JP2004308871A - 歯車のバックラッシュ除去構造およびアクチュエータ - Google Patents
歯車のバックラッシュ除去構造およびアクチュエータ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】簡単な構造で歯車間のバックラッシュを除去し、適正な噛合関係を保持し得るようにした歯車のバックラッシュ除去構造および同機構を備えたアクチュエータを提供する。
【解決手段】出力軸7に駆動歯車33を固定する。シャーシ15上に支持軸37を回動中心とする回動自在な回動プレート35を設け、このプレート35に出力軸7の回動角度を検出する回転型のポテンショメータ30を固定する。また、ポテンショメータ30の出力軸31に従動歯車34を固定する。回動プレート35を出力軸7側に所要角度回動させて従動歯車43を駆動歯車33にバックラッシュがなくなるように噛み合わせる。そして、回動プレート35を2本の止めねじ38A,38Bによってシャーシ15に固定する。
【選択図】 図4
【解決手段】出力軸7に駆動歯車33を固定する。シャーシ15上に支持軸37を回動中心とする回動自在な回動プレート35を設け、このプレート35に出力軸7の回動角度を検出する回転型のポテンショメータ30を固定する。また、ポテンショメータ30の出力軸31に従動歯車34を固定する。回動プレート35を出力軸7側に所要角度回動させて従動歯車43を駆動歯車33にバックラッシュがなくなるように噛み合わせる。そして、回動プレート35を2本の止めねじ38A,38Bによってシャーシ15に固定する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯車のバックラッシュ除去構造およびアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、バタフライバルブ、ボールバルブ等の弁の開度調整を行う電動式のアクチュエータにおいては、その出力軸の実回動角度を動作位置検出手段によって検出し、検出信号を制御部にフィードバックしている。動作位置検出手段としては、通常回転型のポテンショメータを用い、その回転軸にアクチュエータの出力軸の回転を歯車列を介して伝達するようにしている。その場合、歯車どうしを噛み合わせると、通常バックラッシュが生じ、騒音や振動の原因となるばかりか検出精度に大きく影響を及ぼす。そこで、極力騒音や振動の発生を防止したり、高精度な角度検出を行う必要がある場合は、歯車のバックラッシュを除去する機構を付加している(例えば、特許文献1,2,3参照)。なお、出願人は本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに見つけ出すことはできなかった。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−82668号公報
【特許文献2】
特開平6−226803号公報
【特許文献3】
特開平11−082698号公報
【0004】
上記した特開平6−82668号公報は、レンズ駆動装置及びカメラのレンズ移動装置に関するもので、駆動源となるモータおよびポテンショメータの出力側にそれぞれ設けた歯車と、これらの歯車に噛合する遊び歯車とをユニット台に設け、前記ユニット台を駆動部本体に回動可能に取付け、かつばね機構によって前記ユニット台を付勢することにより前記歯車どうしの間に生じるバックラッシュを自動的に除去するようにしたものである。
【0005】
上記した特開平6−226803号公報は、成形機の位置決め装置に関するもので、駆動手段にラックおよびラック支持部材を取付け、前記ラックと噛合いかつ回転型ポテンショメータに連結するピニオンを固定部材に、一端が揺動可能に軸支された揺動部材を介して回転可能に取付け、前記ピニオンがラックを押圧するとともにラックの軸方向への分力が生じるように前記揺動部材の他端を前記固定部材にばねによって付勢するようにしたものである。
【0006】
上記した特開平11−082698号公報は、歯車のバッククラッシュ除去構造に関するもので、シリンダブロックに従動歯車を固設している回転軸の位置決め用穴を、シリンダブロックに設けられている駆動歯車を軸承した固定軸の嵌合穴を基準にして駆動歯車と従動歯車がバックラッシュを除去した適正な噛合関係を保持する軸心間距離をもって開設し、回転軸の軸心に位置決め部を形成した貫通穴を設け、この貫通穴に位置決め部と位置決め穴に嵌合する治具部を備えた位置決め用軸を挿通し、前記位置決め部と前記位置決め穴に前記治具部が嵌合した状態で回転軸および従動歯車のケーシングをシリンダブロックに組み付けるように構成したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特開平6−82668号公報および特開平6−226803号公報に開示された従来のバックラッシュを除去する機構は、いずれも揺動自在な部材をばねによって付勢することにより歯車どうしを噛み合わせてバックラッシュを取り除くようにしているため、部品点数がばねの分だけ増加し構造が複雑になるとともに高価になり、またばねの組付け作業も面倒であるという問題があった。
