JP2004315399A - 液状植物性不飽和アルコール及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パーム油、ヤシ油及びパーム核油からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物油から得られる植物性脂肪酸及び/又はそのアルキルエステルを、銅含有量30ppm以下の亜鉛系触媒の存在下で還元することにより得られる液状植物性不飽和アルコール。さらに、微水添することにより、共役ジエン含有量の少ない色相安定性に優れる不飽和アルコールとなる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液状植物性不飽和アルコール及びその製造方法に関する。詳しくは、本発明は、化粧品原料として適する高品位の液状植物性不飽和アルコール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オレイルアルコールを代表とする不飽和アルコールは、そのまま又はアルキレンオキシド付加物として、化粧品や繊維油剤などに使用される有用な化合物である。
【0003】
従来、このような不飽和アルコールは、抹香鯨から得られるワックスのけん化分解及び金曹還元法によって得られていた。抹香鯨の捕鯨が禁止された後は、牛脂、豚脂などの不飽和脂肪酸のトリグリセリドを原料として得られる不飽和脂肪酸及び/又はそのメチルエステルをエステル還元することにより当該不飽和アルコールを製造する方法が提案され(特許文献1参照)、この方法が主流になった。
【0004】
さらに、最近のBSE(牛海綿状脳症)問題を契機として、植物系油脂を原料とした当該不飽和アルコールが注目されるようになってきた。特に、スキンローション、スキンクリーム、シャンプー、リンス、ヘアトリートメントなどの化粧品は、身体や頭髪に使用するものであることから、植物系油脂を原料とした不飽和アルコールが原料として求められるようになってきた。さらに、当該不飽和アルコールは、植物系原料を使用したという製品のイメージが好まれることからも、化粧品原料として注目を浴びている素材である。
【0005】
特に、不飽和アルコールが用いられるのは、その液状保持性のためである。さらに、液体の曇り又は濁りは商品価値を著しく低減させるため、液状化粧品と呼称し得るためには、日本の家屋内の冬季に暖房のない10℃程度の居室において、濁ったり、固形分が沈殿したりしないことが必要である。
【0006】
曇点が余りに高いと、含有される微量成分が結晶化し易くなり、保存中に曇り又は濁りが生じ易くなる。例えば、液状製品がドラム等の内部で部分的に結晶化し、その結晶が沈殿して製品組成の一部変動が起こり易くなる。従って、実用上十分に低い曇点を有していない場合には、それが液状製品として致命的な欠陥となる。
【0007】
また、化粧品原料等としての不飽和アルコールは、光に対して安定で色相が長期にわたり変化しないことが求められる。
【0008】
さらに、不飽和アルコールをアルキレンオキシド付加物として使用する場合には、当該不飽和アルコールは、触媒として使用される水酸化カリウムの存在下で着色し難いことが求められる。また、不飽和アルコールを飽和若しくは不飽和脂肪酸、乳酸又はリン酸等とのエステルとして使用する場合には、当該不飽和アルコールは、触媒として使用されるp−トルエンスルホン酸又は硫酸の存在下で着色し難いことが求められる。また、不飽和アルコールを硫酸エステル塩として使用する場合には、クロルスルホン酸や酸性SO3ガスや中和前の酸性硫酸エステルの共存下で着色し難いことが求められる。
【0009】
即ち、液状植物性不飽和アルコールを化粧品用誘導体の原料として使用するには、酸性物質又は塩基性物質との共存下での色相安定性が求められている。
【0010】
さらに、化粧品原料等としての不飽和アルコールは、それ自体の臭気が極めて小さいか又は全く感じられないことが求められ、また、不飽和アルコールが配合された製品は香りが変化したり、香りの立ち上がりが悪くなったりしてはならない。
【0011】
ここで、液状植物性不飽和アルコール及びその製造方法として、例えば、以下の文献が挙げられる。
【0012】
(1)特許文献2は、ヨウ素価20〜110の植物系不飽和アルコール及びこの不飽和アルコールをCuCrO4触媒を用いて製造する方法を開示している。
また、特許文献2には得られた植物系不飽和アルコールが、酸化に対して安定な不飽和脂肪アルコールであり、好ましい低温挙動を示すことが記載されている。
特に、共役ジエン含有量が4.5%以下である不飽和脂肪族アルコールが酸化に対する安定性に優れるため好ましいことが記載されている。さらに、実施例において、ヨウ素価73.9、共役ジエン含有量3.2%、軟化点22.9℃である不飽和脂肪アルコールがCuCrO4触媒を用いて製造された例が記載されている(特許文献2参照)。
【0013】
この特許文献2における「好ましい低温挙動」とは軟化点が低いことを示している。即ち、軟化点が固体の温度を上昇していく過程で一部が溶解を開始して固体が柔らかくなる温度であることから、かかる低温挙動は、固体の主成分の融点に起因する低温挙動であることを示している。
(2)特許文献3は、ラウリン油由来の不飽和脂肪酸を原料として得られる、ヨウ素価85〜100の植物系不飽和アルコール、及び、この不飽和アルコールをCu/Cr/Zn若しくはCu/Cr/Cd混合酸化物系の固定床反応又は銅クロマイト20〜40重量%を含むシリカゲル担持触媒のトリクル相で製造する方法を開示している。また特許文献3には、得られた植物系不飽和アルコールは、酸化に対して安定であること、及び、好ましい低温挙動を示すことが記載されている(特許文献3参照)。
【0014】
この特許文献3における「好ましい低温挙動」とは凝固点が低いことを示している。即ち、凝固点が液体の温度を降下させていく過程で全体が固化を開始する温度であることから、かかる低温挙動は、液体の主成分の融点に起因する低温挙動であることを示している。
【0015】
しかし、不飽和アルコールの凝固点又は軟化点は、主成分の種類を選択することにより比較的容易にコントロールできる。これに対して、不飽和アルコールの曇点上昇の原因となる微量の結晶化成分は、従来公知の不飽和アルコールの製造方法、特に、従来公知の水素化触媒を使用する製造方法では、その生成を抑制することは極めて困難であり、この問題は未だ充分な解決には至っていないのが現状である。
【0016】
また、これら特許文献2及び3には、酸性物質又は塩基性物質の存在下での色相安定性及び色相の長期耐光性について全く記載されていない。
(3) 特許文献4は、銅含有量が金属換算で100ppm以下であり、且つニッケル含有量が金属換算で200ppm以下である亜鉛−クロム酸化物触媒又は亜鉛−クロム−アルミニウム酸化物触媒を使用し、不飽和脂肪酸又はそのエステルを水素化して不飽和アルコールを製造する方法を開示している。また、実施例において、銅含有量15〜20ppm及びニッケル含有量20〜60ppmの亜鉛系触媒を使用して、工業用不飽和脂肪酸の水素化により、ヨウ素価92程度、曇点0.5〜2.1℃の不飽和アルコールを製造している。
【0017】
工業用不飽和脂肪酸は、通常動物性油脂を出発原料として製造される。動物性油脂を出発原料として得られた不飽和脂肪酸及び不飽和アルコールは、一般に低温下でも曇りが生じ難い。その原因は明らかではないが、動物油脂由来の脂肪酸は炭素原子数が奇数の脂肪酸を含むために最終的に得られる不飽和アルコールが多成分を含むことが原因と推測される。
【0018】
これに対して、植物性油脂から得られる不飽和脂肪酸は炭素数が偶数のみであることから、最終的に得られる不飽和アルコールを低温下で曇りが生じ難いものとすることは困難である。
【0019】
【特許文献1】
特許公告昭和45−2562号公報
【0020】
【特許文献2】
公表特許平成9−504013号公報(第6頁23−26行、実施例1〜3など)
【0021】
【特許文献3】
公表特許平成10−502654号公報(第9頁24行−第10頁6行、第12頁8−9行、表3など)
【0022】
【特許文献4】
特開2001−89403号公報(請求項1、段落0040、第5頁表1など)
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以下の課題を達成できる発明を含む。
▲1▼ 液状保持性が良好で、かつ温度変化しても曇りが生じ難い液状植物性不飽和アルコール及びその製造方法。
▲2▼ 液状保持性が良好で、温度変化しても曇りが生じ難く、かつ色相長期耐光性及び酸性物質又は塩基性物質の存在下での色相安定性にも優れた液状植物性不飽和アルコール及びその製造方法。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を重ね、以下の知見を見出した。
(1)液状不飽和アルコール中に極めてわずかでも結晶化温度が高い成分が含まれていると、温度低下に伴いその一部が結晶化して曇りが生じる。従って、液状不飽和アルコールの温度変化に対する曇りの指標として曇点が重要である。ヨウ素価88〜100かつ曇点7℃未満とすることにより、比較的広い温度範囲で液状を保つことができると共に、温度変化による曇りの発生が観察されないか又は殆ど観察されない不飽和アルコールになる。
(2)植物油から得られる植物性不飽和脂肪酸又はそのエステルの還元により、ヨウ素価を低下させることなく(即ち、不飽和アルコールの飽和アルコールへの変化を抑えて)、曇点7℃未満の不飽和アルコールを得るためには、還元触媒として、銅の含有量が30ppm以下の亜鉛系触媒を使用することが有効である。
(3)液状植物性不飽和アルコール中に共役ジエンが含まれないか又はその含有量を1重量%以下、特に0.5重量%以下と低くすることにより、その不飽和アルコールは、酸性物質又は塩基性物質の存在下での色相安定性が向上するとともに、光に対する長期安定性が向上する。
