JP2013122166A - セメントミルク類の固化強度判定方法、基礎杭の構築方法、セメントミルク柱体の構築方法、試料採取装置 - Google Patents

セメントミルク類の固化強度判定方法、基礎杭の構築方法、セメントミルク柱体の構築方法、試料採取装置 Download PDF

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Abstract

【課題】杭穴内の充填物の比重を測地することにより、杭穴の固化強度を極めて短時間で推定して良否を判定する方法を提供する。
【解決手段】構築現場の杭穴に一定のセメントミルクを注入し、まだ固まらない状態で試料を採取し、試料の比重と、試料の固化後の圧縮強度を測定して対応させ、比重と圧縮強度の関係を知りグラフ化する。このグラフに基づき、杭穴根固め部の必要圧縮強度を、比重に対応させる。続いて、杭穴を掘削して、根固め部内の掘削泥土をセメントミルクと置換する。置換されたセメントミルクを試料採取装置20で採取して、地上に引き上げ比重を測定する。測定した比重が、予め設定した比重以下の場合には、杭穴内にセメントミルクを追加充填して撹拌混合し、修正施工をする。
【選択図】図3

Description

本発明は、まだ固まる前の杭穴充填物試料として採取して、その現場に見合った適切な配合に調節して杭穴充填物を構成することを特徴としたセメントミルク類の固化強度判定方法、これを応用した基礎杭の構築方法、同様に基礎杭に代わりセメントミルク柱体に応用するセメントミルク柱体の構築方法、この構築方法に使用する充填物採取用の試料採取装置に関する。
支持地盤まで杭穴を掘削して、杭穴内に既製杭や鉄筋篭を設置して、基礎杭を構築する場合、支持地盤付近の杭穴充填物、いわゆる根固め液の固化強度が重要となっていた。この場合、当然、地上のプラントでは適切に配合したセメントミルクを所定量注入して、充分に撹拌混合し、あるいは泥水などと置換して、根固め液を構成していた。
この場合、地盤内深い所(場合によっては、50m以上)で行うものであり、種々の条件で、根固め液の品質が過剰になる場合や充分でない場合も生じ得る状態であった。
例えば、伏流水を考慮して配合したセメント系固化材や混和剤を使用する発明(特許文献1)、特殊な撹拌手段を持った掘削シャフトで根固め部内を撹拌する発明も提案されている(特許文献2)。
特開平6−73729号公報 特開2003−278157号公報 特開平7−1439号公報
前記特許文献1、2では、配合を決めて根固め部にセメントミルクを充填しているが、充填後の根固め部で、どのような配合になっているか、伏流水が予想以上に多い場合など、考慮されていなかった。これは、セメントミルクを充填後に固まる前の試料を採取しても固化させて、1週強度で4週強度を予想することはできても、根固め部内で、固まる前(セメントの固化反応が進行する前)に対策することができなかった。
また、余剰ソイルセメントから生じる再利用液を使用して新たなセメントミルクを提供するプラントの提案もあり、この中で再利用液の粘性、比重、固形分濃度を検出する提案も成されている(特許文献3)。しかし、特許文献3では、計測した再利用液のデータをどのように適用するかについては、具体化されていない。
また、このような課題は、支持地盤だけでなく、セメント系固化材を使用する地盤改良柱を形成する工法においても同様の問題点があった。すなわち、注入するセメント系固化材と実際に注入した状態で、地盤内でどのような配合となっているか検討されていなかった。
本発明は、未だ固まる前の杭穴充填物の比重を測定することにより、その杭穴充填物の固化強度を予想して、適正な強度となるように再充填等適切な処理をすることができる。
即ちこの発明は、掘削した杭穴又は縦穴内に、セメントミルク類を充填して、基礎杭又はソイルセメント柱を構築するに際して、以下のような要件を具備することを特徴とするセメントミルク類の固化強度判定方法である。
(1) 充填したセメントミルク類をまだ固まる前に、前記杭穴又は縦穴内から採取して、試料として地上にあげる。
