JP2004316198A - 機械式駐車装置の制御装置および制御方法 - Google Patents

機械式駐車装置の制御装置および制御方法 Download PDF

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Masahiro Nanba
政浩 難波
Masaaki Kokita
政明 小北
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Abstract

【課題】入庫される車両の車両重量だけでなく、車両総重量や重量バランスをも考慮した制御を行うことにより、駐車装置の円滑な運転制御と長寿命化を図った機械式駐車装置の制御装置を提供する。
【解決手段】入庫される車両の車両重量を検出するロードセル29を備える。ロードセル29により車両の入庫毎に車両重量を検出し、車両の入出庫毎にその車両重量を加減算して格納されている車両総重量を求める。入出庫毎にその車両重量を加減算して左側駐車棚に格納されている左棚車両総重量および右側駐車棚に格納されている右棚車両総重量を求め、新たに入庫される車両重量が制限重量以下かどうかを判断すると共に、車両総重量に新たに入庫される車両重量を加算した車両総重量が車両総重量設定許容値以下かどうかを判断し、入庫可能であれば、左棚車両総重量と右棚車両総重量を比較して総重量の少ない方の駐車棚に優先的に格納制御する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、昇降路に沿って昇降操作される昇降台を備えた機械式駐車装置の制御装置および制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、機械式駐車装置の運転制御が円滑に行えるように、入庫される車両の車両重量を車長からの換算や荷重検出器等により検出して、制限重量以下かどうかを判断し、制限重量以下であれば入庫を許可し、そうでなければ入庫を制限するように制御した駐車装置がある(例えば、特許文献1、2、3、4参照。)。
【0003】
また、この種の駐車装置における駐車塔等の駐車構造物は、制限重量としての最大積載車重の車両重量を有する車両が収容可能台数分、格納することを想定して設計すれば、強度的な問題は生じないが、非現実的で、必要以上に頑強な構造物となり、設備費の高騰を招く原因ともなる。そこで、一般的には、過去の駐車装置における入庫状況から割り出した平均積載車重に基づいて構造物の強度設計を行っている。
【0004】
そして、新たに入庫される車両の車両重量と格納されている車両との総重量、即ち車両総重量が予め設定された設定許容値と比較して大きいか小さいかを判断して、新たに入庫される車両の入庫を許可するかしないかを制御している駐車装置もある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
実用新案登録第2553849号公報
【特許文献2】
実公平8−8204号公報
【特許文献3】
実開平6−78538号公報
【特許文献4】
実公昭59−2262号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
また、垂直循環式駐車装置のように入庫する車両がケージに収容されて循環移動される方式にあっては、入庫される車両の重量制限や車両総重量による制限を図るだけでなく、特許文献1や特許文献2に開示のように、各ケージの循環移動時の重量バランスを考慮して、車両が入庫される空ゲージの選択を制御する方式のものもある。
【0007】
これに対して、特許文献3に開示のように、車両が格納される駐車室が移動しない方式、いわゆるエレベータ式の駐車装置にあっては、入庫される車両の車両重量が制限重量以下かどうかの制御を行っているだけであり、格納されている車両の車両総重量や重量バランスを考慮した車両の入出庫制御を行っていないのが現状である。
【0008】
