JP2004309936A - 液晶装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶装置を小型化するとともに、液晶装置の製造の際のFPCの位置決めの工程に於ける作業を治具を使用せずに容易にするとともに、当該位置合わせの不良に起因する表示の不良を防止し、製造の歩留り及び製品の信頼性を向上することとともにコストダウンを目的とする。
【解決手段】FPC8の先端部8aをレーザ光切断装置30により、切断、分割した第1基板1の端面1aに突き当てるとともに、FPC8の側端部8cを第1基板1の両側端1cのいずれか一方に目視により、位置決めして熱圧着する。
【選択図】 図2
【解決手段】FPC8の先端部8aをレーザ光切断装置30により、切断、分割した第1基板1の端面1aに突き当てるとともに、FPC8の側端部8cを第1基板1の両側端1cのいずれか一方に目視により、位置決めして熱圧着する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶装置及びその製造方法に関し、特に、液晶装置の基板の延出部において、TAB(テープ・オートマティド・ボンディング)、COF(チップ・オン・テープ)方式等により、実装された駆動用回路部材である駆動用ICに、表示信号を供給するFPC(フレキシブル・プリント基板)を前記延出部に配設してなる液晶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯電話、PDA、携帯TV等の情報端末機器に用いられる液晶装置は、小型で薄型に適した液晶セルが一般的に用いられている。そして、近年は、かかる液晶装置に関し、小型でありながら、表示あるいは画像を形成するための情報量が増大してきている。そのため、表示の高精細化が要求されるようになってきた。すなわち、液晶装置を構成する対向する2枚の液晶を駆動するための電極が配設された基板の間に液晶を枠状のシール材で封止した液晶セルの電極の配線数を増加させ、しかも液晶を駆動するための駆動回路を含む液晶装置全体を、小型、薄型に構成することが要望されている。そして、この要望に答えるために、液晶装置を構成する液晶セルを構成する基板上に、液晶を駆動するための駆動用ICを実装し、液晶装置に信号を供給する外部回路と接続するためのFPC(フレキシブル回路基板)を異方性導電接着材(樹脂よりなる絶縁樹脂に少なくとも導電粒子を混入した異方性導電接着材)等により、接続した液晶装置が製品化されている。
【0003】
以下に図12及び図13を用いて従来例1を説明する。
図12及び図13は、液晶を駆動するための回路部材である図示しない駆動用集積回路(駆動用IC)を実装した(駆動用ICを実装しない場合もある)FPCを備えた従来例1の液晶装置の主要部の構成を示す。図12は、従来例1の一部破断した平面図、図13は、図12のC−C線に沿う断面図である。
【0004】
図12及び図13において、110は液晶装置、101は第1基板、102は第2基板である。図13において、105は、第1基板101の下面に形成された第1透明電極であり、106は、第2基板102の面上に形成された第2透明電極である。第1基板101と第2基板102は、第2基板に延出部102aを残すようにして、液晶104を封止するための間隙を設け、互いに重ね合わされる。該間隙の周囲には、絶縁性接着材又は異方性導電接着材よりなるシール部材103が形成されて、第1基板101と第2基板102が接着される。該シール部材103は、図示しない液晶注入口を残して、間隙を有して重ね合わされた領域の周辺を取り囲むように形成される。該シール部材103の内側に液晶104の注入空間が形成される。該注入空間に液晶104を注入し、表示領域を形成する。このように、液晶セルが構成されている。該表示領域において、第1透明電極105と第2透明電極106の間の液晶104には、液晶駆動電圧が印加されて、所定の表示がなされる。
【0005】
第2基板102の延出部102aの面上には、第2透明電極106が配設されている。さらに、第2透明電極106の電極配線106aの近傍に反射部材よりなる1対の位置決めマークM1が設けられている。また、異方性導電接着材を用いたシール部材103は、該シール部材103内に含有された導電粒子を介して、第1透明電極105の電極配線を、第2基板102の延出部102aの面上に引き出すトランスファー方式を用いた液晶セルにおいても、上記と同様の位置決めマークM1が設けられる。
【0006】
駆動用IC(図示せず)を実装したFPC108の下面に配線パターン108bが配設されている。該配線パターン108bは、絶縁性接着材に導電粒子を混入した(さらに、絶縁粒子を混入する場合もある)接着接続部材である異方性導電接着材をフイルム状にした異方性導電接着フィルム107を用いて第2基板102の電極配線106aに熱圧着することで、対応する電極配線106aと接続され、且つ、接着される。該電極配線106aは、FPC108を介して制御回路や駆動回路が実装された外部回路基板(図示せず)と熱圧着接続されることになる。
【0007】
前記熱圧着の工程においてFPC108は、その外端のコーナー部108cを目視により、略L字形状をなす位置決めマークM1の内端部に位置決めして、熱圧着される。該FPC108が異方性導電接着フィルム107を介して、第2基板102の延出部102aの面上の所定の位置に接着及び接続された後、図示しない樹脂材により、延出部102aに配設された第2透明電極106の露出した電極部分及びFPC108の接続部が防湿のための絶縁性樹脂材によりオーバーコートされ、各透明電極の接続部分が汚れ、ゴミや水分から保護される。前記配線パターン108bと第2透明電極106との接続が行われれる。さらに、上記トランスファー方式の液晶セルにおいては、第2基板102の延出部102aに引き出された第1透明電極105の電極配線105aと他の配線パターン108bとが異方性導電接着フィルム107を用いて接続される。
【0008】
また、FPCの位置決め方法として、図14及び図15に示す従来例2がある。図14は、従来例2の一部破断した平面図、図15は、図14のD−D線に沿う断面図である。尚、従来例1と同一構成については、同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
従来例2における液晶装置110−1は、一対の位置決めピンP1を備えた治具G上に、液晶セルが所定の方法により設置される。下面に配線パターン108bが配設されFPC108−1は、一対の位置決めピンP1と同様のピッチ寸法とピン外径に嵌合する内径を有する一対の位置決め孔108hを備えている。該FPC108−1は、異方性導電接着フィルム107を介して、一対の位置決めピンP1に一対の位置決め孔108hを嵌合させた後に熱圧着され、第2基板102の延出部102aの面上に配設された電極配線106a(105a)との所定の位置に接続される。
【0009】
さらに、FPCの位置決め方法として、図16に示す従来例3がある。図16は、従来例3の一部破断した平面図である。尚、従来例1と同一構成については、同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
従来例1と同様構成の液晶装置110−2は、第2透明電極106(図2参照)の電極配線106aの近傍に反射部材よりなる少なくとも1つの位置決めマークM2が設けられ、且つ、一対の位置決めピンP2を備えた治具G1上に、前記液晶セルが所定の方法により設置される。上記従来例1と同様構成のFPC108−2の幅W2は、一対の位置決めピンP2の内端寸法W3とW2≦W3の関係を有する。熱圧着の工程においてFPC108−2は、従来例1、2と同様に、異方性導電接着フィルム107を介して、一対の位置決めピンP2の間に配設され、FPC108−2の先端部108aを目視により、位置決めマークM2の内端部に位置決めした後に熱圧着され、第2基板102の延出部102aの面上に配設された電極配線106a(105a)との所定の位置に接続される。
【0010】
上記した従来例1乃至従来3例の液晶装置110、110−1、110−2の構成において、外部回路からFPC108、108−1、108−2を介して図示しないところの第2基板上に実装された駆動用ICの入力端子に表示信号が伝わり、さらに駆動用ICから第2基板102の上の電極配線106a(105a)に表示信号が伝わる。前記FPC108、108−1、108−2の位置決めが正しく行われ接続位置が正常の場合は、第2透明電極106の電極配線106a(105a)を介して第2透明電極106及び第1透明電極105に駆動用ICからの所定の駆動電圧が印加され、表示領域に表示信号に基づく所定の表示が行われる。
【0011】
図17は、従来の液晶装置を構成する液晶セルの製造工程フローチャート図、図18は、X方向スクライブ工程から2次ブレーク工程までを示す概略工程図、図19は、図18のE−E線に沿う拡大断面図、図20は、FPCの接続工程に於ける電極接続部に対する配線パターンのズレ又は、斜交を示す概略平面図である。
【0012】
図15乃至図19に基づいて液晶装置100を構成する液晶セルの製造工程を説明する。
(A)電極形成工程において、複数の第1基板101が1枚の大型基板に形成された第1大型基板111及び複数の第2基板102が1枚の大型基板に形成された第2大型基板112のそれぞれの対向面に、図13に示す第1透明電極105と第2透明電極106を形成する。例えば、第1大型基板111には第1透明電極105が所定の第1基板の取り個数分形成され、第2大型基板112には第2透明電極106が、所定の第2基板の取り個数分形成される。
(B)配向膜・ラビング工程では、第1透明電極105が形成された第1大型基板111に配向膜を形成し、焼成した後にラビングを施す。また、第2透明電極106が形成された第2大型基板112についても同様に配向膜を形成し、焼成した後にラビングを施す。
(C)シール部形成工程では、一方の基板、例えば第1大型基板111に液晶を封止するためシール部材103を形成する。そして、他方の基板、例えば第2大型基板112の配向膜上にギャップ材を散布する。尚、シール部材103の形成及びギャップ材の散布は上述の形態に限られるものではなく、他方の基板、例えば第2大型基板112に液晶104(図13参照)を封止するためシール部材103を形成して、一方の基板、第1大型基板111の配向膜上にギャップ材を散布してもよい。
(D)貼り合せ工程では、上記(A)乃至(C)の工程を経た第1大型基板111及び第2大型基板112を貼り合わせて大型液晶パネル120を製造する。
(E)X方向スクライブライン工程では、上記大型液晶パネル120の両面に、例えばダイヤモンドチップによって、スクライブラインXLを形成する。
(F)1次ブレーク工程では、ブレーク部材B(図19参照)によって曲げ応力を与えて、分割し、短冊状の液晶パネル121(図18参照)を形成する。
