JP2004311477A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】配線溝の底部に接続孔を形成する工程において、配線溝の開口上部の肩落ちを抑制し、この配線溝内に形成される埋め込み配線間の短絡を防止する。
【解決手段】基板3上に第1〜第4絶縁膜4〜7、第1〜第3マスク層8〜10をこの順に形成する。次に、第3マスク層10に溝用開口10aを形成し、レジストパターン11をマスクしたエッチングによって、第2マスク層9〜第3絶縁膜6に接続孔用の接続用開口12bを形成し、レジストパターン11を除去する。その後、第3マスク層10上からのエッチングにより、第2マスク層8および第1マスク層7に溝用開口を形成する。第3マスク層10および第2マスク層9上からのエッチングにより、第4絶縁膜7に配線溝を形成すると共に第2絶縁膜5に接続孔を形成し、第3マスク層10をエッチング除去する。第2マスク層9および第1マスク層8上からのエッチングにより、第1絶縁膜4に接続孔を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】基板3上に第1〜第4絶縁膜4〜7、第1〜第3マスク層8〜10をこの順に形成する。次に、第3マスク層10に溝用開口10aを形成し、レジストパターン11をマスクしたエッチングによって、第2マスク層9〜第3絶縁膜6に接続孔用の接続用開口12bを形成し、レジストパターン11を除去する。その後、第3マスク層10上からのエッチングにより、第2マスク層8および第1マスク層7に溝用開口を形成する。第3マスク層10および第2マスク層9上からのエッチングにより、第4絶縁膜7に配線溝を形成すると共に第2絶縁膜5に接続孔を形成し、第3マスク層10をエッチング除去する。第2マスク層9および第1マスク層8上からのエッチングにより、第1絶縁膜4に接続孔を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置の製造方法に関し、特には層間絶縁膜に形成された溝および孔内に導電性材料を埋め込む埋め込み配線技術を用いた半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の高集積化および高機能化に伴い、配線の微細化、配線ピッチの縮小化が進んでいる。このような配線幅の微細化、配線ピッチの縮小化は、配線および配線間スペースのアスペクト比を大きくし、この結果、レジストパターンをマスクに用いた配線のパターンエッチングが困難となっている。
【0003】
そこで、層間絶縁膜に形成された配線溝や、配線溝の底面に形成された接続孔とを金属(Al、Cuなど)のメッキなどで埋め込み、CMPにより表面の金属を研磨する埋め込み配線形成技術(いわゆるダマシンプロセス、デュアルダマシンプロセス)が開発された。
【0004】
次に、図4に基づいて埋め込み配線技術を用いた半導体装置の製造方法を説明する。先ず、図4(1)に示すように、トランジスタや配線などが形成された基板101上に、接続孔が形成される第1絶縁膜102を形成し、さらにこの上部に配線溝が形成される第2絶縁膜103を形成する。これらの第1絶縁膜102および第2絶縁膜103には、配線間容量を低減するために、有機材料やその他の低誘電率の材料が用いられる。次に、第2絶縁膜103上に、酸化シリコンや窒化シリコンやメタル材料からなる第1マスク層104,第2マスク層105をこの順に形成する。その後、図4(2)に示すように、レジストパターン106をマスクにしたエッチングによって、第2マスク層105に配線溝の開口を形成し、配線溝マスク105aを形成する。
【0005】
次に、レジストパターン106を除去した後、図4(3)に示すように、新たなレジストパターン107をマスクにしたエッチングによって、第1マスク層104に接続孔の開口を形成し、接続孔マスク104aを形成する。この際、接続孔マスク104aの開口が、配線溝マスク105aの開口内に配置されるようにする。
【0006】
そして、さらに引き続き、第2絶縁膜103および第1絶縁膜102をエッチングし、第1絶縁膜102に接続孔102aを形成する。この際、レジストパターン107はエッチング除去され、最終的には接続孔マスク104aをマスクにしたエッチングが行われることになる。次いで、図4(4)に示すように、配線溝マスク105aをマスクにして、接続孔マスク104a及び第2絶縁膜103をエッチングすることで、接続孔102a上に配置された配線溝103bを第2絶縁膜103に形成する。
【0007】
以上の後、ここでの図示は省略したが、接続孔102aおよび配線溝103bの内壁を覆うバリアメタル膜を介して、これらの内部を埋め込むように配線材料膜を成膜し、配線溝マスク105aが露出するまで配線材料膜をCMP研磨する。これにより、配線溝103bとその底部に開口する接続孔102aの内部に埋め込み配線を形成する(以上、例えば下記特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−441849(第1図参照)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような、配線溝とその底部に開口する接続孔とを形成し、その内部に埋め込み配線を形成する、いわゆるデュアルダマシンプロセスにおいては、接続孔が形成される第1絶縁膜、および配線溝が形成される第2絶縁膜が多層構造となる場合がある。例えば、基板に銅配線が形成されている場合、接続孔が形成される第1絶縁膜は、通常、銅の拡散を防止するための拡散防止膜(例えばSiOC膜,SiC膜,またはSiCN膜)とその上層の低誘電膜(例えばSiOCH膜)との2層構造となる。また、第2絶縁膜は、第1絶縁膜に対してエッチング選択比を高くするため、下層に有機低誘電率膜(例えばポリアリールエーテル)を用い、さらに配線材料膜をCMP研磨する際のストッパ層とするため上層にシリコン系膜を用いた2層構造となる場合がある。そして、特に、上層のシリコン系膜は、層間絶縁膜として残されるため、低誘電率膜(例えばSiOCH膜)を用いることが検討されている。
【0010】
