JP2004311676A - チップ状積層セラミック電子部品の製造方法およびチップ状積層セラミック電子部品 - Google Patents
チップ状積層セラミック電子部品の製造方法およびチップ状積層セラミック電子部品 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】チップ状積層正特性サーミスタの外部電極上に湿式めっきによってめっき膜を形成するとき、めっき液がセラミック素体に浸入したり、不所望な領域でのめっき膜の析出が生じたりすることがある。
【解決手段】焼結体としてのチップ状のセラミック素体5を作製した後、セラミック素体5と玉石とSiO2 粉末とを混合して、乾式バレル研磨を施し、次いで、SiO2 粉末がガラス状に溶ける温度で、SiO2 粉末が表面に付着したセラミック素体5を熱処理することによって、セラミック素体5に、めっき液の浸入を防止する保護膜を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】焼結体としてのチップ状のセラミック素体5を作製した後、セラミック素体5と玉石とSiO2 粉末とを混合して、乾式バレル研磨を施し、次いで、SiO2 粉末がガラス状に溶ける温度で、SiO2 粉末が表面に付着したセラミック素体5を熱処理することによって、セラミック素体5に、めっき液の浸入を防止する保護膜を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、チップ状積層セラミック電子部品の製造方法およびこの製造方法によって得られたチップ状積層セラミック電子部品に関するもので、特に、外部電極に湿式めっきが施される必要のあるチップ状積層セラミック電子部品において、めっき液のセラミック素体への浸入およびめっき膜の不所望な領域への析出を防止するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、種々の電子部品に対して、これらを面実装可能とすべき要求が高まっており、この要求に対応するため、多くの電子部品においてチップ化が進んでいる。特に、積層セラミック電子部品がチップ化されたとき、その信頼性向上などを目的として、ガラスやその他の無機物を、表面に被覆または蒸着することによって保護膜を形成したり、内部に含浸したりする試みが多数なされている。
【0003】
上記保護膜の形成は、上述のような信頼性の向上の他、たとえば、セラミック素体上での不所望なめっき成長の抑制や、セラミック素体内へのめっき液の浸入の抑制などを目的としている。
【0004】
保護膜の形成方法として、たとえば、セラミック素体を玉石としてのジルコニアボールおよび水とともにポットに入れ、これらをポット中で回転させる、湿式バレル研磨を実施する際、ポット中にTiO2 またはZrO2 粉末をさらに加え、セラミック素体の表面にTiO2 またはZrO2 粉末を付着させて保護膜を設ける、といった方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−181029号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の技術には、次のような課題がある。
【0007】
すなわち、保護膜となるべきTiO2 またはZrO2 粉末をセラミック素体の表面上に付着させるにあたって、水を添加する湿式バレル研磨を実施しているので、玉石がセラミック素体表面に与える衝撃力が水の抵抗力によって比較的弱くなり、したがって、セラミック素体の表面にTiO2 またはZrO2 粉末が付着しにくいという問題がある。
【0008】
この付着しにくいという問題は、まず、付着強度が比較的低いという問題を意味する。したがって、めっき工程などにおいてセラミック素体にたとえ軽い衝撃が与えられたとしても、TiO2 またはZrO2 粉末による保護膜は容易に剥がれてしまうという問題を招く。
【0009】
また、上述の付着しにくいという問題は、TiO2 またはZrO2 粉末による保護膜が十分な厚みをもって隙間なく形成されることが困難であるという問題を意味する。特に、隙間なく保護膜が形成されることが困難であるという問題は、TiO2 またはZrO2 のような金属酸化物には延性がほとんどないため、金属酸化物間で隙間が形成されやすいということも起因している。
【0010】
このようなことから、特許文献1に記載の技術による保護膜では、セラミック素体内にめっき液が浸入することを完全に防止し得ないことがある。特に、セラミック素体に備えるセラミック部分が多孔質である場合、すなわちセラミックの相対密度が低い場合、めっき液はセラミック素体の内部に容易に浸入してしまう。
【0011】
上述のめっき液のセラミック素体内部への浸入は、電子部品の特性または信頼性の低下を招くことがある。たとえば、電子部品が正特性サーミスタである場合、これを実装する際に加えられる熱によって、セラミック素体の内部に浸入しためっき液の成分が燃焼し、セラミックの粒界に付着した酸素を消費するため、サーミスタ特性を著しく劣化させてしまうことがある。また、セラミック素体に備えるセラミック層が半導体特性を有するような場合、めっき工程において、セラミック素体の表面上の外部電極が形成されていない領域、すなわち不所望な領域にも、めっき膜が形成されてしまうという問題を引き起こす。
【0012】
そこで、この発明の目的は、上述のような保護膜を十分な厚みをもって隙間なく強固に形成し得る、チップ状積層セラミック電子部品の製造方法を提供しようとすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るチップ状積層セラミック電子部品の製造方法は、複数の積層されたセラミック層と、セラミック層間の所定の界面に沿って形成されかつ端面にまで引き出される内部電極とをもって構成される、焼結体としてのチップ状のセラミック素体を作製する工程を備えるが、上述した技術的課題を解決するため、セラミック素体と玉石とSiO2 粉末とを混合して、乾式バレル研磨を施す工程と、次いで、SiO2 粉末がガラス状に溶ける温度で、SiO2 粉末が表面に付着したセラミック素体を熱処理し、保護膜を形成する工程とをさらに備えることを特徴としている。
【0014】
セラミック素体の端面上に、外部電極を形成するために、導電性ペーストを付与し、次いで焼き付ける工程と、外部電極の表面にめっき処理を行ない、めっき膜を形成する工程とを備える場合、この焼き付ける工程は、前述した熱処理する工程を兼ねるようにしてもよい。
【0015】
この発明は、セラミック層が半導体セラミックからなるとき、特に有利に適用される。この場合、セラミック素体を作製する工程が、還元性雰囲気中で焼成する工程を含むとき、セラミック素体を再酸化する工程をさらに備えることが好ましい。そして、セラミック素体の端面上に、外部電極を形成するために、導電性ペーストを付与し、次いで焼き付ける工程が実施されるとき、この焼き付ける工程は、前述した熱処理する工程および再酸化する工程を兼ねることが好ましい。
