JP2004311095A - 電子源基板製造装置、電子源基板および画像表示装置 - Google Patents

電子源基板製造装置、電子源基板および画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高品質かつ信頼性の高い電子放出素子を有する電子源基板を製造できる電子源基板製造装置を提供する。
【解決手段】電子源基板製造装置において、基板上の複数対の各素子電極間に導電性薄膜を形成するための金属微粒子材料を含有する溶液を噴射ヘッドにより噴射付与し、導電性薄膜による表面伝導型電子放出素子群を形成する。表面伝導型電子放出素子の電子放出部が溶液のドットパターンによって形成され、素子電極が矩形パターンまたは矩形パターンの組み合わせによって構成されるとともに、矩形パターンのコーナー部をドットパターンによって被覆するように打ち込む。
【選択図】 図14

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面伝導型電子放出素子を用いた電子源基板、該電子源基板を製作する電子源基板製造装置、及び前記電子源基板を用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子放出素子として熱電子源と冷陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子源には電界放出型(以下、「FE型」という。)、金属/絶縁層/金属型(以下、「MIM型」という。)や表面伝導型電子放出素子等がある。
FE型の例としては、「W.P.Dyke&W.W.Dolan,“Fieldemission”,Advance in Electron Physics,8 89(1956)」あるいは「C.A.Spindt,“PhysicalProperties of thin−film fieldemission cathodes with molybdenium”J.Appl.Phys.,475248(1976)」等が知られている。
【0003】
MIM型の例としては、「C.A.Mead,“The Tunnel−emission amplifier”,J.Appl.Phys.,32 646(1961)」等が知られている。
【0004】
表面伝導型電子放出素子型の例としては、「M.I.Elinson,Radio Eng.Electron Phys.,1290(1965)」等がある。表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を利用するものである。
この表面伝導型電子放出素子としては、前記Elinson等によるSnO薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの(「G.Dittmer:“Thin SolidFilms”,9 317(1972)」)、In/SnO薄膜によるもの(「M.Hartwell and C.G.Fonstad:“IEEETrans.ED Conf.”,519(1975)」)、カーボン薄膜によるもの(「荒木久他:真空,第26巻,第1号,22頁(1983)」)等が報告されている。
【0005】
これらの表面伝導型電子放出素子の典型的な素子構成として、前述のM.Hartwellの素子構成を図22に示す。図22において、aは基板、b,cは素子電極、dは導電性薄膜で、該導電性薄膜dはH型形状のパターンに、スパッタで形成された金属酸化物薄膜等からなり、後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処理により電子放出部eが形成される。なお、図中の素子電極b,c間の間隔L1は、0.5〜1mm、W1は、0.1mmで設定されている。
【0006】
従来、これらの表面伝導型電子放出素子においては、電子放出を行う前に導電性薄膜dに対して予め通電フォーミングと呼ばれる通電処理を施すことによって電子放出部eを形成するのが一般的である。通電フォーミングとは導電性薄膜dの両端に直流電圧あるいは非常にゆっくりとした昇電圧、例えば1V/分程度を印加通電し、導電性薄膜dを局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部eを形成することである。
【0007】
なお、電子放出部eでは導電性薄膜dの一部に亀裂が発生し、その亀裂付近から電子放出が行われる。前記通電フォーミング処理をした表面伝導型電子放出素子は、導電性薄膜dに電圧を印加し、素子に電流を流すことにより電子放出部eより電子を放出せしめるものである。
【0008】
上述したような表面伝導型放出素子は、構造が単純で製造も容易であることから、大面積にわたって多数の素子を配列形成できる利点がある。そこで、この特徴を活かした荷電ビーム源、表示装置等の応用研究がなされている。
【0009】
多数の表面伝導型電子放出素子を配列形成した例としては、後述するように、梯型配置と呼ぶ並列に表面伝導型電子放出素子を配列し、個々の素子の両端を配線(共通配線とも呼ぶ)で、それぞれ結線した行を多数行配列した電子源があげられる(例えば、特開昭64−31332号公報、特開平1−283749号公報、特開平2−257552号公報等)。
【0010】
また、特に、表示装置等の画像形成装置においては、近年、液晶を用いた平板型表示装置がCRTに替わって普及してきたが、自発光型でないためバックライトを持たなければならない等の問題点があり、自発光型の表示装置の開発が望まれてきた。自発光型表示装置としては、表面伝導型放出素子を多数配置した電子源と、電子源より放出された電子によって可視光を発光せしめる蛍光体とを組み合わせた表示装置である画像形成装置があげられる(例えば、米国特許第5066883号)。
【0011】
しかしながら、表面伝導型電子放出素子の上記従来例による製造方法は、真空成膜と半導体プロセスにおけるフォトリソグラフィ・エッチング法を多用するものであり、大面積にわたって素子を形成するには、工程数も多く、電子源基板の生産コストが高いといった欠点がある。
【0012】
上述のような課題に対して、本発明者は、上述のごとき表面伝導型電子放出素子の素子部の導電性薄膜を形成するにあたり、米国特許第3060429号、第3298030号、第3596275号、第3416153号、第3747120号、第5729257号等として知られるようなインクジェット液滴付与手段によって、真空成膜法とフォトリソグラフィ・エッチング法によらずに、安定的に歩留まり良くかつ低コストで上記の導電性薄膜を形成することができるのではないかと考えた。そして、その具体的な制作方法について多岐にわたって検討した結果を開示している(例えば、特許文献1)。
【0013】
【特許文献1】
特開2001―319567号公報
【0014】
しかしながら、いわゆるインクを紙に向けて飛翔、記録を行うインクジェット記録と違い、導電性薄膜となる元素を含有する溶液を安定的に飛翔させ、基板上に付与するにはまだまだ未解決の要素が多々存在する。たとえばこのような元素は一般に金属元素であり、金属微粒子を含有する溶液を、長期にわたって安定して噴射する技術はいまだ未知の部分が多い。特に長期にわたる噴射性能を一定にするには、目詰まりの問題を解決しなければならない。
【0015】
従来、水溶性の染料を溶解した記録液体を使用したインクジェット記録の分野においては、使用されるヘッドの吐出口(ノズル)が、従来はΦ33μm〜Φ34μm(断面積900μm程度)から、Φ50μm〜Φ51μm(断面積2000μm程度)のものが一般的であり、染料も液媒体中に溶解しているので対目詰まり性という問題は対処できていた。しかしながら、本発明のように金属微粒子を含有する溶液を、たとえばΦ25μm以下(断面積500μm未満)という従来にない微細な吐出口から長期にわたって安定して噴射する技術は確立できていない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のごとき表面伝導型電子放出素子を用いた画像表示装置の電子源基板ならびにそれを用いた画像表示装置に関するものであり、請求項1の発明の目的は、高品質かつ信頼性の高い電子放出素子を有する電子源基板を製造できる電子源基板製造装置を提供することにある。
【0017】
請求項2の発明の目的は、高品質かつ信頼性の高い電子放出素子を有する電子源基板を提供することにある。請求項3の発明の目的も請求項2の発明と同様である。請求項4の発明の目的は、高品質かつ信頼性の高い電子放出素子を有する電子源基板を用いた高品位な画像表示装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、基板上の複数の各素子電極間に導電性薄膜を形成するための金属微粒子材料を含有する溶液を噴射ヘッドにより噴射付与し、前記導電性薄膜による表面伝導型電子放出素子群を形成する電子源基板製造装置において、
前記表面伝導型電子放出素子の電子放出部が前記溶液のドットパターンによって形成され、
前記素子電極が矩形パターンまたは矩形パターンの組み合わせによって構成されるとともに、前記矩形パターンのコーナー部を前記ドットパターンによって被覆するように打ち込むことを特徴とする。
【0019】
請求項2の発明は、基板上の複数の各素子電極間に導電性薄膜を形成するための金属微粒子材料を含有する溶液を噴射ヘッドにより噴射付与し、導電性薄膜による表面伝導型電子放出素子群を形成する電子源基板製造装置によって製作される電子源基板において、
前記導電性薄膜が前記溶液付与後に溶媒成分を揮発させてなる前記溶液のドットパターンによって形成され、
前記素子電極が矩形パターンまたは矩形パターンの組み合わせによって構成されるとともに、前記矩形パターンのコーナー部を前記ドットパターンによって被覆したことを特徴とする。
【0020】
請求項3の発明は、請求項2に記載の電子源基板において、前記複数の素子電極の互いに対向する側のコーナー部を前記ドットパターンによって被覆したことを特徴とする。
【0021】
