JP2004309702A - 顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】標本の必要とする範囲に、必要とする時間だけ照明光を照射することができ、必要以外の標本への照明光を照射する影響を最小限に抑えることができる顕微鏡を提供する。
【解決手段】標本9を照明する照明手段1と、この照明手段1と標本9との間の照明光軸15上に配置され、視野絞り投影レンズ5と、照明手段1と視野絞り投影レンズ5との間の照明光軸15上に、標本9と共役な関係となるように配置されており、標本9に照射される照明手段1からの照明光を夫々独立して偏向させる複数の微小光偏向部を有する光偏向素子アレイ4と、標本9に照明光を照射する状態と、標本9に照明光を照射しない状態とを切り換える切替手段16とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】標本9を照明する照明手段1と、この照明手段1と標本9との間の照明光軸15上に配置され、視野絞り投影レンズ5と、照明手段1と視野絞り投影レンズ5との間の照明光軸15上に、標本9と共役な関係となるように配置されており、標本9に照射される照明手段1からの照明光を夫々独立して偏向させる複数の微小光偏向部を有する光偏向素子アレイ4と、標本9に照明光を照射する状態と、標本9に照明光を照射しない状態とを切り換える切替手段16とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡用の照明装置、特に蛍光顕微鏡用の照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ケーラー照明を持つ顕微鏡においては、観察範囲と同じ範囲を照明する視野絞り機能が設けられている。そして、例えば蛍光観察時に、視野内の一部分を観察範囲とする場合、観察範囲外における標本の劣化や、蛍光褪色を防ぐために、視野絞りを小さくして視野内の必要な部分のみを照明する形式が採られている。
【0003】
また、最近では、蛍光観察時に視野内を部分的に褪色させ、その復帰状態を利用することによって、細胞内の物質移動を観察するFRAP(Fluorescence Recovery After Photobleaching)観察、及びFLIP(Fluorescence Los In Photobleaching)観察がある。あるいは、科学的に特性を封じ込めたケージド(Caged)試薬で染色しておき、部分的に照明光を当てることによって照明部分のみ特性を回復させ、その拡散を観察する観察方法等がある。これら観察方法では、例えば蛍光観察時に、視野内の一部分を任意の大きさや形状で照明することができる手段が必要とされている。
【0004】
視野内の一部分を照明する手段としては、例えば特開平7−134250号公報、特表2000−502472号公報に、透過液晶素子(LCD)が絞り位置に配置され、この透過液晶素子の濃淡の制御により視野絞りとする液晶絞り方式が開示されている。この方式を採用すると、観察範囲と照明範囲とを合わせる機能だけでなく、視野内の一部分を任意の大きさや形状で照明することが可能となる。
【0005】
しかしながら、上記液晶絞り方式では、液晶素子に偏光板を使用していることにより、100%透過制御の状態でも、その透過率が低く、照明光量が落ちる上、透過光の色特性が変化してしまうために観測精度が低下する。さらに、蛍光照明にUV光が用いられる場合、液晶自体のUV透過率が低く、また自家蛍光が小さいものを用いることが難しい。
【0006】
また、特表2000−502472号公報には、特許請求の範囲において、液晶素子(LCD)の代わりに光変調構造の異なるDMD(デジタルミラーデバイス)を用いることが規定されている。しかし、この公報の実施例の説明においては、当業者により実施可能なDMDを用いた照明装置の具体的な構成について、全く開示も示唆もされていない。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−134250号公報
【0008】
【特許文献2】
特表2000−502472号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般にDMD素子には、マイクロミラーの保護のために保護ガラスが設けられており、この保護ガラス表面からの反射光や、微小ではあるが、互いに隣接するマイクロミラーとの間に存在する隙間からの反射光が迷光となる。このような迷光は、マイクロミラーの制御によらないので、必要としない範囲を含む標本全体に常に照射される。したがって、マイクロミラーの制御のみでは、迷光から標本を完全に保護することができない。
【0010】
保護ガラスやマイクロミラー間の隙間による迷光は、マイクロミラーによる反射光に比べて極めて微弱であり、多くの場合は問題とならないが、照明光の強度が高い場合や、照明光の照明時間が長い場合には、標本への影響を考慮する必要がある。
【0011】
例えば、一般的な蛍光観察において、シャーレ内に培養された複数の細胞のうち1つの細胞のみに照明したい場合であっても、迷光によって、観察対象以外の細胞にも照明光が照射されてしまう。迷光が長時間照射されると、観察対象以外の細胞も、褪色したり、場合によっては弱ったりするおそれがある。
【0012】
また、上記FRAP観察においては、褪色させる範囲に高強度の照明光が照射されるので、相対的に強度の低い迷光であっても、この迷光の影響を無視することができない。特に照射時間が長い場合には、褪色させる必要のない範囲を含む標本全体が、迷光によって少なからず褪色する。したがって、部分的な蛍光ラベルの褪色を必要とするFRAPにおいて、通常の部分的な褪色処理を行ったとしても、標本全体を蛍光観察する際にコントラストが低くなる可能性がある。このようにコントラストが低い場合、観察が正確に行えないだけでなく、場合によっては、観察結果が得られないおそれがある。
【0013】
上記課題を鑑みて、本発明は、標本の必要とする範囲に、必要とする時間だけ照明光を照射することができ、必要以外の範囲への照明光の照射による影響を最小限に抑えることができる顕微鏡を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係る顕微鏡は、標本を照明する照明手段と、この照明手段と標本との間の照明光軸上に配置され、標本の一部が照明されるように視野を絞る視野絞り投影レンズと、照明手段と視野絞り投影レンズとの間の照明光軸上に、標本と共役な関係となるように配置されており、標本に照射される照明手段からの照明光を夫々独立して偏向させる複数の微小光偏向部を有する光偏向素子アレイと、標本に照明光を照射する状態と、標本に照明光を照射しない状態とを切り換える切替手段とを有する。
【0015】
本発明の第二態様にかかる顕微鏡は、標本を照明する複数の照明手段と、これら複数の照明手段と標本との間の共通の照明光軸上に配置され、標本の一部が照明されるように視野を絞る視野絞り投影レンズと、複数の照明手段と視野絞り投影レンズとの間の共通の照明光軸上に、標本と共役な関係となるように配置されており、標本に照射される各照明手段からの照明光をそれぞれ独立して偏向させる複数の微小光偏向部を有する光偏向素子アレイと、標本に照明光を照射する状態と、標本に照明光を照射しない状態とを切り換える切替手段とを有する。
【0016】
切替手段は、光偏向素子アレイと視野絞り投影レンズとの間の照明光軸上に配置された照明光を遮光する遮光手段である。あるいは、切替手段は、各照明手段と光偏向素子アレイとの間の各照明光軸上に配置された照明光を遮光する複数の遮光手段である。上記遮光手段は、例えば、開閉自在に形成されたシャッターである。
【0017】
上記顕微鏡は、好ましくは、複数の微小光偏向部の独立的な偏向動作と、切替手段の切替動作とを制御する駆動制御部をさらに有する。この駆動制御部は、複数の微小光偏向部の選択的な偏向動作の後に、切替手段の切替動作を制御することが好ましい。
【0018】
本発明の第三態様に係る顕微鏡では、上記照明手段はLED光源を有し、切替手段は、LED光源の点灯/消灯を切り替えるLED駆動制御部である。また、好ましくは、微小光偏向部の独立的な偏向動作を制御する駆動制御部をさらに有し、LED駆動制御部は、この駆動制御部によって複数の微小光偏向部の選択的な偏向動作が制御された後に、LED光源の切替動作を制御する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の第一実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の第一実施の形態に係る顕微鏡101を概略的に示す図である。図1に示すように、本実施の形態に係る顕微鏡101は、ステージ30と、このステージ30に載置された標本9を照明する照明手段としての光源1と、標本9に対向して配置された対物レンズ8と、これら光源1と対物レンズ8との間の照明光軸15上に配置され、標本9の一部が照明されるように視野を絞る視野絞り投影レンズ5とを有する。
【0020】
本実施の形態において、光源1は、例えば水銀ランプである。この光源1と視野絞り投影レンズ5との間の照明光軸15上には、光源1からの照明光を集光するコリメータ2と、このコリメータ2に集光された照明光を遮光する機能を備えた遮光手段である開閉自在なシャッター16と、このシャッター16が開いているときに、光源1からの照明光を反射させる反射ミラー3と、この反射ミラー3で反射された光が入射する光偏向素子アレイであるデジタル微小ミラー装置4とが設けられている。このデジタル微小ミラー装置4は、対物レンズ8を通る照明光軸15上の光源1と視野絞り投影レンズ5との間に配置されており、標本9と共役な関係となるように位置している。
【0021】
対物レンズ8の観察光軸14上には、光源1からの照明光を対物レンズ8へ反射するとともに、対物レンズ8からの観察光を透過するダイクロイックミラー7と、このダイクロイックミラー7を透過した観察光を選択的に吸収する吸収フィルタ10と、吸収フィルタ10を透過した観察光を結像する結像レンズ11と、結像された光を偏向するプリズム12と、このプリズム12によって偏向された観察光が入射する接眼レンズ13とが設けられている。
【0022】
さらに、顕微鏡101は、デジタル微小ミラー装置4とシャッター16とを駆動制御する駆動制御部20と、プリズム12を介して観察画像を取得するCCDなどのカメラ17と、このカメラ17によって取得された観察画像を画像処理するとともに、駆動制御部20を制御するコンピュータ18と、このコンピュータ18によって画像処理された観察画像を映すモニタ19とを有する。
