温度を安定化させることができる。また、チップ抵抗器A3が面実装されるときには、図12および図13の仮想線で示すようなハンダフィレットHfが適切に形成される。したがって、ハンダフィレットHfの存在により、チップ抵抗器A3への通電時に発生する熱がハンダフィレットHfを介して回路基板にも伝わりやすくなり、チップ抵抗器A3の温度上昇をさらに抑制することが期待できる。また、チップ抵抗器A3のハンダ接合強度が高まるとともに、ハンダフィレットHfの有無に基づいてチップ抵抗器の実装の適否を容易に判断することができる。
【0069】
図14および図15に示すチップ抵抗器A4は、2つの折り曲げ部1aがその中央部で折り曲げられた形状とされており、これら折り曲げ部1aの側面10eおよび上面10fがハンダ層39により覆われた構成とされている。
【0070】
本実施形態においては、図14および図15の仮想線で示すように、2つの折り曲げ部1aのそれぞれの側面10eおよび上面10fを利用して、チップ抵抗器A4の長手方向における両端部を包み込むようなハンダフィレットHfが形成される。したがって、ハンダフィレットHfの存在により抵抗体1からの放熱がさらに促進されて、チップ抵抗器A4の温度の安定化に好適である。また、チップ抵抗器A4のハンダ接合をさらに高強度なものとすることができる。
【0071】
図16および図17に示すチップ抵抗器A5,A6は、上述したチップ抵抗器A3,A4と同様に2つの折り曲げ部1aがチップ抵抗器A3の長手方向における両端部に設けられているものであって、一対の電極3が抵抗体1の裏面10bの一部と両端面10eとを覆うように構成されている。このような構成によっても、上述したチップ抵抗器A3,A4の場合と同様の効果を得ることができる。また、一対の電極3はメッキ処理により形成されているために、折り曲げ部1aを形成するための折り曲げの工程によっても、抵抗体1から剥離する虞れが少ない。
【0072】
上記したチップ抵抗器A1〜A6はいずれも2つの折り曲げ片1aを備えているが、本願発明はこれに限らず、たとえば折り曲げ片を1つだけ備える構成としてもよい。また、上記実施形態のように長手方向または短手方向に一体となって延びる折り曲げ片に限らず、たとえば折り曲げ片の長さが、それが延びる方向におけるチップ抵抗器の長さよりも短いものであってもよいし、このような折り曲げ片が、一定の方向において複数個配置された構成としてもかまわない。さらに、これらの折り曲げ片のうちのいくつかを、抵抗体の中心寄りにさらに折り曲げた折り曲げ片としてもよい。
【0073】
上記実施形態においては一対の電極3を備えた構成とされているが、本願発明はこれに限らない。たとえば、二対(4つ)の電極を設けた構成とすることができる。もちろん、二対以上の対をなすようにそれ以上の数の電極3を設けた構成としてもかまわない。電極の総数を多くした場合、たとえばそれらのうちの一部の電極のみを使用するといった使用法も可能である。
【0074】
本願発明に係るチップ抵抗器の各部の具体的な構成は、上記実施形態に限らず、種々に設計変更自在である。本願発明に係るチップ抵抗器は、低抵抗のものとして用いられるのに好適であるが、その抵抗値の具体的な値は限定されない。
【0075】
上記した実施形態における製造方法は、先ずプレート状の抵抗体材料を準備し、これを分割して複数のチップ抵抗器が得られる構成とされているが、本願発明に係る製造方法はこれに限らない。たとえば、プレート状の抵抗体材料を用いるのに代えて、当初からバー状の抵抗体材料を用いてもかまわない。このような構成によれば、製造過程における切断の回数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るチップ抵抗器の一例を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】(a)〜(c)は、図1に示すチップ抵抗器の製造工程の一例の一部を示す斜視図である。
【図5】(d),(e)は、図1に示すチップ抵抗器の製造工程の一例の一部を示す斜視図である。
【図6】(f)〜(h)は、図1に示すチップ抵抗器の製造工程の一例の一部を示す斜視図である。
【図7】図1に示すチップ抵抗器の製造工程の他の例の一部を示す斜視図である。
【図8】(a),(b)は図1に示すチップ抵抗器の製造工程の他の例の一部を示す斜視図である。
【図9】本願発明に係るチップ抵抗器の他の例を示す斜視図である。
【図10】図9のX−X断面図である。
【図11】図9のXI−XI断面図である。
【図12】本願発明に係るチップ抵抗器の他の例を示す斜視図である。
【図13】図12のXIII−XIII断面図である。
【図14】本願発明に係るチップ抵抗器の他の例を示す斜視図である。
【図15】図14のXV−XV断面図である。
【図16】本願発明に係るチップ抵抗器の他の例を示す断面図である。
【図17】本願発明に係るチップ抵抗器の他の例を示す断面図である。
【図18】従来のチップ抵抗器の一例を示す斜視図である。
【図19】(a)〜(e)は、従来のチップ抵抗器の製造方法の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
A1,A2,A3,A4,A5,A6 チップ抵抗器
1 抵抗体
1A プレート
2A 第1の絶縁層
2B 第2の絶縁層
3 電極
10a 表面(抵抗体の)
10b 裏面(抵抗体の)
【発明の属する技術分野】
