JP2004308411A - 大径の既製コンクリート杭基礎、既製杭の埋設方法 - Google Patents

大径の既製コンクリート杭基礎、既製杭の埋設方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来、場所打ちでしかできない、杭外径D>1.3mの超大径の杭基礎を既製杭を使用して施工し、同径で場所打ち杭より大きな支持力等を発揮する。
【解決手段】掘削ロッド33の掘削ヘッド40で穴壁を均しつつ杭穴軸部24(a)、杭穴拡底部25を掘削する。セメントミルクを注入し、杭穴内に根固め層27、杭周固定液層28を形成する(b)。既製杭1、2は、コンクリート部4に鋼管5を被覆して構成する。続いて、下面に突板14を突設した円盤7で底を塞いだ既製杭2を、中空部3に錘として水を注入して、回転させながら下降する。次いで既製杭2に底を塞いでいない既製杭1を順次接合して、連結既製杭10として埋設する(d)。連結既製杭10の中空部3にトレミー管を入れ、生コンクリート(固化強度20〜40N/mm程度)を充填し、水と置換する。生コンクリート30が固化発現後に杭基礎31を構築する(e)。
【選択図】図3

Description

この発明は、大径の既製コンクリート杭基礎及び既製杭の埋設方法である。主として、少ない数の杭基礎で建造物を支持して、1つの杭基礎当り高支持力が要求される大径の杭基礎において有効である。従って、特に、従来より杭基礎の使用本数を削減するのに最適であり、従来の場所打ち杭の基礎の置き換えにおいて最適な工法である。
従来の杭径1.3m以上の大径の杭基礎を建築物として、構築する場合は、一般に場所打ち杭によっていた。その他、既製杭では未だ本格的に開発され実施された事例はない。各工法での大径の杭基礎の現状を説明する。
(1)場所打ち杭による杭基礎
一般に、外径1.3m以上の杭基礎は場所打ち杭で施工がなされている。この場合、砂質土又は礫質土の場合、先端支持力Rpは、
Rp=α×150×N×Ap(単位:N)
N:先端部の地盤のN値
Ap:杭の断面積(単位:m
α:補正係数で、通常0.5
(載荷試験の実績で変更できる)
で、簡易的に計算されていた(非特許文献1。p100)。
従って、単位断面積あたりの支持力がコンクリート製の既製杭による杭基礎より小さいので、同じ支持力を実現する場合には、既製杭より大径となり、より大径の杭穴を掘削する必要があった。
また、杭穴掘削時の掘削土は、そのまま杭穴内壁の補強をせず殆ど排出して、その杭穴に生コンクリートを充填するので、排土の処理費及び環境面から好ましくなかった。
また、杭穴の穴壁表面の崩れ等により、杭穴内にスライムが発生し、これが打設したコンクリートに混入して、コンクリートの品質を低下させることがあり、スライムの除去処理が高支持力化(高品質化)への難点となっていた。また、スライムを除去するなどの処理に手間を要していた。
(2)鋼管製の既製杭を使用した杭基礎
一般に先端支持力Rpは、
Rp=(100〜150)×N×Ap(単位:N)
で計算されており、コンクリート製の既製杭に比して断面積当りの支持力が小さくなっていた。また、杭径1mを越す大径の施工実績は少なかった。
また、一般に鋼管杭では、支持力を高める為に先端に螺旋翼を固定して構成していたが、外径700mm以上では適用できなかった(特許文献1。段落0007〜0013)。とりわけ、杭径が大きくなると、螺旋翼と鋼管面との接合部の強度を高める工夫が必要となり、技術・品質的に解決すべき多くの問題があった。従って、大口径の鋼管製の既製杭は用途が限られていた。
(3)コンクリート製の既製杭を使用した杭基礎
一般に、先端支持力Rpは、
Rp=(250〜400)×N×Ap(単位:N)
程度まで発揮でき、また、掘削土は杭穴内壁に練り付けなどしており、杭穴内壁の品質は良好で、かつ、排土は場所打ち杭より少ない等、有利な点が多くあった。
しかし、各社カタログによれば、杭径1000mmが上限であり、一部で1200mmの施工実績もあるようであるが、上記のように、計算上断面積当りの支持力が大きくできるが、大径かつ超大重量の取扱いを含めた施工技術等が解決されていなかったので、汎用化されていなかった。
特開2000−73365 土質工学会、「現場技術者のための土と基礎シリーズ1 杭基礎の調査・設計から施工まで」第二回改訂版、平成5年5月25日
上記のように、単位断面積あたりの支持力を考慮すれば、コンクリート製の既製杭を利用すれば、基礎杭の断面積あたりで、より多くの支持力を負担でき、外径2000mm程度の大径の基礎杭を実現する可能性があった。
この場合、
(1) 杭径1m以上の超大径杭で、所要耐力(鉛直支持力、曲げモーメント等)を満たす構造技術
(2) 超大径で高品質の杭穴を掘削造成する技術
(3) 超大径の超重量の杭を安全に安定して取扱う技術
(4) 超大径杭を埋設できる押し込み技術
(5) 超高支持力を発現させる高品質の基礎施工技術
(6) 超高支持力を品質維持管理・保証する施工技術
等を検討して、問題点を解決する必要があった。