(2) 地上で、前記「試料の比重」を測定し、その比重が、予め「設定した比重」と較べて高いか低いかを比較する。
(3) 前記「試料の比重」が、予め「設定した比重」より高い場合には「設計通り」と判定し、低い場合には、「固化強度が不足する可能性がある」と判定する。
また、前記において、以下のような要件を具備したことを特徴とするセメントミルク類の固化強度判定方法である。
(1)根固め部の深さ方向に、複数箇所で試料を採取して、
(2) 各試料について、比重を測定して、前記試料の採取位置毎に、判定をする。
また、前記において、以下のような要件を具備したことを特徴とするセメントミルク類の固化強度判定方法である。
(1)予め計測した施工現場のN値及び/又は地盤性状により、比重−圧縮強度の対応表を作成する。
(2) 前記対応表にしたがって、予め設定した圧縮強度から、予め「設定した比重」を設定する。
また、他の発明は、以下のような要件を具備して、掘削した杭穴内に、セメントミルク類を充填して、基礎杭を構築することを特徴とする基礎杭の構築方法である。
(1) 掘削した杭穴内にセメントミルク類を充填し、該杭穴内の未だ固まる前の杭穴充填物を試料として採取して、地上にあげる。
(2) 地上で、前記「試料の比重」を測定し、その比重が、予め「設定した比重」と較べて高いか低いかを比較する。
(3) 前記「試料の比重」が予め「設定した比重」より高い場合に、そのまま後工程を施工する。
また、他の発明は、以下のような要件を具備して、掘削した縦穴内に、セメントミルク類を充填して、セメントミルク柱体を構築することを特徴とするセメントミルク柱体の構築方法である。
(1) 掘削した縦穴内にセメントミルク類を充填し、該縦穴内の未だ固まる前の縦穴充填物を試料として採取して、地上にあげる。
(2) 地上で、前記「試料の比重」を測定し、その比重が、予め「設定した比重」と較べて高いか低いかを比較する。
(3)前記試料の比重が、予め「設定した比重」より高い場合に、そのまま後工程を施工する。
また、他の発明は、以下のような要件を具備したことを特徴とする杭穴内又は縦穴内の試料採取装置である。
(1) 側面に出入口を有する収容部の外側に蓋体を移動自在に取り付けて、かつ上下に接合用のフランジを形成して、単位採取具を構成する。
(2)前記単位採取具は、「密封状態」において前記出入口を塞ぐことできるように前記蓋体を構成し、「開放状態」において前記出入口と一致できる開口を前記蓋体に形成する。
(3) 前記単位採取具を、前記上下の接合用のフランジ同士を連結して、長さ方向で直列に、かつ前記単位採取具の収容部を取り外し可能に連結し、さらに前記各蓋体を前記収容部との相対位置を保った状態で連結する。
(4) 前記上下に位置する単位採取具の前記各蓋体は、地上からの連結ロッドで連結され、前記杭穴内又は縦穴内に位置した状態で、地上からの前記連結ロッドの昇降操作で、「密封状態」又は「開放状態」を取ることができる構造とする。
前記におけるセメントミルク類は、水とセメントとを主成分とした液体で、杭穴内の掘削泥土が混入したソイルセメントなども含む。
また、基礎杭は、掘削した杭穴内に既製杭を埋設する場合、既製杭を埋設しつつ杭穴を掘削する中掘工法、掘削した杭穴内に鉄筋篭を埋設する工法などのいずれの工法にも適用できる。
この発明は、杭穴や縦穴内のセメントミルク類を充填した基礎杭やセメントミルク柱体で、杭穴又は縦穴内の充填物を採取して、比重を測定するだけで、その杭穴で、短い時間で固化強度を推定できる。したがって、予め設定した固化強度に対して、測定した比重が適切で無い場合には、杭穴や縦穴内でのセメントの固化反応に影響を与えることなく、杭穴や縦穴内へのセメントミルクの再充填や撹拌など適切な修正施工という対応策をとって、予め設定した固化強度を具備する基礎杭やセメントミルク柱を構築できる。
また、その深さで試料を採取できる単位採取具の収容部を取り外し可能に直列に連結してなる試料採取具を使って、杭穴又は縦穴内の充填物を採取して比重を測定すれば、深さ毎に適切な修正施工ができ、基礎杭やセメントミルク柱の品質をより高めることができる。