しかしながら、第1絶縁膜および第2絶縁膜をこのような多層構造とした場合、図4(3)を用いて説明したように、接続孔マスク104aをマスクにしたエッチングによって第1絶縁膜102に接続孔102aを形成し、図4(4)を用いて説明したように、配線溝マスク105aをマスクにしたエッチングによって第2絶縁膜103に配線溝103aを形成する方法では、接続孔マスク104aまたは配線溝マスク105aが、エッチングマスクとしての役割を十分に果たすことができず、配線溝103aの上方肩部が削れ、開口径が広がることが懸念される。
【0011】
そして、このような配線溝の開口径の広がりは、配線溝内に埋め込まれる配線間をショートさせる要因となる。
【0012】
そこで本発明は、多層化された層間絶縁膜に埋め込み配線間のショートを引き起こすことなく配線溝とこの底部の接続孔とを形成することが可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の半導体装置の製造方法は、次の第1〜第6工程をこの順に行うことを特徴としている。先ず、第1工程では、基板上に第1絶縁膜、第2絶縁膜、第3絶縁膜、および第4絶縁膜をこの順に形成し、さらに第1マスク層、第2マスク層、および第3マスク層をこの順に形成する。次の第2工程では、第3マスク層に配線溝の開口を形成する。その後の第3工程では、第3マスク層上に、当該第3マスク層に形成された配線溝の開口と重なる接続孔の開口が形成されたレジストパターンを形成し、当該レジストパターンをマスクに用いたエッチングによって、前記第2マスク層、第1マスク層、第4絶縁膜、および第3絶縁膜に接続孔の開口を形成すると共に、当該レジストパターンを除去する。次いで、第4工程では、第3マスク層上からのエッチングにより、前記第2マスク層および第1マスク層に配線溝の開口を形成する。その後、第5工程では、第3マスク層および第2マスク層上からのエッチングにより、前記第4絶縁膜に配線溝を形成すると共に前記第2絶縁膜に接続孔を形成すると共に、当該第3マスク層をエッチング除去する。そして、第6工程では、第2マスク層および第1マスク層上からのエッチングにより、前記第1絶縁膜に接続孔を形成すると共に第2マスク層を除去する。
【0014】
このような製造方法では、配線溝およびその底部の接続孔を形成するためのマスクを、第1マスク層、第2マスク層、および第3マスク層の3層構造にした。これにより、2層構造のマスクを用いた場合と比較して、より多層に積層された絶縁膜のパターンエッチングにおいて、当該絶縁膜を構成する各層のパターンエッチングに対して、より高い選択比でのエッチングを行うことが可能になり、パターンの開口上部の肩くずれが防止される。特に、第1マスク層をメタルマスクとした場合、この第1マスク層は、配線溝および接続孔の内部に埋め込まれた配線層のCMP研磨の際に、同時に除去されるため、配線層の形成前に、絶縁膜上に残しておくことができる。したがって、エッチングの最終段階まで、この第1マスク層をマスクに用いたエッチングを行うことができるため、上述したようパターンの型くずれを確実に防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、基板上を覆う層間絶縁膜に、配線溝とその底面から基板に達する接続孔を形成し、さらに接続孔および配線溝内を埋め込む埋め込み配線を形成する方法を説明する。
【0016】
先ず、図1(1)に示すように、層間絶縁膜1に形成された配線溝内に銅等からなる配線2が埋め込まれてなる基板3を用意する。
【0017】
そして、この基板3上に、配線2の拡散防止膜となる第1絶縁膜4を形成する。このため、この第1絶縁膜(拡散防止膜)4は、例えばSiCまたはSiCNを用いて形成されることとする。また、第1絶縁膜4は、膜中に、Si、C、O、H等を含む膜であっても良い。
【0018】
次に、この第1絶縁膜4上に、第1絶縁膜4と共に接続孔が形成される第2絶縁膜5を形成する。この第2絶縁膜5は、配線間容量の低下を目的として低誘電率材料で構成されることが好ましく、少なくとも、Si、O、C、Hをその組成中に含む材料からなることとする。そこで、この第2絶縁膜5は、例えば、SiOCHを含むOSG(Organo Silicate Glass)膜として形成されることとする。また、第2絶縁膜5は、多孔質材料を用いて形成されても良い。
【0019】
さらに、この第2絶縁膜5上に、第3絶縁膜6を形成する。この第3絶縁膜6は、配線間容量の低下を目的として低誘電率材料で構成されることが好ましく、さらに第4絶縁膜7のエッチングストッパとなる材料が好ましい。このため、この第3絶縁膜は、例えばPAE(ポリアリルエーテル)や、他の組成の有機膜からなることとする。また、第2絶縁膜5は、多孔質材料を用いて形成されても良い。
【0020】
そして、この第3絶縁膜6上に、第3絶縁膜6と共に配線溝が形成される第4絶縁膜7を形成する。この第4絶縁膜7は、配線間容量の低下を目的として低誘電率材料で構成されることが好ましい。このため、この第4絶縁膜7は、少なくとも、Si、O、C、Hをその組成中に含む材料からなることとし、ここでは例えば、SiOCH膜からなることとする。
【0021】
次に、これらの第4絶縁膜7上に、無機材料からなる第1マスク層8を形成する。この第1マスク層8は、Ta、TaN、Ti、TiN、W、WSi、WSiN、等の金属を用いたメタルマスクであることとする。この第1マスク層8は、これらの金属膜を用いた単層膜または積層膜として構成され、以降の工程で形成される埋め込み配線の最下層を構成するバリアメタル層を同様の材料を用いることで、最終工程で行われるCMP研磨の効率を確保することが好ましい。このため、第1マスク層8としては、例えば、少なくともTaを含む金属膜、あるいは少なくともTiを含む金属膜、あるいは少なくともWを含む金属膜のいずれか1層、あるいは、複数の膜からなる積層膜として形成する。特に、少なくともTaを含む金属膜としては、Taの他、TaNが用いられる。また、第1マスク層8は、アライメント光が透過するに十分薄い膜厚で形成されることとする。
【0022】
以下に、第1マスク層8がTa(タンタル)からなる場合の成膜条件の一例を下記に示す。
Taの成膜条件
