JP2001307621A - 電子源基板の製造方法、該方法により製造された電子源基板及び該基板を用いた画像表示装置 - Google Patents

電子源基板の製造方法、該方法により製造された電子源基板及び該基板を用いた画像表示装置

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JP2001307621A
JP2001307621A JP2000124513A JP2000124513A JP2001307621A JP 2001307621 A JP2001307621 A JP 2001307621A JP 2000124513 A JP2000124513 A JP 2000124513A JP 2000124513 A JP2000124513 A JP 2000124513A JP 2001307621 A JP2001307621 A JP 2001307621A
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Takuro Sekiya
卓朗 関谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度かつ高品位な電子放出素子を形成して
電子源基板を得る。またその電子源基板により高品質の
画像表示装置を得る。 【解決手段】 基板上に複数対の素子電極を配置し、各
素子電極間に導電性薄膜材料を含有した溶液を噴射ヘッ
ドから噴射して表面伝導型電子放出素子群を形成する。
この表面伝導型素子群の1素子は、複数個の液滴を噴射
させた図示するごとくのドットイメージにより形成す
る。ドットイメージは、液滴噴射ヘッドと基板とが互い
に直交する2方向に相対移動を行いながら液滴を噴射す
ることにより形成する。このときに、噴射ヘッドのマル
チノズルのノズル配列方向の長さを素子電極間距離と同
等またはそれより大として、一回の主走査で素子電極間
の液滴付与を行うことができるようにするとともに、素
子群の隣接ピッチ単位で副走査を行うことにより、効率
的かつ高精度で電子放出素子を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面伝導型電子放
出素子を用いた電子源基板の製造方法、該方法により作
成された電子源基板、及び該電子源基板を用いた画像表
示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子として熱電子源と冷
陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子源には
電界放出型(以下、FE型という)、金属/絶縁層/金
属型(以下、MIM型という)や表面伝導型電子放出素
子等がある。FE型の例としては「W.P.Dyke
& W.W.Dolan,“Field emissi
on”,Advance in Electron P
hysics、8 89(1956)」あるいは「C.
A.Spindt,“Physical Proper
ties of thin−film fieldem
ission cathodes with moly
bdenium”J.Appl.Phys.,4752
48(1976)」等が知られている。MIM型の例と
しては「C.A.Mead,“The Tunnel−
emission amplifier”,J.App
l.Phys.,32 646(1961)」等が知ら
れている。
【0003】表面伝導型電子放出素子型の例としては、
「M.I.Elinson,Radio Eng.El
ectron Phys.,1290(1965)」等
がある。表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成され
た小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことによ
り、電子放出が生ずる現象を利用するものである。この
表面伝導型電子放出素子としては、前記Elinson
等によるSnO2薄膜を用いたもの、Au薄膜によるも
の(「G.Dittmer:“Thin SolidF
ilms”、9 317(1972)」),In23
SnO2薄膜によるもの(「M.Hartwell a
nd C.G.Fonstad:“IEEETran
s.ED Conf.”,519(1975)」),カ
ーボン薄膜によるもの(「荒木久他:真空,第26巻,
第1号,22頁(1983)」)等が報告されている。
【0004】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な素子構成として、前述のM.Hartwellの素子
構成を図18に示す。図18において、1は基板、2,
3は素子電極、4は導電性薄膜で、該導電性薄膜4はH
型形状のパターンに、スパッタで形成された金属酸化物
薄膜等からなり、後述の通電フォーミングと呼ばれる通
電処理により電子放出部5が形成される。なお、図中の
素子電極2,3間の間隔L1は、0.5〜1mm、W1
は、0.1mmで設定されている。
【0005】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に導電性薄膜4に対して予
め通電フォーミングと呼ばれる通電処理を施すことによ
って電子放出部5を形成するのが一般的である。通電フ
ォーミングとは導電性薄膜4の両端に直流電圧あるいは
非常にゆっくりとした昇電圧例えば1V/分程度を印加
通電し、導電性薄膜4を局所的に破壊、変形もしくは変
質せしめ、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部5を
形成することである。尚、電子放出部5では導電性薄膜
4の一部に亀裂が発生し、その亀裂付近から電子放出が
行われる。前記通電フォーミング処理をした表面伝導型
電子放出素子は、導電性薄膜4に電圧を印加し、素子に
電流を流すことにより電子放出部5より電子を放出せし
めるものである。
【0006】上述したような表面伝導型放出素子は、構
造が単純で製造も容易であることから、大面積にわたっ
て多数の素子を配列形成できる利点がある。そこで、こ
の特徴を活かした荷電ビーム源、表示装置等の応用研究
がなされている。多数の表面伝導型電子放出素子を配列
形成した例としては、後述するように、梯型配置と呼ぶ
並列に表面伝導型電子放出素子を配列し、個々の素子の
両端を配線(共通配線とも呼ぶ)で、それぞれ結線した
行を多数行配列した電子源があげられる(例えば、特開
昭64−31332号公報、特開平1−283749号
公報、特開平2−257552号公報等)。
【0007】また、特に、表示装置等の画像形成装置に
おいては、近年、液晶を用いた平板型表示装置がCRT
に替わって普及してきたが、自発光型でないためバック
ライトを持たなければならない等の問題点があり、自発
光型の表示装置の開発が望まれてきた。自発光型表示装
置としては、表面伝導型放出素子を多数配置した電子源
と、電子源より放出された電子によって可視光を発光せ
しめる蛍光体とを組み合わせた表示装置である画像形成
装置があげられる(例えば、米国特許第5066883
号)。
【0008】しかしながら、表面伝導型電子放出素子の
上記従来例による製造方法は、真空成膜と半導体プロセ
スにおけるフォトリソグラフィ・エッチング法を多用す
るものであり、大面積にわたって素子を形成するには、
工程数も多く、電子源基板の生産コストが高いといった
欠点がある。
【0009】上述のような課題に対して、本発明者は、
上述のごとき表面伝導型電子放出素子の素子部の導電性
薄膜を形成するにあたり、米国特許第3060429
号,第3298030号,第3596275号,第34
16153号,第3747120号,第5729257
号等として知られるようなインクジェット液滴付与手段
によって、真空成膜法とフォトリソグラフィ・エッチン
グ法によらずに、安定的に歩留まり良くかつ低コストで
上記の導電性薄膜を形成することができるのではないか
と考えた。
【0010】しかしながら、いわゆるインクを紙に向け
て飛翔,記録を行うインクジェット記録と違い、導電性
薄膜となる元素あるいは化合物を含有する溶液を安定的
に飛翔させ、基板上に付与するにはまだまだ未解決の要
素が多々存在する。とりわけ、このような電子源基板に
高精度なパターンの表面伝導型放出素子群は形成するに
は大きな工夫が必要とされる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】(発明の目的)本発明
は、上述のごとき表面伝導型電子放出素子を用いた画像
表示装置の電子源基板ならびにそれを用いた画像表示装
置に関するものであり、請求項1の発明の目的は、高精
度かつ高品位な電子放出素子を有する電子源基板の製造
方法を提供することにある。請求項2ないし5の発明の
目的は、より効率よく高精度な電子放出素子を実現する
ための具体的な条件を提供することにある。請求項6の
発明の目的は、高精度な電子放出素子を有する電子源基
板を提供することにある。請求項7の発明の目的は、高
精度かつ高品位な電子放出素子を有する電子源基板を用
いた画像表示装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、基板
上に複数対の素子電極を配置し、各対の素子電極間に導
電性薄膜の材料を含有した溶液の液滴を噴射して前記導
電性薄膜による表面伝導型電子放出素子群を形成した電
子源基板の製造方法において、前記表面伝導型電子放出
素子群の1素子は、複数個の前記液滴を基板上に付着さ
せたドットイメージにより形成されることを特徴とした
ものである。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記複数個の液滴は、マルチノズル型の液滴噴射ヘ
ッドから噴射することを特徴としたものである。
【0014】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、前記液滴噴射ヘッドにおけるマルチノズルのノズル
列の長さが前記1対の素子電極間の距離と同等または該
