JP2004319557A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリシリコン層をエッチングした際に、ポリシリコン層にサイドエッチによるノッチの発生を抑制できる半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の半導体装置の製造方法は、ゲート酸化膜2上にノンドープトポリシリコン層3を形成し、このポリシリコン層3に不純物イオンを選択的に導入してゲート酸化膜2上にノンドープトポリシリコン層に隣接するドープトポリシリコン層3aを形成し、両方のポリシリコン層3,3aを熱酸化してノンドープトポリシリコン層の表面に熱酸化膜6bを形成すると共にドープトポリシリコン層の表面に熱酸化膜6aを形成し、熱酸化膜6a,6bの上にレジストパターン7を形成し、これをマスクとして熱酸化膜6a,6b、ポリシリコン層3,3aをエッチングした後、ゲート酸化膜とエッチング選択比を有するオーバーエッチングを行う。熱酸化膜6aの厚さは熱酸化膜6bより厚く形成している。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明の半導体装置の製造方法は、ゲート酸化膜2上にノンドープトポリシリコン層3を形成し、このポリシリコン層3に不純物イオンを選択的に導入してゲート酸化膜2上にノンドープトポリシリコン層に隣接するドープトポリシリコン層3aを形成し、両方のポリシリコン層3,3aを熱酸化してノンドープトポリシリコン層の表面に熱酸化膜6bを形成すると共にドープトポリシリコン層の表面に熱酸化膜6aを形成し、熱酸化膜6a,6bの上にレジストパターン7を形成し、これをマスクとして熱酸化膜6a,6b、ポリシリコン層3,3aをエッチングした後、ゲート酸化膜とエッチング選択比を有するオーバーエッチングを行う。熱酸化膜6aの厚さは熱酸化膜6bより厚く形成している。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に係わり、特に、ポリシリコン層をエッチングした際に、ポリシリコン層にサイドエッチによるノッチの発生を抑制できる半導体装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3(a)〜(c)は、従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
まず、図3(a)に示すように、シリコン基板101を熱酸化することにより、該シリコン基板101上にゲート酸化膜102を形成する。次いで、このゲート酸化膜102の上にノンドープトポリシリコン層103をCVD(Chemical Vapor Deposition)法により堆積する。次いで、このノンドープトポリシリコン層103の上にCVD法によりシリコン酸化膜104を堆積する。次いで、このシリコン酸化膜上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、シリコン酸化膜上にはレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとしてシリコン酸化膜をエッチング加工することにより、ノンドープトポリシリコン層103上にはシリコン酸化膜マスク104が形成される。このシリコン酸化膜マスク104は、ドーピング防止膜である。
【0003】
次いで、このシリコン酸化膜マスク104をマスクとしてノンドープトポリシリコン層103にリン等の不純物105をイオン注入する。これにより、抵抗素子形成予定領域のポリシリコン層には不純物105が注入されずノンドープトポリシリコン層103のままとなり、それ以外の領域のポリシリコン層は不純物が注入されたドープトポリシリコン層103aとなる。
【0004】
次に、図3(b)に示すように、シリコン酸化膜マスク104を除去した後、不純物拡散のためのアニール工程を実施する。次いで、ノンドープトポリシリコン層103及びドープトポリシリコン層103aの上にフォトレジスト膜を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、ポリシリコン層103,103aの上にはレジストパターン106が形成される。
【0005】
