JP2006228444A - 電子放出素子、電子放出素子の製造方法、及び電気光学装置、並びに電子機器 - Google Patents

電子放出素子、電子放出素子の製造方法、及び電気光学装置、並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 安定した品質の表示が可能な電子放出素子、電子放出素子の製造方法、及び電気光学装置、並びに電子機器を提供する。
【解決手段】 基板11と基板11上に形成された配線18とを覆うようにバリア膜15を形成し、バリア膜15の上に配線17を形成する。さらに、配線17とバリア膜15とを覆うように絶縁膜16を形成する。配線18に接続する第1電極24と配線17に接続する第2電極25とに導電性薄膜14を形成し、導電性薄膜14に形成された電子放出部13が、バリア膜15と絶縁膜16とが積層した絶縁層51の上に配置されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子放出素子、電子放出素子の製造方法、及び電気光学装置、並びに電子機器に関する。
近年、ディスプレイの大画面化が進んできており、その薄型化と低消費電力化とが、重要な技術課題となっている。そこで、これらの技術課題を解決することが可能なSED(表面電界ディスプレイ:Surface―conduction Electron―emitter Display)に注目がそそがれている。このSEDに採用されている表面伝導型電子放出素子は、カソード電極に画素と同じ数だけの複数の電子放出部が格子状に形成されていて、真空中において、この電子放出部から電子が放出されると、カソード電極に対向して配置されたアノード電極に形成された蛍光体に電子が衝突する。そして、電子が蛍光体に衝突したときに、この蛍光体が発光することによって、画素上に所定の色が出現する。基板上に複数の電子放出部を格子状に形成する方法として各種の方法が提案されていた。
例えば、特許文献1に開示されているように、ガラスの基材に含まれているナトリウム等の拡散の影響を防ぐために、ナトリウム等の含有濃度を部分的に少なくした基材を使用し、導電性薄膜が劣化しないように電子放出部を形成していた。特許文献2に開示されているように、電子放出素子以外の領域に帯電防止のための高抵抗膜を形成していた。
特開平10−241550号公報 特開2003−68192号公報
ところが、基材に含まれるナトリウム等の含有濃度を部分的に少なくする方法では、特殊な基材を用意する必要があった。また、高抵抗膜を形成する方法では、形成する膜が積層膜になってしまい、段差が高くなってしまうことから、絶縁層の厚さをより厚くしなければ絶縁性を確保することが困難であった。
本発明の目的は、安定した品質の表示が可能な電子放出素子、電子放出素子の製造方法、及び電気光学装置、並びに電子機器を提供することである。
本発明の電子放出素子は、電子放出部を有する電子放出素子であって、基板上に形成された第1配線と、前記第1配線と交差するように形成された第2配線と、前記基板と前記第1配線とを覆うように形成された第1絶縁膜と、前記第2配線と前記第1絶縁膜とを覆うように形成された第2絶縁膜と、前記第1配線に接続する第1電極と、前記第2配線に接続する第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極に形成された導電膜と、前記導電膜に形成された前記電子放出部と、を備え、前記電子放出部が、前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜とが積層した絶縁層の上に配置されていることを特徴とする。
この発明によれば、絶縁膜が積層されて2層になった絶縁層の上に電子放出部が形成されているから、基板に含まれているナトリウム等の拡散の影響を受けにくいので、電子放出素子の品質が安定する。
本発明の電子放出素子の形成方法は、電子放出部を有する電子放出素子の形成方法であって、基板上に第1配線を形成する工程と、前記基板と前記第1配線とを覆うように第1絶縁膜を形成する工程と、前記第1絶縁膜の上に第2配線を形成する工程と、前記第2配線と前記第1絶縁膜とを覆うように第2絶縁膜を形成する工程と、前記第1配線に接続するように第1電極を形成する工程と、前記第2配線に接続するように第2電極を形成する工程と、前記第1電極及び前記第2電極に配置される導電膜を形成する工程と、前記導電膜に前記電子放出部を形成する工程と、を備え、前記電子放出部が、前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜とが積層した絶縁層の上に配置されていることを特徴とする。
この発明によれば、絶縁膜が積層されて2層になった絶縁層の上に電子放出部が形成されているから、基板に含まれているナトリウム等の拡散の影響を受けにくいので、品質の安定した電子放出素子を提供できる。しかも、絶縁層を形成するだけで基板の絶縁性が維持されるから、特殊な基材を必要としないので、製造工程が簡略化され、効率的である。
