JP2004311406A - 電子放出素子とその製造方法及び電気光学装置並びに電子機器 - Google Patents
電子放出素子とその製造方法及び電気光学装置並びに電子機器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004311406A JP2004311406A JP2004031046A JP2004031046A JP2004311406A JP 2004311406 A JP2004311406 A JP 2004311406A JP 2004031046 A JP2004031046 A JP 2004031046A JP 2004031046 A JP2004031046 A JP 2004031046A JP 2004311406 A JP2004311406 A JP 2004311406A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electron
- conductive film
- substrate
- emitting device
- bank
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J9/00—Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
- H01J9/02—Manufacture of electrodes or electrode systems
- H01J9/022—Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes
- H01J9/027—Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes of thin film cathodes
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60K—ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
- B60K15/00—Arrangement in connection with fuel supply of combustion engines or other fuel consuming energy converters, e.g. fuel cells; Mounting or construction of fuel tanks
- B60K15/03—Fuel tanks
- B60K15/04—Tank inlets
- B60K15/05—Inlet covers
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Sustainable Development (AREA)
- Sustainable Energy (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Transportation (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
Abstract
【解決手段】 基板1上に一対の素子電極2、3と、素子電極2、3間を連絡する導電性膜4とを設ける。素子電極2、3が設けられる電極形成部及び導電性膜4が設けられる導電性膜形成部を囲むバンクを形成する工程と、電極形成部に第1液滴を吐出する工程と、導電性膜形成部に第2液滴を吐出する工程とを有する。
【選択図】 図1
Description
また、特許文献1には、導電性薄膜形成材料を含む液滴を基板上に付与した場合に、液滴が所定位置以外に拡がって焼成後の膜厚が薄くなり、安定性・再現性に優れた電子放出特性が得られなくなるという不都合を回避するために、基板表面に疎水性を備えた被膜を形成するという技術が開示されている。
疎水性を備えた被膜であっても、特に多量のインクを塗布する場合に液滴の拡がりを均一且つ容易に抑えることが困難である。そのため、液滴が所定位置以外に拡がって焼成後の膜厚が薄くなり、安定性・再現性に優れた電子放出特性が得られなくなる可能性があった。
本発明の電子放出素子の製造方法は、基板上に一対の素子電極と、前記素子電極間を連絡する導電性膜とが設けられる電子放出素子の製造方法であって、前記素子電極が設けられる電極形成部及び前記導電性膜が設けられる導電性膜形成部を囲むバンクを形成する工程と、前記電極形成部に第1液滴を吐出する工程と、前記導電性膜形成部に第2液滴を吐出する工程とを有することを特徴とするものである。
これにより、吐出された液滴の一部がバンク上にのっても、バンク表面が撥液性となっていることによりバンクからはじかれ、バンク間に流れ落ちるようになる。したがって、吐出された液状体がバンク間にて基板上に広がり、電極形成部、導電性膜形成部をほぼ均一に埋め込むようになる。
また、撥液性を有する材料でバンクを形成すること構成としてもよい。
これにより、撥液処理を省略することが可能となり、生産効率を向上させることができる。
このようにすれば、基板上の電極形成部または導電性膜形成部が親液性となっていることから、吐出された液状体が電極形成部または導電性膜形成部にてより拡がり易くなり、これによって液状体がより均一にバンク内を埋め込むようにすることができる。
このようにすれば、素子電極及び導電性膜を囲むバンクを基板上から除去することが可能になる。
これにより、本発明では焼成後に膜厚が薄くならず、安定性・再現性に優れた電子放出素子を得ることができる。