この発明の試料採取装置で、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は縦断面図である。 試料採取装置の作動を表す縦断面図で、(a)は第1状態(封鎖)、(b)は第2状態(開放)を表す。 他の実施形態の試料採取装置の作動を表す縦断面図で、(a)は第1状態(封鎖)、(b)は第2状態(開放)、(c)は第3状態を表す。 比重−圧縮強度の実験グラフで、N値40の細砂の地盤の例を表す。 比重−圧縮強度の実験グラフで、N値50の細砂の地盤の例を表す。 比重−圧縮強度の実験グラフで、N値30のシルト質砂岩の地盤の例を表す。 比重−圧縮強度の実験グラフで、N値3〜5のシルトの地盤の例を表す。
(1) 一般的に、掘削して、セメントミルクを注入した状態で、根固め部に存在する物質としの比重は、
・セメント 3.1〜3.2
・土 1.5〜1.7
・砂 1.8〜2.0
・砂利 1.8〜2.0
・水 1.0
となる。したがって、根固め部内の掘削泥土をセメントミルクと置換した場合には、その他何らかの不純物の存在があっても、セメントより比重は小さいと考えられ、比重を規定する物質は、水と砂・砂利となり、N値のみ、地盤性状のみ、またはN値及び地盤性状 によって区分けした施工現場毎の「比重−圧縮強度」の対応データを用意すれば、比重に基づき、固化圧縮強度を推定できる。
(2) したがって、セメントミルクを注入した状態で、未だ固化反応が始まる前、または固化反応の初期段階で、試料を採取して、直ぐに修正施工できる。
(3) 施工現場における実験によれば、N値40で地盤性状:細砂の地盤では、図4のような「比重−圧縮強度」のグラフになる。この場合、比重Xの場合の圧縮強度Yの近似式は、
[y]=(222.46)×[X]−354.85
となる。
また、N値50で地盤性状:細砂の地盤では、図5のような「比重−圧縮強度」のグラフになり、この場合、比重Xの場合の圧縮強度Yの近似式は、
[y]=(167.47)×[X]−259.95
となる。
また、N値30で、地盤性状:シルト質砂岩の地盤では図6のような「比重−圧縮強度」のグラフになり、この場合、比重Xの場合の圧縮強度Yの近似式は、
[y]=(91.548)×[X]−152.76
となる。
また、N値3〜5で、地盤性状:シルトの地盤では、図7のような「比重−圧縮強度」のグラフになり、この場合、比重Xの場合の圧縮強度Yの近似式は、
[y]=(4.7028)×[X]−7.0828
となる。
(4) したがって、施工現場におけるN値と地盤性状毎のデータを予め用意すれば、その条件に合う杭穴充填物を採取して比重を測定すれば、その根固め部の固化圧縮強度を推定できる。また、採取した試料を固化させて圧縮強度を測定して、測定した比重データと合わせて、「比重−圧縮強度」データを補充することもできる。
(5) 比重を測定するために杭穴から試料を採取する試料採取装置20は例えば、以下のような構成とする。密封された筒体の上部側壁に出入口2を形成し、上下端にフランジ3、3を形成して、収容部1を形成する。開口7を形成した蓋体5を収容部1の外周に、上下移動可能に取り付けて、単位採取具10とする(図3)。単位採取具10の上端に、上端連結部12、下端に先細の先端金具14を取り付ける。単位採取具10の蓋体5に、地上まで伸びる連結ロッド17、17を着脱自在に連結して、試料採取装置20とする(図3)。試料採取装置20は常時は、第1位置にあり、蓋体5の側壁で収容部1の出入口2が塞がれている(図3(a))。
(6) この採取装置20を使った施工方法は以下のように行う。杭穴24を掘削して、杭穴の底24(根固め部)にセメントミルクを注入して撹拌混合して、ソイルセメントを形成する。続いて、引き上げた掘削ロッド22の先端に試料採取装置20を取り付けて、第1位置のまま、掘削ロッド22を下降させて試料採取装置20を杭穴24内に下降し、試料採取装置20を杭穴底25に設置する(図3(b))。したがって、第1位置の試料採取装置20は、出入口2が塞がれているので、ソイルセメントは収容部1内に入らない。