装置 :マグネトロンスパッタリング装置
DCパワー :6kW
ガス/流量 :Ar/10sccm
圧力 :0.4Pa
基板温度 :150℃
Target−Wafer間距離:60mm
【0023】
次に、第1マスク層8上に、無機材料からなる第2マスク層9を形成する。ここでは、次に形成する第3マスク層10のエッチングストパとなる材料を用いて、第2マスク層9を形成することとする。そこでここでは、窒化シリコン、炭化シリコン、または窒化炭化シリコンなどからなる第2マスク層9を形成する。
【0024】
またさらに、この第2マスク層9上に、無機材料からなる第3マスク層10を形成する。ここでは、下層の第2マスク層9に対して高いエッチング選択比を有する材料を用いた第3マスク層10を形成することとる。そこでここでは、酸化シリコンからなる第3マスク層10を形成する。
【0025】
以上の後、図1(2)に示すように、第3マスク層10に、配線溝の開口(溝用開口)10aをパターン形成する。ここでは、先ず、第3マスク層10上に、レジストパターン(図示省略)を形成し、これをマスクに用いて第3マスク層10をエッチングする。以下に、酸化シリコンからなる第3マスク層10のエッチング条件の一例を示す。
【0026】
酸化シリコンからなる第3マスク層10のエッチング条件
装置 :平行平板型エッチング装置
ソースパワー :1400W
RFバイアスパワー:800W
ガス=流量 :C4F8/Ar/O2=15/200/8sccm
圧力 : 5Pa
基板温度 :20℃
【0027】
このような酸化シリコンからなる第3マスク層10の、例えば窒化シリコンからなる第2マスク層9に対するエッチング選択比は10以上ある。このため、例えば、30%のオーバーエッチングとなるようエッチング時間を設定することで、下地掘れ無く、確実に第3マスク層10をパターニングする。
【0028】
次に、図1(3)に示すように、第3マスク層10上に、この第3マスク層10に形成された溝用開口10aと重なる接続孔の開口(接続用開口)11bが形成されたレジストパターン11を形成する。そして、このレジストパターン11をマスクに用いたエッチングによって、第2マスク層9、第1マスク層8、第4絶縁膜7、および第3絶縁膜8に接続用開口12bを形成する。尚、レジストパターンの接続用開口11b内に第3マスク層10が露出している場合には、この第3マスク層10もエッチングする。
【0029】
これらの層のエッチングには、例えば、平行平板型プラズマエッチング装置を用い、順次エッチング条件を切り換えたエッチングを行う。そして、酸化シリコンからなる第3マスク層10のエッチングには、C4F8/Ar/O2をエッチングガスに用いる。また、窒化シリコンからなる第2マスク層9およびTaからなる第1マスク層8には、CHF3/Ar/O2をエッチングガスに用いる。さらに、SiOCHからなる第4絶縁膜7には、C4F8/Ar/O2をエッチングガスに用いる。以上のエッチングは、エッチング雰囲気内のガス圧力=2〜5Pa程度、ソースパワー=1〜2kW程度、RFバイアスパワー=0.5〜18.0kW程度、基板温度=約20℃に設定して行われる。
【0030】
また、PAEからなる第3絶縁膜6のエッチングには、少なくともNH3を含むガス系が用いられ、エッチング条件は、例えば圧力=0.5〜40.0Pa、ソースパワー=0.4〜1.8kW、RFバイアスパワー=150〜1400W、基板温度=約20℃に設定される。このPAEからなる第3絶縁膜6のエッチングの際には、同じく有機材料からなるレジストパターン11のエッチングも進む。このため、最終的には、レジストパターン11が除去され、上部に第3マスク層10が積層された第2マスク層9をマスクにして、第3絶縁膜6のエッチングが行われる。
【0031】
以上の後、図2(4)に示すように、酸化シリコンからなる第3マスク層10をマスクとしたエッチングにより、窒化シリコンからなる第2マスク層9およびTaからなる第1マスク層8に溝開口13aを形成する。この際、一般的な平行平板型プラズマエッチング装置を用い、エッチングガス=CH2F2/Ar/O2、圧力=2〜5Pa程度、ソースパワー=1〜2kW程度、RFバイアスパワー=0.5〜1.8kW程度、基板温度=約20℃に設定したエッチングが行われる。
【0032】
尚、このエッチングにおいては、オーバーエッチングを行うことで、第4絶縁膜7上部のエッチングが進むと共に、接続用開口12bの開口底部に露出している第2絶縁膜5の表面層のエッチングも進むことになる。
【0033】
次に、図2(5)に示すように、第3マスク層10および第2マスク層9上からのエッチングにより、第4絶縁膜7に配線溝14aを形成すると共に、この第4絶縁膜7と同質の材料からなる第2絶縁膜5に接続孔15bを形成する。この際、例えば、一般的な平行平板型プラズマエッチング装置を用い、エッチングガス=C4F8/Ar/O2、圧力=2〜5Pa程度、ソースパワー=1〜2kW程度、RFバイアスパワー=0.5〜1.8kW程度、基板温度=約20℃に設定したエッチングが行われる。尚、このエッチングにおいては、同時に第3マスク層10のエッチング除去が行われ、最終的に第2マスク層9をマスクにしたエッチングが行われる。
【0034】
次に、図2(6)に示すように、第2マスク層9および第1マスク層8上からのエッチングにより、第1絶縁膜4に接続孔15bを形成する。この際、一般的な平行平板型プラズマエッチング装置を用い、エッチングガス=CH2F2/Ar/O2、圧力=2〜5Pa程度、ソースパワー=1〜2kW程度、RFバイアスパワー=0.5〜1.8kW程度、基板温度=約20℃に設定したエッチングが行われる。尚、このエッチングにおいては、同時に第2マスク層9のエッチング除去が行われ、最終的に第1マスク層8をマスクにしたエッチングが行われる。
【0035】
次に、図2(7)に示すように、第1マスク層8上からのエッチングにより、第3絶縁膜6に配線溝14aを形成する。この際、一般的な平行平板型プラズマエッチング装置を用い、少なくともNH3を含むガス系が用いられ、エッチング条件は、例えば圧力=0.5〜40.0Pa、ソースパワー=0.4〜1.8kW、RFバイアスパワー=150〜1400W、基板温度=約20℃に設定される。