距離より大となるように、前記ノズルの数及び該ノズル
の配列密度を決定することを特徴としたものである。
【0015】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、キャリッジに搭載した前記液滴噴射ヘッドを前記基
板に対して互いに直交する2方向に相対移動させながら
前記液滴を噴射することにより前記表面伝導型電子放出
素子群を形成し、かつ前記マルチノズルのノズル配列方
向に垂直な方向を主走査方向とし、該主走査方向に垂直
な方向を副走査方向とするとき、該副走査方向への前記
相対移動は、前記表面伝導型電子放出素子群の隣接ピッ
チ単位で行うことを特徴としたものである。
【0016】請求項5の発明は、請求項1ないし4のい
ずれか1の発明において、前記液滴の噴射速度は、3〜
10m/sであることを特徴としたものである。
【0017】請求項6の発明は、請求項1ないし5のい
ずれか1に記載の電子源基板の製造方法にて製造したこ
とを特徴としたものである。
【0018】請求項7の発明は、請求項6に記載の電子
源基板と、該電子源基板に対向して配置され、蛍光体を
搭載したフェースプレートとを有することを特徴とした
ものである。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態に係
る平面型表面伝導型電子放出素子を構成した電子源基板
の一例を示す模式図で、図1(A)はその平面図、図1
(B)は図(A)のB−B線断面図で、図中、1は基
板、2,3は素子電極、4は導電性薄膜、5は電子放出
部である。本発明の表面伝導型電子放出素子の基本的な
構成は平面型であり、ここでは簡略化して、1つの平面
型表面伝導型電子放出素子の構成を模式的に示している
が、実際には、後述するように、このような平面型表面
伝導型電子放出素子がマトリックス配置された素子群と
して構成される。
【0020】基板1としては、石英ガラス,Na等の不
純物含有量を低減させたガラス,青板ガラス,SiO2
を表面に堆積させたガラス基板およびアルミナ等のセラ
ミックス基板等を用いることができる。素子電極2,3
の材料としては、一般的な導電材料を用いることがで
き、例えば、Ni,Cr,Au,Mo,W,Pt,T
i,Al,Cu,Pd等の金属あるいは合金,Pd,A
s,Ag,Au,RuO2,Pd−Ag等の金属あるい
は金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、In
23−SnO2等の透明導電体、ポリシリコン等の半導
体材料等から適宜選択される。
【0021】素子電極2,3間の間隔Lは、好ましくは
数千Åないし数百μmの範囲であり、より好ましくは素
子電極2,3間に印加する電圧等を考慮して1μmない
し200μmの範囲である。素子電極2,3の長さW
は、電極の抵抗値および電子放出特性を考慮して、数μ
mないし数百μmであり、また、素子電極2,3の膜厚
dは、100Åないし1μmの範囲である。尚、本発明
は図1に示した構成に限らず、基板1上に導電性薄膜
4、素子電極2,3の電極を順に形成させた構成にして
もよい。
【0022】図2は、図1に示した平面型表面伝導型電
子放出素子の製造方法を説明するための図で、図2
(A)は基板1に素子電極2,3を形成した図、図2
(B)は素子電極2,3に導電性薄膜4を形成した図、
図2(C)は該導電性薄膜4に電子放出部5を形成した
図を示す。導電性薄膜4としては、良好な電子放出特性
を得るために、微粒子で構成された微粒子膜が特に好ま
しく、その膜厚は素子電極2,3へのステップカバレー
ジ、素子電極2,3間の抵抗値および後述する通電フォ
ーミング条件等によって適宜設定されるが、好ましく
は、数Åないし数千Åで、特に好ましくは、10Åない
し500Åである。またその抵抗値は、Rsが10の2
乗ないし10の7乗Ωの値である。なお、Rsは厚さが
t、幅がwで長さが1の薄膜の抵抗Rを、R=Rs(1
/w)とおいたときに現われる値で、薄膜材料の抵抗率
をρとするとRs=ρ/tで表される。ここでは、フォ
ーミング処理について通電処理を例に挙げて説明する
が、フォーミング処理はこれに限られるものではなく、
膜に亀裂を生じさせて高抵抗状態を形成する方法であれ
ばいかなる方法を用いても良い。
【0023】導電性薄膜4を構成する材料としては、P
d,Pt,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,C
r,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金属,Pd
O,SnO2,In23,PbO,Sb23等の酸化
物、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB6,YB4,G
dB4等の硼化物,TiC,ZrC,HfC,TaC,
SiC,WC等の炭化物,TiN,ZrN,HfN等の
窒化物,Si,Ge等の半導体,カーボン等の中から適
宜選択される。
【0024】ここで述べる微粒子膜とは複数の微粒子が
集合した膜であり、その微細構造として、微粒子が個々
に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに隣接、
あるいは重なり合った状態(いくつかの微粒子が集合
し、全体として島状を形成している場合も含む)をとっ
ている。微粒子の粒径は、数Åないし1μmであり、好
ましくは10Åないし200Åである。
【0025】以下、本発明の一実施形態に係る表面伝導
型電子放出素子を形成した電子源基板の製造装置につい
て述べる。図3は、本発明に係る電子源基板の製造装置
の一例を示すための図で、図中、11は吐出ヘッドユニ
ット(噴射ヘッド)、12はキャリッジ、13は基板保
持台、14は平面型表面伝導型電子放出素子群を形成す
る基板、15は導電性薄膜の材料を含有する溶液の供給
チューブ、16は信号供給ケーブル、17は噴射ヘッド
コントロールボックス、18はキャリッジ12のX方向
スキャンモータ、19はキャリッジ12のY方向スキャ
ンモータ、20はコンピュータ、21はコントロールボ
ックス、22(22X1,22Y1,22X2,22Y2)は、
基板位置決め/保持手段である。
【0026】図3に示す構成は、基板保持台13に置か
れた基板14の前面を噴射ヘッド11がキャリッジ走査
により移動し、導電性薄膜材料を含有する溶液を噴射付
与する例を示すものである。噴射ヘッド11は、任意の
液滴を定量吐出できるものであれば如何なる機構でも良
く、特に数10ng程度の液滴を形成できるインクジェ
ット方式の機構が望ましい。インクジェット方式として
は、圧電素子を用いたピエゾジェット方式、ヒータの熱
エネルギを利用して気泡を発生させるバブルジェット
(登録商標)方式、あるいは荷電制御方式(連続流方
式)等いずれのものでも構わない。
【0027】図4は、本発明の電子源基板の製造方法を
適用しうる液滴付与装置の構成の一例を説明するための
概略図で、図5は、図4の液滴付与装置の吐出ヘッドユ
ニットの要部概略構成図である。図4の構成は、図3の
構成と異なり、基板14側を移動させて電子放出素子群
を基板に形成するものである。図4及び図5において、
2,3は素子電極、14は基板、30は吐出ヘッドユニ
ット、31はヘッドアライメント制御機構、32は検出
光学系、33はインクジェットヘッド、34はヘッドア
ライメント微動機構、35は制御コンピュータ、36は
画像識別機構、37はXY方向走査機構、38は位置検
出機構、39は位置補正制御機構、40はインクジェッ
トヘッド駆動・制御機構、41は光軸、42は液滴、4
3は液滴着弾位置である。
【0028】吐出ヘッドユニット30の液滴付与装置
(インクジェットヘッド33)としては、図3の場合と
同様に、インクジェット方式の機構が望ましく、圧電素
子を用いたピエゾジェット方式、ヒータの熱エネルギを
利用して気泡を発生させるバブルジェット方式、あるい
は荷電制御方式(連続流方式)等いずれのものでも構わ
ない。
【0029】以下に上記のごとくの基板14側を移動さ
せる装置の構成を説明する。まず図4において、XY方
向走査機構37の上に基板14が載置してある。基板1
4上の表面伝導型電子放出素子は図1のものと同じ構成
であり、単素子としては図1に示したものと同様、基板
1、素子電極2,3及び導電性薄膜(微粒子膜)4より
なっている。この基板14の上方に液滴を付与する吐出
ヘッドユニット30が位置している。本実施例では、吐
出ヘッドユニット30は固定で、基板14がXY方向走
査機構37により任意の位置に移動することで吐出ヘッ
ドユニット30と基板14との相対移動が実現される。
【0030】次に図5により吐出ヘッドユニット30の
構成を説明する。検出光学系32は、電子源基板14上
の画像情報を取り込むもので、液滴42を吐出させるイ
ンクジェットヘッド33に近接し、検出光学系32の光
軸41および焦点位置と、インクジェットヘッド33に
よる液滴42の着弾位置43とが一致するよう配置され
ている。この場合、検出光学系32とインクジェットヘ
ッド33との位置関係はヘッドアライメント微動機構3
4とヘッドアライメント制御機構31により精密に調整
できるようになっている。また、検出光学系32には、
CCDカメラとレンズとを用いている。
【0031】再度図4に戻って説明する。画像識別機構
36は、先の検出光学系32で取り込まれた画像情報を
識別するもので、画像のコントラストを2値化し、2値
化した特定コントラスト部分の重心位置を算出する機能
を有したものである。具体的には(株)キーエンス製の
高精度画像認識装置;VX−4210を用いることがで
きる。これによって得られた画像情報に基板14上にお
ける位置情報を与える手段が位置検出機構38である。
これには、XY方向走査機構37に設けられたリニアエ
ンコーダ等の測長器を利用することができる。また、こ
れらの画像情報と基板14上での位置情報をもとに、位
置補正を行なうのが位置補正制御機構39であり、この
機構によりXY方向走査機構37の動きに補正が加えら
れる。また、インクジェットヘッド駆動・制御機構40
によってインクジェットヘッド33が駆動され、液滴が