これにより、本発明では、素子電極及び導電性膜を液滴吐出により製造する際に、バンクで囲まれた位置に液滴を塗布することになるので、液状体が所定位置以外に拡がることを阻止できる。そのため、焼成後に膜厚が薄くなって安定性・再現性が損なわれることを防止できる。
これにより、本発明では、安定性・再現性に優れた電子放出素子を備えることから安定性・再現性に優れた電気光学装置を得ることができる。
これにより、本発明では、安定性・再現性に優れた電子放出素子を備えることから安定性・再現性に優れた電子機器を得ることができる。
まず、平面型表面伝導型電子放出素子について図1を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わる平面型表面伝導型電子放出素子の基本的な構成を示す模式的平面図である。
図1において、符号1は基板、符号2と3は素子電極、符号4は導電性膜、符号5は電子放出部である。
対向する素子電極2,3の材料としては、一般的な導電性材料が用いられ、例えばNi、Cr、Au、Mo、W、P、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属或は合金、Pd、As、Ag、Au、RuO2、Pd−Ag等の金属或は金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、In2O3−SnO2等の透明導電体及びポリシリコン等の半導体導体材料等から選択することができる。
導電性膜4を構成する材料は、Pd、Pt、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金属、PdO、SnO2、In2O3、PbO、Sb2O3等の酸化物、HfB2、ZrB2、LaB6、CeB6、YB4、GdB4等の硼化物、TiC、ZrC、HfC、TaC、SiC、WC等の炭化物、TiN、ZrN、HfN等の窒化物、Si、Ge等の半導体、カーボン等があげられる。
図2は、本実施形態に係る製膜装置の概略斜視図である。図2に示すように、製膜装置100は、液体吐出ヘッド10、液体吐出ヘッド10をX方向に駆動するためのX方向ガイド軸32、X方向ガイド軸32を回転させるX方向駆動モータ33、基板1を載置するための載置台34、載置台34をY方向に駆動するためのY方向ガイド軸35、Y方向ガイド軸35を回転させるY方向駆動モータ6、クリーニング機構部14、ヒータ15、及びこれらを統括的に制御する制御装置8等を備えている。X方向ガイド軸32及びY方向ガイド軸35はそれぞれ、基台7上に固定されている。なお、図2では、液体吐出ヘッド10は、基板1の進行方向に対し直角に配置されているが、液体吐出ヘッド10の角度を調整し、基板1の進行方向に対して交差させるようにしてもよい。このようにすれば、液体吐出ヘッド10の角度を調整することで、ノズル間のピッチを調節することが出来る。また、基板1とノズル面との距離を任意に調節することが出来るようにしてもよい。
クリーニング機構部14は、液体吐出ヘッド10をクリーニングし、ノズルの目詰まりなどを防ぐものである。クリーニング機構部14は、上記クリーニング時において、Y方向の駆動モータ16によってY方向ガイド軸35に沿って移動する。
ヒータ15は、ランプアニール等の加熱手段を用いて基板1を熱処理するものであり、基板1上に吐出された液体の蒸発・乾燥を行うとともに導電膜に変換するための熱処理を行う。
液体吐出ヘッド10の各ノズルからの液滴の吐出量は、制御装置8から上記ピエゾ素子に供給される電圧によって制御される。
また、基板1上に配置される液滴のピッチは、上記相対移動の速度、及び液体吐出ヘッド10からの吐出周波数(ピエゾ素子への駆動電圧の周波数)によって制御される。
また、基板1上に液滴を開始する位置は、上記相対移動の方向、及び上記相対移動時における液体吐出ヘッド10からの液滴の吐出開始のタイミング制御等によって制御される。
(バンク形成工程)
バンクは、仕切部材として機能する部材であり、バンクの形成はリソグラフィ法や印刷法等、任意の方法で行うことができる。例えば、リソグラフィ法を使用する場合は、スピンコート、スプレーコート、ロールコート、ダイコート、ディップコート等所定の方法でバンクの高さ(素子電極2、3及び導電性膜4の厚さ)に合わせて有機材料を塗布し、その上にレジスト層を塗布する。そして、バンク形状に合わせてマスクを施しレジストを露光・現像することによりバンク形状に合わせたレジストを残す。最後にエッチングしてマスク以外の部分のバンク材料を除去する。また、下層が無機物で上層が有機物で構成された2層以上でバンク(凸部)を形成してもよい。
基板1がガラス基板の場合、その表面は素子電極形成材料及び導電性膜形成材料に対して親液性を有しているが、本実施の形態では、親液性を高めるとともに、バンク形成時のレジスト残渣を除去するために、基板1に対して親液化処理を施す。親液化処理としては、紫外線を照射することにより親液性を付与する紫外線(UV)照射処理や大気雰囲気中で酸素を処理ガスとするO2プラズマ処理等を選択できるが、ここではO2プラズマ処理を実施する。
続いて、バンクBに対し撥液化処理を行い、その表面に撥水性を付与する。撥水化処理としては、例えば大気雰囲気中でテトラフルオロメタンを処理ガスとするプラズマ処理法(CF4プラズマ処理法)を採用することができる。CF4プラズマ処理の条件は、例えばプラズマパワーが100〜800W、4フッ化メタンガス流量が50〜100ml/min、プラズマ放電電極に対する基体搬送速度が0.5〜1020mm/sec、基体温度が70〜90℃とされる。
なお、処理ガスとしては、テトラフルオロメタン(四フッ化炭素)に限らず、他のフルオロカーボン系のガスを用いることもできる。
