JPH09283064A - 画像形成装置およびその製造方法 - Google Patents

画像形成装置およびその製造方法

Info

Publication number
JPH09283064A
JPH09283064A JP9848996A JP9848996A JPH09283064A JP H09283064 A JPH09283064 A JP H09283064A JP 9848996 A JP9848996 A JP 9848996A JP 9848996 A JP9848996 A JP 9848996A JP H09283064 A JPH09283064 A JP H09283064A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
electron
wiring
thick film
wirings
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9848996A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuaki Oguri
宣明 大栗
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP9848996A priority Critical patent/JPH09283064A/ja
Publication of JPH09283064A publication Critical patent/JPH09283064A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、大型画像形成装置の配線を厚膜技
術を用いて形成したときに、酸化、腐食等による配線材
料の変質や劣化なく、配線の抵抗変動を生ずることがな
く、高品位な画像を実現しうる画像形成装置や配線基板
を提供することを目的とする。 【解決手段】 電子放出部と一対の素子電極からなる複
数の電子放出素子と、該電子放出素子に信号を供給する
厚膜法で形成された複数の配線とが形成された電子源基
板を具備する画像形成装置において、前記配線が厚膜法
で形成された保護膜で被覆されていることを特徴とする
画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置およ
び配線基板に関するもので、特に表面伝導型電子放出素
子を多数個備える画像形成装置および配線基板の新規な
構成及び製造方法に関する。
【従来の技術】従来より電子放出素子には大別して熱電
子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた2種類のもの
が知られている。冷陰極電子放出素子には電界放出型
(以下、「FE型」という。)、金属/絶縁層/金属型
(以下、「MIM型」という。)や表面伝導型電子放出
素子等がある。FE型の例としてはW.P.Dyke&
W.W.Doran“Field Emissio
n”,Advance inElectron Phy
sics,8,89(1956)あるいはC.A.Sp
indt“Physical Properties
of thin−film field emissi
on cathodes with molybden
ium cones”,J.Appl.Phys.,4
7,5248(1976)等に開示されたものが知られ
ている。MIM型ではC.A.Mead,“Opera
tion of Tunnel−Emission D
evices”,J.Appl.Phys.,32,6
46(1961)等に開示されたものが知られている。
【0002】表面伝導型電子放出素子型の例としては、
M.I.Elinson,Radio Eng.Ele
ctron Phys.,10,1290(1965)
等に開示されたものがある。表面伝導型電子放出素子
は、基板上に形成された小面積の薄膜に膜面に平行に電
流を流すことにより、電子放出が生ずる。この表面伝導
型電子放出素子としては、前記エリンソン等によるSn
2薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの[G.Di
ttmer:Thin Solid Films,9,
317(1972)]、In23/SnO2薄膜による
もの[M.Hartwell and C.G.Fon
stad:IEEE Trans.EDConf.,5
19(1975)]、カーボン薄膜によるもの[荒木久
他:真空、第26巻、第1号、22頁(1983)]
等が報告されている。
【0003】上述の表面伝導型電子放出素子は構造が単
純で製造も容易であることから、大面積にわたって多数