本願発明は、チップ抵抗器およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のチップ抵抗器の一例としては、図18に示すようなものがある(特許文献1参照。)。図示されたチップ抵抗器Bは、金属製のチップ状の抵抗体90の下面90bに、一対の電極91が空隙部93を介して離間して設けられた構成を有している。各電極91の下面には、実装時のハンダ付け性をよくするための手段として、ハンダ層92が形成されている。
【0003】
このチップ抵抗器Bは、図19に示すような方法により製造される。まず、同図(a)に示すように、抵抗体90および電極91のそれぞれの材料として、2枚の金属板90’,91’を準備し、同図(b)に示すように、金属板90’の下面に金属板91’を重ねあわせて接合する。次いで、同図(c)に示すように、金属板91’の一部を機械加工によって切削し、空隙部93を形成する。その後は、同図(d)に示すように、金属板91’の下面にハンダ層92’を形成してから、同図(e)に示すように、金属板90’,91’を切断する。このことにより、チップ抵抗器Bが製造される。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−57009号公報(図1、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、チップ抵抗器Bには、次に述べるように、製造時や使用時における抵抗値の誤差の低減などに対する要請に的確に応えることができず、改善すべき点があった。
【0006】
第1に、チップ抵抗器Bを利用した電流の測定は、チップ抵抗器Bに電流が通電されたときのチップ抵抗器Bの両端における電圧降下を測定し、その測定値を換算して電流値を求めることによってなされる。このときの通電により抵抗体90には発熱が生じる。この発熱量に対してチップ抵抗器Bの放熱が充分になされない場合には、チップ抵抗器Bの温度上昇が適切に抑制されない。チップ抵抗器Bの抵抗値は、その温度に依存するものであり、上記温度上昇に起因して上記抵抗値が変動する。このような変動は、上記換算の結果に誤差を生じさせ、電流の測定精度を低下させる一因となる。さらに、チップ抵抗器Bは、他のチップとともに回路基板に高密度に実装されることが多い。チップ抵抗器Bが過度な温度上昇により高温となった場合には、これら周辺に実装された他のチップや回路基板などが加熱され、これらのチップが動作不良を生じたり基板の導通が不安定になるなどの虞れがあった。
【0007】
第2に、チップ抵抗器Bは、さらなる低抵抗化の要請が強い。これに加えて、実装時の衝撃などによるチップ抵抗器Bの損傷を防ぐために、その強度向上が望まれている。これらに対する一手段として、抵抗体90の幅や厚みを大きくすることにより、その断面積を増加させて、低抵抗化と高強度化とを図ることが考えられる。しかしながら、抵抗体90の幅を大きくすることは、チップ抵抗器Bを実装するためのスペースを大きくすることとなり、回路基板の高密度化の妨げとなるため好ましくない。一方、抵抗体90の厚みを大きくすることは、回路基板の高密度化には影響を与えることは無いが、抵抗体90の断面形状が偏平状から矩形状へと近づくこととなるために、発熱に関係する体積の増加率に対して、放熱に関係する表面積の増加率が少なく、上述した温度上昇に起因する不具合を助長する虞れがある。
【0008】
第3に、上記従来技術においては、チップ抵抗器Bの製造作業が煩雑であり、その生産性が悪いという不具合もあった。より具体的には、従来においては、空隙部93の形成は、機械加工により行なっている。また、その加工は、一対の電極91間の寸法s5を精度良く仕上げなければならない。このため、上記加工はかなり慎重に行なう必要があり、チップ抵抗器Bの生産性が悪くなっていた。さらに、上記従来技術においては、切削加工を経てチップ抵抗器Bが製造されるために、その切削加工精度に起因する電極間抵抗値の誤差も発生していた。
【0009】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、通電に伴う発熱に起因して、電流の測定精度が劣ったり、回路が誤作動するといった不具合が生じることを抑制するとともに、低抵抗化および高強度化することが可能なチップ抵抗器を提供することをその課題としている。また、本願発明は、そのようなチップ抵抗器を効率良く、かつ適切に製造することが可能なチップ抵抗器の製造方法を提供することを他の課題としている。
【0010】
【発明の開示】
上記課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0011】
本願発明の第1の側面によって提供されるチップ抵抗器は、チップ状の抵抗体と、この抵抗体の表裏いずれかの片面に間隔を隔てて設けられた複数の電極と、を備えているチップ抵抗器であって、上記抵抗体の一部が上記複数の電極とは反対側に折り曲げられた折り曲げ片を備えていることを特徴としている。
【0012】
このような構成によれば、通電により抵抗体に発生した熱が、この折り曲げ片にも伝えられて、その表面から放熱されることとなる。これにより、抵抗体からの放熱に寄与する表面積が大きいものとなって、放熱の効率が向上されるために、通電により上記抵抗体に発熱が生じても、その放熱を充分に行なうことが可能である。したがって、上記抵抗体の温度は過度に上昇することが無く安定化されるために、抵抗値が大きく変動することが無く、たとえば電流の測定精度の低下を抑制することができる。また、上記チップ抵抗器の周囲に実装されたチップや回路基板が加熱されることによる不具合を防止することが可能である。しかも、折り曲げ加工により形成された上記折り曲げ片は、上記抵抗体と一体構造を有するものであるために、たとえば接合手段により形成された場合のように、接合面などが存在しない。したがって、折り曲げ片を介した伝熱が、接合面の存在によって妨げられることが無く、チップ抵抗器の放熱を高効率なものとするのに有利である。さらに、上記チップ抵抗器の占有面積の増加を伴わず、または少なくしつつ、上記抵抗体の断面積を大きくして、低抵抗化と高強度化とが可能な構成とすることができる。