【0023】
図2は、デジタル微小ミラー装置4を概略的に示す側面図である。図2に示すように、本実施の形態に係るデジタル微小ミラー装置4は、例えば米国特許5,061,049号公報に開示されているDMD(Digital Micromirror Devices)素子であり、照明光軸15に対して垂直に配置されている。このデジタル微小ミラー装置4は、複数の微小ミラー4a,4b(図2中では、便宜上2個のみが図示されている)と、これら微小ミラー4a,4bを支持する支持部4cと、微小ミラー4a,4bを保護する保護ガラス4dとを有する。複数の微小ミラー4a,4bは、例えば1024個×768個の2次元的に配列されており、それぞれデジタル微小ミラー装置4に依存する所定の大きさ、例えば20μm以下の方形状の面を有する。
【0024】
各微小ミラー4a,4bの面は、支持部4cに対して所定の傾斜角度±α(例えば10°)で独立的に傾斜して固定されることが可能であり、傾斜角度±αは、駆動制御部20によって微小ミラー4a,4bごとに独立して変化され得る。各微小ミラー4a,4bの傾斜角度±αの制御は、例えば各微小ミラー4a,4bへの印加電圧をオン/オフすることによって10μ秒オーダーの応答速度で選択的に行われる。本実施の形態では、微小ミラー4a,4bが光源1からの照明光を照明光軸15に案内する傾斜角度を有する状態をオン状態、また、光源1からの照明光を退避光軸21(外部)方向に案内する傾斜角度を有する状態をオフ状態と規定する。
【0025】
照明光軸15上の視野絞り投影レンズ5は、その焦点位置が対物レンズ8の瞳位置及び微小ミラー4a,4bの面上になるように位置している。すなわち、視野絞り投影レンズ5は、微小ミラー4a,4bを最適な大きさで投影するように、その焦点距離f1が50mm〜300mm程度の1枚以上のレンズで形成されたレンズ群で構成されている。これは、焦点距離f1が50mm以下では、実構成を取ることが困難であり、焦点距離f1が300mmを超えると、標本9面上に投影される投影倍率が小さくなりすぎて、使い勝手のよい視野を確保することが困難となると共に、照明光が暗くなるためである。本実施の形態においては、焦点距離f1は、例えばf1=170mmである。
【0026】
また、デジタル微小ミラー装置4は、標本9の観察像を撮像する図示しない撮像部の撮像素子のサイズとの関係が、結像レンズ11の焦点距離をf2とし、撮像素子の対角サイズをCとし、配列された複数の微小ミラー4a,4bの対角サイズをDとすると、
0.3<f2/f1<5
0.3<C/D<6.6
の関係を満足すると、容易な配置が可能となる。本実施の形態では、焦点距離f2は、例えばf2=180mmである。
【0027】
次に、図1及び図2を参照して、上記構成を有する第一実施の形態の顕微鏡の動作について説明する。シャッター16が開いている場合、光源から照射された照明光は、コリメータ2により集光され、反射ミラー3で反射された後、デジタル微小ミラー装置4に達する。
【0028】
デジタル微小ミラー装置4に達した照明光のうち、オン状態になっている微小ミラー4aにより照明光軸15方向へ反射された照明光は、視野絞り投影レンズ5に案内され、オフ状態になっている微小ミラー4bに反射された照明光は、退避光軸21方向に案内される。すなわち、オフ状態になっている微小ミラー4bに反射された照明光は、照明として使用されない。以上のように、デジタル微小ミラー装置4の複数の微小ミラー4a,4bは、駆動制御部20によって、オン状態とオフ状態との間でそれぞれ独立的に制御される。
【0029】
視野絞り投影レンズ5に達した照明光は、励起フィルタ6により標本9の蛍光物質を励起するのに適切な照明光に撰択された後、ダイクロイックミラー7により反射され、対物レンズ8を介して標本9に照射される。標本9は、照射された照明光に基づいた蛍光を発する。
【0030】
標本9から発した蛍光は、対物レンズ8により集光され、観察光軸14に沿ってダイクロイックミラー7を透過する。ダイクロイックミラー7を透過した蛍光は、吸収フィルタ10により観察に適するように選択的に透過し、結像レンズ11により結像され、また、プリズム12により偏向されて、接眼レンズ13に入射する。この接眼レンズ13で観察される光学像は、カメラ17に導かれて観察画像として取得することができる。
【0031】
上記動作において、デジタル微小ミラー装置4の各微小ミラー4a,4bの像は、視野絞り投影レンズ5と対物レンズ8とによって標本9のピント面に結像される。オン状態の微小ミラー4aの像は、この微小ミラー4aによって反射された照明光の反射光が標本9面まで導かれるので明るく投影される。一方、オフ状態の微小ミラー4bの像は、この微小ミラー4bに反射された照明光の反射光が標本9面に導かれないので真っ暗に投影される。すなわち、標本9上では、複数の微小ミラー4a,4bの像がこれらオン/オフ状態に連動して明暗として投影されるため、オン状態の微小ミラー4aに反射された照明光に対応する部分のみが照明される。
【0032】
図3(a)ないし(c)は、デジタル微小ミラー装置4の制御と照射領域との対応を詳細に示す図である。標本9の部分的な照射領域を照明する場合、図3(a)に示すモニタ19の画面上に映された照射領域31a、31b、31cに基いて、これら照射領域31a,31b,31cに対応する微小ミラー4aのみがオン状態に制御される。すなわち、図3の(b)に示すように、微小ミラー4aによって反射された照明光は、照明領域32a,32b,32cのみに照射され、これら照明領域32a,32b,32c以外は暗い状態である。
【0033】
図3の(c)に示すように、実際の標本9面上の像には、図3(b)に示す明暗状態が投影され、視野34のうち観察領域33a、33b,33cのみに照明光が投影される。したがって、駆動制御部20によって切り換えられる微小ミラー4a,4bのオン/オフ状態に基いて、標本9の部分的な照明が可能となる。
【0034】
図3の(c)に示すように、照明する照射領域が複数ある場合、駆動制御部20は、デジタル微小ミラー装置4の複数の微小ミラー4a,4bを高速に切り換えることによって、照射領域31a、31b,31cを順に照明するように制御することもできる。本実施の形態において、視野34のうち観察する観察領域33a、33b,33cは3つであるが、各微小ミラー4a,4bを最小単位としてデジタル微小ミラー装置4を制御することができれば、観察する観察領域の数は制限されることはなく、また、これら観察領域の大きさや形状に応じて照明光を照射することができる。
【0035】
再度、図2を参照すると、デジタル微小ミラー装置4は、微小ミラー4a,4bを保護する保護ガラス4dを有しており、複数の微小ミラー4a,4bの間には、隙間4eが存在する。このため、保護ガラス4dや隙間4eから、微弱ではあるが反射光軸24に沿う反射光が生じて迷光となる。反射光軸24は、照明光軸15と一致することはないが、退避光軸21に比べて照明光軸15との角度差が小さいので、照明光軸15の近傍で反射された反射光は、迷光となって視野絞り投影レンズ5に導かれる可能性がある。このような迷光は、微小ミラー4a,4bの制御に関わらないので、微小ミラー4a,4bがオフ状態であっても生じる。
【0036】
一方、シャッター16が閉じている場合、シャッター16は、光源1とデジタル微小ミラー装置4との間の照明光軸15上に設けられているので、光源1からの照明光を完全に遮光する。したがって、光源1からの照明光は、デジタル微小ミラー装置4へ導かれることはない。シャッター16の開閉は、駆動制御部20により、デジタル微小ミラー装置4の制御と連動する。具体的には、駆動制御部20は、シャッター16を閉じた状態で、標本9の観察領域のみが照明されるように、微小ミラー4aの傾斜角度±αを制御した後、シャッター16を開くように制御する。
【0037】
本実施の形態においては、上述のようにシャッター16を閉じた状態では、光源1からの照明光がデジタル微小ミラー装置4へ遮断されるので、微小ミラー4a,4bの状態に関わらず、デジタル微小ミラー装置4から迷光が生じることがない。したがって、標本9に照明光を照射する必要のないときにはシャッター16を閉じ、標本9に照射する場合には、シャッター16を必要な時間だけ開くことによって、不必要に標本9に照明光が照射されることを完全に防止することができる。
【0038】
第一実施の形態に係る顕微鏡101は、例えばFRAP観察に使用される。このFRAP観察は、蛍光観察時に、視野内を部分的に褪色させ、その復帰状態を利用することによって、細胞内の物質移動を観察する観察方法である。以下に、第一実施の形態に係る顕微鏡101を使用してFRAP観察を行う場合のフローの一例を示す。
(1)観察の開始
(2)シャッター16を閉じる
(3)対象物の観察領域に応じて、顕微鏡の観察法(蛍光観察、位相差観察)を準備(以下では、蛍光観察として説明する)
(4)標本9をステージ30に載置
(5)準備観察の開始を指示
a.デジタル微小ミラー装置4の微小ミラー4aをすべてオン状態に制御
b.光源を点灯
c.シャッター16を開く
d.カメラ17により観察画像を撮像
e.撮像の終了
f.シャッター16を閉じる
g.撮像した観察画像の保存
(6)準備観察の終了
(7)パラメータ設定の開始
a.撮像した画像をモニタ19に表示する(保存画像の呼び出し)
b.モニタ19上で確認しながら、照明光を照射する照射領域31a,31b,31cを指定(ただし、照射領域は、1箇所でも複数箇所でもよい。また、フリーハンドによる指定でも、予め区分けされているブロックごとの指定でもよい。)
c.指定された照射領域31a,31b,31cをコンピュータ18に保存
d.保存された照射領域31a,31b,31cを呼び出し、これら照射領域31a,31b,31cに対応した微小ミラー4a,4bを選択
e.褪色のための照明光の照射時間を設定
f.保存された照射領域(観察領域)31a,31b,31cを呼び出し、呼び出された照射領域31a,31b,31cに基いて観察範囲を指定
g.観察時間を設定
(8)パラメータ設定の終了
(9)アプリケーションの実行開始を指示
<褪色照明>
a.選択された微小ミラー4a,4bの駆動を駆動制御部20へ出力
b.設定された照射時間を駆動制御部20へ出力
c.駆動制御部20によって、選択された微小ミラー4aをオン状態に制御
d.シャッター16を開く
e.設定された照射時間だけ褪色用の照明光を照射領域31a,31b,31cに照射