素子を配列形成できる利点がある。そこでこの特徴を活
かした荷電ビーム源、表示装置等の応用研究がなされて
いる。多数の表面伝導型放出素子を配列形成した例とし
ては、後述する様に梯型配置と呼ぶ並列に表面伝導型電
子放出素子を配列し、個々の素子の両端を配線(共通配
線とも呼ぶ)で、それぞれ結線した行を多数行配列した
電子源があげられる。(例えば、特開昭64−0313
32、特開平1−283749、特開平2−25755
2等)また、特に表示装置等の画像形成装置において
は、近年、液晶を用いた平板型表示装置がCRTに替わ
って普及してきたが、自発光型でないためバックライト
を持たなければならない等の問題点があり、自発光型の
表示装置の開発が望まれてきた。自発光型表示装置とし
ては表面伝導型放出画像形成装置素子を多数配置した電
子源と電子源より放出された電子によって、可視光を発
光せしめる蛍光体とを組み合わせた表示装置である画像
形成装置があげられる(例えば、USP506688
3)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上説
明したような表面伝導型電子放出素子を画像表示装置と
して大面積化するには以下のような課題がある。前記表
面伝導型電子放出素子の製造工程において電極や配線パ
ターンを加工する場合、基板上に電極及び配線材料の金
属薄膜を成膜し、これを通常のフォトリソグラフィー、
エッチング技術を用いてパターン加工が行われ、電極や
配線パターンが形成される。しかし、例えば、40cm
角以上の大型基板上にフォトリソグラフィー、エッチン
グ技術により製造する場合、蒸着装置を初め、露光装
置、エッチング装置等を含む大型製造設備が必要となり
莫大な費用がかかるだけでなく、基板を大型化した場
合、製造装置自体の大型化が困難となり製造方法上、あ
るいはコスト上の問題があった。また、大面積化するこ
とで電極の増加、配線数の増加により構造が複雑化す
る。また製造工程の増加や複雑化やこれに伴う、断線や
短絡等の欠陥が発生しやすくなり、歩留まりが低下する
等の問題があった。
【0005】そこで、大型の素子基板の製造方法におい
て、その配線の形成に印刷法が用いられる場合があっ
た。しかし、このような厚膜技術を用いても、酸化、腐
食等による配線材料の変質や劣化が起こり、配線の抵抗
値変動のために、画像にムラが生ずる場合があった。
【0006】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、例えば40cm以上の大型であっても、配
線の抵抗変動を生ずることがなく、高品位な画像を実現
しうる画像形成装置や配線基板を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、厚膜法で形成
された複数の配線が、厚膜法で形成された保護膜で被覆
されていることを特徴とする配線基板に関する。
【0008】また本発明は、電子放出部を有する導電性
薄膜および一対の素子電極からなる複数の電子放出素子
と、該電子放出素子に信号を供給する厚膜法で形成され
た複数の配線とが形成された電子源基板を具備する画像
形成装置において、前記配線が厚膜法で形成された保護
膜で被覆されていることを特徴とする画像形成装置に関
する。
【0009】さらに本発明は、基板上に導電性ペースト
を厚膜法により塗布し焼成して複数の配線を形成する工
程と、該配線の表面に厚膜法で保護膜を形成する工程を
含む製造方法に関する。
【0010】さらに本発明は、電子放出部を有する導電
性薄膜および一対の素子電極からなる複数の電子放出素
子と、該電子放出素子に信号を供給する厚膜法で形成さ
れた複数の配線とが形成された電子源基板を具備する画
像形成装置の製造方法において、基板に導電性ペースト
を厚膜法により塗布し焼成して複数の配線を形成する工
程と、該配線の表面に厚膜法で保護膜を形成する工程を
含む画像形成装置の製造方法に関する。
【0011】本発明においては、厚膜法で形成された配
線を、厚膜法で形成された保護膜で覆うことにより、配
線の耐酸化性、耐腐食性が向上するので配線抵抗が変動
することがなく、大面積化の際に問題となっていた配線
抵抗の増大による画像むらの発生を防止できる。また、
例えば電子源駆動時に発熱があっても配線材料が飛散す
ることがなく電気的信頼性の向上を図ることができる。
さらに、保護膜を厚膜法で形成するので、簡単な工程で
大面積画像形成装置または配線基板に適用できる。ま
た、この保護膜が、誘電体厚膜ペーストからなるとき
は、絶縁膜としての働きもあるので、配線が交差するマ
トリックス駆動である場合には交差部の層間絶縁膜とす
ることもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