【0016】
この発明において、玉石の比重は2.0〜4.0であることが好ましい。
【0017】
また、セラミック層についての(焼成後の実際の密度)/(セラミック組成の理論密度)で表される相対密度は、60〜90%であるとき、この発明が特に有利に適用される。
【0018】
この発明は、また、上述のような製造方法によって得られた、チップ状積層セラミック電子部品にも向けられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明に係る製造方法が適用されて製造されるチップ状積層セラミック電子部品の一例としてのチップ状積層正特性サーミスタ1を示す断面図である。
【0020】
積層正特性サーミスタ1は、複数の積層されたセラミック層2と、セラミック層2間の所定の界面に沿って形成される第1および第2の内部電極4とをもって構成される、焼結体としてのチップ状のセラミック素体5を備えている。
【0021】
第1の内部電極3は、セラミック素体5の第1の端面6にまで引き出され、第2の内部電極4は、セラミック素体2の第1の端面6に対向する第2の端面7にまで引き出されている。また、これら第1および第2の内部電極3および4は、セラミック素体5の内部において、積層方向に交互に配置されている。
【0022】
セラミック層2は、正の抵抗温度係数を与え得る、たとえばBaTiO3 系セラミックから構成される。また、内部電極3および4を構成する金属としては、NiもしくはCu等の卑金属またはPtもしくはAg−Pd合金等の貴金属を用いることができる。
【0023】
セラミック素体5の第1および第2の端面6および7上には、第1および第2の内部電極3および4に電気的に接続されるように、第1および第2の外部電極8および9がそれぞれ形成される。外部電極8および9を構成する金属としては、たとえば、AgまたはAg−Pd合金等の貴金属を用いることができる。
【0024】
第1および第2の外部電極8および9上には、湿式めっきによって、Niめっき膜10および11が形成され、その表面にSnめっき膜12および13が形成されている。めっき膜は必ずしも2層にする必要はなく、Snからなる層を1層設けてもよいし、または半田等からなる層を1層設けてもよい。
【0025】
このような積層正特性サーミスタ1を製造するため、次のような工程が実施される。
【0026】
まず、セラミック素体5を作製するため、セラミック層2となるべき複数のセラミックグリーンシートが用意される。セラミックグリーンシート上の所定の位置に、内部電極3および4となるべき導電性ペーストからなる膜が印刷等によって形成される。次に、これらセラミックグリーンシートが積層され、圧着され、必要に応じて、所定の寸法にカットされた後、焼成され、それによって、焼結体としてのチップ状のセラミック素体5が得られる。
【0027】
次に、セラミック素体5は、たとえばムライトまたはアルミナ等からなる玉石およびSiO2 粉末とともに、ポット中に入れられ、ポットを回転させることにより、乾式バレル研磨が施される。ここで、乾式でのバレル研磨を実施するようにしているので、セラミック素体5に対する機械的衝撃を高めることができる。したがって、SiO2 粉末を、強固かつ多量にセラミック素体5に付着させることができる。
【0028】
より詳細には、SiO2 粉末は、玉石から及ぼされる衝撃力によって、セラミック素体5に叩きつけられる。その結果、セラミック素体5のセラミック部分の空隙にSiO2 粉末がめり込むようにして付着し、さらに、バレル研磨によって削られたセラミック素体5の表面の凹凸にもSiO2 粉末が入り込むことによって、SiO2 粉末は厚く付着する。
【0029】
乾式バレル研磨においては、一例として、SiO2 粉末と玉石とセラミック素体5とが、重量比で2:10:1程度となるように混合される。また、乾式バレル研磨を実施するため、通常、たとえばアルミナからなるポットを用いた遠心バレルが適用されるが、遠心バレル以外のバレルが適用されてもよい。
【0030】
乾式バレル研磨において用いられる玉石は、その比重が2.0〜4.0であることが好ましい。玉石の比重をこのような数値範囲に選ぶことにより、セラミック素体5の表面にたとえば厚み20μmを超える比較的厚い保護膜を形成することが容易となり、保護膜の機能をより確実に発揮させることができるからである。
【0031】
また、セラミック素体5に備えるセラミック層2についての(焼成後の実際の密度)/(セラミック組成の理論密度)で表される相対密度が60〜90%であるとき、この発明が特に有利に適用される。この相対密度が60%より低い場合、セラミック素体5の表面にポアが多く存在するため、SiO2 粉末による保護膜によってポアを埋めきることが困難となり、他方、相対密度が90%より高い場合には、表面のポアが少なすぎるため、保護膜を十分な厚みで形成することが困難になるからである。相対密度が60〜90%の範囲にあると、ポアに入り込んだSiO2 粉末によって、後述する熱処理後において、十分な厚みをもって隙間なく保護膜を確実に形成することができる。なお、SiO2 粉末は、セラミック素体5の表面部分にあるポアにしか入り込まないので、セラミック素体5、特にセラミック層2の特性には実質的な影響を及ぼさない。
【0032】
上述の相対密度は、たとえば、セラミック素体5を得るために実施される焼成工程での焼成温度を調整したり、あるいは、焼成されるべき生の状態のセラミック素体に含まれる有機材料の含有量を調整したりすることによって、これを調整することができる。
【0033】
次に、SiO2 粉末がガラス状に溶ける温度で、上述のようにSiO2 粉末が表面に付着したセラミック素体5が熱処理される。これによって、SiO2 粉末は、ガラス状になってセラミック素体5の表面を隙間なく覆う状態となり、その結果、セラミック素体5の表面に十分な厚みの保護膜が形成される。
【0034】
前述したように、セラミック素体5の端面6および7上に、外部電極8および9をそれぞれ形成するために、導電性ペーストを付与し、次いで焼き付ける工程が実施されるとき、この焼き付け工程が、前述の熱処理工程を兼ねるようにすることが可能である。このような方法を採用すれば、工程数の削減を図ることができ、また、焼き付けまたは熱処理に要するエネルギーの節約にもなるばかりでなく、外部電極8および9の形成のための焼き付け工程において、保護膜を構成するSiO2 が外部電極8および9へと拡散するので、外部電極8および9と内部電極3および4との間で信頼性の高い導通状態を容易に得ることができる。
【0035】
なお、外部電極8および9の形成のため、たとえばAgまたはNiをターゲットとして用いたスパッタリング等が適用されてもよい。この場合には、内部電極3および4との導通の信頼性を高めるためには、前述した熱処理の後、セラミック素体5の端面6および7に形成された保護膜を除去し、その上で、外部電極8および9の形成のためのスパッタリング等を施すことが好ましい。
【0036】