【0036】
以上の後、図3(8)に示すように、接続孔15bおよび配線溝14aの内壁を覆う状態で、バリアメタル層20を形成する。このバリアメタル層20は、第1マスク層8と同質材料で構成されることが好ましく、少なくともTaを含む金属膜、あるいは少なくともTiを含む金属膜、あるいは少なくともWを含む金属膜のいずれか1層、あるいは、これらの積層膜として形成する。ここでは、例えば、Taからなるバリアメタル層20を形成する。次いで、接続孔15bおよび配線溝14aの内部を埋め込む状態で、銅膜からなる配線層21を形成する。
【0037】
次に、図3(9)に示すように、配線層21の表面側から、配線層21、バリアメタル層20、および第1マスク層8のCMP研磨を行い、第4絶縁膜7を露出させる。これにより、接続孔15bおよび配線層14b内に埋め込まれ、バリアメタル層20を介して基板3の銅配線2に接続された埋め込み配線22aが形成される。
【0038】
尚、第1マスク層8のCMP研磨の際には、第4絶縁膜7をストッパとしたCMP研磨を行う。これにより、第4絶縁膜7は膜減りするが、その一部は残されて第3絶縁膜6と共に配線溝14aの一部を構成する層間絶縁膜部分となる。
【0039】
以上説明した製造方法によれば、配線溝14aおよびその底部の接続孔15bを形成するためのマスクを、第1マスク層7、第2マスク層8、および第3マスク層9の3層構造にした。これにより、従来の技術において図4を用いて説明したような2層構造のマスクを用いた場合と比較して、第1絶縁膜4〜第4絶縁膜7のパターンエッチングにおいて、当該各絶縁膜4〜7のパターンエッチングに対して、より高い選択比でのエッチングを行うことが可能になり、パターンの開口上部の肩くずれを防止することが可能になる。
【0040】
特に、第1マスク層8がメタルマスクであるため、この第1マスク層8は、図3(9)を用いて説明したように、配線溝14aおよび接続孔15bの内部に埋め込まれた配線層20のCMP研磨の際に、特に手間を掛けることなく同時に除去される。したがって、配線層20の形成前に、第4絶縁膜7を除去する必要はなく、エッチングの最終段階まで、この第1マスク層8をマスクに用いたエッチングを行うことが可能である。これにより、上述したようパターンの肩くずれを確実に防止できる。この結果、配線溝14aの開口径の広がりを防止でき、配線間の短絡のない、信頼性の高い半導体装置を得ることが可能になる。
【0041】
つまり、メタルマスク層を用いない場合には、研磨レートの関係からCMP研磨においてフラットな面を得ることが困難になるため、CMP研磨の前にマスク層を除去しておく必要がある。この場合、接続孔15bが基板3に達した状態でマスク層の除去を行うと、基板3にダメージが加わるため、基板3上に第1絶縁膜4を残した状態でマスク層の除去が行われることになる。このため、第1絶縁膜4に接続孔15bを形成する際には、マスク層なしで、つまり第4絶縁膜7の表面が露出した状態で第1絶縁膜4のエッチングが行われることになる。ここで、第1絶縁膜4を構成するSiOC膜と、第4絶縁膜7を構成するSiOCH膜とは、エッチング選択比が1程度でしかない。このため、第1絶縁膜4に接続孔15bを形成するためのエッチングにおいて、第4絶縁膜7の開口上部のエッチングによる肩くずれを避けることはできないのである。
【0042】
また、本実施形態においては、メタルマスク層からなる第1マスク層8上に、窒化シリコンからなる第2マスク層9と酸化シリコンからなる第3マスク層10との2層の無機マスク層を設けている。そして、図2(4)に示すように、第2マスク層8に溝用開口13aを形成するためのマスクとして、第3マスク層10を用いることで、窒化シリコンからなる第2マスク層9の膜厚を薄くできる。したがって、窒化シリコンからなる第2マスク層9を用いたエッチングが可能であると共に、この第2マスク層9の除去も容易になる。
【0043】
また、図2(5)を用いて説明したように、第2マスク層9をマスクにしたエッチングによって、第2絶縁膜5に接続孔15bが形成されるため、メタルマスクからなる第1マスク層8をマスクとしたエッチングは、第1絶縁膜4と第3絶縁膜6のエッチングだけで良い。このため、メタルマスクのスパッタによる残差物の発生を最小限に抑えることも可能である。
【0044】
尚、実施例1のエッチング装置及び条件は一例に過ぎず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において適宜変更出来る事は言うまでも無い。
【0045】
【発明の効果】
以上説明した本発明の半導体装置の製造方法によれば、配線溝の底部に接続孔を形成する工程において、配線溝の開口上部の肩落ち、後退、及び膜厚減少を抑制することが可能になり、この配線溝内に形成される埋め込み配線間の短絡のない、信頼性の高い半導体装置を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための断面工程図(その1)である。
【図2】本発明の実施形態を説明するための断面工程図(その2)である。
【図3】本発明の実施形態を説明するための断面工程図(その3)である。
【図4】従来の製造方法を説明するための断面工程図である。
【符号の説明】
3…基板、4…第1絶縁膜、5…第2絶縁膜、6…第3絶縁膜、7…第4絶縁膜、8…第1マスク層、9…第2マスク層、10…第3マスク層、10a,13a…溝開口(配線溝の開口)、11…レジストパターン、12b…接続用開口(接続孔の開口)、14a…配線溝、15b…接続孔、22…配線層
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置の製造方法に関し、特には層間絶縁膜に形成された溝および孔内に導電性材料を埋め込む埋め込み配線技術を用いた半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の高集積化および高機能化に伴い、配線の微細化、配線ピッチの縮小化が進んでいる。このような配線幅の微細化、配線ピッチの縮小化は、配線および配線間スペースのアスペクト比を大きくし、この結果、レジストパターンをマスクに用いた配線のパターンエッチングが困難となっている。