【0013】
好ましい実施の形態においては、上記折り曲げ片は、上記抵抗体の一部を、略90度、もしくはそれを超える角度に折り曲げて形成されたものである。
【0014】
このような構成によれば、上記チップ抵抗器が実装されたときには、上記折り曲げ片が、このチップ抵抗器から隣接する他のチップに向かう方向に大きく突出することが無い。したがって、チップ抵抗器の放熱に寄与する表面積を大きくしつつ、チップ抵抗器の実装密度を高めるのに好適である。
【0015】
好ましい実施の形態においては、上記折り曲げ片は、上記複数の電極が離間する方向に延びている。
【0016】
好ましい実施の形態においては、上記折り曲げ片は、上記抵抗体のうち上記複数の電極が離間する方向と交差する方向における両端部のそれぞれを折り曲げることにより形成されている。
【0017】
このような構成によれば、上記複数の電極が離間する方向において、上記抵抗体の断面積が均一で大きいものとなる。したがって、上記抵抗体は、通電される方向の全長において大きな断面積を有するものとなるために、上記チップ抵抗器の低抵抗化を効果的に図ることができる。また、上記抵抗体は、断面積の増加に加えて、従来技術によるチップ抵抗器の断面のような矩形状の形状に比べて剛性の高い断面形状となるために、チップ抵抗器に力が加えられた場合に抵抗体に生じる曲げ歪みや曲げ応力を抑制することが可能であり、高強度なものとすることができる。さらに、これら低抵抗化および高強度化などの効果を発揮しつつ、上述した通り、表面積の増大により放熱の効率が向上されているために、上記抵抗器の温度上昇による不具合を助長することも無い。
【0018】
好ましい実施の形態においては、上記折り曲げ片は、上記抵抗体のうち上記複数の電極が離間する方向における両端部のそれぞれを折り曲げることにより形成されている。
【0019】
好ましい実施の形態においては、上記電極上には、ハンダ層が形成されている。
【0020】
好ましい実施の形態においては、上記抵抗体のうち、上記複数の電極が離間する方向における両端面に、上記ハンダ層と一体または別体のハンダ層が形成されている。さらに、上記抵抗体のうち上記電極が設けられている面とは反対側に位置する面にハンダ層が形成されている構成とすることができる。
【0021】
このような構成によれば、チップ抵抗器の実装時には、折り曲げ片のうち対となって導通される上記電極どうしが離間している方向の両端面と、上記電極が設けられている面とは反対側に位置する面とに形成されたハンダ層を利用して、チップ抵抗器の上記電極どうしが離間している方向の両端部を包み込むような形状を有するハンダフィレットを形成することが可能である。したがって、上記ハンダフィレットの存在により、上記チップ抵抗器への通電時に発生する熱が上記ハンダフィレットを介して回路基板にも伝わりやすくなり、チップ抵抗器の温度上昇をさらに抑制することが期待できる。また、上記チップ抵抗器のハンダ接合強度が高まるとともに、上記ハンダフィレットの有無に基づいてチップ抵抗器の実装の適否を容易に判断することができる。
【0022】
好ましい実施の形態においては、上記折り曲げ片は、上記抵抗体の中心寄りにさらに折り曲げられている。
【0023】
このような構成によれば、上記チップ抵抗器は、嵩張ること無くその表面積と断面積とをさらに大きいものとすることが可能である。したがって、上記チップ抵抗器の実装密度を高めつつ、放熱の効率を向上させるとともに、低抵抗化、および高強度化を図るのに好適である。また、上記ハンダフィレットをより大きくし、その効果を高めるのに好適である。
【0024】
好ましい実施の形態においては、上記抵抗体の上記電極が設けられた面のうち、上記電極間の領域を覆う絶縁層を備えている。
【0025】
好ましい実施の形態においては、上記絶縁層の厚みは、上記電極と略同一である。上記絶縁層は、厚膜印刷により形成することができる。
【0026】
このような構成によれば、上記抵抗体の複数の電極間の領域は絶縁層によって覆われているために、チップ抵抗器を面実装する際のハンダ付けにおいて、これらの領域にハンダが誤って付着することを防止可能である。したがって、抵抗体への不当なハンダ付着に起因して抵抗値に大きな誤差が発生しないようにすることができる。また、上記絶縁層は上記電極と略同一の厚みであるために、上記抵抗体は上記電極と上記絶縁層とによって支持された構造を有するものとなる。したがって、実装時に衝撃力を受けた場合などにも、過度な曲げ変形を生じることが無く、容易に損傷しないものとすることができる。さらに、厚膜印刷によれば、上記絶縁層の幅を所望の幅に正確に仕上げることができる。したがって、後述する製造方法によれば、上記電極の間隔については高い精度で所望の寸法に設定することが可能となり、チップ抵抗器の定格抵抗値を目標抵抗値に近づけるのに好適となる。
【0027】
本願発明の第2の側面により提供されるチップ抵抗器の製造方法は、バー状の抵抗体材料の表面または裏面に間隔を隔てて並んだ複数の電極が設けられているバー状の抵抗器集合体を作製する工程と、上記抵抗器集合体の長手方向に延びる端部を折り曲げることにより、この抵抗器集合体に折り曲げ片を設ける工程と、上記抵抗器集合体をその長手方向の複数箇所において切断することにより、複数のチップ抵抗器に分割する工程と、を有していることを特徴としている。
