JP2004308798A - クラッチレリーズ軸受装置 - Google Patents

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JP2004308798A JP2003103535A JP2003103535A JP2004308798A JP 2004308798 A JP2004308798 A JP 2004308798A JP 2003103535 A JP2003103535 A JP 2003103535A JP 2003103535 A JP2003103535 A JP 2003103535A JP 2004308798 A JP2004308798 A JP 2004308798A
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信彦 西村
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Abstract

【課題】よりコンパクト化を図ることができるクラッチレリーズ軸受装置を提供する。
【解決手段】ばね部材30が、ガイドスリーブ20に対してクラッチレリーズ軸受20が所定量以上移動したときに当接し、それ以上の移動を制限するようになっているので、従来、ガイドスリーブ20に設けていた移動制限部が不要となり、クラッチレリーズ軸受装置をよりコンパクトにすることができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に用いられるクラッチレリーズ軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両等に搭載され摩擦板を用いた動力断続装置であるクラッチを動作させる場合において、入力部材であるレリーズフォークでクラッチカバーのダイヤフラムスプリングを軸線方向に押圧することにより、スプリングの付勢力を摩擦板から解除して動力伝達の切り離しが行なわれている。
【0003】
ところで、レリーズフォークは車体等の固定側に通常配置されているが、クラッチカバーはエンジンのフライホイール等に取り付けられてそれと一体的に回転するようになっている。従って、クラッチカバーのダイヤフラムスプリングをレリーズフォークが直に押圧するとなると、当接部の摩耗を招来することとなる。そこで、ダイヤフラムスプリングに当接して一体的に回転する回転輪を含むクラッチレリーズ軸受と、この軸受を所定の状態に保持すると共にレリーズフォークからの入力を受けるようになっている回転しない軸受保持部材とからなるクラッチレリーズ軸受装置を、例えば以下の特許文献1及び特許文献2に示すようにダイヤフラムスプリングとレリーズフォークとの間に設けている。
【特許文献1】
特開平9−137837号公報
【特許文献2】
特開平10−196676号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これらの特許文献1及び特許文献2に開示されたクラッチレリーズ軸受装置においては、ガイドスリーブに対してクラッチレリーズ軸受を半径方向の移動を制限する移動制限部をガイドスリーブに設けている。ところが、かかる移動制限部を設けたために、ガイドスリーブの外径が大きくなり、クラッチレリーズ軸受装置の構成が大型化しているという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、よりコンパクト化を図ることができるクラッチレリーズ軸受装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明のクラッチレリーズ軸受装置は、
互いに同心的に配置されかつ相対回転する内輪及び外輪を含み、一方の輪が固定され、回転する他方の輪がクラッチ装置の回転部材に当接するようになっているクラッチレリーズ軸受と、ガイド軸上に摺動自在に嵌合された軸受保持部材と、該軸受保持部材に対して、該クラッチレリーズ軸受の該一方の輪を半径方向に移動可能となるよう保持する連結部材とからなっているクラッチレリーズ軸受装置において、
前記連結部材は、前記軸受保持部材に対して前記クラッチレリーズ軸受が所定量以上半径方向に移動したときに当接し、それ以上の移動を制限することを特徴とする。
【0007】
【作用】
本発明のクラッチレリーズ軸受装置によれば、前記連結部材が、前記軸受保持部材に対して前記クラッチレリーズ軸受が所定量以上移動したときに当接し、それ以上の移動を制限するようになっているので、従来、前記軸受保持部材に設けていた移動制限部が不要となり、前記クラッチレリーズ軸受装置をよりコンパクトにすることができる。
【0008】
ところで、例えば前記連結部材が前記クラッチレリーズ軸受に直接当接するようになると、前記連結部材が前記軸受保持部材から半径方向に外れやすくなる恐れがある。これに対し、前記軸受保持部材が、前記連結部材の半径方向に突出した凸部に係合する開口を有し、前記凸部を前記開口に形成することにより、前記軸受保持部材に対して前記連結部材の分離が抑制されるようにすれば、前記連結部材が外れることを効果的に抑制できる。
【0009】