(4)液状植物性不飽和アルコールを微水添することにより、ヨウ素価の低下及び曇点の上昇を招くことなく、共役ジエン含有量を低下させることができる。これに対して、共役ジエン含有量を低下させる方法として従来行われていた、エステル還元時の温度を上げる方法では、共役ジエンの含有量の低下に伴い、不飽和アルコールが飽和アルコールに変化してヨウ素価が低下し、また曇点が高くなる傾向にある。
【0025】
本発明は、上記知見に基づいて完成されたものである。即ち、本発明は、以下の液状植物性不飽和アルコール等及びその製造方法を提供するものである。
【0026】
項1. パーム油、ヤシ油及びパーム核油からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物油から得られる植物性不飽和脂肪酸及び/又はそのアルキルエステルを、銅含有量30ppm以下の亜鉛系触媒の存在下で還元することにより得られる、ヨウ素価が88〜100であり、曇点が7℃未満である液状植物性不飽和アルコール。
【0027】
項2. 化粧品原料用の項1に記載の液状植物性不飽和アルコール。
【0028】
項3. ヨウ素価が88〜100であり、曇点が7℃未満であり、かつ共役ジエン化合物含有量が1重量%以下である液状植物性不飽和アルコール。
【0029】
項4. 150℃で10分間加熱した場合のヘッドスペースガスクロマトグラフィーにより測定される揮発成分含有量が500ppm以下である項3に記載の液状植物性不飽和アルコール。
【0030】
項5. 化粧品原料用の項3又は4に記載の液状植物性不飽和アルコール。
【0031】
項6. 項1、3又は4に記載の液状植物性不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物。
【0032】
項7. 化粧品原料用の項6に記載のアルキレンオキシド付加物。
【0033】
項8. 項1、3又は4に記載の液状植物性不飽和アルコール又はそのアルキレンオキシド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
【0034】
項9. 化粧品原料用の項8に記載の塩。
【0035】
項10. 項1、3又は4に記載の液状植物性不飽和アルコール又はそのアルキレンオキシド付加物のエーテルカルボン酸又はエーテルカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
【0036】
項11. 化粧品原料用の項10に記載のエーテルカルボン酸又はエーテルカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
【0037】
項12. 項1、3又は4に記載の液状植物性不飽和アルコールと脂肪酸及び乳酸からなる群より選ばれる酸とのエステル。
【0038】
項13. 化粧品原料用の項12に記載のエステル。
【0039】
項14. 項1、3又は4に記載の液状植物性不飽和アルコール又はそのアルキレンオキシド付加物とリン酸とのエステル又はエステルのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
【0040】
項15. 化粧品原料用である項14に記載のエステル又はエステルのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
【0041】
項16. パーム油、ヤシ油及びパーム核油からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物油から得られる植物性不飽和脂肪酸及び/又はそのアルキルエステルを、銅含有量30ppm以下の亜鉛系触媒の存在下で還元することにより得られる液状植物性不飽和アルコール。
【0042】
項17. 亜鉛系触媒が、亜鉛−クロム酸化物、亜鉛−アルミニウム酸化物、亜鉛−アルミニウム−クロム酸化物、亜鉛−クロム−マンガン酸化物、亜鉛−鉄酸化物及び亜鉛−鉄−アルミニウム酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の触媒である項16に記載の液状植物性不飽和アルコール。
【0043】
項18. さらに、得られた液状植物性不飽和アルコールを微水添することにより得られる項16又は17に記載の液状植物性不飽和アルコール。
【0044】
項19. 微水添を銅含有触媒を用いて行う項18に記載の液状植物性不飽和アルコール。
【0045】
項20. 水素圧力1MPa〜常圧、温度50〜200℃の条件下で微水添する項18又は19に記載の液状植物性不飽和アルコール。
【0046】
項21. さらに、得られた液状植物性不飽和アルコールを脱臭することにより得られる項16〜20のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコール。
【0047】
項22. 脱臭が、100〜200℃、0.1〜70KPa、水蒸気吹き込み量0.1〜20重量%の条件で行う水蒸気脱臭である項21に記載の液状植物性不飽和アルコール。
【0048】
項23. さらに、蒸留工程を含む方法により得られる項16〜22のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコール。
【0049】
項24. 化粧品原料用の項16〜23のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコール。
【0050】
項25. 項16〜23のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物。
【0051】
項26. 化粧品原料用の項25に記載のアルキレンオキシド付加物。
【0052】
項27. 項16〜23のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコール又はそのアルキレンオキシド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩又はアンモニウム塩。
【0053】
項28. 化粧品原料用の項27に記載の塩。
【0054】
項29. 項16〜23のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコール又はそのアルキレンオキシド付加物のエーテルカルボン酸又はエーテルカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
【0055】
項30. 化粧品原料用の項29に記載のエーテルカルボン酸又はエーテルカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
【0056】
項31. 項16〜23のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコールと脂肪酸及び乳酸からなる群より選ばれる酸とのエステル。
【0057】
項32. 化粧品原料用の項31に記載のエステル。
【0058】
項33. 項16〜23のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコール又はそのアルキレンオキシド付加物とリン酸とのエステル又はエステルのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
【0059】
項34. 化粧品原料用の項33に記載のエステル又はエステルのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
【0060】
項35. パーム油、ヤシ油及びパーム核油からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物油から得られる植物性不飽和脂肪酸及び/又はそのアルキルエステルを、銅含有量30ppm以下の亜鉛系触媒の存在下で還元する工程を含む液状植物性不飽和アルコールの製造方法。
【0061】
項36. 亜鉛系触媒が、亜鉛−クロム酸化物、亜鉛−アルミニウム酸化物、亜鉛−アルミニウム−クロム酸化物、亜鉛−クロム−マンガン酸化物、亜鉛−鉄酸化物及び亜鉛−鉄−アルミニウム酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の触媒である項35に記載の液状植物性不飽和アルコールの製造方法。
【0062】
項37. さらに、得られた液状植物性不飽和アルコールを微水添する工程を含む項35又は36に記載の液状植物性不飽和アルコールの製造方法。
【0063】
項38. 微水添を銅含有触媒を用いて行う項37に記載の液状植物性不飽和アルコールの製造方法。
【0064】
項39. 水素圧力1MPa〜常圧、温度50〜200℃で微水添する項37又は38に記載の液状植物性不飽和アルコールの製造方法。
【0065】
項40. さらに、得られた液状植物性不飽和アルコールを脱臭する工程を含む項35〜39のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコールの製造方法。
【0066】
項41. 脱臭を100〜200℃、0.1〜70KPa、水蒸気吹き込み量0.1〜20重量%での水蒸気脱臭により行う項40に記載の液状植物性不飽和アルコールの製造方法。
【0067】
項42. さらに、蒸留工程を含む項35〜41のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコールの製造方法。
【0068】