【0028】
このような構成によれば、本願発明の第1の側面によって提供されるチップ抵抗器を効率良く、適切に製造することができる。とくに、上記折り曲げ片の形成は、複数個分のチップ抵抗器に相当する抵抗器集合体に対して一括して行なっているために、その作業効率がよい。また、接合面などが存在しない、高強度で伝熱性に優れる折り曲げ片を形成するのに好適である。
【0029】
好ましい実施の形態においては、上記バー状の抵抗器集合体を作製する工程は、プレート状の抵抗体材料の表面または裏面に、間隔を隔てて並んだ複数の導電層を形成する工程と、これらの工程の後に上記抵抗体材料を上記バー状の抵抗体材料に分割する工程と、を含んでいる。このような構成によれば、1つのプレート状の抵抗体材料から多数個のチップ抵抗器を製造することが可能となり、生産性が良い。
【0030】
本願発明の第3の側面により提供されるチップ抵抗器の製造方法は、プレート状またはバー状の抵抗体材料の表面または裏面に、上記導電層を形成する工程と、上記抵抗体材料をチップ状の複数の抵抗体に、打ち抜きまたは切断により分割する工程と、上記チップ状の抵抗体の端部を折り曲げることにより、この抵抗体に折り曲げ片を設ける工程と、を有することを特徴としている。
【0031】
このような構成によっても、プレート状またはバー状の抵抗体材料から、本願発明の第1の側面により提供されるチップ抵抗器を、適切にしかも効率良く生産することができる。また、分割する工程の後に折り曲げ片を形成するために、折り曲げ片が上記分割する工程によって、歪められることを回避することができる。
【0032】
好ましい実施の形態においては、上記導電層を形成する工程は、上記抵抗体材料の表面または裏面に絶縁層をパターン形成する工程と、上記絶縁層が形成された面のうち、上記絶縁層が形成されていない領域に、導電層を形成する工程と、を含んでいる。上記絶縁層のパターン形成は、厚膜印刷により行なうことができる。このような構成によれば、上記絶縁層と上記導電層とを正確な寸法に、しかも効率良く形成することができる。
【0033】
好ましい実施の形態においては、上記導電層の形成は、メッキ処理により行なう。このような構成によれば、上記導電層の厚みを正確に仕上げることができる。
【0034】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0036】
図1〜図3は、本願発明に係るチップ抵抗器の一例を示している。これらの図によく表われているように、本実施形態のチップ抵抗器A1は、2つの折り曲げ片1aを有する抵抗体1、第1および第2の絶縁層2A,2B、および一対の電極3を具備している。
【0037】
図1によく表われているように、抵抗体1は、各部の厚みが一定で、その断面が上方に開いたコの字状の形状を有しており、かつ平面視長矩形状のチップ状の形態をもっている。その具体的な材質としては、Ni−Cu系合金、Cu−Mn系合金、Ni−Cr系合金などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、チップ抵抗器A1のサイズと目標抵抗値に見合った抵抗率をもつ金属材料を適宜選択すればよい。
【0038】
2つの折り曲げ片1aは、抵抗体1の短手方向における両端部において起立するように設けられている。これらの折り曲げ片1aは、後述するように、抵抗体1の短手方向における両端部を上方に向けて90度に折り曲げることにより形成されている。抵抗体1の断面積は、長手方向について均一である。
【0039】
第1および第2の絶縁層2A,2Bは、いずれもエポキシ樹脂系の樹脂製の塗装膜であり、厚膜印刷により形成される。第1の絶縁層2Aは、抵抗体1の裏面10bのうち、一対の電極3間の領域の全体と、2つの折り曲げ片1aのそれぞれの外面10cとを覆うように設けられている。第2の絶縁層2Bは、抵抗体1の表面10aと、2つの折り曲げ片1aのそれぞれの内面10dとを覆うように設けられている。第1および第2の絶縁層2A,2Bは、樹脂製の塗装膜により形成されたものであり、抵抗体1に強固に接着し、かつ柔軟性に優れており、後述するように折り曲げ片1aを形成するために抵抗体1が折り曲げられることによっても、抵抗体1から剥がれたり、破損する虞れが少ない。
【0040】
一対の電極3は、抵抗体1の裏面10bにおいて、この抵抗体1の長手方向に離間して設けられている。これら一対の電極3は、後述するように、たとえば抵抗体1に銅メッキを施すことにより形成されたものである。図2によく表われているように、各電極3の内端面は、第1の絶縁層2Aの両端面20に接している。すなわち、一対の電極3の間の寸法は、第1の絶縁層2Aの両端面20によって規定されており、第1の絶縁層2Aの幅s1と同一の寸法となっている。本実施形態のチップ抵抗器A1は、一対の電極3間の抵抗が、1mΩ〜100mΩ程度の低抵抗のものとして構成されている。各電極3の下面には、ハンダ付け性を良好にするためのハンダ層39が積層して形成されている。
【0041】
次に、チップ抵抗器A1の製造方法の一例について、図4〜図6を参照して説明する。
【0042】
まず、図4(a)に示すように、抵抗体1の材料となる金属製のプレート1Aを準備する。このプレート1Aは、抵抗体1を複数個取り可能な縦横のサイズを有するものであり、全体にわたって厚みの均一化が図られたものである。同図(b)に示すように、このプレート1Aの上向きとした片面10aの全体または略全体には、第2の絶縁層2B’を形成する。この第2の絶縁層2B’の形成は、たとえば、エポキシ樹脂をベタ塗り状に厚膜印刷して行なう。この第2の絶縁層2B’の表面に標印を施す工程を行なってもよい。