そこで、本発明は上記点に鑑み、車両が格納される部分が移動しない方式の駐車装置であっても、入庫される車両の車両重量だけでなく、車両総重量、さらには重量バランスをも考慮した制御を行うことにより、駐車装置の円滑な運転制御と長寿命化を図った機械式駐車装置の制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための制御装置の技術的手段は、車両が乗降操作されると共に昇降路に沿って昇降操作される昇降台と、昇降路の左右両側に沿ってそれぞれ配置された車両格納用の左側駐車棚および右側駐車棚とを備え、入出庫階に呼び出された昇降台上に車両を搭載して所定の駐車棚に格納する機械式駐車装置の制御装置において、入庫される車両の車両重量を検出する荷重検出器を備え、前記荷重検出器により車両の入庫毎に車両重量を検出し、車両の入出庫毎にその車両重量を加減算して格納されている車両総重量を求め、新たに入庫される車両重量が制限重量以下かどうかを判断すると共に、前記車両総重量に新たに入庫される車両重量を加算した車両総重量が車両総重量設定許容値以下かどうかを判断する制御部を備えている点にある。
【0010】
また、前記制御部は、さらに前記入出庫毎にその車両重量を加減算して前記左側駐車棚に格納されている左棚車両総重量および前記右側駐車棚に格納されている右棚車両総重量を求め、入庫可能であれば、前記左棚車両総重量と前記右棚車両総重量を比較して総重量の少ない方の駐車棚に優先的に格納制御する構造としてもよい。
【0011】
さらに、前記荷重検出器を前記昇降台に設けた構造としてもよい。
【0012】
また、車高の異なる前記車両が混在して格納可能とされた構造としてもよい。
【0013】
さらに、前記車両の方向転換を行うための旋回装置が設けられた構造としてもよい。
【0014】
また、上記目的を達成するための制御方法の技術的手段は、車両が乗降操作されると共に昇降路に沿って昇降操作される昇降台と、昇降路の左右両側に沿ってそれぞれ配置された車両格納用の左側駐車棚および右側駐車棚とを備え、入出庫階に呼び出された昇降台上に車両を搭載して所定の駐車棚に格納する機械式駐車装置の制御方法において、備えられた荷重検出器により車両の入庫毎に入庫する車両の車両重量を検出し、車両の入出庫毎にその車両重量を加減算して格納されている車両総重量を求め、新たに入庫される車両重量が制限重量以下かどうかを判断すると共に、前記車両総重量に新たに入庫される車両重量を加算した車両総重量が車両総重量設定許容値以下かどうかを判断する点にある。
【0015】
さらに、前記機械式駐車装置の制御方法において、前記入出庫毎にその車両重量を加減算して前記左側駐車棚に格納されている左棚車両総重量および前記右側駐車棚に格納されている右棚車両総重量を求め、入庫可能であれば、前記左棚車両総重量と前記右棚車両総重量を比較して総重量の少ない方の駐車棚に優先的に格納制御する方法としてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明すると、図1ないし図3は機械式駐車装置の一例としてのエレベータ式駐車装置1を示しており、その駐車構造物2は、鉄骨トラス構造とされた鉄塔3や適所に立設されて鉄塔3に支持固定された複数の主棚柱4・副棚柱5等を備え、その外周面には化粧板としての外装板6が装着されている。
【0017】
駐車構造物2内の中央部には、上下方向に延びる昇降路7が備えられると共に、この昇降路7に沿って昇降操作自在に昇降台8が備えられている。そして、昇降路7に沿った左右両側のスペースには、車両10を収容して格納する複数段の車両格納用の左側駐車棚11Lおよび右側駐車棚11Rがそれぞれ階層状に配置されている。
【0018】
これら各駐車棚11L、11Rは、駐車構造物2を構成する前記各主棚柱4・副棚柱5にそれぞれ支持固定されており、また、車高の異なる車両10が混在して格納可能とすべく、高さ空間が一般的な普通車SR用とされた駐車棚11L、11Rと、高さ空間がハイルーフ車HR用とされた駐車棚11L、11Rとをそれぞれ備えた構造とされている。
【0019】
さらに、各駐車棚11L、11Rには、それぞれ車両搭載用のパレット12が載置されており、各駐車棚11L、11Rと前記昇降台8との相互間で各パレット12は移載操作自在とされ、車両10はパレット12に載置されたまま駐車棚11L、11Rに格納される構造とされている。
【0020】
前記昇降台8は、図4や図5にも示される如く、略矩形状に枠組み構成された昇降フレーム14を備え、昇降フレーム14における四隅部分が各々吊り下げ索体としての4本のワイヤロープ15によって吊り下げられている。これら4本のワイヤロープ15は、それぞれ駐車構造物2の天井部に設けられた各そらせシーブ16を経た後、巻上げ駆動機構17の駆動車17aに向けて一個所に集められ、さらに下方へ引き出されてカウンタウエイト18に連結されている。