更に、前記連結部材は、前記軸受保持部材の半径方向最外周部に係合する部位が円周面又は平面となっていると、よりコンパクトな構成を提供できるので好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して以下に詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態であるクラッチレリーズ軸受装置をレリーズフォーク側から見た図である。図2は、図1の構成をII−II線に沿って切断して矢印方向に見た軸線方向断面図である。図3は、図2の構成を矢印III方向に見た図である。
【0011】
図2において、クラッチレリーズ軸受装置は、クラッチレリーズ軸受10と、軸受保持部材であるガイドスリーブ20と、連結部材であるばね部材30と、補強部材40とからなる。クラッチレリーズ軸受10は、左方端を当接部11aとする略円管状の内輪11と、内輪11を同心的に内包する短い円管状の外輪12と、内輪11と外輪12との間に転動自在に配置された複数のボール15と、ボール15を所定間隔で保持する保持器16と、ボール15の軸線方向両側で内輪11と外輪12とにより画成される空間を防塵油密的に密封するシール17、18とからなる。内輪11は外輪12に対して回転自在に支持されている。また内輪11の当接部11aは、図示しないクラッチカバーのダイヤフラムスプリングに当接するようになっている。
【0012】
一方、ガイドスリーブ20はモールド成形された樹脂製であって、円管状の本体21と、本体21の中央近傍の外周から半径方向に延在するフランジ部22とが形成されている。本体21の内方には図示しないガイド軸が延在しており、本体21はガイド軸上を摺動自在となっている。なお、本体21の内方には拡径部24が設けられている。この拡径部24は、本体21がガイド軸上を摺動する際に異物を噛みこまないように機能するものである。また、クラッチレリーズ軸受10を半径方向に移動可能とするため、フランジ部22に取り付けられたばね部材30と外輪12との間には隙間27が形成されている。更に、フランジ部22は、ばね部材30の取付部において半径方向に延在する一対の外方突起(凸部)22hを有する。尚、補強部材40に設けられたバレ止め部45は、組み付けられたばね部材30と、ガイドスリーブ20のフランジ部22との間に挟持され、ガイドスリーブ20から補強部材40が分離することを防止する機能を有する。
【0013】
図1より明らかなように、同一形状のものが3つ設けられたばね部材30は、クラッチレリーズ軸受10をガイドスリーブ20に対して取り付ける機能を有する。ばね部材30は、一枚のSK5等のばね鋼板をプレスで打ち抜いた後、略コ字状に折り曲げその後焼入処理することによって形成されている。ばね部材30は、ガイドスリーブ20のフランジ部22に当接するベース部31と、軸受の外輪12に当接する押圧部32と、ベース部31と押圧部32との間に設けられ、押圧部32に外輪12を付勢するための弾性力を付与する梁部33とからなっている。なお、端部である押圧部32は、シール17に接触しないように、またばね部材30の組付を容易にすべく、軸線方向外方に傾斜した傾斜部32aを有する。図3に示すように、梁部33には開口33aが形成されており、ここに外方突起22hが係合している。一対の外方突起22hは、開口33aに係合することにより、互いに近接する方向に弾性変形し、その弾性変形力により適度な付勢力を開口33aに付与しており、それによりばね部材30の半径方向への抜け防止が図られている。尚、傾斜部32a及び梁部33は、組み付けた状態でクラッチレリーズ軸受10の軸線方向に見て湾曲した円弧形状を有している。
【0014】
補強部材40は、円筒部41と、円筒部41に連結された円板状のアンビル部42とからなり、比較的肉厚の板をプレスし、その後焼入処理することによって形成される。これにより、入力部材であるレリーズフォークとの接触部にて著しい摩耗が発生しないようにしている。また、アンビル部42をチタンコーティングすることにより著しい摩耗を防ぐこともできる。円筒部41は、ガイドスリーブ20に取り付けられた際に本体21に丁度嵌合する内径を有し、それにより補強部材40の半径方向の位置決めが達成されるようになっている。
【0015】
次に、本発明の実施の形態であるクラッチレリーズ軸受装置の動作につき以下に説明する。図1において、図示しないレリーズフォークが枢動して、その先端が補強部材40のアンビル部42(図1で円筒部41の上下位置)に当接して一定の荷重を印加する。補強部材40の板厚は比較的厚くその剛性も十分であるため、レリーズフォークより受ける大荷重を支持することができる。レリーズフォークとアンビル部42とは滑り接触をするが、上述したようにアンビル部42はチタンコーティング又は焼入処理されているので摩耗は小さく抑えられる。クラッチレリーズ軸受装置は、レリーズフォークからの入力により図示しないガイド軸上を軸線方向に摺動して、図示しないクラッチカバーのダイヤフラムスプリングに内輪11の当接部11aを当接させる。ダイヤフラムスプリングが回転していても、内輪11は回転自在であるので、当接後にダイヤフラムスプリングと一体で回転することとなり、更に軸受装置が軸線方向に移動することによりダイヤフラムスプリングが押圧されてクラッチが動作されるようになっている。
【0016】