然るにこの発明では、外径Dの外郭鋼管コンクリート製の既製杭を用いて、その中空部にコンクリートを充填して、前記問題点を解決した。
即ち、この杭基礎の発明は、外径Dの外郭鋼管コンクリート製の既製杭を、杭穴内に埋設すると共に、前記既製杭の中空部にコンクリートを充填して構成し、
前記コンクリートの充填は、少なくとも前記中空部の杭頭部側及び/又は先端部側に行ったことを特徴とする大径の既製コンクリート杭基礎である。
また、他の杭基礎は、外径Dの外郭鋼管コンクリート製の既製杭を、杭穴内に埋設すると共に、前記既製杭の中空部にコンクリート又はソイルセメントを充填して構成したことを特徴とする大径の既製コンクリート杭基礎である。
また、前記において、外径D(D>1.3m)、杭長Lとした場合、
L<5D
となる単位基礎杭を、上下に連結して構成し、最下端に位置する既製杭は、下端を閉塞して、下方に向けてシューを突設した大径の既製コンクリート杭基礎である。
また、埋設方法の発明は、以下の工程で埋設することを特徴とした既製杭の埋設方法である。
(1) 掘削ロッドの先端の掘削ヘッドで、杭穴軸部を掘削しつつ、必要ならば杭穴軸部壁を均し、前記杭穴軸部の先端側で、支持地盤に対応して杭穴根固め部を形成する。
(2) 前記杭穴根固め部に所定強度のソイルセメント層を形成する。
(3) 前記杭穴内に、外径Dの外郭鋼管コンクリート製の既製杭を下降させる。
(4) 前記既製杭の先端が前記根固め層内に位置するまで下降させて、前記既製杭を所定位置に埋設する。
また、他の埋設方法の発明は、以下の工程で埋設することを特徴とした既製杭の埋設方法である。
(1) 掘削ロッドの先端の掘削ヘッドで、杭穴軸部を掘削しつつ、必要ならば杭穴軸部壁を均し、前記杭穴軸部の先端側で、支持地盤に対応して杭穴根固め部を形成する。
(2) 前記杭穴根固め部に所定強度のソイルセメント層を形成する。
(3) 前記杭穴内に、外径Dの外郭鋼管コンクリート製の既製杭の底を塞ぎ、前記既製杭が浮力が生じないように中空部に錘用流動体を注入しながら、下降させる。
(4) 前記既製杭の先端が前記根固め層内に位置するまで下降させて、前記既製杭を所定位置に埋設する。
(5) 前記既製杭の中空部の底からコンクリートを充填し、前記錘用流動体を地上に排出する。
また、前記において、既製杭の外径Dを、D>1.3mとし、該既製杭を回転させながら下降させる既製杭の埋設方法である。更に、既製杭は、外径D(D>1.3m)、杭長Lとした場合、
L<5D
となる単位基礎杭を、上下の鋼管を連結しながら継ぎ杭として埋設する既製杭の埋設方法である。
この発明は、とりわけ、従来の既製杭で施工が成されていない、外径D(D>1300mm)において、有効な発明であるが、特に外径D(D>2000mm)において、特に顕著な効果が期待できる。ただし、従来の既製杭でも施工されている外径Dの範囲であっても適用を除外するものではなく、例えば、D>800mm程度の範囲でも、支持力を高められので、所要耐力を満たせば有効である。
また、既製杭は、外径D、杭長Lとした場合、L<5D とするが、既製杭の重量が30t以下(できれば10t)となるように、外径Dに比して、長さを短くする必要がある。
上記問題点は、具体的には、以下のような手段で解決できた。
(1) 先端支持力Rpは、
Rp=(250〜400)×N×Ap
以上を満たす圧縮耐力、曲げ耐力の確保が問題であるが、所定曲げモーメントを満たす厚さの外殻鋼管で、被覆した既製杭(いわゆる「SC杭」)を使用する。更に、先端を閉塞し、その中空部に所定固化強度の生コンクリートを充填して固化させ、圧縮耐力を増強し、バランス良く各種耐力を満たすことができる。
(2) また、高品質の杭穴の造成に関しては、杭穴軸部を注水しながら掘削し、掘削土を穴壁に練付けし杭穴内壁を均して補強しながら所定深度まで、所定品質・形状の杭穴を掘進し、杭先端の位置する地盤に、所定品質・形状の根固め部を形成することにより達成できる。また、根固め部内に、高固化強度のセメントミルクを注入しながら均一に混合し、所定の高品質なソイルセメント層を形成する。
(3) また、杭の運搬・沈設時の取り扱い方法については、杭長を2〜5m等と短くして杭重量を30t以下として、杭打ち機およびクレーン等の耐力に耐え得る重量に抑える。また、コンクリートの周囲を鋼管で被覆させた外殻鋼管コンクリート製の既製杭を使用することにより、運搬時の衝撃、振動によるコンクリートの破壊を防止させ、既製杭の取扱いを容易とさせることもできる。
また、杭穴内には、ソイルセメントや掘削時に注入した水等による泥水が満たされており、既製杭の下端を閉塞した場合、杭沈設時に、浮力を受けて押し込めない場合がある。従って、閉塞した杭中空部に水等の錘用の流動体を注水して杭重量を増加させ、泥水あるいはソイルセメント等の杭穴内の充填物の比重による浮力と略近似値でバランスさせて杭打ち機への荷重を最小限にし、さらに、既製杭を回転させながら既製杭を沈設する。