請求項4の発明は、画像表示装置において、請求項2または3に記載の電子源基板と、該電子源基板に対向して配置され、蛍光体を搭載し、前記電子源基板とほぼ同じ形状、大きさのフェースプレートとを有することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る平面型表面伝導型電子放出素子を構成した電子源基板の一例を示す模式図で、図1(A)はその平面図、図1(B)は図1(A)のB−B線断面図で、図中、1は基板、2,3は素子電極、4は導電性薄膜、5は電子放出部である。
【0023】
本発明の表面伝導型電子放出素子の基本的な構成は平面型であり、ここでは簡略化して、1つの平面型表面伝導型電子放出素子の構成を模式的に示しているが、実際には、後述するように、このような平面型表面伝導型電子放出素子がマトリックス配置された素子群として構成される。
【0024】
基板1としては、石英ガラス、Na等の不純物含有量を低減させたガラス、青板ガラス、SiOを表面に堆積させたガラス基板およびアルミナ等のセラミックス基板等を用いることができる。
【0025】
素子電極2,3の材料としては、一般的な導電材料を用いることができ、例えば、Ni、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属あるいは合金、Pd、As、Ag、Au、RuO、Pd−Ag等の金属あるいは金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、In−SnO等の透明導電体、ポリシリコン等の半導体材料等から適宜選択される。
【0026】
素子電極2,3間の間隔Lは、好ましくは数千Åないし数百μmの範囲であり、より好ましくは素子電極2,3間に印加する電圧等を考慮して1μmないし100μmの範囲である。素子電極2,3の長さWは、電極の抵抗値および電子放出特性を考慮して、数μmないし数百μmであり、また、素子電極2,3の膜厚dは、100Åないし1μmの範囲である。尚、本発明は図1に示した構成に限らず、基板1上に導電性薄膜4、素子電極2,3の電極を順に形成させた構成にしてもよい。
【0027】
図2は、図1に示した平面型表面伝導型電子放出素子の製造方法を説明するための図で、図2(A)は基板1に素子電極2,3を形成した図、図2(B)は素子電極2,3に導電性薄膜4を形成した図、図2(C)は該導電性薄膜4に電子放出部5を形成した図を示す。
【0028】
導電性薄膜4としては、良好な電子放出特性を得るために、微粒子で構成された微粒子膜が特に好ましく、その膜厚は素子電極2,3へのステップカバレッジ、素子電極2,3間の抵抗値および後述する通電フォーミング条件等によって適宜設定されるが、好ましくは、数Åないし数千Åで、特に好ましくは、10Åないし500Åである。またその抵抗値は、Rsが10の2乗ないし10の7乗Ωの値である。ここで、Rsは厚さがt、幅がwで長さが1の薄膜の抵抗Rを、R=Rs(1/w)とおいたときに現われる値で、薄膜材料の抵抗率をρとするとRs=ρ/tで表される。
【0029】
なお、ここではフォーミング処理について通電処理を例に挙げて説明するが、フォーミング処理はこれに限られるものではなく、膜に亀裂を生じさせて高抵抗状態を形成する方法であればいかなる方法を用いても良い。
【0030】
導電性薄膜4を構成する材料としては、Pd、Pt、Ru、Ag、Zn、Sn、W、Pb等の金属が本発明の表面伝導型電子放出素子として、良好な電子放出を行うことができる材料としてあげられる。しかし、後述するように、本発明の製造装置に使用される液滴噴射ヘッドとの適合性を考慮する必要があり、これらの材料が全て好適に使用できるわけではない。
【0031】
ここで述べる微粒子膜とは複数の微粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに隣接、あるいは重なり合った状態(いくつかの微粒子が集合し、全体として島状を形成している場合も含む)をとっている。微粒子の粒径は、数Åないし1μmであり、好ましくは10Åないし200Åである。
【0032】
以下、本発明の一実施形態に係る表面伝導型電子放出素子を形成した電子源基板の製造装置について述べる。図3は、本発明に係る電子源基板の製造装置の一例を示す図で、図中、11は吐出ヘッドユニット(噴射ヘッド)、12はキャリッジ、13は基板保持台、14は平面型表面伝導型電子放出素子群を形成する基板、15は導電性薄膜の材料を含有する溶液の供給チューブ、16は信号供給ケーブル、17は噴射ヘッドコントロールボックス、18はキャリッジ12のX方向スキャンモータ、19はキャリッジ12のY方向スキャンモータ、20はコンピュータ、21はコントロールボックス、22X1、22Y1、22X2、22Y2は、基板位置決め/保持手段である。
【0033】
図3に示す構成は、基板保持台13に置かれた基板14の前面を噴射ヘッド11がキャリッジ走査により移動し、導電性薄膜材料を含有する溶液を噴射付与する例を示すものである。噴射ヘッド11は、任意の液滴を定量吐出できるものであれば如何なる機構でも良く、特に数10〜数ピコリットル程度の液滴、あるいはより少量体積の液滴を形成できるインクジェット方式の機構が望ましい。インクジェット方式としては、圧電素子を用いたピエゾジェット方式、ヒータの熱エネルギーを利用して気泡を発生させるバブルジェット(登録商標)方式、あるいは荷電制御方式(連続流方式)等いずれのものでも構わない。
【0034】
図4は、本発明の電子源基板の製造方法を適用しうる液滴付与装置の構成の一例を説明するための概略図で、図5は、図4の液滴付与装置の吐出ヘッドユニットの要部概略構成図である。図4の構成は、図3の構成と異なり、基板側を移動させて電子放出素子群を基板に形成するものである。
【0035】
図4及び図5において、2,3は素子電極、14は基板、30は吐出ヘッドユニット(図3の吐出ヘッド11に相当)、31はヘッドアライメント制御機構、32は検出光学系、33はインクジェットヘッド、34はヘッドアライメント微動機構、35は制御コンピュータ、36は画像識別機構、37はXY方向走査機構、38は位置検出機構、39は位置補正制御機構、40はインクジェットヘッド駆動・制御機構、41は光軸、42は液滴、43は液滴着弾位置である。
【0036】
吐出ヘッドユニット30の液滴付与装置(インクジェットヘッド33)としては、図3の場合と同様に、インクジェット方式の機構が望ましく、圧電素子を用いたピエゾジェット方式、ヒータの熱エネルギーを利用して気泡を発生させるバブルジェット(登録商標)方式、あるいは荷電制御方式(連続流方式)等いずれのものでも構わない。
【0037】
以下に上記のごとくの基板14側を移動させる装置の構成を説明する。まず図4において、XY方向走査機構37の上に基板14が載置してある。基板14上の表面伝導型電子放出素子は図1のものと同じ構成であり、単素子としては図1に示したものと同様、基板1、素子電極2,3及び導電性薄膜(微粒子膜)4よりなっている。
【0038】
この基板14の上方に液滴を付与する吐出ヘッドユニット30が位置している。本実施例では、吐出ヘッドユニット30は固定で、基板14がXY方向走査機構37により任意の位置に移動することで吐出ヘッドユニット30と基板14との相対移動が実現される。
【0039】
次に図5により吐出ヘッドユニット30の構成を説明する。検出光学系32は、基板14上の画像情報を取り込むもので、液滴42を吐出させるインクジェットヘッド33に近接し、検出光学系32の光軸41および焦点位置と、インクジェットヘッド33による液滴42の着弾位置43とが一致するよう配置されている。
【0040】
この場合、検出光学系32とインクジェットヘッド33との位置関係はヘッドアライメント微動機構34とヘッドアライメント制御機構31により精密に調整できるようになっている。また、検出光学系32には、CCDカメラとレンズとを用いている。
【0041】
再度図4に戻って説明する。画像識別機構36は、先の検出光学系32で取り込まれた画像情報を識別するもので、画像のコントラストを2値化し、2値化した特定コントラスト部分の重心位置を算出する機能を有したものである。具体的には株式会社キーエンス製の高精度画像認識装置;VX−4210を用いることができる。これによって得られた画像情報に基板14上における位置情報を与える手段が位置検出機構38である。これには、XY方向走査機構37に設けられたリニアエンコーダ等の測長器を利用することができる。
【0042】
また、これらの画像情報と基板14上での位置情報をもとに、位置補正を行なうのが位置補正制御機構39であり、この機構によりXY方向走査機構37の動きに補正が加えられる。また、インクジェットヘッド駆動・制御機構40によってインクジェットヘッド33が駆動され、液滴が基板14上に塗布される。これまで述べた各制御機構は、制御コンピュータ35により集中制御される。
【0043】
なお、以上の説明は、吐出ヘッドユニット30は固定で、基板14がXY方向走査機構37により任意の位置に移動することで吐出ヘッドユニット30と基板14との相対移動を実現しているが、図3に示すように、基板14を固定とし、吐出ヘッドユニット30がXY方向に走査するような構成としてもよいことはいうまでもない。
【0044】
特に200mm×200mm程度の中画面〜2000mm×2000mmあるいはそれ以上の大画面の画像形成装置の製作に適用する場合には、後者のように基板14を固定とし、吐出ヘッドユニット30が直交するX、Yの2方向に走査するようにし、溶液の液滴の付与をこのような直交する2方向に順次行うようにする構成としたほうがよい。
【0045】
基板サイズが200mm×200mm程度以下の場合には、液滴付与のための吐出ヘッドユニットを200mmの範囲をカバーできるラージアレイマルチノズルタイプとし、吐出ヘッドユニットと基板の相対移動を直交する2方向(X方向、Y方向)に行うことなく、1方向のみ(例えばX方向のみ)に相対移動させることも可能であり、また量産性も高くすることができるが、基板サイズが200mm×200mm以上の場合には、そのような200mmの範囲をカバーできるラージアレイマルチノズルタイプの吐出ヘッドユニットを製作することは技術的/コスト的に実現困難であり、本発明のように吐出ヘッドユニット30が直交するX、Yの2方向に走査するようにし、溶液の液滴の付与をこのような直交する2方向に順次行うようにする構成としたほうがよい。
【0046】