【0043】
次いで、同図(c)に示すように、プレート1Aを裏表反転させて上向きとした面10bに、第1の絶縁層2A’を複数の矩形状をした孔部21が縦横に規則的に配置されるようにしてパターン形成する。この第1の絶縁層2A’の形成は、第2の絶縁層2B’の形成に用いたのと同一の樹脂および装置を用いて厚膜印刷により行なう。この厚膜印刷によれば、第1の絶縁層2A’に設けられた複数の孔部21のサイズ、およびこれら複数の孔部21間の寸法を、正確に仕上げることができる。
【0044】
プレート1Aの面10bのうち、第1の絶縁層2A’によって覆われていない領域には、図5(d)に示すように、導電層3A’とハンダ層39A’とを形成する。導電層3A’は電極3の原形となる部分であり、その形成はたとえば銅メッキにより行なう。メッキ処理によれば、導電層3A’と第1の絶縁層2A’との間に隙間を生じさせないようにして、導電層3A’を正確な寸法で形成することが可能である。また、導電層3A’の厚みを所定の寸法に正確に仕上げることができる。ハンダ層39A’の形成は、たとえばメッキ処理によって行なう。
【0045】
上記したメッキ処理後には、図5(d)に示されるプレート1Aを、同図(e)に示すように、仮想線C1で示す箇所を切断することにより分割する。これにより、チップ抵抗器A1が直列に繋がった構成に相当するバー状の抵抗器集合体A1’a(図6(f)に拡大して示す)が得られる。この作業における仮想線C1のピッチは、抵抗器集合体A1’aの幅を決定するものであり、この幅はこの後の切断作業により得られるチップ抵抗器A1の幅となる。チップ抵抗器A1の抵抗値は、この幅によって規定されるものであり、この抵抗値を高精度なものとするために、仮想線C1で示された箇所の切断は精度良く行なわれる。本実施形態においては、一回の上記切断が、複数個のチップ抵抗器A1を精度良く切断することに相当するために、高精度を要する切断作業を少ない回数とすることが可能であり、作業効率の向上に好適である。なお、プレート1Aを切断する手段としては、たとえば、シャー(せん断機)やロータリ式カッターなどを用いることができる。
【0046】
抵抗器集合体A1’aを製造した後には、図6(g)に示すように、この抵抗器集合体A1’aの短手方向における両端部を折り曲げることにより、折り曲げ片を形成する。この作業はたとえば、同図(f)に示す抵抗器集合体A1’aの上記両側端部を仮想線C2において、導電層3A’とは反対側に向けて、90度に折り曲げることにより行なう。これにより、2つの折り曲げ片1a’を備える抵抗器集合体A1’aが得られる。この2つの折り曲げ片1a’は、この後の切断作業によって得られるチップ抵抗器A1の2つの折り曲げ片1aとなるものである。このように抵抗器集合体A1’aの段階で折り曲げを行なえば、複数のチップ抵抗器A1の各折り曲げ片1aに相当する部分の形成が一括して行なわれることとなるために、折り曲げ作業の回数が少なくなり、作業効率がよい。
【0047】
その後、図6(h)に示すように、抵抗器集合体A1’aを切断して複数のチップに分割していく。この作業は、たとえば各導電層3A’を抵抗器集合体A1’aの長手方向において分断するように、同図仮想線C3で示す箇所を切断することにより行なう。これにより、導電層3A’は、チップ抵抗器A1の電極3となるとともに、チップ抵抗器A1の短手方向における両端部には2つの折り曲げ片1aが形成されることとなり、1つの抵抗器集合体A1’aから複数のチップ抵抗器A1が好適に製造される。
【0048】
図7および図8は、打ち抜きによる製造方法の一例を示している。まず、上述した打ち抜きによる製造方法の例と同様の手順により得られた、図5(d)に示されるプレート1Aを、図7に示すように、打ち抜き加工(ブランキング)を繰り返して施し、プレート1Aを複数のチップ状の抵抗体1A’に分割していく。このような打ち抜き作業を繰り返して行なう場合、1つの打ち抜き用型(図示略)を繰り返して使用する。
【0049】
上記打ち抜き作業においては、左右方向において隣り合う2つの電極3A’およびハンダ層39A’のそれぞれが2分割されるように、プレート1Aを打ち抜く。このことによって、チップ状の抵抗体1A’の両端部には、電極3、およびハンダ層39が形成されることとなり、チップ抵抗器A1の基となるチップ抵抗器用部材A1’bが得られることとなる。プレート1Aの打ち抜きは、同図の仮想線で示す複数の打ち抜き領域が微小な間隔s2を隔ててマトリクス状に並んでいくように進めればよい。このチップ抵抗器用部材A1’bの一対の電極3は、それらが離間している方向と垂直な方向における抵抗体1A’の両端面から離れて設けられている。
【0050】
上記打ち抜き作業により、図8(a)に示すチップ抵抗器用部材A1’bが得られた後には、チップ状の抵抗体1A’の一つの電極3が離間している方向と交差する方向における両端部を折り曲げることにより、2つの折り曲げ片1aを形成する。この作業はたとえば、チップ状の抵抗体1A’の上記両端部を仮想線C4において、一対の電極3とは反対側に向けて、90度に折り曲げることにより行なう。これにより、同図(b)に示すように、2つの折り曲げ片1aを備えるチップ抵抗器A1が得られる。
【0051】