f.照射の終了
g.シャッター16を閉じる
<経過観察>
h.観察領域に対応した微小ミラー4aの駆動を駆動制御部20に出力する
i.駆動制御部20によって、選択された微小ミラー4aをオン状態に制御
j.シャッター16を開く
k.カメラ17によって観察画像を撮像
l.経過観察の終了
m.シャッター16を閉じる
(10)アプリケーションの終了
(11)標本9をステージ30から取外す
(12)観察の終了
上記フローにおいて、(5)準備観察及び(9)アプリケーションの実行は、コンピュータ18に組み込まれたソフトウェアによって自動的に行われる。
【0039】
FRAP観察では、デジタル微小ミラー装置4を制御して褪色させる範囲(対象物の位置、形状、大きさ)が設定され、設定された範囲に一定時間照明光を照射して標本9の細胞の蛍光を部分的に褪色させることが必要であるので、上述のように、迷光の影響が無視できない。特に、シャッターがない場合には、(7)パラメータ設定の開始から(8)パラメータ設定の終了までは、人為的作業によるので時間がかかるにもかかわらず、この間には標本9に照明光が照射されたままである。パラメータ設定中に標本9が遮光されていない場合、細胞にダメージを与えるばかりか、標本9全体の蛍光の褪色が生じるので、(9)アプリケーションの実行でのS/N比劣化への影響も考えられる。
【0040】
第一実施の形態に係る顕微鏡101を使用してFRAP観察を行う場合、照明光軸中に、開閉自在に制御可能なシャッター16が配置されており、このシャッター16を必要に応じて開閉することによって、デジタル微小ミラー装置4から生じる迷光を遮光することができる。換言すれば、上記フローの中で、シャッター16は、(5)c〜f、(9)d〜g及びj〜mの間のみ開かれているので、これ以外のフロー中には、迷光が細胞に照射されて悪影響を与えることがない。
【0041】
上記フローにおいて、準備観察、アプリケーション観察では、ソフトウェアによって自動制御され、また、デジタル微小ミラー装置4の制御とシャッター16の開閉とを連動させて制御されるので、標本9への照明光の照射時間は、必要最小限にすることができる。したがって、第一実施の形態に係る顕微鏡を用いたFRAP観察では、迷光による標本9への余分な照明光の照射を最大限抑えることができ、デジタル微小ミラー装置4のオン/オフ特性を生かした標本9への褪色を行うとともに、細胞へのダメージが少なく、褪色のコントラストの良い良好な観察を行うことができる。
【0042】
尚、本実施の形態では、シャッター16は、コリメータ2と反射ミラー3との間の照明光軸中に位置しているが、図1の点線で示したように、デジタル微小ミラー装置4と視野絞り投影レンズ5との間の照明光軸中に位置されていても良い。このような構成では、シャッター16’を閉じている場合であってもデジタル微小ミラー装置4から迷光は発生するが、視野絞り投影レンズ5の照明光軸15上の前側にシャッター16’が配置されているので、迷光が視野絞り投影レンズ5に導かれることはない。
【0043】
図4は、本発明の第二実施の形態に係る顕微鏡102を概略的に示す図である。図4に示すように、本実施の形態に係る顕微鏡102は、第1実施の形態に係る顕微鏡101とほぼ同じ構成を有するが、特に照明手段に関して第一実施の形態とは相違する。第二実施の形態において、第一実施の形態と同じ部材には同一の符号を付して動作についての詳細な説明を省略し、第一実施の形態と異なる点に着目して説明する。
【0044】
図4に示すように、本実施の形態に係る顕微鏡102は、照明手段としてのLED光源41と、このLED光源41を制御するLED駆動制御部42とを有する。LED光源41の点灯/消灯は、LED駆動制御部42によって高速に切り換え可能であり、LED駆動制御部42は、コンピュータ18によって制御される。また、本実施の形態では、シャッター16が取外されている。その他の構成は、第一実施の形態と同様である。LED光源41がLED駆動制御部42により点灯された状態は、第一実施の形態におけるシャッター16の開いた状態、また、LED光源41が消灯された状態をシャッター16の閉じた状態に対応する。
【0045】
次に、図4を参照して、第二実施の形態の動作について説明する。LED光源41からの照射光は、第1実施の形態と同様に、反射ミラー3に反射されてデジタル微小ミラー装置4に達する。デジタル微小ミラー装置4に達した照明光のうち、オン状態になっている微小ミラー4aにより照明光軸15方向へ反射された照明光は、視野絞り投影レンズ5に案内され、オフ状態になっている微小ミラー4bに反射された照明光は、退避光軸21方向に案内される。すなわち、オフ状態になっている微小ミラー4bに反射された照明光は、照明として使用されない。以上のように、デジタル微小ミラー装置4の複数の微小ミラー4a,4bは、駆動制御部20によって、オン状態とオフ状態との間でそれぞれ独立的に制御される。
【0046】
視野絞り投影レンズ5に案内された照明光は、第一実施の形態と同様の動作で標本9に照射され、標本9から発した蛍光も同様の動作で接眼レンズ13に導かれる。
【0047】
LED光源41の点灯/消灯の切り換えは、駆動制御部20により、デジタル微小ミラー装置4の制御と連動する。具体的には、駆動制御部20は、LED光源41を消灯した状態で、標本9の観察領域のみが照明されるように、微小ミラー4aの傾斜角度±αを制御した後、LED光源41を点灯するように制御する。
【0048】
上述のようにLED光源41を消灯した状態では、照明光自体が照射されないので、微小ミラー4a,4bの状態に関わらず、デジタル微小ミラー装置4の保護ガラス4dと隙間4eから迷光が生じることがない。すなわち、不必要に照明光が標本9に照射されることがない。したがって、標本9に照明光を照射する必要のないときにはLED光源41を消灯し、標本9に照射する場合には、LED光源41を点灯することによって、不必要に標本9に照明光が照射されることを完全に防止することができる。
【0049】
以下に、第二実施の形態に係る顕微鏡102を使用してFRAP観察を行う場合の流れの一例を示す。
(1)観察の開始
(2)LED光源41の消灯確認
(3)対象物の観察領域に応じて、顕微鏡の観察法(蛍光観察、位相差観察)を準備(以下では、蛍光観察として説明する)
(4)標本9をステージ30に載置
(5)準備観察の開始を指示
a.デジタル微小ミラー装置4の微小ミラー4aをすべてオン状態に制御
b.LED光源41を点灯
c.カメラ17により観察画像を撮像
d.撮像の終了
e.LED光源41を消灯
f.撮像した観察画像の保存
(6)準備観察の終了
(7)パラメータ指定の開始を指示
a.撮像した画像をモニタ19に表示する(保存画像の呼び出し)
b.モニタ19上で確認しながら、照明光を照射する照射領域31a,31b,31cを指定(ただし、照射領域は、1箇所でも複数箇所でもよい。また、フリーハンドによる指定でも、予め区分されているブロックごとの指定でもよい。)
c.指定された照射領域31a,31b,31cをコンピュータ18に保存
d.保存された照射領域31a,31b,31cを呼び出し、これら照射領域31a,31b,31cに対応した微小ミラー4a,4bを選択
e.褪色のための照明光の照射時間を設定
f.保存された照射領域(観察領域)を呼び出し、観察範囲を指定
g.観察時間を設定
(8)パラメータ指定の終了
(9)アプリケーションの実行開始を指示
<褪色照明>
a.選択された微小ミラー4a,4bの駆動を駆動制御部20へ出力
b.設定された照射時間を駆動制御部20へ出力
c.駆動制御部20によって、選択された微小ミラー4aをオン状態に制御
d.LED光源41を点灯
e.設定された照射時間だけ褪色用の照明光を照射領域31a,31b,31cに照射
f.照射の終了
g.LED光源41を消灯
<経過観察>
h.観察領域に対応した微小ミラー4aの駆動を駆動制御部20に出力する
i.駆動制御部20によって、選択された微小ミラー4aをオン状態に制御
j.LED光源41を点灯
k.カメラ17によって観察画像を撮像
l.経過観察の終了
m.LED光源41を消灯
(10)アプリケーションの終了
(11)標本9をステージ30から取外す
(12)観察の終了
上記フローにおいて、(5)準備観察及び(9)アプリケーションの実行は、第一実施の形態と同様に、コンピュータ18に組み込まれたソフトウェアによって自動的に行われる。
【0050】
第二実施の形態に係る顕微鏡102を使用してFRAP観察を行う場合、LED光源41を必要に応じて点灯/消灯することによって、必要なとき以外に標本9へ照明光が照射されるのを完全に防止することができる。換言すれば、上記フローの中で、LED光源41は、(5)b〜e、(9)d〜g及びj〜mの間のみ点灯されているので、これ以外のフロー中には、照明光が標本9に照射されることがない。したがって、必要とする時間だけ、標本9に照明光を照射することができる。
【0051】
また、LED光源41は、100ナノ秒オーダーでのオン/オフ切り換えが可能であるので、10μ秒オーダーでのオン/オフ切り換えが可能なデジタル微小ミラー装置4装置と連動して、照明光の高速な切り換えができる。したがって、褪色照明から経過観察に移る際の試料の変化に対して、タイムラグの影響の少ない観察が可能である。
【0052】
上記フローにおいて、準備観察、アプリケーション観察では、ソフトウェアによって自動制御され、また、デジタル微小ミラー装置4の制御とLED光源の点灯/消灯とを連動させて制御されるので、標本9への照明光の照射時間は、必要最小限にすることができる。したがって、第一実施の形態に係る顕微鏡を用いたFRAP観察では、迷光による標本9への余分な照明光の照射を最大限抑えることができ、デジタル微小ミラー装置4のオン/オフ特性を生かした標本9への褪色を行うとともに、細胞へのダメージが少なく、褪色のコントラストの良い良好な観察を行うことができる。
【0053】
図5は、本発明の第三実施の形態に係る顕微鏡103を概略的に示す図である。図5に示すように、本実施の形態に係る顕微鏡103は、第1実施の形態に係る顕微鏡101とほぼ同じ構成を有するが、2つの照明手段を有する点で第一実施の形態とは相違する。第三実施の形態において、第一実施の形態と同じ部材には同一の符号を付して動作についての詳細な説明を省略し、第一実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0054】