液滴42の材料には、先に述べた導電性薄膜となる元素あるいは化合物を含有する水溶液、有機溶剤等を用いることができる。例えば、導電性薄膜となる元素あるいは化合物がパラジウム系の例を以下に示すと、酢酸パラジウム−エタノールアミン錯体(PA−ME)、酢酸パラジウム−ジエタノール錯体(PA−DE)、酢酸パラジウム−トリエタノールアミン錯体(PA−TE)、酢酸パラジウム−ブチルエタノールアミン錯体(PA−BE)、酢酸パラジウム−ジメチルエタノールアミン錯体(PA−DME)等のエタノールアミン系錯体を含んだ水溶液、また、パラジウム−グリシン錯体(Pd−Gly)、パラジウム−β−アラニン錯体(Pd−β−Ala)、パラジウム−DL−アラニン錯体(Pd−DL−Ala)等のアミン酸系錯体を含んだ水溶液、さらには酢酸パラジウム・ビス・ジ・プロピルアミン錯体の酢酸ブチル溶液等が挙げられる。
【0047】
より具体的には、たとえば、酢酸パラジウム−トリエタノールアミン水溶液の例で説明すると、以下のようにして製造される。すなわち50gの酢酸パラジウムを500ccのイソプロピルアルコールに懸濁させ、さらに100gのトリエタノールアミンを加え35℃で12時間攪拌する。
【0048】
反応終了後、イソプロピルアルコールを蒸発により除去し、固形物にエチルアルコールを加えて溶解、濾過し、濾液から酢酸パラジウム−トリエタノールアミンを再結晶させる。このようにして得た酢酸パラジウム−トリエタノールアミン10gを190gの純水に溶解し、噴射用溶液とすることができる。
【0049】
他の例としては、パラジウム微粒子を電圧60V、周波数50Hz、酸素流量40ml/minのオゾン発生装置でオゾン処理し、その処理済みのパラジウム微粒子7gをエチレングリコール5g、エタノール8g、純水80gの溶液に分散させ、噴射用溶液とすることができる。
【0050】
以上の説明より明らかなように本発明の電子源基板は、導電性薄膜となる元素あるいは化合物を含有する溶液をインクジェットの原理で空中を飛翔させ、基板上に液滴として付与して製作されるものであるが、高品位な表面伝導型電子放出素子を長期にわたって安定して形成するためには、その製造装置が安定して一定の性能を維持するものでなくてはならない。
【0051】
ここで一番重要な点は噴射ヘッドの長期性能安定性である。前述のように本発明では、導電性薄膜を形成するための材料を含有する溶液は、液体に金属微粒子を分散させた溶液である。しかしながらこの金属微粒子は溶液中に分散している砥粒のような存在であり、この溶液を大量使用した場合、噴射ヘッドの溶液の通り道を損傷させたり、摩耗させたりするという問題がある。通り道の中でもとりわけ吐出口部(ノズル部)のキズや、摩耗は溶液の液滴噴射性能に影響を及ぼすため問題となる。
【0052】
ところでこのキズや、摩耗は、2つの物体が互いにぶつかり合う、あるいはこすれあう際に生ずるものであるから、互いの物体の硬さを適切に選ぶことにより、解決できるものと考えられる。また、キズについても、これが噴射ヘッドの液滴噴射性能に影響を及ぼすのは事実ではあるが、どのくらい影響を及ぼすのかは、キズの大きさと溶液の通り道の大きさとによって決まると考えられる。たとえば、内径Φ15mm〜Φ20mmの放水用のホースにナノメーターオーダーのキズがあったとしても、放水流量に多大な影響を及ぼすことはあり得ない。
【0053】
本発明ではこれらの点を考慮しながら、吐出口部の材質の硬さと、金属微粒子の材質の硬さならびに吐出口部の大きさを鋭意検討したものである。
具体的には、図5に示したような噴射ヘッドで、矩形のノズル部58の面にマルチノズルプレートを貼り付けた噴射ヘッドを使用し、一定時間溶液噴射を行うことにより、吐出口部(ノズル孔部)にキズが生じるかどうか、また、溶液滴吐出性能の劣化により、形成される素子形状(ドットパターンの形状良否)、素子性能の劣化が生じるかどうかを調べた。マルチノズルプレートは、材料およびノズル径(ここでは丸形状とした)を変えたものを準備した。素子性能は、後述のフォーミング処理等を行った後、性能を調べた。
【0054】
使用した噴射ヘッドは、熱エネルギーを使用するサーマルインクジェット方式であり、前述のように図6の噴射ヘッドに、ノズルプレートを装着したもの(ノズルプレートは図示せず)であるが、図6に示したものは、説明を簡単にするため吐出口を4個しか示していない。実際に使用したのは吐出口の数が64個で、その配列密度が400dpiのものである。
【0055】
また、発熱体の大きさは、22μm×90μmで、その抵抗値は111Ωであり、液滴噴射の駆動電圧は24V、駆動パルス幅は6.5μs、駆動周波数は12kHzとした。噴射は100時間連続噴射とし、噴射後吐出口部分をSEM観察して、キズの有無を調べた。吐出口径は、Φ25μm(H1)、Φ16μm(H2)、Φ10μm(H3)のものを用意した。比較参考例として、吐出口径がΦ36μmのもの(参考ヘッド)も用意した。
【0056】
この場合は、吐出口の数が48個で、その配列密度が240dpiのものである。そして、この発熱体の大きさは35μm×150μmで、その抵抗値は120Ωであり、インク噴射の駆動電圧は30V、駆動パルス幅は7μs、駆動周波数は3.8kHzとした。ノズルプレートの厚さは、H1、H2は30μmとし、H3は20μm、参考ヘッドは40μmとした。噴射時の液滴の速度は、いずれの噴射ヘッドの場合も約8m/sとした。
【0057】
ノズルプレート材質はNiとオーステナイト系ステンレスSUS304とし、Ni材質のものはエレクトロフォーミング法でマルチノズルプレートを製作し、SUS304材質のものは、ステンレス箔に放電加工によってノズル孔を穿孔した。それぞれ硬度をビッカース硬度計で測定したところ、Ni材質の場合はビッカース硬度Hvが58〜63、SUS304材質のものはビッカース硬度Hvが170〜190であった。
【0058】
使用した液体は、下記表1に示すS1からS7であり、それぞれ含有金属粒子の元素名と、そのバルク状態におけるビッカース硬度Hvを示した。なおこのビッカース硬度Hvは、金属データブック(日本金属学会編,改定3版,出版:丸善)の値を掲載した。それぞれの溶液における金属微粒子含有量は約7%とし、また微粒子径は150Å〜200Åであった。
【0059】
【表1】
Figure 2004311095
【0060】
これらのサンプル溶液および噴射ヘッドを使用して評価した結果を下記表2〜5に示す。表中、キズの○は100時間噴射後に、目立ったキズが確認できなかったもの、×はノズル形状、あるいは寸法にまでも影響をおよぼすような多数のすりキズが存在したものである。素子形状の○は100時間噴射後に、素子を作製した際の、ドットパターンが、狙いの位置(一対の電極間)に良好な丸い形状で形成されたものであり、×は位置がやや狙いの場所から外れていたり、形状がいびつであったり、微小滴が周囲に飛散していたりしたものである。素子性能の○×は後述のフォーミング処理等を行った後の電子放出の良(○)否(×)である。
【0061】
【表2】
Figure 2004311095
【0062】
【表3】
Figure 2004311095
【0063】
【表4】
Figure 2004311095
【0064】
【表5】
Figure 2004311095
【0065】
以上の結果より、含有金属微粒子の硬度が、吐出口材質より大であるもの(S3、S6)の場合、吐出口に傷がつくことがわかる。またそれによって形成された素子形状は悪く、素子性能も悪いことがわかる。よって、本発明のような製造装置によって、このような表面伝導型電子放出素子を形成する場合には、金属微粒子は吐出口を構成する部材よりやわらかい材料を選ぶ必要があることがわかる。
【0066】
なおそのキズに関しては、吐出口の大きさとの関係で、素子形状が悪くならないものもある。参考ヘッドのように、吐出口径がΦ36μmもある(=面積が約1000μm)ような場合には、キズはついても吐出口径が大きいために、噴射性能を劣化に至らしめるほどのキズではなく、十分に使用可能な素子形状が得られている。
【0067】
一方、吐出口径がΦ25μm以下(=面積が約500μm未満)の場合のように、面積比較で参考ヘッドの半分以下のような場合には、同じようにキズがついても、吐出口径との比較において与える影響は大であり、良好な素子形状、素子性能が得られないことがわかる。
【0068】
つまり、それほど微細な表面伝導型電子放出素子を形成しないのであれば、キズの問題は素子性能に影響を与えないので気にすることはないが、本発明のように、吐出口径Φ25μm以下の液滴噴射ヘッドにより、10Åないし200Åの金属微粒子を含有する溶液を噴射付与し、導電性薄膜による表面伝導型電子放出素子群を形成するような場合には、吐出口部のキズは、素子性能にとって致命的であるので、キズができないような溶液および吐出口部材の組み合わせを選ぶ必要がある。すなわち、金属微粒子は吐出口を構成する部材よりやわらかい材料とする必要がある。
【0069】
なお実験では、丸形状のΦ25μmノズル(面積が約490μm)、Φ16μmノズル(面積が約200μm)、Φ10μmノズル(面積が約80μm)を使用したが、噴射ヘッドのノズルとして他の形状(たとえば矩形等)のものを使用する場合には、その面積比較をすればよく、たとえば、22μm×22μmのノズルが、本発明の丸形状のΦ25μmノズルと同等である。言い換えるならば、本発明は面積が500μm未満のノズルを使用した噴射ヘッドで、このような溶液を噴射して表面伝導型電子放出素子群を形成する場合に適用されるものである。
【0070】
次に、本発明の他の特徴について説明する。前述のように本発明では、導電性薄膜を形成するための材料を含有する溶液は、液体に金属微粒子を分散させた溶液である。そして、いわゆるインクジェット噴射原理と同等の技術でその溶液を微細な吐出口から噴射して、基板上に導電性薄膜を形成する技術に関するものである。しかしながら従来インクジェット記録分野で使用しているインクでは染料が溶液中に溶解しているのに対して、本発明で使用する溶液は金属微粒子は溶液中に分散しているだけなので、目詰まりが起こりやすい。
【0071】
さらに、本発明では、必要とされる素子(電子放出素子)の用途から、従来にはない微細な吐出口径、例えば、吐出口径がΦ25μm以下(面積でいうならば500μm未満)であるような噴射ヘッドを使用しなければならず、この目詰まりは大変深刻な問題である。