なお、バンクBに対する撥水化処理により、先に親液処理した基板1表面に対し多少は影響があるものの、特に基板1がガラス等からなる場合には、撥水化処理によるフッ素基の導入が起こらないため、基板1はその親液性、すなわち濡れ性が実質上損なわれることはない。
また、バンクBについては、撥水性を有する材料(例えばフッ素基を有する樹脂材料)によって形成することにより、その撥水処理を省略するようにしてもよい。
次に、液滴吐出法を用いて、素子電極形成材料を基板1上の電極形成部2a、3aに塗布する。ここで、液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換式、電気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられる。帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御してノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に30kg/cm2程度の超高圧を印加してノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進してノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散してノズルから吐出されない。
図4において、液体材料(素子電極形成材料又は導電性膜形成材料)を収容する液体室21に隣接してピエゾ素子22が設置されている。液体室21には、液体材料を収容する材料タンクを含む液体材料供給系23を介して液体材料が供給される。ピエゾ素子22は駆動回路24に接続されており、この駆動回路24を介してピエゾ素子22に電圧を印加し、ピエゾ素子22を変形させることにより、液体室21が変形し、ノズル25から液体材料が吐出される。この場合、印加電圧の値を変化させることにより、ピエゾ素子22の歪み量が制御される。また、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子22の歪み速度が制御される。ピエゾ方式による液滴吐出は材料に熱を加えないため、材料の組成に影響を与えにくいという利点を有する。
分散媒としては、上記の導電性微粒子を分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を例示できる。これらのうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、また液滴吐出法(インクジェット法)への適用の容易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、より好ましい分散媒としては、水、炭化水素系化合物を挙げることができる。
次に、熱処理/光処理工程では、基板1上に配置された液滴に含まれる分散媒あるいはコーティング剤を除去する。すなわち、基板1上に配置された素子電極形成用の液体材料は、微粒子間の電気的接触をよくするために、焼成して分散媒を完全に除去する必要がある。また、導電性微粒子の表面に分散性を向上させるために有機物などのコーティング剤がコーティングされている場合には、このコーティング剤も除去する必要がある。熱処理及び/又は光処理は通常大気中で行なわれるが、必要に応じて、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行ってもよい。熱処理及び/又は光処理の処理温度は、分散媒の沸点(蒸気圧)、雰囲気ガスの種類や圧力、微粒子の分散性や酸化性等の熱的挙動、コーティング剤の有無や量、基材の耐熱温度などを考慮して適宜決定される。
熱処理及び/又は光処理は、例えばホットプレート、電気炉などの加熱手段を用いた一般的な加熱処理の他に、ランプアニールを用いて行ってもよい。ランプアニールに使用する光の光源としては、特に限定されないが、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどを使用することができる。これらの光源は一般には、出力10W以上5000W以下の範囲のものが用いられるが、本実施形態例では100W以上1000W以下の範囲で十分である。
上記熱処理及び/又は光処理により、微粒子間の電気的接触が確保され、素子電極としての導電膜に変換される。なお、液滴吐出と焼成とを繰り返すことにより、膜厚の大きな素子電極を形成することも可能である。
素子電極2、3が製膜されたら、続いて同様の液滴吐出法を用いて、導電性膜形成材料を液滴(第2液滴)として吐出し、基板1上の導電性膜形成部4aに塗布する。導電性膜形成部4aも、バンクBに囲まれているので、液状体が所定位置以外に拡がることを阻止できる。また、バンクBは撥液性が付与されているため、吐出された液滴の一部がバンクB上にのっても、バンク間の導電性膜形成部4aに流れ落ちるようになる。さらに、導電性膜形成部4aは親液性を付与されているため、吐出された液状体が導電性膜形成部4aにてより拡がり易くなり、これによって液状体が所定位置内でより均一に導電性膜形成部4aを埋め込むようにすることができる。なお、導電性膜形成材料の液状体が素子電極2、3に重なった場合でも支障はない。
なお、液滴として吐出する液状体は、導電性膜4を構成する上述した導電性微粒子を分散媒に分散させた分散液からなるものであり、分散媒としては素子電極形成材料と同様のものを用いることができる。
この工程は、素子電極と同様に、基板1を焼成することにより、基板1上に配置された液滴に含まれる分散媒あるいはコーティング剤を除去する。
この熱処理及び/又は光処理により、微粒子間の電気的接触が確保され、導電性膜4としての導電膜に変換される。なお、液滴吐出と焼成とを繰り返すことにより、膜厚の大きな導電性膜を形成することも可能である。