を説明する。第1図は本発明の画像形成装置の電子源基
板部分である。ここでは、不図示の基板上に対して電子
放出素子を3×3個、計9個を行列状にマトリクス配線
した例を示すが、このような配置に限定されるものでは
ない。図中、11、12は一対の素子電極、13はX方
向配線、15はY方向配線である。X方向配線13をX
方向の保護膜14が、Y方向配線15をY方向の保護膜
16がそれぞれ覆っている。保護膜14はまた、X方向
配線とY方向配線の層間絶縁膜としても機能している。
また、17は導電性薄膜であり、後に電子放出部が形成
される。これらのものは以下の製造工程に説明するよう
な材料で形成されている。
【0013】第2図はこの電子源基板の製造工程を示し
たものである。先ず、予め洗浄された基板19に、素子
電極の印刷、焼成を行い、一対の素子電極11、12を
形成する(図2(a))。ここで、基板19としては、
石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、
青板ガラス、青板ガラスにスパッタ法等により形成した
SiO2 を積層したガラス基板等、及びアルミナ等のセ
ラミック等があげられる。また、素子電極は導電性薄膜
と配線とのオーム接触を良好にするために設けられるも
のである。通常、素子電極は、配線用の導体層と比べて
著しく薄い膜であるために「ヌレ性」、「段差保持性」
等の問題を回避するために設けているものである。配線
用の導体層を、例えばスパッタリング法等により薄膜で
構成する場合は必ずしも設ける必要はなく、配線導体と
同時に形成することが可能である。
【0014】素子電極11、12の電極間隔は数μmか
ら数百μm、膜厚は数百オングストロームから数千オン
グストロームで、真空蒸着法やスパッタ蒸着法等によっ
て形成された金属薄膜をフォトリソグラフ法によってパ
ターニングすることにより形成される。素子電極の材料
としては導電性を有するものであればどのような物であ
っても構わないが、例えば、Ni、Cr、Au、Mo、
W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属あるいは合
金、及びPd、Ag、Au、RuO2 、Pd−Ag等の
金属あるいは金属酸化物とガラス等から構成される印刷
導体、及びポリシリコン等の半導体導体材料、及びポリ
シリコン等の半導体材料、及びIn2 3 −SnO2
の透明導電体等があげられる。
【0015】素子電極の形成方法としては、蒸着法、ス
パッタリング法、プラズマCVD法等の真空系を用いる
方法や、触媒に金属成分及びガラス成分を混合した厚膜
ペーストを印刷、焼成することにより形成する厚膜印刷
法がある。本発明の効果を最大限に引き出すには、フォ
トリソグラフィ工程を必要としない厚膜印刷法用いるの
が最も工程の短縮が図られる。しかしながら、電子放出
部近傍の素子電極は膜厚が薄い方が望ましい。そこで、
厚膜印刷法を用いる場合は、使用するペーストとして、
有機金属化合物により構成されたMODペーストを使用
することが望ましい。もちろん、これ以外の成膜方法を
用いても差し支えなく、また構成材料として、電気伝導
性のある材料であれば、特に限定されるものではない。
【0016】次に、X方向配線13を形成する(図2
(b))。このときX方向配線13の形成と同時に素子
電極12の長手方向と接続される。本発明では、配線層
は厚膜法により形成される。厚膜法とは、例えばスクリ
ーン印刷法等によって形成されるものであり、この配線
層の厚さは5μm以上が好ましい。この配線層は、素子
電極部分とは異なり膜厚が厚い方が電気抵抗を低減する
ことができるので、単層で比較的厚い膜が得られる導電
性厚膜ペーストを用いた厚膜印刷法が有利である。この
配線はさらに印刷後焼成して形成される。
【0017】ここで用いられる導電性厚膜ペーストは、
前記のような厚さに印刷ができて、形成後に配線として
の導電性を示すものであれば制限はないが、酸化鉛を主
成分とするガラスバインダーに導電性の材料の微粒粉を
混合した導電性厚膜ペーストが好ましい。
【0018】続いて、X方向の保護膜14を形成する
(図2(c))。この保護膜14は、X方向配線13の
表面を被覆するように形成する。この保護膜も厚膜法で
形成されることが好ましい。保護膜14の構成材料は、
誘電体厚膜ペーストであり、絶縁性を保てるものであっ
て印刷後焼成して形成できるものであれば特に制限はな
いが、例えば酸化鉛等の金属酸化物を主成分とするガラ
スバインダーを、樹脂、溶剤等に混合したもの等を挙げ
ることができる。そして、これらのものは印刷後に焼成
して保護膜を形成する。
【0019】次に、Y方向配線15を形成する(図2