項43. 化粧品原料用である、項1、3、4及び16〜23のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコール、項6若しくは25に記載のアルキレンオキシド付加物、項8若しくは27に記載の塩、項10若しくは29に記載のエーテルカルボン酸若しくはエーテルカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩、項12若しくは31に記載のエステル、又は、項14若しくは33に記載のリン酸エステル若しくはリン酸エステルのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
【0069】
項44. 項1、3又は4に記載の液状植物性不飽和アルコールの誘導体。
【0070】
項45. 化粧品原料用である項44に記載の液状植物性不飽和アルコールの誘導体。
【0071】
項46. 項1、3又は4に記載の液状植物性不飽和アルコールの誘導体からなる化粧品原料。
【0072】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。先ず、本発明の製造方法を説明し、次に該製造方法により得られる本発明の液状植物性不飽和アルコールを説明する。
(1)本発明の製造方法
基本的構成
本発明の液状植物性不飽和アルコールの製造方法は、パーム油、ヤシ油及びパーム核油からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物油から得られる植物性不飽和脂肪酸及び/又はそのアルキルエステルを、銅含有量30ppm以下の亜鉛系触媒存在下で還元する工程を含む方法であり、この工程に特徴がある方法である。
原料
前述したように植物性不飽和脂肪酸の原料油としては、パーム油、ヤシ油及びパーム核油からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物油を使用できる。また、パーム油等を後述する冷却固体分別することにより得られるパームオレイン油又はパームステアリン油等も好適に使用することができる。植物油としては、特にパーム油、ヤシ油又はパーム核油が好ましく、パーム核油がより好ましい。
【0073】
これらの油脂は、原料となる油糧作物が東南アジア地方で大規模なプランテーションにより一年中栽培されているため常に新鮮な原料種子が入手でき、また、必要とされる供給量の確保が容易であり、さらに、搾油設備が栽培地の近隣に設置され、品質良好な油脂が定常的に生産されていることから入手が確実で安価なアルコール原料である。
【0074】
また、パーム油、ヤシ油及びパーム核油から得られる不飽和脂肪酸は、酸化安定性及び色相安定性低下の原因となるリノール酸成分の含有量が少ない。このことは、ヨウ素価88〜100程度、曇点7℃未満、さらに好ましくは共役ジエン化合物の含有量が1重量%以下の不飽和アルコールを製造するには非常に有利である。
【0075】
これに対して、従来、植物性不飽和アルコールの原料として使用されていた大豆油又は亜麻仁油から得られる不飽和脂肪酸は、リノール酸成分の含有量が多い。リノール酸成分は共役ジエン化合物の発生源となる化合物である。例えば、大豆油又は亜麻仁油を原料として用い、本発明方法により亜鉛系触媒を用いて還元を行うと、本発明の不飽和アルコール(ヨウ素価88〜100程度)よりもはるかに高いヨウ素価(110〜130程度)を有し、共役ジエン化合物の含有量が15重量%程度と非常に多い不飽和アルコールが得られる。
【0076】
原料油のリノール酸成分の含有量が多くても、本発明方法よりも高い反応温度で還元を行う場合には、ヨウ素価88〜100程度の不飽和アルコールを製造することはできるが、得られた不飽和アルコールは曇点が高く、本発明のような曇点7℃未満の不飽和アルコールは得られない。
【0077】
さらに、パーム油、ヤシ油及びパーム核油は、前述した新鮮な原料種子から搾油することにより得られるために、酸化劣化されていない原料脂肪酸が得られる。これにより、色相安定性の良好な高品位の不飽和アルコールが得られる。これに対して、古い植物油(例えば、回収揚げ油)から得られた脂肪酸やそのアルキルエステルからは色相安定性の良好な不飽和アルコールは得られない。
【0078】
しかし、従来、パーム油、ヤシ油又はパーム核油を原料とした実用上十分な液状保持性を有する不飽和アルコール製品は製造されていない。
【0079】
パーム油、ヤシ油及びパーム核油からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物油を、加水分解することにより植物性不飽和脂肪酸が得られ、この植物性不飽和脂肪酸を被還元原料として使用できる。あるいはさらに、この植物性不飽和脂肪酸をアルコールでエステル化するか、又は、植物油とアルコールとのエステル交換反応により、植物性不飽和脂肪酸のアルキルエステルが得られ、これらのアルキルエステルも被還元原料として使用できる。植物性不飽和脂肪酸とそのアルキルエステルとではアルキルエステルの方が好ましい。アルコールは、炭素数1〜4のアルコールを使用でき、効率よくエステル還元を行える点で、特にメチルアルコールが好ましい。
【0080】
被還元原料としては、このようにして得られた植物性不飽和脂肪酸及び/又はそのアルキルエステルをそのまま使用してもよいが、蒸留することにより炭素数16〜18の成分、特に炭素数18の成分を濃縮したものを用いることが好ましい。
【0081】
さらに、必要に応じて、蒸留及び冷却固体分別操作により、メチルエステルに換算したヨウ素価が75〜100程度、特に80〜100程度、さらに特に85〜95程度の不飽和脂肪酸又はアルキルエステルとしたものを用いることが好ましい。
【0082】
特に、蒸留及び/又は冷却固体分別操作により得られる、オレイン酸含有量の高い不飽和脂肪酸又は/及びそのアルキルエステルを使用することが好ましい。例えば、パーム核油を加水分解、蒸留し、冷却固体分別操作により、ヨウ素価85〜95程度とした不飽和脂肪酸は、オレイン酸含量が高く、かつ、凝固点が低いために好ましい。
【0083】
さらに、後述する還元反応や還元反応物の蒸留の際に生じる不飽和脂肪酸と不飽和アルコールとの蝋エステルも被還元原料として使用することができる。
還元反応
前述した原料の植物性不飽和脂肪酸又は/及びその炭素数1〜4のアルキルエステルを、銅含有量が30ppm以下の亜鉛系触媒を用いて、高温及び高圧下で固定床連続反応方式より還元することが好ましい。
【0084】
亜鉛系触媒の銅含有量は、20ppm以下、特に10ppm以下であることが好ましい。銅は実質的に含まれていないことが最も好ましい。銅含有量が余りに高いと、得られる不飽和アルコールの曇点が高くなりすぎるが、本発明の範囲であればこのような問題は生じない。
【0085】
亜鉛系触媒としては、特に限定されず、例えば亜鉛−クロム酸化物、亜鉛−アルミニウム酸化物、亜鉛−アルミニウム−クロム酸化物、亜鉛−クロム−マンガン酸化物、亜鉛−鉄酸化物、亜鉛−鉄−アルミニウム酸化物等の脂肪酸の還元触媒として公知のものを使用できる。特に、亜鉛−クロム酸化物が好ましい。これらの触媒は、1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0086】
かかる触媒は、そのままで使用してもよいが、その強度を向上させるためにシリカ、アルミナ、珪藻土、白土、カーボン又はグラファイトなどの担体に担持した状態で使用することもできる。
【0087】
これら担体担持型の亜鉛系触媒は、特に限定されることなく、含浸法、共沈法等の従来公知の方法で調製することができる。また、こうして得られた粉末又はペーストを原料として従来公知の打錠機、造粒機、押出成形機等により適当な形状の成形触媒とすることができる。
【0088】
還元を固定床連続反応で行う場合、成形触媒を反応塔に充填し、活性化後、植物性不飽和脂肪酸又は/及びその炭素数1〜4のアルキルエステルと水素を流下並流若しくは上昇並流させることにより反応を行うのが好ましい。
【0089】
反応温度は250〜350℃程度、特に250〜300℃程度、さらに特に270〜300℃程度とするのが好ましい。 反応圧力は5〜35MPa程度、特に15〜30MPa程度、さらに特に20〜30MPa程度とするのが好ましい。原料供給空塔速度は1/20〜1/1h−1程度とすればよい。
【0090】
これにより、ヨウ素価88〜100程度、曇点7℃未満の液状植物性不飽和アルコールが得られる。
【0091】
さらに必要に応じて、還元粗物の蒸留を行うことにより炭素数18の成分を濃縮することができ、さらに微量に溶解する亜鉛等の金属イオン及び触媒微粉等の夾雑物を除去することもできる。蒸留は、通常、温度150〜250℃程度、圧力0.1〜15KPa程度の条件下で行うことが好ましい。
【0092】
また、蒸留時にNaOH、KOH、チタンテトラブトキシドなどのエステル交換触媒を、5〜300ppmとなるように添加した状態で蒸留することにより、不飽和脂肪酸と生じた不飽和アルコールとの蝋エステルを得ることができる。このエステルは、還元反応原料として再使用することができる。
微水添
さらに、得られた液状植物性不飽和アルコールを微水添することが好ましい。
本発明における微水添とは、共役ジエン結合を実質的に選択的にモノエン結合に水素化し、結果として曇点上昇を引き起こさないで水素化する工程をいう。
【0093】
微水添触媒としては、通常、銅含有触媒を用いることが好ましい。銅含有触媒としては、銅、銅−亜鉛、銅−クロム、銅−亜鉛−クロム及びこれらの酸化物、並びにこれらにモリブデン、タングステン、マグネシウム、バリウム、アルミニウム、カルシウム、ジルコニウム、マンガン及びこれらの酸化物を添加した変性触媒などが挙げられる。
【0094】