【0021】
そして、巻上げ駆動機構17の正逆駆動により、駆動車17aが正逆回転駆動操作され、各ワイヤロープ15が巻上げ、巻下ろしされて、昇降台8が昇降操作されるように構成されている。ここに、これらワイヤロープ15、そらせシーブ16、巻上げ駆動機構17等により昇降台8を昇降操作する昇降装置が構成されている。
【0022】
また、昇降台8には、図4や図5に示される如く、各駐車棚11L、11Rとの相互間でパレット12の移載操作を行うためのパレット移載装置19および、パレット12上に搭載された車両10の方向転換を行うための旋回装置としてのパレット旋回装置20が設けられている。
【0023】
これらパレット移載装置19やパレット旋回装置20は、特開2003−49555号公報に開示されている構造と同様の構造が採用されており、その詳細な説明は省略する。即ち、パレット旋回装置20は、テーブル基台22上に水平面内においてベアリング23を介して旋回可能に支持された旋回テーブル24を備え、前記テーブル基台22は、昇降台8に相対的に上下動可能に支持されている。
【0024】
また、昇降フレーム14には、アーム機構駆動装置25およびアーム機構駆動装置25によって駆動されるアーム機構26、さらにはパレット12を横行案内するレール27が備えられている。
【0025】
さらに、旋回テーブル24における矩形状に構成された本体24aの四隅上面には、パレット受部28がそれぞれ備えられており、各パレット受部28上にパレット12が載置される構造とされている。また、パレット12が載置される各パレット受部28の上面側には、搭載される車両10の重量を検出するための荷重検出器としてのロードセル29がそれぞれ装着されている。
【0026】
そして、図4に示される如く、車両10がパレット12に対して乗降操作される入出庫階としての地上階に備えられたピット31の床面に昇降台8が着床すると共に、アーム機構26に設けられた係合突起26aが旋回テーブル24に設けられた被係合部24bに係合した状態とされており、この状態でアーム機構駆動装置25が駆動されると、上下方向の軸心回りにアーム機構26が旋回駆動され、このアーム機構26の旋回に伴って旋回テーブル24も旋回される。ここに、旋回テーブル24の各パレット受部28上に載置されたパレット12の方向転換を行い、パレット12上の車両10は方向転換される構造とされている。
【0027】
また、図5に示される如く、ピット31の床面より上方に昇降台8が上昇操作された状態においては、昇降フレーム14に対してテーブル基台22が相対的に下降した状態とされ、パレット受部28に設けられた係合片24cが昇降フレーム14に設けられた被係合部14aに係合した状態とされている。この際、昇降フレーム14に設けられたレール27はパレット12に設けられた車輪32に当接して、パレット12を各パレット受部28から上方に浮き上がらせた状態で保持している。また、アーム機構26の係合ローラ26bは、パレット12の被係合溝12aに係合されている。
【0028】
この状態でアーム機構駆動装置25が駆動されると、アーム機構26の各アームが旋回駆動され、係合ローラ26bを左右方向に直線移動させ、ここに、係合ローラ26bに係合するパレット12は横行移動され、駐車棚11L、11R側のレール上に移載操作される構造とされている。また、駐車棚11L、11Rからパレット12を昇降台8上に移載する際には、上記と逆の動作により移載される。
【0029】
また、図2、図3、図6に示される如く、駐車装置1の地上階には、車両10が出入する入出庫口33が備えられ、入出庫口33には入出庫口扉34が開閉操作自在に備えられている。さらに、入出庫口33の上方および入出庫口33に対向する駐車構造物2内の壁面には、電光表示等による案内表示板35、36が備えられており、駐車装置1内の案内表示板36には音声案内等を行うためのスピーカが備えられている。
【0030】
地上階における昇降路7の両側には、パレット12の旋回に支障がない高さ位置に乗降デッキ37が備えられ、乗降床を構成している。
【0031】
入出庫口33の一側部には、この駐車装置1を運転制御するための運転操作盤39が備えられており、図7に示される如く、運転操作盤39には電源を入り切りするための電源スイッチ40、利用者等が利用する際に自己ID番号等の各種操作情報を入力するテンキー41、音声案内や警報器を兼ねたスピーカ42、緊急停止スイッチ43、情報表示用の液晶等からなる表示部44等が備えられている。