(d))。このときY方向配線15の形成と同時に素子
電極11の長手方向と垂直に接続形成される。形成方法
および用いられる材料等は、X方向配線13と同様であ
る。
【0020】続いて、前記のX方向の保護膜14形成と
同様にY方向の保護膜16を形成する(図2(e))。
形成方法および用いられる材料等はX方向配線の保護膜
14と同様である。
【0021】次に導電性薄膜17を素子電極にまたがる
ように形成する(図2(f))。形成方法は、例えば、
全面に膜形成した後フォトリソグラフィー等によってパ
ターニングを行うことで導電性薄膜17を形成する。材
料の具体例を挙げるならばPt、Ru、Ag、Au、T
i、In、Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、
Pb等の金属、PdO、SnO2 、In23 、Pb
O、Sb23 等の酸化物、HfB2 、ZrB2 、La
6 、CeB6 、YB4 、GdB4 等のホウ化物、Ti
C、ZrC、HfC、TaC、SiC、WC等の炭化
物、TiN、ZrN、HfN等の窒化物、Si、Ge等
の半導体、カーボン、AgMg、NiCu、Pb、Sn
等であり、微粒子膜からなる。なお、ここで述べる微粒
子膜とは、複数の微粒子が集合した膜であり、その微細
構造として、微粒子が個々に分散配置した状態のみなら
ず、微粒子が互いに隣接、あるいは重なり合った状態
(島状も含む)の膜をさす。
【0022】以上のような工程で、本発明の画像形成装
置の電子源基板が完成する。本願の画像形成装置は、こ
のような電子源基板を用いた種々の画像形成装置を包含
するものであり、テレビジョン放送の表示装置、テレビ
会議システムやコンピューター等の表示装置の他、感光
性ドラム等を用いて構成された光プリンターとしての画
像形成装置等としても用いることができる。以上、本発
明の適用例として、画像形成装置の例を説明したが、本
発明はこれに限らず、回路基板等にも適用できる。又、
当然の事ながら、適用できる電子放出素子は、上記表面
伝導型に限らず、FE型等にも適用できる。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げてさらに本発明を詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0024】[実施例1]第1の実施例を第1図、第2
図(a)〜(f)を参照しつつ説明する。第1図は本発
明の電子源により構成された画像形成装置の代表的な素
子構成の上面図を示す。第2図(a)〜(f)は本発明
の製造工程を表わす上面図を示す。第2図(a)〜
(f)では不図示の基板上に対して電子放出素子を3×
3個、計9のみを代表して取り上げた。先ず、洗浄され
たガラス基板(ここでは、ソーダライムガラス基板を使
用)に、一対の素子電極11、12を形成する。本実施
例では、膜の成膜方法として厚膜印刷法を使用した。こ
こで使用した厚膜ペースト材料は、有機金属化合物であ
るMODペーストで、金属成分はPtである。印刷の方
法はスクリーン印刷法を用いた。所望のパターンに印刷
の後、70℃で10分乾燥し、次に本焼成を実施する。
焼成温度は550℃で、ピーク保持時間は約8分であ
る。印刷、焼成後のパターンは片側の素子電極12が3
50×200μm、片側の素子電極11が500×15
0μmと左右非等長のパターンを形成した。尚、膜厚は
約0.3μmであった(図2(a))。
【0025】次にX方向配線13を形成する。このと
き、X方向配線13は素子電極12に配線形成と同時に
接続される。本実施例では、X方向配線13の形成方法
として厚膜スクリーン印刷法を用いた。ペースト材料は
一般に、酸化鉛を主成分とするガラスバインダーに導電
性材料微粒粉を混合したものである。本実施例では、導
電性材料がAgのペーストを使用した。所望のパターン
でスクリーン印刷を行い、110℃で20分の乾燥を行
った後、550℃、ピーク保持時間15分の焼成を行っ
て、幅100μm、厚み12μmのX方向配線13を得
た(図2(b))。
【0026】続いて、X方向配線13とY方向配線15
の層間絶縁膜を兼ねたX方向の保護膜14を形成する。
本実施例ではX方向の保護膜14の形成方法として厚膜
スクリーン印刷法を用いた。ペースト材料は酸化鉛を主
成分としてガラスバインダー及び樹脂を混合した厚膜ペ
ーストである。厚膜ペーストにより形成される膜は通
常、ポーラスな膜となる。このため、X方向配線の保護
膜14はX方向配線13とY方向配線15の層間絶縁膜
を兼ねているため、保護膜であると共に層間絶縁膜とし
ての機能をもたせなければならない。そこでXY両方向
配線層間の絶縁性を確保するためには、印刷、焼成を2