基板14上に塗布される。これまで述べた各制御機構
は、制御コンピュータ35により集中制御される。
【0032】なお、以上の説明は、吐出ヘッドユニット
30は固定で、基板14がXY方向走査機構37により
任意の位置に移動することで吐出ヘッドユニット30と
基板14との相対移動を実現しているが、図3に示すよ
うに、基板14を固定とし、吐出ヘッドユニット30が
XY方向に走査するような構成としてもよいことはいう
までもない。特に200mm×200mm程度の中画面
〜2000mm×2000mmあるいはそれ以上の大画
面の画像形成装置の製作に適用する場合には、後者のよ
うに基板14を固定とし、吐出ヘッドユニット30が直
交するX、Yの2方向に走査するようにし、溶液の液滴
の付与をこのような直交する2方向に順次行うようにす
る構成としたほうがよい。
【0033】基板サイズが200mm×200mm程度
以下の場合には、液滴付与のための吐出ヘッドユニット
を200mmの範囲をカバーできるラージアレイマルチ
ノズルタイプとし、吐出ヘッドユニットと基板の相対移
動を直交する2方向(X方向,Y方向)に行うことな
く、1方向のみ(例えばX方向のみ)に相対移動させる
ことも可能であり、また量産性も高くすることができる
が、基板サイズが200mm×200mm以上の場合に
は、そのような200mmの範囲をカバーできるラージ
アレイマルチノズルタイプの吐出ヘッドユニットを製作
することは技術的/コスト的に実現困難であり、本発明
のように吐出ヘッドユニット30が直交するX,Yの2
方向に走査するようにし、溶液の液滴の付与をこのよう
な直交する2方向に順次行うようにする構成としたほう
がよい。
【0034】液滴42の材料には、先に述べた導電性薄
膜となる元素あるいは化合物を含有する水溶液、有機溶
剤等を用いることができる。例えば、導電性薄膜となる
元素あるいは化合物がパラジウム系の例を以下に示す
と、酢酸パラジウム−エタノールアミン錯体(PA−M
E),酢酸パラジウム−ジエタノール錯体(PA−D
E),酢酸パラジウム−トリエタノールアミン錯体(P
A−TE),酢酸パラジウム−ブチルエタノールアミン
錯体(PA−BE),酢酸パラジウム−ジメチルエタノ
ールアミン錯体(PA−DME)等のエタノールアミン
系錯体を含んだ水溶液,また、パラジウム−グリシン錯
体(Pd−Gly),パラジウム−β−アラニン錯体
(Pd−β−Ala),パラジウム−DL−アラニン錯
体(pd−DL−Ala)等のアミン酸系錯体を含んだ
水溶液、さらには酢酸パラジウム・ビス・ジ・プロピル
アミン錯体の酢酸ブチル溶液等が挙げられる。
【0035】こうした液滴42を吐出ヘッドユニット3
0のインクジェットヘッド33により所望の素子電極部
に付与する際には、付与すべき位置を検出光学系32と
画像識別機構36とで計測し、その計測データ、インク
ジェットヘッド33の吐出口面と基板14の距離、両者
の相対移動速度に基づいて補正座標を生成し、この補正
座標通りに基板14とインクジェットヘッド33とを相
対移動せしめながら液滴を付与する。検出光学系32と
しては、CCDカメラ等とレンズを組み合わせたものを
用い、画像識別機構36としては、市販のもので画像を
2値化しその重心位置を求めるもの等を用いることがで
きる。
【0036】以上の説明より明らかなように本発明の電
子源基板は、導電性薄膜となる元素あるいは化合物を含
有する溶液をインクジェットの原理で空中を飛翔させ、
基板上に液滴として付与して製作されるものであるが、
高精度な表面伝導型電子放出素子を形成するためには、
液滴を基板上に付着させたドットイメージにより電子放
出素子を形成する場合の電子放出素子パターンの精度が
重要であり、このパターン精度を上げるためにはまだ解
決しなければならない点がいくつかある。それらのうち
の1つとしてあげられるのが、パターンのなめらかさで
ある。
【0037】前述の図5(B)では、素子電極2,3の
間に液滴42を1滴付着させるようなイメージを示し、
電子放出部も丸いイメージで示した(すなわち液滴着弾
位置43として丸いイメージを示した。)。つまりそれ
ほど精度を要求しないような電子放出素子を形成するの
であれば、素子電極2,3の間に大きな1滴の液滴によ
り大きな1つのドットでこの電子放出部を形成すればよ
い。たとえば、素子電極2,3の距離が5〜10mmで
あり、1滴によるドット径もφ8〜15mm程度の場合
には、1滴の液滴を付着させて電子放出部を形成すれば
よい。この場合、それほど高精度の電子放出素子は望め
ないが、単に電子放出ができればよいという程度のもの
であればこの方が効率よく電子放出素子を形成できる。
【0038】しかしながら本発明では、電子放出部は複
数滴によって形成する。つまり本発明は、高精度かつ高
密度に配列された電子放出素子群を形成するための発明
であり、例えば図6に示すように、1つの液滴によるド
ット1つで電子放出部を形成するという精度の粗いもの
ではない。
【0039】図7は、本発明により形成する電子放出素
子のドットパターンの例を示す図で、図中、44は噴射
した液滴によるドットである。1つの好適な例をあげる
と、前述の素子電極2,3の距離が140μmで、1滴
だけ単独に付着させた場合のドット径は約φ180μm
とする。この場合本発明では、図7に示すように4滴の
液滴をこの素子電極2,3の140μm間を埋めるパタ
ーンを形成するように打ち込むようにしている。なお図
7では、各ドットの重なり具合を示すために、各ドット
は輪郭線で示している。つまり、大きな1滴だけによっ
てこの素子電極2,3の140μm間を埋める(図6)
というラフな方法ではなく、小さな複数滴(この場合4
滴)の液滴により高精度なパターンを形成し、高精度な
電子放出素子を形成する(図7)。この例の場合のよう
に4滴のドット44のパターンを重ねて付着させた場合
の1つのドット径は約φ45μmである。
【0040】なおこのような液滴およびドットを形成す
るための具体的な条件を以下に示す。使用した溶液は、
酢酸パラジウム−トリエタノールアミン水溶液であり、
以下のようにして製造した。すなわち50gの酢酸パラ
ジウムを1000ccのイソプロピルアルコールに懸濁
させ、さらに203.5gのトリエタノールアミンを加
え35℃で12時間攪拌した。反応終了後、イソプロピ
ルアルコールを蒸発により除去し、固形物にエチルアル
コールを加えて溶解、濾過し、濾液から酢酸パラジウム
−トリエタノールアミンを再結晶させて得た。このよう
にして得た酢酸パラジウム−トリエタノールアミン4g
を196gの純水に溶解し、溶液とした(2.0wt
%)。
【0041】また使用した噴射ヘッドは、エッジシュー
タ型のサーマルインクジェット方式と同等の構造(ただ
しインクではなく、上記溶液を使用)とした。図7に示
したような1つのドット径が約φ45μmとなるように
した場合の噴射ヘッド(インクジェットヘッド)は、ノ
ズル径がφ25μm、発熱体サイズが25μm×90μ
m(抵抗値122Ω)で、駆動電圧を23V、パルス幅
を6μsで駆動し、1滴形成のエネルギーを約26μJ
とした。その時の液滴の噴射速度は約6.5m/sであ
った。
【0042】なお、以上の溶液および噴射の条件は、素
子電極2,3の距離が140μmであり、そこに4滴付
着させる場合の一例であり、本発明はこの条件に限定さ
れるものではない。例えば、図8に示す電子放出素子の
ドットパターンは、同様に素子電極2,3の距離が14
0μmであるが、6滴×2列=12滴の液滴によるドッ
ト44を付着させて電子放出素子を形成する場合を示す
ものである。この例ではドット44の径は約φ22μm
である。この場合、使用する噴射ヘッドは、そのノズル
径がφ14μmのものが使用され、またそれに対応して
発熱体サイズを14μm×60μm(抵抗値103Ω)
とし、駆動電圧を11V,パルス幅を4μs、1滴形成
のエネルギーを約4.7μJとして液滴を噴射させた。
このときの液滴の噴射速度は約5.8m/sであった。
【0043】また素子電極2,3の距離も上記の140
μmに限定されるものではない。より高精細な画像表示
装置を製作するには電子源基板の電子放出素子も高密度
に配列させる必要があり、例えば素子電極2,3の距離
が50μmであるような場合もある。その場合も使用す
る噴射ヘッドは、上記のようなノズル径がφ14μmの
ものが選択され、また発熱体サイズ、駆動条件等もそれ
に準じて適宜選ばれる。
【0044】つまり本発明では、素子電極2,3の距離
および要求される電子放出素子の精度に応じ、付着させ
る液滴数が、2〜30滴程度まで適宜選択され、最適な
条件で電子放出素子を形成するのであり、特別な条件に
限定されるものではない。
【0045】なお、付着させる液滴数は使用する噴射ヘ
ッドのノズル径にも依存するが、最大30滴程度にとど
めておくことが、生産性の面から望ましい(より微小な
滴をより多く付着させることも可能であるが、生産性が
低下しコスト面で不利になる)。
【0046】次に本発明の他の特徴について説明する。
前述のように本発明では、電子放出部は複数の液滴によ
って形成する。つまり本発明は、高精度、高密度となる
ように配列された電子放出素子群を形成するための発明
であり、液滴1つにより1つの電子放出素子を形成する
のではない。よって本発明によって効率的に電子源基板
を製作するためには、その電子放出素子郡を効率的に形
成する必要がある。
【0047】図9は、上記ごとくの効率的なドット形成
を行うための噴射ヘッドの一例を示す図で、図9(A)
は組み立てられた噴射ヘッドを示す図、図9(B)は図
9(A)の噴射ヘッドの分解図、図9(C)は図9
(B)に示す蓋基板を上下反転して示す図で、図中、5
0は噴射ヘッド(インクジェットヘッド)、51は発熱
体基板、52は蓋基板、53は発熱体基板51の作成に
用いるシリコン基板、54は個別電極、55は共通電
極、56は発熱体、57は溶液流入口、58はノズル、
59は溝部、60は凹部領域である。
【0048】図9では、噴射ヘッドのノズル数を4個と
した例を示している。噴射ヘッド50は、発熱体基板5
1と蓋基板52とを接合させることにより形成されてお
り、発熱体基板51は、シリコン基板53上にウエハプ