具体的には、銅酸化物、銅−亜鉛−クロム酸化物、銅−クロム−亜鉛−マグネシウム酸化物、銅−亜鉛−クロム−バリウム酸化物、銅−亜鉛酸化物、銅−亜鉛−マグネシウム酸化物、銅−亜鉛−アルミニウム酸化物、銅−クロム酸化物、銅−クロム−マグネシウム酸化物、銅−クロム−マンガン酸化物、銅−クロム−バリウム酸化物、銅−クロム−バリウム−マグネシウム酸化物、銅−クロム−マンガン−バリウム酸化物、銅−クロム−マンガン−マグネシウム酸化物、銅−カルシウム−珪酸などが例示される。特に、銅−亜鉛酸化物、銅−クロム酸化物、銅−クロム、銅−クロム−マンガン酸化物、銅−クロム−バリウム酸化物、銅−クロム−マンガン−バリウム酸化物、銅−亜鉛−アルミニウム酸化物又は銅−カルシウム−珪酸が好ましく、銅−亜鉛酸化物、銅−亜鉛−アルミニウム酸化物又は銅−カルシウム−珪酸がより好ましい。
【0095】
微水添触媒は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0096】
これらの触媒としては、例えばN−203、N203S、N203SD、N203SDB、E01−X1、X213(以上、日揮化学(株)製)、Cu−0202P、Cu−1106P、Cu−1800P、Cu1850P、Cu−1950P、Cu−0891P(以上、エンゲルハルト社製)、CB−2、C−5A、C−100、C−700、C−900、CUZ001(以上、堺化学工業(株)製)等の市販の触媒を用いることもできる。
微水添触媒は、そのままで使用してもよいが、その強度を向上させるためにシリカ、アルミナ、珪藻土、白土、カーボン又はグラファイトなどの担体に担持した状態で使用することもできる。
【0097】
触媒の使用量は、原料の不飽和アルコールに対して、通常1〜0.05重量%程度、特に0.5〜0.1重量%程度、さらに特に0.2〜0.1重量%程度とするのが好ましい。触媒量が余りに少ないと実用上十分な反応速度が得られにくく、一方、触媒量が余りに多いと、反応選択性が低下して、その結果、共役ジエン含有量が低下するだけでなく、ヨウ素価が低下する傾向にある。本発明の範囲であればこのような問題は生じない。
【0098】
微水添反応方式としては、特に限定されず、回分懸濁床反応、連続懸濁床反応、固定床連続反応などの方法が採用できる。
【0099】
回分又は連続懸濁床反応の場合には、 反応温度を100〜200℃程度、特に120〜170℃程度、さらに特に140〜160℃程度とすることが好ましい。また、反応圧力を1MPa〜常圧程度、特に0.5〜0.05MPa程度、さらに特に0.1〜0.3MPa程度とすることが好ましい。ここで微水添反応時の温度又は圧力が余りに高いと曇点が上昇し、余りに低いと実用上十分な反応速度が得られない。本発明の範囲であればこのような問題は生じない。
【0100】
微水添反応を固定床連続反応で行う場合には、成形触媒を反応塔に充填し、活性化後、原料不飽和アルコールと水素とを流下並流もしくは上昇並流させることにより反応を行うことが好ましい。 反応温度は50〜150℃程度、特に50〜100℃程度、さらに特に60〜80℃程度とすることが好ましい。また、 反応圧力は1MPa〜常圧程度、特に0.5〜0.05MPa程度、さらに特に0.1〜0.3MPa程度とするのが好ましい。ここで微水添反応時の温度又は圧力が余りに高いと曇点が上昇し、余りに低いと実用上十分な反応速度が得られない。本発明の範囲であればこのような問題は生じない。
【0101】
微水添反応原料は、還元粗物であっても、還元粗物の蒸留物でもあってもよい。
【0102】
このような微水添により、ヨウ素価88〜100程度、曇点7℃未満、共役ジエン含有量が1重量%以下の不飽和アルコールが得られる。
【0103】
さらに、得られた不飽和アルコールを蒸留して、炭素数18成分、特にオレイルアルコールが濃縮されたものを得ることができる。
【0104】
本発明の方法において蒸留を行う場合には、蒸留は、以下の1)〜3)のいずれの原料に対して行ってもよい。また、1)〜3)に対して重複して行ってもよい。
1) 植物油の加水分解により得られる脂肪酸及び/又はそのアルキルエステル
2) 脂肪酸及び/又はそのアルキルエステルを還元することにより得られる不飽和アルコール(還元粗物)
3) 微水添により得られる不飽和アルコール
脱臭
本発明方法は、脱臭工程を含むことができる。脱臭は、植物性脂肪酸及び/又はそのアルキルエステルの還元により得られる不飽和アルコールに対して行うことができる。また、蒸留、微水添等を行った後に脱臭操作を行うこともできる。
脱臭は、製品化の直前に行うのが最も好ましい。
【0105】
脱臭方法としては、不飽和アルコール等の脱臭方法として公知の方法を採用できる。このような公知の方法として、例えば水蒸気脱臭、減圧トッピング、薄膜蒸留、活性炭吸着等の方法が挙げられる。特に、水蒸気脱臭法が好ましい。水蒸気脱臭法とその他の脱臭法を併用することもできる。
【0106】
水蒸気脱臭は、不飽和アルコールに対して、温度100〜200℃程度、圧力0.1〜70KPa程度の条件下で、水蒸気を吹き込むことにより行うことが好ましい。このときの水蒸気吹き込み量は、不飽和アルコールに対して、水の重量に換算して0.1〜20重量%程度、特に0.5〜10重量%程度とするのが好ましい。
【0107】
温度100〜170℃程度、圧力0.1〜70KPa程度の条件とするのがより好ましい。このときの水蒸気吹き込み量は、不飽和アルコールに対して、水の重量に換算して0.1〜20重量%程度、特に1〜8重量%程度とするのが好ましい。
【0108】
不飽和アルコールに対して、温度120〜150℃程度、圧力0.1〜70KPa程度、水蒸気吹き込み量が不飽和アルコールに対して、水の重量換算で1〜10重量%程度、特に1〜8重量%程度とするのがより好ましい。
【0109】
水蒸気吹き込み量が余りに少ないと脱臭効果が不十分となり、余りに多いと目的とする不飽和アルコールまでもが留出してしまい、歩留まりが悪くなる。本発明の範囲であれば、このような問題は生じない。
【0110】
また、還元粗物である不飽和アルコール又は微水添により得られる不飽和アルコールに対して、前留分及び後留分をカットして蒸留する方法も好ましい脱臭方法である。その際、前留分のカット量は、仕込量に対して3〜10重量%程度、また、後留分のカット量としては、仕込量に対して10〜25重量%程度が好ましい。これにより、蒸留と脱臭とを同時に行うことができる。
【0111】
歩留まりに優れた水蒸気脱臭方法と工程数の少ない前後留分をカットして蒸留する方法とのいずれかを選択するかは、全工程と生産する製品構成によって適宜選択できる。
【0112】
以上の脱臭操作により、臭気成分が除去されて臭気の少ない不飽和アルコールが得られる。臭気成分には、通常、短鎖の飽和又は不飽和アルデヒドを始めとする比較的揮発し易い極めて多様な成分が含まれる。
【0113】
よって、脱臭工程の完了は、人間の官能評価によって確認することもできるが、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーや匂いセンサーのような機器分析により、数値で客観的に確認することもできる。
【0114】
この脱臭工程により、150℃で10分間加熱した場合の、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーを用いて測定される揮発成分量が、不飽和アルコールに対して500ppm以下である臭気の少ない不飽和アルコールが得られる。
(2)本発明の不飽和アルコール
本発明の不飽和アルコールは、ヨウ素価が88〜100程度であり、曇点が7℃未満である液状植物性不飽和アルコールである。
【0115】
本発明において、曇点はJISK2269の方法に準拠して測定された値である。
【0116】
ヨウ素価が余りに高いと、リノールアルコールの含有量が多くなりすぎて良好な色相安定性を保つことが困難になる。逆に、ヨウ素価が余りに低いと、飽和アルコールの含有量が多くなりすぎて使用及び保存環境温度で液状を保つことが困難になる。上記の範囲であればこのような問題が生じない。
【0117】
また、曇点が余りに高いと、含有される微量成分が結晶化し易くなり、保存中等に曇り又は濁りが生じ易くなる。例えば、液状製品がドラム等の内部で部分的に結晶化し、その結晶が沈殿して製品組成の一部変動が起こり、液状製品として致命的な欠陥となる。上記の範囲であればこのような問題は生じない。
【0118】
曇点は、特に6℃以下であることが好ましい。曇点の下限値は特に限定されないが、通常は4℃程度である。
【0119】
また、本発明の不飽和アルコールは、共役ジエン含有量が通常1重量%以下、特に0.5重量%以下、さらに特に0.2重量%以下であることが好ましい。共役ジエンの含有量が余りに多くなると、酸性物質又は塩基性物質存在下での色相安定性が十分でないため不飽和アルコールの各種誘導体とする際に製品が着色したり、また、色相の長期耐光性が十分でないため製品の保存中に着色したりする場合がある。上記の範囲であれば、酸性物質や塩基性物質の存在下での色相安定性及び長期耐光性が非常に優れたものとなる。
【0120】
化粧品は、実際には3年間程度の保存安定性が要求される。このように長期にわたり保存する場合、必ずしも冷暗所に保存されるとは限らないため、化粧品原料には3年間程度にわたる光安定性が求められる。共役ジエン含有量が通常1重量%以下、特に0.5重量%以下、さらに特に0.2重量%以下であれば、このような長期光安定性が達成される。
【0121】
本発明の不飽和アルコールは、150℃で10分間加熱した場合のヘッドスペースガスクロマトグラフィーにより測定した揮発成分量が通常500ppm以下、特に100ppm以下、さらに特に50ppm以下であることが好ましい。揮発成分量が余りに多いと、不飽和アルコール自身からその成分による臭気が感じられる、また、不飽和アルコール又はその誘導体を配合した製品の香りが変化したり、香りの立ち上がりが悪くなったりする場合がある。上記の範囲であれば、このような問題が生じない。
【0122】
また、本発明の不飽和アルコールは、オレイルアルコールの含有量が70重量%以上、特に85重量%以上であることが好ましい。オレイルアルコールの含有量の上限は特に限定されず、100重量%であってもよい。オレイルアルコールの含有量が余りに少ないと酸化に対する安定性が悪くなる場合があるが、上記の範囲であればこのような問題は生じない。