プレート1Aを複数の抵抗体1に分割する手段として、打ち抜き手段を採用すれば、抵抗体1の縦横の寸法をほとんど誤差の無い正確な寸法に仕上げることができる。また、打ち抜きを用いた分割する工程の後に折り曲げ片1aを形成するために、折り曲げ片1aが一旦形成された後は、上記分割する工程などによって、折り曲げ片1aに無理な力が加えられることが無い。したがって折り曲げ片1aが歪められることを回避することができる。
【0052】
上述したいずれの製造方法においても、従来技術とは異なり、金属板の一部に切削加工を施すことによって一対の電極を形成するといった必要がなく、さらに折り曲げ片1aの形成においても切削加工は不要である。したがって、製造作業の効率が良く、チップ抵抗器A1のコストをより低減することができる。
【0053】
次にチップ抵抗器A1の作用について説明する。
【0054】
本実施形態においては、チップ抵抗器A1に通電されることにより、抵抗体1に発熱が生じた場合、この熱は、抵抗体1から折り曲げ片1aへと伝えられ、折り曲げ片1aの表面から放熱される。これにより、抵抗体1に発生した熱が効果的に放熱されることとなり、チップ抵抗器A1の温度が過度に上昇することが無く、その温度は安定したものとなる。したがって、この温度に依存する性質を有するチップ抵抗器A1の抵抗値は、大きく変動することが無く、チップ抵抗器A1の性能を安定化させることができる。また、チップ抵抗器A1が高温となることにより、その周辺に実装された他のチップや、回路基板が容易には加熱されない。したがって、これらのチップに誤動作を招くことや、回路基板の導通不良などの不具合を抑制することができる。
【0055】
また、折り曲げ片1aは、抵抗体1を折り曲げることにより形成されており、抵抗体1と一体構造である。したがって、抵抗体1から折り曲げ片1aへの伝熱が接合面の存在などにより妨げられることが無く、チップ抵抗器A1の放熱を高効率なものとするのに有利である。さらに、2つの折り曲げ片1aは、90度に折り曲げることにより形成されているために、側方に大きく突出することが無い。したがって、上記放熱の効果を向上させつつ、チップ抵抗器A1の実装密度を高めることができる。
【0056】
本実施形態においては、2つの折り曲げ片1aが一対の電極3が離間している方向に延びており、この方向における抵抗体1の断面積が均一で大きいものとなっている。抵抗体1の断面積は、部分的に小さくなる箇所が無く、通電される方向の全長において大きいものとなるために、チップ抵抗器A1の低抵抗化を効果的に図ることができる。また、上記断面積の増加に加えて、上記方向の断面は矩形状の形状に比べて剛性の高い形状となるために、チップ抵抗器A1に力が加えられた場合に抵抗体1に生じる曲げ歪みや曲げ応力を抑制することが可能であり、高強度なものとすることができる。しかも、上述したように2つの折り曲げ片1aは抵抗体1と一体構造とされているために、たとえば溶接欠陥などのように接合部が存在する場合に強度低下の虞れとなり得るものが無く、チップ抵抗器A1の高強度化に好適である。
【0057】
このチップ抵抗器A1は、所望の実装対象領域に対し、たとえばハンダリフローの手法を用いて面実装される。このハンダリフローの手法では、実装対象領域に設けられている端子上に各電極3を接触させるようにチップ抵抗器を装填した状態でリフロー炉を利用して加熱する。
【0058】
上記面実装時には、溶融ハンダが上記端子からはみ出す場合がある。ところが、抵抗体1の裏面10bの電極3間の領域は、第1の絶縁層2Aにより覆われているために、抵抗体1のこの領域にハンダが直接付着することはない。したがって、抵抗体1への不当なハンダ付着に起因して抵抗値に大きな誤差が発生しないようにし、チップ抵抗器A1を利用して構成される電気回路に大きな狂いが生じるといったことを適切に解消することができる。
【0059】
また、このチップ抵抗器A1の表面10a,10c,10dは、第1および第2の絶縁層2A,2Bにより覆われている。このような構成によれば、この表面10a,10c,10dと他の部材や機器との間に不当な電気導通が生じることも防止される。
【0060】
このチップ抵抗器A1においては、既述したとおり、抵抗体1の縦横の寸法は、所望の寸法に高い精度で仕上げることが可能である。抵抗体1の厚みについては、プレート1Aの段階から正確に仕上げることができる。また、一対の電極3間の寸法s1は、厚膜印刷によってパターン形成される絶縁層2Aの形成工程において規定することが可能であり、その寸法精度を高めることも容易に達成することができる。したがって、チップ抵抗器A1の定格抵抗値を、目標抵抗値に近づけるのに好適である。
【0061】
また、厚膜印刷によって形成される第1の絶縁層2Aと、メッキ処理によって形成される電極3は、ともに所定の厚みに精度良く仕上げられ、これらの厚みを略同一とすることが可能である。したがって、抵抗体1に過大な曲げ応力が発生することを効果的に抑制することができる。
【0062】
図9〜図17は、本願発明に係るチップ抵抗器の他の実施形態を示している。これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一符号を付している。
【0063】
図9〜図11に示すチップ抵抗器A2は、2つの折り曲げ片1aがそれらの中央付近でさらに折り曲げられており、その長手方向の断面が上向きに開いたC字状の形状を有する構成とされている。さらに、第1の絶縁層2Aは、一対の電極3の厚みと同一となっている。
【0064】