(G)液晶注入工程では、上記短冊状の液晶パネル121の封止口(図示せず)を介して真空注入法等により、液晶104(図13)を注入し、封止樹脂で封止して2次ブレーク工程に移送される。
(H)Y方向スクライブライン工程では、上記短冊状の液晶パネル121に、1次ブレーク工程と同様にダイヤモンドチップによって、スクライブラインYLを形成する。
(I)2次ブレーク工程では、上記短冊状の液晶パネル121をブレーク部材によって曲げ応力を与えて、分割し、液晶装置110を構成する液晶セルの大きさに形成する。
【0013】
上記液晶セルのその後の実装工程について述べるならば、
(J)洗浄工程では、液晶セルの完成体を洗浄する。
(K)偏光板取付工程では、液晶セルへ偏光板を接着する。
(L)FPC接続工程では、熱圧着により、FPC108と第2基板102とを異方性導電フィルム107により接続し、且つ接着する。
(M)オーバーコート工程では、上述したように第2基板の延出部102a上の露出した電極配線106a(105a)及びFPC108との接着部分及びその周辺をオーバーコートする。
(N)点灯検査工程では、完成した液晶装置110に通電し、液晶104の励起、表示状態の検査を順次行う。
【0014】
【特許文献1】
特開2002−311452号公報
【特許文献2】
特開平11−71124号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の液晶装置及びその製造方法においては、以下の問題点を有していた。
(1)液晶装置110、110−1、110−2は、位置決めマークM−1、M−2を設ける隙間S(図13参照)を確保する必要があり、該隙間S分だけ液晶装置110、110−1、110−2の寸法が大きくなった。
(2)上記の1次及び2次ブレーク工程において、大型液晶パネル120及び短冊状の液晶パネル121は、ダイヤモンドチップによってそれぞれスクライブラインを形成した後、分割されるが、図19に示すように、これらのスクライブラインの切削幅は、約200μであるが、切断切り代S1として2〜3mm必要である。この切断切り代S1が多数個取りの場合、累積によって、第1大型基板111及び第2大型基板112の寸法が大きくなった。
(3)また同工程において、ダイヤモンドチップによってそれぞれスクライブラインを形成した後、分割するため、チッピング片が多数生じ、その破片を除去するための洗浄を行わなければならなかった。
(4)同様に、ブレーク部材Bが大型液晶パネル120及び短冊状の液晶パネル121に接触して分断することからブレーク部材Bに異物が付着していると液晶パネル表面に傷を付けることがあった。
(5)さらに、ブレーク部材Bによる破壊力が小さいので、シール部材103を含めて分割することができず、シール部材103を避けて分割していた。そのため、洗浄工程において、図19のS2部に水分が滞留し、短絡することがあり、図13に示すように分割後に、シール端部材103aを塗布していた。該シール端部材103aにFPC108の先端部108aが乗り上げて接続、接着されることがあり、FPC108の接続不良が発生した。
(6)上記製造工程(L)FPC接続工程において、位置決めマークM1に対し、FPC108の縦方向と横方向の位置決めが必要となるので、正確な位置合わせが困難であり、位置決め作業に多くの時間を費やした。
(7)配線パターン108bの延長上を前後としたときに、左右の位置決めマークM1の内端部に対し、同時に位置合わせすることは、困難である。例えば左側の位置決めマークM1に対して位置決めを行った後に、右側の位置決めマークM1に対し位置決めを行う。このとき、既に位置決めした左側の位置決めマークM1に対する2次的な位置ズレが生じるので、これを無くすための更なる位置合わせが必要となる等々の要因により位置決めの工数が大となる。
(8)上記(7)項の不具合は、図20に示すように、FPC108は、電極配線106a(105a)に対する配線パターン108bのズレ又は斜交を生じ、所定の1:1の接続ができなくなる。その結果FPC108の伝達する表示信号を電極配線106aを介して駆動用ICに正しく入力することができず、ショートなどの接続不良を生ずる場合がある。この場合、図示しない駆動用ICの出力が異常となり、図13に示す第2透明電極106及び第1透明電極105に、所定の駆動電圧を加えることができず表示が不良となる。
(9)従来例2及び従来例3の上記製造工程(L)FPC接続工程において、FPC108−1、108−2のズレ又は、斜交を防止するため、一対の位置決めピンP、P1を備えた治具G、G1を設けねばならず、穴挿入工数及び冶具製造と管理工数の費用を必要とする等の問題点を有していた。
【0016】
本発明は、従来の液晶装置が有する上記の問題点を改善することを課題とする。そして本発明は、かかる課題を解決することにより、液晶装置を小型化するとともに、液晶装置の製造の際のFPCの位置決めの工程に於ける作業を治具を使用せずに容易にするとともに、当該位置合わせの不良に起因する表示の不良を防止し、製造の歩留り及び製品の信頼性を向上することとともにコストダウンを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明は、 少なくとも第1電極を有する第1基板と第2電極を有する第2基板をそれぞれの電極が対向するように間隙を設けて配設すると共に、前記間隙の周囲に液晶を封止するシール部材を配設し、このシール部材の内側に液晶を注入して封止した構成を有する液晶セルであり、前記第1基板が前記第2基板の端面よりより延出した延出部を設けこの延出部に外部回路に接続されるFPCが接着された液晶装置において、
前記第2基板と前記第1基板の延出部とで形成される段差部の側面に前記FPCの端部の辺の少なくとも一部が接触して前記延出部に配設されたことを特徴とする液晶装置である。
【0018】
さらに、前記延出部には液晶を駆動するための集積回路が実装されており、前記延出部に配設される前記FPCは前記集積回路と重なる部分に切り欠きが設けられていることを特徴とする液晶装置である。
【0019】
さらに、前記段差部の前記側面と前記FPCの端部の辺の接触した部位に、絶縁性樹脂材が配設されたことを特徴とする液晶装置である。
【0020】
また、少なくとも第1電極を有する第1基板と第2電極を有する第2基板をそれぞれの電極が対向するように間隙を設けて配設すると共に、前記間隙の周囲に液晶を封止するシール部材を配設し、このシール部材の内側に液晶を注入して封止した構成を有する液晶セルであり、前記第1基板が前記第2基板の端面よりより延出した延出部を設けこの延出部に外部回路に接続されるFPCが接着された液晶装置の製造方法において、前記第1基板と接続する側の前記FPCの端部が前記第1基板に突き当てられることにより位置決めされて前記FPCを前記延出部に配設することを特徴とする液晶装置の製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、図1及び図2に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1及び図2は、液晶を駆動するための回路部材である図示しない駆動用ICを実装したFPC又は、外部回路基板と接続するためのFPCを備えた本発明の第1の実施の形態の液晶装置の主要部の構成を示す。図1は、本発明の第1の実施の形態の一部破断した平面図、図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。
【0022】
図1及び図2において、10は液晶装置、1は第1基板、2は第2基板である。
図2において、5は、第1基板1の下面に形成された第1透明電極であり、6は、第2基板2の面上に形成された第2透明電極である。第1基板1と第2基板2は、第2基板に延出部2aを残すようにして、液晶4を封止するための間隙を設け、互いに重ね合わされる。該間隙の周囲には、絶縁性接着材又は異方性導電接着材よりなるシール部材3が形成されて、第1基板1と第2基板2が接着される。該シール部材3は、図示しない液晶注入口を残し、間隙を有して重ね合わされた領域の周辺を取り囲むように形成される。該シール部材3の内側に液晶4の注入空間が形成される。該注入空間に液晶4を注入し、表示領域を形成する。このように、液晶セルが構成されている。該表示領域において、第1透明電極5と第2透明電極6の間の液晶4には、液晶駆動電圧が印加されて、所定の表示がなされる。
【0023】
第2基板2の延出部2aの面上には、第2透明電極6の電極配線6aが配設されている。また、シール部材3として異方性導電接着材を用いて、該シール部材3内に含有された導電粒子を介して、第1透明電極5を、第2基板2の延出部2aの面上に引き出すトランスファー方式を用いた液晶セルの場合は、電極配線5aが第2透明電極6の電極配線6aとともに延出部2aの面上に配設されている。
【0024】
本発明の実施形態でのFPC8の幅W1は、第2基板2の延出部2aの基板幅WとW=W1の関係を有するようにした。幅方向の位置あわせを基板の側面、すなわち幅方向で位置決めするためである。
一方、W<W1、W>W1の関係であってもよい。このときには、幅方向の位置あわせをするための位置あわせのためのマークを、FPC8あるいは第2の基板に設けておくのがよい。
FPC8の下面に配線パターン8bが配設されている。該配線パターン8bは、絶縁性接着材に導電粒子を混入した(さらに、絶縁粒子を混入する場合もある)異方性導電接着材をフイルム状にした異方性導電接着フィルム7を用いて熱圧着することで対応する電極配線6aと接続され、且つ、接着される。該電極配線6aは、FPC8を介して図示しない外部回路と接続されることになる。トランスファー方式を用いた液晶セルの場合は、電極配線6aとともに電極接続部5aが接続され、且つ、接着される。
【0025】
上記熱圧着の工程においてFPC8は、その先端部8aを第1基板1の端面1aに突き当てるとともに、側端部8cを第2基板2の両側端2bのいずれか一方に目視により、位置決めして、熱圧着される。該FPC8が異方性導電接着フィルム7を介して、第2基板2の延出部2aの面上の所定の位置に接続された後、図示しない樹脂材により、第1基板の端面1aを含む範囲がオーバーコートされ、各透明電極の接続部分が保護される。さらに、第2基板2と前記第1基板1の延出部2aとから形成される第1基板の端面1aを含む段差部NからFPC8の先端部8aの辺の接触した部位に発生する剥がれ及び防湿のために絶縁性樹脂材であるモールド材13が覆うように配設されている。また、上記トランスファー方式の液晶セルにおいては、前記した配線パターン8bと第2透明電極6の接続に加えて、第2基板2の延出部2aに引き出された第1透明電極5の電極接続部5aとが異方性導電接着フィルム7を用いて接続される。
【0026】