誘導体
本発明の不飽和アルコールは、以下の誘導体とすることができる。
a) 本発明の不飽和アルコールの低級アルキレンオキシド付加物。低級アルキレンオキシドとしては、例えば炭素数2〜3のアルキレンオキシドを挙げることができる。このようなアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、トリメチレンオキシド又は1−メチルエチレンオキシドが挙げられる。アルキレンオキシドの付加数は、通常、平均値で1〜100、特に2〜50が好ましい。
b) 本発明の不飽和アルコール又はa)のアルキレンオキシド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩又はアンモニウム塩。硫酸エステルは2置換エステルであっても1置換エステル(半エステル)であってもよい。
c) 本発明の不飽和アルコール又はa)のアルキレンオキシド付加物のエーテルカルボン酸又はエーテルカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
【0123】
本発明におけるエーテルカルボン酸又はそのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩には、原料のアルコール又はa)のアルキレンオキシド付加物をアルカリによりアルコラートとし、次いでモノクロル酢酸を添加することによりエーテル結合を形成して得られる化合物が含まれる。本発明のエーテルカルボン酸は、下記の一般式(1)で表される化合物である。
【0124】
【式1】
【0125】
[式中、R1は本発明の不飽和アルコール残基を示し、R2はエチレン基、プロピレン基又は1−メチルエチレン基を示し、XはH、Na、K、トリエタノールアミン又はアンモニウムを示し、nは平均値で0〜100の整数を示す。]
d) 本発明の不飽和アルコール又はa)のアルキレンオキシド付加物のモノ、ジ又はトリ−リン酸エステル又はリン酸エステルのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
e) 本発明の不飽和アルコールと炭素数12〜22の飽和又は不飽和脂肪酸とのエステル。
f) 本発明の不飽和アルコールと乳酸とのエステル。
用途
本発明の不飽和アルコールは、衣料用、台所用又はハウスホールド用の洗剤原料、繊維油剤などとして好適に使用できる。
【0126】
この場合には、不飽和アルコールのままで使用することもできるが、アルキレンオキシド付加物、硫酸エステル塩、アルキレンオキシド付加物の硫酸エステル塩、脂肪酸とのエステル、エーテルカルボン酸、リン酸エステルなどの誘導体として使用することもできる。
【0127】
また、本発明の不飽和アルコールは、シャンプー、リンス、ヘアトリートメントのようなヘアケア用品、スキンクリーム、スキンローション、ハンドソープ、ボディーソープのようなボディケア用品等のパーソナルケア用品(化粧品)の原料、特にパーソナルケア用品の基材として好適に使用できる。
【0128】
この場合には、不飽和アルコールのままで使用することもできるが、脂肪酸エステル、乳酸エステル、アルキレンオキシド付加物、硫酸エステル塩、アルキレンオキシド付加物の硫酸エステル塩、リン酸エステル(特に、トリエステル)、アルキレンオキシド付加物のリン酸エステル(特に部分エステル)及びその塩、エーテルカルボン酸及びその塩などの誘導体として使用することもできる。
【0129】
化粧品原料用として使用する場合には、蒸留及び/又は脱臭工程を経た臭気成分の少ないものを使用することが好ましい。
【0130】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び試験例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0131】
以下の実施例において、曇点はJISK2269に準拠して測定した。また、色相(ハーゼン)はJISK0071−1に準拠して測定し、色相(ガードナー)はJISK0071−2に準拠して測定した。尚、glc組成において脂肪酸組成F1、F2等の表記Fnは、不飽和脂肪酸が二重結合をn個有することを示す。
【0132】
実施例1
パーム核油を加水分解することにより得られた脂肪酸を蒸留し、冷却固体分別することにより得られた不飽和脂肪酸(ヨウ素価93.4、glc組成C12:0.6%、C14:0.6%、C16:5.5%、C18:1.4%、C18F1:79.3%、C18F2:11.8%、C18F3:0.5%、C20F1:0.3%)(アシッドケム社製、商品名「PALMAC750」)10kgをメチルアルコール10kg及びp−トルエンスルホン酸0.1kgを用いてエステル化したメチルエステルを原料として用いた。このメチルエステルを、銅含有量が5ppmの亜鉛−クロム酸化物触媒存在下で、反応圧力20MPa、反応温度290℃、原料供給空塔速度0.3/h−1で還元した。得られた還元粗物を蒸留して、下記の不飽和アルコールを得た。
ヨウ素価89.7
曇点 4.1℃
組成
C12 0.2%
C14 0.6%
C16 5.9%
C18 1.8%
C18F1 81.9%
C18F2 2.9%
C20F1 0.3%
共役ジエン 6.4%
比較例1
銅含有量が78ppmの亜鉛−クロム酸化物触媒を使用した以外は、実施例1と同様な操作を行った。得られた不飽和アルコールの曇点は10℃であった。
【0133】
実施例2
パーム核油を加水分解することにより得られた脂肪酸を蒸留し、冷却固体分別することにより得られた不飽和脂肪酸(ヨウ素価93.4、glc組成C12:0.6%、C14:0.6%、C16:5.5%、C18:1.4%、C18F1:79.3%、C18F2:11.8%、C18F3:0.5%、C20F1:0.3%)(アシッドケム社製、商品名「PALMAC750」)10kgをメチルアルコール10kg及びp−トルエンスルホン酸0.1kgを用いてエステル化したメチルエステルを原料として用いた。このメチルエステルを、銅含有量が5ppmの亜鉛−クロム酸化物触媒存在下で、反応圧力20MPa、反応温度290℃、原料供給空塔速度0.3/h−1で還元し、還元粗物を得た。
【0134】
5L容量の電磁攪拌式オートクレーブに1500gの得られた還元粗物と銅−亜鉛−アルミニウム酸化物触媒(日揮化学(株)製、商品名「E01−X1」)2.3gを仕込み、系内を水素で置換した後、150〜160℃、水素
圧0.1〜0.2MPaで、3時間反応を行った。冷却後、触媒を濾別した。このものの1000gを45cmのヴィドマー型精留塔を取り付けたクライゼンフラスコに入れ、減圧蒸留を行った。前留分を仕込量に対し6重量%留出させた後、主留分を留出させ、主留分の歩留まりが80重量%になるまで蒸留を継続した。これにより以下の不飽和アルコールが得られた。
ヨウ素価90.9
曇点 4.1℃
組成
C16 4.8%
C18 1.9%
C18F1 89.9%
C18F2 2.5%
C20F1 0.1%
共役ジエン 0.1%
色相(ハーゼン) 10
実施例3
パーム油を加水分解した脂肪酸を蒸留し、冷却固体分別することにより得られた不飽和脂肪酸(ヨウ素価98.3、glc組成C14:0.5%、C16:5.0%、C18:1.8%、C18F1:74.5%、C18F2:18.1%、C20F1:0.1%)10kgをメチルアルコール10kg及びp−トルエンスルホン酸0.1kgを用いてエステル化することにより得られたメチルエステルを原料として用いた。このメチルエステルを、銅含有量15ppmの亜鉛−クロム酸化物触媒存在下、反応圧力20MPa、反応温度290℃、原料供給空塔速度0.3/h−1の条件で還元した。還元粗物を蒸留することにより、下記の不飽和アルコールを得た。
ヨウ素価96.8
曇点 3.4℃
組成
C14 0.4%
C16 5.3%
C18 2.0%
C18F1 77.7%
C18F2 5.3%
C20F1 0.1%
共役ジエン 9.2%
実施例4(微水添・脱臭)
5L容量の電磁攪拌式オートクレーブに1500gの実施例1で得られた不飽和アルコールと銅−クロム−マンガン−バリウム酸化物触媒(堺化学(株)社製、商品名「C−900」)2.3gを仕込み、系内を水素で置換した後、150〜160℃、水素圧0.1〜0.2MPaで、3時間反応させた。冷却後、触媒を濾別した。
【0135】
このものの1000gを、45cmのヴィドマー型精留塔を取り付けたクライゼンフラスコに入れ、減圧蒸留を行った。前留分を仕込量に対し6重量%留出させた後、主留分を留出させた。このときの主留分の歩留まりは91重量%であった。この主留分を、140℃、1.1KPaの条件下で、水蒸気蒸留を行い、下記の不飽和アルコールを得た。このときの水蒸気量吹き込み量は、水に対し2重量%であった。
【0136】
これにより以下の不飽和アルコールが得られた。
ヨウ素価91.6
曇点 3.8℃
組成
C16 4.4%
C18 1.8%
C18F1 90.6%
C18F2 2.9%
C20F1 0.2%
共役ジエン 0.1%
色相(ハーゼン) 10
実施例5(微水添・脱臭)
実施例3で得られた不飽和アルコールを使用し、微水添のための銅系触媒として銅−亜鉛−アルミニウム酸化物触媒(日揮化学(株)社製、商品名「E01−X1」)を使用した以外は、実施例4と同様にして下記の不飽和アルコールを得た。
ヨウ素価96.1
曇点 4.4℃
組成
C16 4.5%
C18 2.2%
C18F1 87.8%
C18F2 5.2%
C20F1 0.1%
共役ジエン 0.2%
色相(ハーゼン) 10
実施例6(微水添)