ロセスによって個別電極54と共通電極55とエネルギ
ー作用部である発熱体56とを形成することによって構
成されている。
【0049】蓋基板52には、導電性薄膜となる元素あ
るいは化合物を含有する溶液が導入される流路を形成す
るための溝部59と、流路に導入される前記溶液を収容
する共通液室(図示せず)を形成するための凹部領域6
0とが形成されており、発熱体基板51と蓋基板52と
を図9(A)に示すように接合させることにより、前記
の流路及び共通液室が形成される。なお、発熱体基板5
1と蓋基板52とを接合させた状態においては、前記流
路の底面部に発熱体56が位置し、流路の端部にはこれ
らの流路に導入された溶液の一部を液滴として吐出させ
るためのノズル58が形成されている。また、前記蓋基
板52には、供給手段(図示せず)によって供給液室内
に溶液を供給するための溶液流入口57が形成されてい
る。
【0050】上記の例では4ノズルの噴射ヘッドを示し
ているが、本発明では、前述のように液滴1つにより1
つの電子放出素子を形成するのではなく、複数の液滴に
より1つの電子放出素子を形成する。よって、このよう
なマルチノズル型の噴射ヘッドを用いると大変効率的に
電子放出素子を形成することができる。なおこの例では
4ノズルの噴射ヘッドを示しているが、必ずしも4ノズ
ルに限定されるものではなく、ノズル数が多ければ多い
ほど電子放出素子の形成が効率的になることはいうまで
もない。ただし、単純にノズルを多くすればよいという
ことではなく、ノズルが多くなれば噴射ヘッドも高価に
なり、また噴射ノズルの目詰まりによる確率も高くなる
ので、それらも考慮し装置全体のバランス(装置コスト
と電子放出素子の製作効率のバランス)を考えてノズル
数が決められる。
【0051】またノズル数だけではなく、ノズル列配列
長さ(噴射ヘッドの有効噴射幅)についても、同様の考
えが必要である。すなわち、単純にノズル列配列長さ
(噴射ヘッドの有効噴射幅)を多くすればよいというこ
とではなく、これも装置全体のバランス(装置コストと
電子放出素子の製作効率のバランス)を考えて決められ
る。
【0052】一例をあげると、本発明では、マルチノズ
ルのノズル列配列長さ(噴射ヘッドの有効噴射幅)が素
子電極2,3間の距離と同等もしくはそれより大となる
ように、ノズルの数およびその配列密度を決めている。
ただしここで、素子電極2,3間の距離より大とすると
いうことは、無制限に大とすることではなく、素子電極
2,3間の距離より少し大とするということである。つ
まり本発明の基本的な考え方は、素子電極2,3間の距
離と同等のノズル列配列長さ(噴射ヘッドの有効噴射
幅)を確保した噴射ヘッドとすることにより、噴射ヘッ
ドのコストを最小限におさえ、かつ素子電極2,3間の
距離と同等のノズル列配列長さ(噴射ヘッドの有効噴射
幅)とすることにより、効率的に電子放出素子を製作し
ようというものである。
【0053】より具体的な数値を、上記のように4滴の
液滴で素子電極2,3の140μm間を埋めるパターン
を形成する例で説明する。この場合、本発明では、図8
に示した4ノズルのノズル列配列長さ(噴射ヘッドの有
効噴射幅、言い換えるならば、両端ノズル間距離)は、
約127μm(素子電極2,3の140μm間とほぼ同
等の長さとみなせる)とされ、各ノズル間距離は約4
2.3μmとしている。つまりこの場合、噴射ヘッド
は、いわゆるインクジェットプリンタでいうところの6
00dpi(dot per inch)相当のノズル
配列密度をもっている。
【0054】なお、以上は図8に示した4ノズルの噴射
ヘッドを例として説明したが、各ノズル間距離が約4
2.3μmの6ノズルの噴射ヘッドとすることも考えら
れる。この場合、6ノズルのノズル列配列長さ(噴射ヘ
ッドの有効噴射幅、言い換えるならば、両端ノズル間距
離)は、約212μm(素子電極2,3の140μm間
より大とみなせる)とされ、素子電極2,3間の距離
を、ノズル列配列長さが余裕をもってカバーし、効率的
に電子放出素子を製作することができる。
【0055】次に本発明のさらに別の特徴について図1
0を用いて説明する。図10は、本発明により表面伝導
型電子放出素子を形成する際の液滴噴射キャリッジの主
走査方向、副走査方向、及び噴射ヘッドのノズルの配列
方向の関係を説明するための図で、図10(A)は電子
源基板の電子放出素子の配列を示す図、図10(B)は
図10(A)に示す1対の電子放出素子の拡大図、図1
0(C)は噴射ヘッドのノズル配列を示す図で、図中、
58は噴射ヘッドのノズル、mは主走査方向、sは副走
査方向、Psは副走査方向の隣接ピッチである。
【0056】図3及び図4を参照して前述したように、
本発明では、噴射ヘッドは基板14(電子源基板10)
と相対移動を行いながら、液滴を付与して電子放出素子
群を形成する。図10は、電子源基板10に形成されて
いる素子電極2,3及びその素子電極2,3間に、縦方
向(副走査方向)に4滴の液滴を付与することによって
形成された電子放出素子群を示している。またここでは
横方向を主走査方向として定義する。
【0057】説明を簡略化するために、ここでは図3の
場合のように、基板14の前面に置かれてキャリッジ搭
載された噴射ヘッドが、主走査方向ならびに副走査方向
に基板14に対して相対移動しながら液滴を付与して電
子放出素子群を形成する例で説明する。
【0058】前述したように、図10(A)は、素子電
極2,3間に縦方向(副走査方向s)に4滴の液滴を付
与することによって形成された電子放出素子群を示して
いる。図10(B)に示す1個の電子放出素子の拡大図
の隣に対応するように、図10(C)として上記のよう
な4滴を噴射付与するのに使用する噴射ヘッドをそのノ
ズル面側から見た図を示したが、この例では、4滴の液
滴が副走査方向に並んで付与され、その付与を行う噴射
ヘッドのノズル列配列もその液滴配列と同様に副走査方
向に並んだ配置とされる。
【0059】上述したように、ノズル列の配列方向が副
走査方向sとなるようにした噴射ヘッドをキャリッジに
搭載し、主走査方向mにキャリッジ走査しつつ、液滴を
噴射付与しながら電子放出素子群を形成する際に、主走
査方向mに液滴を噴射付与しながら1列目の噴射付与が
終了した後は、図10に示した副走査方向の隣接ピッチ
Ps分キャリッジを副走査方向sに移動させて、次の列
の電子放出素子群形成を行う。
【0060】つまり本発明では、マルチノズル噴射ヘッ
ドのノズル列配列長さを素子電極間距離と同等もしくは
それより大となるようにすることにより、1回の主走査
方向へのキャリッジ走査で素子電極間への噴射を行うこ
とができるようにし、また副走査方向のキャリッジ走査
は、形成される電子放出素子群の副走査方向隣接ピッチ
Ps分ずつ行うようにする。これにより、副走査方向の
キャリッジ走査は、副走査方向隣接ピッチPs分ずつ行
うようにすればよいので、無駄がなく、大変効率よく表
面伝導型放出素子群を形成することができる。
【0061】次に本発明のさらに他の特徴について説明
する。上述したように、本発明では、導電性薄膜の材料
を含有する溶液を、インクジェットの原理でガラス基板
やアルミナ等のセラミックス基板に液滴として噴射付与
することにより、導電性薄膜による表面伝導型電子放出
素子群を形成する。その際問題となるのが、素子電極
2,3の間に液滴により形成されるドットの形状であ
る。良好な丸いドットが形成されれば、最終的に形成さ
れる電子放出部も高精度に形成でき、良好な表面伝導型
電子放出素子群を形成できるが、このドット形状が良好
でない場合は、電子放出部も高精度なものが得られな
い。例えば形成されるドットが、良好な丸いドットとな
らず微小滴が飛散したような形状となった場合は、良好
な電子放出部を得ることができない。
【0062】一般にインクジェットプリンタは、紙にイ
ンクを液滴として噴射付与して画像を得るが、紙の上に
形成されるインク液滴のドットは、インク液滴が紙に付
着すると同時に、紙の繊維中に速やかに吸収される。あ
るいは紙の表面に炭酸カルシウム等を主成分としたイン
ク吸収部材がコートされているため、インク液滴が紙に
付着すると同時にこのインク吸収部材に速やかに吸収さ
れるようになっている。よって、先に形成されたドット
に後続のドットが付着衝突しても、先のドットのインク
はすでに紙に吸収されているので、衝突による微小イン
クの飛び散りはほとんど問題になることなく、また良好
な丸いドットが得られ、高画質な印字品質が得られる。
【0063】一方、本発明はインクジェットの原理で液
滴を噴射付与するが、紙に液滴を付与するのではなく、
ガラス基板やアルミナ等のセラミックス基板に液滴を付
与する。よって付与された液滴は、インクジェットプリ
ンタで紙に印字される場合と異なり、液滴が基板に衝突
後瞬時に基板に吸収されるわけではなく、基板面に半球
状(よりフラットな形状ではあるが)に残っており、こ
れに後続のドットが付着衝突することにより、微小液滴
の飛散、飛び散りが発生し、良好な電子放出部形成を阻
害することがある。ここがインクジェットプリンタと本
発明の違いである。
【0064】つまり本発明のように、ガラス基板やアル
ミナ等のセラミックス基板に液滴を付与する場合は、イ
ンクジェットプリンタによって紙にインク滴を噴射付与
する場合と違い、条件を選ばないと液滴は基板面に衝突
した場合に、微小液滴に飛散し良好な丸いドットが得ら
れない場合があり、電子放出部を得ることができないこ
とがある。本発明はこの点に鑑み、液滴が基板面に衝突
してドットを形成する際に、微小液滴として飛散するこ
となく良好な丸いドットが形成される条件を実験的に見
出したものである。以下にその結果を示す。
【0065】実験は、導電性薄膜の材料を含有する溶液
を、表面を鏡面研摩した石英ガラス基板にインクジェッ
トの原理で噴射付与し、噴射時の液滴の噴射速度を変
え、ドット形成状況(ドット着弾位置精度や形成された
ドット形状)、微小液滴飛散状況(メインのドットのま
わりに飛散した微小液滴の飛散状況)を調べたものであ
る。
【0066】なお、液滴及びドットを形成するための具
体的な条件は以下のとおりである。使用した溶液は、酢
酸パラジウム−トリエタノールアミン水溶液であり、以