この工程では、電極形成部2a、3a及び導電性膜形成部4aの周囲に存在するバンクBをアッシング剥離処理により除去する。アッシング処理としては、プラズマアッシングやオゾンアッシング等を採用できる。
プラズマアッシングは、プラズマ化した酸素ガス等のガスとバンク(レジスト)とを反応させ、バンクを気化させて剥離・除去するものである。バンクは炭素、酸素、水素から構成される固体の物質であり、これが酸素プラズマと化学反応することでCO2、H2O、O2となり、全て気体として剥離することができる。
一方、オゾンアッシングの基本原理はプラズマアッシングと同じであり、O3(オゾン)を分解して反応性ガスのO+(酸素ラジカル)に変え、このO+とバンクとを反応させる。O+と反応したバンクは、CO2、H2O、O2となり、全て気体として剥離される。
次に、フォーミングと呼ばれる通電処理を施す。素子電極2,3間に通電を行うと、導電性膜4の部位に電子放出部5が形成される(図1参照)。フォーミング工程においては、瞬間的に導電性膜4の一部に局所的に熱エネルギーが集中し、その部位に構造の変化した電子放出部5が形成される。
通電フォーミングの電圧波形は、特にパルス波形が好ましい。これには、例えば三角波や矩形波等のパルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印加する手法と、パルス波高値を増加させながらパルスを印加する手法がある。
通電フォーミング処理の終了は、パルス間隔中に、導電性膜4を局所的に破壊、変形しない程度の電圧を印加し、電流を測定して検知することができる。例えば0.1V程度の電圧印加により流れる電流を測定し、抵抗値を求めて、1MΩ以上の抵抗を示した時、通電フォーミングを終了させる。
フォーミングを終えた素子に活性化工程と呼ばれる処理を施す。活性化工程は、例えば、有機物質のガスを含有する雰囲気下で、通電フォーミングと同様に、素子電極2,3間にパルスの印加を繰り返すことで行うことができ、この処理により、素子電流If、放出電流Ieが、著しく変化するようになる。
炭素あるいは炭素化合物とは、例えばグラファイト(いわゆるHOPG,PG,GCを包含するもので、HOPGはほぼ完全なグラファイト結晶構造、PGは結晶粒が20nm程度で結晶構造がやや乱れたもの、GCは結晶粒が2nm程度になり結晶構造の乱れがさらに大きくなったものを指す。)、非晶質カーボン(アモルファスカーボン及び、アモルファスカーボンと前記グラファイトの微結晶の混合物を指す。)であり、その膜厚は、50nm以下の範囲とするのが好ましく、30nm以下の範囲とすることがより好ましい。
活性化工程の終了判定は、素子電流Ifと放出電流Ieを測定しながら、適宜行うことができる。
このような工程を経て得られた電子放出素子は、安定化工程を行うことが好ましい。この工程は、真空容器内の有機物質を排気する工程である。真空容器を排気する真空排気装置は、装置から発生するオイルが素子の特性に影響を与えないように、オイルを使用しないものを用いるのが好ましい。具体的には、ソープションポンプ、イオンポンプ等の真空排気装置を挙げることが出来る。
本発明を適用可能な電子放出素子は、放出電流Ieに関して次の3つの特徴的性質を有する。
(i)本素子はある電圧(閾値電圧)以上の素子電圧を印加すると急激に放出電流Ieが増加し、一方閾値電圧以下では放出電流Ieが殆ど検出されない。つまり、放出電流Ieに対する明確な閾値電圧を持った非線形素子である。
(ii)放出電流Ieが素子電圧Vfに単調増加依存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御できる。
(iii)アノード電極54(図5参照)に捕捉される放出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。つまり、アノード電極54に捕捉される電荷量は、素子電圧Vfを印加する時間により制御できる。
以上の説明より理解されるように、本発明の電子放出素子は、入力信号に応じて、電子放出特性を容易に制御できることになる。この性質を利用すると複数の電子放出素子を配して構成した電子源、画像形成装置等、多方面への応用が可能となる。
電子放出素子の配列については、種々のものが採用できる。一例として、並列に配置した多数の電子放出素子の個々を両端で接続し、電子放出素子の行を多数個配し(行方向と呼ぶ)、この配線と直交する方向(列方向と呼ぶ)で、該電子放出素子の上方に配した制御電極(グリッドとも呼ぶ)により、電子放出素子からの電子を制御駆動する梯子状配置のものがある。これとは別に、電子放出素子をX方向及びY方向に行列状に複数個配し、同じ行に配された複数の電子放出素子の電極の一方を、X方向の配線に共通に接続し、同じ列に配された複数の電子放出素子の電極の他方を、Y方向の配線に共通に接続するものが挙げられる。このようなものは、いわゆる単純マトリクス配置である。まず単純マトリクス配置について以下に詳述する。
m本のX方向配線72は、Dx1,Dx2,……,Dxmからなり、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法、液滴吐出法等を用いて形成された導電性金属等で構成することができる。配線の材料、膜厚、幅は適宜設計される。Y方向配線73は、Dy1,Dy2……Dynのn本の配線よりなり、X方向配線72と同様に形成される。これらm本のX方向配線72とn本のY方向配線73との間には、不図示の層間絶縁層が設けられており、両者を電気的に分離している(m,nは、共に正の整数)。不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等を用いて形成されたSiO2等で構成される。例えば、X方向配線72を形成した基板71の全面或は一部に所望の形状で形成され、特に、X方向配線72とY方向配線73の交差部の電位差に耐え得るように、膜厚、材料、製法が適宜設定される。X方向配線72とY方向配線73は、それぞれ外部端子として引き出されている。