また、FPCの位置決め方法として、図3に示す本発明の第2の実施の形態がある。図3は、第2の実施の形態の一部破断した平面図である。尚、上記第1の実施の形態と同一構成については、同一符号を付して、詳細な説明を省略する。第2の実施の形態の液晶装置10−1は、第1基板1と第2基板2は、第2基板に延出部2aを残すようにして、液晶4(図2参照)を封止するための間隙を設け、互いに重ね合わされる。間隙の周囲には、シール部材3が形成されて、第1基板1と第2基板2が接着される。該シール部材3は、図示しない液晶注入口を残して、間隙を有して重ね合わされた領域の周辺を取り囲むように形成される。該シール部材3の内側に液晶の注入空間が形成される。該注入空間に液晶を注入し液晶注入口を封口し、表示領域を形成する。このように、液晶セルが構成されている。該表示領域において、第1透明電極5(図2参照)と第2透明電極6(図2参照)の間の液晶4には、液晶駆動電圧が印加されて、所定の表示がなされる。
図3では、FPC8の幅W1(図2参照)は、第2基板2の延出部2aの基板幅W(図2参照)とW>W1の関係を有するようにした。
【0027】
第2の実施の形態の液晶装置10−1は、上記熱圧着の工程においてFPC8−1は、第1の実施の形態と同様に、異方性導電接着フィルム7を介装して成される。また、FPC8−1の先端部は櫛歯状に複数の凹部8dが凹設されている。該凹部8dの幅W4は、第2基板2上の電極配線6a(5a)の所定の本数幅と同寸法に設定されている。そして、FPC8−1の先端部8aを第1基板1の端面1aに突き当てるとともに、目視により、凹部8d内に該凹部8dと対向する所定の電極配線6a(5a)を収めるように位置決めした後、熱圧着する。このようにして第2基板2の延出部2aの面上に配設された電極配線6a(5a)の接続部とFPC8−1の配線パターン8bの接続部とが所定の位置で接続される。また、上記した複数の凹部8dは、段差部Nを覆うように配設されるモールド材13に完全に覆われるからFPC8−1の先端部8aの辺の接触した部位に発生する剥がれ及び防湿効果が第1の実施の形態よりも高くなる。
【0028】
上記した第2の実施の形態の液晶装置10−1の構成において、図示しない制御回路や駆動回路が実装された外部回路基板からFPC8−1を介して液晶装置10−1の入力端子に表示信号が伝わり、第2基板2の上の電極配線6a(5a)の接続部に表示信号が伝わる。前記FPC8−1の位置決めが正しく行われ接続位置が正常の場合は、第2透明電極6の電極配線6a(5a)を介して第2透明電極6及び第1透明電極5に駆動電圧が印加され、表示領域に表示信号に基づく所定の表示が行われる。
【0029】
また、FPCの位置決め方法として、図4に示す本発明の第3の実施の形態がある。図4は、第3の実施の形態の一部破断した平面図である。本実施例の場合、FPC8の幅W2が第2基板2の延出部2aの基板幅Wより、寸小でW>W2の関係式を有する。尚、上記第1の実施の形態と同一構成については、同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
第1基板1と第2基板2は、第2基板に延出部2aを残すようにして、液晶4を封止するための間隙を設け、互いに重ね合わされる。間隙の周囲には、シール部材3が形成されて、第1基板1と第2基板2が接着される。該シール部材3は、図示しない液晶注入口を残して、間隙を有して重ね合わされた領域の周辺を取り囲むように形成される。該シール部材3の内側に液晶の注入空間が形成される。該注入空間に液晶を注入し液晶注入口を封口し、表示領域を形成する。このように、液晶セルが構成されている。該表示領域において、第1透明電極5(図2参照)と第2透明電極6(図2参照)の間の液晶4には、液晶駆動電圧が印加されて、所定の表示がなされる。
【0030】
第3の実施の形態の液晶装置10−2は、第2透明電極6の電極配線6aの接続部の近傍に少なくとも1つの反射部材よりなる位置決めマークMが設けられている。また、シール部材3として異方性導電接着材を用いて、該シール部材3内に含有された導電粒子を介して、第1透明電極5の電極配線5a(図2参照)を、第2基板2の延出部2aの面上に引き出すトランスファー方式を用いた液晶セルにおいても、上記と同様の位置決めマークMが設けられる。上記熱圧着の工程においてFPC8−2は、第1の実施の形態と同様に、異方性導電接着フィルム7を介装して、FPC8−2の先端部8aを第1基板1の端面1aに突き当てるとともに、FPC8−2の側端部8cを目視により、位置決めマークMの内端部に位置決めした後に熱圧着する。このようにして第2基板2の延出部2aの面上に配設された電極配線6a(5a)の接続部とFPC8−2の配線パターン8bの接続部とが所定の位置で接続される。
【0031】
上記した第3の実施の形態の液晶装置10−2の構成において、図示しない制御回路や駆動回路が実装された外部回路基板からFPC8−2を介して液晶装置10−2の入力端子に表示信号が伝わり、第2基板2の上の電極配線6a(5a)の接続部に表示信号が伝わる。前記FPC8−2の位置決めが正しく行われ接続位置が正常の場合は、第2透明電極6の電極配線6a(5a)を介して第2透明電極6及び第1透明電極5に駆動電圧が印加され、表示領域に表示信号に基づく所定の表示が行われる。
【0032】
また、FPCの位置決め方法として、図5に示す本発明の第4の実施の形態がある。図5は、第4の実施の形態の一部破断した平面図である。本実施例の場合、第2基板2の延出部2aの基板幅W及びFPC8−2の幅W2は、上記第3の実施の形態と同様の関係式を有する。尚、上記第2の実施の形態と同一構成については、同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
第1基板1と第2基板2は、第2基板に延出部2aを残すようにして、液晶4(図2参照)を封止するための間隙を設け、互いに重ね合わされる。間隙の周囲には、シール部材3が形成されて、第1基板1と第2基板2が接着される。該シール部材3は、図示しない液晶注入口を残して、間隙を有して重ね合わされた領域の周辺を取り囲むように形成される。該シール部材3の内側に液晶4の注入空間が形成される。該注入空間に液晶4を注入し液晶注入口を封止し、表示領域を形成する。このように、液晶セルが構成されている。該表示領域において、第1透明電極5(図2参照)と第2透明電極6(図2参照)の間の液晶4には、液晶駆動電圧が印加されて、所定の表示がなされる。
【0033】
第4の実施の形態の液晶装置10−3は、第2基板の延出部2aの近傍に少なくとも1つの位置決めピンPが設けられている。また、シール部材3として異方性導電接着材を用いて、該シール部材3内に含有された導電粒子を介して、第1透明電極5の電極配線を、第2基板2の延出部2aの面上に引き出すトランスファー方式を用いた液晶セルにおいても、上記と同様の1つの位置決めピンPが設けられる。上記熱圧着の工程においてFPC8−2は、第1及び第2の実施の形態と同様に、異方性導電接着フィルム7を介して、FPC8−2の先端部8aを第1基板1の端面1aに突き当てるとともに、FPC8−2の側端部8cを移動させ、位置決めピンPの内端面に突き当てて位置決めする。その後に、第2基板2の延出部2aの面上に配設された電極配線6a(5a)の接続部とFPC8−2の配線パターン8bを異方性導電接着フィルム7を介して熱圧着し、所定の位置に接続する。
【0034】
上記した第4の実施の形態の液晶装置10−3の構成において、図示しない外部回路からFPC8−2を介して第2基板2の上の電極配線6a(5a)に表示信号が伝わる。前記FPC8−2の位置決めが正しく行われ接続位置が正常の場合は、第2透明電極6の電極配線6a(5a)を介して第2透明電極6及び第1透明電極5に表示信号が伝わり、表示領域に表示信号に基づく所定の表示が行われる。
【0035】
さらに、COG(チップ・オン・グラス)方式の液晶装置におけるFPCの位置決め方法として、図6に示す本発明の第5の実施の形態がある。図6は、第5の実施の形態の一部破断した平面図である。尚、上記第1〜第4の実施の形態と同一構成については、同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
第5の実施の形態の液晶装置10−4は、第1基板1と第2基板2は、第2基板に液晶駆動する駆動用IC50を実装するための延出部2aを残すようにして、液晶4を封止するための間隙を設けて、互いに重ね合わされる。間隙の周囲には、シール部材3が形成されて、第1基板1と第2基板2が接着される。該シール部材3は、図示しない液晶注入口を残して、間隙を有して重ね合わされた領域の周辺を取り囲むように形成される。該シール部材3の内側に液晶の注入空間が形成される。該注入空間に液晶4を注入し、その後液晶注入口を封口し、表示領域を形成する。このように、液晶セルが構成される。該表示領域において、第1透明電極5(図2参照)と第2透明電極6(図2参照)の間の液晶4には、液晶駆動電圧が印加されて、所定の表示がなされる。
【0036】
液晶装置10−4は、上記熱圧着の工程においてFPC8−3は、第1の実施の形態と同様に、異方性導電接着フィルム7を介装して成される。また、FPC8−3の先端部は、駆動用IC50を囲むように設けられた切り欠き部18が凹設されている。該切り欠き部18の幅W5は、延出部2aに実装された駆動用IC50の幅と同じかそれ以上の幅の寸法に設定されている。そして、FPC8−3の先端部8aを第1基板1の端面1aに突き当てるとともに、切り欠き部18を駆動用IC50に差し込むように位置決めした後に熱圧着する。このようにして第2基板2の延出部2aの面上に配設された電極配線6a(5a)及び駆動用IC50の接続部とFPC8−3の配線パターン8bの接続部とが所定の位置で接続される。また、上記した切り欠き部18は、段差部N(図1参照)と駆動用IC50を覆うように配設されるモールド材13に覆われるからFPC8−3の先端部8aの辺の接触した部位に発生する剥がれ及び防湿効果が第2の実施の形態と同様に高くなる。
【0037】
上記した第5の実施の形態の液晶装置10−4の構成において、図示しない制御回路や駆動回路が実装された外部回路基板からFPC8−3を介して液晶装置10−4の入力端子に表示信号が伝わり、第2基板2の上の電極配線6a(5a)及び駆動用IC50の接続部に表示信号が伝わる。前記FPC8−3の位置決めが正しく行われ接続位置が正常の場合は、第2透明電極6の電極配線6a(5a)及び駆動用IC50の接続部を介して第2透明電極6及び第1透明電極5に駆動電圧が印加され、表示領域に表示信号に基づく所定の表示が行われる。
【0038】
図7は、本発明の液晶装置10(先の実施例の符号で、10−1〜10−4)を構成する液晶セルの製造工程フローチャート図、図8は、ブレーク工程を示す概略工程図、図9は、ブレーク工程に於けるレーザ光切断装置の概略機構図、図10は、液晶装置10を構成する大型液晶パネルのレーザ光切断部を示す部分拡大図、図11は、液晶装置10(先の実施例の符号で、10−1、10−2、10−3)のFPC接続工程に於けるFPC8、8−2の位置決め方法を示す概略図である。