【0008】
上記した特開平11−082698号公報に開示された歯車のバックラッシュ除去構造は、嵌合穴、位置決め穴や、これらの穴に嵌合する軸、治具部を高精度に製作する必要があるため、その製造コストが高くなるという問題があった。
【0009】
バックラッシュを除去する他の方法としては、歯車の寸法精度を高くしたり、歯厚を厚く転位させてバックラッシュをなくすようにしたノーバックラッシュ歯車を使用することも考えられるが、その場合は特注品になるため歯車のコストが高くなり好ましくない。
【0010】
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、簡単な構造で歯車間のバックラッシュを除去し、適正な噛合関係を確保し得るようにした歯車のバックラッシュ除去構造およびアクチュエータを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明に係る歯車のバックラッシュ除去構造は、出力軸に取付けられた駆動歯車と、前記出力軸の回動角度を検出するポテンショメータと、このポテンショメータの回転軸に取付けられた従動歯車と、前記ポテンショメータが取付けられた回動可能な回動プレートと、この回動プレートを固定部材に固定する固定手段とを備え、前記回動プレートを回動させることにより前記従動歯車を前記駆動歯車に噛合させてこれら両歯車間のバックラッシュを除去し、前記回動プレートを前記固定手段によって前記固定部材に固定するようにしたものである。
【0012】
このような構造によれば、ばね等の付勢手段が不要となり、各部品に高い加工精度が要求されず、安価に歯車のバックラッシュを除去することができて適正な噛合関係が得られ、また組付け作業も容易である。
歯車どうしを噛合させる場合、従動歯車が設けられているプレートを直線移動させて噛合させる場合は、歯の先端面が互いに当たったとき、歯車どうしが噛合せずいずれか一方の歯車を若干回転させて噛み合わせる必要がある。これに対して、回動プレートを用いた場合はこのプレートが回動すると従動歯車もこれと一体に回動するため、従動歯車と駆動歯車の歯の先端面が互いに当たって正しく噛み合わない場合に、両歯車間に滑りが生じる。したがって、プレートを直線移動させて歯車どうしを噛合させる場合に比べて確実に噛合させることができる。
【0013】
第2の発明に係るアクチュエータは、上記第1の発明に係る歯車のバックラッシュ除去構造を備えたものである。
【0014】
このような構造においては、歯車間のバックラッシュが無い分だけ出力軸の実動作角度の検出精度を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係るアクチュエータを備えたバルブの正面図、図2は同アクチュエータのカバーを取り外して内部を示す分解斜視図、図3は同アクチュエータの断面図、図4は動作位置検出手段の取付構造を示す平面図、図5は同動作位置検出手段の取付け構造を示す正面図、図6(a)、(b)、(c)は歯車どうしの噛み合わせを説明するための図、図7は回動プレートの回転支点の好ましい範囲を示す図、図8は回動中心のオフセット、回動プレートの回動角度、ポテンショメータ(従動歯車)のシフト量を示す図である。
本実施の形態は、建物内の空調設備の配管中を流れる流体の流量制御を行う電動式駆動弁に用いられるアクチュエータに適用した例について説明する。
【0016】
図1〜図3において、全体を符号1で示すものは直動型の駆動弁で、この駆動弁1は流体の流路を形成する弁本体2と、この弁本体2内に上下動自在に組み込まれ、上端が外部に突出する弁軸3と、この弁軸3の内端に取付けられ弁本体2内の流路を開閉制御する弁プラグ4等で構成され、前記弁軸3の外端がクランク機構5を介してアクチュエータ6の出力軸7に連結されている。この駆動弁1の開度は、全閉角−80°、全開角80°、全動作角160°で、アクチュエータ6による全閉角と全開角の調整可能な角度範囲は±5°で1°ずつ調整される。クランク機構5は、第1、第2のリンク5A,5Bとからなり、前記出力軸7の回転を直線往復運動に変換して前記弁軸3に伝達する。
【0017】
本実施の形態では、アクチュエータ6によって開閉制御される駆動弁として弁軸3が直線往復運動する直動型の駆動弁1に適用した例を示しているため、このような直動型駆動弁1においては全閉、全開状態を直接角度で表示することはできない。しかし、弁軸3のリフト量は、出力軸7(第1のリンク5A)の回転角度θ、第1のリンク5Aの回動支点P1 ,P2 間の距離Rおよび第2のリンク5Bの回動支点P2 ,P3 間の距離Lによって決まるため、ここでは出力軸7の実動作角度を駆動弁1の全閉角、全開角として示す。なお、ボール弁やバタフライ弁等の回転型駆動弁に適用した場合は、クランク機構5を必要としないため、弁軸3と出力軸7をカップリングによって直接連結すればよい。