上記構成においては、単純なマトリクス配線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とすることができる。
例えば、非走査方向における電子放出素子74のピッチPに対してノズル25のピッチaが一致しない場合、ヘッドをZ軸周りにP=a×cosθを満足する角度θで傾けることで、ピッチPとピッチaとを一致させる。ヘッドを傾ける方法としては、図2に示した液滴吐出ヘッド1をZ軸周りに回転させる機構を設けたり、図7に示すように、ノズル25のピッチaが素子ピッチPと一致するように、予めヘッド10を傾けてキャリッジ121に支持させてもよい。
このような構成とすることで、ピッチが合わないために液滴を吐出させないノズルが生じることを防止して、生産性を向上させることが可能となる。
図8において、71は電子放出素子を複数配した電子源基板、81は電子源基板71を固定したリアプレート、86はガラス基板83の内面に蛍光膜84とメタルバック85等が形成されたフェースプレートである。82は支持枠であり、該支持枠82には、リアプレート81、フェースプレート86がフリットガラス等を用いて接続されている。88は外囲器であり、例えば大気中あるいは窒素中で、400〜500℃の温度範囲で10分間以上焼成することで、封着して構成される。
フェースプレート86には、更に蛍光膜84の導電性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明電極(不図示)を設けてもよい。前述の封着を行う際、カラーの場合は各色蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、十分な位置合わせが不可欠となる。
外囲器88内は、適宜加熱しなから、イオンポンプ、ソープションポンプ等のオイルを使用しない排気装置により不図示の排気管を通じて排気し、1.3×10−5Pa程度の真空度の有機物質の十分に少ない雰囲気にした後、封止が成される。外囲器88の封止後の真空度を維持するために、ゲッター処理を行うこともできる。これは、外囲器88の封止を行う直前あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは高周波加熱等を用いた加熱により、外囲器88内の所定の位置に配置されたゲッター(不図示)を加熱し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッターは通常Ba等が主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により、例えば1.3×10−5Pa以上の真空度を維持するものである。ここで、電子放出素子のフォーミング処理以降の工程は適宜設定できる。
図9(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図9(a)において、600は携帯電話本体を示し、601は先の図8に示した表示パネル101を備えた表示部を示している。
図9(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図9(b)において、700は情報処理装置、701はキーボードなどの入力部、703は情報処理本体、702は先の図8に示した表示パネル101を備えた表示部を示している。
図9(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図9(c)において、800は時計本体を示し、801は先の図8に示した表示パネル101を備えた表示部を示している。
図9(a)〜(c)に示す電子機器は、上記実施形態の電子放出素子を備えたものであるので、安定性・再現性に優れた表示特性が得られる。
また、上記実施の形態では、電極形成部2a、3aと導電性膜形成部4aの双方に親液性を付与する構成としたが、これに限られるものではなく、いずれか一方にのみ親液性を付与する構成としてもよい。
Claims (8)
- 基板上に一対の素子電極と、前記素子電極間を連絡する導電性膜とが設けられる電子放出素子の製造方法であって、
前記素子電極が設けられる電極形成部及び前記導電性膜が設けられる導電性膜形成部を囲むバンクを形成する工程と、
前記電極形成部に第1液滴を吐出する工程と、
前記導電性膜形成部に第2液滴を吐出する工程とを有することを特徴とする電子放出素子の製造方法。 - 請求項1記載の電子放出素子の製造方法において、
前記バンクに撥液性を付与する工程を有することを特徴とする電子放出素子の製造方法。 - 請求項1記載の電子放出素子の製造方法において、
撥液性を有する材料で前記バンクを形成することを特徴とする電子放出素子の製造方法。 - 請求項1から3のいずれかに記載の電子放出素子の製造方法において、
前記基板上の前記電極形成部と前記導電性膜形成部との少なくとも一方に親液性を付与する工程を有することを特徴とする電子放出素子の製造方法。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする電子放出素子。
- 基板上に一対の素子電極と、前記素子電極間を連絡する導電性膜とが設けられた電子放出素子であって、
前記素子電極及び前記導電性膜を囲むバンクを有することを特徴とする電子放出素子。 - 請求項6に記載の電子放出素子を備えることを特徴とする電気光学装置。