【0039】
図7乃至図10に基づいて液晶装置10(先の実施例の符号で、10−1〜10−4)を構成する液晶セルの製造工程を説明する。
(A)電極形成工程において、第1基板1を複数個形成した第1大型基板11(図10参照)及び第2基板2を複数個形成した第2大型基板12(図10参照)のそれぞれの対向面に、図1に示す第1透明電極5と第2透明電極6を形成する。例えば、第1大型基板11には第1透明電極5が所定の取り個数分形成され、第2大型基板12には第2透明電極6が同様に形成される。
(B)配向膜・ラビング工程では、第1透明電極5が形成された第1大型基板11に配向膜を形成し、焼成した後にラビングを施す。また、第2透明電極6が形成された第2大型基板12についても同様に配向膜を形成し、焼成した後にラビングを施す。
(C)シール部形成工程では、一方の基板、例えば第1大型基板11に液晶を封止するため枠形状をなすシール部材3を複数個形成する。そして、他方の基板、例えば第2大型基板12の配向膜上にギャップ材を散布する。尚、シール部材3の形成及びギャップ材の散布は上述の形態に限られるものではなく、他方の基板、例えば第2大型基板12に液晶を封止するためシール部材3を形成して、一方の基板、第1大型基板11の配向膜上にギャップ材を散布してもよい。
(D)貼り合せ工程では、上記(A)乃至(C)の工程を経た第1大型基板11及び第2大型基板12を貼り合わせて大型液晶パネル20(図8及び図10参照)を製造する。
(E)1次ブレーク工程では、上記大型液晶パネル20は、レーザ光切断装置30(図9参照)によって切断、分割し、短冊状の液晶パネル21(図8参照)を形成する。
(F)液晶注入工程では、上記短冊状の液晶パネル21(図8参照)の液晶注入口(図示せず)を介して真空注入法等により、液晶4(図2参照)を枠状のシール部材3の中に注入し、封止樹脂で液晶注入口を封止して2次ブレーク工程に移送される。
(G)2次ブレーク工程では、上記短冊状の液晶パネル21を1次ブレーク工程と同様にレーザ光切断装置30(図9参照)によって分割し、液晶装置10を構成する液晶セルの大きさに形成する。
【0040】
上記液晶セルのその後の実装工程について述べるならば、
(H)洗浄工程では、液晶セルの完成体を洗浄する。
(I)偏光板取付工程では、液晶セルへ偏光板を接着する。
(J)FPC接続工程では、熱圧着により、FPC8と第2基板2とを異方性導電フィルム7により接続し、且つ接着する。
(K)オーバーコート工程では、第2基板の延出部2a上の露出した透明電極6a及びFPC8との接着部分及びその周辺をオーバーコートする。
(L)点灯検査工程では、完成した液晶装置10に通電し、液晶の励起、表示状態の検査を順次行う。
【0041】
次に、図9及び図10に基づいて、レーザ光切断装置30による切断、分割方法を詳細に説明する。
レーザ光切断装置30は、大型液晶パネル20及び短冊状の液晶パネル21を保持する保持部32を備えた装置本体31と、YAGレーザ方式によるレーザ光発生装置33から出力されたレーザ光40は、集光レンズ34によって、大型液晶パネル20及び短冊状の液晶パネル21の所定の位置に焦点41を結ぶ。そして、該焦点41を保持したまま、コントローラ35によって制御される。該コントローラ35の所定の制御によって、大型液晶パネル20は、図8に示す所定のブレイクラインXLに沿って、切断、分割される1次ブレーク工程を経て短冊状の液晶パネル21となる。該短冊状の液晶パネル21は、液晶注入工程を経た後、図8に示す所定のブレイクラインYLに沿って、切断、分割される2次ブレーク工程を経て液晶セルに分割される。
【0042】
レーザ光切断装置30は、装置本体31とレーザ光発生装置33が、X、Y方向にスライド可能な図示しない移動機構を備えている。該移動機構によって、コントローラ35に予め記憶された数値に基づいてブレイクラインが形成され、発生装置33が出力するレーザ光40によって、所定の分割ができる。また、レーザ光発生装置33は、大型液晶パネル20及び短冊状の液晶パネル21を挟んで上下のいずれか一方又は、両方に配置される。
【0043】
以上のように構成及び製造された液晶装置10は、以下の利点が得られる。
(1)レーザ光40によって、切断、分割される大型液晶パネル20及び短冊状の液晶パネル21のブレイクライン幅は、約25μで略0に近く、従来例のような切断切り代が不要になったため、液晶装置10の寸法を小さくできた。
(2)大型液晶パネル20及び短冊状の液晶パネル21のレーザ光40による切断面の平坦度が数μと高精度に仕上がるため、切断面である図2に示す第1基板1の端面1aが位置決めとして、使用が可能になった。従って、液晶装置10は、上述したように、FPC8の熱圧着の工程において、先端部8aを第1基板1の端面1aに突き当てによる位置決め方法が可能となった。
(3)上記(2)項の理由によって、従来例のような位置決めマークM1,M2が不要となるため、隙間Sを確保する必要がなく、液晶装置10の寸法を大幅に小さくできる。
(4)1次及び2次ブレーク工程に於いて、従来発生した基板の切断面がぎざぎざに欠けるチッピング片が生じていたが、レーザ光40による切断では、チッピングが発生しないのでそのための洗浄の簡素化が得られた。さらに、ブレーク部材が不要となり、大型液晶パネル20及び短冊状の液晶パネル21に非接触で分断することから、パネル表面に傷が付くことがない。
(5)また、従来の衝撃による切断と異なりレーザ光40による切断では、シール部材3を含めて損傷がなく分割することができるので、図19のS2部が形成されず、それに伴う、不具合も発生しない。
(6)上記製造工程(J)FPC接続工程において、図11(FPC8−1、8−3を省略)に示すように、FPC8、8−1、8−2、8−3の縦方向Yと横方向Xの位置決めが容易となるので、正確な位置合わせができ、位置決め時間が短くて済み、作業時間が短縮され、且つ、FPC8、8−1、8−2、8−3の位置ズレが生じないので、位置決め工数が少なくなる。
(7)上記(6)項の利点は、図1に示すように、FPC8は、所定の1:1の接続ができる。その結果FPC8の伝達する表示信号を、電極配線6a(5a)を介して駆動用ICに正しく入力することができ、入力ミスを生じず、第2透明電極6及び第1透明電極5に所定の駆動電圧を加えることができ、表示が不良がなくなる。
(8)同様に、上記製造工程(J)FPC接続工程において、FPC8、8−1、8−2、8−3のズレ又は斜交を防止することができるため一対の位置決めピンP1が左右いずれか一方に位置決めピンPを設けるだけで済むので、設備投資を少なくできる利点を得られた。また、該位置決めピンPを可動式とすることにより、FPC8−2の幅の違いに簡単に対応できる。
【0044】
【発明の効果】
上記したように本発明によれば、液晶装置の基板にFPCを直接実装してなる液晶装置において、その製造工程におけるFPCの位置決めを確実に、且つ、容易にできるようにし、その位置決め不良に起因する液晶装置の表示不良を効果的に防止することができる。よって、液晶装置に於いて製造の歩留まりと製品の信頼性を向上するとともに、工数低減により、製造コストを低減することができる効果があった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の一部破断した平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の一部破断した平面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の一部破断した平面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態の一部破断した平面図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態の一部破断した平面図である。
【図7】本発明の液晶装置を構成する液晶セルの製造工程フローチャート図である。
【図8】本発明の液晶装置を構成する液晶セルのブレーク工程を示す概略工程図である。
【図9】本発明の液晶装置を構成する液晶セルのブレーク工程に於けるレーザ光切断装置の概略機構図である。
【図10】本発明の液晶装置を構成する大型液晶パネルのレーザ光切断部を示す部分拡大図である。
【図11】本発明の液晶装置のFPC接続工程に於けるFPCの位置決め方法を示す概略図である。
【図12】従来例1の一部破断した平面図である。
【図13】図12のC−C線に沿う断面図である。
【図14】従来例2の一部破断した平面図である。
【図15】図14のD−D線に沿う断面図である。
【図16】従来例3の一部破断した平面図である
【図17】従来の液晶装置を構成する液晶セルの製造工程フローチャート図である。
【図18】従来の液晶装置を構成する液晶セルのX方向スクライブ工程から2次ブレーク工程までを示す概略工程図
【図19】図18のE−E線に沿う拡大断面図である。
【図20】従来の液晶装置のFPCの接続工程に於ける電極接続部に対する配線パターンのズレ又は、斜交を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 第1基板
2 第2基板
2a 延出部
3 シール部材
4 液晶
5a、6a 電極配線
6 第2透明電極
7 異方性導電フィルム
8、8−1、8−2、8−3 FPC
10、10−1、10−2、10−3、10−4 液晶装置
11 第1大型基板
13 モールド材
12 第2大型基板
20 大型液晶パネル
21 短冊状の液晶パネル
30 レーザ光切断装置
31 装置本体
32 保持部
33 レーザ光発生装置
34 集光レンズ
35 コントローラ
40 レーザ光
41 焦点
50 駆動用IC
P 位置決めピン
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶装置及びその製造方法に関し、特に、液晶装置の基板の延出部において、TAB(テープ・オートマティド・ボンディング)、COF(チップ・オン・テープ)方式等により、実装された駆動用回路部材である駆動用ICに、表示信号を供給するFPC(フレキシブル・プリント基板)を前記延出部に配設してなる液晶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯電話、PDA、携帯TV等の情報端末機器に用いられる液晶装置は、小型で薄型に適した液晶セルが一般的に用いられている。そして、近年は、かかる液晶装置に関し、小型でありながら、表示あるいは画像を形成するための情報量が増大してきている。そのため、表示の高精細化が要求されるようになってきた。すなわち、液晶装置を構成する対向する2枚の液晶を駆動するための電極が配設された基板の間に液晶を枠状のシール材で封止した液晶セルの電極の配線数を増加させ、しかも液晶を駆動するための駆動回路を含む液晶装置全体を、小型、薄型に構成することが要望されている。そして、この要望に答えるために、液晶装置を構成する液晶セルを構成する基板上に、液晶を駆動するための駆動用ICを実装し、液晶装置に信号を供給する外部回路と接続するためのFPC(フレキシブル回路基板)を異方性導電接着材(樹脂よりなる絶縁樹脂に少なくとも導電粒子を混入した異方性導電接着材)等により、接続した液晶装置が製品化されている。