第三実施の形態に係る顕微鏡103は、ステージ30に載置された標本9を照明する照明手段として、第一及び第二の光源51,52を有する。これら第一及び第二の光源51,52の照明光軸15上には、デジタル微小ミラー装置4と、視野絞り投影レンズ5とが、2つの光源に共通に配置されている。本実施の形態において、第一及び第二の光源51,52は、例えば水銀ランプである。
【0055】
第一の光源とデジタル微小ミラー装置4との間の第一の照明光軸59上には、第一の光源51からの照明光を集光する第一のコリメータ53と、この第一のコリメータ53に集光された照明光を遮光する機能を備えた遮光手段である開閉自在な第一のシャッター61と、この第一のシャッター61が開いているときに、第一の光源51からの照明光を選択的に透過する第一の励起フィルタ57と、透過した照明光を反射させる第一の反射ミラー55とが配置されている。
【0056】
一方、第二の光源52とデジタル微小ミラー装置4との間の第二の照明光軸15上には、第二の光源52からの照明光を集光する第二のコリメータ54と、この第二のコリメータ54に集光された照明光を遮光する機能を備えた遮光手段である開閉自在な第一のシャッター62と、この第二のシャッター62が開いているときに、第二の光源52からの照明光を選択的に透過する第二の励起フィルタ58と、透過した照明光を反射させる第二の反射ミラー56とが配置されている。
【0057】
第三実施の形態に係る駆動制御部20は、デジタル微小ミラー装置4と連動させて、第一及び第二のシャッター61,62の開閉動作を制御する。その他の構成は、第一実施の形態と同様である。
【0058】
次に、図5を参照して、第三実施の形態の動作について説明する。第一のシャッター61が開いている場合、第一の光源51から照射された照明光は、第一のコリメータ53により集光され、第一の励起フィルタ57により選択的に透過され、そして、第一の反射ミラー55で反射された後、デジタル微小ミラー装置4に達する。同様に、第二のシャッター62が開いている場合、第二の光源52から照射された照明光は、第二のコリメータ58により集光され、第二の励起フィルタ58により選択的に透過され、そして、第二の反射ミラー56で反射された後、デジタル微小ミラー装置4に達する。
【0059】
デジタル微小ミラー装置4に達した第一の照明光軸59の照明光のうち、オン状態になっている微小ミラー4aにより照明光軸15方向へ反射された照明光は、視野絞り投影レンズ5に案内され、オフ状態になっている微小ミラー4bに反射された照明光は、退避光軸21方向に案内される。すなわち、オフ状態になっている微小ミラー4bに反射された照明光は、照明として使用されない。また、第二の照明光軸60の照明光は、オフ状態になっている微小ミラー4bにより照明光軸15の方向へ反射され、オン状態になっている微小ミラー4aにより、照明光軸外に反射され、照明光として使用されない。
【0060】
以上のように、デジタル微小ミラー装置4の複数の微小ミラー4a,4bは、駆動制御部20によって、オン状態とオフ状態との間でそれぞれ独立的に制御される。
【0061】
顕微鏡観察では、異なる光源や波長によって、それぞれの特性を利用した効率の良い照明光を照射することがある。例えば、上記FRAP観察では、短時間での褪色を行うために、褪色に用いる照明の波長を短くしてエネルギーを高くしたり、観察用とは異なる褪色用の高い強度の光源を用いられたりすることがある。本実施の形態では、第一の光源51からの照明光は、第一の吸収フィルタ57によって、観察に適した特性となるように選択され、第二の光源62からの照明光は、第二の吸収フィルタ58によって、褪色に適した特性となるように選択される。
【0062】
以下に、第三実施の形態に係る顕微鏡103を使用してFRAP観察を行う場合のフローの一例を示す。
(1)観察の開始
(2)第一及び第二シャッター61,62を閉じる
(3)対象物の観察領域に応じて、顕微鏡の観察法(蛍光観察、位相差観察)を準備(以下では、蛍光観察として説明する)
(4)標本9をステージ30に載置
(5)準備観察の開始を指示
a.デジタル微小ミラー装置4の微小ミラー4aをすべてオン状態に制御
b.第一シャッター61を開く
c.カメラ17により観察画像を撮像
d.撮像の終了
e.第一シャッター61を閉じる
f.撮像した観察画像の保存
(6)準備観察の終了
(7)パラメータ指定の開始を指示
a.撮像した画像をモニタ19に表示する(保存画像の呼び出し)
b.モニタ19上で確認しながら、照明光を照射する照射領域31a,31b,31cを指定(ただし、照射領域は、1箇所でも複数箇所でもよい。また、フリーハンドによる指定でも、予め区分けされているブロックごとの指定でもよい。)
c.指定された照射領域31a,31b,31cをコンピュータ18に保存
d.保存された照射領域31a,31b,31cを呼び出し、これら照射領域31a,31b,31cに対応した微小ミラー4a,4bを選択
e.褪色のための照明光の照射時間を設定
f.保存された照射領域(観察領域)31a,31b,31cを呼び出し、観察範囲を指定
g.観察時間を設定
(8)パラメータ指定の終了
(9)アプリケーションの実行開始を指示
<褪色照明>
a.選択された微小ミラー4a,4bの駆動を駆動制御部20へ出力
b.設定された照射時間を駆動制御部20へ出力
c.駆動制御部20によって、選択された微小ミラー4aをオン状態に制御
d.第二シャッター62を開く
e.設定された照射時間だけ褪色用の照明光を照射領域に照射
f.照射の終了
g.第二シャッター62を閉じる
<経過観察>
h.観察領域に対応した微小ミラー4aの駆動を駆動制御部20に出力する
i.駆動制御部20によって、選択された微小ミラー4aをオン状態に制御
j.第一シャッター61を開く
k.カメラ17によって観察画像を撮像
l.経過観察の終了
m.第一シャッター61を閉じる
(10)アプリケーションの終了
(11)標本9をステージ30から取外す
(12)観察の終了
上記フローにおいて、(5)準備観察及び(9)アプリケーションの実行は、第一実施の形態と同様に、コンピュータ18に組み込まれたソフトウェアによって自動的に行われる。
【0063】
第三実施の形態に係る顕微鏡103を使用してFRAP観察を行う場合、第一の光源からの照明光軸中に、開閉自在に制御可能な第一のシャッター61が、配置され、第二の光源からの照明光軸中に、開閉自在に制御可能な第二のシャッター62が配置されている。各シャッター61,62を必要に応じて開閉することによって、デジタル微小ミラー装置4から生じる迷光を遮光することができる。換言すれば、上記フローの中で、第一のシャッター61は、(5)b〜e、及び(9)j〜mの間のみ開かれ、第二のシャッター62は、(9)d〜gの間のみ開かれているので、これ以外のフロー中には、迷光が細胞に照射されて悪影響を与えることがない。
【0064】
上記フローにおいて、準備観察、アプリケーション観察では、ソフトウェアによって自動制御され、また、デジタル微小ミラー装置4の制御と第一及び第二のシャッター61,62の開閉とを連動させて制御されるので、標本9への照明光の照射時間は、必要最小限にすることができる。したがって、第三実施の形態に係る顕微鏡を用いたFRAP観察では、迷光による標本9への余分な照明光の照射を最大限抑えることができ、デジタル微小ミラー装置4のオン/オフ特性を生かした標本9への褪色を行うとともに、細胞へのダメージが少なく、褪色のコントラストの良い良好な観察を行うことができる。
【0065】
第三実施の形態では、FRAP観察について説明したが、第一及び第二の吸収フィルタの特性を変えて、2色照明とすることも可能である。この場合、例えば第1の吸収フィルタ57と第二の吸収フィルタ58とは、互いに異なる波長帯域のバンドパスフィルタで構成される。このような構成では、図3の照射領域33に第一の光源51からの照明光が照射され、それ以外の領域に第二の光源52からの照明光が照射されることが可能である。
【0066】
尚、本実施の形態では、第二のシャッター62は、第一のコリメータ53と第一の反射ミラー55との間の照明光軸15中に位置しており、第一のシャッター61は、第二のコリメータ54と第二の反射ミラー56との間の照明光軸15中に位置しているが、図1の点線で示したように、デジタル微小ミラー装置4と視野絞り投影レンズ5との間の照明光軸15中に位置されていても良い(図1のシャッター16’の位置)。このような構成では、第一の光源と第2の光源とに共通なシャッターとして開閉動作が制御されることによって、迷光が視野絞り投影レンズ5に導かれることを防止することができる。
【0067】
また、第三実施の形態では、2つの光源51,52を水銀ランプを用いたが、どちらか一方、または両方の光源及びシャッターの代わりにLED光源を用いてもよい。この場合、各LED光源に関わる構成及び動作は、第二の実施の形態のLED光源と同様である。
【0068】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る顕微鏡は、標本の必要とする範囲に、必要とする時間だけ照明光を照射することができ、必要以外の範囲への照明光の照射による影響を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施の形態に係る顕微鏡を概略的に示す図である。
【図2】図1の顕微鏡のデジタル微小ミラー装置をより詳細に示す図である。
【図3】図3の(a)は、照射領域を示す図である。図3の(b)は、デジタル微小ミラー装置の制御による照射領域を示す図である。図3の(c)は、観察領域を示す図である。
【図4】本発明の第二実施の形態を概略的に示す図である。
【図5】本発明の第三実施の形態を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1,51,52…光源、4…デジタル微小ミラー装置、4a,4b…微小ミラー、5…視野絞り投影レンズ、7…ダイクロイックミラー、8…対物レンズ、9…標本、13…接眼レンズ、16,61,62…シャッター、20…駆動制御部、41…LED光源
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡用の照明装置、特に蛍光顕微鏡用の照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ケーラー照明を持つ顕微鏡においては、観察範囲と同じ範囲を照明する視野絞り機能が設けられている。そして、例えば蛍光観察時に、視野内の一部分を観察範囲とする場合、観察範囲外における標本の劣化や、蛍光褪色を防ぐために、視野絞りを小さくして視野内の必要な部分のみを照明する形式が採られている。