5L容量の電磁攪拌式オートクレーブに、1500gの実施例1で得られた不飽和アルコールと銅−クロム酸化物触媒2.3gとを仕込み、系内を水素で置換した後、150〜160℃、水素圧0.1〜0.2MPaで、3時間反応させた。冷却後、触媒を濾別した。このものの1000gを、45cmのヴィドマー型精留塔を取り付けたクライゼンフラスコに入れ、減圧蒸留を行った。前留分を仕込量に対し6重量%留出させた後、主留分を留出させた。このときの主留分の歩留まりは91重量%であった。以上の操作により、下記の不飽和アルコールを得た。
ヨウ素価 91.0
曇点 3.5℃
組成
C12 0.2%
C14 0.6%
C16 5.9%
C18 1.8%
C18F1 88.9%
C18F2 2.9%
C20F1 0.1%
共役ジエン 0.1%
色相(ハーゼン) 15
実施例7(ヘアコンディショナーの調製例)
実施例4の不飽和アルコール2重量%、メドフォームシードオイル1重量%、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミン乳酸塩2.5重量%、水解ケラチン0.5重量%及び水解小麦プロティン1重量%を脱イオン水に溶解し、乳酸を用いてpHを調製することによりpH4.0とした。さらに、殺菌のために85℃、1時間加熱撹拌した後に冷却し、ハーブ系香料を添加し、ヘアコンディショナーを調製した。
【0137】
実施例8〜11(アルキレンオキシド付加物の製造例)
実施例1、2、4及び6の各不飽和アルコールに、水酸化カリウム0.1重量%を加えて、エチレンオキシドを170℃で付加した。得られた製品は透明清澄であった。
【0138】
実施例8〜11より得られた不飽和アルコールエチレンオキシド付加物のエチレンオキシドの付加モル数及び色相(ハーゼン)を以下の表1に示す。
【0139】
【表1】
【0140】
表1から明らかなように、いずれのエチレンオキシド付加物も、実用上十分に低い色相(ハーゼン)を示している。
【0141】
実施例12(アルキレンオキシド付加物の製造例)
実施例1の不飽和アルコールに、水酸化カリウム0.2重量%を加えて、170℃でプロピレンオキシド3モルを付加した後に、エチレンオキシド5モルを付加した。製品は透明清澄であり、色相(ハーゼン)は50と良好であった。
【0142】
実施例13(硫酸エステルの製造例)
実施例1の不飽和アルコール267gに、クロルスルホン酸117g(1モル/1モル)を加えて、酸性半エステルを調製した後に、水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和した。製品は透明清澄であり、色相(ハーゼン)は50と良好であった。
【0143】
同様に水酸化カリウム水溶液を加えて中和した製品は透明清澄であり、色相(ハーゼン)は50と良好であった。
【0144】
実施例14(純植物系のオレイルオレートの製造例)
不飽和脂肪酸として実施例1で使用したPALMAC750を1000g、不飽和アルコールとして実施例4の不飽和アルコールを940g用い、p−トルエンスルホン酸0.5重量%を加え、110℃で4時間、常圧から0.1KPaで脱水エステル化した。その後、中和、水洗及び脱水することにより純植物性不飽和エステルが得られた。このエステルは、無臭であり、透明清澄であり、色相(ハーゼン)は30と良好であった。
【0145】
実施例15(乳酸エステルの製造例)
実施例4の不飽和アルコール135g及び乳酸47gに、p−トルエンスルホン酸0.5重量%を添加して、110℃で5時間、常圧から0.1KPaの減圧下で脱水エステル化した。得られた乳酸エステルを中和、水洗及び脱水することにより得られたものは無臭であり、透明清燈であり、色相(ハーゼン)は50と良好であった。
【0146】
実施例16〜19(エーテルカルボン酸の製造例)
実施例8〜11の不飽和アルコールのエチレンオキシド5モル付加物49gに水酸化ナトリウム4.4gを加えて、減圧下、120℃で脱水した後、モノクロル酢酸ナトリウム13gを加えて、120℃で減圧下、3時間保持し、希塩酸を加えて酸性とし、90℃まで加熱して静置後、下層の水層を除去して、不飽和アルコールのエチレンオキシド付加物のエーテルカルボン酸を製造した。
【0147】
また、これらのエーテルカルボン酸を水酸化ナトリウムで中和し、23重量%の水溶液とした。
【0148】
得られたエーテルカルボン酸及びそのナトリウム塩水溶液のエチレンオキシド付加数及び色相(ハーゼン)を以下の表2に示す。
【0149】
【表2】
【0150】
表2から明らかなように、いずれのエチレンオキシド付加物も、実用上十分に低い色相(ハーゼン)を示している。
【0151】
実施例20〜23(エーテルリン酸エステルの製造例)
実施例1、2、4及び6で得た各不飽和アルコールのエチレンオキシド5モル付加物49gと五酸化リン7gとを混合し、50℃で3時間撹拌することにより不飽和アルコールのエチレンオキシド付加物のエーテルリン酸エステルを製造した。
【0152】
得られたエーテルリン酸エステルのエチレンオキシド付加数と色相(ハーゼン)を以下の表3に示す。
【0153】
【表3】
【0154】
表3から明らかなように、いずれのエチレンオキシド付加物も、実用上十分に低い色相(ハーゼン)を示している。
【0155】
実施例24(オレイルアルコールエチレンオキシド付加物を用いたヘアリンスの調製例)
実施例10より得られた純植物系のオレイルアルコールエチレンオキシド7モル付加物 0.2重量%、塩化セチルトリメチルアンモニウム2.0重量%を脱イオン水に80℃で溶解した。これに、同温度のコノール30RC(新日本理化(株)製:原料パーム核油) 1.8重量%、PALMAC90−18(アシッドケム社製:原料パーム油)0.2重量%、流動パラフィン2.2重量%を撹拌しながら徐々に加えた。40℃以下まで冷却することにより、ヘアリンスが得られた。
【0156】
得られたヘアリンスはpH3であり、このような酸性状態において色相が良好であり、純白の乳化液が得られた。
【0157】
実施例25(オレイルアルコールエチレンオキシド付加物及びオレイルオレートエステルを用いたヘアリンスの調製例)
実施例9により得られた純植物系のオレイルアルコールエチレンオキシド7モル付加物 0.2重量%、塩化セチルトリメチルアンモニウム2.0重量%を脱イオン水に80℃で溶解した。これに、同温度のコノール30RC(新日本理化(株)製:原料パーム核油) 1.8重量%、PALMAC90−18(アシッドケム社製:原料パーム油)0.2重量%、実施例14により得られた純植物系のオレイルオレート2.2重量%を撹拌しながら徐々に加えた。40℃以下まで冷却後、ハーブ系香料を添加することにより、ヘアリンスが得られた。
【0158】
得られたヘアリンスはpH3であり、このような酸性状態において色相が良好であり、純白の乳化液が得られた。また、低臭気であるため、香料の匂い変化、及び、香料の立ち上がりに変化は見られなかった。
【0159】
実施例26(乳酸エステルとエチレンオキシド付加物の化粧品使用例)
実施例9の純植物系のオレイルアルコールエチレンオキシド7モル付加物 0.2重量%、塩化セチルトリメチルアンモニウム2.0重量%を脱イオン水に80℃で溶解し、同温度のコノール30RC(新日本理化(株)製:
原料パーム核油) 1.8重量%、PALMAC90−18(アシッドケム社製:原料パーム油)0.2重量%、実施例15の乳酸オレイル2.2重量%を撹拌しながら徐々に加えた。40℃以下まで冷却後、ハーブ系香料を添加してヘアリンスを調製した。
得られたヘアリンスはpH3であった。
【0160】
pH3と酸性状態において色相が良好であり、純白の乳化液が得られた。又、低臭気であるため、香料の匂い変化、及び、香料の立ち上がりに変化は見られなかった。
【0161】
実施例27(エーテルカルボン酸を用いたボディーソープの調製例)
パーム核油由来のラウリン酸5.5重量%、パーム核油由来のミリスチン酸5.2重量%、 パーム油由来のパルミチン酸2.0重量%、キレート剤としてのキレストHS(キレスト社製)0.2重量、及び、6.9重量%の水酸化カリウムを脱イオン水中で80℃で2時間撹拌し、中和溶解した。さらに、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン水溶液(30重量%)10重量%、実施例16により得られたエチレンオキシド5モル付加物のエーテルカルボン酸ナトリウム6.2重量%を加えた。これを40℃以下まで冷却することによりボディーソープが得られた。
【0162】
得られたボディーソープはpH10であった。このような塩基性状態において加熱して製造するという条件下で、色相が良好で、色相(ハーゼン)30である製品が得られた。
【0163】
実施例28(リン酸エステルを用いたシャンプーの調製例)
実施例23により得られたエチレンオキシド5モル付加物のエーテルリン酸ナトリウム4重量%、ラウリン酸アミドプロピルベタイン水溶液(30重量%)24重量%、ポリオキシエチレン(EO3モル)スルホコハク酸ラウリルエステル・2ナトリウム塩4重量%、ポリオキシエチレン(EO5モル)ヤシ脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム塩10重量%、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド3重量%、カチオン化セルロース0.6重量%を、脱イオン水中で80℃で2時間撹拌して、加熱溶解した。この溶液を40℃以下まで冷却することによりシャンプーを調製した。
【0164】
得られたシャンプーはpH7であった。加熱して製造する条件下で、色相が良好であり、ハーゼン20の製品が得られた。
【0165】
<低温挙動>
曇点 4.1℃の液状植物性不飽和アルコール(実施例1により得られた不飽和アルコール)と曇点10℃の植物性不飽和アルコール(比較例1により得られた不飽和アルコール)と曇点6.5℃の液状植物性不飽和アルコールとを、各々、直径4cm、高さ10cmの蓋付きガラス容器に入れた。各容器を、10℃に設定されたインキュベーター中に放置して、各不飽和アルコールの低温挙動を観測した。結果を以下の表4に示す。