回ずつ実施して2層とすることが望ましい。これは1回
目の印刷焼成後に再度印刷を行い、1回目に形成された
膜のポーラス状態を埋め込む様にして2回目の膜を印
刷、焼成することにより、絶縁性が確保される事にな
る。本実施例もこれに従い、X方向配線の保護膜14の
印刷、焼成を2回繰り返した。形成方法は厚膜スクリー
ン印刷法を用いた。所望のパターンでX方向配線13を
被覆するようにスクリーン印刷を行い、110℃で20
分の乾燥を行った後、550℃、ピーク保持時間15分
の焼成を行って、幅500μm、厚み約30μmの保護
膜14を得た(図2(c))。
【0027】続いて、Y方向配線15を形成する。この
ときY方向配線15は素子電極11に配線形成と同時に
接続される。形成方法はY方向配線13と同様の厚膜ス
クリーン印刷法を用いた。使用した厚膜ペースト材料
は、X方向配線13と同じく、厚膜ペーストで金属成分
はAgである。所望のパターンでスクリーン印刷の後、
110℃で20分の乾燥を行った後、550℃でピーク
保持時間15分の焼成を行って、幅300μm、厚み1
2μmのY方向配線16を得た(図2(d))。
【0028】最後に、Y方向配線の保護膜16を形成す
る。形成方法はX方向配線の保護膜14の形成と同様の
厚膜スクリーン印刷法を用いた。ここでのペースト材料
もX方向配線の保護膜14と同様に、酸化鉛を主成分と
してガラスバインダー及び樹脂を混合した厚膜ペースト
を用いた。Y方向配線の保護膜16の形成ではX方向配
線の保護膜14とは異なり、層間絶縁膜としての機能は
必要なく、保護膜なので1層とした。所望のパターンで
Y方向配線15を被覆するようにスクリーン印刷を行
い、110℃で20分の乾燥を行った後、550℃、ピ
ーク保持時間は15分の焼成を行って幅400μm、厚
み15μmのY方向の保護膜16を得た(図2
(e))。
【0029】以上で、マトリクス配線の部分が完成す
る。もちろん、ペースト材料、印刷方法等はここに記し
たものに限るものではない。
【0030】マトリクス配線完成後、電子放出部を形成
する。先ず、上記印刷法で形成された電子放出部への通
電用の一対の素子電極11、12の上層に有機パラジウ
ム{CCP4230、奥野製薬工業(株)}をスピナー
により回転塗布後、300℃で10分間の加熱処理を行
いPdOからなる電子放出部形成用薄膜17を形成す
る。このようにして形成された電子放出部形成用薄膜1
7は、Pdを主元素とする微粒子から構成され、その膜
厚は10ナノメートル、シート抵抗は5×104Ω/□
であった。尚、ここで述べる微粒子膜は複数の微粒子が
集合した膜であり、その微細構造として微粒子が個々に
分散した状態のみならず、微粒子が互いに隣接、あるい
は重なり合った状態(島状も含む)の膜をもさし、その
粒径とは、前記状態で粒子形状が認識可能な微粒子につ
いての径をいう。このパラジウム膜をフォトリソグラフ
ィー法を用いて、パターニングする事により、フォーミ
ング前までの電子源基板の製造工程が完了する(図2
(f)。
【0031】次に、以上のようにして作成した表面伝導
型電子放出素子を有する電子源基板を用いて画像形成装
置を構成した例を、図3を用いて説明する。本発明のマ
トリクス配線に多数の表面伝導型電子放出素子を作成し
た電子源基板71をリアプレート81上に固定した後、
電子源基板71の5mm上方に、フェースプレート86
(ガラス基板83の内面に蛍光膜84とメタルバック8
5が構成される)を支持枠82を介して配置し、フェー
スプレート86、支持枠82、リアプレート81の接合
部にフリットガラスを塗布し、大気中あるいは窒素雰囲
気中で400℃ないし500℃で10分以上焼成するこ
とで封着した。また、リアプレート81への電子源基板
71の固定もフリットガラスで行った。
【0032】図3において、74は表面伝導型電子放出
素子、72、73はそれぞれX方向配線、Y方向配線で
ある。蛍光膜84はモノクロームの場合は蛍光体のみか
ら成るが、本実施例では蛍光体はストライプ形状を採用
し、先にブラックストライプを形成し、その間隙部に各
蛍光体を塗布し、蛍光膜84を作成した。ブラックスト
ライプの材料は、通常、良く用いられている黒鉛を主成
分とする材料を用いた。ガラス基板83に蛍光体を塗布
する方法はスラリー法を用いた。また、蛍光膜84の内
面側には通常、メタルバック85が設けられる。メタル
バックは、蛍光膜84作製後、蛍光膜84の内面側表面
の平滑化処理(通常、フィルミングと呼ばれる)を行
い、その後、Alを真空蒸着することで作製した。
【0033】フェースプレート86には更に蛍光膜84
の導電性を高めるために、蛍光膜84の外面側に透明電
極(不図示)が設けられる場合もあるが、本実施例で