【0032】
また、駐車装置1を運転制御する制御部としての制御装置45を備え、制御装置45は、CPU45aやメモリ45b等を備えてなり、運転操作盤39からの操作信号等に応じて、昇降台8の昇降制御、パレット移載装置19によるパレット12の移載制御、パレット旋回装置20による旋回制御、ロードセル29による車両10の重量検出制御、入出庫口扉34の開閉制御、異常時にスピーカ42等から警報を発する警報器制御等を行っている。
【0033】
次に、この駐車装置1における車両10の入出庫動作を図8ないし図10に示されるフローチャートに基づき説明する。
【0034】
先ず、入出庫の呼び操作があったかどうかが判断され(ステップS1)、呼び操作があれば、呼び操作が入庫かどうかが判断され(ステップS2)、入庫であればステップS3に移行して、車両10がハイルーフ車HRかどうかが判断される。この際、車両10がハイルーフ車HRかどうかは、入出庫口33前に適宜配置された光センサ等の検出器により車両10の高さを検出する方法や、利用者がテンキー41から入力する方法等を状況に応じて適宜、採用すればよい。
【0035】
そして、ステップS3において入庫車両10が普通車SRであれば、現時点における各左側駐車棚11Lに格納されている車両10の総重量である左棚車両総重量LWが、現時点における各右側駐車棚11Rに格納されている車両10の総重量である右棚車両総重量RWと比較して以下かどうかが判断され(ステップS4)、左棚車両総重量LWが右棚車両総重量RW以下であれば、左側駐車棚11Lに普通車SR用の空パレット12があるかどうかが判断される(ステップS5)。
【0036】
ステップS5において、普通車SR用の空パレット12があれば、左側駐車棚11Lから普通車SR用の空パレット12が呼出され(ステップS6)、その後、入出庫階に空パレット12が到着したかどうかが判断される(ステップS16)。
【0037】
また、ステップS4において、左棚車両総重量LWが右棚車両総重量RWよりも重い場合には、右側駐車棚11Rに普通車SR用の空パレット12があるかどうかが判断される(ステップS7)。そして、普通車SR用の空パレット12があれば、右側駐車棚11Rから普通車SR用の空パレット12が呼出され(ステップS8)、入出庫階に空パレット12が到着したかどうかが判断される(ステップS16)。
【0038】
さらに、ステップS5において、左側駐車棚11Lに普通車SR用の空パレット12がなければ、ステップS7に移行し、ステップS7においても、右側駐車棚11Rに普通車SR用の空パレット12がなければ、ステップS10に移行して、左側駐車棚11Lにハイルーフ車HR用の空パレット12があるかどうかが判断され、ハイルーフ車HR用の空パレット12があれば、左側駐車棚11Lからハイルーフ車HR用の空パレット12が呼出され(ステップS11)、ステップS16に移行する。
【0039】
また、ステップS10において、ハイルーフ車HR用の空パレット12がなければ、ステップS12に移行して、右側駐車棚11Rにハイルーフ車HR用の空パレット12があるかどうかが判断され、ハイルーフ車HR用の空パレット12があれば、右側駐車棚11Rからハイルーフ車HR用の空パレット12が呼出され(ステップS13)、ステップS16に移行する。
【0040】
そして、ステップS12において、右側駐車棚11Rにハイルーフ車HR用の空パレット12がなければ、案内表示板35や表示部44に「入庫不可」の案内表示がなされ(ステップS14)(スピーカ42による音声案内であってもよい)、入出庫の呼び操作の登録が解除される(ステップS15)。
【0041】
前記ステップS3において、入庫車両10がハイルーフ車HRであれば、ステップS9に移行して、現時点における左棚車両総重量LWが、現時点における右棚車両総重量RWと比較して以下かどうかが判断され、左棚車両総重量LWが右棚車両総重量RW以下であれば、左側駐車棚11Lにハイルーフ車HR用の空パレット12があるかどうかが判断される(ステップS10)。
【0042】
そして、ステップS10において、ハイルーフ車HR用の空パレット12があれば、左側駐車棚11Lからハイルーフ車HR用の空パレット12が呼出され(ステップS11)、その後、入出庫階に空パレット12が到着したかどうかが判断される(ステップS16)。