次いで、このレジストパターン106をマスクとしてノンドープトポリシリコン層103及びドープトポリシリコン層103aの異方性エッチングを開始し、エッチング速度が速いドープトポリシリコン層103aが最後までエッチングされた時点の終点(図3(b)に示す状態)を検出し、その後、ノンドープトポリシリコン層103とゲート酸化膜102との選択比を十分に持たせた等方性エッチングに近いエッチング条件を用いてオーバーエッチングを行う。これにより、図3(c)に示すように、ドープトポリシリコン層及びノンドープトポリシリコン層がパターニングされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、オーバーエッチングの際のエッチング条件は上述したように等方性エッチングに近いものであるため、図3(c)に示すようにノンドープトポリシリコン層103にサイドエッチが生じやすく、ノッチ109が発生することがある。その結果、半導体装置の信頼性が低下することになる。
【0007】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、下地膜上のポリシリコン層をエッチングした際に、ポリシリコン層にサイドエッチによるノッチの発生を抑制できる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る半導体装置の製造方法は、下地膜上にノンドープトポリシリコン層を形成する第1工程と、
前記ノンドープトポリシリコン層に不純物イオンを選択的に導入することにより、前記下地膜上に前記ノンドープトポリシリコン層に隣接するドープトポリシリコン層を形成する第2工程と、
前記ノンドープトポリシリコン層及び前記ドープトポリシリコン層を熱酸化することにより、前記ノンドープトポリシリコン層の表面に第1の熱酸化膜を形成すると共に、前記ドープトポリシリコン層の表面に第2の熱酸化膜を形成する第3工程と、
前記第1の熱酸化膜及び前記第2の熱酸化膜それぞれの上にマスク膜を形成する第4工程と、
前記マスク膜をマスクとして前記第1の熱酸化膜、前記第2の熱酸化膜、前記ノンドープトポリシリコン層及び前記ドープトポリシリコン層をエッチングした後、前記下地膜とエッチング選択比を有するオーバーエッチングを行う第5工程と、
を具備し、
前記第2の熱酸化膜の厚さを前記第1の熱酸化膜の厚さより厚く形成している。
【0009】
上記半導体装置の製造方法によれば、ノンドープトポリシリコン層及びドープトポリシリコン層の両方を熱酸化することにより、ノンドープトポリシリコン層の表面に第1の熱酸化膜を形成すると共に、ドープトポリシリコン層の表面に第2の熱酸化膜を形成する。この際、不純物が注入されているドープトポリシリコン層の酸化が早く進むので、第2の熱酸化膜の厚さを第1の熱酸化膜より厚く形成することができる。従って、両方のポリシリコン層をエッチング加工する際、ドープトポリシリコン層のエッチングの方が速く進むが、ドープトポリシリコン層の第2の熱酸化膜が厚く形成されているため、熱酸化膜の厚さの差の分だけエッチングの進行が遅れる。その結果、両方のポリシリコン層のエッチング加工をほぼ同時に終了させることができ、オーバーエッチングがほとんど必要なくなり、オーバーエッチング量を極めて少なくすることができる。従って、ノンドープトポリシリコン層にサイドエッチによるノッチの発生を抑制できる。
【0010】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法において、前記下地膜は、熱酸化膜又はゲート絶縁膜であることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の製造方法において、前記第1工程乃至第5工程を経て、ノンドープトポリシリコン層からなる抵抗素子が形成され、ドープトポリシリコン層からなる電極配線層が形成されることも可能である。
【0011】
本発明に係る半導体装置は、前記の半導体装置の製造方法により製造されたものである。
本発明に係る半導体装置は、下地膜上に形成されたノンドープトポリシリコン層と、
下地上に形成されたドープトポリシリコン層と、
ノンドープトポリシリコン層の表面に形成された第1の熱酸化膜と、
ドープトポリシリコン層の表面に形成され、第1の熱酸化膜の厚さより厚く形成された第2の熱酸化膜と、
を具備する半導体装置であって、
第1の熱酸化膜及び第2の熱酸化膜それぞれの上にマスク膜を形成し、このマスク膜をマスクとして第1の熱酸化膜、第2の熱酸化膜、ノンドープトポリシリコン層及びドープトポリシリコン層をエッチングした後、前記下地膜とエッチング選択比を有するオーバーエッチングを行う工程を経て製造されることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1(a),(b)及び図2(c)〜(e)は、本発明に係る実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0013】