【0018】
前記アクチュエータ6は、駆動弁1の上部に設けたフレーム8上にブラケット10を介して設置される筐体9と、この筐体9の開口部を覆う図示を省略したカバーと、前記筐体9内に配設された駆動モータ11と、この駆動モータ11によって正逆回転される前記出力軸7と、この出力軸7の動作範囲を±5°の範囲で可変設定する動作範囲設定機構12と、端子台13と、回路基板組立体14と、シャーシ(固定部材)15と、前記出力軸7の実動作位置(角度)を検出する動作位置検出手段16等を備えている。前記出力軸7の一端7Aは前記筐体9の外部に突出しており、前記第1のリンク5Aの一端が固定されている。前記出力軸7の他端部7Bには、前記動作範囲設定機構12を構成する複数の部品のうちの一部が取付けられている。
【0019】
前記動作範囲設定機構12は、前記出力軸7の他端部7Bに嵌合され止めねじ21によって固定されるカムホルダ20と、このカムホルダ20に対してスナップフィット機構22とチルト機構23とによって着脱可能かつ回動可能に取付けられるカム24および目盛板25と、前記回路基板組立体14上に前記カム24を介して対向するように固定された2つのリミットスイッチ(全閉スイッチ、全開スイッチ)26,27とで構成されている。全閉スイッチ26は、弁1が全閉状態になるとカム24の大径部24Aにローラ28が乗り上げることによりONし、全開スイッチ27は、弁1が全開状態になると同じくカム24の大径部24Aにローラ29が乗り上げることによりONするように配設されている。
【0020】
図3〜図5において、前記動作位置検出手段16としては、回転型のポテンショメータ30が用いられ、その回転軸31に前記出力軸7の回転が歯車列32によって伝達されるように構成されている。歯車列32は、出力軸7に取付けた駆動歯車33と、回転軸31に取付けた従動歯車34とで構成されている。また、駆動歯車33は、大径歯車部33Aと、小径歯車部33Bとからなり、大径歯車部33Aが前記駆動モータ11の駆動軸に設けた駆動ギアに噛合し、小径歯車部33Bに前記従動歯車34が噛合するように構成されている。そして、このようなポテンショメータ30は、前記出力軸7に近接して配設した回動プレート35に固定されている。
【0021】
前記回動プレート35は、前記シャーシ15上に突設した支持軸37(図4)によって前記駆動歯車33に対し接近離間する方向に回動自在に枢支されており、前記歯車列32のバックラッシュを除去した後、2本の止めねじ38A,38Bによって前記シャーシ15に固定される。このため、回動プレート35には前記止めねじ38A,38Bが挿通する2つの長孔39A,39Bが前記支持軸37の両側に位置するように形成されている。
【0022】
前記駆動歯車33(小径歯車部33B)は、モジュールm=0.5、歯数Z1 =57の標準の平歯車が用いられ、従動歯車34は同じくモジュールm=0.5、歯数Z2 =22の標準の平歯車が用いられる。
【0023】
図6(a)は、駆動歯車33と従動歯車34が離間している状態で、このとき、回動プレート35は図において左方に4°程度傾いている。この状態における両歯車33,34の軸心間距離A1 は21.2mmである。
【0024】
図6(b)は、駆動歯車33と従動歯車34が噛み合い始めた状態を示す。このとき、回動プレート35は水平な状態になり、両歯車33,34の軸心間距離A2 が20.25mmに短縮される。
【0025】
また、この状態における回動プレート35の回動中心O1 (支持軸37)は、ポテンショメータ30(従動歯車34)の中心Oから鉛直方向(2つの歯車33,34の中心連結線40と直交する方向)に距離b(=13.5mm)、水平方向(前記中心連結線40と平行な方向)に距離a(=2.25mm)だけオフセットしている。
【0026】
図6(c)は、駆動歯車33と従動歯車34が適正に噛み合った状態を示す。この噛合状態において、両歯車33,34のピッチ円は一致し、バックラッシュが除去される。このとき、回動プレート35は右方に3°程度傾斜している。両歯車33,34の軸心間距離Aは19.75mmである。
【0027】
前記回動プレート35の回動中心O1 が設けられる好ましい範囲は、組付け上、調整上などの理由から図7に実線の斜線で示す範囲I内である。すなわち、この範囲Iは、ポテンショメータ30の外形内の領域イと、駆動歯車33(小径歯車部33B)内の領域ロと、中心連結線40を含むその近傍部でかつ従動歯車34の駆動歯車33とは反対側の白抜きした細長い三角形の領域ハと、止めねじ38A,38Bの可動領域ニ、ホを除くその外側周辺領域である。
【0028】