本発明の電気光学装置は、前述の電子放出素子を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、品質の安定した電子放出素子を備えているので、安定した品質の電気光学装置を提供できる。
本発明の電子機器は、前述の電気光学装置を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、安定した品質の電気光学装置を有しているので、安定した品質の電子機器を提供できる。
以下、本発明の電子放出素子、電子放出素子の製造方法、及び電気光学装置、並びに電子機器について実施形態を挙げ、添付図面に沿って詳細に説明する。
(実施形態)
(電子放出素子の構成)
本発明の実施形態の要部について詳細に説明する。図1は、本実施形態の電子放出素子の概略斜視図である。
基板11は、電気的に絶縁性を有するもので、例えば石英ガラス、Naなどの不純物含有量を減少させたガラスである。
図1に示すように、基板11上には、Y方向に伸長する第1配線としての配線18が形成されている。そして、配線18と交差するように、X方向に伸長する第2配線としての配線17が形成されている。配線18と基板11とを覆うようにバリア膜15が形成されている。バリア膜15の上に配線17が形成されている。配線17とバリア膜15とを覆うように絶縁膜16が形成されていて、バリア膜15と絶縁膜16とが積層した絶縁層51が形成されている。
配線18に接続するように第1電極24が形成されていて、バリア膜15と絶縁膜16とにYコンタクトホール22が形成されており、配線18と第1電極24とがYコンタクトホール22を介して電気的に接続できる。同様に、配線17に接続するように第2電極25が形成されており、絶縁膜16にXコンタクトホール23が形成されていて、配線17と第2電極25とがXコンタクトホール23を介して電気的に接続できる。
第1電極24および第2電極25には放電防止膜6が形成されており、放電防止膜6の開口部6aに導電膜としての導電性薄膜14が形成されている。そして、これら第1電極24と第2電極25との間に形成された電子放出部13を含む電子放出素子10が、バリア膜15と絶縁膜16とが積層した絶縁層51の上に形成されている。
(電子放出素子の形成方法)
次に、本実施形態の電子放出素子の形成方法について説明する。図2(a)〜(e)および図3(f)〜(i)は、本実施形態に係る電子放出素子の形成方法の手順を示す模式図である。図4は、電子放出素子の製造工程を示すフローチャートである。
図2、図3に示すように、電子放出素子の概略製造工程は、Y方向配線としての配線18を形成する工程と、バリア膜15を形成する工程と、X方向配線としての配線17を形成する工程と、絶縁膜16を形成する工程と、Yコンタクトホール22とXコンタクトホール23とを形成する工程と、第1電極24と第2電極25とを形成する工程と、放電防止膜6を形成する工程と、導電性薄膜14を形成する工程と、電子放出部13を形成する工程と、に大別できる。以下、各工程について詳細に説明する。
基板11を、洗剤、純水および有機溶剤などを用いて十分に洗浄して、基板11上に付着している汚染物を除去する前処理を施す。その後、図4のステップS11では、基板11上に図示しないマスクを置いて、真空蒸着法又はスパッタリング法などの薄膜形成方法によって、図2(a)に示すように、配線18を形成する。
配線18の材料としては、一般的な導体材料を用いることができる。例えば、Ni、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pdなどの金属或いは合金、Pd、Ag、Au、RuO2、Pd−Agなどの金属或は金属酸化物とガラスなどから構成される印刷導体、In23−SnO2などの透明導電体、ポリシリコンなどの半導体材料などから適宜選択することができる。配線18の幅は10μmから300μmの範囲である。ここでは、配線18の幅を100μmとした。また、好ましい配線18の膜厚は、10nmから3μmの範囲である。ここでは、配線18の膜厚を1μmとした。また、基板11上に形成される配線18は、必要に応じてマスクの形状を変更すれば、配線18の幅や長さを変えることができるから、任意の形状を形成することができるので、電子放出素子10を配置できる範囲内で変更可能である。
次に、図4のステップS12では、図2(b)に示すように、配線18と基板11とを覆うように第1絶縁膜としてのバリア膜15を形成する。バリア膜15を形成する方法は、真空蒸着法又はスパッタリング法などの薄膜形成方法による。
バリア膜15の材料としては、半導体プロセスなどで使用される材料を用いることができる。例えば、SiO2や、SiN、Al23などを使用することができる。ここではSiO2を選択した。好ましいバリア膜15の膜厚は、100nmから1μmの範囲であり、ここでは1000nmとした。