【0072】
ところで目詰まりとは、微細な吐出口から溶液が噴射するという原理そのものに由来するものである。つまり、吐出口が微細であるがゆえに生じるものである。よってその吐出口の大きさと、いわば溶液中の異物とでもいうべき金属微粒子の大きさには密接な関係がある。
【0073】
本発明はこの点に鑑み、吐出口の大きさと金属微粒子の大きさに着目し、目詰まりの生じにくさとそれらの関係を見い出したものである。具体的には金属微粒子径を変えた溶液を調合し、吐出口の大きさがわかっている噴射ヘッドを使用し、一定時間液滴噴射を行った後、一定時間放置し、液滴噴射を再開し、吐出口の目詰まりの有無を調べた。その場合、吐出口の完全閉塞だけではなく、部分的な目詰まりおよびそれに至る事前の兆候(わずかな目詰まり)も目詰まりとみなしてテストした。
【0074】
使用した噴射ヘッドは、熱エネルギーを使用するサーマルインクジェット方式と同等のものであり、前述のように図6の噴射ヘッドに、ノズルプレートを装着したもの(ノズルプレートは図示せず)であるが、図6に示したものは、説明を簡単にするため吐出口を4個しか示していない。実際に使用したのは吐出口の数が128個で、その配列密度が600dpiのものである。また、発熱体の大きさは20μm×85μmで、その抵抗値は105Ωであり、液滴噴射の駆動電圧は22V、駆動パルス巾は6μs、駆動周波数は14kHzとした。
【0075】
なお、記録ヘッドはH1〜H4まで用意した(それぞれの吐出口径をH1=Φ25μm、H2=Φ20μm、H3=Φ15μm、H4=Φ10μmとした)。また、そのノズルプレートはNiのエレクトロフォーミングによって形成したものであり、吐出口部分の板厚は、全て30μmとした。
【0076】
使用した溶液は、パラジウム微粒子を電圧60V、周波数50Hz、酸素流量40ml/minのオゾン発生装置でオゾン処理し、その処理済みのパラジウム微粒子7gをエチレングリコール5g、エタノール8g、純水80gの溶液に分散させ、噴射用溶液としたものであるが、パラジウム微粒子径を0.0003〜0.5μmまで変えたものを準備し、吐出口径の異なるH1〜H4と組み合わせてテストした。また、一定時間(10分間とした)液滴噴射を行った後の放置の条件は、温度40℃、湿度30%の雰囲気中で10時間放置である。
【0077】
これらのパラジウム微粒子径を変えた溶液と吐出口径を変えたヘッドH1〜H4を組み合わせて、目詰まりの発生状況を調べた結果を下記表6〜表9に記す。なお、表6はヘッドH1(吐出口径Do=Φ25μm)の場合、表7はヘッドH2(吐出口径Do=Φ20μm)の場合、表8はヘッドH3(吐出口径Do=Φ15μm)の場合、表9はヘッドH4(吐出口径Do=Φ10μm)の場合を示す。判定の○は実用的に良好に使用できる場合、△は使うことは可能であるがあまり好ましくない場合、×は全く実用的ではない場合を示している。なお、パラジウム微粒子径が0.0005μm以下の場合は、安定的に分散させることができなくて、評価はできなかった。
【0078】
【表6】
Figure 2004311095
【0079】
【表7】
Figure 2004311095
【0080】
【表8】
Figure 2004311095
【0081】
【表9】
Figure 2004311095
【0082】
以上の結果より、吐出口径がΦ10μm〜Φ25μmの噴射ヘッドを用いた場合、パラジウム微粒子径Dpと吐出口径Doとは、Dp/Do≦0.01の関係を満足するようにすれば目詰まりのない安定した液滴噴射が得られることがわかる。
【0083】
なお、Dp/Doの下限値であるが、このように大変微細な金属微粒子を安定して、溶液中に分散することを考えると、パラジウム微粒子径Dpが0.0005μm以下は困難である。また、吐出口径がΦ25μm以下の噴射ヘッド全てに安定して液滴噴射させられるようにするには、余裕をみてその下限値を0.0001にすればよい。
【0084】
すなわち、金属微粒子径Dpと吐出口径Doとは、0.0001≦Dp/Do≦0.01の関係を満足するようにすれば、吐出口径がΦ25μm以下の噴射ヘッドを使用した液滴噴射による導電性薄膜形成を行うことができる安定した分散液を製造でき、目詰まりも生じないようにすることができることがわかる。
【0085】
なおこの実験でも、丸形状の吐出口(ノズル)を使用したが、前述のように、他の形状の場合は、その面積比較をすればよく、たとえば、22μm×22μmの矩形吐出口の場合は、本発明の丸形状のΦ25μmノズルと同等である。言い換えるならば、本発明は面積が500μm未満のノズルを使用した噴射ヘッドで、このような溶液を噴射して表面伝導型電子放出素子群を形成する場合に適用されるものである。
【0086】
また実験はサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式の噴射ヘッドを使用したが、本発明の製造装置に使用される噴射ヘッドはこれに限定されることなく、圧電素子を用いたピエゾジェット方式、静電力を利用した方式、あるいは荷電制御方式(連続流方式)等いずれのものでも構わない。
【0087】
例えば圧電素子を用いたピエゾジェット方式の場合、ピエゾ素子への入力電圧をいつも一定にすることにより液滴飛翔時に丸い均一滴が得られ、基板上で良好な丸いドットが得られる。またサーマルインクジェット方式のように熱を利用していないため、使用する溶液が熱劣化するということもなく、使用する溶液の制限が少ないというメリットがある。
【0088】
一方でサーマルインクジェット方式の場合は、溶液の飛翔時に微小なサテライト滴を伴いながら飛翔するが、飛翔時の速度が速く(例えば10m/s〜20m/s)、安定した噴射飛翔が得られるというメリットがある。その結果、微小なサテライト滴も同様に高速(10m/s〜20m/s)で飛翔し、基板上の同一箇所に付着する。
【0089】
つまり、サーマルインクジェット方式の場合は微小なサテライト滴が飛散しているように飛翔していても、発熱体への入力エネルギーをいつも一定にしてやれば、1ドットを形成するためのトータルの溶液量は同じ(同一箇所に付着するので)となり、同様に良好な丸いドットが得られる。
【0090】
次に本発明のさらに他の特徴について説明する。本発明は、電子放出素子を製作する技術であるが、形成される電子放出素子部は、通常は基板上に先に形成されている一対の電極パターンの上に金属微粒子を分散させた溶液を噴射し、丸いドットパターンを形成し、電子放出素子を形成する。
ここで重要なことは、先に形成されているパターンの上に新たに金属微粒子を分散させた溶液を噴射し、そのパターンと先の電極パターンとの電気的接続を行う際の品質である。図7を使って説明する。
【0091】
図7は、基板上に形成されている2つのITO透明電極間に本発明の原理によって、金属微粒子を分散させた溶液を噴射し、丸いドットパターンを形成し、電子放出素子を形成する場合の模式的な図である。図中、Ldは基板上にドットを単独で形成した場合のドット径である。
【0092】
図7(A)は、2つのITO透明電極間に金属微粒子を分散させた溶液を噴射しドットパターンを形成した場合であるが、2つのITO透明電極間は、ドットパターンの左右端部においてかろうじて電気的に接続されている例である。図7(B)は、図7(A)の場合よりも、各ドットが周辺部で互いに重なり合って電気的に接続されている例であり、重なり領域の長さをLcで現している。図7(C)、(D)はさらに重なり合う領域Lcが大である場合である。
【0093】
ここで、単に電気的接続が得られるかどうかという観点から見ると、図7(A)〜(D)の場合、すべて一応接続できている。しかしながら図7(A)や図7(B)の場合、一応は接続されてはいるが、電気信号入力と同時に断線してしまう。あるいはすぐには断線しなくても接続部の接触抵抗が高すぎて異常発熱し、またそれが原因となって長期的信頼性がなく、いずれ断線にいたるという不具合があり、本来の性能を発揮できない。
【0094】
本発明ではこれを解決するためにこのような接続領域において、基板上に先に形成されているパターンに対して、あとから金属微粒子を分散させた溶液を噴射しドットパターンを形成する際に、図7(C)、(D)のように端部のドットを1つのドットの半分以上、先に形成されているパターンの上に覆いかぶせるように打ち込み、形成するようにしている。
別の表現をするならば、ドットを単独で形成した場合のドット径をLdとする時、Ld/2≦LcとなるようにLdとLcの関係が満たされるような、噴射口の大きさ(溶液噴射量)および打ち込み方法とする。
【0095】
他の例で説明する。図8、図9の例は一対の電極と間の電子放出部が、図7のように一直線上に配列されているのではなく、電子放出部で直交するようなパターン配列の例としたが、必ずしもこのようなパターン配列に限定されるものではなく、図7のような構成であってもよいことはいうまでもない。
【0096】
図8は、基板上に形成されている2つのITO透明電極パターンである。このパターンは、スパッタリングならびにエッチングといういわゆるフォトリソグラフィー技術によって形成した。これに図9に示すように、Ag微粒子含有溶液を約Φ12μmのドット径が得られるようにした噴射ヘッドを用い、その中心間距離(ドットピッチ)を約3μmずつずらして重ね打ちし、ドットパターンを形成した。
この場合、ITO透明電極パターンとの重なり領域の距離を約13μm(Lcx)と8μm(Lcy)とし、1つのドット径の半分以上重ねて接続した。その結果、長期にわたり断線することなく安定したパターンが得られている。
なお、ここでは2つの電極はITO透明電極の例で実験、説明しているが、必ずしもITOに限定されるものではなく、Al,Au,Cu等の材料も好適に使用できる。
【0097】
次に本発明のさらに別の特徴について図10,図11を用いて説明する。図10は、先に示した図2(B)を拡大した図である。図11は、本発明の特徴を説明するために、導電性薄膜4のパターンのそれぞれの領域を示したものである。
本発明は、素子電極2,3の間に金属微粒子を分散させた溶液を噴射させ、ドットパターンとして形成しその後乾燥させることにより、導電性薄膜4を形成するものである。その際問題となるのは、先に形成されている素子電極2,3のパターンのエッジ部における導電性薄膜4のステップカバレッジである。