は、メタルバック85のみで十分な導電性が得られたの
で省略した。前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体と表面伝導型電子放出素子74とを対応させなく
てはいけないため、十分な位置合せを行った。
【0034】以上のようにして完成したガラス容器内の
雰囲気を排気管(図示せず)を通じ真空ポンプにて排気
し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dxl〜Dx
mとDyl〜Dynを通じ、表面伝導型電子放出素子7
4の素子電極間に電圧を印加し、電子放出部形成用薄膜
004を通電処理(フォーミング処理)すると、この薄
膜が変質し電子放出部ができた。フォーミング処理の電
圧波形を図4に示す。図4中、T1及びT2は電圧波形
のパルス幅とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1
ミリ秒、T2を10ミリ秒とし、三角波の波高値(フォ
ーミング時のピーク電圧)は14Vとし、フォーミング
処理は1×10-6[Torr]の真空雰囲気下で60秒
間行った。
【0035】このように作成された電子放出部はパラジ
ウム元素を主成分とする微粒子が分散配置された状態と
なり、その微粒子の平均粒径は30オングストロームで
あった。
【0036】次に、10-6[Torr]程度の真空度
で、不図示の排気管をガスバーナーで熱することで溶着
し、外囲器の封止を行った。最後に封止後の真空度を維
持するために、ゲッター処理を行った。これは封止を行
う直前、あるいは封止後に抵抗加熱あるいは高周波加熱
等の加熱法により、画像形成装置内の所定の位置(不図
示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する
処理である。ゲッターは通常Ba等が主成分であり、該
蒸着膜の吸着作用により、例えば1×10-5ないし1×
10-7[Torr]の真空度を維持するものである。
【0037】以上のように完成した本発明の画像形成装
置において、各表面伝導型電子放出素子74には、容器
外端子Dxl〜Dxm、Dyl〜Dynを通じて、走査
信号及び変調信号を不図示の信号発生手段を用いてそれ
ぞれ、印加することにより、電子放出させ、高圧端子H
vを通じて、メタルバック85に5KV以上の高圧を印
加し、電子ビームを加速して、蛍光膜84に衝突させ、
励起、発行させることで画像を表示した。
【0038】本実施例の画像形成装置は、このように簡
単な方法で配線保護層を形成することで、大型の画像形
成装置であっても配線の酸化・腐食によると思われる抵
抗値の増大による輝度ムラ等のない良好な画像を数ケ月
に渡り表示できた。
【0039】[実施例2]第2の実施例を第5図(a)
〜(d)を参照しつつ説明する。第5図(a)〜(d)
は本発明の製造工程を表わす上面図であり、代表して3
素子のみを取り上げている。実施例1とまったく同様に
して、膜厚約0.3μmの一対の素子電極21、22を
形成した(図5(a))。
【0040】次に、短冊状のライン配線23を形成す
る。このとき、短冊状のライン配線23は素子電極2
1、22に配線形成と同時に各々接続形成した。形成は
実施例1における配線形成と同じようにして幅300μ
m、厚み12μmの短冊状のライン配線23を得た(図
5(b))。
【0041】続いて、短冊状の保護膜24を形成する。
形成方法は実施例1における保護膜形成と同じようにし
て幅400μm、厚み約15μmの短冊状の保護膜24
を得た(図5(c))。以上で短冊状のライン配線の部
分が完成する。もちろん、ペースト材料、印刷方法等は
実施例1同様にここに記したものに限るものではない。
【0042】続いて、導電性薄膜25を形成する。形成
方法は実施例1と同様にして形成した(図5(d))。
次に、以上の様にして作成した電子源基板に対して、実
施例1と同様にしてフォーミング処理し、電子放出部を
形成した。
【0043】本構成の電子源を用いた画像形成装置を図
6に示す。電子放出部を複数の短冊状のライン配線に面
状に配置し、この配線と直交して、電子放出部上部に開
口12を有する複数の短冊状グリッド電極120を配置
させ、電子放出素子配線とグリッド電極に印加する駆動
電圧を制御して、任意の電子放出素子より電子放出させ
ることができた。
【0044】更に、実施例1と同様に、本実施例の電子
源を真空容器内に複数配置し、フェースプレートを対向
させて、電子放出素子より放出された電子線を蛍光体に
選択的に照射することによって蛍光体を発光させること
により、画像形成装置とすることができ、又、実施例1
と同様に、配線の酸化・腐食等はなかった。