次に、図4のステップS13では、図2(c)に示すように、バリア膜15の上にX方向配線としての配線17を形成する。なお、配線17の形成方法は、前述の配線18の形成方法と同じ薄膜形成方法であり、材料、幅、膜厚なども、前述の配線18と同じである。
次に、図4のステップS14では、図2(d)に示すように、バリア膜15と配線17とを覆うように第2絶縁膜としての絶縁膜16を形成する。絶縁膜16を形成する方法は、真空蒸着法又はスパッタリング法などの薄膜形成方法による。そして、バリア膜15と絶縁膜16とが積層した絶縁層51ができる。
絶縁膜16の材料としては、SiO2や、SiN、Al23などを使用することができる。ここではSi34を選択した。好ましい絶縁膜16の膜厚は、100nmから1μmの範囲であり、ここでは1000nmとした。
次に、図4のステップS15では、図2(e)に示すように、配線18と第1電極24とが電気的に接続できるように、Yコンタクトホール22を形成する。Yコンタクトホール22は、バリア膜15と絶縁膜16とが積層した絶縁層51をエッチングして形成できる。同様に、配線17と第2電極25とが電気的に接続できるようにXコンタクトホール23を形成する。Xコンタクトホール23は、絶縁膜16をエッチングして形成できる。
エッチングの方法は、ドライエッチング法やウエットエッチング法などの手法が採用できる。なお、これらYコンタクトホール22、Xコンタクトホール23は、マスク(図示省略)を置けば、所望の形状を任意の位置に形成できる。ここではYコンタクトホール22、Xコンタクトホール23それぞれの大きさを、縦が約30μmで、横が約30μmの矩形とした。
次に、図4のステップS16では、図3(f)に示すように、配線18と電気的に接続できるように第1電極24を形成する。同様に、配線17と電気的に接続できるように第2電極25を形成する。これら第1電極24と第2電極25の形成方法は、前述の配線17および配線18の形成方法と同じ薄膜形成方法であり、材料、幅および膜厚も同じである。
次に、図4のステップS17では、図3(g)に示すように、放電防止膜6を第1電極24と第2電極25との上に形成する。放電防止膜6を形成する方法は、真空蒸着法又はスパッタリング法などの薄膜形成方法による。好ましい放電防止膜6の膜厚は、20nmから2μmの範囲である。ここでは、1μmとした。そして、液滴Lが配置できる開口部6aを形成する。
次に、図4のステップS18では、図3(h)に示すように、液滴吐出方法により、開口部6a内に液滴Lを滴下する。その後、液滴Lを乾燥して薄膜化することや、乾燥後必要に応じて更に焼成(加熱処理)することによって、開口部6a内に第1電極24と第2電極25と接続する導電膜としての導電性薄膜14を形成する。
導電性薄膜14を形成するための液滴Lは、導電性微粒子を分散媒に分散させた分散液からなるものである。本実施の形態では、導電性微粒子として、例えば、金、銀、銅、鉄、クロム、マンガン、モリブデン、チタン、パラジウム、タングステン及びニッケルのうちのいずれかを含有する金属微粒子の他、これらの酸化物、並びに導電性ポリマーや超電導体の微粒子などが用いられる。これらの導電性微粒子は、分散性を向上させるために表面に有機物などをコーティングして使うこともできる。導電性微粒子の粒径は1nm以上0.1μm以下であることが好ましい。0.1μmより大きいと、後述する液滴吐出ヘッドの吐出ノズルに目詰まりが生じるおそれがある。また、1nmより小さいと、導電性微粒子に対するコーティング剤の体積比が大きくなり、得られる膜中の有機物の割合が過多となる。
分散媒としては、上記の導電性微粒子を分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を例示できる。これらのうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、また液滴吐出法への適用の容易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、より好ましい分散媒としては、水、炭化水素系化合物を挙げることができる。
上記導電性微粒子の分散液の表面張力は0.02N/m以上0.07N/m以下の範囲内であることが好ましい。液滴吐出法にて液体を吐出する際、表面張力が0.02N/m未満であると、配線パターン用機能液の組成物の吐出ノズル面に対する濡れ性が増大するため飛行曲りが生じやすくなり、0.07N/mを超えると吐出ノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないため吐出制御が困難になる。表面張力を調整するため、上記分散液には、基板との接触角を大きく低下させない範囲で、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節剤を微量添加するとよい。ノニオン系表面張力調節剤は、液体の基板への濡れ性を向上させ、膜のレベリング性を改良し、膜の微細な凹凸の発生などの防止に役立つものである。上記表面張力調節剤は、必要に応じて、アルコール、エーテル、エステル、ケトン等の有機化合物を含んでもよい。