まず、図1(a)に示すように、シリコン基板1を熱酸化することにより、該シリコン基板1上にゲート酸化膜2を形成する。次いで、このゲート酸化膜2の上に厚さ400nm程度のノンドープトポリシリコン層3をCVD法により堆積する。次いで、このノンドープトポリシリコン層3の上にCVD法によりシリコン酸化膜4を堆積する。次いで、このシリコン酸化膜上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、シリコン酸化膜上にはレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとしてシリコン酸化膜をエッチング加工することにより、ノンドープトポリシリコン層3上にはシリコン酸化膜マスク4が形成される。このシリコン酸化膜マスク4は、ドーピング防止膜である。
【0014】
次いで、このシリコン酸化膜マスク4をマスクとしてノンドープトポリシリコン層3にリンなどの不純物5をイオン注入する。これにより、抵抗素子形成予定領域のポリシリコン層には不純物5が注入されずノンドープトポリシリコン層3のままとなり、それ以外の領域のポリシリコン層は不純物が注入されたドープトポリシリコン層3aとなる。尚、本実施の形態では、シリコン酸化膜マスク4をマスクとしてイオン注入しているが、レジストをマスクとしてイオン注入することも可能である。
【0015】
次に、図1(b)に示すように、シリコン酸化膜マスク4を除去した後、注入した不純物を拡散させるためにアニールを行う。この際、O2ガス又はH2Oガスを加えることにより、ノンドープトポリシリコン層3及びドープトポリシリコン層3aの両方が熱酸化される。これにより、両方のポリシリコン層3a,3の表面に熱酸化膜6a,6bが形成される。不純物の注入されたドープトポリシリコン層3aの熱酸化膜6aの厚さが、不純物の注入されていないノンドープトポリシリコン層3の熱酸化膜6bより厚く形成される。なお、上記熱酸化の条件及び熱酸化膜の厚さは、ドープトポリシリコン層の不純物濃度、ポリシリコン層の厚さなどによって適切な条件及び厚さを適宜選択することが好ましく、例えば、前記熱酸化膜6aの厚さが30nm程度で、前記熱酸化膜6bの厚さが10nm程度である。
【0016】
この後、図2(c)に示すように、熱酸化膜6a,6bの上にフォトレジスト膜を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、熱酸化膜6a,6bの上にはレジストパターン7が形成される。
次いで、レジストパターン7をマスクとして熱酸化膜6a,6b、ノンドープトポリシリコン層3及びドープトポリシリコン層3aをエッチングする。この際のエッチング条件は、熱酸化膜6a,6bとポリシリコン層3,3aとのエッチングレート比を適切に制御したものとする。尚、エッチングガスとしては例えばCl2、HBr又はO2を含むガスを用いても良い。
【0017】
このとき、初めに熱酸化膜6a,6bがエッチングされるが、エッチング前の熱酸化膜の厚さの違い(即ちドープトポリシリコン層3aの熱酸化膜6aの方がノンドープトポリシリコン層3の熱酸化膜6bより膜厚が厚く形成されていること)によりドープトポリシリコン層3aの熱酸化膜6aのエッチングが終了した時点では、図2(c)に示すように、ノンドープトポリシリコン層3はある量のエッチングが進んでいる。
【0018】
その後のエッチングでは、図2(d)に示すように、ドープトポリシリコン層3aのエッチング速度がノンドープトポリシリコン層3のそれより速いため、両方のポリシリコン層3,3aのエッチングはほぼ同時に終了する。その後、オーバーエッチングを行ってドープトポリシリコン層及びノンドープトポリシリコン層がパターニングされる。前記オーバーエッチングがポリシリコン層3,3aとゲート酸化膜2との選択比を十分に持たせた等方性エッチングに近いエッチング条件であっても、その前のエッチングで両方のポリシリコン層3,3aがほぼ同時に終了することにより、オーバーエッチングがほとんど必要なくなり、オーバーエッチング量を非常に少なくすることができる。従って、ノンドープトポリシリコン層3にサイドエッチによるノッチが発生するのを抑制できる。
【0019】
次いで、図2(e)に示すように、レジストパターン7を剥離する。このようにして、ドープトポリシリコン層からなるゲート電極配線層3aが形成されると同時に、ノンドープトポリシリコン層からなる抵抗素子3が形成される。尚、本実施の形態では、ノンドープトポリシリコン層により抵抗素子を形成しているが、抵抗素子に限定されるものではなく、ノンドープトポリシリコン層により他の素子を形成することも可能である。