また、この際、既製杭の中空部に水等を満たしても、生じる浮力より既製杭の重量が軽い場合には、既製杭(外殻鋼管コンクリート製)のコンクリート部の厚さを適宜厚くする等調節するとにより、既製杭の重量を厚くすることができる。この既製杭のコンクリート部の厚さを厚くすることにより、併せて、既製杭が負担できる圧縮耐力を増強できるので、有効である。また、この既製杭は、コンクリート部の肉厚を薄くして、既製杭の重量を減らして、既製杭の移動や施工時等の取扱性を容易にし、施工後、中空部へのコンクリートを充填することにより、既製杭の耐圧縮力を補強することも容易である。
また、杭材をSC杭とし、杭長さを杭外径の5倍以下に限定することにより、杭の取扱い及び沈設がより確実かつ容易にでき、安定した施工ができる。
(4) また、既製杭の中空部への高品質生コンクリートの充填方法については、既製杭の沈設後に、所定固化強度の生コンクリートをトレミー管で杭の底から注入し、予め注入してある錘用の水と置換しながら、その水を杭上部から地上に汲みだし、既製杭の中空部に高品質コンクリート層を形成する。コンクリートが固化したならば、既製杭のコンクリート部分と一体となって、必要な基礎杭の断面を確保できる。特に、高固化強度(高圧縮力)を必要とする場合には、既製杭の底(下端)を閉塞することにより、所要のコンクリートの品質を確保できる。尚、ここで、トレミー管に代わり、掘削ヘッドを外した中空の掘削ロッド(即ち、ロッド本体)を使用することもできる。
(5) また、品質維持管理・保証する施工技術については、杭の杭穴造成、杭沈設時の施工データを全てコンピュータで記録し、施工内容の保証データとすることにより、杭基礎の造成条件を確保すると共に、構築される杭基礎の品質を保証するデータとすることもできる。
(1) 従来の外径D>1300mm程度の大径杭(場所打ち杭)を構築する場合に、
(a) この発明では、支持力が従来の場所打ち杭に比較して断面積対比で2倍以上が得られる。
(b) この発明では、掘削土を杭穴側壁に練付けし、かつ、セメントミルクと混合して一部利用する等しているので、排土が大幅に削減できる。
(c) この発明では、杭中空部に生コンクリートを充填するので、圧縮耐力に関する品質が安定する。よって、施工管理が容易となる。
(d) この発明では、鉄筋篭の現場組みがなくなるので、工期が大幅に短縮される。
(e) この発明では、支持力を大幅に増大できるので、杭基礎全体のコストが低減される。
(2) 従来の既製杭に対して、コンクリート部の肉厚内への鋼棒等の配筋や杭端板を不要にして、あるいは構造的に安価にできる。また、既製杭の接合作業も簡略化できる。
また、曲げモーメント及びせん断力は、主に鋼管とその内側の若干のコンクリート部で、負担し、圧縮は主にコンクリート部と中空部で固化したコンクリートとで負担をするので、この実施例で使用する既製杭は、従来のSC杭の規格に比して、コンクリート部の厚さを大幅に薄く形成できる。
また、既製杭のコンクリート部の肉厚調節することにより、杭基礎全体での求める圧縮強度の増減を図ることができ、更に、既製杭の底を閉塞した場合に既製杭の重量を増減させて、既製杭に生じる浮力の調節を図ることもできる。
また、既製杭を上下に連結する場合、通常のコンクリート杭の組合せに比べ、既製杭の端板構造及び連結部の構造等を大幅に簡略化できる。
[1]既製杭は、外径D、長さLで、下端を閉塞した外郭鋼管コンクリート杭(いわゆるSC杭)を準備する。必要により下端にシューを取付けることもできる。
[2]杭穴掘削は、先掘り工法を採用し、掘削時に注水しながら掘削土を杭穴壁に練付けしながら軸部杭穴掘削し、支持地盤で拡径根固め部を形成する。
[3]杭穴内にセメントミルクを注入・撹拌・混合して、均質で所定品質のソイルセメントを形成する。根固め部には、高固化強度セメントミルク注入して根固め層とする。軸部には、所定固化強度のセメントミルク注入して、杭周固定液層とする。
[4]杭沈設
杭穴内は、比重1.4〜1.7程度のソイルセメントが充填されているので、ソイルセメントにより生じる浮力に見合った既製杭の重量となるように、既製杭の中空部に、錘用の水を注水しながら、必要ならば他の既製杭を連結しながら沈設して根固め部の底部に固定する。この場合、所要支持力と地盤強度との関係から既製杭の下端を直接地盤に設置する場合と既製杭の下面と杭穴底との間に、ソイルセメント層を設ける場合を使い分ける。
尚、一般に、比重等は以下のようになっている。
○ 土泥比重:約1.4
○ ソイルセメント比重:約1.7
(根固め部層の固化強度20N/mm
○ 生コンクリート比重:約2.4(固化強度10〜40N/mm
○ 既製杭のコンクリート部の圧縮強度:100N/mm
○ 鋼板比重:7.8
[5]既製杭の連結
支持地盤が杭長Lより深い場合には、既製杭の連結が必要である。圧縮力に関しては、既製杭の中空部に所定の高固化強度のコンクリートを充填するので、上下の既製杭で、特別の連結手段は不要である。一方、杭基礎に作用する曲げモーメントに対抗する為には、上下の既製杭で、外殻鋼管部の接続が容易な構造とする。
従って、通常のコンクリート製の既製杭で使用されている鋼棒及び端板等は不要であり、杭端面の保護用の蓋があれば良い程度である。よって、外郭の鋼管を互いに溶接あるいはボルト締めなどの手段で機械的に容易に連結できる。