【0098】
図11(A)に示したようにA部においては、先に形成されている素子電極のパターンの段差があるため、あとから金属微粒子を分散させた溶液を噴射させて、導電性薄膜4を形成した場合、エッジ部において良好な被覆が得られないという問題がある。そのため、その部位分において断線が生じたりして、電子放出素子の耐久性を損ね、信頼性が低く、実用面で難があった。
【0099】
本発明ではこの点に鑑み、この領域、すなわち基板上に先に形成されている素子電極のパターンエッジ部において、金属微粒子を分散させた溶液を噴射させて形成される導電性薄膜4の厚さをエッジ部ではない他の領域(図11(B)のB部)より厚く形成するように噴射ヘッドを噴射制御するようにしている。
【0100】
具体的には、このAの領域に溶液を噴射させる場合には、本発明に適用される噴射ヘッドにおいて、ピエゾ素子あるいは発熱体への入力エネルギーを大とし、Bの領域に噴射させる場合より、その液滴のサイズあるいは飛翔液体の質量を大きくすることによって、そこ(Aの領域)に形成される膜厚を厚くすることができる。
【0101】
より具体的には、素子電極パターンの厚さを例えば300Åとし、金属微粒子を分散させた溶液を噴射させて、導電性薄膜4を形成し、溶液中の揮発成分を乾燥させ、Bの領域における乾燥後の最終的な厚さを200Åとなるようにした場合、Aの領域の厚さは、300Å〜500Åとなるように噴射ヘッドを制御すれば、ステップカバレッジが良好で、長期使用しても断線等がなく、信頼性の高い電子放出素子とすることができる。
【0102】
以上の説明から明らかなように、本発明は、電子放出素子を製作する技術であるが、数10μm〜数μmという非常に微細なパターンを従来のようなフォトリソ技術によるのではなく、従来にはない微小な吐出口を有する噴射ヘッドによって金属微粒子を分散させた溶液を基板に直接噴射付与するという簡単な装置で、電子放出素子群をダイレクト製作するようにしている。したがって、いわゆる半導体製造プロセスで使用されている高価な製造装置を必要とせず、低コストでかつ安定して製作できるという利点がある。
【0103】
このようにして、良好な形状の表面伝導型電子放出素子群のパターン形成を行った後、本発明では以下に説明するようなフォーミング処理によって、電子放出部5を形成する(図1、図2参照)。
【0104】
電子放出部5は、導電性薄膜4の一部に形成された高抵抗の亀裂により構成され、導電性薄膜4の膜厚、膜質、材料等、あるいはフォーミング処理条件等に依存したものとなる。電子放出部5の内部には、100Å以下の粒径の導電性微粒子を含む場合もある。
【0105】
この導電性薄膜4に施すフォーミング処理方法の一例として、通電処理による方法を説明する。素子電極2,3間に、不図示の電源を用いて通電を行うと、導電性薄膜4の部位に構造の変化した電子放出部5が形成される。すなわち、通電フォーミングによれば導電性薄膜4に局所的に破壊、変形もしくは変質等の構造変化した部位が形成され、この部位が電子放出部5となる。
【0106】
図12は、本発明に適用する上記のごとくの通電フォーミング処理の電圧波形の例を示す図である。電圧波形は特にパルス波形が好ましく、パルス波高値が一定の電圧パルスを連続的に印加する場合(図12(A))と、パルス波高値を増加させながら、電圧パルスを印加する場合(図12(B))とがある。まずパルス波高値が一定電圧とした場合(図12(A))について説明する。
【0107】
図12(A)におけるT1およびT2はそれぞれ電圧波形のパルス幅とパルス間隔であり、T1を1μs〜10ms、T2を10μs〜100msとし、三角波の波高値(通電フォーミング時のピーク電圧)を表面伝導型電子放出素子の形態に応じて適宜選択する。このような条件のもと、例えば、数秒ないし数十分間電圧を印加する。また、パルス波形は三角波に限定されるものではなく、矩形波など所望の波形を用いても良い。
【0108】
図12(B)におけるT1およびT2は、図12(A)に示したものと同様にそれぞれ電圧波形のパルス幅とパルス間隔を示し、三角波の波高値(通電フォーミング時のピーク電圧)は、例えば0.1Vステップ程度ずつ増加させることができる。
【0109】
通電フォーミング処理の終了は、パルス間隔T2中に、導電性薄膜4を局所的に破壊、変形しない程度の電圧を印加し、電流を測定して検知することができる。例えば0.1V程度の電圧印加により流れる素子電流を測定し、抵抗値を求めて、1MΩ以上の抵抗を示した時に通電フォーミングを終了させる。
【0110】
通電フォーミングを終了した素子には、活性化工程と呼ぶ処理を施すことが望ましい。活性化処理を施すことにより、素子電流If、放出電流Ieが著しく変化する。活性化工程は、例えば有機物質のガスを含有する雰囲気下で、通電フォーミングと同様に、パルスの印加を繰り返すことで行うことができる。
【0111】
上記の雰囲気は、例えば油拡散ポンプやロータリーポンプなどを用いて真空容器内を廃棄した場合に雰囲気内に残留する有機ガスを利用して形成することができる他、イオンポンプなどにより一旦十分に排気した真空中に適当な有機物質のガスを導入することによっても得られる。このときの好ましい有機物質のガス圧は、前述の応用の形態、真空容器の形状や、有機物質の種類などにより異なるため場合に応じ適宜設定される。
【0112】
上記の有機物質としては、アルカン、アルケン、アルキンの脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類、フェノール、カルボン酸、スルホン酸等の有機酸類等を挙げることができ、具体的には、メタン、エタン、プロパンなどC2n+2で表される飽和炭化水素、エチレン、プロピレンなどC2n等の組成式で表される不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メタノール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミン、エチルアミン、フェノール、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等が使用できる。
【0113】
この処理により雰囲気中に存在する有機物質から炭素あるいは炭素化合物が素子上に堆積し、素子電流If、放出電流Ieが著しく変化する。活性化工程の終了判定は、素子電流Ifと放出電流Ieを測定しながら行う。なおパルス幅、パルス間隔、パルス波高値などは適宜設定される。
【0114】
炭素あるいは炭素化合物とは、グラファイト(単結晶、多結晶の両者を指す)、非晶質カーボン(非晶質カーボンおよび非晶質カーボンと前記グラファイトの微結晶の混合物を含むカーボン)であり、その膜厚は500Å以下にするのが好ましく、より好ましくは300Å以下である。
【0115】
こうして作成した電子放出素子は、安定化処理を行うことが好ましい。この処理は真空容器内の有機物質の分圧が、1×10−8Torr以下、望ましくは1×10−10Torr以下で行うのが良い。真空容器内の圧力は、10−6〜10−7Torr以下が好ましく、特に1×10−8Torr以下が好ましい。真空容器を排気する真空排気装置は、装置から発生するオイルが素子の特性に影響を与えないように、オイルを使用しないものを用いるのが好ましい。
【0116】
具体的には、ソープションポンプ、イオンポンプ等の真空排気装置を挙げることができる。さらに真空容器内を排気するときには、真空容器全体を過熱して真空容器内壁や電子放出素子に吸着した有機物質分子を排気しやすくするのが好ましい。このときの加熱した状態での真空排気条件は、80〜200℃で5時間以上が望ましいが、特にこの条件に限るものではなく、真空容器の大きさや形状、電子放出素子の構成などの諸条件により変化する。
【0117】
なお、上記有機物質の分圧は、質量分析装置により質量数が10〜200の炭素と水素を主成分とする有機分子の分圧を測定し、それらの分圧を積算することにより求められる。安定化工程を経た後、駆動時の雰囲気は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ましいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去されていれば、真空度自体は多少低下しても十分安定な特性を維持することができる。このような真空雰囲気を採用することにより、新たな炭素あるいは炭素化合物の堆積を抑制でき、結果として素子電流If、放出電流Ieが安定する。
【0118】
以上のようにして本発明の電子放出素子の作製ならびにフォーミングが行われ、その後、後述のように画像形成装置(ディスプレイ)として使用されるが、ここで1つ問題がある。
【0119】
これは上記のフォーミング処理時、あるいはディスプレイとして使用する場合も問題となることであるが、素子電極部における異常放電である。図13を用いて説明する。本発明では、図13のように複数(この例は2)個の対向する素子電極間に金属微粒子材料を含有する溶液のドットパターンによって電子放出部を形成してなるが、通常、素子電極は矩形パターンまたは矩形パターンの組み合わせによって構成される。
【0120】
これは、このような素子電極パターンをフォトリソグラフィー技術によって形成する際のフォトマスクの形状に依存して、矩形形状にされる(矩形が最もコスト的に製作しやすい)わけであるが、図13に示すように、対向する2個の素子電極のコーナー部が尖っているために、その部分で電界集中が生じる。
【0121】
その結果、フォーミング処理によって、両電極間に印加したり、あるいは最終的にディスプレイとして使用する場合も両電極間に印加するわけであるが、この電界集中部において異常な放電が生じ、良好なフォーミング処理が行えなかったり、あるいは異常な電子放出がおきて、ディスプレイの画質を落とすという不具合がある。
【0122】
本発明ではこの点に鑑み、例えば図14のように複数の素子電極の互いに対向する側のコーナー部を金属微粒子材料を含有する溶液のドットパターンによって被覆するように打ち込むようにパターン形成制御される。
【0123】