【0020】
上記実施の形態によれば、ノンドープトポリシリコン層3及びドープトポリシリコン層3aの両方を熱酸化することにより、両方のポリシリコン層3a,3の表面に熱酸化膜6a,6bを形成する。この際、不純物が注入されているポリシリコン層3aの酸化が早く進むので、ドープトポリシリコン層3aの熱酸化膜6aの厚さを、ノンドープトポリシリコン層3のそれより厚く形成することができる。従って、両方のポリシリコン層3,3aをエッチング加工する際、前述したようにドープトポリシリコン層3aのエッチングの方が速く進むが、ドープトポリシリコン層3aの熱酸化膜6aが厚く形成されているため、熱酸化膜の厚さの差の分だけエッチングの進行が遅れる。その結果、両方のポリシリコン層3,3aのエッチング加工をほぼ同時に終了させることができるようになり、オーバーエッチングがほとんど必要なくなり、オーバーエッチング量を極めて少なくすることができる。従って、ノンドープトポリシリコン層3にサイドエッチによるノッチの発生を抑制でき、半導体装置の信頼性を向上できる。
【0021】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図2】実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図3】従来の半導体装置の製造方法を示す断面図。
【符号の説明】
1,101…シリコン基板、2,102…ゲート酸化膜、3,103…ノンドープトポリシリコン層、3a,103a…ドープトポリシリコン層、4,104…シリコン酸化膜、5,105…不純物、6a,6b…熱酸化膜、7,106…レジストパターン、108…エッチング残渣、109…ノッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に係わり、特に、ポリシリコン層をエッチングした際に、ポリシリコン層にサイドエッチによるノッチの発生を抑制できる半導体装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3(a)〜(c)は、従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
まず、図3(a)に示すように、シリコン基板101を熱酸化することにより、該シリコン基板101上にゲート酸化膜102を形成する。次いで、このゲート酸化膜102の上にノンドープトポリシリコン層103をCVD(Chemical Vapor Deposition)法により堆積する。次いで、このノンドープトポリシリコン層103の上にCVD法によりシリコン酸化膜104を堆積する。次いで、このシリコン酸化膜上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、シリコン酸化膜上にはレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとしてシリコン酸化膜をエッチング加工することにより、ノンドープトポリシリコン層103上にはシリコン酸化膜マスク104が形成される。このシリコン酸化膜マスク104は、ドーピング防止膜である。
【0003】
次いで、このシリコン酸化膜マスク104をマスクとしてノンドープトポリシリコン層103にリン等の不純物105をイオン注入する。これにより、抵抗素子形成予定領域のポリシリコン層には不純物105が注入されずノンドープトポリシリコン層103のままとなり、それ以外の領域のポリシリコン層は不純物が注入されたドープトポリシリコン層103aとなる。
【0004】
次に、図3(b)に示すように、シリコン酸化膜マスク104を除去した後、不純物拡散のためのアニール工程を実施する。次いで、ノンドープトポリシリコン層103及びドープトポリシリコン層103aの上にフォトレジスト膜を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、ポリシリコン層103,103aの上にはレジストパターン106が形成される。
【0005】