セラミック素体5を作製するために実施される焼成工程では、内部電極3および4がNiのような卑金属を含む場合には、卑金属が酸化されないようにするため、還元性雰囲気中で実施される。したがって、この場合には、焼成工程の後、酸化性雰囲気中で熱処理する再酸化工程が実施され、それによって、セラミック層2においてサーミスタ特性が得られるようにしている。この再酸化のための熱処理は、前述したSiO2 粉末をガラス状にするための熱処理を兼ねてもよく、さらには、外部電極8および9の形成のための焼き付け工程が、SiO2 粉末をガラス状にするための熱処理および再酸化するための熱処理を兼ねるようにしてもよい。
【0037】
外部電極8および9が形成された後、湿式めっきによって、めっき膜10および11が形成されるが、この湿式めっき工程において、SiO2 粉末に由来する保護膜の存在により、セラミック素体5の内部へめっき液が浸入することを防止できる。また、セラミック層2が半導体セラミックからなるため、セラミック素体5に仮にめっき液が付着したとき、外部電極8および9以外の領域にもめっき膜が析出する可能性があるが、このような不所望な領域でのめっき膜の析出も有利に防止することができる。
【0038】
なお、図1に示したチップ状積層セラミック電子部品は、積層正特性サーミスタ1であったが、同様の構造を有する積層負特性サーミスタにおいても、セラミック層2がたとえば遷移元素系の半導体セラミックから構成され、また、積層バリスタにおいても、セラミック層2がZnO系の半導体セラミックから構成されるので、めっき液の付着により、外部電極8および9以外の領域にもめっき膜が析出する可能性がある。したがって、このように、セラミック層2が半導体セラミックからなるとき、この発明が特に有利に適用される。
【0039】
しかしながら、上述のような利点を望まないならば、この発明は、半導体セラミック以外のセラミックからなるセラミック層を備えるチップ状積層セラミック電子部品に対しても適用されることができる。
【0040】
次に、この発明による効果を確認するために実施した実験例について説明する。
【0041】
【実験例】
この実験例では、以下のような方法によって、各試料に係るチップ状積層正特性サーミスタを図1に示すような構造をもって製造した。
【0042】
1.チップ状積層正特性サーミスタの製造
(試料1)
まず、BaCO3 、TiO2 およびSm2 O3 の各粉末を用意し、(Ba0.998 Sm0.002 )TiO3 となるように、これら原料粉末を調合した。
【0043】
次に、得られた混合粉末に、純水を加えて、ジルコニアボールとともに、10時間混合粉砕し、乾燥後、1000℃の温度で2時間仮焼した。
【0044】
次に、この仮焼粉末に、有機バインダ、分散剤および水を加えて、ジルコニアボールとともに、数時間混合し、得られたスラリーから、厚さ30μmのグリーンシートを成形した。
【0045】
次に、グリーンシート上に、スクリーン印刷法によって、ニッケルを導電成分とする導電性ペーストを付与し、乾燥させることによって、内部電極となる導電性ペースト膜が形成されたグリーンシートを作製した。
【0046】
次に、導電性ペースト膜が形成された複数のグリーンシートを積層するとともに、その上下に、導電性ペースト膜を形成していない保護用のグリーンシートを積層し、次いで圧着した後、所定の寸法にカットすることによって、チップ状の生の積層体を得た。
【0047】
次に、生の積層体を、大気中において350℃の温度で脱脂処理した後、H2 /N2 =3%の還元性雰囲気下において1300℃の温度で2時間焼成して、相対密度75%のセラミック層を備える焼結体としてのチップ状のセラミック素体を得た。このセラミック素体の平面寸法は、2.0mm×1.2mmであった。
【0048】
次に、比重が2.6であり、直径が0.5mmである、ムライトからなる玉石を用意した。また、比表面積が200m2 /gであるSiO2 粉末を用意した。そして、用意した玉石400gと、得られたセラミック素体を50gと、SiO2 粉末を100gとを混合し、この混合物を、容量1リットルのウレタン製の八角形のポットに入れて、遠心バレル機にて250rpmの回転数で1時間回転させ、セラミック素体の表面にSiO2 粉末を付着させ、次いで、大気中において600℃の温度で熱処理した。
【0049】
次に、セラミック素体の相対向する端面に、外部電極となるAgを導電成分として含む導電性ペーストを塗布し、乾燥させた後、700℃の温度で焼き付け、外部電極を形成した。
【0050】
次に、湿式電気めっきによって、外部電極上に、Niめっき膜およびSnめっき膜を形成し、チップ状積層正特性サーミスタを完成させた。
【0051】
(試料2)
玉石として、比重が3.8であるアルミナからなるものを用いたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0052】
(試料3)
玉石として、比重が6.0であるPSZからなるものを用いたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0053】
(試料4)
玉石として、比重が1.8であるガラスビーズを用いたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0054】
(試料5)
焼結体としてのセラミック素体を得るための焼成工程において適用される温度を調整することによって、焼成後のセラミック素体に備えるセラミック層が相対密度60%となるようにしたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0055】
(試料6)
試料5の場合と同様、焼成温度を調整することによって、焼成後のセラミック素体に備えるセラミック層が相対密度90%となるようにしたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0056】
(試料7)
試料5の場合と同様、焼成温度を調整することによって、焼成後のセラミック素体に備えるセラミック層が相対密度80%となるようにしたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0057】
(試料8)
試料5の場合と同様、焼成温度を調整することによって、焼成後のセラミック素体に備えるセラミック層が相対密度50%となるようにしたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0058】
(試料9)
試料5の場合と同様、焼成温度を調整することによって、焼成後のセラミック素体に備えるセラミック層が相対密度95%となるようにしたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0059】
(試料10)
SiO2 粉末に代えて、TiO2 粉末を用いたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0060】
(試料11)