より具体的には、まず2つの折り曲げ部1aは、その中央付近において、抵抗体1の中心に向けて90度に折り曲げられている。本実施形態によれば、抵抗体1の表面積をさらに大きくすることができる。したがって、2つ折り曲げ部1aからの放熱がさらに促進され、チップ抵抗器A2の温度がより安定化される。また、図11によく表われているように、このチップ抵抗器A2の長手方向における断面積は、チップ抵抗器A1と比較してさらに大きくされており、高い剛性なものとなっている。したがって、チップ抵抗器A2のさらなる低抵抗化と高強度化が期待できる。折り曲げ部1aは中央付近において折り曲げられていることにより、抵抗体1の断面積および表面積が増加されているにもかかわらず、チップ抵抗器A2の高さの増加が抑えられているために、チップ抵抗器A2は嵩張ることが無く、その設置スペースの増大を抑制することができる。
【0065】
また、図10によく表われているように、チップ抵抗器A2においては、一対の電極3間の領域を覆う第1の絶縁層2Aの厚みt2は、一対の電極3の厚みt1と同じとされている。本実施形態によれば、たとえば抵抗体1を曲げるような力がチップ抵抗器A2に加えられた場合にも、抵抗体1は一対の電極3と第1の絶縁層2Aとによって支持されることとなる。したがって、チップ抵抗器A2に加えられる力が、一対の電極3と第1の絶縁層2Aとによって適切に負担されて、チップ抵抗器A2を損傷を受けにくいものとすることができる。
【0066】
図12および図13に示すチップ抵抗器A3は、2つの折り曲げ部1aがチップ抵抗器A3の長手方向における両端部に起立するように設けられており、これら折り曲げ部1aの両端面10eを覆うハンダ層39が設けられている。
【0067】
より具体的には、2つの折り曲げ部1aは抵抗体1の長手方向における両端部を、電極3とは反対側に向けて90度に折り曲げることにより形成されている。また、ハンダ層39は、電極3の下面および側面と、2つ折り曲げ片1aのそれぞれの側面10eとを覆うように設けられている。
【0068】
本実施形態においても、2つの折り曲げ部1aにより抵抗体1に発生した熱を効果的に放熱し、チップ抵抗器A3の温度を安定化させることができる。また、チップ抵抗器A3が面実装されるときには、図12および図13の仮想線で示すようなハンダフィレットHfが適切に形成される。したがって、ハンダフィレットHfの存在により、チップ抵抗器A3への通電時に発生する熱がハンダフィレットHfを介して回路基板にも伝わりやすくなり、チップ抵抗器A3の温度上昇をさらに抑制することが期待できる。また、チップ抵抗器A3のハンダ接合強度が高まるとともに、ハンダフィレットHfの有無に基づいてチップ抵抗器の実装の適否を容易に判断することができる。
【0069】
図14および図15に示すチップ抵抗器A4は、2つの折り曲げ部1aがその中央部で折り曲げられた形状とされており、これら折り曲げ部1aの側面10eおよび上面10fがハンダ層39により覆われた構成とされている。
【0070】
本実施形態においては、図14および図15の仮想線で示すように、2つの折り曲げ部1aのそれぞれの側面10eおよび上面10fを利用して、チップ抵抗器A4の長手方向における両端部を包み込むようなハンダフィレットHfが形成される。したがって、ハンダフィレットHfの存在により抵抗体1からの放熱がさらに促進されて、チップ抵抗器A4の温度の安定化に好適である。また、チップ抵抗器A4のハンダ接合をさらに高強度なものとすることができる。
【0071】
図16および図17に示すチップ抵抗器A5,A6は、上述したチップ抵抗器A3,A4と同様に2つの折り曲げ部1aがチップ抵抗器A3の長手方向における両端部に設けられているものであって、一対の電極3が抵抗体1の裏面10bの一部と両端面10eとを覆うように構成されている。このような構成によっても、上述したチップ抵抗器A3,A4の場合と同様の効果を得ることができる。また、一対の電極3はメッキ処理により形成されているために、折り曲げ部1aを形成するための折り曲げの工程によっても、抵抗体1から剥離する虞れが少ない。
【0072】
上記したチップ抵抗器A1〜A6はいずれも2つの折り曲げ片1aを備えているが、本願発明はこれに限らず、たとえば折り曲げ片を1つだけ備える構成としてもよい。また、上記実施形態のように長手方向または短手方向に一体となって延びる折り曲げ片に限らず、たとえば折り曲げ片の長さが、それが延びる方向におけるチップ抵抗器の長さよりも短いものであってもよいし、このような折り曲げ片が、一定の方向において複数個配置された構成としてもかまわない。さらに、これらの折り曲げ片のうちのいくつかを、抵抗体の中心寄りにさらに折り曲げた折り曲げ片としてもよい。
【0073】
上記実施形態においては一対の電極3を備えた構成とされているが、本願発明はこれに限らない。たとえば、二対(4つ)の電極を設けた構成とすることができる。もちろん、二対以上の対をなすようにそれ以上の数の電極3を設けた構成としてもかまわない。電極の総数を多くした場合、たとえばそれらのうちの一部の電極のみを使用するといった使用法も可能である。
【0074】
本願発明に係るチップ抵抗器の各部の具体的な構成は、上記実施形態に限らず、種々に設計変更自在である。本願発明に係るチップ抵抗器は、低抵抗のものとして用いられるのに好適であるが、その抵抗値の具体的な値は限定されない。
【0075】
上記した実施形態における製造方法は、先ずプレート状の抵抗体材料を準備し、これを分割して複数のチップ抵抗器が得られる構成とされているが、本願発明に係る製造方法はこれに限らない。たとえば、プレート状の抵抗体材料を用いるのに代えて、当初からバー状の抵抗体材料を用いてもかまわない。このような構成によれば、製造過程における切断の回数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るチップ抵抗器の一例を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】(a)〜(c)は、図1に示すチップ抵抗器の製造工程の一例の一部を示す斜視図である。