次いで、このレジストパターン106をマスクとしてノンドープトポリシリコン層103及びドープトポリシリコン層103aの異方性エッチングを開始し、エッチング速度が速いドープトポリシリコン層103aが最後までエッチングされた時点の終点(図3(b)に示す状態)を検出し、その後、ノンドープトポリシリコン層103とゲート酸化膜102との選択比を十分に持たせた等方性エッチングに近いエッチング条件を用いてオーバーエッチングを行う。これにより、図3(c)に示すように、ドープトポリシリコン層及びノンドープトポリシリコン層がパターニングされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、オーバーエッチングの際のエッチング条件は上述したように等方性エッチングに近いものであるため、図3(c)に示すようにノンドープトポリシリコン層103にサイドエッチが生じやすく、ノッチ109が発生することがある。その結果、半導体装置の信頼性が低下することになる。
【0007】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、下地膜上のポリシリコン層をエッチングした際に、ポリシリコン層にサイドエッチによるノッチの発生を抑制できる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る半導体装置の製造方法は、下地膜上にノンドープトポリシリコン層を形成する第1工程と、
前記ノンドープトポリシリコン層に不純物イオンを選択的に導入することにより、前記下地膜上に前記ノンドープトポリシリコン層に隣接するドープトポリシリコン層を形成する第2工程と、
前記ノンドープトポリシリコン層及び前記ドープトポリシリコン層を熱酸化することにより、前記ノンドープトポリシリコン層の表面に第1の熱酸化膜を形成すると共に、前記ドープトポリシリコン層の表面に第2の熱酸化膜を形成する第3工程と、
前記第1の熱酸化膜及び前記第2の熱酸化膜それぞれの上にマスク膜を形成する第4工程と、
前記マスク膜をマスクとして前記第1の熱酸化膜、前記第2の熱酸化膜、前記ノンドープトポリシリコン層及び前記ドープトポリシリコン層をエッチングした後、前記下地膜とエッチング選択比を有するオーバーエッチングを行う第5工程と、
を具備し、
前記第2の熱酸化膜の厚さを前記第1の熱酸化膜の厚さより厚く形成している。
【0009】
上記半導体装置の製造方法によれば、ノンドープトポリシリコン層及びドープトポリシリコン層の両方を熱酸化することにより、ノンドープトポリシリコン層の表面に第1の熱酸化膜を形成すると共に、ドープトポリシリコン層の表面に第2の熱酸化膜を形成する。この際、不純物が注入されているドープトポリシリコン層の酸化が早く進むので、第2の熱酸化膜の厚さを第1の熱酸化膜より厚く形成することができる。従って、両方のポリシリコン層をエッチング加工する際、ドープトポリシリコン層のエッチングの方が速く進むが、ドープトポリシリコン層の第2の熱酸化膜が厚く形成されているため、熱酸化膜の厚さの差の分だけエッチングの進行が遅れる。その結果、両方のポリシリコン層のエッチング加工をほぼ同時に終了させることができ、オーバーエッチングがほとんど必要なくなり、オーバーエッチング量を極めて少なくすることができる。従って、ノンドープトポリシリコン層にサイドエッチによるノッチの発生を抑制できる。
【0010】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法において、前記下地膜は、熱酸化膜又はゲート絶縁膜であることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の製造方法において、前記第1工程乃至第5工程を経て、ノンドープトポリシリコン層からなる抵抗素子が形成され、ドープトポリシリコン層からなる電極配線層が形成されることも可能である。
【0011】
本発明に係る半導体装置は、前記の半導体装置の製造方法により製造されたものである。
本発明に係る半導体装置は、下地膜上に形成されたノンドープトポリシリコン層と、
下地上に形成されたドープトポリシリコン層と、
ノンドープトポリシリコン層の表面に形成された第1の熱酸化膜と、
ドープトポリシリコン層の表面に形成され、第1の熱酸化膜の厚さより厚く形成された第2の熱酸化膜と、
を具備する半導体装置であって、
第1の熱酸化膜及び第2の熱酸化膜それぞれの上にマスク膜を形成し、このマスク膜をマスクとして第1の熱酸化膜、第2の熱酸化膜、ノンドープトポリシリコン層及びドープトポリシリコン層をエッチングした後、前記下地膜とエッチング選択比を有するオーバーエッチングを行う工程を経て製造されることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1(a),(b)及び図2(c)〜(e)は、本発明に係る実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0013】