上記分散液の粘度は1mPa・s以上50mPa・s以下であることが好ましい。液滴吐出法を用いて液体材料を液滴Lとして吐出する際、粘度が1mPa・sより小さい場合には吐出ノズル周辺部が配線パターン用機能液の流出により汚染されやすく、また粘度が50mPa・sより大きい場合は、流動抵抗が高くなり円滑な液滴Lの吐出が困難となる。
液滴Lを滴下するための液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換式、電気熱変換方式、静電吸引方式等が挙げられる。ここで、帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御して吐出ノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に30kg/cm2程度の超高圧を印加してノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進して吐出ノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散して吐出ノズルから吐出されない。また、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出して吐出ノズルから吐出させるものである。
また、電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、吐出ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。また、この他に、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式などの技術も適用可能である。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できるという利点を有する。なお、液滴吐出法により吐出される液体材料の一滴の量は例えば1〜300ナノグラムである。
滴下された液滴Lは、分散媒の除去及び膜厚確保のため、必要に応じて乾燥処理をする。乾燥方法は、例えば基板11を加熱する通常のホットプレート、電気炉などによる処理の他、ランプアニールによって行うこともできる。ランプアニールに使用する光の光源としては、特に限定されないが、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザ、アルゴンレーザ、炭酸ガスレーザ、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザなどを光源として使用することができる。これらの光源は一般には、出力10W以上5000W以下の範囲のものが用いられるが、本実施形態では100W以上1000W以下の範囲で十分である。
液滴L吐出後の乾燥膜は、導電性を得るために熱処理を行い、有機分を除去し金属粒子を残留させる必要があるため、液滴L吐出後の基板11には熱処理及び光処理が施される。
熱処理及び光処理は通常大気中で行なわれるが、必要に応じて、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中、または水素などの還元雰囲気中で行うこともできる。熱処理及び光処理の処理温度は、分散媒の沸点(蒸気圧)、雰囲気ガスの種類や圧力、微粒子の分散性や酸化性等の熱的挙動、コーティング材の有無や量、基材の耐熱温度などを考慮して適宜決定される。本実施形態では、吐出された液滴Lに対して、大気中クリーンオーブンにて280〜300℃で300分間の焼成が行われる。なお、例えば、有機銀化合物の有機分を除去するには、約200℃で焼成することが必要である。また、プラスチックなどの基板を使用する場合には、室温以上250℃以下で行うことが好ましい。以上により乾燥膜は微粒子間の電気的接触が確保され、導電性薄膜14に変換される。
次に、図4のステップS19では、図3(i)に示すように、ナノギャップを有する電子放出部13を形成する。電子放出部13を形成するための通電フォーミング処理について簡単に説明する。
図5は、通電フォーミング処理の電圧波形の例を示す図である。同図において、横軸が時間であり、縦軸が電圧を示す。通電フォーミングの電圧波形は、パルス波形が好ましい。なお、この通電フォーミング処理は、特許文献の特開2002−313220に開示されている。
図5(a)は、パルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印加する手法である。
図5(b)は、パルス波高値を増加させながら、電圧パルスを印加する手法である。