- 請求項7に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004031046A JP2004311406A (ja) | 2003-03-26 | 2004-02-06 | 電子放出素子とその製造方法及び電気光学装置並びに電子機器 |
TW093107496A TWI261860B (en) | 2003-03-26 | 2004-03-19 | Electron emitter, method for manufacturing the same, electro-optical device, and electronic apparatus |
KR1020040019206A KR100636256B1 (ko) | 2003-03-26 | 2004-03-22 | 전자 방출 소자와 그 제조 방법 및 전기 광학 장치와 전자기기 |
CNA200410031793XA CN1532870A (zh) | 2003-03-26 | 2004-03-25 | 电子发射元件及其制造方法和光电装置及电子机器 |
US10/809,203 US20040245903A1 (en) | 2003-03-26 | 2004-03-25 | Electron emitter, method for manufacturing the same, electro-optical device, and electronic apparatus |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003085537 | 2003-03-26 | ||
JP2004031046A JP2004311406A (ja) | 2003-03-26 | 2004-02-06 | 電子放出素子とその製造方法及び電気光学装置並びに電子機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004311406A true JP2004311406A (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=33478301
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004031046A Pending JP2004311406A (ja) | 2003-03-26 | 2004-02-06 | 電子放出素子とその製造方法及び電気光学装置並びに電子機器 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20040245903A1 (ja) |
JP (1) | JP2004311406A (ja) |
KR (1) | KR100636256B1 (ja) |
CN (1) | CN1532870A (ja) |
TW (1) | TWI261860B (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006269255A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-10-05 | Seiko Epson Corp | 電子放出素子及び電子放出素子の製造方法、並びに表示装置及び電子機器 |
JP2006344922A (ja) * | 2005-05-13 | 2006-12-21 | Seiko Epson Corp | バンクの形成方法、膜パターンの形成方法、半導体装置、電気光学装置、及び電子機器 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4267652B2 (ja) * | 2006-09-15 | 2009-05-27 | 株式会社東芝 | 放電発光デバイス |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3646510B2 (ja) * | 1998-03-18 | 2005-05-11 | セイコーエプソン株式会社 | 薄膜形成方法、表示装置およびカラーフィルタ |
JP4021177B2 (ja) * | 2000-11-28 | 2007-12-12 | セイコーエプソン株式会社 | 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法および有機エレクトロルミネッセンス装置並びに電子機器 |
JP4075425B2 (ja) * | 2002-03-20 | 2008-04-16 | セイコーエプソン株式会社 | 有機el装置、有機el装置の製造方法、有機el装置の製造装置、及び電子機器 |
-
2004
- 2004-02-06 JP JP2004031046A patent/JP2004311406A/ja active Pending
- 2004-03-19 TW TW093107496A patent/TWI261860B/zh not_active IP Right Cessation
- 2004-03-22 KR KR1020040019206A patent/KR100636256B1/ko not_active IP Right Cessation
- 2004-03-25 US US10/809,203 patent/US20040245903A1/en not_active Abandoned