【0043】
また、ステップS10において、ハイルーフ車HR用の空パレット12がなければ、ステップS12に移行して、右側駐車棚11Rにハイルーフ車HR用の空パレット12があるかどうかが判断され、ハイルーフ車HR用の空パレット12があれば、右側駐車棚11Rからハイルーフ車HR用の空パレット12が呼出され(ステップS13)、ステップS16に移行する。
【0044】
そして、ステップS12において、右側駐車棚11Rにハイルーフ車HR用の空パレット12がなければ、ステップS14に移行して上記同様の処理がなされる。
【0045】
また、ステップS9において、左棚車両総重量LWが右棚車両総重量RWよりも重い場合には、ステップS12に移行して、右側駐車棚11Rにハイルーフ車HR用の空パレット12があるかどうかが判断され、ハイルーフ車HR用の空パレット12があれば、右側駐車棚11Rからハイルーフ車HR用の空パレット12が呼出され(ステップS13)、ステップS16に移行する。
【0046】
そして、ステップS12において、右側駐車棚11Rにハイルーフ車HR用の空パレット12がなければ、ステップS14に移行して上記同様の処理がなされる。
【0047】
ステップS16において、呼出された空パレット12が入出庫階に到着すれば、入出庫口33における入出庫口扉34が開操作され(ステップS17)、利用者は、車両10を運転して昇降台8上に搭載されている空パレット12に乗込む(ステップS18)。
【0048】
その後、ステップS19に移行して、入出庫階に適宜備えられた光センサ等からなる検出器により、車両10が正規位置に停車しているかどうかが判断され、正規位置に停車していない場合には、案内表示板36による表示やそれに備えられたスピーカによる音声案内により、正規位置に停車するよう利用者に報知する。そして、車両10が正規位置に停車している場合には、車両10からの降車および駐車装置1内からの退場の案内表示を案内表示板36等により行う(ステップS20)。
【0049】
そして、検出器等の検出結果に基づき、利用者が駐車装置1内から退場したかどうかが判断され(ステップS21)、退場すれば入出庫口扉34が閉操作される(ステップS22)。
【0050】
その後、ステップS23に移行して、入庫する車両10の車両重量W がロードセル29により検出されて取込まれる。この車両重量W の検出方法としては例えば、パレット12に対する車両10の乗込みの前後の重量差を各ロードセル29により検出し、検出した荷重の合計に対応した荷重信号を出力すればよく、前記特許文献3、実開平6−53573号公報、特開平6−32564号公報等に開示の従来の検出方法や処理方法を適宜採用すればよい。
【0051】
次に、検出された車両重量W が搬送および駐車可能な制限重量W10以下かどうかが判断され(ステップS24)、入庫する車両10の車両重量W が制限重量W10以下であれば、現時点において格納されている各車両10の車両総重量Wに新たに入庫される車両重量W を加算して仮車両総重量Wを演算し(ステップS25)、この仮車両総重量Wが、駐車装置1において予め設定された車両総重量設定許容値Ws以下かどうかが判断される(ステップS26)。
【0052】
この際、この仮車両総重量Wが車両総重量設定許容値Ws以下であれば、案内表示板35や表示部44に「入庫可」の案内表示がなされ(ステップS27)、仮車両総重量Wが新たな車両総重量Wとして更新登録されると共に、格納される駐車棚11L、11Rに応じて左棚車両総重量LWもしくは右棚車両総重量RWが更新登録される(ステップS28)。
【0053】
そして、昇降台8が上昇し、元の駐車棚11L、11Rに車両10が入庫したパレット12を移載して格納する(ステップS29)。この際、昇降台8はその階で、次の入出庫の呼び操作があるまで待機する。
【0054】
また、ステップS24において、入庫する車両10の車両重量W が制限重量W10よりも重い場合には、ステップS30に移行して、「入庫不可」「退場」の案内表示が案内表示板35や表示部44になされ(もしくはスピーカ42により音声案内され)、入出庫口扉34が開操作される(ステップS31)。
【0055】
そして、入出庫口扉34が開けば、利用者はパレット12上の車両10に乗込み、駐車装置1内より車両10を退場させる(ステップS32)。そして、車両10が退場されたかどうかが検出され、車両10の退場を検出すれば、入出庫口扉34が閉操作され(ステップS34)、ピット31の昇降台8は上昇して元の駐車棚11L、11Rに空パレット12を格納する(ステップS35)。その後、昇降台8はその階で、次の入出庫の呼び操作があるまで待機する。