なお、この例はドットパターン列が縦に2列とした例を示したが、図15のように、1列であってもいいのは言うまでもない。要するに、素子電極パターンの尖った部分をドットパターンによって被覆し、その部分が表面に利出しないようにすれば、電界集中による異常放電を防止でき、フォーミング処理が良好に行え、あるいは後述のようにディスプレイとして使用する場合にも、異常放電がなく、また長期に使用しても安定した良好な電子放出が得られ、さらには高品位な画質のディスプレイとすることができるようになるのである。
【0124】
次に本発明の画像形成装置について述べる。画像形成装置に用いる電子源基板の電子放出素子の配列については種々のものが採用できる。まず、並列に配置した多数の電子放出素子の個々を両端で接続し、電子放出素子の行を多数個配置し(行方向と呼ぶ)、この配線と直交する方向(列方向と呼ぶ)で電子放出素子の上方に配置した制御電極(グリッドとも呼ぶ)により、電子放出素子からの電子を制御駆動する梯子状配置のものがある。
【0125】
これとは別に、電子放出素子をX方向およびY方向に行列状に複数個配置し、同じ行に配置された複数の電子放出素子の電極の一方を、X方向の配線に共通に接続し、同じ列に配置された複数の電子放出素子の電極の他方を、Y方向の配線に共通に接続するものが挙げられる。このようなものは、所謂、単純マトリックス配置である。まず単純マトリックス配置について以下に詳述する。
【0126】
図16は、電子放出素子を複数個マトリックス状に配置して得られる電子源基板の一例を示す図で、図中、10は電子源基板、14は基板、61はX方向配線、62はY方向配線、63は表面伝導型電子放出素子、64は結線である。X方向配線61は、DX1、DX2、・・・DXmのm本の配線からなり、Y方向配線62はDY1、DY2、・・・DYnのn本の配線よりなる。また多数の表面伝導型素子63にほぼ均等な電圧が供給されるように、材料、膜厚、配線幅が適宜設定される。これらm本のX方向配線61とn本のY方向配線62間は不図示の層間絶縁層により電気的に分離されてマトリックス配線を構成する(なお、上記m、nは共に正の整数である)。
【0127】
不図示の層間絶縁層は、X方向配線61を形成した基板14の全面域または一部の所望の領域に形成される。X方向配線61とY方向配線62はそれぞれ外部端子として引き出される。更に表面伝導型放出素子63の素子電極(不図示)がm本のX方向配線61およびn本のY方向配線62と結線64によって電気的に接続されている。X方向配線61とY方向配線62を構成する材料、結線64を構成する材料、及び一対の素子電極を構成する材料は、その構成元素の一部あるいは全部が同一であっても、またそれぞれ異なっても良い。
これらの材料は、例えば前述の素子電極の材料より適宜選択される。素子電極を構成する材料と配線材料が同一である場合には、素子電極に接続した配線も含めて素子電極ということもできる。
【0128】
X方向配線61は、X方向に配列する表面伝導型放出素子63の行を入力信号に応じて走査する走査信号を印加するための不図示の走査信号発生手段と電気的に接続されている。一方、Y方向配線62は、Y方向に配列する表面伝導型放出素子63の各列を入力信号に応じて変調する変調信号を印加するための不図示の変調信号発生手段と電気的に接続されている。
【0129】
更に表面伝導型電子放出素子63の各素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧として供給されるものである。これにより、単純なマトリックス配線だけで個別の素子を選択して独立に駆動可能になる。
【0130】
次に、以上のようにして作成した単純マトリックス配置の電子源を用いた画像形成装置について説明する。図17は画像形成装置の表示パネルの基本構成の一例を説明するための図で、図中、10は電子放出素子63を基板上に作製した電子源基板、71は電子源基板10を固定したリアプレート、72は支持枠、76はガラス基板73の内面に蛍光膜74とメタルバック75等が形成されたフェースプレートで、リアプレート71、支持枠72及びフェースプレート76にフリットガラス等を塗布し、大気中あるいは窒素中で400〜500度で10分以上焼成することで封着して外囲器78を構成する。
【0131】
また、図17において、63は図1に示す構成に相当する電子放出素子、61,62はそれぞれ表面伝導型電子放出素子の一対の素子電極と接続されたX方向配線およびY方向配線である。
【0132】
外囲器78は、上述の如くフェースプレート76、支持枠72、リアプレート71で構成したが、リアプレート71は主に電子源基板10の強度を補強する目的で設けられるため、電子源基板10自体で十分な強度を持つ場合は別体のリアプレート71は不要であり、電子源基板10に直接支持枠72を封着し、フェースプレート76、支持枠72、及び電子源基板10にて外囲器78を構成しても良い。
またさらには、フェースプレート76、リアプレート71間に、スペーサとよばれる耐大気圧支持部材を設置することで大気圧に対して十分な強度をもつ外囲器78を構成することもできる。
【0133】
いずれにしろ、このようなフェースプレートは、電子源基板と積層、一体化して画像形成装置(画像表示装置)を構成するので、電子源基板とほぼ同じ形状、大きさとされる。
【0134】
図18は、図17の画像形成装置に用いられる蛍光膜の構成例を示す模式図で、ブラックストライプタイプの蛍光膜を図18(A)に、ブラックマトリックスタイプの蛍光膜を図18(B)に示すものである。図18において、74は蛍光膜、81は黒色導電材、82は蛍光体である。
【0135】
蛍光膜74は、モノクロームの場合は蛍光体のみからなるが、カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の配列によりブラックストライプあるいはブラックマトリックスなどと呼ばれる黒色導電材81と蛍光体82とで構成される。ブラックストライプ、ブラックマトリックスを設ける目的は、カラー表示の場合、必要となる三原色蛍光体の各蛍光体82間の塗り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくすることと、蛍光膜74における外光反射によるコントラストの低下を抑制することである。
【0136】
ブラックストライプの材料としては、通常良く用いられている黒鉛を主成分とする材料だけでなく、導電性があり、光の透過および反射が少ない材料であればこれに限るものではない。
【0137】
本発明では、上記のようなマトリックス化された蛍光体82のストライプの方向、あるいはマトリックスの互いに直交する2方向と、前述の電子放出素子63の互いに直交する2方向とそれぞれが互いに平行になるようにし、かつ各電子放出素子63に蛍光体82が一致するように位置決めして積層し、画像表示装置を構成している。
このような構成の画像表示装置は、互いのマトリックスの方向およびその位置が一致しているため、非常に高画質な画像表示装置を実現できる。
【0138】
ガラス基板73に蛍光体を塗布する方法としては、モノクローム、カラーによらず沈澱法や印刷法が用いられる。また蛍光膜74(図18)の内面側には通常、メタルバック75が設けられる。
【0139】
メタルバック75は、蛍光体の発光のうち内面側への光をフェースプレート76側へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作用すること、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージからの蛍光体の保護等の役割を有する。メタルバック75は、蛍光膜74を作製後、蛍光膜74の内面側表面の平滑化処理(通常、フィルミングと呼ばれる)を行い、その後Alを真空蒸着等で堆積することで作製できる。また、フェースプレート76には、更に蛍光膜74の導電性を高めるため、蛍光膜74の外面側に透明電極(不図示)を設けてもよい。
【0140】
前述の外囲器78を作成するための封着を行う際、カラーの場合は各色蛍光体82と電子放出素子63とを対応させなくてはならず、十分な位置合わせを行う必要がある。この十分な位置合わせを行うために本発明では、前述のように、電子放出素子63に対向する位置に蛍光体82を配置するとともに、電子放出素子63と蛍光体82のそれぞれのマトリックスの互いに直交する2方向がそれぞれ互いに平行となるようにしている。
このような構成の高精度な画像表示装置を得るためには、蛍光体基板も、本発明の電子源基板と同様な位置決め手法をとることが望ましい。
【0141】
図17に示した画像形成装置は、具体的には以下のようにして製造される。外囲器78は前述の安定化工程と同様に、適宜加熱しながらイオンポンプ、ソープションポンプなどのオイルを使用しない排気装置により不図示の排気管を通じて排気し、10−7Torr程度の真空度の有機物質の十分少ない雰囲気にした後、封止される。
【0142】
外囲器78の封止後の真空度を維持するためにゲッター処理を行う場合もある。これは外囲器78の封止を行う直前あるいは封止後に抵抗加熱あるいは高周波加熱等の加熱法により、外囲器78内の所定の位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッターは通常Ba等が主成分であり、蒸着膜の吸着作用により、例えば1×10−5Torrないし1×10−7Torrの真空度を維持するものである。
【0143】
次に、単純マトリックス配置型基板を有する電子源を用いて構成した表示パネルを駆動してNTSC方式のテレビ信号に基づきテレビジョン表示を行うための駆動回路の一例を示す概略構成を説明する。図19はNTSC方式のテレビ信号に応じて表示を行うための駆動回路のブロック図で、その駆動回路を含む画像形成装置を表すものである。図19において、91は画像の表示パネル、92は走査回路、93は制御回路、94はシフトレジスタ、95はラインメモリ、96は同期信号分離回路、97は変調信号発生器、VxおよびVaは直流電圧源である。
【0144】
以下、図19に示す各部の機能を説明する。表示パネル91は端子Dox1ないしDoxm、端子Doy1ないしDoyn、及び高圧端子Hvを介して外部の電気回路と接続している。このうち端子Dox1ないしDoxmには表示パネル91内に設けられている電子源、すなわちM行N列の行列状にマトリックス配線された表面伝導型電子放出素子群を一行(N素子)ずつ順次駆動してゆくための走査信号が印加される。
【0145】