SiO2 粉末に代えて、ZrO2 粉末を用いたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0061】
(試料12)
遠心バレル機にかけられるポットに200ccの水を入れたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0062】
2.評価
以上の試料1〜12について、セラミック素体の断面を、Si、TiまたはZrのWDXマッピングにて分析し、SiO2 、TiO2 またはZrO2 からなる保護膜の厚みを求めた。
【0063】
また、外部電極以外の領域でのめっき成長の発生の有無を目視で評価した。
【0064】
また、セラミック素体へのめっき液の浸入の有無を評価するため、チップ状積層正特性サーミスタの耐電圧を求めた。なお、外部電極以外の領域のほぼ全面にめっき成長が生じているものについては、耐電圧を測定することが不可能であったので、耐電圧の測定を行なわなかった。
【0065】
以上の評価結果が表1に示されている。
【0066】
【表1】
【0067】
表1において、試料1、2、5、6および7では、SiO2 粉末を用いながら乾式バレル研磨を施し、しかも、玉石の比重が2.0〜4.0の範囲内にあり、かつ焼成後のセラミック素体に備えるセラミック層の相対密度が60〜90%の範囲内にあるので、SiO2 からなる保護膜を50μm以上といった十分な厚みで強固に形成することができ、したがって、不所望な領域でのめっき成長がなく、耐電圧についても、20Vといった高い値を示した。
【0068】
これらに対して、試料3および4は、乾式バレル研磨において用いた玉石の比重が2.0〜4.0の範囲外である点で、試料1、2、5、6および7と異なっている。すなわち、試料3では、比重4.0を超える玉石が用いられ、試料4では、比重2.0未満の玉石が用いられた。その結果、試料3および4では、SiO2 からなる保護膜の厚みが20μm以下となり、不所望な領域でのめっき成長を防止することができたものの、耐電圧については、18Vというように、やや低い値を示した。
【0069】
また、試料8および9は、焼成後のセラミック素体に備えるセラミック層の相対密度が60〜90%の範囲外である点において、試料1、2、5、6および7と異なっている。すなわち、試料8では、この相対密度が60%未満であり、他方、試料9では、相対密度が90%を超えている。その結果、試料8では、60μmといった十分な厚みの保護膜が形成され、不所望な領域でのめっき成長を防止することができたが、耐電圧については、14Vとやや低い値を示した。これは、セラミック素体の表面に存在するポアが多いためと考えられる。他方、試料9では、SiO2 粉末がめり込むためのポアが少ないため、10μmといった薄い保護膜しか形成されず、やや耐電圧が低くなることがわかった。
【0070】
試料10および11は、SiO2 粉末に代えて、TiO2 粉末またはZrO2 粉末のような金属酸化物粉末を用いた点において、試料1、2、5、6および7と異なっている。その結果、試料10および11では、厚み30μmの保護膜が形成されても、不所望な領域でのめっき成長を抑えることはできなかった。これは、TiO2 粉末またはZrO2 粉末のような金属酸化物粉末を、乾式バレル研磨によってセラミック素体の表面に付着させても、その付着力が小さく、めっき工程などにおいて付着物が剥がれてしまうためであると考えられる。なお、TiO2 またはZrO2 などの金属酸化物を保護膜として機能させるためには、1000℃以上の高温で熱処理を行ない、保護膜成分とセラミック素体のセラミック成分とを反応させる必要がある。しかしながら、このような高温の熱処理を行なうと、内部電極に含まれるNiが酸化してしまうため、所望の特性を得ることができない。
【0071】
試料12では、湿式バレル研磨を適用しているため、玉石によるセラミック素体に対する機械的衝撃が小さく、厚み1.5μmといった薄い保護膜しか形成されず、不所望な領域でのめっき成長を防止することができなかった。
【0072】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、焼結体としてのチップ状のセラミック素体を得た後、セラミック素体と玉石とSiO2 粉末とを混合して、乾式バレル研磨を施し、次いで、SiO2 粉末がガラス状に溶ける温度で、SiO2 粉末が表面に付着したセラミック素体を熱処理するようにしているので、SiO2 による保護膜を、隙間なく十分に厚くかつ強固に形成することができる。したがって、その後において湿式めっきを施したとき、この保護膜によって、セラミック素体へのめっき液の浸入および不所望な領域でのめっき成長を防止することができる。
【0073】
この発明において、セラミック素体の端面上に、外部電極を形成するために、導電性ペーストを付与し、次いで焼き付ける工程を実施するとき、この焼き付け工程が、前述した熱処理工程を兼ねるようにすれば、工程数の削減を図ることができるばかりでなく、保護膜を構成するSiO2 が外部電極へと拡散するので、外部電極と内部電極との間で信頼性の高い導通状態を確保することができる。
【0074】
この発明において、セラミック層が半導体セラミックからなるとき、セラミック素体にめっき液が付着したとき、外部電極以外の領域にもめっき膜が析出する可能性があるため、この発明による効果がより顕著に発揮される。
【0075】
上述のように、セラミック層が半導体セラミックからなり、セラミック素体を作製するため、還元性雰囲気中で焼成することが行なわれ、その後においてセラミック素体を再酸化する場合であって、外部電極の形成のために焼き付け工程が適用される場合には、この焼き付け工程が、前述した熱処理工程および再酸化工程を兼ねるようにすれば、3つの工程が1つの工程で済み、工程数のさらなる削減効果を期待することができる。
【0076】
乾式バレル研磨において用いられる玉石の比重が2.0〜4.0の範囲に選ばれると、セラミック素体の表面に十分な厚みの保護膜をより確実に形成することが可能となり、保護膜の機能をより確実に発揮させることができる。
【0077】
また、セラミック素体に備えるセラミック層の相対密度が60〜90%の範囲に選ばれると、十分な厚みをもって隙間なく保護膜をより確実に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る製造方法が適用されて製造されるチップ状積層セラミック電子部品の一例としてのチップ状積層正特性サーミスタ1を示す断面図である。
【符号の説明】
1 チップ状積層正特性サーミスタ
2 セラミック層
3,4 内部電極
5 セラミック素体
6,7 端面
8,9 外部電極
10,11,12,13 めっき膜
【発明の属する技術分野】