【0003】
そこで、層間絶縁膜に形成された配線溝や、配線溝の底面に形成された接続孔とを金属(Al、Cuなど)のメッキなどで埋め込み、CMPにより表面の金属を研磨する埋め込み配線形成技術(いわゆるダマシンプロセス、デュアルダマシンプロセス)が開発された。
【0004】
次に、図4に基づいて埋め込み配線技術を用いた半導体装置の製造方法を説明する。先ず、図4(1)に示すように、トランジスタや配線などが形成された基板101上に、接続孔が形成される第1絶縁膜102を形成し、さらにこの上部に配線溝が形成される第2絶縁膜103を形成する。これらの第1絶縁膜102および第2絶縁膜103には、配線間容量を低減するために、有機材料やその他の低誘電率の材料が用いられる。次に、第2絶縁膜103上に、酸化シリコンや窒化シリコンやメタル材料からなる第1マスク層104,第2マスク層105をこの順に形成する。その後、図4(2)に示すように、レジストパターン106をマスクにしたエッチングによって、第2マスク層105に配線溝の開口を形成し、配線溝マスク105aを形成する。
【0005】
次に、レジストパターン106を除去した後、図4(3)に示すように、新たなレジストパターン107をマスクにしたエッチングによって、第1マスク層104に接続孔の開口を形成し、接続孔マスク104aを形成する。この際、接続孔マスク104aの開口が、配線溝マスク105aの開口内に配置されるようにする。
【0006】
そして、さらに引き続き、第2絶縁膜103および第1絶縁膜102をエッチングし、第1絶縁膜102に接続孔102aを形成する。この際、レジストパターン107はエッチング除去され、最終的には接続孔マスク104aをマスクにしたエッチングが行われることになる。次いで、図4(4)に示すように、配線溝マスク105aをマスクにして、接続孔マスク104a及び第2絶縁膜103をエッチングすることで、接続孔102a上に配置された配線溝103bを第2絶縁膜103に形成する。
【0007】
以上の後、ここでの図示は省略したが、接続孔102aおよび配線溝103bの内壁を覆うバリアメタル膜を介して、これらの内部を埋め込むように配線材料膜を成膜し、配線溝マスク105aが露出するまで配線材料膜をCMP研磨する。これにより、配線溝103bとその底部に開口する接続孔102aの内部に埋め込み配線を形成する(以上、例えば下記特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−441849(第1図参照)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような、配線溝とその底部に開口する接続孔とを形成し、その内部に埋め込み配線を形成する、いわゆるデュアルダマシンプロセスにおいては、接続孔が形成される第1絶縁膜、および配線溝が形成される第2絶縁膜が多層構造となる場合がある。例えば、基板に銅配線が形成されている場合、接続孔が形成される第1絶縁膜は、通常、銅の拡散を防止するための拡散防止膜(例えばSiOC膜,SiC膜,またはSiCN膜)とその上層の低誘電膜(例えばSiOCH膜)との2層構造となる。また、第2絶縁膜は、第1絶縁膜に対してエッチング選択比を高くするため、下層に有機低誘電率膜(例えばポリアリールエーテル)を用い、さらに配線材料膜をCMP研磨する際のストッパ層とするため上層にシリコン系膜を用いた2層構造となる場合がある。そして、特に、上層のシリコン系膜は、層間絶縁膜として残されるため、低誘電率膜(例えばSiOCH膜)を用いることが検討されている。
【0010】
しかしながら、第1絶縁膜および第2絶縁膜をこのような多層構造とした場合、図4(3)を用いて説明したように、接続孔マスク104aをマスクにしたエッチングによって第1絶縁膜102に接続孔102aを形成し、図4(4)を用いて説明したように、配線溝マスク105aをマスクにしたエッチングによって第2絶縁膜103に配線溝103aを形成する方法では、接続孔マスク104aまたは配線溝マスク105aが、エッチングマスクとしての役割を十分に果たすことができず、配線溝103aの上方肩部が削れ、開口径が広がることが懸念される。
【0011】
そして、このような配線溝の開口径の広がりは、配線溝内に埋め込まれる配線間をショートさせる要因となる。
【0012】
そこで本発明は、多層化された層間絶縁膜に埋め込み配線間のショートを引き起こすことなく配線溝とこの底部の接続孔とを形成することが可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の半導体装置の製造方法は、次の第1〜第6工程をこの順に行うことを特徴としている。先ず、第1工程では、基板上に第1絶縁膜、第2絶縁膜、第3絶縁膜、および第4絶縁膜をこの順に形成し、さらに第1マスク層、第2マスク層、および第3マスク層をこの順に形成する。次の第2工程では、第3マスク層に配線溝の開口を形成する。その後の第3工程では、第3マスク層上に、当該第3マスク層に形成された配線溝の開口と重なる接続孔の開口が形成されたレジストパターンを形成し、当該レジストパターンをマスクに用いたエッチングによって、前記第2マスク層、第1マスク層、第4絶縁膜、および第3絶縁膜に接続孔の開口を形成すると共に、当該レジストパターンを除去する。次いで、第4工程では、第3マスク層上からのエッチングにより、前記第2マスク層および第1マスク層に配線溝の開口を形成する。その後、第5工程では、第3マスク層および第2マスク層上からのエッチングにより、前記第4絶縁膜に配線溝を形成すると共に前記第2絶縁膜に接続孔を形成すると共に、当該第3マスク層をエッチング除去する。そして、第6工程では、第2マスク層および第1マスク層上からのエッチングにより、前記第1絶縁膜に接続孔を形成すると共に第2マスク層を除去する。
【0014】