下のようにして製造したものである。すなわち100g
の酢酸パラジウムを2000ccのイソプロピルアルコ
ールに懸濁させ、さらに407gのトリエタノールアミ
ンを加え35℃で12時間攪拌した。反応終了後、イソ
プロピルアルコールを蒸発により除去し、固形物にエチ
ルアルコールを加えて溶解、濾過し、濾液から酢酸パラ
ジウム−トリエタノールアミンを再結晶させて得た。こ
のようにして得た酢酸パラジウム−トリエタノールアミ
ン2gを98gの純水に溶解し、溶液とした(2.0w
t%)。
【0067】なお、使用した噴射ヘッドは、エッジシュ
ータ型のサーマルインクジェット方式と同等の構造(た
だしインクではなく、上記溶液を使用)とし、ノズル径
はφ25μm、発熱体サイズは25μm×90μm(抵
抗値118Ω)のものを使用した。そして、駆動電圧を
20〜24V、パルス幅を5〜7μsの範囲で適宜選
び、噴射する液滴の噴射速度を0.5〜12m/sの範
囲で変化させ、それぞれの場合の液滴の着弾位置精度、
ドット形状、微小液滴飛散状況を調べた。この結果を下
記の表1に示す。
【0068】表1において、着弾位置精度の○は狙いの
位置に対して1/2ドット径以内の場合を示し、×はそ
れ以上の場合を示す。なお表1の結果においては、1〜
5ドット径まで変化していた(実験No.1〜3)。ド
ット形状の○は良好な丸いドット形状が得られたもので
ある。全般的におおむね良好な丸い形状が得られたが、
官能検査でやや丸形状がいびつに感じられたものを△と
した。微小液滴飛散状況は、微小液滴飛散が生じなかっ
たものを○、微小液滴飛散が生じたもの(メインのドッ
トの周辺に小さい飛び散りが発生したもの)を×とし
た。
【0069】
【表1】
【0070】以上の結果より、着弾位置精度,ドット形
状,微小液滴飛散状況から判断して、良好なドットを得
るために、液滴の噴射速度を3〜10m/sにする必要
があることがわかる。つまり、液滴の噴射速度をこの範
囲内にすることにより、噴射が安定し着弾位置精度が向
上するとともに、先に付着しているドットに後から付着
する液滴が適切な飛翔速度で衝突するので、不必要な液
滴ミストの発生による周辺への付着がなく、非常に高精
度な表面伝導型電子放出素子のパターンが形成でき、そ
の電子放出素子特性も各素子間でバラツキのない良好な
ものを得ることができる。
【0071】以上の説明より、本発明の電子源基板は、
その電子放出素子部を上記のように複数滴を付与し、ま
たその噴射付与時の噴射速度を適切な範囲にすることに
より高精度にドットパターンを形成することができる
が、このように表面伝導型電子放出素子群のパターン付
与を行った後、本発明では以下に説明するようなフォー
ミング処理によって、電子放出部5を形成する(図1,
図2参照)。
【0072】電子放出部5は、導電性薄膜4の一部に形
成された高抵抗の亀裂により構成され、導電性薄膜4の
膜厚,膜質,材料等、あるいはフォーミング処理条件等
に依存したものとなる。電子放出部5の内部には、10
00Å以下の粒径の導電性微粒子を含む場合もある。こ
の導電性微粒子は、導電性薄膜4を構成する材料の元素
の一部、あるいは全ての元素を含有するものとなる。電
子放出部5及びその近傍の導電性薄膜4には、炭素ある
いは炭素化合物を含む場合もある。
【0073】この導電性薄膜4に施すフォーミング処理
方法の一例として、通電処理による方法を説明する。素
子電極2,3間に、不図示の電源を用いて通電を行う
と、導電性薄膜4の部位に構造の変化した電子放出部5
が形成される。すなわち、通電フォーミングによれば導
電性薄膜4に局所的に破壊,変形もしくは変質等の構造
変化した部位が形成され、この部位が電子放出部5とな
る。
【0074】図11は、本発明に適用する上記のごとく
の通電フォーミング処理の電圧波形の例を示す図であ
る。電圧波形は特にパルス波形が好ましく、パルス波高
値が一定の電圧パルスを連続的に印加する場合(図11
(A))と、パルス波高値を増加させながら、電圧パル
スを印加する場合(図11(B))とがある。まずパル
ス波高値が一定電圧とした場合(図11(A))につい
て説明する。
【0075】図11(A)におけるT1およびT2はそ
れぞれ電圧波形のパルス幅とパルス間隔であり、T1を
1μs〜10ms、T2を10μs〜100msとし、
三角波の波高値(通電フォーミング時のピーク電圧)を
表面伝導型電子放出素子の形態に応じて適宜選択する。
このような条件のもと、例えば、数秒ないし数十分間電
圧を印加する。また、パルス波形は三角波に限定される
ものではなく、矩形波など所望の波形を用いても良い。
【0076】図11(B)におけるT1およびT2は、
図11(A)に示したものと同様にそれぞれ電圧波形の
パルス幅とパルス間隔を示し、三角波の波高値(通電フ
ォーミング時のピーク電圧)は、例えば0.1Vステッ
プ程度ずつ増加させることができる。
【0077】通電フォーミング処理の終了は、パルス間
隔T2中に、導電性薄膜4を局所的に破壊、変形しない
程度の電圧を印加し、電流を測定して検知することがで
きる。例えば0.1V程度の電圧印加により流れる素子
電流を測定し、抵抗値を求めて、1MΩ以上の抵抗を示
した時に通電フォーミングを終了させる。
【0078】通電フォーミングを終了した素子には、活
性化工程と呼ぶ処理を施すことが望ましい。活性化処理
を施すことにより、素子電流If、放出電流Ieが著し
く変化する。活性化工程は、例えば有機物質のガスを含
有する雰囲気下で、通電フォーミングと同様に、パルス
の印加を繰り返すことで行うことができる。上記の雰囲
気は、例えば油拡散ポンプやロータリーポンプなどを用
いて真空容器内を廃棄した場合に雰囲気内に残留する有
機ガスを利用して形成することができる他、イオンポン
プなどにより一旦十分に排気した真空中に適当な有機物
質のガスを導入することによっても得られる。このとき
の好ましい有機物質のガス圧は、前述の応用の形態、真
空容器の形状や、有機物質の種類などにより異なるため
場合に応じ適宜設定される。
【0079】上記の有機物質としては、アルカン,アル
ケン,アルキンの脂肪族炭化水素類,芳香族炭化水素
類,アルコール類,アルデヒド類,ケトン類,アミン
類,フェノール,カルボン酸,スルホン酸等の有機酸類
等を挙げることができ、具体的には、メタン,エタン,
プロパンなどCn2n+2で表される飽和炭化水素,エチ
レン,プロピレンなどCn2n等の組成式で表される不
飽和炭化水素,ベンゼン,トルエン,メタノール,ホル
ムアルデヒド,アセトアルデヒド,アセトン,メチルエ
チルケトン,メチルアミン,エチルアミン,フェノー
ル,蟻酸,酢酸,プロピオン酸等が使用できる。この処
理により雰囲気中に存在する有機物質から炭素あるいは
炭素化合物が素子上に堆積し、素子電流If,放出電流
Ieが著しく変化する。活性化工程の終了判定は、素子
電流Ifと放出電流Ieを測定しながら行う。なおパル
ス幅,パルス間隔,パルス波高値などは適宜設定され
る。
【0080】炭素あるいは炭素化合物とは、グラファイ
ト(単結晶,多結晶の両者を指す),非晶質カーボン
(非晶質カーボンおよび非晶質カーボンと前記グラファ
イトの微結晶の混合物を含むカーボン)であり、その膜
厚は500Å以下にするのが好ましく、より好ましくは
300Å以下である。
【0081】こうして作成した電子放出素子は、安定化
処理を行うことが好ましい。この処理は真空容器内の有
機物質の分圧が、1×10-8Torr以下、望ましくは
1×10-10Torr以下で行うのが良い。真空容器内
の圧力は、10-6〜10-7Torr以下が好ましく、特
に1×10-8Torr以下が好ましい。真空容器を排気
する真空排気装置は、装置から発生するオイルが素子の
特性に影響を与えないように、オイルを使用しないもの
を用いるのが好ましい。具体的には、ソープションポン
プ、イオンポンプ等の真空排気装置を挙げることができ
る。さらに真空容器内を排気するときには、真空容器全
体を過熱して真空容器内壁や電子放出素子に吸着した有
機物質分子を排気しやすくするのが好ましい。このとき
の加熱した状態での真空排気条件は、80〜200℃で
5時間以上が望ましいが、特にこの条件に限るものでは
なく、真空容器の大きさや形状、電子放出素子の構成な
どの諸条件により変化する。
【0082】なお、上記有機物質の分圧は、質量分析装
置により質量数が10〜200の炭素と水素を主成分と
する有機分子の分圧を測定し、それらの分圧を積算する
ことにより求められる。安定化工程を経た後、駆動時の
雰囲気は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するの
が好ましいが、これに限るものではなく、有機物質が十
分除去されていれば、真空度自体は多少低下しても十分
安定な特性を維持することができる。このような真空雰
囲気を採用することにより、新たな炭素あるいは炭素化
合物の堆積を抑制でき、結果として素子電流If,放出
電流Ieが安定する。
【0083】次に本発明の画像形成装置について述べ
る。画像形成装置に用いる電子源基板の電子放出素子の
配列については種々のものが採用できる。まず、並列に
配置した多数の電子放出素子の個々を両端で接続し、電
子放出素子の行を多数個配置し(行方向と呼ぶ)、この
配線と直交する方向(列方向と呼ぶ)で電子放出素子の
上方に配置した制御電極(グリッドとも呼ぶ)により、
電子放出素子からの電子を制御駆動する梯子状配置のも
のがある。これとは別に、電子放出素子をX方向および
Y方向に行列状に複数個配置し、同じ行に配置された複
数の電子放出素子の電極の一方を、X方向の配線に共通
に接続し、同じ列に配置された複数の電子放出素子の電
極の他方を、Y方向の配線に共通に接続するものが挙げ
られる。このようなものは、所謂、単純マトリックス配
置である。まず単純マトリックス配置について以下に詳
述する。
【0084】図12は、本発明の電子放出素子を複数個
マトリックス状に配置して得られる電子源基板の一例を
示す図で、図中、10は電子源基板、14は基板、61
はX方向配線、62はY方向配線、63は表面伝導型電
子放出素子、64は結線である。X方向配線61は、D