まず、図1(a)に示すように、シリコン基板1を熱酸化することにより、該シリコン基板1上にゲート酸化膜2を形成する。次いで、このゲート酸化膜2の上に厚さ400nm程度のノンドープトポリシリコン層3をCVD法により堆積する。次いで、このノンドープトポリシリコン層3の上にCVD法によりシリコン酸化膜4を堆積する。次いで、このシリコン酸化膜上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、シリコン酸化膜上にはレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとしてシリコン酸化膜をエッチング加工することにより、ノンドープトポリシリコン層3上にはシリコン酸化膜マスク4が形成される。このシリコン酸化膜マスク4は、ドーピング防止膜である。
【0014】
次いで、このシリコン酸化膜マスク4をマスクとしてノンドープトポリシリコン層3にリンなどの不純物5をイオン注入する。これにより、抵抗素子形成予定領域のポリシリコン層には不純物5が注入されずノンドープトポリシリコン層3のままとなり、それ以外の領域のポリシリコン層は不純物が注入されたドープトポリシリコン層3aとなる。尚、本実施の形態では、シリコン酸化膜マスク4をマスクとしてイオン注入しているが、レジストをマスクとしてイオン注入することも可能である。
【0015】
次に、図1(b)に示すように、シリコン酸化膜マスク4を除去した後、注入した不純物を拡散させるためにアニールを行う。この際、O2ガス又はH2Oガスを加えることにより、ノンドープトポリシリコン層3及びドープトポリシリコン層3aの両方が熱酸化される。これにより、両方のポリシリコン層3a,3の表面に熱酸化膜6a,6bが形成される。不純物の注入されたドープトポリシリコン層3aの熱酸化膜6aの厚さが、不純物の注入されていないノンドープトポリシリコン層3の熱酸化膜6bより厚く形成される。なお、上記熱酸化の条件及び熱酸化膜の厚さは、ドープトポリシリコン層の不純物濃度、ポリシリコン層の厚さなどによって適切な条件及び厚さを適宜選択することが好ましく、例えば、前記熱酸化膜6aの厚さが30nm程度で、前記熱酸化膜6bの厚さが10nm程度である。
【0016】
この後、図2(c)に示すように、熱酸化膜6a,6bの上にフォトレジスト膜を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、熱酸化膜6a,6bの上にはレジストパターン7が形成される。
次いで、レジストパターン7をマスクとして熱酸化膜6a,6b、ノンドープトポリシリコン層3及びドープトポリシリコン層3aをエッチングする。この際のエッチング条件は、熱酸化膜6a,6bとポリシリコン層3,3aとのエッチングレート比を適切に制御したものとする。尚、エッチングガスとしては例えばCl2、HBr又はO2を含むガスを用いても良い。
【0017】
このとき、初めに熱酸化膜6a,6bがエッチングされるが、エッチング前の熱酸化膜の厚さの違い(即ちドープトポリシリコン層3aの熱酸化膜6aの方がノンドープトポリシリコン層3の熱酸化膜6bより膜厚が厚く形成されていること)によりドープトポリシリコン層3aの熱酸化膜6aのエッチングが終了した時点では、図2(c)に示すように、ノンドープトポリシリコン層3はある量のエッチングが進んでいる。
【0018】
その後のエッチングでは、図2(d)に示すように、ドープトポリシリコン層3aのエッチング速度がノンドープトポリシリコン層3のそれより速いため、両方のポリシリコン層3,3aのエッチングはほぼ同時に終了する。その後、オーバーエッチングを行ってドープトポリシリコン層及びノンドープトポリシリコン層がパターニングされる。前記オーバーエッチングがポリシリコン層3,3aとゲート酸化膜2との選択比を十分に持たせた等方性エッチングに近いエッチング条件であっても、その前のエッチングで両方のポリシリコン層3,3aがほぼ同時に終了することにより、オーバーエッチングがほとんど必要なくなり、オーバーエッチング量を非常に少なくすることができる。従って、ノンドープトポリシリコン層3にサイドエッチによるノッチが発生するのを抑制できる。
【0019】
次いで、図2(e)に示すように、レジストパターン7を剥離する。このようにして、ドープトポリシリコン層からなるゲート電極配線層3aが形成されると同時に、ノンドープトポリシリコン層からなる抵抗素子3が形成される。尚、本実施の形態では、ノンドープトポリシリコン層により抵抗素子を形成しているが、抵抗素子に限定されるものではなく、ノンドープトポリシリコン層により他の素子を形成することも可能である。
【0020】