このような製造方法では、配線溝およびその底部の接続孔を形成するためのマスクを、第1マスク層、第2マスク層、および第3マスク層の3層構造にした。これにより、2層構造のマスクを用いた場合と比較して、より多層に積層された絶縁膜のパターンエッチングにおいて、当該絶縁膜を構成する各層のパターンエッチングに対して、より高い選択比でのエッチングを行うことが可能になり、パターンの開口上部の肩くずれが防止される。特に、第1マスク層をメタルマスクとした場合、この第1マスク層は、配線溝および接続孔の内部に埋め込まれた配線層のCMP研磨の際に、同時に除去されるため、配線層の形成前に、絶縁膜上に残しておくことができる。したがって、エッチングの最終段階まで、この第1マスク層をマスクに用いたエッチングを行うことができるため、上述したようパターンの型くずれを確実に防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、基板上を覆う層間絶縁膜に、配線溝とその底面から基板に達する接続孔を形成し、さらに接続孔および配線溝内を埋め込む埋め込み配線を形成する方法を説明する。
【0016】
先ず、図1(1)に示すように、層間絶縁膜1に形成された配線溝内に銅等からなる配線2が埋め込まれてなる基板3を用意する。
【0017】
そして、この基板3上に、配線2の拡散防止膜となる第1絶縁膜4を形成する。このため、この第1絶縁膜(拡散防止膜)4は、例えばSiCまたはSiCNを用いて形成されることとする。また、第1絶縁膜4は、膜中に、Si、C、O、H等を含む膜であっても良い。
【0018】
次に、この第1絶縁膜4上に、第1絶縁膜4と共に接続孔が形成される第2絶縁膜5を形成する。この第2絶縁膜5は、配線間容量の低下を目的として低誘電率材料で構成されることが好ましく、少なくとも、Si、O、C、Hをその組成中に含む材料からなることとする。そこで、この第2絶縁膜5は、例えば、SiOCHを含むOSG(Organo Silicate Glass)膜として形成されることとする。また、第2絶縁膜5は、多孔質材料を用いて形成されても良い。
【0019】
さらに、この第2絶縁膜5上に、第3絶縁膜6を形成する。この第3絶縁膜6は、配線間容量の低下を目的として低誘電率材料で構成されることが好ましく、さらに第4絶縁膜7のエッチングストッパとなる材料が好ましい。このため、この第3絶縁膜は、例えばPAE(ポリアリルエーテル)や、他の組成の有機膜からなることとする。また、第2絶縁膜5は、多孔質材料を用いて形成されても良い。
【0020】
そして、この第3絶縁膜6上に、第3絶縁膜6と共に配線溝が形成される第4絶縁膜7を形成する。この第4絶縁膜7は、配線間容量の低下を目的として低誘電率材料で構成されることが好ましい。このため、この第4絶縁膜7は、少なくとも、Si、O、C、Hをその組成中に含む材料からなることとし、ここでは例えば、SiOCH膜からなることとする。
【0021】
次に、これらの第4絶縁膜7上に、無機材料からなる第1マスク層8を形成する。この第1マスク層8は、Ta、TaN、Ti、TiN、W、WSi、WSiN、等の金属を用いたメタルマスクであることとする。この第1マスク層8は、これらの金属膜を用いた単層膜または積層膜として構成され、以降の工程で形成される埋め込み配線の最下層を構成するバリアメタル層を同様の材料を用いることで、最終工程で行われるCMP研磨の効率を確保することが好ましい。このため、第1マスク層8としては、例えば、少なくともTaを含む金属膜、あるいは少なくともTiを含む金属膜、あるいは少なくともWを含む金属膜のいずれか1層、あるいは、複数の膜からなる積層膜として形成する。特に、少なくともTaを含む金属膜としては、Taの他、TaNが用いられる。また、第1マスク層8は、アライメント光が透過するに十分薄い膜厚で形成されることとする。
【0022】
以下に、第1マスク層8がTa(タンタル)からなる場合の成膜条件の一例を下記に示す。
Taの成膜条件
装置 :マグネトロンスパッタリング装置
DCパワー :6kW
ガス/流量 :Ar/10sccm
圧力 :0.4Pa
基板温度 :150℃
Target−Wafer間距離:60mm
【0023】
次に、第1マスク層8上に、無機材料からなる第2マスク層9を形成する。ここでは、次に形成する第3マスク層10のエッチングストパとなる材料を用いて、第2マスク層9を形成することとする。そこでここでは、窒化シリコン、炭化シリコン、または窒化炭化シリコンなどからなる第2マスク層9を形成する。
【0024】
またさらに、この第2マスク層9上に、無機材料からなる第3マスク層10を形成する。ここでは、下層の第2マスク層9に対して高いエッチング選択比を有する材料を用いた第3マスク層10を形成することとる。そこでここでは、酸化シリコンからなる第3マスク層10を形成する。
【0025】
以上の後、図1(2)に示すように、第3マスク層10に、配線溝の開口(溝用開口)10aをパターン形成する。ここでは、先ず、第3マスク層10上に、レジストパターン(図示省略)を形成し、これをマスクに用いて第3マスク層10をエッチングする。以下に、酸化シリコンからなる第3マスク層10のエッチング条件の一例を示す。
【0026】
酸化シリコンからなる第3マスク層10のエッチング条件
装置 :平行平板型エッチング装置
ソースパワー :1400W
RFバイアスパワー:800W
ガス=流量 :C4F8/Ar/O2=15/200/8sccm
圧力 : 5Pa
基板温度 :20℃
【0027】
このような酸化シリコンからなる第3マスク層10の、例えば窒化シリコンからなる第2マスク層9に対するエッチング選択比は10以上ある。このため、例えば、30%のオーバーエッチングとなるようエッチング時間を設定することで、下地掘れ無く、確実に第3マスク層10をパターニングする。
【0028】
次に、図1(3)に示すように、第3マスク層10上に、この第3マスク層10に形成された溝用開口10aと重なる接続孔の開口(接続用開口)11bが形成されたレジストパターン11を形成する。そして、このレジストパターン11をマスクに用いたエッチングによって、第2マスク層9、第1マスク層8、第4絶縁膜7、および第3絶縁膜8に接続用開口12bを形成する。尚、レジストパターンの接続用開口11b内に第3マスク層10が露出している場合には、この第3マスク層10もエッチングする。
【0029】