ポテンショメータ30の取付けに際しては、予め2本の止めねじ38A,38Bを緩めて回動プレート35をシャーシ15に対して回動自在にした後、この状態でポテンショメータ30を回動プレート35に設置固定する。このとき、図6(a)に示すように従動歯車34が駆動歯車33に噛合しないように回動プレート35を出力軸7から離間する方向に最大角度(4°程度)回動させておく。
【0029】
次に、回動プレート35を時計方向に所要角度回動させて従動歯車34を駆動歯車33に噛み合わせる。回動プレート35が時計方向に略4°回動して水平になると、従動歯車34は駆動歯車33に噛み合い始める(図6(b))。さらに小角度(3°程度)回動させると、完全に噛み合って駆動歯車33と従動歯車34のピッチ円が一致し、これら両歯車間のバックラッシュを除去する(図6(c))。そして、この状態で止めねじ38A,38Bを締め付けて回動プレート35をシャーシ15に固定すると、アクチュエータ6に対するポテンショメータ30の組付け作業が終了する。
【0030】
次に、ポテンショメータ30を出力軸7に対してセットする場合の設置条件について検討する。
図8において、ポテンショメータ30(従動歯車34)の中心Oから回動プレート35の回動中心O1 が鉛直方向(中心連結線40と直交する方向)と水平方向にそれぞれオフセットしている距離をa、b、回動プレート35の回動中心O1 を通る鉛直線と、噛み合い直前におけるポテンショメータ30の中心Oと回動プレート35の回動中心O1 とを結ぶ線とのなす角度をθ1 、噛み合い直前におけるポテンショメータ30の中心Oと回動プレート35の回動中心O1 とを結ぶ線と、噛み合い後のポテンショメータ30の中心Oと回動プレート35の回動中心O1 とを結ぶ線とのなす角度をθ、回動プレート35を回動させて歯車33,34どうしを噛合させたときのポテンショメータ30の中心Oの水平方向の移動量をΔxとすると、
下記の(1)〜(4)式の関係が成り立つ。
【0031】
【数1】
【0032】
【数2】
【0033】
【数3】
【0034】
【数4】
【0035】
上記(1)〜(4)式よりΔxとθとの関係を求めると、次の(5)式となる。
【0036】
【数5】
【0037】
そこで、Δx>0となるような条件(ポテンショメータ組立をθだけ動かした時、歯車33,34の中心間距離Aが近づく条件)を求めると、図7に示した調整上等から好ましい範囲Iが求まる。
【0038】
ここで、上記(5)式を満たすための条件式は、次の不等式(6)で示され、この不等式を満足するようにa,b、θの値を決定する。
【0039】
【数6】
【0040】
このような構造からなる歯車のバックラッシュ除去構造を備えたアクチュエータ6においては、駆動歯車33と従動歯車34間のバックラッシュを除去することができ、両歯車を適正に噛合させることができるため、出力軸7の実動作角度を高精度に検出することができ、動作位置検出手段16による検出精度を向上させることができる。
【0041】
また、回動プレート35を回動させて従動歯車34を駆動歯車33にピッチ円どうしが一致するように噛合させ、この状態で回動プレート35を止めねじ38A,38Bによってシャーシ15に固定するだけでよいので、ばね等の付勢手段を必要とせず、構造簡易にして部品点数およびばねの組付け工数を削減することができる。
【0042】
さらに、回動プレート35の回動によって従動歯車34を駆動歯車33に噛合させると、両歯車の歯の先端面どうしが互いに当たって噛み合わない場合でも回転自在な従動歯車33の回転により両歯車間に滑りが生じるため、従動歯車34を駆動歯車33に対して自動的に噛合させることができ、直線移動によって噛合させる場合に比べて有利である。すなわち、直線移動によって噛合させる場合は、両歯車の歯の先端面どうしが互いに当たっても両歯車間に回転による滑りは生じず、作業者が手で歯車を回動させて噛み合わせる必要がある。
【0043】
なお、上記した実施の形態では、アクチュエータ6を空調設備の電動式駆動弁に適用したが、これに限らず例えば燃焼装置やダクトの排気口を開閉するダンパに用いることも可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る歯車のバックラッシュの除去構造およびアクチュエータは、簡単な構造で歯車間のバックラッシュを確実に除去することができて適正な噛合関係を確保することができ、出力軸の実動作角度を高精度に検出することができる。また、ばね等を必要としないため、部品点数を削減することができ、安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアクチュエータを備えたバルブの正面図である。
【図2】同アクチュエータのカバーを取り外して内部を示す分解斜視図である。
【図3】同アクチュエータの断面図である。
【図4】動作位置検出手段の取付構造を示す平面図である。
【図5】同動作位置検出手段の取付構造を示す正面図である。
【図6】(a)、(b)、(c)は歯車どうしの噛み合わせを説明するための図である。
【図7】回動プレートの回転支点の好ましい範囲を示す図である。