- 2004-03-25 CN CNA200410031793XA patent/CN1532870A/zh active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006269255A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-10-05 | Seiko Epson Corp | 電子放出素子及び電子放出素子の製造方法、並びに表示装置及び電子機器 |
JP2006344922A (ja) * | 2005-05-13 | 2006-12-21 | Seiko Epson Corp | バンクの形成方法、膜パターンの形成方法、半導体装置、電気光学装置、及び電子機器 |
JP4556838B2 (ja) * | 2005-05-13 | 2010-10-06 | セイコーエプソン株式会社 | バンクの形成方法および膜パターンの形成方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR100636256B1 (ko) | 2006-10-19 |
KR20040084678A (ko) | 2004-10-06 |
US20040245903A1 (en) | 2004-12-09 |
TWI261860B (en) | 2006-09-11 |
CN1532870A (zh) | 2004-09-29 |
TW200425215A (en) | 2004-11-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6613399B2 (en) | Production processes of printed substrate, electron-emitting element, electron source and image-forming apparatus | |
JP3241613B2 (ja) | 電子放出素子、電子源および画像形成装置の製造方法 | |
JP2003173731A (ja) | 電子放出素子、電子源基板、表示装置及び電子放出素子の製造方法 | |
JP2004311093A (ja) | 電子源基板製造装置、電子源基板および画像表示装置 | |
KR100636256B1 (ko) | 전자 방출 소자와 그 제조 방법 및 전기 광학 장치와 전자기기 | |
JP4434023B2 (ja) | 電子放出素子、電子放出素子の製造方法、及び電気光学装置、並びに電子機器 | |
KR100726275B1 (ko) | 전자 방출 소자 및 전자 방출 소자의 제조 방법, 및 전기광학 장치, 전자 기기 | |
JP2002313223A (ja) | インクジェット装置並びにそれを用いた電子放出素子、電子源及び画像形成装置の製造方法 | |
JP3217955B2 (ja) | 電子放出素子製造用金属組成物並びにそれを用いた電子放出素子、電子源、表示素子及び画像形成装置の製造方法 | |
JP2006228444A (ja) | 電子放出素子、電子放出素子の製造方法、及び電気光学装置、並びに電子機器 | |
JP3600232B2 (ja) | 電子源基板の製造方法、該方法により製造された電子源基板及び該基板を用いた画像表示装置 | |
JP2002313224A (ja) | 電子放出素子製造用金属組成物、それを用いた電子放出素子の製造方法および画像形成装置 | |
JP4479525B2 (ja) | 電子放出素子、電子放出素子の製造方法、及び電気光学装置、並びに電子機器 | |
JP2004296393A (ja) | 電子源基板製造装置、電子源基板および画像表示装置 | |
JP2006228495A (ja) | 電子放出素子、電子放出素子の製造方法、及び電気光学装置、並びに電子機器 | |
JPH1012136A (ja) | 電子放出素子の製造方法、電子放出素子、該素子を用いた電子源、表示パネルおよび画像形成装置 | |
JPH09274851A (ja) | 電子放出素子製造用の金属含有水溶液、それを用いた電子放出素子、電子源、表示素子および画像形成装置の製造方法 | |
JP2006202625A (ja) | 電子放出素子、電子放出素子の製造方法、及び電気光学装置、並びに電子機器 | |
JP2006236800A (ja) | 電子放出素子、電子放出素子の製造方法、及び電気光学装置、並びに電子機器 | |
JP2006134592A (ja) | 電子放出素子、電子源、及び、画像形成装置の製造方法 | |
JP2004296391A (ja) | 電子源基板製造装置、電子源基板および画像表示装置 | |
JP2004311095A (ja) | 電子源基板製造装置、電子源基板および画像表示装置 | |
JPH1064408A (ja) | 電子放出素子およびその製造方法、並びに電子源および画像形成装置 | |
JP2002358904A (ja) | 電子源基板及びその製造方法並びに電子源基板を用いた画像形成装置 | |
JP2004146142A (ja) | 電子源基板製造装置,そのための溶液,電子源基板および画像表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050706 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060104 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060117 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060307 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060801 |