[6]既製杭の中空部への生コンクリートの充填
既製杭の中空部の底にトレミー管等の先端を位置させ、生コンクリートを注出させ、錘用の水(比重の軽い)と置換させ充填していき、水は杭ロから汲み出す。
尚、求められている杭基礎の耐力に比較して、既製杭のみで充分な支持力を発揮できる場合、あるいは固化強度の低いソイルセメント等で足りる場合等には、生コンクリートの充填を省略することもできる。この場合には、既製杭の沈設時に錘として、中空部に水を充填したが、水に代わり、所定固化強度(コンクリートより固化強度が低い)のソイルセメントを使用して、そのまま中空部内にソイルセメントを固化させることも可能である。
尚、生コンクリートの充填は、既製杭の全長への充填することが望ましいが、
求める杭基礎の性能により、以下の態様とすることも可能である。
(a) 既製杭の先端部(下部)と杭頭部(上部)とにコンクリートを充填し、中間部は、ソイルセメントを充填する。既製杭の先端部の主に圧縮力・せん断力に対する耐力、杭頭部での主に曲げモーメントに対する耐力を強化できる態様である。
(b) 既製杭の先端部(下部)のみにコンクリートを充填し、コンクリートの上方は、総てソイルセメントとする。既製杭の先端部での主に圧縮力・せん断力に対する耐力を強化できる態様である。
(c) 既製杭の杭頭部のみコンクリートを充填し、その下方は総てソイルセメントを充填する。既製杭の杭頭部での主に曲げモーメントに対する耐力を強化できる。
(d) 既製杭の全長に亘り、ソイルセメントを充填する。外殻鋼管コンクリートの構造のみで、所要の耐力を満たす場合である。
[7]杭穴の根固め部へのセメントミルクの注入
均質なソイルセメント層を形成すべく、下記の3種の仕様を使い分け、所要品質のソイルセメント層を造成する。
(a) 仕様1
全吐出量を 1/3量づつ3回に分けて吐出する。
第1回目: 1/3量を構築予定の根固め層の底部で撹拌しながら吐出する。
第2回目: 1/3量を引き上げ、撹拌しながら吐出する。
第3回目: 1/3量を撹拌しながら根固め部内で、上下2往復させながら吐出を完了させる。この場合、根固め部内のソイルセメント層の圧縮強度のばらつきを10%以下にできる。
(b) 仕様2
先ず、セメントミルクの注入口を構築予定の根固め層の底部のほぼ中央に設置し、撹拌・吐出しながら根固め部内を少なくとも上下2往復させて、最上部で完了させる。この場合、根固め部内のソイルセメント層の圧縮強度のばらつきを10%以下に抑えることができる。
(c) 仕様3
先ず、セメントミルクの注入口を根固め部の底部のほぼ中央に設置し、その注入口を移動させずにセメントミルクを全量吐出しソイルセメント層を形成する。これは支持力があまり期待されていない、シルト等が混入し、地層が良くない基礎の場合に主に利用する。
[8]既製杭下降時の浮力の検討
前記における既製杭の施工、における浮力の影響について検討する。尚、検討にあたり、比重は、以下の値を採用した。
比重 ソイルセメント 1.7
鋼板 7.8
コンクリート部 2.4〜2.5
生コンクリート 2.4
水 1.0
(1) コンクリート部を鋼管で被覆した既製杭(いわゆる「SC杭」)を使用した場合、即ち、この発明に使用する既製杭のベースとなっている構造の場合、
杭重量=外殻鋼管重量+閉塞端板重量+コンクリート部重量
+満杯充填水重量
となり、杭径D=1000mm、までは、従来規格のSC杭で下端部を閉塞した既製杭を使用して、ソイルセメントが満たされた杭穴内に下降させても、中空部に水を充填することにより容易に既製杭を沈設できる。コンクリート部の肉厚が大きいことも重量増に寄与している。
また、杭径D=1200mm〜2000mmでも、同様に沈設が可能である。尚、杭径D>1300mm、では、杭重量に余裕が有る場合には、既製杭のコンクリート部の厚さを薄くすることができ、従来のSC杭の規格に比例したコンクリート部の厚さに較べて約2分の1程度で形成することもできる。この場合には、既製杭の重量を肉厚を薄くした分だけ減らすことができ、既製杭の運搬及び取扱い上、有効である。
(2) 尚、鋼管製の既製杭で底を閉塞した既製杭を用いた場合についても検討すると、この場合、
杭重量=鋼管部重量+閉塞端板重量+満杯充填水重量
となる。外径Dを1000mmとした場合、その中空部に水をほぼ上端まで満たせば、杭重量が浮力とほぼ一致し、杭打ち機で押し込めば、既製杭を沈設できる。
従って、外径D(D=1000mm)が限界であり、D>1000mmでは、下杭を押し込んでも、上杭を連結した状態では、安定な沈設ができない。また、錘として、水に代えて、初めから生コンクリートを充填することも考えられるが、上下でコンクリートが均一に固化せず断層が生じ易いので、耐力面から好ましくない。また、浮力に抗するためだけに、鋼管の厚さを厚くすることも考えられるが、対費用効果が少なく、無駄である。
(3) 従来のコンクリート杭(例えば、いわゆるPHC杭)の底を閉塞して利用した場合、中空部にコンクリートを詰めた場合であっても、一般に、曲げ耐力が不足するので、基本的に高耐力のバランス取れた杭基礎を構築することは困難である。尚、計算上は、外径D=1200mmで杭重量と浮力がほぼ一致する。