【図8】回動中心のオフセット、回動プレートの回動角度、ポテンショメータ(従動歯車)のシフト量を示す図である。
【符号の説明】
1…駆動弁、3…弁軸、6…アクチュエータ、7…出力軸、15…シャーシ、16…動作位置検出手段、30…ポテンショメータ、31…回転軸、32…歯車列、33…駆動歯車、34…従動歯車、35…回動プレート、37…支持軸、38A,38B…止めねじ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯車のバックラッシュ除去構造およびアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、バタフライバルブ、ボールバルブ等の弁の開度調整を行う電動式のアクチュエータにおいては、その出力軸の実回動角度を動作位置検出手段によって検出し、検出信号を制御部にフィードバックしている。動作位置検出手段としては、通常回転型のポテンショメータを用い、その回転軸にアクチュエータの出力軸の回転を歯車列を介して伝達するようにしている。その場合、歯車どうしを噛み合わせると、通常バックラッシュが生じ、騒音や振動の原因となるばかりか検出精度に大きく影響を及ぼす。そこで、極力騒音や振動の発生を防止したり、高精度な角度検出を行う必要がある場合は、歯車のバックラッシュを除去する機構を付加している(例えば、特許文献1,2,3参照)。なお、出願人は本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに見つけ出すことはできなかった。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−82668号公報
【特許文献2】
特開平6−226803号公報
【特許文献3】
特開平11−082698号公報
【0004】
上記した特開平6−82668号公報は、レンズ駆動装置及びカメラのレンズ移動装置に関するもので、駆動源となるモータおよびポテンショメータの出力側にそれぞれ設けた歯車と、これらの歯車に噛合する遊び歯車とをユニット台に設け、前記ユニット台を駆動部本体に回動可能に取付け、かつばね機構によって前記ユニット台を付勢することにより前記歯車どうしの間に生じるバックラッシュを自動的に除去するようにしたものである。
【0005】
上記した特開平6−226803号公報は、成形機の位置決め装置に関するもので、駆動手段にラックおよびラック支持部材を取付け、前記ラックと噛合いかつ回転型ポテンショメータに連結するピニオンを固定部材に、一端が揺動可能に軸支された揺動部材を介して回転可能に取付け、前記ピニオンがラックを押圧するとともにラックの軸方向への分力が生じるように前記揺動部材の他端を前記固定部材にばねによって付勢するようにしたものである。
【0006】
上記した特開平11−082698号公報は、歯車のバッククラッシュ除去構造に関するもので、シリンダブロックに従動歯車を固設している回転軸の位置決め用穴を、シリンダブロックに設けられている駆動歯車を軸承した固定軸の嵌合穴を基準にして駆動歯車と従動歯車がバックラッシュを除去した適正な噛合関係を保持する軸心間距離をもって開設し、回転軸の軸心に位置決め部を形成した貫通穴を設け、この貫通穴に位置決め部と位置決め穴に嵌合する治具部を備えた位置決め用軸を挿通し、前記位置決め部と前記位置決め穴に前記治具部が嵌合した状態で回転軸および従動歯車のケーシングをシリンダブロックに組み付けるように構成したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特開平6−82668号公報および特開平6−226803号公報に開示された従来のバックラッシュを除去する機構は、いずれも揺動自在な部材をばねによって付勢することにより歯車どうしを噛み合わせてバックラッシュを取り除くようにしているため、部品点数がばねの分だけ増加し構造が複雑になるとともに高価になり、またばねの組付け作業も面倒であるという問題があった。
【0008】
上記した特開平11−082698号公報に開示された歯車のバックラッシュ除去構造は、嵌合穴、位置決め穴や、これらの穴に嵌合する軸、治具部を高精度に製作する必要があるため、その製造コストが高くなるという問題があった。
【0009】
バックラッシュを除去する他の方法としては、歯車の寸法精度を高くしたり、歯厚を厚く転位させてバックラッシュをなくすようにしたノーバックラッシュ歯車を使用することも考えられるが、その場合は特注品になるため歯車のコストが高くなり好ましくない。
【0010】