この発明は、チップ状積層セラミック電子部品の製造方法およびこの製造方法によって得られたチップ状積層セラミック電子部品に関するもので、特に、外部電極に湿式めっきが施される必要のあるチップ状積層セラミック電子部品において、めっき液のセラミック素体への浸入およびめっき膜の不所望な領域への析出を防止するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、種々の電子部品に対して、これらを面実装可能とすべき要求が高まっており、この要求に対応するため、多くの電子部品においてチップ化が進んでいる。特に、積層セラミック電子部品がチップ化されたとき、その信頼性向上などを目的として、ガラスやその他の無機物を、表面に被覆または蒸着することによって保護膜を形成したり、内部に含浸したりする試みが多数なされている。
【0003】
上記保護膜の形成は、上述のような信頼性の向上の他、たとえば、セラミック素体上での不所望なめっき成長の抑制や、セラミック素体内へのめっき液の浸入の抑制などを目的としている。
【0004】
保護膜の形成方法として、たとえば、セラミック素体を玉石としてのジルコニアボールおよび水とともにポットに入れ、これらをポット中で回転させる、湿式バレル研磨を実施する際、ポット中にTiO2 またはZrO2 粉末をさらに加え、セラミック素体の表面にTiO2 またはZrO2 粉末を付着させて保護膜を設ける、といった方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−181029号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の技術には、次のような課題がある。
【0007】
すなわち、保護膜となるべきTiO2 またはZrO2 粉末をセラミック素体の表面上に付着させるにあたって、水を添加する湿式バレル研磨を実施しているので、玉石がセラミック素体表面に与える衝撃力が水の抵抗力によって比較的弱くなり、したがって、セラミック素体の表面にTiO2 またはZrO2 粉末が付着しにくいという問題がある。
【0008】
この付着しにくいという問題は、まず、付着強度が比較的低いという問題を意味する。したがって、めっき工程などにおいてセラミック素体にたとえ軽い衝撃が与えられたとしても、TiO2 またはZrO2 粉末による保護膜は容易に剥がれてしまうという問題を招く。
【0009】
また、上述の付着しにくいという問題は、TiO2 またはZrO2 粉末による保護膜が十分な厚みをもって隙間なく形成されることが困難であるという問題を意味する。特に、隙間なく保護膜が形成されることが困難であるという問題は、TiO2 またはZrO2 のような金属酸化物には延性がほとんどないため、金属酸化物間で隙間が形成されやすいということも起因している。
【0010】
このようなことから、特許文献1に記載の技術による保護膜では、セラミック素体内にめっき液が浸入することを完全に防止し得ないことがある。特に、セラミック素体に備えるセラミック部分が多孔質である場合、すなわちセラミックの相対密度が低い場合、めっき液はセラミック素体の内部に容易に浸入してしまう。
【0011】
上述のめっき液のセラミック素体内部への浸入は、電子部品の特性または信頼性の低下を招くことがある。たとえば、電子部品が正特性サーミスタである場合、これを実装する際に加えられる熱によって、セラミック素体の内部に浸入しためっき液の成分が燃焼し、セラミックの粒界に付着した酸素を消費するため、サーミスタ特性を著しく劣化させてしまうことがある。また、セラミック素体に備えるセラミック層が半導体特性を有するような場合、めっき工程において、セラミック素体の表面上の外部電極が形成されていない領域、すなわち不所望な領域にも、めっき膜が形成されてしまうという問題を引き起こす。
【0012】
そこで、この発明の目的は、上述のような保護膜を十分な厚みをもって隙間なく強固に形成し得る、チップ状積層セラミック電子部品の製造方法を提供しようとすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るチップ状積層セラミック電子部品の製造方法は、複数の積層されたセラミック層と、セラミック層間の所定の界面に沿って形成されかつ端面にまで引き出される内部電極とをもって構成される、焼結体としてのチップ状のセラミック素体を作製する工程を備えるが、上述した技術的課題を解決するため、セラミック素体と玉石とSiO2 粉末とを混合して、乾式バレル研磨を施す工程と、次いで、SiO2 粉末がガラス状に溶ける温度で、SiO2 粉末が表面に付着したセラミック素体を熱処理し、保護膜を形成する工程とをさらに備えることを特徴としている。
【0014】
セラミック素体の端面上に、外部電極を形成するために、導電性ペーストを付与し、次いで焼き付ける工程と、外部電極の表面にめっき処理を行ない、めっき膜を形成する工程とを備える場合、この焼き付ける工程は、前述した熱処理する工程を兼ねるようにしてもよい。
【0015】
この発明は、セラミック層が半導体セラミックからなるとき、特に有利に適用される。この場合、セラミック素体を作製する工程が、還元性雰囲気中で焼成する工程を含むとき、セラミック素体を再酸化する工程をさらに備えることが好ましい。そして、セラミック素体の端面上に、外部電極を形成するために、導電性ペーストを付与し、次いで焼き付ける工程が実施されるとき、この焼き付ける工程は、前述した熱処理する工程および再酸化する工程を兼ねることが好ましい。
【0016】
この発明において、玉石の比重は2.0〜4.0であることが好ましい。
【0017】
また、セラミック層についての(焼成後の実際の密度)/(セラミック組成の理論密度)で表される相対密度は、60〜90%であるとき、この発明が特に有利に適用される。
【0018】
この発明は、また、上述のような製造方法によって得られた、チップ状積層セラミック電子部品にも向けられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明に係る製造方法が適用されて製造されるチップ状積層セラミック電子部品の一例としてのチップ状積層正特性サーミスタ1を示す断面図である。
【0020】
積層正特性サーミスタ1は、複数の積層されたセラミック層2と、セラミック層2間の所定の界面に沿って形成される第1および第2の内部電極4とをもって構成される、焼結体としてのチップ状のセラミック素体5を備えている。
【0021】
第1の内部電極3は、セラミック素体5の第1の端面6にまで引き出され、第2の内部電極4は、セラミック素体2の第1の端面6に対向する第2の端面7にまで引き出されている。また、これら第1および第2の内部電極3および4は、セラミック素体5の内部において、積層方向に交互に配置されている。
【0022】
セラミック層2は、正の抵抗温度係数を与え得る、たとえばBaTiO3 系セラミックから構成される。また、内部電極3および4を構成する金属としては、NiもしくはCu等の卑金属またはPtもしくはAg−Pd合金等の貴金属を用いることができる。
【0023】
セラミック素体5の第1および第2の端面6および7上には、第1および第2の内部電極3および4に電気的に接続されるように、第1および第2の外部電極8および9がそれぞれ形成される。外部電極8および9を構成する金属としては、たとえば、AgまたはAg−Pd合金等の貴金属を用いることができる。