【0003】
以下に図12及び図13を用いて従来例1を説明する。
図12及び図13は、液晶を駆動するための回路部材である図示しない駆動用集積回路(駆動用IC)を実装した(駆動用ICを実装しない場合もある)FPCを備えた従来例1の液晶装置の主要部の構成を示す。図12は、従来例1の一部破断した平面図、図13は、図12のC−C線に沿う断面図である。
【0004】
図12及び図13において、110は液晶装置、101は第1基板、102は第2基板である。図13において、105は、第1基板101の下面に形成された第1透明電極であり、106は、第2基板102の面上に形成された第2透明電極である。第1基板101と第2基板102は、第2基板に延出部102aを残すようにして、液晶104を封止するための間隙を設け、互いに重ね合わされる。該間隙の周囲には、絶縁性接着材又は異方性導電接着材よりなるシール部材103が形成されて、第1基板101と第2基板102が接着される。該シール部材103は、図示しない液晶注入口を残して、間隙を有して重ね合わされた領域の周辺を取り囲むように形成される。該シール部材103の内側に液晶104の注入空間が形成される。該注入空間に液晶104を注入し、表示領域を形成する。このように、液晶セルが構成されている。該表示領域において、第1透明電極105と第2透明電極106の間の液晶104には、液晶駆動電圧が印加されて、所定の表示がなされる。
【0005】
第2基板102の延出部102aの面上には、第2透明電極106が配設されている。さらに、第2透明電極106の電極配線106aの近傍に反射部材よりなる1対の位置決めマークM1が設けられている。また、異方性導電接着材を用いたシール部材103は、該シール部材103内に含有された導電粒子を介して、第1透明電極105の電極配線を、第2基板102の延出部102aの面上に引き出すトランスファー方式を用いた液晶セルにおいても、上記と同様の位置決めマークM1が設けられる。
【0006】
駆動用IC(図示せず)を実装したFPC108の下面に配線パターン108bが配設されている。該配線パターン108bは、絶縁性接着材に導電粒子を混入した(さらに、絶縁粒子を混入する場合もある)接着接続部材である異方性導電接着材をフイルム状にした異方性導電接着フィルム107を用いて第2基板102の電極配線106aに熱圧着することで、対応する電極配線106aと接続され、且つ、接着される。該電極配線106aは、FPC108を介して制御回路や駆動回路が実装された外部回路基板(図示せず)と熱圧着接続されることになる。
【0007】
前記熱圧着の工程においてFPC108は、その外端のコーナー部108cを目視により、略L字形状をなす位置決めマークM1の内端部に位置決めして、熱圧着される。該FPC108が異方性導電接着フィルム107を介して、第2基板102の延出部102aの面上の所定の位置に接着及び接続された後、図示しない樹脂材により、延出部102aに配設された第2透明電極106の露出した電極部分及びFPC108の接続部が防湿のための絶縁性樹脂材によりオーバーコートされ、各透明電極の接続部分が汚れ、ゴミや水分から保護される。前記配線パターン108bと第2透明電極106との接続が行われれる。さらに、上記トランスファー方式の液晶セルにおいては、第2基板102の延出部102aに引き出された第1透明電極105の電極配線105aと他の配線パターン108bとが異方性導電接着フィルム107を用いて接続される。
【0008】
また、FPCの位置決め方法として、図14及び図15に示す従来例2がある。図14は、従来例2の一部破断した平面図、図15は、図14のD−D線に沿う断面図である。尚、従来例1と同一構成については、同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
従来例2における液晶装置110−1は、一対の位置決めピンP1を備えた治具G上に、液晶セルが所定の方法により設置される。下面に配線パターン108bが配設されFPC108−1は、一対の位置決めピンP1と同様のピッチ寸法とピン外径に嵌合する内径を有する一対の位置決め孔108hを備えている。該FPC108−1は、異方性導電接着フィルム107を介して、一対の位置決めピンP1に一対の位置決め孔108hを嵌合させた後に熱圧着され、第2基板102の延出部102aの面上に配設された電極配線106a(105a)との所定の位置に接続される。
【0009】
さらに、FPCの位置決め方法として、図16に示す従来例3がある。図16は、従来例3の一部破断した平面図である。尚、従来例1と同一構成については、同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
従来例1と同様構成の液晶装置110−2は、第2透明電極106(図2参照)の電極配線106aの近傍に反射部材よりなる少なくとも1つの位置決めマークM2が設けられ、且つ、一対の位置決めピンP2を備えた治具G1上に、前記液晶セルが所定の方法により設置される。上記従来例1と同様構成のFPC108−2の幅W2は、一対の位置決めピンP2の内端寸法W3とW2≦W3の関係を有する。熱圧着の工程においてFPC108−2は、従来例1、2と同様に、異方性導電接着フィルム107を介して、一対の位置決めピンP2の間に配設され、FPC108−2の先端部108aを目視により、位置決めマークM2の内端部に位置決めした後に熱圧着され、第2基板102の延出部102aの面上に配設された電極配線106a(105a)との所定の位置に接続される。
【0010】
上記した従来例1乃至従来3例の液晶装置110、110−1、110−2の構成において、外部回路からFPC108、108−1、108−2を介して図示しないところの第2基板上に実装された駆動用ICの入力端子に表示信号が伝わり、さらに駆動用ICから第2基板102の上の電極配線106a(105a)に表示信号が伝わる。前記FPC108、108−1、108−2の位置決めが正しく行われ接続位置が正常の場合は、第2透明電極106の電極配線106a(105a)を介して第2透明電極106及び第1透明電極105に駆動用ICからの所定の駆動電圧が印加され、表示領域に表示信号に基づく所定の表示が行われる。
【0011】
図17は、従来の液晶装置を構成する液晶セルの製造工程フローチャート図、図18は、X方向スクライブ工程から2次ブレーク工程までを示す概略工程図、図19は、図18のE−E線に沿う拡大断面図、図20は、FPCの接続工程に於ける電極接続部に対する配線パターンのズレ又は、斜交を示す概略平面図である。
【0012】
図15乃至図19に基づいて液晶装置100を構成する液晶セルの製造工程を説明する。
(A)電極形成工程において、複数の第1基板101が1枚の大型基板に形成された第1大型基板111及び複数の第2基板102が1枚の大型基板に形成された第2大型基板112のそれぞれの対向面に、図13に示す第1透明電極105と第2透明電極106を形成する。例えば、第1大型基板111には第1透明電極105が所定の第1基板の取り個数分形成され、第2大型基板112には第2透明電極106が、所定の第2基板の取り個数分形成される。
(B)配向膜・ラビング工程では、第1透明電極105が形成された第1大型基板111に配向膜を形成し、焼成した後にラビングを施す。また、第2透明電極106が形成された第2大型基板112についても同様に配向膜を形成し、焼成した後にラビングを施す。
(C)シール部形成工程では、一方の基板、例えば第1大型基板111に液晶を封止するためシール部材103を形成する。そして、他方の基板、例えば第2大型基板112の配向膜上にギャップ材を散布する。尚、シール部材103の形成及びギャップ材の散布は上述の形態に限られるものではなく、他方の基板、例えば第2大型基板112に液晶104(図13参照)を封止するためシール部材103を形成して、一方の基板、第1大型基板111の配向膜上にギャップ材を散布してもよい。
(D)貼り合せ工程では、上記(A)乃至(C)の工程を経た第1大型基板111及び第2大型基板112を貼り合わせて大型液晶パネル120を製造する。
(E)X方向スクライブライン工程では、上記大型液晶パネル120の両面に、例えばダイヤモンドチップによって、スクライブラインXLを形成する。
(F)1次ブレーク工程では、ブレーク部材B(図19参照)によって曲げ応力を与えて、分割し、短冊状の液晶パネル121(図18参照)を形成する。
(G)液晶注入工程では、上記短冊状の液晶パネル121の封止口(図示せず)を介して真空注入法等により、液晶104(図13)を注入し、封止樹脂で封止して2次ブレーク工程に移送される。
(H)Y方向スクライブライン工程では、上記短冊状の液晶パネル121に、1次ブレーク工程と同様にダイヤモンドチップによって、スクライブラインYLを形成する。
(I)2次ブレーク工程では、上記短冊状の液晶パネル121をブレーク部材によって曲げ応力を与えて、分割し、液晶装置110を構成する液晶セルの大きさに形成する。
【0013】
上記液晶セルのその後の実装工程について述べるならば、
(J)洗浄工程では、液晶セルの完成体を洗浄する。
(K)偏光板取付工程では、液晶セルへ偏光板を接着する。
(L)FPC接続工程では、熱圧着により、FPC108と第2基板102とを異方性導電フィルム107により接続し、且つ接着する。
(M)オーバーコート工程では、上述したように第2基板の延出部102a上の露出した電極配線106a(105a)及びFPC108との接着部分及びその周辺をオーバーコートする。
(N)点灯検査工程では、完成した液晶装置110に通電し、液晶104の励起、表示状態の検査を順次行う。
【0014】
【特許文献1】
特開2002−311452号公報
【特許文献2】
特開平11−71124号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の液晶装置及びその製造方法においては、以下の問題点を有していた。
(1)液晶装置110、110−1、110−2は、位置決めマークM−1、M−2を設ける隙間S(図13参照)を確保する必要があり、該隙間S分だけ液晶装置110、110−1、110−2の寸法が大きくなった。