図面に基づきこの発明の実施例を説明する。
[1]既製杭1、2の構成
中空部3を有する円筒状で肉厚tのコンクリート部4の外周を、肉厚tの鋼管5で被覆して、この発明の既製杭1を構成する。既製杭1は、外径D、内径D、長さLで形成される。
最下部に使用する既製杭2では、既製杭1の下端面に中空部3を塞ぐ鋼板製の円盤7が配置され、円盤7の周縁を鋼管5の下端6に溶接する。また、円盤7の下面に、3枚の直角三角形の突板(シュー)14、14を放射状に配置して固定する。この突板14の形成により既製杭2の沈設が容易となる。
このような既製杭1、2が、通常、一体に遠心成形により製造される(図1)。ここで、
L=5000mm
=2000mm
=1700mm
=132mm
= 18mm
とした場合、既製杭1、2の重量は、14t程度となり、従来の杭打ち機を使用して、埋設工事ができる。
また、この既製杭1、2では、中空部3にコンクリートを充填して使用するので、コンクリート部4の厚さtは、従来のいわゆるSC杭の規格に比して、2分1程度に薄く形成してある。厚さtを薄くすることにより、既製杭全体の重量を軽く形成でき、沈設時の杭打ち機への負担や、運搬の際に、有利となる。尚、浮力を考慮した中空部3への水の充填量は、増減する必要がある。
[2]掘削ロッド33の構成
(1) この発明の実施例に使用する掘削ロッド33は、ロッド本体34の下端に掘削ヘッド40を取り付けて構成する(図2)。ロッド本体34には、上下方向の所定高さ毎に杭穴壁を均して押し固める練付ドラム35を取付けてあり、また、練付ドラム35、35の間に、撹拌バー36、36が取り付けてある(図3(a))。
掘削ヘッド40は、下端部に固定した掘削刃38a、38aを形成しロッド本体34に接合できるヘッド本体38に、先端に掘削刃39a、39aを形成した掘削腕39、39の基端部を揺動自在に取り付けて構成する。
ヘッド本体38は下部に角形状の膨大部44が形成され、上部と膨大部44とに撹拌翼45を取り付けてある。また、ヘッド本体38には、正回転時に掘削腕39の揺動の最大振幅を規制して、杭穴の軸部掘削径D21を規定するストッパー41、41、また、逆回転時に掘削腕39の揺動の最大振幅を規制して、杭穴の拡底部径D22を規定するストッパー42、42が夫々取り付けられている。また、逆回転時に掘削腕39の裏面と係合して、掘削腕39の揺動の最大振幅を維持する為のストッパー43も取り付けられている(図2(b)(c))。
以上のようにして、掘削ロッド33を構成する(図2、図3(a))。
(2) この掘削ヘッド40では、ヘッド本体38が、平面視で板状の直方体形状となっておりかつ下方に向けて先細に形成されている(図2(a)(b)(c))。また、掘削腕39、39も薄い形状であり、ヘッド本体38に沿って、下方に向けて内側に屈曲されており、下端部で外側に向けて更に屈曲され、外側に向けた掘削刃39a、39aが取付けられている(図2(b))。
従って、掘削ヘッド40では掘削時には、掘削刃39a、39a周辺の掘削土は、直上に揚上されるので、掘削刃39a、39aの押し上げ抵抗を軽減して掘削速度を向上させることができる。掘削土掘削効率が良い。また、掘削径D21に比して、掘削ヘッド40が占める横断面積が小さいので(図2(d))、引き上げる際に、杭穴内に存在するソイルセメントの抵抗を受け難いので、引き上げが容易である。ここで、掘削ヘッド40の横断面積が、掘削横断面の60%以下であることが必要であり、3分の1以下が望ましい。
(3) 掘削ヘッド40の押し込み速度(掘削速度)v、掘削ヘッド(掘削刃)40の回転数N、同一掘削ヘッド40での掘削刃39aの刃先の軸方向の全長寸法L(図2(b))、同一掘削ヘッド40での掘削刃39a本数n(ここでは、n=2)とするとき、1掘削刃39aの軸方向の長さ等に関しては、杭穴外周(内壁)全面を少なくとも1回、掘削刃39aで掘削するために、下記の関係式を満たすように互いに関係付けてあり、効率的な掘削が実現できる。これら掘削刃39aは杭穴軸部24の穴壁及び掘削土の品質にかかわる部分であり、具体的には、築造される基礎杭の軸部の摩擦支持力、水平耐力及び掘削土の排出等にかかわる。
≧v÷(n×N)
:掘削刃39aの軸方向長さ(cm)
v :掘削ロッド33の押込み速度(cm/min)
n :掘削ヘッド40での内壁用掘削刃数(個)
N :掘削ロッド33の回転数( r.p.m.)
尚、杭穴壁を出来る限り全面掘削することが最も品質上安定しており最適であるが、建造物の要求品質、地盤品質等により経済的にも最適な掘削刃寸法と掘削速度等を適宜組合せ掘削すること、あるいは、全面掘削しないで、掘削部と非掘削部の割合を所望の値に固定して掘削することも可能である。
(4) また、練付ドラム35の杭穴壁と接する長さ(ロッドの軸方向)L
≧v÷(n×N)
:練付ドラム35の長さ(cm)
v :掘削ロッド33の押込み速度(cm/min)
n :練付ドラム35の同一高さの練付面の数(個)
N :掘削ロッド33の回転数( r.p.m.)