ばね部材30は適切な板厚となっていて、ガイドスリーブ20に対してクラッチレリーズ軸受10を、押圧部32と外輪12との間に作用する摩擦力のみで支持しているため、クラッチレリーズ軸受10はガイドスリーブ20に対して半径方向に移動可能となっている。従って、内輪11の当接部11aがダイヤフラムスプリング(クラッチ装置の回転部材)に当接したとき、両者の間に偏心があれば、クラッチレリーズ軸受10を同心に位置させようとする公知の力が生じ、それによりクラッチレリーズ軸受10は半径方向に移動して、自動調心が達成されることとなる。本実施の形態において、ばね部材30は、クラッチレリーズ軸受10が所定量以上半径方向外方に移動しないよう制限する機能を有するので、従来ガイドスリーブ20のフランジ部22に設けていた移動制限部を省略でき、それによりガイドスリーブ20の外径を小さく抑えることができる。
【0017】
図4は、第2の実施の形態であるクラッチレリーズ軸受装置をレリーズフォーク側から見た図である。図5は、図4の構成をV−V線に沿って切断して矢印方向に見た軸線方向断面図である。図6は、バネ部材の斜視図である。本実施の形態に関しては、図1〜3の実施の形態に対し異なる点のみ説明し、共通する構成については同じ符号を付すことで説明を省略する。
【0018】
図6に示すように、バネ部材130は、第1の実施の形態と同様に、ベース部131と、押圧部132と、ベース部131と押圧部132との間に設けられ、押圧部132に外輪12を付勢するための弾性力を付与する梁部133とからなっており、また傾斜部132a及び梁部133は、組み付けた状態でクラッチレリーズ軸受10の軸線方向に見て湾曲した円弧形状を有している。しかしながら、梁部133には開口は設けられておらず、その代わり、ベース部131の両側に切欠き137が形成され、ベース部131の中央には、比較的大きな開口136が形成されている。
【0019】
クラッチレリーズ軸受装置の組付方法について説明すると、ガイドスリーブ20の本体21の周囲に、クラッチレリーズ軸受10および補強部材40を配置した後、図1の斜め右上方、斜め右下方及び左方水平方向から3つのばね部材130を、ガイドスリーブ20に対し補強部材40のバレ止め部45を抑えつつ挿入する。ばね部材130は外周の一方向から挿入できるようにしているため、組付が容易となっている。ばね部材130は、ガイドスリーブ20のフランジ部22に設けた軸線方向突起22cを弾性変形しながら乗り越えて、切欠き137が突起22cに係合し、且つ開口136がガイドスリーブ20のフランジ部22に設けたストッパ22gに当接することで、組み付けが完了する。本実施の形態によれば、バネ部材130は、突起22c、ストッパ22gとの係合により、ガイドスリーブ20のフランジ部22にしっかり取り付けられるので,クラッチレリーズ軸受10がばね部材130に当接しても、その抜けが効果的に防止される。又、本実施の形態においては、ガイドスリーブ20のフランジ部22の半径方向最外周部に係合する梁部133が、それに応じた円弧状(円周面)となっているので、全体の最大外径が小さくなり、よりコンパクトな構成が提供される。尚、梁部133を平面とした場合も、従来技術に比べれば、クラッチレリーズ軸受装置の最大外径を抑えるという効果を発揮できる。
【0020】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、ばね部材30は3つでなく、2つ或いは4つ以上でも良い。
【0021】
【発明の効果】
本発明のクラッチレリーズ軸受装置によれば、連結部材が、軸受保持部材に対してクラッチレリーズ軸受が所定量以上移動したときに当接し、それ以上の移動を制限するようになっているので、従来、前記軸受保持部材に設けていた移動制限部が不要となり、前記クラッチレリーズ軸受装置をよりコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態であるクラッチレリーズ軸受装置をレリーズフォーク側から見た図である。
【図2】図1の構成をII−II線に沿って切断して矢印方向に見た軸線方向断面図である。
【図3】図2の構成を矢印III方向に見た図である。
【図4】第2の実施の形態であるクラッチレリーズ軸受装置をレリーズフォーク側から見た図である。
【図5】図4の構成をV−V線に沿って切断して矢印方向に見た軸線方向断面図である。
【図6】バネ部材の斜視図である。
【符号の説明】
10 クラッチレリーズ軸受
20 ガイドスリーブ
30、130 ばね部材
40 補強部材

Claims (3)

  1. 互いに同心的に配置されかつ相対回転する内輪及び外輪を含み、一方の輪が固定され、回転する他方の輪がクラッチ装置の回転部材に当接するようになっているクラッチレリーズ軸受と、ガイド軸上に摺動自在に嵌合された軸受保持部材と、該軸受保持部材に対して、該クラッチレリーズ軸受の該一方の輪を半径方向に移動可能となるよう保持する連結部材とからなっているクラッチレリーズ軸受装置において、
    前記連結部材は、前記軸受保持部材に対して前記クラッチレリーズ軸受が所定量以上半径方向に移動したときに当接し、それ以上の移動を制限することを特徴とするクラッチレリーズ軸受装置。
  2. 前記軸受保持部材は、前記連結部材の半径方向に突出した凸部に係合する開口を有し、前記凸部を前記開口に形成することにより、前記軸受保持部材に対して前記連結部材の分離が抑制されることを特徴とする請求項1に記載のクラッチレリーズ軸受装置。
  3. 前記連結部材は、前記軸受保持部材の半径方向最外周部に係合する部位が円周面又は平面となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のクラッチレリーズ軸受装置。
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