【0003】
また、最近では、蛍光観察時に視野内を部分的に褪色させ、その復帰状態を利用することによって、細胞内の物質移動を観察するFRAP(Fluorescence Recovery After Photobleaching)観察、及びFLIP(Fluorescence Los In Photobleaching)観察がある。あるいは、科学的に特性を封じ込めたケージド(Caged)試薬で染色しておき、部分的に照明光を当てることによって照明部分のみ特性を回復させ、その拡散を観察する観察方法等がある。これら観察方法では、例えば蛍光観察時に、視野内の一部分を任意の大きさや形状で照明することができる手段が必要とされている。
【0004】
視野内の一部分を照明する手段としては、例えば特開平7−134250号公報、特表2000−502472号公報に、透過液晶素子(LCD)が絞り位置に配置され、この透過液晶素子の濃淡の制御により視野絞りとする液晶絞り方式が開示されている。この方式を採用すると、観察範囲と照明範囲とを合わせる機能だけでなく、視野内の一部分を任意の大きさや形状で照明することが可能となる。
【0005】
しかしながら、上記液晶絞り方式では、液晶素子に偏光板を使用していることにより、100%透過制御の状態でも、その透過率が低く、照明光量が落ちる上、透過光の色特性が変化してしまうために観測精度が低下する。さらに、蛍光照明にUV光が用いられる場合、液晶自体のUV透過率が低く、また自家蛍光が小さいものを用いることが難しい。
【0006】
また、特表2000−502472号公報には、特許請求の範囲において、液晶素子(LCD)の代わりに光変調構造の異なるDMD(デジタルミラーデバイス)を用いることが規定されている。しかし、この公報の実施例の説明においては、当業者により実施可能なDMDを用いた照明装置の具体的な構成について、全く開示も示唆もされていない。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−134250号公報
【0008】
【特許文献2】
特表2000−502472号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般にDMD素子には、マイクロミラーの保護のために保護ガラスが設けられており、この保護ガラス表面からの反射光や、微小ではあるが、互いに隣接するマイクロミラーとの間に存在する隙間からの反射光が迷光となる。このような迷光は、マイクロミラーの制御によらないので、必要としない範囲を含む標本全体に常に照射される。したがって、マイクロミラーの制御のみでは、迷光から標本を完全に保護することができない。
【0010】
保護ガラスやマイクロミラー間の隙間による迷光は、マイクロミラーによる反射光に比べて極めて微弱であり、多くの場合は問題とならないが、照明光の強度が高い場合や、照明光の照明時間が長い場合には、標本への影響を考慮する必要がある。
【0011】
例えば、一般的な蛍光観察において、シャーレ内に培養された複数の細胞のうち1つの細胞のみに照明したい場合であっても、迷光によって、観察対象以外の細胞にも照明光が照射されてしまう。迷光が長時間照射されると、観察対象以外の細胞も、褪色したり、場合によっては弱ったりするおそれがある。
【0012】
また、上記FRAP観察においては、褪色させる範囲に高強度の照明光が照射されるので、相対的に強度の低い迷光であっても、この迷光の影響を無視することができない。特に照射時間が長い場合には、褪色させる必要のない範囲を含む標本全体が、迷光によって少なからず褪色する。したがって、部分的な蛍光ラベルの褪色を必要とするFRAPにおいて、通常の部分的な褪色処理を行ったとしても、標本全体を蛍光観察する際にコントラストが低くなる可能性がある。このようにコントラストが低い場合、観察が正確に行えないだけでなく、場合によっては、観察結果が得られないおそれがある。
【0013】
上記課題を鑑みて、本発明は、標本の必要とする範囲に、必要とする時間だけ照明光を照射することができ、必要以外の範囲への照明光の照射による影響を最小限に抑えることができる顕微鏡を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係る顕微鏡は、標本を照明する照明手段と、この照明手段と標本との間の照明光軸上に配置され、標本の一部が照明されるように視野を絞る視野絞り投影レンズと、照明手段と視野絞り投影レンズとの間の照明光軸上に、標本と共役な関係となるように配置されており、標本に照射される照明手段からの照明光を夫々独立して偏向させる複数の微小光偏向部を有する光偏向素子アレイと、標本に照明光を照射する状態と、標本に照明光を照射しない状態とを切り換える切替手段とを有する。
【0015】
本発明の第二態様にかかる顕微鏡は、標本を照明する複数の照明手段と、これら複数の照明手段と標本との間の共通の照明光軸上に配置され、標本の一部が照明されるように視野を絞る視野絞り投影レンズと、複数の照明手段と視野絞り投影レンズとの間の共通の照明光軸上に、標本と共役な関係となるように配置されており、標本に照射される各照明手段からの照明光をそれぞれ独立して偏向させる複数の微小光偏向部を有する光偏向素子アレイと、標本に照明光を照射する状態と、標本に照明光を照射しない状態とを切り換える切替手段とを有する。
【0016】
切替手段は、光偏向素子アレイと視野絞り投影レンズとの間の照明光軸上に配置された照明光を遮光する遮光手段である。あるいは、切替手段は、各照明手段と光偏向素子アレイとの間の各照明光軸上に配置された照明光を遮光する複数の遮光手段である。上記遮光手段は、例えば、開閉自在に形成されたシャッターである。
【0017】
上記顕微鏡は、好ましくは、複数の微小光偏向部の独立的な偏向動作と、切替手段の切替動作とを制御する駆動制御部をさらに有する。この駆動制御部は、複数の微小光偏向部の選択的な偏向動作の後に、切替手段の切替動作を制御することが好ましい。
【0018】
本発明の第三態様に係る顕微鏡では、上記照明手段はLED光源を有し、切替手段は、LED光源の点灯/消灯を切り替えるLED駆動制御部である。また、好ましくは、微小光偏向部の独立的な偏向動作を制御する駆動制御部をさらに有し、LED駆動制御部は、この駆動制御部によって複数の微小光偏向部の選択的な偏向動作が制御された後に、LED光源の切替動作を制御する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の第一実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の第一実施の形態に係る顕微鏡101を概略的に示す図である。図1に示すように、本実施の形態に係る顕微鏡101は、ステージ30と、このステージ30に載置された標本9を照明する照明手段としての光源1と、標本9に対向して配置された対物レンズ8と、これら光源1と対物レンズ8との間の照明光軸15上に配置され、標本9の一部が照明されるように視野を絞る視野絞り投影レンズ5とを有する。
【0020】
本実施の形態において、光源1は、例えば水銀ランプである。この光源1と視野絞り投影レンズ5との間の照明光軸15上には、光源1からの照明光を集光するコリメータ2と、このコリメータ2に集光された照明光を遮光する機能を備えた遮光手段である開閉自在なシャッター16と、このシャッター16が開いているときに、光源1からの照明光を反射させる反射ミラー3と、この反射ミラー3で反射された光が入射する光偏向素子アレイであるデジタル微小ミラー装置4とが設けられている。このデジタル微小ミラー装置4は、対物レンズ8を通る照明光軸15上の光源1と視野絞り投影レンズ5との間に配置されており、標本9と共役な関係となるように位置している。
【0021】
対物レンズ8の観察光軸14上には、光源1からの照明光を対物レンズ8へ反射するとともに、対物レンズ8からの観察光を透過するダイクロイックミラー7と、このダイクロイックミラー7を透過した観察光を選択的に吸収する吸収フィルタ10と、吸収フィルタ10を透過した観察光を結像する結像レンズ11と、結像された光を偏向するプリズム12と、このプリズム12によって偏向された観察光が入射する接眼レンズ13とが設けられている。
【0022】
さらに、顕微鏡101は、デジタル微小ミラー装置4とシャッター16とを駆動制御する駆動制御部20と、プリズム12を介して観察画像を取得するCCDなどのカメラ17と、このカメラ17によって取得された観察画像を画像処理するとともに、駆動制御部20を制御するコンピュータ18と、このコンピュータ18によって画像処理された観察画像を映すモニタ19とを有する。
【0023】
図2は、デジタル微小ミラー装置4を概略的に示す側面図である。図2に示すように、本実施の形態に係るデジタル微小ミラー装置4は、例えば米国特許5,061,049号公報に開示されているDMD(Digital Micromirror Devices)素子であり、照明光軸15に対して垂直に配置されている。このデジタル微小ミラー装置4は、複数の微小ミラー4a,4b(図2中では、便宜上2個のみが図示されている)と、これら微小ミラー4a,4bを支持する支持部4cと、微小ミラー4a,4bを保護する保護ガラス4dとを有する。複数の微小ミラー4a,4bは、例えば1024個×768個の2次元的に配列されており、それぞれデジタル微小ミラー装置4に依存する所定の大きさ、例えば20μm以下の方形状の面を有する。
【0024】
各微小ミラー4a,4bの面は、支持部4cに対して所定の傾斜角度±α(例えば10°)で独立的に傾斜して固定されることが可能であり、傾斜角度±αは、駆動制御部20によって微小ミラー4a,4bごとに独立して変化され得る。各微小ミラー4a,4bの傾斜角度±αの制御は、例えば各微小ミラー4a,4bへの印加電圧をオン/オフすることによって10μ秒オーダーの応答速度で選択的に行われる。本実施の形態では、微小ミラー4a,4bが光源1からの照明光を照明光軸15に案内する傾斜角度を有する状態をオン状態、また、光源1からの照明光を退避光軸21(外部)方向に案内する傾斜角度を有する状態をオフ状態と規定する。
【0025】