(2)上記の1次及び2次ブレーク工程において、大型液晶パネル120及び短冊状の液晶パネル121は、ダイヤモンドチップによってそれぞれスクライブラインを形成した後、分割されるが、図19に示すように、これらのスクライブラインの切削幅は、約200μであるが、切断切り代S1として2〜3mm必要である。この切断切り代S1が多数個取りの場合、累積によって、第1大型基板111及び第2大型基板112の寸法が大きくなった。
(3)また同工程において、ダイヤモンドチップによってそれぞれスクライブラインを形成した後、分割するため、チッピング片が多数生じ、その破片を除去するための洗浄を行わなければならなかった。
(4)同様に、ブレーク部材Bが大型液晶パネル120及び短冊状の液晶パネル121に接触して分断することからブレーク部材Bに異物が付着していると液晶パネル表面に傷を付けることがあった。
(5)さらに、ブレーク部材Bによる破壊力が小さいので、シール部材103を含めて分割することができず、シール部材103を避けて分割していた。そのため、洗浄工程において、図19のS2部に水分が滞留し、短絡することがあり、図13に示すように分割後に、シール端部材103aを塗布していた。該シール端部材103aにFPC108の先端部108aが乗り上げて接続、接着されることがあり、FPC108の接続不良が発生した。
(6)上記製造工程(L)FPC接続工程において、位置決めマークM1に対し、FPC108の縦方向と横方向の位置決めが必要となるので、正確な位置合わせが困難であり、位置決め作業に多くの時間を費やした。
(7)配線パターン108bの延長上を前後としたときに、左右の位置決めマークM1の内端部に対し、同時に位置合わせすることは、困難である。例えば左側の位置決めマークM1に対して位置決めを行った後に、右側の位置決めマークM1に対し位置決めを行う。このとき、既に位置決めした左側の位置決めマークM1に対する2次的な位置ズレが生じるので、これを無くすための更なる位置合わせが必要となる等々の要因により位置決めの工数が大となる。
(8)上記(7)項の不具合は、図20に示すように、FPC108は、電極配線106a(105a)に対する配線パターン108bのズレ又は斜交を生じ、所定の1:1の接続ができなくなる。その結果FPC108の伝達する表示信号を電極配線106aを介して駆動用ICに正しく入力することができず、ショートなどの接続不良を生ずる場合がある。この場合、図示しない駆動用ICの出力が異常となり、図13に示す第2透明電極106及び第1透明電極105に、所定の駆動電圧を加えることができず表示が不良となる。
(9)従来例2及び従来例3の上記製造工程(L)FPC接続工程において、FPC108−1、108−2のズレ又は、斜交を防止するため、一対の位置決めピンP、P1を備えた治具G、G1を設けねばならず、穴挿入工数及び冶具製造と管理工数の費用を必要とする等の問題点を有していた。
【0016】
本発明は、従来の液晶装置が有する上記の問題点を改善することを課題とする。そして本発明は、かかる課題を解決することにより、液晶装置を小型化するとともに、液晶装置の製造の際のFPCの位置決めの工程に於ける作業を治具を使用せずに容易にするとともに、当該位置合わせの不良に起因する表示の不良を防止し、製造の歩留り及び製品の信頼性を向上することとともにコストダウンを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明は、 少なくとも第1電極を有する第1基板と第2電極を有する第2基板をそれぞれの電極が対向するように間隙を設けて配設すると共に、前記間隙の周囲に液晶を封止するシール部材を配設し、このシール部材の内側に液晶を注入して封止した構成を有する液晶セルであり、前記第1基板が前記第2基板の端面よりより延出した延出部を設けこの延出部に外部回路に接続されるFPCが接着された液晶装置において、
前記第2基板と前記第1基板の延出部とで形成される段差部の側面に前記FPCの端部の辺の少なくとも一部が接触して前記延出部に配設されたことを特徴とする液晶装置である。
【0018】
さらに、前記延出部には液晶を駆動するための集積回路が実装されており、前記延出部に配設される前記FPCは前記集積回路と重なる部分に切り欠きが設けられていることを特徴とする液晶装置である。
【0019】
さらに、前記段差部の前記側面と前記FPCの端部の辺の接触した部位に、絶縁性樹脂材が配設されたことを特徴とする液晶装置である。
【0020】
また、少なくとも第1電極を有する第1基板と第2電極を有する第2基板をそれぞれの電極が対向するように間隙を設けて配設すると共に、前記間隙の周囲に液晶を封止するシール部材を配設し、このシール部材の内側に液晶を注入して封止した構成を有する液晶セルであり、前記第1基板が前記第2基板の端面よりより延出した延出部を設けこの延出部に外部回路に接続されるFPCが接着された液晶装置の製造方法において、前記第1基板と接続する側の前記FPCの端部が前記第1基板に突き当てられることにより位置決めされて前記FPCを前記延出部に配設することを特徴とする液晶装置の製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、図1及び図2に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1及び図2は、液晶を駆動するための回路部材である図示しない駆動用ICを実装したFPC又は、外部回路基板と接続するためのFPCを備えた本発明の第1の実施の形態の液晶装置の主要部の構成を示す。図1は、本発明の第1の実施の形態の一部破断した平面図、図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。
【0022】
図1及び図2において、10は液晶装置、1は第1基板、2は第2基板である。
図2において、5は、第1基板1の下面に形成された第1透明電極であり、6は、第2基板2の面上に形成された第2透明電極である。第1基板1と第2基板2は、第2基板に延出部2aを残すようにして、液晶4を封止するための間隙を設け、互いに重ね合わされる。該間隙の周囲には、絶縁性接着材又は異方性導電接着材よりなるシール部材3が形成されて、第1基板1と第2基板2が接着される。該シール部材3は、図示しない液晶注入口を残し、間隙を有して重ね合わされた領域の周辺を取り囲むように形成される。該シール部材3の内側に液晶4の注入空間が形成される。該注入空間に液晶4を注入し、表示領域を形成する。このように、液晶セルが構成されている。該表示領域において、第1透明電極5と第2透明電極6の間の液晶4には、液晶駆動電圧が印加されて、所定の表示がなされる。
【0023】
第2基板2の延出部2aの面上には、第2透明電極6の電極配線6aが配設されている。また、シール部材3として異方性導電接着材を用いて、該シール部材3内に含有された導電粒子を介して、第1透明電極5を、第2基板2の延出部2aの面上に引き出すトランスファー方式を用いた液晶セルの場合は、電極配線5aが第2透明電極6の電極配線6aとともに延出部2aの面上に配設されている。
【0024】
本発明の実施形態でのFPC8の幅W1は、第2基板2の延出部2aの基板幅WとW=W1の関係を有するようにした。幅方向の位置あわせを基板の側面、すなわち幅方向で位置決めするためである。
一方、W<W1、W>W1の関係であってもよい。このときには、幅方向の位置あわせをするための位置あわせのためのマークを、FPC8あるいは第2の基板に設けておくのがよい。
FPC8の下面に配線パターン8bが配設されている。該配線パターン8bは、絶縁性接着材に導電粒子を混入した(さらに、絶縁粒子を混入する場合もある)異方性導電接着材をフイルム状にした異方性導電接着フィルム7を用いて熱圧着することで対応する電極配線6aと接続され、且つ、接着される。該電極配線6aは、FPC8を介して図示しない外部回路と接続されることになる。トランスファー方式を用いた液晶セルの場合は、電極配線6aとともに電極接続部5aが接続され、且つ、接着される。
【0025】
上記熱圧着の工程においてFPC8は、その先端部8aを第1基板1の端面1aに突き当てるとともに、側端部8cを第2基板2の両側端2bのいずれか一方に目視により、位置決めして、熱圧着される。該FPC8が異方性導電接着フィルム7を介して、第2基板2の延出部2aの面上の所定の位置に接続された後、図示しない樹脂材により、第1基板の端面1aを含む範囲がオーバーコートされ、各透明電極の接続部分が保護される。さらに、第2基板2と前記第1基板1の延出部2aとから形成される第1基板の端面1aを含む段差部NからFPC8の先端部8aの辺の接触した部位に発生する剥がれ及び防湿のために絶縁性樹脂材であるモールド材13が覆うように配設されている。また、上記トランスファー方式の液晶セルにおいては、前記した配線パターン8bと第2透明電極6の接続に加えて、第2基板2の延出部2aに引き出された第1透明電極5の電極接続部5aとが異方性導電接着フィルム7を用いて接続される。
【0026】
また、FPCの位置決め方法として、図3に示す本発明の第2の実施の形態がある。図3は、第2の実施の形態の一部破断した平面図である。尚、上記第1の実施の形態と同一構成については、同一符号を付して、詳細な説明を省略する。第2の実施の形態の液晶装置10−1は、第1基板1と第2基板2は、第2基板に延出部2aを残すようにして、液晶4(図2参照)を封止するための間隙を設け、互いに重ね合わされる。間隙の周囲には、シール部材3が形成されて、第1基板1と第2基板2が接着される。該シール部材3は、図示しない液晶注入口を残して、間隙を有して重ね合わされた領域の周辺を取り囲むように形成される。該シール部材3の内側に液晶の注入空間が形成される。該注入空間に液晶を注入し液晶注入口を封口し、表示領域を形成する。このように、液晶セルが構成されている。該表示領域において、第1透明電極5(図2参照)と第2透明電極6(図2参照)の間の液晶4には、液晶駆動電圧が印加されて、所定の表示がなされる。
図3では、FPC8の幅W1(図2参照)は、第2基板2の延出部2aの基板幅W(図2参照)とW>W1の関係を有するようにした。
【0027】
第2の実施の形態の液晶装置10−1は、上記熱圧着の工程においてFPC8−1は、第1の実施の形態と同様に、異方性導電接着フィルム7を介装して成される。また、FPC8−1の先端部は櫛歯状に複数の凹部8dが凹設されている。該凹部8dの幅W4は、第2基板2上の電極配線6a(5a)の所定の本数幅と同寸法に設定されている。そして、FPC8−1の先端部8aを第1基板1の端面1aに突き当てるとともに、目視により、凹部8d内に該凹部8dと対向する所定の電極配線6a(5a)を収めるように位置決めした後、熱圧着する。このようにして第2基板2の延出部2aの面上に配設された電極配線6a(5a)の接続部とFPC8−1の配線パターン8bの接続部とが所定の位置で接続される。また、上記した複数の凹部8dは、段差部Nを覆うように配設されるモールド材13に完全に覆われるからFPC8−1の先端部8aの辺の接触した部位に発生する剥がれ及び防湿効果が第1の実施の形態よりも高くなる。