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、簡単な構造で歯車間のバックラッシュを除去し、適正な噛合関係を確保し得るようにした歯車のバックラッシュ除去構造およびアクチュエータを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明に係る歯車のバックラッシュ除去構造は、出力軸に取付けられた駆動歯車と、前記出力軸の回動角度を検出するポテンショメータと、このポテンショメータの回転軸に取付けられた従動歯車と、前記ポテンショメータが取付けられた回動可能な回動プレートと、この回動プレートを固定部材に固定する固定手段とを備え、前記回動プレートを回動させることにより前記従動歯車を前記駆動歯車に噛合させてこれら両歯車間のバックラッシュを除去し、前記回動プレートを前記固定手段によって前記固定部材に固定するようにしたものである。
【0012】
このような構造によれば、ばね等の付勢手段が不要となり、各部品に高い加工精度が要求されず、安価に歯車のバックラッシュを除去することができて適正な噛合関係が得られ、また組付け作業も容易である。
歯車どうしを噛合させる場合、従動歯車が設けられているプレートを直線移動させて噛合させる場合は、歯の先端面が互いに当たったとき、歯車どうしが噛合せずいずれか一方の歯車を若干回転させて噛み合わせる必要がある。これに対して、回動プレートを用いた場合はこのプレートが回動すると従動歯車もこれと一体に回動するため、従動歯車と駆動歯車の歯の先端面が互いに当たって正しく噛み合わない場合に、両歯車間に滑りが生じる。したがって、プレートを直線移動させて歯車どうしを噛合させる場合に比べて確実に噛合させることができる。
【0013】
第2の発明に係るアクチュエータは、上記第1の発明に係る歯車のバックラッシュ除去構造を備えたものである。
【0014】
このような構造においては、歯車間のバックラッシュが無い分だけ出力軸の実動作角度の検出精度を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係るアクチュエータを備えたバルブの正面図、図2は同アクチュエータのカバーを取り外して内部を示す分解斜視図、図3は同アクチュエータの断面図、図4は動作位置検出手段の取付構造を示す平面図、図5は同動作位置検出手段の取付け構造を示す正面図、図6(a)、(b)、(c)は歯車どうしの噛み合わせを説明するための図、図7は回動プレートの回転支点の好ましい範囲を示す図、図8は回動中心のオフセット、回動プレートの回動角度、ポテンショメータ(従動歯車)のシフト量を示す図である。
本実施の形態は、建物内の空調設備の配管中を流れる流体の流量制御を行う電動式駆動弁に用いられるアクチュエータに適用した例について説明する。
【0016】
図1〜図3において、全体を符号1で示すものは直動型の駆動弁で、この駆動弁1は流体の流路を形成する弁本体2と、この弁本体2内に上下動自在に組み込まれ、上端が外部に突出する弁軸3と、この弁軸3の内端に取付けられ弁本体2内の流路を開閉制御する弁プラグ4等で構成され、前記弁軸3の外端がクランク機構5を介してアクチュエータ6の出力軸7に連結されている。この駆動弁1の開度は、全閉角−80°、全開角80°、全動作角160°で、アクチュエータ6による全閉角と全開角の調整可能な角度範囲は±5°で1°ずつ調整される。クランク機構5は、第1、第2のリンク5A,5Bとからなり、前記出力軸7の回転を直線往復運動に変換して前記弁軸3に伝達する。
【0017】
本実施の形態では、アクチュエータ6によって開閉制御される駆動弁として弁軸3が直線往復運動する直動型の駆動弁1に適用した例を示しているため、このような直動型駆動弁1においては全閉、全開状態を直接角度で表示することはできない。しかし、弁軸3のリフト量は、出力軸7(第1のリンク5A)の回転角度θ、第1のリンク5Aの回動支点P1 ,P2 間の距離Rおよび第2のリンク5Bの回動支点P2 ,P3 間の距離Lによって決まるため、ここでは出力軸7の実動作角度を駆動弁1の全閉角、全開角として示す。なお、ボール弁やバタフライ弁等の回転型駆動弁に適用した場合は、クランク機構5を必要としないため、弁軸3と出力軸7をカップリングによって直接連結すればよい。
【0018】
前記アクチュエータ6は、駆動弁1の上部に設けたフレーム8上にブラケット10を介して設置される筐体9と、この筐体9の開口部を覆う図示を省略したカバーと、前記筐体9内に配設された駆動モータ11と、この駆動モータ11によって正逆回転される前記出力軸7と、この出力軸7の動作範囲を±5°の範囲で可変設定する動作範囲設定機構12と、端子台13と、回路基板組立体14と、シャーシ(固定部材)15と、前記出力軸7の実動作位置(角度)を検出する動作位置検出手段16等を備えている。前記出力軸7の一端7Aは前記筐体9の外部に突出しており、前記第1のリンク5Aの一端が固定されている。前記出力軸7の他端部7Bには、前記動作範囲設定機構12を構成する複数の部品のうちの一部が取付けられている。
【0019】