これらの層のエッチングには、例えば、平行平板型プラズマエッチング装置を用い、順次エッチング条件を切り換えたエッチングを行う。そして、酸化シリコンからなる第3マスク層10のエッチングには、C4F8/Ar/O2をエッチングガスに用いる。また、窒化シリコンからなる第2マスク層9およびTaからなる第1マスク層8には、CHF3/Ar/O2をエッチングガスに用いる。さらに、SiOCHからなる第4絶縁膜7には、C4F8/Ar/O2をエッチングガスに用いる。以上のエッチングは、エッチング雰囲気内のガス圧力=2〜5Pa程度、ソースパワー=1〜2kW程度、RFバイアスパワー=0.5〜18.0kW程度、基板温度=約20℃に設定して行われる。
【0030】
また、PAEからなる第3絶縁膜6のエッチングには、少なくともNH3を含むガス系が用いられ、エッチング条件は、例えば圧力=0.5〜40.0Pa、ソースパワー=0.4〜1.8kW、RFバイアスパワー=150〜1400W、基板温度=約20℃に設定される。このPAEからなる第3絶縁膜6のエッチングの際には、同じく有機材料からなるレジストパターン11のエッチングも進む。このため、最終的には、レジストパターン11が除去され、上部に第3マスク層10が積層された第2マスク層9をマスクにして、第3絶縁膜6のエッチングが行われる。
【0031】
以上の後、図2(4)に示すように、酸化シリコンからなる第3マスク層10をマスクとしたエッチングにより、窒化シリコンからなる第2マスク層9およびTaからなる第1マスク層8に溝開口13aを形成する。この際、一般的な平行平板型プラズマエッチング装置を用い、エッチングガス=CH2F2/Ar/O2、圧力=2〜5Pa程度、ソースパワー=1〜2kW程度、RFバイアスパワー=0.5〜1.8kW程度、基板温度=約20℃に設定したエッチングが行われる。
【0032】
尚、このエッチングにおいては、オーバーエッチングを行うことで、第4絶縁膜7上部のエッチングが進むと共に、接続用開口12bの開口底部に露出している第2絶縁膜5の表面層のエッチングも進むことになる。
【0033】
次に、図2(5)に示すように、第3マスク層10および第2マスク層9上からのエッチングにより、第4絶縁膜7に配線溝14aを形成すると共に、この第4絶縁膜7と同質の材料からなる第2絶縁膜5に接続孔15bを形成する。この際、例えば、一般的な平行平板型プラズマエッチング装置を用い、エッチングガス=C4F8/Ar/O2、圧力=2〜5Pa程度、ソースパワー=1〜2kW程度、RFバイアスパワー=0.5〜1.8kW程度、基板温度=約20℃に設定したエッチングが行われる。尚、このエッチングにおいては、同時に第3マスク層10のエッチング除去が行われ、最終的に第2マスク層9をマスクにしたエッチングが行われる。
【0034】
次に、図2(6)に示すように、第2マスク層9および第1マスク層8上からのエッチングにより、第1絶縁膜4に接続孔15bを形成する。この際、一般的な平行平板型プラズマエッチング装置を用い、エッチングガス=CH2F2/Ar/O2、圧力=2〜5Pa程度、ソースパワー=1〜2kW程度、RFバイアスパワー=0.5〜1.8kW程度、基板温度=約20℃に設定したエッチングが行われる。尚、このエッチングにおいては、同時に第2マスク層9のエッチング除去が行われ、最終的に第1マスク層8をマスクにしたエッチングが行われる。
【0035】
次に、図2(7)に示すように、第1マスク層8上からのエッチングにより、第3絶縁膜6に配線溝14aを形成する。この際、一般的な平行平板型プラズマエッチング装置を用い、少なくともNH3を含むガス系が用いられ、エッチング条件は、例えば圧力=0.5〜40.0Pa、ソースパワー=0.4〜1.8kW、RFバイアスパワー=150〜1400W、基板温度=約20℃に設定される。
【0036】
以上の後、図3(8)に示すように、接続孔15bおよび配線溝14aの内壁を覆う状態で、バリアメタル層20を形成する。このバリアメタル層20は、第1マスク層8と同質材料で構成されることが好ましく、少なくともTaを含む金属膜、あるいは少なくともTiを含む金属膜、あるいは少なくともWを含む金属膜のいずれか1層、あるいは、これらの積層膜として形成する。ここでは、例えば、Taからなるバリアメタル層20を形成する。次いで、接続孔15bおよび配線溝14aの内部を埋め込む状態で、銅膜からなる配線層21を形成する。
【0037】
次に、図3(9)に示すように、配線層21の表面側から、配線層21、バリアメタル層20、および第1マスク層8のCMP研磨を行い、第4絶縁膜7を露出させる。これにより、接続孔15bおよび配線層14b内に埋め込まれ、バリアメタル層20を介して基板3の銅配線2に接続された埋め込み配線22aが形成される。
【0038】
尚、第1マスク層8のCMP研磨の際には、第4絶縁膜7をストッパとしたCMP研磨を行う。これにより、第4絶縁膜7は膜減りするが、その一部は残されて第3絶縁膜6と共に配線溝14aの一部を構成する層間絶縁膜部分となる。
【0039】
以上説明した製造方法によれば、配線溝14aおよびその底部の接続孔15bを形成するためのマスクを、第1マスク層7、第2マスク層8、および第3マスク層9の3層構造にした。これにより、従来の技術において図4を用いて説明したような2層構造のマスクを用いた場合と比較して、第1絶縁膜4〜第4絶縁膜7のパターンエッチングにおいて、当該各絶縁膜4〜7のパターンエッチングに対して、より高い選択比でのエッチングを行うことが可能になり、パターンの開口上部の肩くずれを防止することが可能になる。
【0040】
特に、第1マスク層8がメタルマスクであるため、この第1マスク層8は、図3(9)を用いて説明したように、配線溝14aおよび接続孔15bの内部に埋め込まれた配線層20のCMP研磨の際に、特に手間を掛けることなく同時に除去される。したがって、配線層20の形成前に、第4絶縁膜7を除去する必要はなく、エッチングの最終段階まで、この第1マスク層8をマスクに用いたエッチングを行うことが可能である。これにより、上述したようパターンの肩くずれを確実に防止できる。この結果、配線溝14aの開口径の広がりを防止でき、配線間の短絡のない、信頼性の高い半導体装置を得ることが可能になる。
【0041】