の関係を満たすように、互いに関連付けることにより、練付ドラム35により少なくとも1回杭穴壁を練り付けることができるので、練付漏れを生じることなく、効率的な練付が実現できる。
即ち、練付ドラム35の同一高さの練付部の数n(個)=2、
とした場合、練付ドラム35が杭穴の内壁の少なくとも全面に掘削土を練り付けるためには、
≧v/(n×N)=v/2N
となるように、設定する。
[3]杭基礎31の構築
(1) 掘削ロッド33を所定位置に支持して、正回転して、掘削ヘッド40の掘削腕39を一側に揺動して(図2(c)(d)鎖線図示39A)、地面から押し込み、径D21、長さL21の杭穴軸部24を掘削する(図3(a))。この際、適宜、掘削水を使用て、掘削土を杭穴壁に練り付け、杭穴壁を均しつつ杭穴壁を押し固める。
(2) また、前記における掘削ロッド33の掘削速度vは、
v≦L×(n×N)
v≦L×(n×N)
のような関係を満たすように、速度vで掘削することにより、装着されている掘削刃39a及び回転数等の掘削装置に見合う掘削速度となり、杭穴内壁の全面を掘削刃39aで確実に掘削すると共に、練付ドラム35で確実な杭穴壁の均しができ、総体として、大きな支持力が期待できる杭穴の造成ができる。
(3) 掘削ヘッド40が、所定の支持地盤に達したならば、沈下を停止し、掘削ロッド40の回転を正回転から逆回転に切り替え、掘削腕39を他側に揺動して(図2(c)(d)鎖線図示39B)、径D22、長さL22の杭穴拡底部25を掘削する。
杭穴底部の掘削においては、更に高品質で均一な杭穴壁が必要なため、掘削刃39aが杭穴内壁を複数回均すことにより、均一な品質になるように、掘削速度vを制御することが必要である。また、掘削刃39aの掘削面の深さ方向の長さLをより長くすることにより同様な効果が得られる。
続いて、掘削ロッド33の中空部を通して、掘削ヘッド40から所定固化強度のセメントミルクを吐出し、杭穴拡底部25内に均質な根固め層(セメントミルク層)27を形成する(図3(b))。
この際、セメントミルクの注入方法として、先ず、掘削ロッド33のセメントミルクの注入口(図示していない)を根固め部25の底26のほぼ中央に設置し、撹拌・吐出しながら根固め部25内を少なくとも上下2往復させて、最上部で完了させる。以上のようにして、固化強度20N/mm程度の根固め層(ソイルセメント層)27を形成する。
(4) また、掘削ロッド33を引き上げながら、セメントミルクを注入撹拌して、杭穴軸部25内に、固化強度10N/mm程度の杭周固定液層(ソイルセメント層)28を形成する。根固め層27、杭周固定液層28の形成が完了したならば、掘削ロッド33を地上に引き上げる(図3(b))。
(5) 続いて、下端を塞いだ既製杭2を杭打ち機に取り付けて、回転させながら下降する。この際、杭穴内のソイルセメントにより既製杭2に浮力が生じて沈設不可に陥る場合もあり、この場合には、既製杭2の中空部3に錘として、水を注入して、生じる浮力以上の既製杭2の重量を確保して、既製杭2を沈設する。また回転させることにより、突板14、14で、既製杭2の下面のソイルセメントをかき分けて、既製杭2の下面の抵抗を軽減して、沈設を容易にすることができる。
また、既製杭2の上端を地面29の上方に位置させた状態で保持する(図3(c))。続いて、既製杭2を杭打ち機から外して、底を塞いでいない既製杭1を杭打ち機に取り付け(図3(c))、既製杭2の上端と既製杭1の下端を合わせて、両既製杭の鋼管5、5を当接して、溶接により固定する。また、両既製杭1、2のコンクリート部4、4も互いに当接するが、接合する必要はない。
続いて、同様に、既製杭2の保持を解除して、連結した既製杭1、2を下降する。この際に、浮力が生じるようであれば、更に中空部3に水を注入する。
また、この場合、上下の既製杭1、2が溶接により水密状態で連結されている場合には、溶接部分を超えて上側の既製杭1の中空部3まで水を注入することもできるが、水密状態でなく連結されている場合には、下側の既製杭2の中空部3のみに水を注入して浮力を調節する。
(6) 以下、同様に所定数の既製杭1を連結して埋設し、連結が完了した既製杭を連結既製杭10とする。連結既製杭10の下端11(一番下方の既製杭2の円盤7)が、杭穴底26付近に位置し、杭穴底26と連結既製杭10の下面11とに、外径D程度の間隙(ソイルセメント層)12が形成されて状態で、連結既製杭10を保持する(図3(d))。
(7) 杭周固定液層28、根固め層27のソイルセメントが固化発現した後に、連結既製杭10の中空部3にトレミー管等を入れ(図示していない)、既製杭2の円盤7付近から、生コンクリート(固化強度60N/mm程度)を充填し、錘用に充填してあった水と置換する。上方に押し上げられた水は、地上29で汲み出す。杭頭部まで、生コンクリート30を充填する。
杭穴先端部の地盤強度が所要の支持力に対して、十分な値を確保できる場合には、前記間隙12を省略して、ソイルセメントが固化する前に、連結既製杭10を下降して、連結既製杭10の先端を杭穴底26に設置することもできる(図示していない)。
(8) 生コンクリート30が固化発現したならば、杭基礎31を構築する(図3(e))。生コンクリート30は、連結既製杭10(各既製杭1、2)のコンクリート部4、4と定着して、鋼管5、5内に外径Dの一体のコンクリート構造物が形成される。
[4]他の実施例
(1) 前記実施例において、本発明を適用する杭穴が掘削深度が浅く、ロッド本体34の練付ドラム35等による杭穴壁の均し・練付けが充分に期待できない場合も考えられる。この場合には、掘削ヘッド40に杭穴壁の均し・練付機能を有する傾斜翼70を付加する構成とすることもできる(図4、図5)。