上記実施の形態によれば、ノンドープトポリシリコン層3及びドープトポリシリコン層3aの両方を熱酸化することにより、両方のポリシリコン層3a,3の表面に熱酸化膜6a,6bを形成する。この際、不純物が注入されているポリシリコン層3aの酸化が早く進むので、ドープトポリシリコン層3aの熱酸化膜6aの厚さを、ノンドープトポリシリコン層3のそれより厚く形成することができる。従って、両方のポリシリコン層3,3aをエッチング加工する際、前述したようにドープトポリシリコン層3aのエッチングの方が速く進むが、ドープトポリシリコン層3aの熱酸化膜6aが厚く形成されているため、熱酸化膜の厚さの差の分だけエッチングの進行が遅れる。その結果、両方のポリシリコン層3,3aのエッチング加工をほぼ同時に終了させることができるようになり、オーバーエッチングがほとんど必要なくなり、オーバーエッチング量を極めて少なくすることができる。従って、ノンドープトポリシリコン層3にサイドエッチによるノッチの発生を抑制でき、半導体装置の信頼性を向上できる。
【0021】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図2】実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図3】従来の半導体装置の製造方法を示す断面図。
【符号の説明】
1,101…シリコン基板、2,102…ゲート酸化膜、3,103…ノンドープトポリシリコン層、3a,103a…ドープトポリシリコン層、4,104…シリコン酸化膜、5,105…不純物、6a,6b…熱酸化膜、7,106…レジストパターン、108…エッチング残渣、109…ノッチ
Claims (5)
- 下地膜上にノンドープトポリシリコン層を形成する第1工程と、
前記ノンドープトポリシリコン層に不純物イオンを選択的に導入することにより、前記下地膜上に前記ノンドープトポリシリコン層に隣接するドープトポリシリコン層を形成する第2工程と、
前記ノンドープトポリシリコン層及び前記ドープトポリシリコン層を熱酸化することにより、前記ノンドープトポリシリコン層の表面に第1の熱酸化膜を形成すると共に、前記ドープトポリシリコン層の表面に第2の熱酸化膜を形成する第3工程と、
前記第1の熱酸化膜及び前記第2の熱酸化膜それぞれの上にマスク膜を形成する第4工程と、
前記マスク膜をマスクとして前記第1の熱酸化膜、前記第2の熱酸化膜、前記ノンドープトポリシリコン層及び前記ドープトポリシリコン層をエッチングした後、前記下地膜とエッチング選択比を有するオーバーエッチングを行う第5工程と、
を具備し、
前記第2の熱酸化膜の厚さを前記第1の熱酸化膜の厚さより厚く形成している半導体装置の製造方法。 - 前記下地膜は、熱酸化膜又はゲート絶縁膜である請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1工程乃至第5工程を経て、ノンドープトポリシリコン層からなる抵抗素子が形成され、ドープトポリシリコン層からなる電極配線層が形成される請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法により製造された半導体装置。
- 下地膜上に形成されたノンドープトポリシリコン層と、
下地上に形成されたドープトポリシリコン層と、
ノンドープトポリシリコン層の表面に形成された第1の熱酸化膜と、
ドープトポリシリコン層の表面に形成され、第1の熱酸化膜の厚さより厚く形成された第2の熱酸化膜と、
を具備する半導体装置であって、
第1の熱酸化膜及び第2の熱酸化膜それぞれの上にマスク膜を形成し、このマスク膜をマスクとして第1の熱酸化膜、第2の熱酸化膜、ノンドープトポリシリコン層及びドープトポリシリコン層をエッチングした後、前記下地膜とエッチング選択比を有するオーバーエッチングを行う工程を経て製造されることを特徴とする半導体装置。
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JP2008071951A (ja) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Oki Electric Ind Co Ltd | 半導体装置の製造方法 |
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- 2003-04-11 JP JP2003107357A patent/JP2004319557A/ja not_active Withdrawn
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