【0045】[実施例3]更に、本発明の応用として、
上記実施例1及び実施例2の電子源の形成方法により、
アレイ状の発光素子を作成し、感光性ドラム上に配置す
ることにより、電子写真機録装置を構成する事ができ
た。この場合も、同様の効果を得る事ができた。
【0046】[実施例4]以下に本発明を配線基板(プ
リント基板、回路基板)に適用した例を図7を用いて説
明する。本実施例では、素子電極を設けないこと以外
は、実施例1と同様の材料、方法により製造した。先
ず、洗浄されたガラス基板(ここでは、ソーダライムガ
ラスを使用)に、X方向配線13を幅100μm、厚み
12μmで形成した(図7(a))。続いて、X方向の
保護膜14を印刷、焼成を2回繰り返し、幅500μ
m、厚み約30μmで形成した(図7(b))。
【0047】続いて、Y方向配線15を、幅300μ
m、厚み12μmで形成した(図7(c))。最後に、
Y方向配線の保護膜16をY方向配線15を被覆するよ
うに幅400μm、厚み15μmで形成した(図7
(d))。
【0048】このようにして簡単な構成および工程で得
られた配線基板は、耐酸化性、耐腐食性が向上した。
【0049】
【発明の効果】本発明においては、厚膜法で形成された
配線を、厚膜法で形成された保護膜で覆うことにより、
配線の耐酸化性、耐腐食性が向上するので配線抵抗が高
抵抗化することがなく、大面積化の際に問題となってい
た配線抵抗の変動による画像むらの発生を防止できる。
また、例えば電子源駆動時に発熱があっても配線材料が
飛散することがなく電気的信頼性の向上を図ることがで
きる。さらに、保護膜を厚膜法で形成するので、簡単な
工程で大面積画像形成装置または配線基板に適用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の電子源基板を示す図で
ある。
【図2】本発明の画像形成装置の電子源基板の製造工程
を示す図である。
【図3】本発明の画像形成装置を示す図である。
【図4】本発明において、電子放出部を形成するときの
通電フォーミング波形である。
【図5】本発明の画像形成装置の電子源基板(はしご
型)の製造工程を示す図である。
【図6】本発明の画像形成装置(はしご型)を示す図で
ある。
【図7】本発明の配線基板の製造工程を示す図である。
【符号の説明】
11、12 素子電極 13 X方向配線 14 X方向の保護膜 15 Y方向配線 16 Y方向の保護膜 17 導電性薄膜 19 基板 21、22 素子電極 23 短冊状のライン配線 24 保護膜 25 導電性薄膜 71、110 電子源基板 72 X方向配線 73 Y方向配線 74 表面伝導型電子放出素子 81 リアプレート 82 支持枠 83 ガラス基板 84 蛍光膜 85 メタルバック 86 フェースプレート 88 外囲器 120 グリッド電極 121 開口部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚膜法で形成された複数の配線が、厚膜
    法で形成された保護膜で被覆されていることを特徴とす
    る配線基板。
  2. 【請求項2】 前記保護膜が、誘電体厚膜ペーストから
    なることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  3. 【請求項3】 電子放出部を有する導電性薄膜および一
    対の素子電極からなる複数の電子放出素子と、該電子放
    出素子に信号を供給する厚膜法で形成された複数の配線
    とが形成された電子源基板を具備する画像形成装置にお
    いて、 前記配線が厚膜法で形成された保護膜で被覆されている
    ことを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記保護膜が、誘電体厚膜ペーストから
    なることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 基板上に導電性ペーストを厚膜法により
    塗布し焼成して複数の配線を形成する工程と、該配線の
    表面に厚膜法で保護膜を形成する工程を含む請求項1ま
    たは2に記載の配線基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 電子放出部を有する導電性薄膜および一
    対の素子電極からなる複数の電子放出素子と、該電子放
    出素子に信号を供給する厚膜法で形成された複数の配線
    とが形成された電子源基板を具備する画像形成装置の製
    造方法において、 基板に導電性ペーストを厚膜法により塗布し焼成して複
    数の配線を形成する工程と、該配線の表面に厚膜法で保