つまり、メタルマスク層を用いない場合には、研磨レートの関係からCMP研磨においてフラットな面を得ることが困難になるため、CMP研磨の前にマスク層を除去しておく必要がある。この場合、接続孔15bが基板3に達した状態でマスク層の除去を行うと、基板3にダメージが加わるため、基板3上に第1絶縁膜4を残した状態でマスク層の除去が行われることになる。このため、第1絶縁膜4に接続孔15bを形成する際には、マスク層なしで、つまり第4絶縁膜7の表面が露出した状態で第1絶縁膜4のエッチングが行われることになる。ここで、第1絶縁膜4を構成するSiOC膜と、第4絶縁膜7を構成するSiOCH膜とは、エッチング選択比が1程度でしかない。このため、第1絶縁膜4に接続孔15bを形成するためのエッチングにおいて、第4絶縁膜7の開口上部のエッチングによる肩くずれを避けることはできないのである。
【0042】
また、本実施形態においては、メタルマスク層からなる第1マスク層8上に、窒化シリコンからなる第2マスク層9と酸化シリコンからなる第3マスク層10との2層の無機マスク層を設けている。そして、図2(4)に示すように、第2マスク層8に溝用開口13aを形成するためのマスクとして、第3マスク層10を用いることで、窒化シリコンからなる第2マスク層9の膜厚を薄くできる。したがって、窒化シリコンからなる第2マスク層9を用いたエッチングが可能であると共に、この第2マスク層9の除去も容易になる。
【0043】
また、図2(5)を用いて説明したように、第2マスク層9をマスクにしたエッチングによって、第2絶縁膜5に接続孔15bが形成されるため、メタルマスクからなる第1マスク層8をマスクとしたエッチングは、第1絶縁膜4と第3絶縁膜6のエッチングだけで良い。このため、メタルマスクのスパッタによる残差物の発生を最小限に抑えることも可能である。
【0044】
尚、実施例1のエッチング装置及び条件は一例に過ぎず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において適宜変更出来る事は言うまでも無い。
【0045】
【発明の効果】
以上説明した本発明の半導体装置の製造方法によれば、配線溝の底部に接続孔を形成する工程において、配線溝の開口上部の肩落ち、後退、及び膜厚減少を抑制することが可能になり、この配線溝内に形成される埋め込み配線間の短絡のない、信頼性の高い半導体装置を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための断面工程図(その1)である。
【図2】本発明の実施形態を説明するための断面工程図(その2)である。
【図3】本発明の実施形態を説明するための断面工程図(その3)である。
【図4】従来の製造方法を説明するための断面工程図である。
【符号の説明】
3…基板、4…第1絶縁膜、5…第2絶縁膜、6…第3絶縁膜、7…第4絶縁膜、8…第1マスク層、9…第2マスク層、10…第3マスク層、10a,13a…溝開口(配線溝の開口)、11…レジストパターン、12b…接続用開口(接続孔の開口)、14a…配線溝、15b…接続孔、22…配線層
Claims (7)
- 基板上に第1絶縁膜、第2絶縁膜、第3絶縁膜、および第4絶縁膜をこの順に形成し、さらに第1マスク層、第2マスク層、および第3マスク層をこの順に形成する第1工程と、
前記第3マスク層に配線溝の開口を形成する第2工程と、
前記第3マスク層上に、当該第3マスク層に形成された配線溝の開口と重なる接続孔の開口が形成されたレジストパターンを形成し、当該レジストパターンをマスクに用いたエッチングによって、前記第2マスク層、第1マスク層、第4絶縁膜、および第3絶縁膜に接続孔の開口を形成すると共に当該レジストパターンを除去する第3工程と、
前記第3マスク層上からのエッチングにより、前記第2マスク層および第1マスク層に配線溝の開口を形成する第4工程と、
前記第3マスク層および第2マスク層上からのエッチングにより、前記第4絶縁膜に配線溝を形成すると共に前記第2絶縁膜に接続孔を形成し、当該第3マスク層をエッチング除去する第5工程と、
前記第2マスク層および第1マスク層上からのエッチングにより、前記第1絶縁膜に接続孔を形成すると共に第2マスク層を除去する第6工程とを行う
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第6工程の後、前記接続孔及び前記配線溝の内部を埋め込む配線層を形成し、前記第4絶縁膜が露出するまで当該配線層の表面を研磨除去する工程を行う
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1マスク層、第2マスク層および前記第3マスク層は、無機マスクである
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1マスク層は、金属材料を用いたメタルマスク層である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1絶縁膜は、前記基板の表面層に形成された配線材料の拡散防止膜である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2絶縁膜と前記第4絶縁膜とは、Si、O、C、Hを含む低誘電率材料からなる
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第3絶縁膜は有機材料からなり、
前記第3工程では、当該第3絶縁膜をエッチングする際に前記レジストパターンが同時に除去される
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20060327 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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A762 | Written abandonment of application |
Effective date: 20070628 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 |