続いて、地上から連結ロッド17、17を引き上げ、蓋体5を上昇させて、開口7と収容部1の出入口2を一致させ、杭穴24内のソイルセメントが収容部1内に取り込む(図3(b)。第2状態)。続いて、連結ロッド17、17を押し上げて、蓋体5の下部側壁で出入口2を塞ぐ(第3位置)。この状態で、試料採取装置20を掘削ロッド22と共に地上に引きあげ、収容部1の出入口2からソイルセメントを取り出して比重を測定する。
この測定した比重を、前記図4〜図7を使って推定圧縮強度に変換して、予め設定された根固め部の圧縮強度と比較検討する。また、前記図4〜図7を使って、予め設定された根固め部の圧縮強度を比重値に変換して、この必要比重値と測定した比重値を比較する。
上記比較により測定比重値が低い値の場合には、適切な修正施工をして、後工程を施工する。
この発明の試料採取装置の実施例について説明する。
(1) 上下が塞がれた筒体の上部側壁に円形の出入口2を形成し、筒体の上端及び下端に接合用のフランジ3、3を形成して、収容部1を形成する。
収容部1の外周に薄肉の円筒からなる蓋体5を被せる。蓋体5には、出入口2と連通できる開口7を形成し、収容部1に対して上下動可能に取り付けられ、以下のような、第1位置、第2位置をとれるように形成する。
・第1位置:出入口2を蓋体5の内面で塞いだ状態で、収容部1内の収容物が漏れないように密封できる(密封状態)。
・第2位置:出入口2と開口7が一致して、収容部内に収容物を出し入れできる状態である(開放状態)。
以上のようにして、単位採取具10を構成する(図1)。
(2) 3つの単位採取具10、10を、フランジ3、3同士をボルト・ナットで連結して、長さ方向に直列に連結する。最上に位置する単位採取具10の上端に、掘削ロッド22と連結するための上端連結部12を取り付ける。また、最下に位置する単位採取具3の下端には、杭穴底に安定させるための先端金具14を取り付ける。先端金具14は、三角形の板を組み合わせてなり先端が尖った(細径)に形成される。
連結した単位採取具10、10で、上方に位置する単位採取具10の蓋体5の下端部と下方に位置する単位採取具10の蓋体5の上端部を連結ロッド16、16で着脱容易に連結する。また、最上に位置する単位採取具10の蓋体5の上端部に、地上まで伸びる連結ロッド17、17を着脱自在に連結する。連結ロッド16、17の昇降操作(上下動)により各単位採取具10、10の蓋体5、5が同時に昇降できるようになっている。
(3) 以上のようにして、試料採取装置20を構成する(図1)。この実施例では、単位採取具10の長さLを1mとしてあり、各出入口2、2の上下方向の間隔が1mで設定され、杭穴24内で、1m間隔で3箇所から試料を採取できるように形成されている(図1)。また、先端金具14が杭穴24の底25に至った状態で、出入口2が杭穴の底25から1mとなるように設定されている。
(4)他の実施例
前記実施例において、長さLの同一の単位採取具10を3つ連結したが、採取したい状況に応じて、連結数、長さLの設定を自由に設定でき、異なる長さLの単位採取具10を連結することもできる(図示していない)。
また、前記実施例において、第2位置から蓋体5を下降させて、第1位置に戻して、密封状態を確保したが、更に蓋体5を上昇させて第3位置で密封状態とすることもできる(図3(c)参照)。
また、前記実施例において、蓋体5は上下に移動して、第1位置及び第2位置を設定したが、回動して、第1位置及び第2位置をとるように構成することもできる(図示していない)。
また、前記実施例において、蓋体5は筒状として、収容部1の全周を塞ぐ形状としたが、少なくとも出入口を塞ぐ面積を有すれば、板状など形状は任意である(図示していない)。
また、前記実施例において、収容部1は円筒としたが、角柱など形状は任意であり、収容部1の形状に応じて、蓋体5の形状を設定する(図示していない)。
次ぎに、前記実施例の試料採取装置20を使って、この発明の基礎杭の構築方法を説明する。