【0028】
上記した第2の実施の形態の液晶装置10−1の構成において、図示しない制御回路や駆動回路が実装された外部回路基板からFPC8−1を介して液晶装置10−1の入力端子に表示信号が伝わり、第2基板2の上の電極配線6a(5a)の接続部に表示信号が伝わる。前記FPC8−1の位置決めが正しく行われ接続位置が正常の場合は、第2透明電極6の電極配線6a(5a)を介して第2透明電極6及び第1透明電極5に駆動電圧が印加され、表示領域に表示信号に基づく所定の表示が行われる。
【0029】
また、FPCの位置決め方法として、図4に示す本発明の第3の実施の形態がある。図4は、第3の実施の形態の一部破断した平面図である。本実施例の場合、FPC8の幅W2が第2基板2の延出部2aの基板幅Wより、寸小でW>W2の関係式を有する。尚、上記第1の実施の形態と同一構成については、同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
第1基板1と第2基板2は、第2基板に延出部2aを残すようにして、液晶4を封止するための間隙を設け、互いに重ね合わされる。間隙の周囲には、シール部材3が形成されて、第1基板1と第2基板2が接着される。該シール部材3は、図示しない液晶注入口を残して、間隙を有して重ね合わされた領域の周辺を取り囲むように形成される。該シール部材3の内側に液晶の注入空間が形成される。該注入空間に液晶を注入し液晶注入口を封口し、表示領域を形成する。このように、液晶セルが構成されている。該表示領域において、第1透明電極5(図2参照)と第2透明電極6(図2参照)の間の液晶4には、液晶駆動電圧が印加されて、所定の表示がなされる。
【0030】
第3の実施の形態の液晶装置10−2は、第2透明電極6の電極配線6aの接続部の近傍に少なくとも1つの反射部材よりなる位置決めマークMが設けられている。また、シール部材3として異方性導電接着材を用いて、該シール部材3内に含有された導電粒子を介して、第1透明電極5の電極配線5a(図2参照)を、第2基板2の延出部2aの面上に引き出すトランスファー方式を用いた液晶セルにおいても、上記と同様の位置決めマークMが設けられる。上記熱圧着の工程においてFPC8−2は、第1の実施の形態と同様に、異方性導電接着フィルム7を介装して、FPC8−2の先端部8aを第1基板1の端面1aに突き当てるとともに、FPC8−2の側端部8cを目視により、位置決めマークMの内端部に位置決めした後に熱圧着する。このようにして第2基板2の延出部2aの面上に配設された電極配線6a(5a)の接続部とFPC8−2の配線パターン8bの接続部とが所定の位置で接続される。
【0031】
上記した第3の実施の形態の液晶装置10−2の構成において、図示しない制御回路や駆動回路が実装された外部回路基板からFPC8−2を介して液晶装置10−2の入力端子に表示信号が伝わり、第2基板2の上の電極配線6a(5a)の接続部に表示信号が伝わる。前記FPC8−2の位置決めが正しく行われ接続位置が正常の場合は、第2透明電極6の電極配線6a(5a)を介して第2透明電極6及び第1透明電極5に駆動電圧が印加され、表示領域に表示信号に基づく所定の表示が行われる。
【0032】
また、FPCの位置決め方法として、図5に示す本発明の第4の実施の形態がある。図5は、第4の実施の形態の一部破断した平面図である。本実施例の場合、第2基板2の延出部2aの基板幅W及びFPC8−2の幅W2は、上記第3の実施の形態と同様の関係式を有する。尚、上記第2の実施の形態と同一構成については、同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
第1基板1と第2基板2は、第2基板に延出部2aを残すようにして、液晶4(図2参照)を封止するための間隙を設け、互いに重ね合わされる。間隙の周囲には、シール部材3が形成されて、第1基板1と第2基板2が接着される。該シール部材3は、図示しない液晶注入口を残して、間隙を有して重ね合わされた領域の周辺を取り囲むように形成される。該シール部材3の内側に液晶4の注入空間が形成される。該注入空間に液晶4を注入し液晶注入口を封止し、表示領域を形成する。このように、液晶セルが構成されている。該表示領域において、第1透明電極5(図2参照)と第2透明電極6(図2参照)の間の液晶4には、液晶駆動電圧が印加されて、所定の表示がなされる。
【0033】
第4の実施の形態の液晶装置10−3は、第2基板の延出部2aの近傍に少なくとも1つの位置決めピンPが設けられている。また、シール部材3として異方性導電接着材を用いて、該シール部材3内に含有された導電粒子を介して、第1透明電極5の電極配線を、第2基板2の延出部2aの面上に引き出すトランスファー方式を用いた液晶セルにおいても、上記と同様の1つの位置決めピンPが設けられる。上記熱圧着の工程においてFPC8−2は、第1及び第2の実施の形態と同様に、異方性導電接着フィルム7を介して、FPC8−2の先端部8aを第1基板1の端面1aに突き当てるとともに、FPC8−2の側端部8cを移動させ、位置決めピンPの内端面に突き当てて位置決めする。その後に、第2基板2の延出部2aの面上に配設された電極配線6a(5a)の接続部とFPC8−2の配線パターン8bを異方性導電接着フィルム7を介して熱圧着し、所定の位置に接続する。
【0034】
上記した第4の実施の形態の液晶装置10−3の構成において、図示しない外部回路からFPC8−2を介して第2基板2の上の電極配線6a(5a)に表示信号が伝わる。前記FPC8−2の位置決めが正しく行われ接続位置が正常の場合は、第2透明電極6の電極配線6a(5a)を介して第2透明電極6及び第1透明電極5に表示信号が伝わり、表示領域に表示信号に基づく所定の表示が行われる。
【0035】
さらに、COG(チップ・オン・グラス)方式の液晶装置におけるFPCの位置決め方法として、図6に示す本発明の第5の実施の形態がある。図6は、第5の実施の形態の一部破断した平面図である。尚、上記第1〜第4の実施の形態と同一構成については、同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
第5の実施の形態の液晶装置10−4は、第1基板1と第2基板2は、第2基板に液晶駆動する駆動用IC50を実装するための延出部2aを残すようにして、液晶4を封止するための間隙を設けて、互いに重ね合わされる。間隙の周囲には、シール部材3が形成されて、第1基板1と第2基板2が接着される。該シール部材3は、図示しない液晶注入口を残して、間隙を有して重ね合わされた領域の周辺を取り囲むように形成される。該シール部材3の内側に液晶の注入空間が形成される。該注入空間に液晶4を注入し、その後液晶注入口を封口し、表示領域を形成する。このように、液晶セルが構成される。該表示領域において、第1透明電極5(図2参照)と第2透明電極6(図2参照)の間の液晶4には、液晶駆動電圧が印加されて、所定の表示がなされる。
【0036】
液晶装置10−4は、上記熱圧着の工程においてFPC8−3は、第1の実施の形態と同様に、異方性導電接着フィルム7を介装して成される。また、FPC8−3の先端部は、駆動用IC50を囲むように設けられた切り欠き部18が凹設されている。該切り欠き部18の幅W5は、延出部2aに実装された駆動用IC50の幅と同じかそれ以上の幅の寸法に設定されている。そして、FPC8−3の先端部8aを第1基板1の端面1aに突き当てるとともに、切り欠き部18を駆動用IC50に差し込むように位置決めした後に熱圧着する。このようにして第2基板2の延出部2aの面上に配設された電極配線6a(5a)及び駆動用IC50の接続部とFPC8−3の配線パターン8bの接続部とが所定の位置で接続される。また、上記した切り欠き部18は、段差部N(図1参照)と駆動用IC50を覆うように配設されるモールド材13に覆われるからFPC8−3の先端部8aの辺の接触した部位に発生する剥がれ及び防湿効果が第2の実施の形態と同様に高くなる。
【0037】
上記した第5の実施の形態の液晶装置10−4の構成において、図示しない制御回路や駆動回路が実装された外部回路基板からFPC8−3を介して液晶装置10−4の入力端子に表示信号が伝わり、第2基板2の上の電極配線6a(5a)及び駆動用IC50の接続部に表示信号が伝わる。前記FPC8−3の位置決めが正しく行われ接続位置が正常の場合は、第2透明電極6の電極配線6a(5a)及び駆動用IC50の接続部を介して第2透明電極6及び第1透明電極5に駆動電圧が印加され、表示領域に表示信号に基づく所定の表示が行われる。
【0038】
図7は、本発明の液晶装置10(先の実施例の符号で、10−1〜10−4)を構成する液晶セルの製造工程フローチャート図、図8は、ブレーク工程を示す概略工程図、図9は、ブレーク工程に於けるレーザ光切断装置の概略機構図、図10は、液晶装置10を構成する大型液晶パネルのレーザ光切断部を示す部分拡大図、図11は、液晶装置10(先の実施例の符号で、10−1、10−2、10−3)のFPC接続工程に於けるFPC8、8−2の位置決め方法を示す概略図である。
【0039】
図7乃至図10に基づいて液晶装置10(先の実施例の符号で、10−1〜10−4)を構成する液晶セルの製造工程を説明する。
(A)電極形成工程において、第1基板1を複数個形成した第1大型基板11(図10参照)及び第2基板2を複数個形成した第2大型基板12(図10参照)のそれぞれの対向面に、図1に示す第1透明電極5と第2透明電極6を形成する。例えば、第1大型基板11には第1透明電極5が所定の取り個数分形成され、第2大型基板12には第2透明電極6が同様に形成される。
(B)配向膜・ラビング工程では、第1透明電極5が形成された第1大型基板11に配向膜を形成し、焼成した後にラビングを施す。また、第2透明電極6が形成された第2大型基板12についても同様に配向膜を形成し、焼成した後にラビングを施す。
(C)シール部形成工程では、一方の基板、例えば第1大型基板11に液晶を封止するため枠形状をなすシール部材3を複数個形成する。そして、他方の基板、例えば第2大型基板12の配向膜上にギャップ材を散布する。尚、シール部材3の形成及びギャップ材の散布は上述の形態に限られるものではなく、他方の基板、例えば第2大型基板12に液晶を封止するためシール部材3を形成して、一方の基板、第1大型基板11の配向膜上にギャップ材を散布してもよい。
(D)貼り合せ工程では、上記(A)乃至(C)の工程を経た第1大型基板11及び第2大型基板12を貼り合わせて大型液晶パネル20(図8及び図10参照)を製造する。
(E)1次ブレーク工程では、上記大型液晶パネル20は、レーザ光切断装置30(図9参照)によって切断、分割し、短冊状の液晶パネル21(図8参照)を形成する。