照明光軸15上の視野絞り投影レンズ5は、その焦点位置が対物レンズ8の瞳位置及び微小ミラー4a,4bの面上になるように位置している。すなわち、視野絞り投影レンズ5は、微小ミラー4a,4bを最適な大きさで投影するように、その焦点距離f1が50mm〜300mm程度の1枚以上のレンズで形成されたレンズ群で構成されている。これは、焦点距離f1が50mm以下では、実構成を取ることが困難であり、焦点距離f1が300mmを超えると、標本9面上に投影される投影倍率が小さくなりすぎて、使い勝手のよい視野を確保することが困難となると共に、照明光が暗くなるためである。本実施の形態においては、焦点距離f1は、例えばf1=170mmである。
【0026】
また、デジタル微小ミラー装置4は、標本9の観察像を撮像する図示しない撮像部の撮像素子のサイズとの関係が、結像レンズ11の焦点距離をf2とし、撮像素子の対角サイズをCとし、配列された複数の微小ミラー4a,4bの対角サイズをDとすると、
0.3<f2/f1<5
0.3<C/D<6.6
の関係を満足すると、容易な配置が可能となる。本実施の形態では、焦点距離f2は、例えばf2=180mmである。
【0027】
次に、図1及び図2を参照して、上記構成を有する第一実施の形態の顕微鏡の動作について説明する。シャッター16が開いている場合、光源から照射された照明光は、コリメータ2により集光され、反射ミラー3で反射された後、デジタル微小ミラー装置4に達する。
【0028】
デジタル微小ミラー装置4に達した照明光のうち、オン状態になっている微小ミラー4aにより照明光軸15方向へ反射された照明光は、視野絞り投影レンズ5に案内され、オフ状態になっている微小ミラー4bに反射された照明光は、退避光軸21方向に案内される。すなわち、オフ状態になっている微小ミラー4bに反射された照明光は、照明として使用されない。以上のように、デジタル微小ミラー装置4の複数の微小ミラー4a,4bは、駆動制御部20によって、オン状態とオフ状態との間でそれぞれ独立的に制御される。
【0029】
視野絞り投影レンズ5に達した照明光は、励起フィルタ6により標本9の蛍光物質を励起するのに適切な照明光に撰択された後、ダイクロイックミラー7により反射され、対物レンズ8を介して標本9に照射される。標本9は、照射された照明光に基づいた蛍光を発する。
【0030】
標本9から発した蛍光は、対物レンズ8により集光され、観察光軸14に沿ってダイクロイックミラー7を透過する。ダイクロイックミラー7を透過した蛍光は、吸収フィルタ10により観察に適するように選択的に透過し、結像レンズ11により結像され、また、プリズム12により偏向されて、接眼レンズ13に入射する。この接眼レンズ13で観察される光学像は、カメラ17に導かれて観察画像として取得することができる。
【0031】
上記動作において、デジタル微小ミラー装置4の各微小ミラー4a,4bの像は、視野絞り投影レンズ5と対物レンズ8とによって標本9のピント面に結像される。オン状態の微小ミラー4aの像は、この微小ミラー4aによって反射された照明光の反射光が標本9面まで導かれるので明るく投影される。一方、オフ状態の微小ミラー4bの像は、この微小ミラー4bに反射された照明光の反射光が標本9面に導かれないので真っ暗に投影される。すなわち、標本9上では、複数の微小ミラー4a,4bの像がこれらオン/オフ状態に連動して明暗として投影されるため、オン状態の微小ミラー4aに反射された照明光に対応する部分のみが照明される。
【0032】
図3(a)ないし(c)は、デジタル微小ミラー装置4の制御と照射領域との対応を詳細に示す図である。標本9の部分的な照射領域を照明する場合、図3(a)に示すモニタ19の画面上に映された照射領域31a、31b、31cに基いて、これら照射領域31a,31b,31cに対応する微小ミラー4aのみがオン状態に制御される。すなわち、図3の(b)に示すように、微小ミラー4aによって反射された照明光は、照明領域32a,32b,32cのみに照射され、これら照明領域32a,32b,32c以外は暗い状態である。
【0033】
図3の(c)に示すように、実際の標本9面上の像には、図3(b)に示す明暗状態が投影され、視野34のうち観察領域33a、33b,33cのみに照明光が投影される。したがって、駆動制御部20によって切り換えられる微小ミラー4a,4bのオン/オフ状態に基いて、標本9の部分的な照明が可能となる。
【0034】
図3の(c)に示すように、照明する照射領域が複数ある場合、駆動制御部20は、デジタル微小ミラー装置4の複数の微小ミラー4a,4bを高速に切り換えることによって、照射領域31a、31b,31cを順に照明するように制御することもできる。本実施の形態において、視野34のうち観察する観察領域33a、33b,33cは3つであるが、各微小ミラー4a,4bを最小単位としてデジタル微小ミラー装置4を制御することができれば、観察する観察領域の数は制限されることはなく、また、これら観察領域の大きさや形状に応じて照明光を照射することができる。
【0035】
再度、図2を参照すると、デジタル微小ミラー装置4は、微小ミラー4a,4bを保護する保護ガラス4dを有しており、複数の微小ミラー4a,4bの間には、隙間4eが存在する。このため、保護ガラス4dや隙間4eから、微弱ではあるが反射光軸24に沿う反射光が生じて迷光となる。反射光軸24は、照明光軸15と一致することはないが、退避光軸21に比べて照明光軸15との角度差が小さいので、照明光軸15の近傍で反射された反射光は、迷光となって視野絞り投影レンズ5に導かれる可能性がある。このような迷光は、微小ミラー4a,4bの制御に関わらないので、微小ミラー4a,4bがオフ状態であっても生じる。
【0036】
一方、シャッター16が閉じている場合、シャッター16は、光源1とデジタル微小ミラー装置4との間の照明光軸15上に設けられているので、光源1からの照明光を完全に遮光する。したがって、光源1からの照明光は、デジタル微小ミラー装置4へ導かれることはない。シャッター16の開閉は、駆動制御部20により、デジタル微小ミラー装置4の制御と連動する。具体的には、駆動制御部20は、シャッター16を閉じた状態で、標本9の観察領域のみが照明されるように、微小ミラー4aの傾斜角度±αを制御した後、シャッター16を開くように制御する。
【0037】
本実施の形態においては、上述のようにシャッター16を閉じた状態では、光源1からの照明光がデジタル微小ミラー装置4へ遮断されるので、微小ミラー4a,4bの状態に関わらず、デジタル微小ミラー装置4から迷光が生じることがない。したがって、標本9に照明光を照射する必要のないときにはシャッター16を閉じ、標本9に照射する場合には、シャッター16を必要な時間だけ開くことによって、不必要に標本9に照明光が照射されることを完全に防止することができる。
【0038】
第一実施の形態に係る顕微鏡101は、例えばFRAP観察に使用される。このFRAP観察は、蛍光観察時に、視野内を部分的に褪色させ、その復帰状態を利用することによって、細胞内の物質移動を観察する観察方法である。以下に、第一実施の形態に係る顕微鏡101を使用してFRAP観察を行う場合のフローの一例を示す。
(1)観察の開始
(2)シャッター16を閉じる
(3)対象物の観察領域に応じて、顕微鏡の観察法(蛍光観察、位相差観察)を準備(以下では、蛍光観察として説明する)
(4)標本9をステージ30に載置
(5)準備観察の開始を指示
a.デジタル微小ミラー装置4の微小ミラー4aをすべてオン状態に制御
b.光源を点灯
c.シャッター16を開く
d.カメラ17により観察画像を撮像
e.撮像の終了
f.シャッター16を閉じる
g.撮像した観察画像の保存
(6)準備観察の終了
(7)パラメータ設定の開始
a.撮像した画像をモニタ19に表示する(保存画像の呼び出し)
b.モニタ19上で確認しながら、照明光を照射する照射領域31a,31b,31cを指定(ただし、照射領域は、1箇所でも複数箇所でもよい。また、フリーハンドによる指定でも、予め区分けされているブロックごとの指定でもよい。)
c.指定された照射領域31a,31b,31cをコンピュータ18に保存
d.保存された照射領域31a,31b,31cを呼び出し、これら照射領域31a,31b,31cに対応した微小ミラー4a,4bを選択
e.褪色のための照明光の照射時間を設定
f.保存された照射領域(観察領域)31a,31b,31cを呼び出し、呼び出された照射領域31a,31b,31cに基いて観察範囲を指定
g.観察時間を設定
(8)パラメータ設定の終了
(9)アプリケーションの実行開始を指示
<褪色照明>
a.選択された微小ミラー4a,4bの駆動を駆動制御部20へ出力
b.設定された照射時間を駆動制御部20へ出力
c.駆動制御部20によって、選択された微小ミラー4aをオン状態に制御
d.シャッター16を開く
e.設定された照射時間だけ褪色用の照明光を照射領域31a,31b,31cに照射
f.照射の終了
g.シャッター16を閉じる
<経過観察>
h.観察領域に対応した微小ミラー4aの駆動を駆動制御部20に出力する
i.駆動制御部20によって、選択された微小ミラー4aをオン状態に制御
j.シャッター16を開く
k.カメラ17によって観察画像を撮像
l.経過観察の終了
m.シャッター16を閉じる
(10)アプリケーションの終了
(11)標本9をステージ30から取外す
(12)観察の終了
上記フローにおいて、(5)準備観察及び(9)アプリケーションの実行は、コンピュータ18に組み込まれたソフトウェアによって自動的に行われる。
【0039】
FRAP観察では、デジタル微小ミラー装置4を制御して褪色させる範囲(対象物の位置、形状、大きさ)が設定され、設定された範囲に一定時間照明光を照射して標本9の細胞の蛍光を部分的に褪色させることが必要であるので、上述のように、迷光の影響が無視できない。特に、シャッターがない場合には、(7)パラメータ設定の開始から(8)パラメータ設定の終了までは、人為的作業によるので時間がかかるにもかかわらず、この間には標本9に照明光が照射されたままである。パラメータ設定中に標本9が遮光されていない場合、細胞にダメージを与えるばかりか、標本9全体の蛍光の褪色が生じるので、(9)アプリケーションの実行でのS/N比劣化への影響も考えられる。
【0040】
第一実施の形態に係る顕微鏡101を使用してFRAP観察を行う場合、照明光軸中に、開閉自在に制御可能なシャッター16が配置されており、このシャッター16を必要に応じて開閉することによって、デジタル微小ミラー装置4から生じる迷光を遮光することができる。換言すれば、上記フローの中で、シャッター16は、(5)c〜f、(9)d〜g及びj〜mの間のみ開かれているので、これ以外のフロー中には、迷光が細胞に照射されて悪影響を与えることがない。
【0041】