【0056】
また、ステップS2において、呼び操作が入庫でなく、出庫であれば、ステップS40に移行して、出庫要求のパレット12が呼出され、呼出されたパレット12が入出庫階に到着したかどうかが判断される(ステップS41)。
【0057】
そして、入出庫階にパレット12が到着すれば、パレット旋回装置20の駆動により、パレット12は180度旋回操作されて、搭載車両10の方向転換がなされ、車両10の向きが入出庫口33方向に向けられる(ステップS42)。
【0058】
このパレット旋回装置20による方向転換が終了すると、入出庫口扉34が開操作され(ステップS43)、利用者は駐車装置1内に入って車両10に乗込み、前進運転で退場する(ステップS44)。
【0059】
その後、出庫が完了したかどうかが判断され(ステップS45)、検出器による検出により出庫が検出されると、入出庫口扉34が閉操作され(ステップS46)、車両総重量Wから記憶されている出庫した車両重量W が減算されて新たな車両総重量Wとして更新登録されると共に、出庫した駐車棚11L、11Rに応じて左棚車両総重量LWもしくは右棚車両総重量RWが更新登録される(ステップS47)。
【0060】
そして、出庫した車両10はハイルーフ車HR用のパレット12に搭載されていたかどうかが判断され(ステップS48)、ハイルーフ車HR用のパレット12であれば、次の入庫要求がハイルーフ車HRである確率が低いため、元の駐車棚11L、11R位置に昇降台8を上昇させ、その空パレット12を元の駐車棚11L、11Rに移載して格納する(ステップS49)。この際、昇降台8はその階で、次の入出庫の呼び操作があるまで待機する。
【0061】
また、ステップS48において、出庫したパレット12が普通車SR用であれば、次の入庫要求が普通車SRである確率が高いため、そのまま入出庫階で待機する。
【0062】
本実施形態は以上のように構成されており、車両10の入庫毎にその車両10の車両重量W を検出し、その車両重量W が制限重量W10以下かどうかにより入庫可能かどうかを判断する制御を行っているため、昇降台8の昇降操作時における過負荷を有効に防止でき、駐車装置1の円滑な運転制御が確保できる。
【0063】
また、車両10の入出庫毎にその車両10の車両重量W を加減算して駐車装置1内に格納されている車両総重量Wをを求めると共に、車両10の入出庫毎にその車両重量W を加減算して左側駐車棚11Lに格納されている左棚車両総重量LWおよび右側駐車棚11Rに格納されている右棚車両総重量RWを求め、新たに入庫される車両10の車両重量W が制限重量W10以下かどうかを判断すると共に、車両総重量Wに新たに入庫される車両重量W を加算した車両総重量Wが車両総重量設定許容値Ws以下かどうかを判断し、入庫可能であれば、左棚車両総重量LWと右棚車両総重量RWを比較して総重量の少ない方の駐車棚11L、11Rに優先的に格納制御する制御方法であるため、左右両側の駐車棚11L、11Rの重量バランスを良好に確保でき、駐車構造物2に対するアンバランスなな負荷の作用を有効に防止して、駐車装置1の長寿命化が図れる。
【0064】
さらに、ロードセル29を設置する簡単な構造の追加と上記のような簡単な制御の付加により容易に提供できる利点もある。
【0065】
また、ロードセル29を昇降台8に設けた構造であり、昇降台8を上昇退避させておくことにより、水害時等における水の侵入によるロードセル29の損傷が有効に防止できる。
【0066】
さらに、車高の異なる車両10、即ち普通車SRとハイルーフ車HRとが混在して格納可能とされているため、使い勝手に優れる利点もある。
【0067】
また、昇降台8にパレット旋回装置20を設ける構成であり、別途、パレット旋回装置20を設置するためのスペースも不要で、省スペース化が図れると共に、車両10の入庫時および出庫時に際して、常に、車両10の前進操作だけで行えるため、この点からも使い勝手に優れる利点がある。
【0068】
なお、ステップS48およびステップS49により、出庫時において、パレット12が普通車SR用の場合には、車両10が乗降操作される入出庫階で昇降台8がそのまま待機し、パレット12がハイルーフ車HR用の場合には、元の駐車棚11L、11Rに戻すように制御した場合を示しているが、ハイルーフ車HR用のパレット12であっても入出庫階で昇降台8が待機する制御方法であってもよい。