一方、端子Doy1ないしDoynには前記の走査信号により選択された一行の表面伝導型電子放出素子の各素子の出力電子ビームを制御するための変調信号が印加される。また高圧端子Hvには直流電圧源Vaより、例えば10kVの直流電圧が供給されるが、これは表面伝導型電子放出素子より出力される電子ビームに蛍光体を励起するのに十分なエネルギーを付与するための加速電圧である。
【0146】
次に走査回路92について説明する。同回路は内部にM個のスイッチング素子を備えるもので(図中、S1ないしSmで模式的に示している)、各スイッチング素子は直流電圧源Vxの出力電圧もしくは0V(グランドレベル)のいずれか一方を選択し、表示パネル91の端子Dox1ないしDoxmと電気的に接続するものである。
【0147】
S1ないしSmの各スイッチング素子は制御回路93が出力する制御信号Tscanに基づいて動作するものであるが、実際には例えばFETのようなスイッチング素子を組み合わせることにより構成することが可能である。なお、前記直流電圧源Vxは、前記表面伝導型電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基づき、走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子放出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力するよう設定されている。
【0148】
制御回路93は、外部より入力する画像信号に基づいて適切な表示が行われるように各部の動作を整合させる働きをもつものである。この後説明する同期信号分離回路96より送られる同期信号Tsyncに基づいて、各部に対してTscan、Tsft及びTmryの各制御信号を発生する。
【0149】
同期信号分離回路96は、外部から入力されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝度信号成分とを分離するための回路であり、周波数分離(フィルタ)回路を用いれば構成できる。同期信号分離回路96により分離された同期信号は、良く知られるように垂直同期信号と水平同期信号よりなるが、ここでは説明の便宜上Tsync信号として図示した。一方、前記テレビ信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜上DATA信号と表すが、同信号はシフトレジスタ94に入力される。
【0150】
シフトレジスタ94は、時系列的にシリアルに入力される前記DATA信号を画像の1ライン毎にシリアル/パラレル変換するためのものであり、制御回路93より送られる制御信号Tsftに基づいて動作する。すなわち制御信号Tsftは、シフトレジスタ94のシフトクロックであると言い換えても良い。シリアル/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出素子N素子分の駆動データに相当する)のデータはId1ないしIdnのN個の並列信号としてシフトレジスタ94より出力される。
【0151】
ラインメモリ95は、画像1ライン分のデータを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置であり、制御回路93より送られる制御信号Tmryに従って適宜Id1ないしIdnの内容を記憶する。記憶した内容は、Id′1ないしId′nとして出力され変調信号発生器97に入力する。
【0152】
変調信号発生器97は、前記画像データId′1ないしId′nの各々に応じて表面伝導型電子放出素子の各々を適切に駆動変調するための信号源であり、その出力信号は端子Doy1ないしDoynを通じて表示パネル91内の表面伝導型電子放出素子に印加される。
【0153】
前述したように本発明に関わる電子放出素子は、放出電流Ieに対して以下の基本特性を有している。すなわち前述したように電子放出には明確なしきい値電圧Vthがあり、Vth以上の電圧を印加された時のみ電子放出が生じる。また電子放出しきい値以上の電圧に対しては素子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化していく。なお、電子放出素子の材料や構成、製造方法を変えることにより電子放出しきい値電圧Vthの値や印加電圧に対する放出電流の変化の度合いが変わる場合もあるが、いずれにしても以下のようなことがいえる。
【0154】
すなわち、本素子にパルス状の電圧を印加する場合、例えば電子放出しきい値以下の電圧を印加しても電子放出は生じないが、電子放出しきい値以上の電圧を印加する場合には電子ビームが出力される。その際、第一にはパルスの波高値Vmを変化させることにより出力電子ビームの強度を制御することが可能であり、第二には、パルスの幅Pwを変化させることにより出力される電子ビームの電荷の総量を制御することが可能である。
【0155】
従って、入力信号に応じて電子放出素子を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調方式等があげられ、電圧変調方式を実施するには、変調信号発生器97として、一定の長さの電圧パルスを発生するが、入力されるデータに応じて適宜パルスの波高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いる。またパルス幅変調方式を実施するには、変調信号発生器97としては、一定の波高値の電圧パルスを発生するが、入力されるデータに応じて適宜電圧パルスの幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いる。
【0156】
シフトレジスタ94やラインメモリ95は、デジタル信号式のものであってもアナログ信号式のものであっても差し支えなく、画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶が所定の速度で行われればよい。
【0157】
デジタル信号式のものを用いる場合には、同期信号分離回路96の出力信号DATAをデジタル信号化する必要があるが、これは同期信号分離回路96の出力部にA/D変換器を備えれば可能である。また、これと関連してラインメモリ95の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かにより、変調信号発生器97に用いられる回路が若干異なったものとなる。
【0158】
まずデジタル信号の場合について述べる。電圧変調方式において、変調信号発生器97には、例えばよく知られるD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回路などを付け加えればよい。またパルス幅変調方式の場合、変調信号発生器97は、例えば高速の発振器、発振器が出力する波数を計数する計数器(カウンタ)、及び計数器の出力値とラインメモリ95の出力値を比較する比較器(コンパレータ)を組み合せた回路を用いることにより構成できる。必要に応じて比較器の出力するパルス幅変調された変調信号を表面伝導型電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付け加えてもよい。
【0159】
次にアナログ信号の場合について述べる。電圧変調方式においては変調信号発生器97には、例えばよく知られるオペアンプなどを用いた増幅回路を用いればよく、必要に応じてレベルシフト回路などを付け加えてもよい。またパルス幅変調方式の場合には例えばよく知られた電圧制御型発振回路(VCO)を用いればよく、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付け加えてもよい。
【0160】
以上のような構成を有する画像表示装置において、表示パネル91の各電子放出素子には、容器外端子Dox1ないしDoxm、Doy1ないしDoynを通じ、電圧を印加することにより、電子放出させるとともに、高圧端子Hvを通じ、メタルバック75あるいは透明電極(不図示)に高圧を印加して電子ビームを加速し、蛍光膜74に衝突させ、励起・発光させることで画像を表示することができる。
【0161】
ここで述べた構成は、表示等に用いられる好適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成であり、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述内容に限られるものではなく、画像形成装置の用途に適するよう適宜選択する。また、入力信号例として、NTSC方式をあげたが、これに限るものでなく、PAL、SECAM方式などの諸方式でもよく、また、これよりも、多数の走査線からなるTV信号(例えば、MUSE方式をはじめとする高品位TV)方式でもよい。
【0162】
次に、梯子型配置電子源基板および画像表示装置について説明する。図20は、電子放出素子を梯子型に配置した電子源基板の構成例を示す模式図で、図中、100は電子源基板、14は基板、63は電子放出素子、98は電子放出素子63に接続したDx1〜Dx10よりなる共通配線である。電子放出素子63は、基板14上にX方向に並列に複数個配置されている(この配列を素子行と呼ぶ)。
【0163】
この素子行が複数個基板上に配置され、電子源基板100が構成されている。
各素子行の共通配線間に駆動電圧を印加することで、各素子行を独立に駆動させることができる。すなわち、電子ビームを放出させたい素子行には、電子放出しきい値以上の電圧を印加し、電子ビームを放出させない素子行には電子放出しきい値以下の電圧を印加すればよい。また、各素子行間の共通配線Dx2〜Dx9、例えばDx2、Dx3を同一配線とするようにしても良い。
【0164】
図21は、図20に示すごとくの梯子型配置電子源基板を備えた画像表示装置におけるパネル構造を説明するための図で、図中、100は各素子行間の共通配線を同一配線とした電子源基板、101はグリッド電極、102は電子が通過するための開口、103はDox1、Dox2・・・Doxmよりなる容器外端子、104はグリッド電極101と接続されたG1、G2、・・・Gnからなる容器外端子で、その他、図16または図18と同様の機能を有する部分には、同一符号を付してある。
【0165】