(1−a)掘削ヘッド40の構成
掘削ヘッド40は、ヘッド本体38の上端部に、ロッド本体33との連結部を形成し、下端部に固定掘削刃38a、38aが取り付けてある。また、ヘッド本体38の両側面38A、38Aに、先端部に掘削刃39a、39aを設けた掘削腕39、39が揺動自在に取り付けてある点で基本構造は同一である(図4、図5)。尚、掘削刃39aの軸方向(縦方向)の長さをL(cm)としてある。また、図中66は注水口、67は掘削腕39をヘッド本体38に取り付ける回転軸である。また、この掘削ヘッド40も同様にロッド本体34の下端に取り付けて掘削ロッド33を構成する。
また、このヘッド本体38も、掘削腕39の揺動方向で、ヘッド本体38の下部に膨大部68が形成され、膨大部68の下縁69は掘削腕38の揺動軌跡に沿って円弧状に形成され、膨大部68全体で掘削腕39の揺動を案内できるようになっている。また、ヘッド本体38の膨大部68は、掘削腕39の回転軸67方向(揺動方向と直角な方向)で、下方に向けて細くなるように形成されている(図5(a))。
ヘッド本体38の上部で、掘削腕39を取り付けて無い側面38B、38Bに、傾斜翼70を取り付ける。傾斜翼70は、ヘッド本体38に溶接等で固定された支持板72、72に挟まれて、ボルト・ナットで、支持板72、72に固定され、着脱自在で、摩耗、破損の際、あるいは異なる寸法への切替等の際に交換が容易となっている。傾斜翼70は、ヘッド本体38が正回転して下降した際に螺旋状の軌跡を形成するので、左右で高さ(上下間の距離はL)を違えて取り付けてあり、2枚の傾斜翼70、70で杭穴の壁面二重に均し、より均一な杭穴を形成できるようにしてある。また、水平に対する傾斜の角度θは、35度程度に設定してあるが、地盤の硬さ、回転速度、下降速度により、20度〜50度程度から適宜選択される。
また、傾斜翼70の先端縁71は、掘削刃39aで削られる杭穴壁を均せるように、杭穴壁に沿うような曲面に形成されている。また、傾斜翼70の先端縁71の鉛直方向の長さをL41としてある(図4、図5(a))。
また、ヘッド本体38に、正回転時(軸部掘削時)の掘削腕39の最大揺動を制限するストッパー78、78、逆回転時(拡大掘削時)の掘削腕39の最大揺動を制限するストッパー79、79を取り付けてある。また、ヘッド本体38の上端部に、握り棒80、80を水平放射状に4本突設してある(図4、図5(a))。
(1−b)掘削方法
前記実施例と同様に、ロッド本体34の下端部に取り付けて掘削ロッド34を構成し、掘削ロッド34を回転数N(r.p.m.)で回転させ、かつ、該掘削ロッド34を押込み速度v(cm/min)で押込みながら掘削ヘッド40により杭穴軸部24を掘削する。
この際、掘削ヘッド40は、最も外方に位置にする掘削腕39の掘削刃39aで地盤を削ぐように、螺旋状に凹凸溝形成しながら、荒削り状に杭穴軸部24を形成する(図5(b))。同時に、他の掘削刃39a、ヘッド本体38の掘削刃38aで地盤を削ぐように掘削して、杭穴底を掘削する。
杭穴壁に形成された、螺旋状の凹凸溝は、傾斜翼70の先端縁71で、、凹凸溝を無くすように凹凸溝の土が削がれて、結果、杭穴壁24が均され、所定外径の杭穴軸部24が掘削される。この際、
v/N≦L41
を満たすように、掘削ロッド34の回転及び押し込みが制御されているので、1つの傾斜翼70の先端縁71で、杭穴軸部24の穴壁は、少なくとも1回均され、螺旋状の凹凸溝が確実に低減される。更に、傾斜翼70は、ヘッド本体38の両側に、高さLだけ違えて、取付けてあるので、2回均すことができる。
また、設定された両傾斜翼70、70の高さLを考慮して、掘削ロッド34を回転数N、押込み速度vを調節すれば、効率良い杭穴軸部24の穴壁の均しができる。また、掘削土は、掘削腕39、ヘッド本体38の扁平状の膨大部68、傾斜翼70等で撹拌されて、更に傾斜翼70で、揚土される。
続いて、掘削土は、前記実施例と同様に、掘削ロッド34の練付ドラム35、撹拌バー36で攪拌され、杭穴軸部24の穴壁に練り付けられ、所定深さ・外径の杭穴軸部24を形成する。練付方法は実施例1と同様である。
ただし、掘削ロッド1の回転数N、押込み速度vは、掘削時の条件
v/N≦L
を満たすと共に、練付時の条件
v/N≦L
のいずれも満たすこと、杭穴の造成品質の面から有効である。
続いて、前記実施例と同様に、杭穴拡底部25を形成し、セメントミルクを注入して、根固め部27、杭周固定液層28を形成して、既製杭1、2を埋設して、杭基礎31を形成する(図3(b)〜(d))。
(2) また、前記実施例において、掘削ヘッド40はヘッド本体38に掘削腕39を揺動自在に取り付けて構成したが、他の構成の掘削ヘッドを構成することもできる(図6、図7)。
例えば、掘削ヘッド40は、中空筒状のヘッド本体47の上端部に、ロッド本体34と連結する連結凸部が形成され、ヘッド本体47の周囲に、揚土用のスパイラル48、48が形成されている。また、ヘッド本体47の下端部に固定掘削刃49、49が取り付けてある(図6)。また、また、スパイラル48の中間部に、軸51周りに回動して、放射方向(横方向)に拡開する拡大掘削刃50、50が取り付けてある(図6、図7)。
固定掘削刃49、49は、最も外側(外周側)に位置する固定掘削刃49の刃先49aは、杭穴壁に当接して穴壁を掘削する部分が鉛直方向(ロッドの軸方向)長さL31で形成されている。また、掘削手段の数nは2つとなる。