【0069】
この場合、次の入庫車両10が普通車SRであっても、そのパレット12上に乗込みハイルーフ車HR用の駐車棚11L、11Rに格納させる制御方法を採用してもよい。
【0070】
また、上記実施形態において、ロードセル29を各パレット受部28に備えた構造を示しているが、パレット12に対する車両10の乗込みの前後の重量差で車両重量W を測ることができれば、どの部位にロードセル29を設けてもよく、旋回テーブル24の本体24aとベアリング23に支持された支持板24dとの相互間にロードセル29を装着する構造であってもよい。そして、必ずしも旋回テーブル24に設ける必要はなく、例えば、ピット31の床面にロードセル29を設置し、昇降台8がピット31の床面に着床したときに、テーブル基台22下端の座板22aもしくは脚部下端面22bがロードセル29に当接する構造としてもよく、何ら限定されない。
【0071】
さらには、荷重検出器としてロードセル29を使用した構造を示しているが、特開平3−238278号公報等に開示のようにその他のひずみゲージ方式や、特開平7−215635号公報に開示のようにその他の装置により入庫する車両10の車両重量W を検出する構造であってもよい。
【0072】
また、塔状の駐車構造物2内で車両10の車両重量W を検出する場合に限られず、実公昭59−2262号公報に開示のように、塔外の入出庫口33手前において車両重量検出台(旋回機能を有していても、有していなくてもよい)を設け、これにより駐車装置1に対する入庫車両10の車両重量W の検出し、制限重量W10による重量規制や、車両総重量Wや車両総重量設定許容値Wsによる重量制限、左右の駐車棚11L、11Rの重量バランスを考慮したパレット12の選択制御を行う構造であってもよい。
【0073】
さらに、パレット旋回装置20は、180度旋回する構造を示しているが、入出庫口33が駐車構造物2の側部に配置された構造の場合には、90度旋回する制御方式とすればよい。
【0074】
また、車高の異なる普通車SRとハイルーフ車HRとをミックスで格納可能な駐車装置1を示しているが、普通車SRのみ、あるいはハイルーフ車HRのみを格納する方式であってもよい。
【0075】
さらに、昇降台8にパレット旋回装置20を搭載した構造とされているが、昇降台8と分離して、パレット旋回装置20を入出庫階のピット31に設置する構造としてもよい。また、ピット31に旋回機能を有さない乗込み台を配置すると共にこの乗込み台に荷重検出器を設け、昇降台8によって搬送されたパレット12をこの乗込み台上に載せ、車両10のパレット12に対する乗込み時に車両重量W を検出する構造としてもよい。
【0076】
さらに、パレット12を使用した駐車装置1を示しているが、昇降台8に搭載されたコンベヤ上に直接、車両10を載せる方式や、昇降台8に形成された櫛歯フォーク上に車両10のタイヤを載せる方式や、昇降台8に形成した各前後1対のスライドフォークで車両10の各タイヤを挟持する方式等のパレット12を使用しないいわゆるパレットレス方式の駐車装置であってもよい。
【0077】
また、入出庫階が地上階とされた構造の駐車装置1を示しているが、地上階以外の2階等が入出庫階とされる構造であってもよく、上記実施形態に何ら限られない。
【0078】
【発明の効果】
以上のように、本発明の機械式駐車装置の制御装置および制御方法によれば、入庫される車両の車両重量を検出する荷重検出器を備え、荷重検出器により車両の入庫毎に車両重量を検出し、車両の入出庫毎にその車両重量を加減算して格納されている車両総重量を求め、新たに入庫される車両重量が制限重量以下かどうかを判断すると共に、前記車両総重量に新たに入庫される車両重量を加算した車両総重量が車両総重量設定許容値以下かどうかを判断するものであり、荷重検出器設置の簡単な機構と簡単な制御の付加により、入庫される車両の車両重量だけでなく、車両総重量も考慮した制御を行え、駐車装置の円滑な運転制御と長寿命化を有効に図ることができる。
【0079】
また、入出庫毎にその車両重量を加減算して左側駐車棚に格納されている左棚車両総重量および右側駐車棚に格納されている右棚車両総重量を求め、入庫可能であれば、左棚車両総重量と右棚車両総重量を比較して総重量の少ない方の駐車棚に優先的に格納制御することにより、重量バランスをも考慮した制御を行え、駐車装置の円滑な運転制御とより長寿命化を図ることができる。