【0166】
【表4】
【0167】
表4から明らかなように、曇点6.5℃(7℃未満)の不飽和アルコールでは液状保持性が優れ、曇点4.1℃(6℃未満)の不飽和アルコールでは液状保持性が極めて優れていた。これに対して曇点10℃の不飽和アルコールでは静置1日後から底部に沈殿物が観察され、液状保持性が非常に悪かった。
【0168】
<酸性物質の共存下での色相安定性試験>
実施例1、2、4、5及び6により得られた不飽和アルコールに酸性物質として、p−トルエンスルホン酸を0.1重量%加え、150℃で1時間加熱し、色相(ガードナー)を観察した。
【0169】
<塩基性物質との共存下での色相安定性試験>
実施例1、2、4、5及び6により得られた不飽和アルコールに塩基性物質として、水酸化カリウム0.2重量%を加え、窒素気流下で溶解させた後、色相(ハーゼン)を観察した。
【0170】
色相安定性試験の結果を以下の表5に示す。
【0171】
【表5】
【0172】
表5から明らかなように、不飽和脂肪酸の還元及び蒸留のみ行った実施例1においてさらに微水添及び蒸留を行った実施例2、実施例1においてさらに微水添、蒸留及び水蒸気脱臭を行った実施例4、5では、実施例1に比べて、得られる不飽和アルコールの着色が格段に少なかった。また、実施例1で得られた不飽和アルコールをさらに微水添した実施例6では、着色は、実施例4、5に比べて多かったが、実施例1に比べて格段に少なかった。このことから、微水添により酸性物質又は塩基性物質の存在下での着色が格段に低減されることが分かる。
【0173】
なお、実施例4の不飽和アルコールを配合したヘアコンディショナー(実施例7)は、酸性物質である乳酸の存在下で(pH=4.0で)85℃で1時間加熱することにより調製されたが、目視により着色は認められなかった。
【0174】
<臭気試験>
実施例1、2、4、5、6により得られた不飽和アルコールについて、10人のモニターによる蓋なし試料についての匂い試験、及び、10人のモニターによる蓋付き試料についての蓋を開放した直後の匂い試験の2種の臭気試験を実施した。
【0175】
<揮発成分量>
実施例1、2、4、5、6により得られた不飽和アルコール試料について、150℃で10分間加熱した場合の、ヘッドスペースガスクロマトグラムにより測定される揮発成分量を測定した。対照試料として、流動パラフィン中に既知量のトルエンを溶解したものを用い、試料中の揮発成分量をトルエン換算値で表した。
【0176】
臭気試験及び揮発成分量測定の結果を以下の表6に示す。
【0177】
【表6】
【0178】
表6から明らかなように、不飽和脂肪酸の還元及び蒸留のみ行った実施例1では、蓋なし及び蓋解放時の双方で油臭が感じられた。これに対して、実施例1においてさらに微水添及び蒸留を行った実施例2、実施例1においてさらに微水添、蒸留及び水蒸気脱臭を行った実施例4、5、実施例1においてさらに微水添を行った実施例6では、蓋なし及び蓋解放時の双方で臭いが感じられなかった。また、揮発成分量は、実施例1に比べて実施例2、4、5では格段に少なかった。
【0179】
また、実施例4で得られた不飽和アルコールを配合したヘアコンディショナー(実施例7)では、香料の香りの変化及び香りの立ち上がりに変化は見られなかった。このことから、揮発成分量50ppmの不飽和アルコールを化粧品に配合した場合には、化粧品の香りの変化及び香りの立ち上がりの変化が生じないことが分かる。
【0180】
<着色・臭気の経時的安定性>
実施例1により得られた不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量6.4%)、実施例2及び実施例4により得られた不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量0.1%)を、それぞれ直径4cm、高さ10cmの蓋付きガラス容器にいれ、40℃のオーブン中で2ケ月間、保温した。前述した方法により、色相(ハーゼン)及び臭気を観察した。
【0181】
この結果、実施例1、2及び4の不飽和アルコール共に、製造直後は色相(ハーゼン)は10未満であった。また、2ヶ月間保温後には、色相(ハーゼン)は、実施例1では40になったが、実施例2及び実施例4では10であった。
【0182】
また、実施例1の不飽和アルコールでは、製造直後の臭いを感じたモニターは10人中8人であり、2カ月後には10人中10人が臭気ありと感じた。これに対して実施例2及び実施例4の不飽和アルコールでは、製造直後及び2カ月保存後の双方で、10人のモニター全員が臭いを感じなかった。
【0183】
このことから、さらに微水添、蒸留及び水蒸気脱臭を行うことにより、比較的高温での長期保存による着色及び臭気の発生が強く抑制されることが分かる。
【0184】
<長期耐光性>
実施例1の不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量6.4%)、実施例2の不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量0.1%)及び実施例4の不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量0.1%)を、それぞれ、直径4cm、高さ10cmの蓋付きガラス容器にいれ、屋外で2ケ月間、日光に暴露した後、着色を観測した。
【0185】
この結果、実施例1、2、4の不飽和アルコール共に、製造直後は色相(ハーゼン)は10未満であった。また、2ヶ月間日光に暴露した後には、色相(ハーゼン)は、実施例1では50になったが、実施例2及び実施例4では10であった。このことから、さらに微水添、蒸留及び/又は水蒸気脱臭を行うことにより、光に対する長期安定性が著しく向上することが分かる。
【0186】
実施例29 ( 還元により共役ジエン含有量3重量%程度とした例 )
パーム核油を加水分解することにより得られた脂肪酸を蒸留し、冷却固体分別することにより得られた不飽和脂肪酸(ヨウ素価93.4、glc組成C12:0.6、C14:0.6、C16:5.5%、C18:1.4%、C18F1:79.3%、C18F2:11.8%、C18F3:0.5%、C20F1:0.3%)(アシッドケム社、商品名「PALMAC750」)10kgをメチルアルコール10kg及びp−トルエンスルホン酸0.1kgを用いてエステル化したメチルエステルを原料として用いた。このメチルエステルを、銅含有量が5ppmの亜鉛−クロム酸化物触媒存在下で、反応圧力20MPa、反応温度320℃、原料供給空塔速度0.3/h−1で還元した。得られた還元粗物を蒸留して、下記の不飽和アルコールを得た。
ヨウ素価87.3
曇点 6.9℃
組成
C12 0.2
C14 0.7
C16 6.3
C18 3.1%
C18F1 82.9%
C18F2 3.1%
C20F1 0.4%
共役ジエン 3.0%
実施例30 ( 微水添により共役ジエン含有量を3重量%程度にした例 )
5L容量の電磁攪拌式オートクレーブに1500gの実施例1で得られた不飽和アルコールと銅−クロム−マンガン−バリウム酸化物触媒(堺化学(株)社製、商品名「C−900」)2.3gを仕込み、系内を水素で置換した後、150〜160℃、水素圧0.1〜0.2MPaで、30分間反応させた。冷却後、触媒を濾別した。
【0187】
このものの1000gを、45cmのヴィドマー型精留塔を取り付けたクライゼンフラスコに入れ、減圧蒸留を行った。前留分を仕込量に対し6重量%留出させた後、主留分を留出させた。このときの主留分の歩留まりは91重量%であった。この主留分を、140℃、1.1KPaの条件下で、水蒸気蒸留を行い、下記の不飽和アルコールを得た。このときの水蒸気の吹き込み量は、水に対し2重量%であった。
【0188】
これにより以下の不飽和アルコールが得られた。
ヨウ素価90.7
曇点 3.8℃
組成
C16 4.4%
C18 1.8%
C18F1 87.6%
C18F2 2.6%
C20F1 0.2%
共役ジエン 3.1%
色相(ハーゼン) 10
実施例31 ( 微水添により共役ジエン含有量を1重量%程度にした例 )
5L容量の電磁攪拌式オートクレーブに1500gの実施例1で得られた不飽和アルコールと銅−クロム−マンガン−バリウム酸化物触媒(堺化学(株)社製、商品名「C−900」)2.3gを仕込み、系内を水素で置換した後、150〜160℃、水素圧0.1〜0.2MPaで、2時間反応させた。冷却後、触媒を濾別した。
【0189】
このものの1000gを、45cmのヴィドマー型精留塔を取り付けたクライゼンフラスコに入れ、減圧蒸留を行った。前留分を仕込量に対し6重量%留出させた後、主留分を留出させた。このときの主留分の歩留まりは91重量%であった。この主留分を、140℃、1.1KPaの条件下で、水蒸気蒸留を行い、下記の不飽和アルコールを得た。このときの水蒸気の吹き込み量は、水に対し2重量%であった。
【0190】
これにより以下の不飽和アルコールが得られた。
ヨウ素価91.0
曇点 3.7℃
組成
C16 4.8%
C18 1.9%
C18F1 89.6%
C18F2 2.8%
C20F1 0.1%
共役ジエン 0.8%
色相(ハーゼン) 10
<長期耐光性>
実施例1の不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量6.4重量%)、実施例29の不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量3.0重量%)、実施例30の不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量3.1重量%)、実施例31の不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量0.8重量%)、実施例2の不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量0.1重量%)及び実施例4の不飽和アルコール(共役ジエン化合物含有量0.1重量%)を、それぞれ、直径4cm、高さ10cmの蓋付きガラス容器にいれ、屋外で2ケ月間、日光に暴露した後、着色を観測した。