(F)液晶注入工程では、上記短冊状の液晶パネル21(図8参照)の液晶注入口(図示せず)を介して真空注入法等により、液晶4(図2参照)を枠状のシール部材3の中に注入し、封止樹脂で液晶注入口を封止して2次ブレーク工程に移送される。
(G)2次ブレーク工程では、上記短冊状の液晶パネル21を1次ブレーク工程と同様にレーザ光切断装置30(図9参照)によって分割し、液晶装置10を構成する液晶セルの大きさに形成する。
【0040】
上記液晶セルのその後の実装工程について述べるならば、
(H)洗浄工程では、液晶セルの完成体を洗浄する。
(I)偏光板取付工程では、液晶セルへ偏光板を接着する。
(J)FPC接続工程では、熱圧着により、FPC8と第2基板2とを異方性導電フィルム7により接続し、且つ接着する。
(K)オーバーコート工程では、第2基板の延出部2a上の露出した透明電極6a及びFPC8との接着部分及びその周辺をオーバーコートする。
(L)点灯検査工程では、完成した液晶装置10に通電し、液晶の励起、表示状態の検査を順次行う。
【0041】
次に、図9及び図10に基づいて、レーザ光切断装置30による切断、分割方法を詳細に説明する。
レーザ光切断装置30は、大型液晶パネル20及び短冊状の液晶パネル21を保持する保持部32を備えた装置本体31と、YAGレーザ方式によるレーザ光発生装置33から出力されたレーザ光40は、集光レンズ34によって、大型液晶パネル20及び短冊状の液晶パネル21の所定の位置に焦点41を結ぶ。そして、該焦点41を保持したまま、コントローラ35によって制御される。該コントローラ35の所定の制御によって、大型液晶パネル20は、図8に示す所定のブレイクラインXLに沿って、切断、分割される1次ブレーク工程を経て短冊状の液晶パネル21となる。該短冊状の液晶パネル21は、液晶注入工程を経た後、図8に示す所定のブレイクラインYLに沿って、切断、分割される2次ブレーク工程を経て液晶セルに分割される。
【0042】
レーザ光切断装置30は、装置本体31とレーザ光発生装置33が、X、Y方向にスライド可能な図示しない移動機構を備えている。該移動機構によって、コントローラ35に予め記憶された数値に基づいてブレイクラインが形成され、発生装置33が出力するレーザ光40によって、所定の分割ができる。また、レーザ光発生装置33は、大型液晶パネル20及び短冊状の液晶パネル21を挟んで上下のいずれか一方又は、両方に配置される。
【0043】
以上のように構成及び製造された液晶装置10は、以下の利点が得られる。
(1)レーザ光40によって、切断、分割される大型液晶パネル20及び短冊状の液晶パネル21のブレイクライン幅は、約25μで略0に近く、従来例のような切断切り代が不要になったため、液晶装置10の寸法を小さくできた。
(2)大型液晶パネル20及び短冊状の液晶パネル21のレーザ光40による切断面の平坦度が数μと高精度に仕上がるため、切断面である図2に示す第1基板1の端面1aが位置決めとして、使用が可能になった。従って、液晶装置10は、上述したように、FPC8の熱圧着の工程において、先端部8aを第1基板1の端面1aに突き当てによる位置決め方法が可能となった。
(3)上記(2)項の理由によって、従来例のような位置決めマークM1,M2が不要となるため、隙間Sを確保する必要がなく、液晶装置10の寸法を大幅に小さくできる。
(4)1次及び2次ブレーク工程に於いて、従来発生した基板の切断面がぎざぎざに欠けるチッピング片が生じていたが、レーザ光40による切断では、チッピングが発生しないのでそのための洗浄の簡素化が得られた。さらに、ブレーク部材が不要となり、大型液晶パネル20及び短冊状の液晶パネル21に非接触で分断することから、パネル表面に傷が付くことがない。
(5)また、従来の衝撃による切断と異なりレーザ光40による切断では、シール部材3を含めて損傷がなく分割することができるので、図19のS2部が形成されず、それに伴う、不具合も発生しない。
(6)上記製造工程(J)FPC接続工程において、図11(FPC8−1、8−3を省略)に示すように、FPC8、8−1、8−2、8−3の縦方向Yと横方向Xの位置決めが容易となるので、正確な位置合わせができ、位置決め時間が短くて済み、作業時間が短縮され、且つ、FPC8、8−1、8−2、8−3の位置ズレが生じないので、位置決め工数が少なくなる。
(7)上記(6)項の利点は、図1に示すように、FPC8は、所定の1:1の接続ができる。その結果FPC8の伝達する表示信号を、電極配線6a(5a)を介して駆動用ICに正しく入力することができ、入力ミスを生じず、第2透明電極6及び第1透明電極5に所定の駆動電圧を加えることができ、表示が不良がなくなる。
(8)同様に、上記製造工程(J)FPC接続工程において、FPC8、8−1、8−2、8−3のズレ又は斜交を防止することができるため一対の位置決めピンP1が左右いずれか一方に位置決めピンPを設けるだけで済むので、設備投資を少なくできる利点を得られた。また、該位置決めピンPを可動式とすることにより、FPC8−2の幅の違いに簡単に対応できる。
【0044】
【発明の効果】
上記したように本発明によれば、液晶装置の基板にFPCを直接実装してなる液晶装置において、その製造工程におけるFPCの位置決めを確実に、且つ、容易にできるようにし、その位置決め不良に起因する液晶装置の表示不良を効果的に防止することができる。よって、液晶装置に於いて製造の歩留まりと製品の信頼性を向上するとともに、工数低減により、製造コストを低減することができる効果があった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の一部破断した平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の一部破断した平面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の一部破断した平面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態の一部破断した平面図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態の一部破断した平面図である。
【図7】本発明の液晶装置を構成する液晶セルの製造工程フローチャート図である。
【図8】本発明の液晶装置を構成する液晶セルのブレーク工程を示す概略工程図である。
【図9】本発明の液晶装置を構成する液晶セルのブレーク工程に於けるレーザ光切断装置の概略機構図である。
【図10】本発明の液晶装置を構成する大型液晶パネルのレーザ光切断部を示す部分拡大図である。
【図11】本発明の液晶装置のFPC接続工程に於けるFPCの位置決め方法を示す概略図である。
【図12】従来例1の一部破断した平面図である。
【図13】図12のC−C線に沿う断面図である。
【図14】従来例2の一部破断した平面図である。
【図15】図14のD−D線に沿う断面図である。
【図16】従来例3の一部破断した平面図である
【図17】従来の液晶装置を構成する液晶セルの製造工程フローチャート図である。
【図18】従来の液晶装置を構成する液晶セルのX方向スクライブ工程から2次ブレーク工程までを示す概略工程図
【図19】図18のE−E線に沿う拡大断面図である。
【図20】従来の液晶装置のFPCの接続工程に於ける電極接続部に対する配線パターンのズレ又は、斜交を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 第1基板
2 第2基板
2a 延出部
3 シール部材
4 液晶
5a、6a 電極配線
6 第2透明電極
7 異方性導電フィルム
8、8−1、8−2、8−3 FPC
10、10−1、10−2、10−3、10−4 液晶装置
11 第1大型基板
13 モールド材
12 第2大型基板
20 大型液晶パネル
21 短冊状の液晶パネル
30 レーザ光切断装置
31 装置本体
32 保持部
33 レーザ光発生装置
34 集光レンズ
35 コントローラ
40 レーザ光
41 焦点
50 駆動用IC
P 位置決めピン
Claims (4)
- 少なくとも第1電極を有する第1基板と第2電極を有する第2基板をそれぞれの電極が対向するように間隙を設けて配設すると共に、前記間隙の周囲に液晶を封止するシール部材を配設し、このシール部材の内側に液晶を注入して封止した構成を有する液晶セルであり、前記第1基板が前記第2基板の端面よりより延出した延出部を設けこの延出部に外部回路に接続されるFPCが接着された液晶装置において、
前記第2基板と前記第1基板の延出部とで形成される段差部の側面に前記FPCの端部の辺の少なくとも一部が接触して前記延出部に配設されたことを特徴とする液晶装置。 - 前記延出部には液晶を駆動するための集積回路が実装されており、前記延出部に配設される前記FPCは前記集積回路と重なる部分に切り欠きが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
- 前記段差部の前記側面と前記FPCの端部の辺の接触した部位に、絶縁性樹脂材が配設されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶装置。
- 少なくとも第1電極を有する第1基板と第2電極を有する第2基板をそれぞれの電極が対向するように間隙を設けて配設すると共に、前記間隙の周囲に液晶を封止するシール部材を配設し、このシール部材の内側に液晶を注入して封止した構成を有する液晶セルであり、前記第1基板が前記第2基板の端面よりより延出した延出部を設けこの延出部に外部回路に接続されるFPCが接着された液晶装置の製造方法において、
前記第1基板と接続する側の前記FPCの端部が前記第1基板に突き当てられることにより位置決めされて前記FPCを前記延出部に配設することを特徴とする液晶装置の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003106054A JP2004309936A (ja) | 2003-04-10 | 2003-04-10 | 液晶装置及びその製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009265542A (ja) * | 2008-04-30 | 2009-11-12 | Hitachi Displays Ltd | 表示装置の製造方法 |
KR101238174B1 (ko) | 2011-04-25 | 2013-02-28 | 엘지이노텍 주식회사 | 터치윈도우 |
-
2003
- 2003-04-10 JP JP2003106054A patent/JP2004309936A/ja active Pending
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