【図5】(d),(e)は、図1に示すチップ抵抗器の製造工程の一例の一部を示す斜視図である。
【図6】(f)〜(h)は、図1に示すチップ抵抗器の製造工程の一例の一部を示す斜視図である。
【図7】図1に示すチップ抵抗器の製造工程の他の例の一部を示す斜視図である。
【図8】(a),(b)は図1に示すチップ抵抗器の製造工程の他の例の一部を示す斜視図である。
【図9】本願発明に係るチップ抵抗器の他の例を示す斜視図である。
【図10】図9のX−X断面図である。
【図11】図9のXI−XI断面図である。
【図12】本願発明に係るチップ抵抗器の他の例を示す斜視図である。
【図13】図12のXIII−XIII断面図である。
【図14】本願発明に係るチップ抵抗器の他の例を示す斜視図である。
【図15】図14のXV−XV断面図である。
【図16】本願発明に係るチップ抵抗器の他の例を示す断面図である。
【図17】本願発明に係るチップ抵抗器の他の例を示す断面図である。
【図18】従来のチップ抵抗器の一例を示す斜視図である。
【図19】(a)〜(e)は、従来のチップ抵抗器の製造方法の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
A1,A2,A3,A4,A5,A6 チップ抵抗器
1 抵抗体
1A プレート
2A 第1の絶縁層
2B 第2の絶縁層
3 電極
10a 表面(抵抗体の)
10b 裏面(抵抗体の)
Claims (17)
- チップ状の抵抗体と、この抵抗体の表裏いずれかの片面に間隔を隔てて設けられた複数の電極と、を備えているチップ抵抗器であって、
上記抵抗体の一部が上記複数の電極とは反対側に折り曲げられた折り曲げ片を備えていることを特徴とする、チップ抵抗器。 - 上記折り曲げ片は、上記抵抗体の一部を、略90度、もしくはそれを超える角度に折り曲げて形成されたものである、請求項1に記載のチップ抵抗器。
- 上記折り曲げ片は、上記複数の電極が離間する方向に延びている、請求項1または2に記載のチップ抵抗器。
- 上記折り曲げ片は、上記抵抗体のうち上記複数の電極が離間する方向と交差する方向における両端部のそれぞれを折り曲げることにより形成されている、請求項3に記載のチップ抵抗器。
- 上記折り曲げ片は、上記抵抗体のうち上記複数の電極が離間する方向における両端部のそれぞれを折り曲げることにより形成されている、請求項1または2に記載のチップ抵抗器。
- 上記折り曲げ片は、上記抵抗体の中心寄りにさらに折り曲げられている、請求項1ないし5のいずれかに記載のチップ抵抗器。
- 上記電極上には、ハンダ層が形成されている、請求項1ないし6のいずれかに記載のチップ抵抗器。
- 上記抵抗体のうち、上記複数の電極が離間する方向における両端面に、上記ハンダ層と一体または別体のハンダ層が形成されている、請求項7に記載のチップ抵抗器。
- 上記抵抗体の上記電極が設けられた面のうち、上記電極間の領域を覆う絶縁層を備えている、請求項1ないし8のいずれかに記載のチップ抵抗器。
- 上記絶縁層の厚みは、上記電極と略同一である、請求項9に記載のチップ抵抗器。
- 上記絶縁層は、厚膜印刷により形成されたものである、請求項9または10に記載のチップ抵抗器。
- バー状の抵抗体材料の表面または裏面に間隔を隔てて並んだ複数の電極が設けられているバー状の抵抗器集合体を作製する工程と、
上記抵抗器集合体の長手方向に延びる端部を折り曲げることにより、この抵抗器集合体に折り曲げ片を設ける工程と、
上記抵抗器集合体をその長手方向の複数箇所において切断することにより、複数のチップ抵抗器に分割する工程と、
を有していることを特徴とする、チップ抵抗器の製造方法。 - 上記バー状の抵抗器集合体を作製する工程は、
プレート状の抵抗体材料の表面または裏面に、間隔を隔てて並んだ複数の導電層を形成する工程と、
これらの工程の後に上記抵抗体材料を上記バー状の抵抗体材料に分割する工程と、
を含んでいる、請求項12に記載のチップ抵抗器の製造方法。 - プレート状またはバー状の抵抗体材料の表面または裏面に、上記導電層を形成する工程と、
上記抵抗体材料をチップ状の複数の抵抗体に、打ち抜きまたは切断により分割する工程と、
上記チップ状の抵抗体の一部を折り曲げることにより、この抵抗体に折り曲げ片を設ける工程と、
を有することを特徴とする、チップ抵抗器の製造方法。 - 上記導電層を形成する工程は、
上記抵抗体材料の表面または裏面に絶縁層をパターン形成する工程と、
上記絶縁層が形成された面のうち、上記絶縁層が形成されていない領域に、導電層を形成する工程と、
を含んでいる、請求項12ないし14のいずれかに記載のチップ抵抗器の製造方法。 - 上記絶縁層のパターン形成は、厚膜印刷により行なう、請求項15に記載のチップ抵抗器の製造方法。
- 上記導電層の形成は、メッキ処理により行なう、請求項12ないし16のいずれかに記載のチップ抵抗器の製造方法。
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-
2003
- 2003-04-18 JP JP2003113955A patent/JP2004319874A/ja active Pending
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