前記動作範囲設定機構12は、前記出力軸7の他端部7Bに嵌合され止めねじ21によって固定されるカムホルダ20と、このカムホルダ20に対してスナップフィット機構22とチルト機構23とによって着脱可能かつ回動可能に取付けられるカム24および目盛板25と、前記回路基板組立体14上に前記カム24を介して対向するように固定された2つのリミットスイッチ(全閉スイッチ、全開スイッチ)26,27とで構成されている。全閉スイッチ26は、弁1が全閉状態になるとカム24の大径部24Aにローラ28が乗り上げることによりONし、全開スイッチ27は、弁1が全開状態になると同じくカム24の大径部24Aにローラ29が乗り上げることによりONするように配設されている。
【0020】
図3〜図5において、前記動作位置検出手段16としては、回転型のポテンショメータ30が用いられ、その回転軸31に前記出力軸7の回転が歯車列32によって伝達されるように構成されている。歯車列32は、出力軸7に取付けた駆動歯車33と、回転軸31に取付けた従動歯車34とで構成されている。また、駆動歯車33は、大径歯車部33Aと、小径歯車部33Bとからなり、大径歯車部33Aが前記駆動モータ11の駆動軸に設けた駆動ギアに噛合し、小径歯車部33Bに前記従動歯車34が噛合するように構成されている。そして、このようなポテンショメータ30は、前記出力軸7に近接して配設した回動プレート35に固定されている。
【0021】
前記回動プレート35は、前記シャーシ15上に突設した支持軸37(図4)によって前記駆動歯車33に対し接近離間する方向に回動自在に枢支されており、前記歯車列32のバックラッシュを除去した後、2本の止めねじ38A,38Bによって前記シャーシ15に固定される。このため、回動プレート35には前記止めねじ38A,38Bが挿通する2つの長孔39A,39Bが前記支持軸37の両側に位置するように形成されている。
【0022】
前記駆動歯車33(小径歯車部33B)は、モジュールm=0.5、歯数Z1 =57の標準の平歯車が用いられ、従動歯車34は同じくモジュールm=0.5、歯数Z2 =22の標準の平歯車が用いられる。
【0023】
図6(a)は、駆動歯車33と従動歯車34が離間している状態で、このとき、回動プレート35は図において左方に4°程度傾いている。この状態における両歯車33,34の軸心間距離A1 は21.2mmである。
【0024】
図6(b)は、駆動歯車33と従動歯車34が噛み合い始めた状態を示す。このとき、回動プレート35は水平な状態になり、両歯車33,34の軸心間距離A2 が20.25mmに短縮される。
【0025】
また、この状態における回動プレート35の回動中心O1 (支持軸37)は、ポテンショメータ30(従動歯車34)の中心Oから鉛直方向(2つの歯車33,34の中心連結線40と直交する方向)に距離b(=13.5mm)、水平方向(前記中心連結線40と平行な方向)に距離a(=2.25mm)だけオフセットしている。
【0026】
図6(c)は、駆動歯車33と従動歯車34が適正に噛み合った状態を示す。この噛合状態において、両歯車33,34のピッチ円は一致し、バックラッシュが除去される。このとき、回動プレート35は右方に3°程度傾斜している。両歯車33,34の軸心間距離Aは19.75mmである。
【0027】
前記回動プレート35の回動中心O1 が設けられる好ましい範囲は、組付け上、調整上などの理由から図7に実線の斜線で示す範囲I内である。すなわち、この範囲Iは、ポテンショメータ30の外形内の領域イと、駆動歯車33(小径歯車部33B)内の領域ロと、中心連結線40を含むその近傍部でかつ従動歯車34の駆動歯車33とは反対側の白抜きした細長い三角形の領域ハと、止めねじ38A,38Bの可動領域ニ、ホを除くその外側周辺領域である。
【0028】
ポテンショメータ30の取付けに際しては、予め2本の止めねじ38A,38Bを緩めて回動プレート35をシャーシ15に対して回動自在にした後、この状態でポテンショメータ30を回動プレート35に設置固定する。このとき、図6(a)に示すように従動歯車34が駆動歯車33に噛合しないように回動プレート35を出力軸7から離間する方向に最大角度(4°程度)回動させておく。
【0029】
次に、回動プレート35を時計方向に所要角度回動させて従動歯車34を駆動歯車33に噛み合わせる。回動プレート35が時計方向に略4°回動して水平になると、従動歯車34は駆動歯車33に噛み合い始める(図6(b))。さらに小角度(3°程度)回動させると、完全に噛み合って駆動歯車33と従動歯車34のピッチ円が一致し、これら両歯車間のバックラッシュを除去する(図6(c))。そして、この状態で止めねじ38A,38Bを締め付けて回動プレート35をシャーシ15に固定すると、アクチュエータ6に対するポテンショメータ30の組付け作業が終了する。
【0030】
次に、ポテンショメータ30を出力軸7に対してセットする場合の設置条件について検討する。