上記フローにおいて、準備観察、アプリケーション観察では、ソフトウェアによって自動制御され、また、デジタル微小ミラー装置4の制御とシャッター16の開閉とを連動させて制御されるので、標本9への照明光の照射時間は、必要最小限にすることができる。したがって、第一実施の形態に係る顕微鏡を用いたFRAP観察では、迷光による標本9への余分な照明光の照射を最大限抑えることができ、デジタル微小ミラー装置4のオン/オフ特性を生かした標本9への褪色を行うとともに、細胞へのダメージが少なく、褪色のコントラストの良い良好な観察を行うことができる。
【0042】
尚、本実施の形態では、シャッター16は、コリメータ2と反射ミラー3との間の照明光軸中に位置しているが、図1の点線で示したように、デジタル微小ミラー装置4と視野絞り投影レンズ5との間の照明光軸中に位置されていても良い。このような構成では、シャッター16’を閉じている場合であってもデジタル微小ミラー装置4から迷光は発生するが、視野絞り投影レンズ5の照明光軸15上の前側にシャッター16’が配置されているので、迷光が視野絞り投影レンズ5に導かれることはない。
【0043】
図4は、本発明の第二実施の形態に係る顕微鏡102を概略的に示す図である。図4に示すように、本実施の形態に係る顕微鏡102は、第1実施の形態に係る顕微鏡101とほぼ同じ構成を有するが、特に照明手段に関して第一実施の形態とは相違する。第二実施の形態において、第一実施の形態と同じ部材には同一の符号を付して動作についての詳細な説明を省略し、第一実施の形態と異なる点に着目して説明する。
【0044】
図4に示すように、本実施の形態に係る顕微鏡102は、照明手段としてのLED光源41と、このLED光源41を制御するLED駆動制御部42とを有する。LED光源41の点灯/消灯は、LED駆動制御部42によって高速に切り換え可能であり、LED駆動制御部42は、コンピュータ18によって制御される。また、本実施の形態では、シャッター16が取外されている。その他の構成は、第一実施の形態と同様である。LED光源41がLED駆動制御部42により点灯された状態は、第一実施の形態におけるシャッター16の開いた状態、また、LED光源41が消灯された状態をシャッター16の閉じた状態に対応する。
【0045】
次に、図4を参照して、第二実施の形態の動作について説明する。LED光源41からの照射光は、第1実施の形態と同様に、反射ミラー3に反射されてデジタル微小ミラー装置4に達する。デジタル微小ミラー装置4に達した照明光のうち、オン状態になっている微小ミラー4aにより照明光軸15方向へ反射された照明光は、視野絞り投影レンズ5に案内され、オフ状態になっている微小ミラー4bに反射された照明光は、退避光軸21方向に案内される。すなわち、オフ状態になっている微小ミラー4bに反射された照明光は、照明として使用されない。以上のように、デジタル微小ミラー装置4の複数の微小ミラー4a,4bは、駆動制御部20によって、オン状態とオフ状態との間でそれぞれ独立的に制御される。
【0046】
視野絞り投影レンズ5に案内された照明光は、第一実施の形態と同様の動作で標本9に照射され、標本9から発した蛍光も同様の動作で接眼レンズ13に導かれる。
【0047】
LED光源41の点灯/消灯の切り換えは、駆動制御部20により、デジタル微小ミラー装置4の制御と連動する。具体的には、駆動制御部20は、LED光源41を消灯した状態で、標本9の観察領域のみが照明されるように、微小ミラー4aの傾斜角度±αを制御した後、LED光源41を点灯するように制御する。
【0048】
上述のようにLED光源41を消灯した状態では、照明光自体が照射されないので、微小ミラー4a,4bの状態に関わらず、デジタル微小ミラー装置4の保護ガラス4dと隙間4eから迷光が生じることがない。すなわち、不必要に照明光が標本9に照射されることがない。したがって、標本9に照明光を照射する必要のないときにはLED光源41を消灯し、標本9に照射する場合には、LED光源41を点灯することによって、不必要に標本9に照明光が照射されることを完全に防止することができる。
【0049】
以下に、第二実施の形態に係る顕微鏡102を使用してFRAP観察を行う場合の流れの一例を示す。
(1)観察の開始
(2)LED光源41の消灯確認
(3)対象物の観察領域に応じて、顕微鏡の観察法(蛍光観察、位相差観察)を準備(以下では、蛍光観察として説明する)
(4)標本9をステージ30に載置
(5)準備観察の開始を指示
a.デジタル微小ミラー装置4の微小ミラー4aをすべてオン状態に制御
b.LED光源41を点灯
c.カメラ17により観察画像を撮像
d.撮像の終了
e.LED光源41を消灯
f.撮像した観察画像の保存
(6)準備観察の終了
(7)パラメータ指定の開始を指示
a.撮像した画像をモニタ19に表示する(保存画像の呼び出し)
b.モニタ19上で確認しながら、照明光を照射する照射領域31a,31b,31cを指定(ただし、照射領域は、1箇所でも複数箇所でもよい。また、フリーハンドによる指定でも、予め区分されているブロックごとの指定でもよい。)
c.指定された照射領域31a,31b,31cをコンピュータ18に保存
d.保存された照射領域31a,31b,31cを呼び出し、これら照射領域31a,31b,31cに対応した微小ミラー4a,4bを選択
e.褪色のための照明光の照射時間を設定
f.保存された照射領域(観察領域)を呼び出し、観察範囲を指定
g.観察時間を設定
(8)パラメータ指定の終了
(9)アプリケーションの実行開始を指示
<褪色照明>
a.選択された微小ミラー4a,4bの駆動を駆動制御部20へ出力
b.設定された照射時間を駆動制御部20へ出力
c.駆動制御部20によって、選択された微小ミラー4aをオン状態に制御
d.LED光源41を点灯
e.設定された照射時間だけ褪色用の照明光を照射領域31a,31b,31cに照射
f.照射の終了
g.LED光源41を消灯
<経過観察>
h.観察領域に対応した微小ミラー4aの駆動を駆動制御部20に出力する
i.駆動制御部20によって、選択された微小ミラー4aをオン状態に制御
j.LED光源41を点灯
k.カメラ17によって観察画像を撮像
l.経過観察の終了
m.LED光源41を消灯
(10)アプリケーションの終了
(11)標本9をステージ30から取外す
(12)観察の終了
上記フローにおいて、(5)準備観察及び(9)アプリケーションの実行は、第一実施の形態と同様に、コンピュータ18に組み込まれたソフトウェアによって自動的に行われる。
【0050】
第二実施の形態に係る顕微鏡102を使用してFRAP観察を行う場合、LED光源41を必要に応じて点灯/消灯することによって、必要なとき以外に標本9へ照明光が照射されるのを完全に防止することができる。換言すれば、上記フローの中で、LED光源41は、(5)b〜e、(9)d〜g及びj〜mの間のみ点灯されているので、これ以外のフロー中には、照明光が標本9に照射されることがない。したがって、必要とする時間だけ、標本9に照明光を照射することができる。
【0051】
また、LED光源41は、100ナノ秒オーダーでのオン/オフ切り換えが可能であるので、10μ秒オーダーでのオン/オフ切り換えが可能なデジタル微小ミラー装置4装置と連動して、照明光の高速な切り換えができる。したがって、褪色照明から経過観察に移る際の試料の変化に対して、タイムラグの影響の少ない観察が可能である。
【0052】
上記フローにおいて、準備観察、アプリケーション観察では、ソフトウェアによって自動制御され、また、デジタル微小ミラー装置4の制御とLED光源の点灯/消灯とを連動させて制御されるので、標本9への照明光の照射時間は、必要最小限にすることができる。したがって、第一実施の形態に係る顕微鏡を用いたFRAP観察では、迷光による標本9への余分な照明光の照射を最大限抑えることができ、デジタル微小ミラー装置4のオン/オフ特性を生かした標本9への褪色を行うとともに、細胞へのダメージが少なく、褪色のコントラストの良い良好な観察を行うことができる。
【0053】
図5は、本発明の第三実施の形態に係る顕微鏡103を概略的に示す図である。図5に示すように、本実施の形態に係る顕微鏡103は、第1実施の形態に係る顕微鏡101とほぼ同じ構成を有するが、2つの照明手段を有する点で第一実施の形態とは相違する。第三実施の形態において、第一実施の形態と同じ部材には同一の符号を付して動作についての詳細な説明を省略し、第一実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0054】
第三実施の形態に係る顕微鏡103は、ステージ30に載置された標本9を照明する照明手段として、第一及び第二の光源51,52を有する。これら第一及び第二の光源51,52の照明光軸15上には、デジタル微小ミラー装置4と、視野絞り投影レンズ5とが、2つの光源に共通に配置されている。本実施の形態において、第一及び第二の光源51,52は、例えば水銀ランプである。
【0055】
第一の光源とデジタル微小ミラー装置4との間の第一の照明光軸59上には、第一の光源51からの照明光を集光する第一のコリメータ53と、この第一のコリメータ53に集光された照明光を遮光する機能を備えた遮光手段である開閉自在な第一のシャッター61と、この第一のシャッター61が開いているときに、第一の光源51からの照明光を選択的に透過する第一の励起フィルタ57と、透過した照明光を反射させる第一の反射ミラー55とが配置されている。
【0056】
一方、第二の光源52とデジタル微小ミラー装置4との間の第二の照明光軸15上には、第二の光源52からの照明光を集光する第二のコリメータ54と、この第二のコリメータ54に集光された照明光を遮光する機能を備えた遮光手段である開閉自在な第一のシャッター62と、この第二のシャッター62が開いているときに、第二の光源52からの照明光を選択的に透過する第二の励起フィルタ58と、透過した照明光を反射させる第二の反射ミラー56とが配置されている。
【0057】
第三実施の形態に係る駆動制御部20は、デジタル微小ミラー装置4と連動させて、第一及び第二のシャッター61,62の開閉動作を制御する。その他の構成は、第一実施の形態と同様である。
【0058】
次に、図5を参照して、第三実施の形態の動作について説明する。第一のシャッター61が開いている場合、第一の光源51から照射された照明光は、第一のコリメータ53により集光され、第一の励起フィルタ57により選択的に透過され、そして、第一の反射ミラー55で反射された後、デジタル微小ミラー装置4に達する。同様に、第二のシャッター62が開いている場合、第二の光源52から照射された照明光は、第二のコリメータ58により集光され、第二の励起フィルタ58により選択的に透過され、そして、第二の反射ミラー56で反射された後、デジタル微小ミラー装置4に達する。