【0080】
さらに、荷重検出器を昇降台に設けた構造とすれば、水害時等における水の侵入による荷重検出器の損傷が有効に防止できる。
【0081】
また、車高の異なる前記車両が混在して格納可能とされた構造や車両の方向転換を行うための旋回装置が設けられた構造とすれば、使い勝手に優れるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るエレベータ式駐車装置の外装板を一部除去した外観斜視図である。
【図2】同一部断面正面図である。
【図3】図2のIII−III線断面拡大矢視図である。
【図4】同昇降台が入出庫階に到着した状態の断面図である。
【図5】同昇降台が上昇した状態の断面図である。
【図6】同入出庫口部分の正面図である。
【図7】同制御ブロック図である。
【図8】入出庫動作のフローチャートである。
【図9】入出庫動作のフローチャートである。
【図10】入出庫動作のフローチャートである。
【符号の説明】
1 エレベータ式駐車装置
2 駐車構造物
7 昇降路
8 昇降台
10 車両
11L 左側駐車棚
11R 右側駐車棚
12 パレット
19 パレット移載装置
20 パレット旋回装置
29 ロードセル
45 制御装置

Claims (7)

  1. 車両が乗降操作されると共に昇降路に沿って昇降操作される昇降台と、昇降路の左右両側に沿ってそれぞれ配置された車両格納用の左側駐車棚および右側駐車棚とを備え、入出庫階に呼び出された昇降台上に車両を搭載して所定の駐車棚に格納する機械式駐車装置の制御装置において、
    入庫される車両の車両重量を検出する荷重検出器を備え、
    前記荷重検出器により車両の入庫毎に車両重量を検出し、車両の入出庫毎にその車両重量を加減算して格納されている車両総重量を求め、新たに入庫される車両重量が制限重量以下かどうかを判断すると共に、前記車両総重量に新たに入庫される車両重量を加算した車両総重量が車両総重量設定許容値以下かどうかを判断する制御部を備えていることを特徴とする機械式駐車装置の制御装置。
  2. 前記制御部は、さらに前記入出庫毎にその車両重量を加減算して前記左側駐車棚に格納されている左棚車両総重量および前記右側駐車棚に格納されている右棚車両総重量を求め、入庫可能であれば、前記左棚車両総重量と前記右棚車両総重量を比較して総重量の少ない方の駐車棚に優先的に格納制御することを特徴とする機械式駐車装置の制御装置。
  3. 前記荷重検出器を前記昇降台に設けたことを特徴とする請求項2に記載の機械式駐車装置の制御装置。
  4. 車高の異なる前記車両が混在して格納可能とされたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の機械式駐車装置の制御装置。
  5. 前記車両の方向転換を行うための旋回装置が設けられたことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の機械式駐車装置の制御装置。
  6. 車両が乗降操作されると共に昇降路に沿って昇降操作される昇降台と、昇降路の左右両側に沿ってそれぞれ配置された車両格納用の左側駐車棚および右側駐車棚とを備え、入出庫階に呼び出された昇降台上に車両を搭載して所定の駐車棚に格納する機械式駐車装置の制御方法において、
    備えられた荷重検出器により車両の入庫毎に入庫する車両の車両重量を検出し、車両の入出庫毎にその車両重量を加減算して格納されている車両総重量を求め、新たに入庫される車両重量が制限重量以下かどうかを判断すると共に、前記車両総重量に新たに入庫される車両重量を加算した車両総重量が車両総重量設定許容値以下かどうかを判断することを特徴とする機械式駐車装置の制御方法。
  7. 前記機械式駐車装置の制御方法において、前記入出庫毎にその車両重量を加減算して前記左側駐車棚に格納されている左棚車両総重量および前記右側駐車棚に格納されている右棚車両総重量を求め、入庫可能であれば、前記左棚車両総重量と前記右棚車両総重量を比較して総重量の少ない方の駐車棚に優先的に格納制御することを特徴とする請求項6に記載の機械式駐車装置の制御方法。
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