前述のいずれかの方法で、導電性薄膜14を通電フォーミング処理することで、電子放出部13を形成できる。
(電気光学装置の構成)
図6は、電気光学装置の概略構成を示した図であり、同図(a)は、図(b)中のC−C線に沿った断面構造を示す概略断面図であり、同図(b)は、概略平面図である。
図6(a)に示すように、電気光学装置70は、電子放出素子10が配列された基板11と、基板11に対向する表示基板71とを備えている。基板11と表示基板71とが、図示しない外枠部材を介して一定間隔に保たれ、これら基板11と表示基板71との間には、空間部72を備え、この空間部72は、10-7Torr(ニュートン/m2)程度の真空状態に封止されている。基板11上に、配線17と配線18とが形成されている。配線18に形成された第1電極24と配線17に形成された第2電極25との間にナノギャップを有する電子放出部13が形成されている。さらに、電子放出部13は、バリア膜15と絶縁膜16とが積層した絶縁層51の上に形成されていて、電子放出素子10を構成している。
表示基板71は、対向電極73と蛍光膜74と遮光膜75とを備えている。遮光膜75は、画素を区画するように電子放出素子10の配列に合わせて形成されており、画素間におけるクロストークや蛍光膜74による外光反射を低減する役割を果たす。材料としては、黒鉛など、導電性および遮光性のある材料が用いられる。蛍光膜74は、蛍光体を含んでおり、電子放出素子10からの放出電子の衝突によって蛍光体が発光することで、画素を点灯させる役割を果たす。基板11に配列された電子放出素子10は、ナノギャップを有する電子放出部13を備えている。そして、このナノギャップを有する電子放出部13が、蛍光膜74と対向する位置に配置されている。
ここで、電気光学装置70がカラー表示タイプの場合には、蛍光膜74は、画素ごとに三原色に対応する蛍光体で分けられて形成される。対向電極73には加速電圧(例えば、10kV程度)が印加され、蛍光膜74の蛍光体を励起させるのに十分なエネルギーを与えるために、放出電子を加速する役割を果たす。対向電極73には、例えば、ITO等の透明性導電体が用いられる。
図6(b)に示すように、基板11上には、配線17と配線18とが交差するように形成されている。配線17から延出して形成された第2電極25と、配線18から延出して形成された第1電極24とによって各画素に対応する電子放出素子10が配設された、いわゆる単純マトリクス型の素子配列を備えている。配線17には、電子放出素子10を1行(図のX軸方向の並び)ずつ順次駆動してゆくための走査信号が印加され、配線18には、走査信号により選択された行の電子放出素子10の電子放出を制御するための階調信号が印加されて、画素単位での電子放出が制御される。
電気光学装置70の構成は以上のようであって、配線17に印加する走査信号と配線18に印加する階調信号とを制御して、電子放出素子10から電子を放出させ、対向電極73で加速された放出電子が蛍光膜74に衝突することで、画素が点灯し、所望の画像が表示される。
以上のような実施形態では、次のような効果が得られる。
(1)バリア膜15と絶縁膜16とが積層した2層に積層された絶縁層51の上に電子放出部13を含む電子放出素子10を形成するから、基板11からのナトリウム等の拡散をより低減できるので、より安定した品質の電子放出素子10を提供できる。
(2)バリア膜15と絶縁膜16とを積層して絶縁層51を形成するだけで、特殊な基材を必要としないので、製造工程が簡略化され、効率的である。
(3)より安定した品質の電子放出素子10ができるので、安定した品質の電気光学装置70を提供できる。
(電子機器)
次に、本発明に係る電気光学装置70を備えた電子機器について説明する。
図7及び図8は、電子機器の一例を示す概略斜視図である。
図7を参照して、本実施形態に係る電子機器の具体例を説明する。
図7に示すように、電子機器としての携帯型情報処理装置700は、キーボード701と、情報処理本体703と、電気光学装置70を含む電気光学表示装置702と、を備えている。このような携帯型情報処理装置700のより具体的な例は、パーソナルコンピュータなどである。この携帯型情報処理装置700は、安定した品質の電子放出素子10を有するので、安定した表示ができる。
次に、図8を参照して、本実施形態に係る電子機器の具体例を説明する。
図8に示すように、電子機器としての電子ビーム露光装置800は、露光部850に、電子銃810を備えている。さらに、この電子銃810に、安定した品質の電子放出素子10を備えている。そして、この電子ビーム露光装置800は、前述の安定した品質の電子放出素子10を備えた電子銃810を搭載しているので、微細なパターンが要求されるようなナノメータレベルの高精度な描画ができる。