X1,DX2,・・・DXmのm本の配線からなり、Y
方向配線62はDY1,DY2,・・・DYnのn本の
配線よりなる。また多数の表面伝導型素子63にほぼ均
等な電圧が供給されるように、材料、膜厚、配線幅が適
宜設定される。これらm本のX方向配線61とn本のY
方向配線62間は不図示の層間絶縁層により電気的に分
離されてマトリックス配線を構成する(なお、上記m、
nは共に正の整数である)。
【0085】不図示の層間絶縁層は、X方向配線61を
形成した基板14の全面域または一部の所望の領域に形
成される。X方向配線61とY方向配線62はそれぞれ
外部端子として引き出される。更に表面伝導型放出素子
63の素子電極(不図示)がm本のX方向配線61およ
びn本のY方向配線62と結線64によって電気的に接
続されている。X方向配線61とY方向配線62を構成
する材料、結線64を構成する材料、及び一対の素子電
極を構成する材料は、その構成元素の一部あるいは全部
が同一であっても、またそれぞれ異なっても良い。これ
らの材料は、例えば前述の素子電極の材料より適宜選択
される。素子電極を構成する材料と配線材料が同一であ
る場合には、素子電極に接続した配線も含めて素子電極
ということもできる。
【0086】X方向配線61は、X方向に配列する表面
伝導型放出素子63の行を入力信号に応じて走査する走
査信号を印加するための不図示の走査信号発生手段と電
気的に接続されている。一方、Y方向配線62は、Y方
向に配列する表面伝導型放出素子63の各列を入力信号
に応じて変調する変調信号を印加するための不図示の変
調信号発生手段と電気的に接続されている。更に表面伝
導型電子放出素子63の各素子に印加される駆動電圧
は、当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧
として供給されるものである。これにより、単純なマト
リックス配線だけで個別の素子を選択して独立に駆動可
能になる。
【0087】次に、以上のようにして作成した単純マト
リックス配置の電子源を用いた画像形成装置について説
明する。図13は画像形成装置の表示パネルの基本構成
の一例を説明するための図で、図中、10は電子放出素
子63を基板上に作製した電子源基板、71は電子源基
板10を固定したリアプレート、72は支持枠、76は
ガラス基板73の内面に蛍光膜74とメタルバック75
等が形成されたフェースプレートで、リアプレート7
1、支持枠72及びフェースプレート76にフリットガ
ラス等を塗布し、大気中あるいは窒素中で400〜50
0度で10分以上焼成することで封着して外囲器78を
構成する。また図13において、63は図1に示す構成
に相当する電子放出素子、61,62はぞれぞれ表面伝
導型電子放出素子の一対の素子電極と接続されたX方向
配線およびY方向配線である。
【0088】外囲器78は、上述の如くフェースプレー
ト76、支持枠72、リアプレート71で構成したが、
リアプレート71は主に電子源基板10の強度を補強す
る目的で設けられるため、電子源基板10自体で十分な
強度を持つ場合は別体のリアプレート71は不要であ
り、電子源基板10に直接支持枠71を封着し、フェー
スプレート76、支持枠72、及び電子源基板10にて
外囲器78を構成しても良い。またさらにはフェースプ
レート76、リアプレート71間に、スペーサとよばれ
る耐大気圧支持部材を設置することで大気圧に対して十
分な強度をもつ外囲器78を構成することもできる。
【0089】図14は、図13の画像形成装置に用いら
れる蛍光膜の構成例を示す模式図で、ブラックストライ
プタイプの蛍光膜を図14(A)に、ブラックマトリッ
クスタイプの蛍光膜を図14(B)に示すものである。
図14において、74は蛍光膜、81は黒色導電材、8
2は蛍光体である。
【0090】蛍光膜74は、モノクロームの場合は蛍光
体のみからなるが、カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の
配列によりブラックストライプあるいはブラックマトリ
ックスなどと呼ばれる黒色導電材81と蛍光体82とで
構成される。ブラックストライプ、ブラックマトリック
スを設ける目的は、カラー表示の場合、必要となる三原
色蛍光体の各蛍光体82間の塗り分け部を黒くすること
で混色等を目立たなくすることと、蛍光膜74における
外光反射によるコントラストの低下を抑制することであ
る。ブラックストライプの材料としては、通常良く用い
られている黒鉛を主成分とする材料だけでなく、導電性
があり、光の透過および反射が少ない材料であればこれ
に限るものではない。
【0091】本発明では、上記のようなマトリックス化
された蛍光体82のストライプの方向、あるいはマトリ
ックスの互いに直交する2方向と、前述の電子放出素子
63の互いに直交する2方向とそれぞれが互いに平行に
なるようにし、かつ各電子放出素子63に蛍光体82が
一致するように位置決めして積層し、画像表示装置を構
成している。このような構成の画像表示装置は、互いの
マトリックスの方向およびその位置が一致しているた
め、非常に高画質な画像表示装置を実現できる。
【0092】ガラス基板73に蛍光体を塗布する方法と
しては、モノクローム、カラーによらず沈澱法や印刷法
が用いられる。また蛍光膜74(図13)の内面側には
通常、メタルバック75が設けられる。メタルバック7
5は、蛍光体の発光のうち内面側への光をフェースプレ
ート76側へ鏡面反射することにより輝度を向上するこ
と、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作
用すること、外囲器内で発生した負イオンの衝突による
ダメージからの蛍光体の保護等の役割を有する。メタル
バック75は、蛍光膜74を作製後、蛍光膜74の内面
側表面の平滑化処理(通常、フィルミングと呼ばれる)
を行い、その後Alを真空蒸着等で堆積することで作製
できる。また、フェースプレート76には、更に蛍光膜
74の導電性を高めるため、蛍光膜74の外面側に透明
電極(不図示)を設けてもよい。
【0093】前述の外囲器78を作成するための封着を
行う際、カラーの場合は各色蛍光体82と電子放出素子
63とを対応させなくてはならず、十分な位置合わせを
行う必要がある。この十分な位置合わせを行うために本
発明では、前述のように、電子放出素子63に対向する
位置に蛍光体82を配置するとともに、電子放出素子6
3と蛍光体82のそれぞれのマトリックスの互いに直交
する2方向がそれぞれ互いに平行となるうにしている。
このような構成の高精度な画像表示装置を得るために
は、蛍光体基板も、本発明の電子源基板と同様な位置決
め手法をとることが望ましい。
【0094】図13に示した画像形成装置は、具体的に
は以下のようにして製造される。外囲器78は前述の安
定化工程と同様に、適宜加熱しながらイオンポンプ、ソ
ープションポンプなどのオイルを使用しない排気装置に
より不図示の排気管を通じて排気し、10-7Torr程
度の真空度の有機物質の十分少ない雰囲気にした後、封
止される。外囲器78の封止後の真空度を維持するため
にゲッター処理を行う場合もある。これは外囲器78の
封止を行う直前あるいは封止後に抵抗加熱あるいは高周
波加熱等の加熱法により、外囲器78内の所定の位置
(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形
成する処理である。ゲッターは通常Ba等が主成分であ
り、蒸着膜の吸着作用により、例えば1×10-5Tor
rないし1×10-7Torrの真空度を維持するもので
ある。
【0095】次に、単純マトリックス配置型基板を有す
る電子源を用いて構成した表示パネルを駆動してNTS
C方式のテレビ信号に基づきテレビジョン表示を行うた
めの駆動回路の概略構成を説明する。図15はNTSC
方式のテレビ信号に応じて表示を行うための駆動回路の
一例を示すブロック図で、その駆動回路を含む画像形成
装置を表すものである。図15において、91は画像の
表示パネル、92は走査回路、93は制御回路、94は
シフトレジスタ、95はラインメモリ、96は同期信号
分離回路、97は変調信号発生器、VxおよびVaは直
流電圧源である。
【0096】以下、図15に示す各部の機能を説明す
る。表示パネル91は端子Dox1ないしDoxm、端
子Doy1ないしDoyn、及び高圧端子Hvを介して
外部の電気回路と接続している。このうち端子Dox1
ないしDoxmには表示パネル91内に設けられている
電子源、すなわちM行N列の行列状にマトリックス配線
された表面伝導型電子放出素子群を一行(N素子)ずつ
順次駆動してゆくための走査信号が印加される。一方、
端子Doy1ないしDoynには前記の走査信号により
選択された一行の表面伝導型電子放出素子の各素子の出
力電子ビームを制御するための変調信号が印加される。
また高圧端子Hvには直流電圧源Vaより、例えば10
kVの直流電圧が供給されるが、これは表面伝導型電子
放出素子より出力される電子ビームに蛍光体を励起する
のに十分なエネルギーを付与するための加速電圧であ
る。
【0097】次に走査回路92について説明する。同回
路は内部にM個のスイッチング素子を備えるもので(図
中、S1ないしSmで模式的に示している)、各スイッ
チング素子は直流電圧源Vxの出力電圧もしくは0V
(グランドレベル)のいずれか一方を選択し、表示パネ
ル91の端子Dox1ないしDoxmと電気的に接続す
るものである。S1ないしSmの各スイッチング素子は
制御回路93が出力する制御信号Tscanに基づいて
動作するものであるが、実際には例えばFETのような
スイッチング素子を組み合わせることにより構成するこ
とが可能である。なお、前記直流電圧源Vxは、前記表
面伝導型電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)
に基づき、走査されていない素子に印加される駆動電圧
が電子放出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出
力するよう設定されている。
【0098】制御回路93は、外部より入力する画像信