また、拡大掘削刃50の刃先が杭穴壁に当接して穴壁を掘削する部分の鉛直方向(ロッドの軸方向)長さL32で形成されている(図6(a)(b))。従って、拡大掘削時の杭穴壁を掘削する掘削手段の数nは2つとなる。
また、この掘削ヘッド40の下端中央部に注水口(図示していない)があり、掘削しながら掘削ロッド本体34の中空を通じて外部から水及びセメントミルクなどを所要量適宜注入出来るようになっている。
前記掘削ヘッド40においても、掘削刃49の中2枚の掘削刃49A、49A(最も外側に位置している)は杭穴の軸部穴壁51の掘削径に対応する最大外径部すなわち内壁掘削用であり、その他の4枚はその内側の位置で、杭穴内部の掘削及び掘削土の粉砕を分担するものである。ここで、掘削刃49Aの刃先のロッドの軸方向の長さL31、及び拡大掘削刃50の刃先のロッドの軸方向の長さL32も、前記実施例のLと同様の関係を
31≧v÷(n×N)
32≧v÷(n×N)
満たすように、掘削刃49A、50の長さL31、L32を形成する。また、逆に、掘削工法に関しても、
v≦L31×(n×N)
v≦L32×(n×N)
を満たすように、掘削速度vを調節して施工する。
(3) 前記実施例において、既製杭2の下面のシューとして、突板14を使用したが、既製杭2の下面の抵抗を軽減できる突形状であれば、他の構造とすることもできる(図示していない)。また、既製杭2の沈設に影響がなければ、シューは省略することもできる(図示していない)。
この発明の実施に使用する既製杭で、(a)は縦断面図、(b)は横断面図、(c)は底面図である。 この発明の実施に使用する掘削ヘッドで、(a)は非回転時の正面図、(b)は同じく側面図、(c)は回転時の正面図、(d)は同じく回転時の底面図、を表す。 (a)〜(d)は、この発明の構築方法を説明する概略した縦断面図である。 この発明の実施例で使用する他の掘削ヘッドの正面図である。 同じく掘削ヘッドで、(a)は掘削腕を垂らした状態の右側面図、(b)は同じく底面図である。 この発明の実施例で使用する他の掘削ヘッドで、(a)は正面図、(b)は側面図である。 同じく底面図である。
符号の説明
1 既製杭
2 既製杭
3 既製杭の中空部
4 既製杭のコンクリート部
5 既製杭の鋼管
6 鋼管の下端
7 円盤
10 連結既製杭
11 連結既製杭の下端
12 間隙
14 突板(シュー)
24 杭穴の軸部
25 杭穴の拡大根固め部
26 杭穴底
27 根固め層
28 杭周固定液層
29 地面
30 生コンクリート
31 杭基礎
33 掘削ロッド
34 ロッド本体
35 練付ドラム
36 撹拌バー
38 ヘッド本体
39 掘削腕
40 掘削ヘッド
41 ストッパー
42 ストッパー
43 ストッパー
44 ヘッド本体の膨大部
45 ヘッド本体の撹拌翼
47 ヘッド本体
48 スパイラル
49 掘削刃
50 拡大掘削刃
70 傾斜翼

Claims (7)

  1. 外径Dの外郭鋼管コンクリート製の既製杭を、杭穴内に埋設すると共に、前記既製杭の中空部にコンクリートを充填して構成し、
    前記コンクリートの充填は、少なくとも前記中空部の杭頭部側及び/又は先端部側に行ったことを特徴とする大径の既製コンクリート杭基礎。
  2. 外径Dの外郭鋼管コンクリート製の既製杭を、杭穴内に埋設すると共に、前記既製杭の中空部にコンクリート又はソイルセメントを充填して構成したことを特徴とする大径の既製コンクリート杭基礎。
  3. 外径D(D>1.3m)、杭長Lとした場合、
    L<5D
    となる単位基礎杭を、上下に連結して構成し、最下端に位置する既製杭は、下端を閉塞して、下方に向けてシューを突設した請求項1又は請求項2記載の大径の既製コンクリート杭基礎。
  4. 以下の工程で埋設することを特徴とした既製杭の埋設方法。
    (1) 掘削ロッドの先端の掘削ヘッドで、杭穴軸部を掘削しつつ、必要ならば杭穴軸部壁を均し、前記杭穴軸部の先端側で、支持地盤に対応して杭穴根固め部を形成する。
    (2) 前記杭穴根固め部に所定強度のソイルセメント層を形成する。
    (3) 前記杭穴内に、外径Dの外郭鋼管コンクリート製の既製杭を下降させる。
    (4) 前記既製杭の先端が前記根固め層内に位置するまで下降させて、前記既製杭を所定位置に埋設する。
  5. 以下の工程で埋設することを特徴とした既製杭の埋設方法。
    (1) 掘削ロッドの先端の掘削ヘッドで、杭穴軸部を掘削しつつ、必要ならば杭穴軸部壁を均し、前記杭穴軸部の先端側で、支持地盤に対応して杭穴根固め部を形成する。
    (2) 前記杭穴根固め部に所定強度のソイルセメント層を形成する。
    (3) 前記杭穴内に、外径Dの外郭鋼管コンクリート製の既製杭の底を塞ぎ、前記既製杭が浮力が生じないように中空部に錘用流動体を注入しながら、下降させる。
    (4) 前記既製杭の先端が前記根固め層内に位置するまで下降させて、前記既製杭を所定位置に埋設する。
    (5) 前記既製杭の中空部の底からコンクリートを充填し、前記錘用流動体を地上に排出する。
  6. 既製杭の外径Dを、D>1.3mとし、該既製杭を回転させながら下降させる請求項4又は5記載の既製杭の埋設方法。
  7. 既製杭は、外径D(D>1.3m)、杭長Lとした場合、
    L<5D
    となる単位基礎杭を、上下の鋼管を連結しながら継ぎ杭として埋設する請求項4又は5記載の既製杭の埋設方法。
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