図21に示す画像表示装置における前述の単純マトリックス配置の画像表示装置(図17)との違いは、電子源基板100とフェースプレート76の間にグリッド電極101を備えていることである。グリッド電極101は、表面伝導型放出素子から放出された電子ビームを変調するためのものであり、梯子型配置の素子行と直交して設けられたストライプ状の電極に電子ビームを通過させるため、各素子に対応して1個ずつ円形の開口102が設けられている。
【0166】
なおグリッドの形状や設置位置は図20に示したものに限定されるものではない。例えば、開口としてメッシュ状に多数の通過口を設けることもでき、グリッドを表面伝導型放出素子の周囲や近傍に設けることもできる。また、容器外端子103及びグリッド容器外端子104は、不図示の制御回路と電気的に接続されている。
【0167】
本画像形成装置では、素子行を1列ずつ順次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極列に画像1ライン分の変調信号を同時に印加する。これにより、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像を1ラインずつ表示することができる。これによればテレビジョン放送の表示装置、テレビ会議システム、コンピュータ等の表示装置の他、感光性ドラム等で用いて構成された光プリンターとしての画像形成装置としても用いることもできる。
【0168】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、基板上の複数の各素子電極間に導電性薄膜を形成するための金属微粒子材料を含有する溶液を噴射ヘッドにより噴射付与し、前記導電性薄膜による表面伝導型電子放出素子群を形成する電子源基板製造装置において、前記表面伝導型電子放出素子の電子放出部が前記溶液のドットパターンによって形成され、前記素子電極が矩形パターンまたは矩形パターンの組み合わせによって構成されるとともに、前記矩形パターンのコーナー部を前記ドットパターンによって被覆するように打ち込むので、異常放電の起きない高品質かつ信頼性の高い電子放出素子を有する電子源基板を製造できる電子源基板製造装置を提供することができる。
【0169】
請求項2に記載の発明によれば、基板上の複数の各素子電極間に導電性薄膜を形成するための金属微粒子材料を含有する溶液を噴射ヘッドにより噴射付与し、導電性薄膜による表面伝導型電子放出素子群を形成する電子源基板製造装置によって製作される電子源基板において、前記導電性薄膜が前記溶液付与後に溶媒成分を揮発させてなる前記溶液のドットパターンによって形成される薄膜であり、前記素子電極が矩形パターンまたは矩形パターンの組み合わせによって構成されるとともに、前記矩形パターンのコーナー部を前記ドットパターンによって被覆するので、異常放電の起きない高品質かつ信頼性の高い電子放出素子を有する電子源基板が得られる。
【0170】
請求項3に記載の発明によれば、前記複数の素子電極の互いに対向する側のコーナー部を前記ドットパターンによって被覆したので、異常放電の起きない高品質かつ信頼性の高い電子放出素子を有する電子源基板が得られる。
【0171】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2または3に記載の電子源基板と、該電子源基板に対向して配置され、蛍光体を搭載し、前記電子源基板とほぼ同じ形状、大きさのフェースプレートとを有するので、異常放電の起きない高品質かつ信頼性の高い電子放出素子を有する電子源基板を使用することにより、高画質で耐久性の高い画像表示装置を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る平面型表面伝導型電子放出素子の構成を示す模式図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線断面図である。
【図2】図1に示す表面伝導型電子放出素子の製造方法を説明するための模式図であり、(A)は基板に素子電極を形成した図、(B)は素子電極に導電性薄膜を形成した図、(C)は導電性薄膜に電子放出部を形成した図である。
【図3】本発明に係る電子源基板の製造装置の一例を示す構成図である。
【図4】本発明を適用し得る液滴付与装置の構成の一例を説明するための図である。
【図5】(A)および(B)は、図4の液滴付与装置の吐出ヘッドユニットの要部概略構成図である。
【図6】(A)〜(C)は、本発明に係る表面伝導型電子放出素子の製造装置に使用される噴射ヘッドの1例を示す図である。
【図7】(A)〜(D)は、液滴のドットを配列して電子放出素子パターンを形成する場合の接続方法を説明するための図である。
【図8】基板上に形成されている2つのITO透明電極パターンを説明するための図である。
【図9】液滴のドットを配列して電子放出素子パターンを形成する具体例を説明するための図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る平面型表面伝導型電子放出素子の構成を断面図で示したものである。
【図11】(A)および(B)は、電子放出部および電極素子部における電子放出素子パターンの膜厚を変える事を説明するための断面図である。
【図12】(A)および(B)は、本発明による表面伝導型電子放出素子の製造に採用できる通電フォーミング処理における電圧波形の例を示す図である。
【図13】電界集中が発生する部分を説明するための図である。
【図14】本発明を適用し電界集中をなくした例である。
【図15】本発明を適用し電界集中をなくした他の例である。
【図16】本発明を適用し得るマトリックス配置型電子源基板の一例を示す模式図である。
【図17】本発明を適用し得るマトリックス配置型電子源基板による画像形成装置の表示パネルの基本構成の一例を説明するための図である。
【図18】本発明を適用し得る画像形成装置に用いられる蛍光膜の構成例を示す模式図であり、(A)は、ブラックストライプタイプの蛍光膜、(B)は、ブラックマトリックスタイプの蛍光膜である。
【図19】画像形成装置にNTSC方式のテレビ信号に応じて表示を行うための駆動回路の一例を示すブロック図である。
【図20】本発明を適用し得る梯子型配置型電子源基板の一例を示す模式図である。
【図21】本発明を適用し得る梯子型配置型電子源基板による画像形成装置の表示パネル基本構成の一例を説明するための図である。
【図22】従来の電子放出素子の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2,3 素子電極
4 導電性薄膜
5 電子放出部
10 電子源基板
11 吐出ヘッドユニット(噴射ヘッド)
12 キャリッジ
13 基板保持台
14 基板
15 供給チューブ
16 信号供給ケーブル
17 噴射ヘッドコントロールボックス
18 キャリッジ12のX方向スキャンモータ
19 キャリッジ12のY方向スキャンモータ
20 コンピュータ
21 コントロールボックス
22X1、22Y1、22X2、22Y2 基板位置決め/保持手段
30 吐出ヘッドユニット
31 ヘッドアライメント制御機構
32 検出光学系
33 インクジェットヘッド
34 ヘッドアライメント微動機構
35 制御コンピュータ
36 画像識別機構
37 XY方向走査機構
38 位置検出機構
39 位置補正制御機構
40 インクジェットヘッド駆動・制御機構
41 光軸
42 液滴
43 液滴着弾位置
44 ドット
50 噴射ヘッド(インクジェットヘッド)
51 発熱体基板
52 蓋基板
53 発熱体基板51の作成に用いるシリコン基板
54 個別電極
55 共通電極
56 発熱体
57 溶液流入口
58 ノズル
59 溝部
60 凹部領域
61 X方向配線
62 Y方向配線
63 表面伝導型電子放出素子
64 結線
71 電子源基板10を固定したリアプレート
72 支持枠
73 ガラス基板
74 蛍光膜
75 メタルバック
76 フェースプレート
78 外囲器
81 黒色導電材
82 蛍光体
91 画像の表示パネル
92 走査回路
93 制御回路
94 シフトレジスタ
95 ラインメモリ
96 同期信号分離回路
97 変調信号発生器
98 電子放出素子63に接続したDx1〜Dx10よりなる共通配線
100 各素子行間の共通配線を同一配線とした電子源基板
101 グリッド電極
102 電子が通過するための開口
103 Dox1,Dox2・・・Doxmよりなる容器外端子
104 グリッド電極101と接続されたG1,G2・・・Gnからなる容器外端子
Vx,Va 直流電圧源

Claims (4)

  1. 基板上の複数の各素子電極間に導電性薄膜を形成するための金属微粒子材料を含有する溶液を噴射ヘッドにより噴射付与し、前記導電性薄膜による表面伝導型電子放出素子群を形成する電子源基板製造装置において、
    前記表面伝導型電子放出素子の電子放出部が前記溶液のドットパターンによって形成され、
    前記素子電極が矩形パターンまたは矩形パターンの組み合わせによって構成されるとともに、前記矩形パターンのコーナー部を前記ドットパターンによって被覆するように打ち込むことを特徴とする電子源基板製造装置。
  2. 基板上の複数の各素子電極間に導電性薄膜を形成するための金属微粒子材料を含有する溶液を噴射ヘッドにより噴射付与し、導電性薄膜による表面伝導型電子放出素子群を形成する電子源基板製造装置によって製作される電子源基板において、
    前記導電性薄膜が前記溶液付与後に溶媒成分を揮発させてなる前記溶液のドットパターンによって形成され、
    前記素子電極が矩形パターンまたは矩形パターンの組み合わせによって構成されるとともに、前記矩形パターンのコーナー部を前記ドットパターンによって被覆したことを特徴とする電子源基板。
  3. 前記複数の素子電極の互いに対向する側のコーナー部を前記ドットパターンによって被覆したことを特徴とする請求項2に記載の電子源基板。
  4. 請求項2または3に記載の電子源基板と、該電子源基板に対向して配置され、蛍光体を搭載し、前記電子源基板とほぼ同じ形状、大きさのフェースプレートとを有することを特徴とする画像表示装置。
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