また、電子放出素子10を備える電子機器の別の例としては、電子の波動性を利用して、固体より放出する電子ビームの本数、放出方向、電子密度分布、輝度を制御することを特徴とするコヒーレント電子源および前記コヒーレント電子源を適用した、コヒーレント電子ビーム収束装置、電子線ホログラフィー装置、単色化型電子銃、電子顕微鏡、多数本コヒーレント電子ビーム作成装置、電子写真プリンタの描画装置等、他の電気光学装置を備えた電子機器とすることもできる。
以上、好ましい実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含み、本発明の目的を達成できる範囲で、他のいずれの具体的な構造及び形状に設定できる。
(変形例1)前述の実施形態で、絶縁膜16を形成する工程では、配線17を覆うように形成したが、これに限らない。例えば、配線18と配線17との交差部と導電性薄膜14が配置される箇所とに少なくとも形成されていればよい。このようにしても、2層に積層された絶縁層51が形成されるので、実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例2)前述の実施形態で、バリア膜15、絶縁膜16を形成する工程では、真空蒸着法又はスパッタリング法などの薄膜形成方法を採用したが、これに限らない。例えば、液滴吐出法で形成してもよい。このようにしても、バリア膜15、絶縁膜16を形成できるので、実施形態と同様の効果が得られる。
実施形態の電子放出素子の概略斜視図。 (a)〜(e)は、電子放出素子の製造工程を示す模式図。 (f)〜(i)は、電子放出素子の製造工程を示す模式図。 電子放出素子の製造工程を示すフローチャート。 通電フォーミングの電圧波形の例を示す図であり、(a)は、パルス波高値を定電圧にした図であり、(b)は、パルス波高値を増加した図。 電気光学装置の概略構成を示した図であり、(a)は、概略断面図。(b)は、概略平面図。 電子機器としての携帯型情報処理装置を示す概略斜視図。 電子機器としての電子ビーム露光装置を示す概略斜視図。
符号の説明
10…電子放出素子、11…基板、13…ナノギャップを有する電子放出部、14…導電膜としての導電性薄膜、15…第1絶縁膜としてのバリア膜、16…第2絶縁膜としての絶縁膜、17…第2配線としての配線、18…第1配線としての配線、22…Yコンタクトホール、23…Xコンタクトホール、24…第1電極、25…第2電極、51…バリア膜と絶縁膜とが積層した絶縁層、70…電気光学装置としての表示装置、71…表示基板、72…空間部、73…対向電極、74…蛍光膜、75…遮光膜、700…電子機器としての携帯型情報処理装置、800…電子機器としての電子ビーム露光装置、L…液滴、X…X方向、Y…Y方向。

Claims (4)

  1. 電子放出部を有する電子放出素子であって、
    基板上に形成された第1配線と、
    前記第1配線と交差するように形成された第2配線と、
    前記基板と前記第1配線とを覆うように形成された第1絶縁膜と、
    前記第2配線と前記第1絶縁膜とを覆うように形成された第2絶縁膜と、
    前記第1配線に接続する第1電極と、
    前記第2配線に接続する第2電極と、
    前記第1電極及び前記第2電極に形成された導電膜と、
    前記導電膜に前記電子放出部と、を備え、
    前記電子放出部が、前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜とが積層した絶縁層の上に配置されていることを特徴とする電子放出素子。
  2. 電子放出部を有する電子放出素子の形成方法であって、
    基板上に第1配線を形成する工程と、
    前記基板と前記第1配線とを覆うように第1絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1絶縁膜の上に第2配線を形成する工程と、
    前記第2配線と前記第1絶縁膜とを覆うように第2絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1配線に接続するように第1電極を形成する工程と、
    前記第2配線に接続するように第2電極を形成する工程と、
    前記第1電極及び前記第2電極に配置される導電膜を形成する工程と、
    前記導電膜に前記電子放出部を形成する工程と、を備え、
    前記電子放出部が、前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜とが積層した絶縁層の上に配置されていることを特徴とする電子放出素子の形成方法。
  3. 請求項1に記載の電子放出素子を備えていることを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項3に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする電子機器。
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