【0024】
第1および第2の外部電極8および9上には、湿式めっきによって、Niめっき膜10および11が形成され、その表面にSnめっき膜12および13が形成されている。めっき膜は必ずしも2層にする必要はなく、Snからなる層を1層設けてもよいし、または半田等からなる層を1層設けてもよい。
【0025】
このような積層正特性サーミスタ1を製造するため、次のような工程が実施される。
【0026】
まず、セラミック素体5を作製するため、セラミック層2となるべき複数のセラミックグリーンシートが用意される。セラミックグリーンシート上の所定の位置に、内部電極3および4となるべき導電性ペーストからなる膜が印刷等によって形成される。次に、これらセラミックグリーンシートが積層され、圧着され、必要に応じて、所定の寸法にカットされた後、焼成され、それによって、焼結体としてのチップ状のセラミック素体5が得られる。
【0027】
次に、セラミック素体5は、たとえばムライトまたはアルミナ等からなる玉石およびSiO2 粉末とともに、ポット中に入れられ、ポットを回転させることにより、乾式バレル研磨が施される。ここで、乾式でのバレル研磨を実施するようにしているので、セラミック素体5に対する機械的衝撃を高めることができる。したがって、SiO2 粉末を、強固かつ多量にセラミック素体5に付着させることができる。
【0028】
より詳細には、SiO2 粉末は、玉石から及ぼされる衝撃力によって、セラミック素体5に叩きつけられる。その結果、セラミック素体5のセラミック部分の空隙にSiO2 粉末がめり込むようにして付着し、さらに、バレル研磨によって削られたセラミック素体5の表面の凹凸にもSiO2 粉末が入り込むことによって、SiO2 粉末は厚く付着する。
【0029】
乾式バレル研磨においては、一例として、SiO2 粉末と玉石とセラミック素体5とが、重量比で2:10:1程度となるように混合される。また、乾式バレル研磨を実施するため、通常、たとえばアルミナからなるポットを用いた遠心バレルが適用されるが、遠心バレル以外のバレルが適用されてもよい。
【0030】
乾式バレル研磨において用いられる玉石は、その比重が2.0〜4.0であることが好ましい。玉石の比重をこのような数値範囲に選ぶことにより、セラミック素体5の表面にたとえば厚み20μmを超える比較的厚い保護膜を形成することが容易となり、保護膜の機能をより確実に発揮させることができるからである。
【0031】
また、セラミック素体5に備えるセラミック層2についての(焼成後の実際の密度)/(セラミック組成の理論密度)で表される相対密度が60〜90%であるとき、この発明が特に有利に適用される。この相対密度が60%より低い場合、セラミック素体5の表面にポアが多く存在するため、SiO2 粉末による保護膜によってポアを埋めきることが困難となり、他方、相対密度が90%より高い場合には、表面のポアが少なすぎるため、保護膜を十分な厚みで形成することが困難になるからである。相対密度が60〜90%の範囲にあると、ポアに入り込んだSiO2 粉末によって、後述する熱処理後において、十分な厚みをもって隙間なく保護膜を確実に形成することができる。なお、SiO2 粉末は、セラミック素体5の表面部分にあるポアにしか入り込まないので、セラミック素体5、特にセラミック層2の特性には実質的な影響を及ぼさない。
【0032】
上述の相対密度は、たとえば、セラミック素体5を得るために実施される焼成工程での焼成温度を調整したり、あるいは、焼成されるべき生の状態のセラミック素体に含まれる有機材料の含有量を調整したりすることによって、これを調整することができる。
【0033】
次に、SiO2 粉末がガラス状に溶ける温度で、上述のようにSiO2 粉末が表面に付着したセラミック素体5が熱処理される。これによって、SiO2 粉末は、ガラス状になってセラミック素体5の表面を隙間なく覆う状態となり、その結果、セラミック素体5の表面に十分な厚みの保護膜が形成される。
【0034】
前述したように、セラミック素体5の端面6および7上に、外部電極8および9をそれぞれ形成するために、導電性ペーストを付与し、次いで焼き付ける工程が実施されるとき、この焼き付け工程が、前述の熱処理工程を兼ねるようにすることが可能である。このような方法を採用すれば、工程数の削減を図ることができ、また、焼き付けまたは熱処理に要するエネルギーの節約にもなるばかりでなく、外部電極8および9の形成のための焼き付け工程において、保護膜を構成するSiO2 が外部電極8および9へと拡散するので、外部電極8および9と内部電極3および4との間で信頼性の高い導通状態を容易に得ることができる。
【0035】
なお、外部電極8および9の形成のため、たとえばAgまたはNiをターゲットとして用いたスパッタリング等が適用されてもよい。この場合には、内部電極3および4との導通の信頼性を高めるためには、前述した熱処理の後、セラミック素体5の端面6および7に形成された保護膜を除去し、その上で、外部電極8および9の形成のためのスパッタリング等を施すことが好ましい。
【0036】
セラミック素体5を作製するために実施される焼成工程では、内部電極3および4がNiのような卑金属を含む場合には、卑金属が酸化されないようにするため、還元性雰囲気中で実施される。したがって、この場合には、焼成工程の後、酸化性雰囲気中で熱処理する再酸化工程が実施され、それによって、セラミック層2においてサーミスタ特性が得られるようにしている。この再酸化のための熱処理は、前述したSiO2 粉末をガラス状にするための熱処理を兼ねてもよく、さらには、外部電極8および9の形成のための焼き付け工程が、SiO2 粉末をガラス状にするための熱処理および再酸化するための熱処理を兼ねるようにしてもよい。
【0037】
外部電極8および9が形成された後、湿式めっきによって、めっき膜10および11が形成されるが、この湿式めっき工程において、SiO2 粉末に由来する保護膜の存在により、セラミック素体5の内部へめっき液が浸入することを防止できる。また、セラミック層2が半導体セラミックからなるため、セラミック素体5に仮にめっき液が付着したとき、外部電極8および9以外の領域にもめっき膜が析出する可能性があるが、このような不所望な領域でのめっき膜の析出も有利に防止することができる。
【0038】
なお、図1に示したチップ状積層セラミック電子部品は、積層正特性サーミスタ1であったが、同様の構造を有する積層負特性サーミスタにおいても、セラミック層2がたとえば遷移元素系の半導体セラミックから構成され、また、積層バリスタにおいても、セラミック層2がZnO系の半導体セラミックから構成されるので、めっき液の付着により、外部電極8および9以外の領域にもめっき膜が析出する可能性がある。したがって、このように、セラミック層2が半導体セラミックからなるとき、この発明が特に有利に適用される。
【0039】