号に基づいて適切な表示が行われるように各部の動作を
整合させる働きをもつものである。この後説明する同期
信号分離回路96より送られる同期信号Tsyncに基
づいて、各部に対してTscan、Tsft及びTmr
yの各制御信号を発生する。
【0099】同期信号分離回路96は、外部から入力さ
れるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝度
信号成分とを分離するための回路であり、周波数分離
(フィルタ)回路を用いれば構成できる。同期信号分離
回路96により分離された同期信号は、良く知られるよ
うに垂直同期信号と水平同期信号よりなるが、ここでは
説明の便宜上Tsync信号として図示した。一方、前
記テレビ信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜
上DATA信号と表すが、同信号はシフトレジスタ94
に入力される。
【0100】シフトレジスタ94は、時系列的にシリア
ルに入力される前記DATA信号を画像の1ライン毎に
シリアル/パラレル変換するためのものであり、制御回
路93より送られる制御信号Tsftに基づいて動作す
る。すなわち制御信号Tsftは、シフトレジスタ94
のシフトクロックであると言い換えても良い。シリアル
/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出素子N
素子分の駆動データに相当する)のデータはId1ない
しIdnのN個の並列信号としてシフトレジスタ94よ
り出力される。
【0101】ラインメモリ95は、画像1ライン分のデ
ータを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置であ
り、制御回路93より送られる制御信号Tmryに従っ
て適宜Id1ないしIdnの内容を記憶する。記憶した
内容は、Id1ないしIdnとして出力され変調信号発
生器97に入力する。
【0102】変調信号発生器97は、前記画像データI
d1ないしIdnの各々に応じて表面伝導型電子放出素
子の各々を適切に駆動変調するための信号源であり、そ
の出力信号は端子Doy1ないしDoynを通じて表示
パネル91内の表面伝導型電子放出素子に印加される。
【0103】前述したように本発明に関わる電子放出素
子は、放出電流Ieに対して以下の基本特性を有してい
る。すなわち前述したように電子放出には明確なしきい
値電圧Vthがあり、Vth以上の電圧を印加された時
のみ電子放出が生じる。また電子放出しきい値以上の電
圧に対しては素子への印加電圧の変化に応じて放出電流
も変化していく。なお、電子放出素子の材料や構成、製
造方法を変えることにより電子放出しきい値電圧Vth
の値や印加電圧に対する放出電流の変化の度合いが変わ
る場合もあるが、いずれにしても以下のようなことがい
える。
【0104】すなわち、本素子にパルス状の電圧を印加
する場合、例えば電子放出しきい値以下の電圧を印加し
ても電子放出は生じないが、電子放出しきい値以上の電
圧を印加する場合には電子ビームが出力される。その
際、第一にはパルスの波高値Vmを変化させることによ
り出力電子ビームの強度を制御することが可能であり、
第二には、パルスの幅Pwを変化させることにより出力
される電子ビームの電荷の総量を制御することが可能で
ある。
【0105】従って、入力信号に応じて電子放出素子を
変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調方
式等があげられ、電圧変調方式を実施するには、変調信
号発生器97として、一定の長さの電圧パルスを発生す
るが、入力されるデータに応じて適宜パルスの波高値を
変調するような電圧変調方式の回路を用いる。またパル
ス幅変調方式を実施するには、変調信号発生器97とし
ては、一定の波高値の電圧パルスを発生するが、入力さ
れるデータに応じて適宜電圧パルスの幅を変調するよう
なパルス幅変調方式の回路を用いる。
【0106】シフトレジスタ94やラインメモリ95
は、デジタル信号式のものであってもアナログ信号式の
ものであっても差し支えなく、画像信号のシリアル/パ
ラレル変換や記憶が所定の速度で行われればよい。
【0107】デジタル信号式のものを用いる場合には、
同期信号分離回路96の出力信号DATAをデジタル信
号化する必要があるが、これは同期信号分離回路96の
出力部にA/D変換器を備えれば可能である。また、こ
れと関連してラインメモリ95の出力信号がデジタル信
号かアナログ信号かにより、変調信号発生器97に用い
られる回路が若干異なったものとなる。
【0108】まずデジタル信号の場合について述べる。
電圧変調方式において、変調信号発生器97には、例え
ばよく知られるD/A変換回路を用い、必要に応じて増
幅回路などを付け加えればよい。またパルス幅変調方式
の場合、変調信号発生器97は、例えば高速の発振器、
発振器が出力する波数を計数する計数器(カウンタ)、
及び計数器の出力値とラインメモリ95の出力値を比較
する比較器(コンパレータ)を組み合せた回路を用いる
ことにより構成できる。必要に応じて比較器の出力する
パルス幅変調された変調信号を表面伝導型電子放出素子
の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付け加え
てもよい。
【0109】次にアナログ信号の場合について述べる。
電圧変調方式においては変調信号発生器97には、例え
ばよく知られるオペアンプなどを用いた増幅回路を用い
ればよく、必要に応じてレベルシフト回路などを付け加
えてもよい。またパルス幅変調方式の場合には例えばよ
く知られた電圧制御型発振回路(VCO)を用いればよ
く、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動電圧に
まで電圧増幅するための増幅器を付け加えてもよい。
【0110】以上のような構成を有する画像表示装置に
おいて、表示パネル91の各電子放出素子には、容器外
端子Dox1ないしDoxm,Doy1ないしDoyn
を通じ、電圧を印加することにより、電子放出させると
ともに、高圧端子Hvを通じ、メタルバック75あるい
は透明電極(不図示)に高圧を印加して電子ビームを加
速し、蛍光膜74に衝突させ、励起・発光させることで
画像を表示することができる。
【0111】ここで述べた構成は、表示等に用いられる
好適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成であ
り、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述内容に限
られるものではなく、画像形成装置の用途に適するよう
適宜選択する。また、入力信号例として、NTSC方式
をあげたが、これに限るものでなく、PAL、SECA
M方式などの諸方式でもよく、また、これよりも、多数
の走査線からなるTV信号(例えば、MUSE方式をは
じめとする高品位TV)方式でもよい。
【0112】次に、梯子型配置電子源基板および画像表
示装置について説明する。図16は、電子放出素子を梯
子型に配置した電子源基板の構成例を示す模式図で、図
中、10は電子源基板、14は基板、63は電子放出素
子、98は電子放出素子63に接続したDx1〜Dx1
0よりなる共通配線である。電子放出素子63は、基板
14上にX方向に並列に複数個配置されている(この配
列を素子行と呼ぶ)。この素子行が複数個基板上に配置
され、電子源基板10が構成されている。各素子行の共
通配線間に駆動電圧を印加することで、各素子行を独立
に駆動させることができる。すなわち、電子ビームを放
出させたい素子行には、電子放出しきい値以上の電圧を
印加し、電子ビームを放出させない素子行には電子放出
しきい値以下の電圧を印加すればよい。また、各素子行
間の共通配線Dx2〜Dx9、例えばDx2,Dx3を
同一配線とするようにしても良い。
【0113】図17は、図16に示すごとくの梯子型配
置電子源基板を備えた画像形成装置におけるパネル構造
を説明するための図で、図中、100は各素子行間の共
通配線を同一配線とした電子源基板、101はグリッド
電極、102は電子が通過するための開口、103はD
ox1,Dox2,・・・Doxmよりなる容器外端
子、104はグリッド電極101と接続されたG1,G
2,・・・Gnからなる容器外端子で、その他、図13
または図15と同様の機能を有する部分には同一符号を
付してある。図17に示す画像形成装置における前述の
単純マトリックス配置の画像形成装置(図13)との違
いは、電子源基板100とフェースプレート76の間に
グリッド電極101を備えていることである。
【0114】グリッド電極101は、表面伝導型放出素
子から放出された電子ビームを変調するためのものであ
り、はしご型配置の素子行と直交して設けられたストラ
イプ状の電極に電子ビームを通過させるため、各素子に
対応して1個ずつ円形の開口102が設けられている。
なおグリッドの形状や設置位置は図16に示したものに
限定されるものではない。例えば、開口としてメッシュ
状に多数の通過口を設けることもでき、グリッドを表面
伝導型放出素子の周囲や近傍に設けることもできる。ま
た、容器外端子103及びグリッド容器外端子104
は、不図示の制御回路と電気的に接続されている。
【0115】本画像形成装置では、素子行を1列ずつ順
次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極列に
画像1ライン分の変調信号を同時に印加する。これによ
り、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像を1
ラインずつ表示することができる。これによればテレビ
ジョン放送の表示装置、テレビ会議システム、コンピュ
ータ等の表示装置の他、感光性ドラム等で用いて構成さ
れた光プリンタとしての画像形成装置としても用いるこ
ともできる。
【0116】
【発明の効果】請求項1に対応した効果 基板上に複数対の各素子電極間に、導電性薄膜の材料を
含有する溶液の液滴を噴射付与し、導電性薄膜による表