    護膜を形成する工程を含む請求項3または4に記載の画
    像形成装置の製造方法。
JP9848996A 1996-04-19 1996-04-19 画像形成装置およびその製造方法 Pending JPH09283064A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9848996A JPH09283064A (ja) 1996-04-19 1996-04-19 画像形成装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9848996A JPH09283064A (ja) 1996-04-19 1996-04-19 画像形成装置およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09283064A true JPH09283064A (ja) 1997-10-31

Family

ID=14221074

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9848996A Pending JPH09283064A (ja) 1996-04-19 1996-04-19 画像形成装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09283064A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006228444A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Seiko Epson Corp 電子放出素子、電子放出素子の製造方法、及び電気光学装置、並びに電子機器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006228444A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Seiko Epson Corp 電子放出素子、電子放出素子の製造方法、及び電気光学装置、並びに電子機器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3217629B2 (ja) 電子源、該電子源を用いた画像形成装置、前記電子源の製造方法および前記画像形成装置の製造方法
JP3372720B2 (ja) 電子源基板および画像形成装置ならびにそれらの製造方法
JPH09245649A (ja) 平板型表示パネルの製造方法、平板型表示パネル及び平板型画像形成装置
JP3397520B2 (ja) 電子源、表示パネルおよび画像形成装置ならびにそれらの製造方法
JP3222338B2 (ja) 電子源および画像形成装置の製造方法
JPH09283064A (ja) 画像形成装置およびその製造方法
JPH09283061A (ja) 画像形成装置およびその製造方法
JP3402891B2 (ja) 電子源および表示パネル
JP3450533B2 (ja) 電子源基板および画像形成装置の製造方法
JP3332673B2 (ja) 電子源基板および画像形成装置ならびにそれらの製造方法
JP3450581B2 (ja) 配線基板および画像形成装置の製造方法
JP3397468B2 (ja) 電子源基板及び画像形成装置の製造方法
JP3459705B2 (ja) 電子源基板の製造方法、及び画像形成装置の製造方法
JP2000021305A (ja) 画像表示装置の製造方法
JP3472033B2 (ja) 電子源基板の製造方法および画像形成装置の製造方法
JP3387710B2 (ja) 電子源基板の製造方法および画像形成装置の製造方法
JP3459720B2 (ja) 電子源の製造方法および画像形成装置の製造方法
JP3450565B2 (ja) 電子源基板および画像形成装置の製造方法
JPH09245690A (ja) マトリクス配線の製造方法、電子源の製造方法、電子源及び該電子源を具備した画像表示装置
JP3478661B2 (ja) 電子源の製造方法および画像形成装置の製造方法
JPH09219163A (ja) 配線形成方法、該方法により形成したマトリクス配線、電子源の製造方法、電子源及び画像表示装置
JPH09219147A (ja) 電子源の製造方法、該方法により製造される電子源及び画像表示装置
JPH09245695A (ja) 電子源および画像形成装置、並びにこれらの製造方法
JPH09199008A (ja) 電子源およびその製造方法、表示パネルならびに画像形成装置
JPH1039788A (ja) 電子源基板、及び画像表示装置