しかしながら、上述のような利点を望まないならば、この発明は、半導体セラミック以外のセラミックからなるセラミック層を備えるチップ状積層セラミック電子部品に対しても適用されることができる。
【0040】
次に、この発明による効果を確認するために実施した実験例について説明する。
【0041】
【実験例】
この実験例では、以下のような方法によって、各試料に係るチップ状積層正特性サーミスタを図1に示すような構造をもって製造した。
【0042】
1.チップ状積層正特性サーミスタの製造
(試料1)
まず、BaCO3 、TiO2 およびSm2 O3 の各粉末を用意し、(Ba0.998 Sm0.002 )TiO3 となるように、これら原料粉末を調合した。
【0043】
次に、得られた混合粉末に、純水を加えて、ジルコニアボールとともに、10時間混合粉砕し、乾燥後、1000℃の温度で2時間仮焼した。
【0044】
次に、この仮焼粉末に、有機バインダ、分散剤および水を加えて、ジルコニアボールとともに、数時間混合し、得られたスラリーから、厚さ30μmのグリーンシートを成形した。
【0045】
次に、グリーンシート上に、スクリーン印刷法によって、ニッケルを導電成分とする導電性ペーストを付与し、乾燥させることによって、内部電極となる導電性ペースト膜が形成されたグリーンシートを作製した。
【0046】
次に、導電性ペースト膜が形成された複数のグリーンシートを積層するとともに、その上下に、導電性ペースト膜を形成していない保護用のグリーンシートを積層し、次いで圧着した後、所定の寸法にカットすることによって、チップ状の生の積層体を得た。
【0047】
次に、生の積層体を、大気中において350℃の温度で脱脂処理した後、H2 /N2 =3%の還元性雰囲気下において1300℃の温度で2時間焼成して、相対密度75%のセラミック層を備える焼結体としてのチップ状のセラミック素体を得た。このセラミック素体の平面寸法は、2.0mm×1.2mmであった。
【0048】
次に、比重が2.6であり、直径が0.5mmである、ムライトからなる玉石を用意した。また、比表面積が200m2 /gであるSiO2 粉末を用意した。そして、用意した玉石400gと、得られたセラミック素体を50gと、SiO2 粉末を100gとを混合し、この混合物を、容量1リットルのウレタン製の八角形のポットに入れて、遠心バレル機にて250rpmの回転数で1時間回転させ、セラミック素体の表面にSiO2 粉末を付着させ、次いで、大気中において600℃の温度で熱処理した。
【0049】
次に、セラミック素体の相対向する端面に、外部電極となるAgを導電成分として含む導電性ペーストを塗布し、乾燥させた後、700℃の温度で焼き付け、外部電極を形成した。
【0050】
次に、湿式電気めっきによって、外部電極上に、Niめっき膜およびSnめっき膜を形成し、チップ状積層正特性サーミスタを完成させた。
【0051】
(試料2)
玉石として、比重が3.8であるアルミナからなるものを用いたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0052】
(試料3)
玉石として、比重が6.0であるPSZからなるものを用いたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0053】
(試料4)
玉石として、比重が1.8であるガラスビーズを用いたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0054】
(試料5)
焼結体としてのセラミック素体を得るための焼成工程において適用される温度を調整することによって、焼成後のセラミック素体に備えるセラミック層が相対密度60%となるようにしたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0055】
(試料6)
試料5の場合と同様、焼成温度を調整することによって、焼成後のセラミック素体に備えるセラミック層が相対密度90%となるようにしたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0056】
(試料7)
試料5の場合と同様、焼成温度を調整することによって、焼成後のセラミック素体に備えるセラミック層が相対密度80%となるようにしたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0057】
(試料8)
試料5の場合と同様、焼成温度を調整することによって、焼成後のセラミック素体に備えるセラミック層が相対密度50%となるようにしたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0058】
(試料9)
試料5の場合と同様、焼成温度を調整することによって、焼成後のセラミック素体に備えるセラミック層が相対密度95%となるようにしたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0059】
(試料10)
SiO2 粉末に代えて、TiO2 粉末を用いたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0060】
(試料11)
SiO2 粉末に代えて、ZrO2 粉末を用いたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0061】
(試料12)
遠心バレル機にかけられるポットに200ccの水を入れたことを除いて、試料1の場合と同様にして、チップ状積層正特性サーミスタを製造した。
【0062】
2.評価
以上の試料1〜12について、セラミック素体の断面を、Si、TiまたはZrのWDXマッピングにて分析し、SiO2 、TiO2 またはZrO2 からなる保護膜の厚みを求めた。
【0063】
また、外部電極以外の領域でのめっき成長の発生の有無を目視で評価した。
【0064】
また、セラミック素体へのめっき液の浸入の有無を評価するため、チップ状積層正特性サーミスタの耐電圧を求めた。なお、外部電極以外の領域のほぼ全面にめっき成長が生じているものについては、耐電圧を測定することが不可能であったので、耐電圧の測定を行なわなかった。
【0065】
以上の評価結果が表1に示されている。
【0066】
【表1】
【0067】
表1において、試料1、2、5、6および7では、SiO2 粉末を用いながら乾式バレル研磨を施し、しかも、玉石の比重が2.0〜4.0の範囲内にあり、かつ焼成後のセラミック素体に備えるセラミック層の相対密度が60〜90%の範囲内にあるので、SiO2 からなる保護膜を50μm以上といった十分な厚みで強固に形成することができ、したがって、不所望な領域でのめっき成長がなく、耐電圧についても、20Vといった高い値を示した。
【0068】
これらに対して、試料3および4は、乾式バレル研磨において用いた玉石の比重が2.0〜4.0の範囲外である点で、試料1、2、5、6および7と異なっている。すなわち、試料3では、比重4.0を超える玉石が用いられ、試料4では、比重2.0未満の玉石が用いられた。その結果、試料3および4では、SiO2 からなる保護膜の厚みが20μm以下となり、不所望な領域でのめっき成長を防止することができたものの、耐電圧については、18Vというように、やや低い値を示した。