面伝導型電子放出素子群を形成した電子源基板の製造方
法において、表面伝導型電子放出素子群の1素子は、複
数個の液滴を基板上に付着させたドットイメージにより
形成されるようにしたので、高精度な表面伝導型電子放
出素子のパターンが形成できるようになり、その電子放
出素子特性が各素子間でバラツキのない良好なものが得
られる。
【0117】請求項2に対応した効果 表面伝導型電子放出素子群が形成された電子源基板の製
造方法において、表面伝導型電子放出素子群の1素子を
形成する複数個の液滴が、マルチノズル型の液滴噴射ヘ
ッドから噴射されるようにしたので、高精度な表面伝導
型放出素子群を効率良く形成することができる。
【0118】請求項3に対応した効果 表面伝導型電子放出素子群が形成された電子源基板の製
造方法において、液滴噴射ヘッドのマルチノズルのノズ
ル列配列長さが1対の素子電極における電極間距離と同
等もしくはそれより大となるように、ノズルの数および
その配列密度を決定するので、1素子の液滴付与範囲が
マルチノズル列でカバーでき、電子源基板の前面を液滴
噴射ヘッドが相対移動する際に、何度も相対移動を行う
ことなく1回の相対移動によって1素子の形成を行うこ
とができ、大変効率よく表面伝導型放出素子群を形成す
ることができる。
【0119】請求項4に対応した効果 表面伝導型電子放出素子群が形成された電子源基板の製
造方法において、液滴噴射ヘッドのマルチノズルのノズ
ル列配列長さを、1素子の範囲をカバーできるようにす
るとともに、液滴噴射ヘッドと基板の相対移動におい
て、副走査方向での相対移動を表面伝導型電子放出素子
群の隣接ピッチ単位で行うようにしたので、無駄がな
く、大変効率よく表面伝導型放出素子群を形成すること
ができる。
【0120】請求項5に対応した効果 基板上の複数対の各素子電極間に、導電性薄膜の材料を
含有する溶液の液滴を噴射付与し、導電性薄膜による表
面伝導型電子放出素子群を形成した電子源基板の製造方
法において、表面伝導型電子放出素子群の1素子を複数
個の液滴を基板上に付着させたドットイメージにより形
成するとき、その液滴の噴射速度を3〜10m/s範囲
としたので、噴射が安定して付着位置精度が向上すると
ともに、先に付着しているドットに後から付着する液滴
が適切な飛翔速度で衝突するので、不必要な液滴ミスト
が発生して周辺に付着することがなく、非常に高精度な
表面伝導型電子放出素子のパターンが形成でき、その電
子放出素子特性が各素子間でバラツキのない良好なもの
が得られる。
【0121】請求項6に対応する効果 上記請求項1ないし5の製造方法によって製造すること
により、高精度な電子源基板放出素子パターンが形成さ
れ、特性が良好で信頼性の高い電子源基板を得ることが
できる。
【0122】請求項7に対応した効果 高精度な表面伝導型電子放出素子のパターンを有し、そ
子放出素子特性も各素子間でバラツキのない電子源基板
を使用することにより、高画質な画像表示装置を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る平面型表面伝導型
電子放出素子の構成を示す模式的図である。
【図2】 図1に示す表面伝導型電子放出素子の製造方
法を説明するための模式図である。
【図3】 本発明に係る電子源基板の製造装置の一例を
示す構成図である。
【図4】 本発明を適用し得る液滴付与装置の構成の一
例を説明するための図である。
【図5】 図4の液滴付与装置の吐出ヘッドユニットの
要部概略構成図である。
【図6】 電子放出素子部を1滴の液滴で形成する例を
説明するための模式的平面図である。
【図7】 本発明により形成する平面型表面伝導型電子
放出素子のドットパターンの例を示す模式的平面図であ
る。
【図8】 本発明により形成する平面型表面伝導型電子
放出素子の他のドットパターンの例を示す模式的平面図
である。
【図9】 本発明に係る表面伝導型電子放出素子の製造
装置に使用される噴射ヘッドの構成例を示す図である。
【図10】 本発明における平面型表面伝導型電子放出
素子群を形成するに際し噴射ヘッドのノズル配列ピッチ
とドットパターンの配列ピッチとの関係を説明するため
の図である。
【図11】 本発明による表面伝導型電子放出素子の製
造に採用できる通電フォーミング処理における電圧波形
の例を示す図である。
【図12】 本発明を適用し得るマトリックス配置型電
子源基板の一例を示す模式図である。
【図13】 本発明を適用し得るマトリックス配置型電
子源基板による画像形成装置の表示パネルの基本構成の
一例を説明するための図である。
【図14】 本発明を適用し得る画像形成装置に用いら
れる蛍光膜の構成例を示す模式図である。
【図15】 画像形成装置にNTSC方式のテレビ信号
に応じて表示を行うための駆動回路の一例を示すブロッ
ク図である。
【図16】 本発明を適用し得る梯子型配置型電子源基
板の一例を示す模式図である。
【図17】 本発明を適用し得る梯子型配置型電子源基
板による画像形成装置の表示パネル基本構成の一例を説
明するための図である。
【図18】 従来の電子放出素子の一例を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
1…基板、2,3…素子電極、4…導電性薄膜、5…電
子放出部、10…電子源基板、11…吐出ヘッドユニッ
ト(噴射ヘッド)、12…キャリッジ、13…基板保持
台、14…基板、15…供給チューブ、16…信号供給
ケーブル、17…噴射ヘッドコントロールボックス、1
8…キャリッジ12のX方向スキャンモータ、19…キ
ャリッジ12のY方向スキャンモータ、20…コンピュ
ータ、21…コントロールボックス、22(22X1,2
Y1,22X2,22Y2)…基板位置決め/保持手段、3
0…吐出ヘッドユニット、31…ヘッドアライメント制
御機構、32…検出光学系、33…インクジェットヘッ
ド、34…ヘッドアライメント微動機構、35…制御コ
ンピュータ、36…画像識別機構、37…XY方向走査
機構、38…位置検出機構、39…位置補正制御機構、
40…インクジェットヘッド駆動・制御機構、41…光
軸、42…液滴、43…液滴着弾位置、44…噴射した
液滴によるドット、50…噴射ヘッド(インクジェット
ヘッド)、51…発熱体基板、52…蓋基板、53…発
熱体基板51の作成に用いるシリコン基板、54…個別
電極、55…共通電極、56…発熱体、57…溶液流入
口、58…ノズル、59…溝部、60…凹部領域、61
…X方向配線、62…Y方向配線、63…表面伝導型電
子放出素子、64…結線、71…電子源基板10を固定
したリアプレート、72…支持枠、74…蛍光膜、75
…メタルバック、76…フェースプレート、78…外囲
器、81…黒色導電材、82…蛍光体、91…画像の表
示パネル、92…走査回路、93…制御回路、94…シ
フトレジスタ、95…ラインメモリ、96…同期信号分
離回路、97…変調信号発生器、98…電子放出素子6
3に接続したDx1〜Dx10よりなる共通配線、10
0…各素子行間の共通配線を同一配線とした電子源基
板、101…グリッド電極、102…電子が通過するた
めの開口、103…Dox1,Dox2・・・Doxm
よりなる容器外端子、104…グリッド電極101と接
続されたG1,G2,・・・Gnからなる容器外端子、
m…主走査方向、s…副走査方向、Ps…副走査方向の
隣接ピッチ、VxおよびVa…直流電圧源。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に複数対の素子電極を配置し、各
    対の素子電極間に導電性薄膜の材料を含有した溶液の液
    滴を噴射して前記導電性薄膜による表面伝導型電子放出
    素子群を形成した電子源基板の製造方法において、前記
    表面伝導型電子放出素子群の1素子は、複数個の前記液
    滴を基板上に付着させたドットイメージにより形成され
    ることを特徴とする電子源基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記複数個の液滴は、マルチノズル型の
    液滴噴射ヘッドから噴射することを特徴とする請求項1
    に記載の電子源基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記液滴噴射ヘッドにおけるマルチノズ
    ルのノズル列の長さが前記1対の素子電極間の距離と同
    等または該距離より大となるように、前記ノズルの数及
    び該ノズルの配列密度を決定することを特徴とする請求
    項2に記載の電子源基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 キャリッジに搭載した前記液滴噴射ヘッ
    ドを前記基板に対して互いに直交する2方向に相対移動
    させながら前記液滴を噴射することにより前記表面伝導
    型電子放出素子群を形成し、かつ前記マルチノズルのノ
    ズル配列方向に垂直な方向を主走査方向とし、該主走査
    方向に垂直な方向を副走査方向とするとき、該副走査方
    向への前記相対移動は、前記表面伝導型電子放出素子群
    の隣接ピッチ単位で行うことを特徴とする請求項3に記
    載の電子源基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記液滴の噴射速度は、3〜10m/s
    であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1
    に記載の電子源基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1に記載の
    電子源基板の製造方法にて製造したことを特徴とする電
    子源基板。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の電子源基板と、該電子
    源基板に対向して配置され、蛍光体を搭載したフェース
    プレートとを有することを特徴とする画像表示装置。
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