【0191】
この結果、実施例1、29、30、31、2、4の不飽和アルコール共に、製造直後は色相(ハーゼン)は10未満であった。また、2ヶ月間日光に暴露した後には、色相(ハーゼン)は、実施例1では50に、実施例29及び実施例30では40に、実施例31では15に、実施例2及び実施例4では10であった。
このことから、共役ジエン含有量を3重量%前後まで低下させた後、蒸留及び/又は水蒸気脱臭を行うことでは、光に対する長期安定性が著しく向上することはないが、共役ジエン含有量を1重量%以下まで低下させた後、蒸留及び/又は水蒸気脱臭を行うことで、光に対する長期安定性が著しく向上することがわかる。
【0192】
【発明の効果】
本発明によると、液状保持性が良好で、かつ温度変化しても曇りが生じ難い液状植物性不飽和アルコール及びその製造方法が提供される。また本発明によると、液状保持性が良好で、温度変化しても曇りが生じ難く、かつ色相長期耐光性及び酸性物質又は塩基性物質の存在下での色相安定性に優れた液状植物性不飽和アルコール及びその製造方法が提供される。
【0193】
このことから、本発明の不飽和アルコールは、パーソナルケア用品(化粧品)原料として好適に用いることができる。
Claims (42)
- パーム油、ヤシ油及びパーム核油からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物油から得られる植物性不飽和脂肪酸及び/又はそのアルキルエステルを、銅含有量30ppm以下の亜鉛系触媒の存在下で還元することにより得られる、ヨウ素価が88〜100であり、曇点が7℃未満であることを特徴とする液状植物性不飽和アルコール。
- 化粧品原料用の請求項1に記載の液状植物性不飽和アルコール。
- ヨウ素価が88〜100であり、曇点が7℃未満であり、かつ共役ジエン化合物含有量が1重量%以下であることを特徴とする液状植物性不飽和アルコール。
- 150℃で10分間加熱した場合のヘッドスペースガスクロマトグラフィーにより測定される揮発成分含有量が500ppm以下である請求項3に記載の液状植物性不飽和アルコール。
- 化粧品原料用の請求項3又は4に記載の液状植物性不飽和アルコール。
- 請求項1、3又は4に記載の液状植物性不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物。
- 化粧品原料用の請求項6に記載のアルキレンオキシド付加物。
- 請求項1、3又は4に記載の液状植物性不飽和アルコール又はそのアルキレンオキシド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
- 化粧品原料用の請求項8に記載の塩。
- 請求項1、3又は4に記載の液状植物性不飽和アルコール又はそのアルキレンオキシド付加物のエーテルカルボン酸又はエーテルカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
- 化粧品原料用の請求項10に記載のエーテルカルボン酸又はエーテルカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
- 請求項1、3又は4に記載の液状植物性不飽和アルコールと脂肪酸及び乳酸からなる群より選ばれる酸とのエステル。
- 化粧品原料用の請求項12に記載のエステル。
- 請求項1、3又は4に記載の液状植物性不飽和アルコール又はそのアルキレンオキシド付加物とリン酸とのエステル又はエステルのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
- 化粧品原料用である請求項14に記載のエステル又はエステルのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
- パーム油、ヤシ油及びパーム核油からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物油から得られる植物性不飽和脂肪酸及び/又はそのアルキルエステルを、銅含有量30ppm以下の亜鉛系触媒の存在下で還元することにより得られることを特徴とする液状植物性不飽和アルコール。
- 亜鉛系触媒が、亜鉛−クロム酸化物、亜鉛−アルミニウム酸化物、亜鉛−アルミニウム−クロム酸化物、亜鉛−クロム−マンガン酸化物、亜鉛−鉄酸化物及び亜鉛−鉄−アルミニウム酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の触媒である請求項16に記載の液状植物性不飽和アルコール。
- さらに、得られた液状植物性不飽和アルコールを微水添することにより得られる請求項16又は17に記載の液状植物性不飽和アルコール。
- 微水添を銅含有触媒を用いて行う請求項18に記載の液状植物性不飽和アルコール。
- 水素圧力1MPa〜常圧、温度50〜200℃の条件下で微水添する請求項18又は19に記載の液状植物性不飽和アルコール。
- さらに、得られた液状植物性不飽和アルコールを脱臭することにより得られる請求項16〜20のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコール。
- 脱臭が、100〜200℃、0.1〜70KPa、水蒸気吹き込み量0.1〜20重量%の条件で行う水蒸気脱臭である請求項21に記載の液状植物性不飽和アルコール。
- さらに、蒸留工程を含む方法により得られる請求項16〜22のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコール。
- 化粧品原料用の請求項16〜23のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコール。
- 請求項16〜23のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物。
- 化粧品原料用の請求項25に記載のアルキレンオキシド付加物。
- 請求項16〜23のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコール又はそのアルキレンオキシド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩又はアンモニウム塩。
- 化粧品原料用の請求項27に記載の塩。
- 請求項16〜23のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコール又はそのアルキレンオキシド付加物のエーテルカルボン酸又はエーテルカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩又はアンモニウム塩。
- 化粧品原料用の請求項29に記載のエーテルカルボン酸又はエーテルカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩又はアンモニウム塩。
- 請求項16〜23のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコールと脂肪酸及び乳酸からなる群より選ばれる酸とのエステル。
- 化粧品原料用の請求項31に記載のエステル。
- 請求項16〜23のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコール又はそのアルキレンオキシド付加物とリン酸とのエステル又はエステルのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
- 化粧品原料用である請求項33に記載のエステル又はエステルのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩若しくはアンモニウム塩。
- パーム油、ヤシ油及びパーム核油からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物油から得られる植物性不飽和脂肪酸及び/又はそのアルキルエステルを、銅含有量30ppm以下の亜鉛系触媒の存在下で還元する工程を含むことを特徴とする液状植物性不飽和アルコールの製造方法。
- 亜鉛系触媒が、亜鉛−クロム酸化物、亜鉛−アルミニウム酸化物、亜鉛−アルミニウム−クロム酸化物、亜鉛−クロム−マンガン酸化物、亜鉛−鉄酸化物及び亜鉛−鉄−アルミニウム酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の触媒である請求項35に記載の液状植物性不飽和アルコールの製造方法。
- さらに、得られた液状植物性不飽和アルコールを微水添する工程を含む請求項35又は36に記載の液状植物性不飽和アルコールの製造方法。
- 微水添を銅含有触媒を用いて行う請求項37に記載の液状植物性不飽和アルコールの製造方法。
- 水素圧力1MPa〜常圧、温度50〜200℃で微水添する請求項37又は38に記載の液状植物性不飽和アルコールの製造方法。
- さらに、得られた液状植物性不飽和アルコールを脱臭する工程を含む請求項35〜39のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコールの製造方法。
- 脱臭を100〜200℃、0.1〜70KPa、水蒸気吹き込み量0.1〜20重量%での水蒸気脱臭により行う請求項40に記載の液状植物性不飽和アルコールの製造方法。
- さらに、蒸留工程を含む請求項35〜41のいずれかに記載の液状植物性不飽和アルコールの製造方法。
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