【0069】
また、試料8および9は、焼成後のセラミック素体に備えるセラミック層の相対密度が60〜90%の範囲外である点において、試料1、2、5、6および7と異なっている。すなわち、試料8では、この相対密度が60%未満であり、他方、試料9では、相対密度が90%を超えている。その結果、試料8では、60μmといった十分な厚みの保護膜が形成され、不所望な領域でのめっき成長を防止することができたが、耐電圧については、14Vとやや低い値を示した。これは、セラミック素体の表面に存在するポアが多いためと考えられる。他方、試料9では、SiO2 粉末がめり込むためのポアが少ないため、10μmといった薄い保護膜しか形成されず、やや耐電圧が低くなることがわかった。
【0070】
試料10および11は、SiO2 粉末に代えて、TiO2 粉末またはZrO2 粉末のような金属酸化物粉末を用いた点において、試料1、2、5、6および7と異なっている。その結果、試料10および11では、厚み30μmの保護膜が形成されても、不所望な領域でのめっき成長を抑えることはできなかった。これは、TiO2 粉末またはZrO2 粉末のような金属酸化物粉末を、乾式バレル研磨によってセラミック素体の表面に付着させても、その付着力が小さく、めっき工程などにおいて付着物が剥がれてしまうためであると考えられる。なお、TiO2 またはZrO2 などの金属酸化物を保護膜として機能させるためには、1000℃以上の高温で熱処理を行ない、保護膜成分とセラミック素体のセラミック成分とを反応させる必要がある。しかしながら、このような高温の熱処理を行なうと、内部電極に含まれるNiが酸化してしまうため、所望の特性を得ることができない。
【0071】
試料12では、湿式バレル研磨を適用しているため、玉石によるセラミック素体に対する機械的衝撃が小さく、厚み1.5μmといった薄い保護膜しか形成されず、不所望な領域でのめっき成長を防止することができなかった。
【0072】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、焼結体としてのチップ状のセラミック素体を得た後、セラミック素体と玉石とSiO2 粉末とを混合して、乾式バレル研磨を施し、次いで、SiO2 粉末がガラス状に溶ける温度で、SiO2 粉末が表面に付着したセラミック素体を熱処理するようにしているので、SiO2 による保護膜を、隙間なく十分に厚くかつ強固に形成することができる。したがって、その後において湿式めっきを施したとき、この保護膜によって、セラミック素体へのめっき液の浸入および不所望な領域でのめっき成長を防止することができる。
【0073】
この発明において、セラミック素体の端面上に、外部電極を形成するために、導電性ペーストを付与し、次いで焼き付ける工程を実施するとき、この焼き付け工程が、前述した熱処理工程を兼ねるようにすれば、工程数の削減を図ることができるばかりでなく、保護膜を構成するSiO2 が外部電極へと拡散するので、外部電極と内部電極との間で信頼性の高い導通状態を確保することができる。
【0074】
この発明において、セラミック層が半導体セラミックからなるとき、セラミック素体にめっき液が付着したとき、外部電極以外の領域にもめっき膜が析出する可能性があるため、この発明による効果がより顕著に発揮される。
【0075】
上述のように、セラミック層が半導体セラミックからなり、セラミック素体を作製するため、還元性雰囲気中で焼成することが行なわれ、その後においてセラミック素体を再酸化する場合であって、外部電極の形成のために焼き付け工程が適用される場合には、この焼き付け工程が、前述した熱処理工程および再酸化工程を兼ねるようにすれば、3つの工程が1つの工程で済み、工程数のさらなる削減効果を期待することができる。
【0076】
乾式バレル研磨において用いられる玉石の比重が2.0〜4.0の範囲に選ばれると、セラミック素体の表面に十分な厚みの保護膜をより確実に形成することが可能となり、保護膜の機能をより確実に発揮させることができる。
【0077】
また、セラミック素体に備えるセラミック層の相対密度が60〜90%の範囲に選ばれると、十分な厚みをもって隙間なく保護膜をより確実に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る製造方法が適用されて製造されるチップ状積層セラミック電子部品の一例としてのチップ状積層正特性サーミスタ1を示す断面図である。
【符号の説明】
1 チップ状積層正特性サーミスタ
2 セラミック層
3,4 内部電極
5 セラミック素体
6,7 端面
8,9 外部電極
10,11,12,13 めっき膜
Claims (8)
- 複数の積層されたセラミック層と、前記セラミック層間の所定の界面に沿って形成されかつ端面にまで引き出される内部電極とをもって構成される、焼結体としてのチップ状のセラミック素体を作製する工程と、
前記セラミック素体と玉石とSiO2 粉末とを混合して、乾式バレル研磨を施す工程と、
次いで、前記SiO2 粉末がガラス状に溶ける温度で、前記SiO2 粉末が表面に付着した前記セラミック素体を熱処理し、保護膜を形成する工程と
を備える、チップ状積層セラミック電子部品の製造方法。 - 前記セラミック素体の前記端面上に、外部電極を形成するために、導電性ペーストを付与し、次いで焼き付ける工程と、前記外部電極の表面にめっき処理を行ない、めっき膜を形成する工程とを備え、前記焼き付ける工程は、前記熱処理する工程を兼ねる、請求項1に記載のチップ状積層セラミック電子部品の製造方法。
- 前記セラミック層は半導体セラミックからなる、請求項1に記載のチップ状積層セラミック電子部品の製造方法。
- 前記セラミック素体を作製する工程は、還元性雰囲気中で焼成する工程を含み、前記セラミック素体を再酸化する工程をさらに備える、請求項3に記載のチップ状積層セラミック電子部品の製造方法。
- 前記セラミック素体の前記端面上に、外部電極を形成するために、導電性ペーストを付与し、次いで焼き付ける工程を備え、前記焼き付ける工程は、前記熱処理する工程および前記再酸化する工程を兼ねる、請求項4に記載のチップ状積層セラミック電子部品の製造方法。
- 前記玉石の比重は2.0〜4.0である、請求項1ないし5のいずれかに記載のチップ状積層セラミック電子部品の製造方法。
- 前記セラミック層についての(焼成後の実際の密度)/(セラミック組成の理論密度)で表される相対密度は、60〜90%である、請求項1ないし6のいずれかに記載のチップ状積層セラミック電子部品の製造方法。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の製造方法によって得られた、チップ状積層セラミック電子部品。
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