【0059】
デジタル微小ミラー装置4に達した第一の照明光軸59の照明光のうち、オン状態になっている微小ミラー4aにより照明光軸15方向へ反射された照明光は、視野絞り投影レンズ5に案内され、オフ状態になっている微小ミラー4bに反射された照明光は、退避光軸21方向に案内される。すなわち、オフ状態になっている微小ミラー4bに反射された照明光は、照明として使用されない。また、第二の照明光軸60の照明光は、オフ状態になっている微小ミラー4bにより照明光軸15の方向へ反射され、オン状態になっている微小ミラー4aにより、照明光軸外に反射され、照明光として使用されない。
【0060】
以上のように、デジタル微小ミラー装置4の複数の微小ミラー4a,4bは、駆動制御部20によって、オン状態とオフ状態との間でそれぞれ独立的に制御される。
【0061】
顕微鏡観察では、異なる光源や波長によって、それぞれの特性を利用した効率の良い照明光を照射することがある。例えば、上記FRAP観察では、短時間での褪色を行うために、褪色に用いる照明の波長を短くしてエネルギーを高くしたり、観察用とは異なる褪色用の高い強度の光源を用いられたりすることがある。本実施の形態では、第一の光源51からの照明光は、第一の吸収フィルタ57によって、観察に適した特性となるように選択され、第二の光源62からの照明光は、第二の吸収フィルタ58によって、褪色に適した特性となるように選択される。
【0062】
以下に、第三実施の形態に係る顕微鏡103を使用してFRAP観察を行う場合のフローの一例を示す。
(1)観察の開始
(2)第一及び第二シャッター61,62を閉じる
(3)対象物の観察領域に応じて、顕微鏡の観察法(蛍光観察、位相差観察)を準備(以下では、蛍光観察として説明する)
(4)標本9をステージ30に載置
(5)準備観察の開始を指示
a.デジタル微小ミラー装置4の微小ミラー4aをすべてオン状態に制御
b.第一シャッター61を開く
c.カメラ17により観察画像を撮像
d.撮像の終了
e.第一シャッター61を閉じる
f.撮像した観察画像の保存
(6)準備観察の終了
(7)パラメータ指定の開始を指示
a.撮像した画像をモニタ19に表示する(保存画像の呼び出し)
b.モニタ19上で確認しながら、照明光を照射する照射領域31a,31b,31cを指定(ただし、照射領域は、1箇所でも複数箇所でもよい。また、フリーハンドによる指定でも、予め区分けされているブロックごとの指定でもよい。)
c.指定された照射領域31a,31b,31cをコンピュータ18に保存
d.保存された照射領域31a,31b,31cを呼び出し、これら照射領域31a,31b,31cに対応した微小ミラー4a,4bを選択
e.褪色のための照明光の照射時間を設定
f.保存された照射領域(観察領域)31a,31b,31cを呼び出し、観察範囲を指定
g.観察時間を設定
(8)パラメータ指定の終了
(9)アプリケーションの実行開始を指示
<褪色照明>
a.選択された微小ミラー4a,4bの駆動を駆動制御部20へ出力
b.設定された照射時間を駆動制御部20へ出力
c.駆動制御部20によって、選択された微小ミラー4aをオン状態に制御
d.第二シャッター62を開く
e.設定された照射時間だけ褪色用の照明光を照射領域に照射
f.照射の終了
g.第二シャッター62を閉じる
<経過観察>
h.観察領域に対応した微小ミラー4aの駆動を駆動制御部20に出力する
i.駆動制御部20によって、選択された微小ミラー4aをオン状態に制御
j.第一シャッター61を開く
k.カメラ17によって観察画像を撮像
l.経過観察の終了
m.第一シャッター61を閉じる
(10)アプリケーションの終了
(11)標本9をステージ30から取外す
(12)観察の終了
上記フローにおいて、(5)準備観察及び(9)アプリケーションの実行は、第一実施の形態と同様に、コンピュータ18に組み込まれたソフトウェアによって自動的に行われる。
【0063】
第三実施の形態に係る顕微鏡103を使用してFRAP観察を行う場合、第一の光源からの照明光軸中に、開閉自在に制御可能な第一のシャッター61が、配置され、第二の光源からの照明光軸中に、開閉自在に制御可能な第二のシャッター62が配置されている。各シャッター61,62を必要に応じて開閉することによって、デジタル微小ミラー装置4から生じる迷光を遮光することができる。換言すれば、上記フローの中で、第一のシャッター61は、(5)b〜e、及び(9)j〜mの間のみ開かれ、第二のシャッター62は、(9)d〜gの間のみ開かれているので、これ以外のフロー中には、迷光が細胞に照射されて悪影響を与えることがない。
【0064】
上記フローにおいて、準備観察、アプリケーション観察では、ソフトウェアによって自動制御され、また、デジタル微小ミラー装置4の制御と第一及び第二のシャッター61,62の開閉とを連動させて制御されるので、標本9への照明光の照射時間は、必要最小限にすることができる。したがって、第三実施の形態に係る顕微鏡を用いたFRAP観察では、迷光による標本9への余分な照明光の照射を最大限抑えることができ、デジタル微小ミラー装置4のオン/オフ特性を生かした標本9への褪色を行うとともに、細胞へのダメージが少なく、褪色のコントラストの良い良好な観察を行うことができる。
【0065】
第三実施の形態では、FRAP観察について説明したが、第一及び第二の吸収フィルタの特性を変えて、2色照明とすることも可能である。この場合、例えば第1の吸収フィルタ57と第二の吸収フィルタ58とは、互いに異なる波長帯域のバンドパスフィルタで構成される。このような構成では、図3の照射領域33に第一の光源51からの照明光が照射され、それ以外の領域に第二の光源52からの照明光が照射されることが可能である。
【0066】
尚、本実施の形態では、第二のシャッター62は、第一のコリメータ53と第一の反射ミラー55との間の照明光軸15中に位置しており、第一のシャッター61は、第二のコリメータ54と第二の反射ミラー56との間の照明光軸15中に位置しているが、図1の点線で示したように、デジタル微小ミラー装置4と視野絞り投影レンズ5との間の照明光軸15中に位置されていても良い(図1のシャッター16’の位置)。このような構成では、第一の光源と第2の光源とに共通なシャッターとして開閉動作が制御されることによって、迷光が視野絞り投影レンズ5に導かれることを防止することができる。
【0067】
また、第三実施の形態では、2つの光源51,52を水銀ランプを用いたが、どちらか一方、または両方の光源及びシャッターの代わりにLED光源を用いてもよい。この場合、各LED光源に関わる構成及び動作は、第二の実施の形態のLED光源と同様である。
【0068】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る顕微鏡は、標本の必要とする範囲に、必要とする時間だけ照明光を照射することができ、必要以外の範囲への照明光の照射による影響を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施の形態に係る顕微鏡を概略的に示す図である。
【図2】図1の顕微鏡のデジタル微小ミラー装置をより詳細に示す図である。
【図3】図3の(a)は、照射領域を示す図である。図3の(b)は、デジタル微小ミラー装置の制御による照射領域を示す図である。図3の(c)は、観察領域を示す図である。
【図4】本発明の第二実施の形態を概略的に示す図である。
【図5】本発明の第三実施の形態を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1,51,52…光源、4…デジタル微小ミラー装置、4a,4b…微小ミラー、5…視野絞り投影レンズ、7…ダイクロイックミラー、8…対物レンズ、9…標本、13…接眼レンズ、16,61,62…シャッター、20…駆動制御部、41…LED光源
Claims (9)
- 標本を照明する照明手段と、
この照明手段と標本との間の照明光軸上に配置された視野絞り投影レンズと、
照明手段と視野絞り投影レンズとの間の照明光軸上に、標本と共役な関係となるように配置されており、標本に照射される照明手段からの照明光を夫々独立して偏向させる複数の微小光偏向部を有する光偏向素子アレイと、
標本に照明光を照射する状態と、標本に照明光を照射しない状態とを切り換える切替手段とを具備することを特徴とする顕微鏡。 - 標本を照明する複数の照明手段と、
これら複数の照明手段と標本との間の共通の照明光軸上に配置された視野絞り投影レンズと、
複数の照明手段と視野絞り投影レンズとの間の共通の照明光軸上に、標本と共役な関係となるように配置されており、標本に照射される各照明手段からの照明光をそれぞれ独立して偏向させる複数の微小光偏向部を有する光偏向素子アレイと、
標本に照明光を照射する状態と、標本に照明光を照射しない状態とを切り換える切替手段とを具備することを特徴とする顕微鏡。 - 切替手段は、光偏向素子アレイと視野絞り投影レンズとの間の照明光軸上に配置された照明光を遮光する遮光手段であることを特徴とする請求項1または2に記載の顕微鏡。
- 切替手段は、各照明手段と光偏向素子アレイとの間の各照明光軸上に配置された照明光を遮光する複数の遮光手段であることを特徴とする請求項2に記載の顕微鏡。
- 遮光手段は、開閉自在に形成されたシャッターであることを特徴とする請求項3または4に記載の顕微鏡。
- 複数の微小光偏向部の独立的な偏向動作と、切替手段の切替動作とを制御する駆動制御部をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の顕微鏡。
- 駆動制御部は、複数の微小光偏向部の選択的な偏向動作の後に、切替手段の切替動作を制御することを特徴とする請求項6に記載の顕微鏡。
- 照明手段はLED光源を有し、切替手段は、LED光源の点灯/消灯を切り替えるLED駆動制御部であることを特徴とする請求項1または2に記載の顕微鏡。
- 微小光偏向部の独立的な偏向動作を制御する駆動制御部をさらに具備し、LED駆動制御部は、この駆動制御部によって複数の微小光偏向部の選択的な偏向動作が制御された後に、LED光源の切替動作を制御することを特徴とする請求項8に記載の顕微鏡。
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