図8において、ポテンショメータ30(従動歯車34)の中心Oから回動プレート35の回動中心O1 が鉛直方向(中心連結線40と直交する方向)と水平方向にそれぞれオフセットしている距離をa、b、回動プレート35の回動中心O1 を通る鉛直線と、噛み合い直前におけるポテンショメータ30の中心Oと回動プレート35の回動中心O1 とを結ぶ線とのなす角度をθ1 、噛み合い直前におけるポテンショメータ30の中心Oと回動プレート35の回動中心O1 とを結ぶ線と、噛み合い後のポテンショメータ30の中心Oと回動プレート35の回動中心O1 とを結ぶ線とのなす角度をθ、回動プレート35を回動させて歯車33,34どうしを噛合させたときのポテンショメータ30の中心Oの水平方向の移動量をΔxとすると、
下記の(1)〜(4)式の関係が成り立つ。
【0031】
【数1】
【0032】
【数2】
【0033】
【数3】
【0034】
【数4】
【0035】
上記(1)〜(4)式よりΔxとθとの関係を求めると、次の(5)式となる。
【0036】
【数5】
【0037】
そこで、Δx>0となるような条件(ポテンショメータ組立をθだけ動かした時、歯車33,34の中心間距離Aが近づく条件)を求めると、図7に示した調整上等から好ましい範囲Iが求まる。
【0038】
ここで、上記(5)式を満たすための条件式は、次の不等式(6)で示され、この不等式を満足するようにa,b、θの値を決定する。
【0039】
【数6】
【0040】
このような構造からなる歯車のバックラッシュ除去構造を備えたアクチュエータ6においては、駆動歯車33と従動歯車34間のバックラッシュを除去することができ、両歯車を適正に噛合させることができるため、出力軸7の実動作角度を高精度に検出することができ、動作位置検出手段16による検出精度を向上させることができる。
【0041】
また、回動プレート35を回動させて従動歯車34を駆動歯車33にピッチ円どうしが一致するように噛合させ、この状態で回動プレート35を止めねじ38A,38Bによってシャーシ15に固定するだけでよいので、ばね等の付勢手段を必要とせず、構造簡易にして部品点数およびばねの組付け工数を削減することができる。
【0042】
さらに、回動プレート35の回動によって従動歯車34を駆動歯車33に噛合させると、両歯車の歯の先端面どうしが互いに当たって噛み合わない場合でも回転自在な従動歯車33の回転により両歯車間に滑りが生じるため、従動歯車34を駆動歯車33に対して自動的に噛合させることができ、直線移動によって噛合させる場合に比べて有利である。すなわち、直線移動によって噛合させる場合は、両歯車の歯の先端面どうしが互いに当たっても両歯車間に回転による滑りは生じず、作業者が手で歯車を回動させて噛み合わせる必要がある。
【0043】
なお、上記した実施の形態では、アクチュエータ6を空調設備の電動式駆動弁に適用したが、これに限らず例えば燃焼装置やダクトの排気口を開閉するダンパに用いることも可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る歯車のバックラッシュの除去構造およびアクチュエータは、簡単な構造で歯車間のバックラッシュを確実に除去することができて適正な噛合関係を確保することができ、出力軸の実動作角度を高精度に検出することができる。また、ばね等を必要としないため、部品点数を削減することができ、安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアクチュエータを備えたバルブの正面図である。
【図2】同アクチュエータのカバーを取り外して内部を示す分解斜視図である。
【図3】同アクチュエータの断面図である。
【図4】動作位置検出手段の取付構造を示す平面図である。
【図5】同動作位置検出手段の取付構造を示す正面図である。
【図6】(a)、(b)、(c)は歯車どうしの噛み合わせを説明するための図である。
【図7】回動プレートの回転支点の好ましい範囲を示す図である。
【図8】回動中心のオフセット、回動プレートの回動角度、ポテンショメータ(従動歯車)のシフト量を示す図である。
【符号の説明】
1…駆動弁、3…弁軸、6…アクチュエータ、7…出力軸、15…シャーシ、16…動作位置検出手段、30…ポテンショメータ、31…回転軸、32…歯車列、33…駆動歯車、34…従動歯車、35…回動プレート、37…支持軸、38A,38B…止めねじ。
Claims (2)
- 出力軸に取付けられた駆動歯車と、前記出力軸の回動角度を検出するポテンショメータと、このポテンショメータの回転軸に取付けられた従動歯車と、前記ポテンショメータが取付けられた回動可能な回動プレートと、この回動プレートを固定部材に固定する固定手段とを備え、前記回動プレートを回動させることにより前記従動歯車を前記駆動歯車に噛合させてこれら両歯車間のバックラッシュを除去し、前記回動プレートを前記固定手段によって前記固定部材に固定するようにしたことを特徴とする歯車のバックラッシュ除去構造。
- 請求項1記載の歯車のバックラッシュ除去構造を備えたことを特徴とするアクチュエータ。
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