(1) N値50、地盤性状=細砂、を支持地盤とする基礎杭の構築について説明する。ここで、設定した根固め部の充填物の固化強度を15N/mm と設定する。
(2) 予めN値50と地盤性状=細砂、の地盤で実験により、比重−圧縮強度の対応実験を行い、対応表からグラフして、N値50の細砂の地盤のグラフを作成しておく(図4)。このグラフから、比重Xの場合の圧縮強度Yの近似式は、
[y]=(167.47)×[X]−259.95
となる。したがって、必要な比重値は1.642となる。
(3) 従来の方法により、支持地盤に到達する根固め部を有する杭穴を掘削して、杭穴内にセメントミルクを充填して、根固め部内の掘削泥土と置換する。ここで、充填するセメントミルクは、地上で作成したプラントから生成した、根固め部に充填する。セメントミルクの配合は、例えば、水セメント比 60% として、設定される。
(4) 掘削泥土がセメントミルクに置換されたならば、試料採取装置20を掘削ロッド22の先端に固定して、速やかに杭穴24内に挿入する。この場合、通常掘削に使用している掘削ロッド22のヘッドを外して、試料採取装置20を取り付ければ良いので、現場対応が容易である。
試料採取装置20を第1位置に設定して、蓋体5の側壁の上部で出入口2を塞ぐ。試料採取装置20を杭穴24内に挿入して(図2(a))、根固め部の底(杭穴の底)25まで挿入する。根固め部の底25では、先端金具14が差し込まれ、試料採取装置20を安定して支持できる。また、この状態で連結ロッド17、17は地上まで伸びている(図示していない)。
(5) 続いて、連結ロッド17、17を地上から操作して、掘削ロッド22は位置を保った状態で(すなわち、収容部1、1も位置を保つ)、連結ロッド17を引き上げ、連結ロッド16、16、蓋体5、5を上昇させて、蓋体5の開口7と出入口2を一致させ、第2位置(開放状態)とする。この状態で、根固め部の底25から1m、2m、3mの各地点での根固め部内の充填液を収容部1内に採取する(図2(b))。
(6) 採取が完了したならば、再び連結ロッド17、17を操作して、押し下げ、再び第1位置に戻す。この状態で、速やかにかつ、根固め部(杭穴24)内の充填物を乱さないように、試料採取装置20を掘削ロッド22と共に地上に引きあげる。
なお、連結ロッド17、17を押し下げで第1位置に戻したが、第2位置からさらに連結ロッド17、17を引いて蓋体5の下部の側壁で出入口2を塞ぐこともできる(図3(c)参照)。
(7) 地上に引き上げた試料採取装置20を、そのまま第2状態として、各単位採取具10の収容部1、1から試料を取り出し、比重を計測する。また、各単位採取具10を一旦、フランジ3,3で分離して作業をすることもできる。
上記試料採取装置で採取した試料の比重が
・杭穴の底25から1mの試料:比重1.675
・杭穴の底25から2mの試料:比重1.664
・杭穴の底25から3mの試料:比重1.645
であった場合、底25から2mの地点で、予め設定した比重1.641より小さな値であり、この部分で、固化強度が不足する可能性がある。その一方で、底25から1m、3mの比重は充分に高いことから、撹拌を充分におこなえば、設計通りの根固め部を構築できると評価できる。
杭穴の深さにもよるが、深度15mであれば、セメントミルクを充填して、この評価を下すまで、通常は60分程度で完了でき、根固め部のセメントの固化反応の進行に支障が無い。
したがって、根固め部を充分撹拌しつつ、杭穴24内に既製杭を埋設して、基礎杭を構築する(図示していない)。
(8) また、同じ現場で、他の杭穴24では、上記試料採取装置20で採取した試料の比重が
・杭穴24の底25から2mの試料:比重1.671
・杭穴の底25から2mの試料:比重1.666
・杭穴の底25から3mの試料:比重1.632
であった場合、底25から3mの地点で、予め設定した比重1.641 より小さな値であり、この部分で、固化強度が不足する可能性がある。また、底25から1m、2mの比重の適度であった場合には、杭穴底25から3mの付近を補強する必要があると評価できる。
したがって、この場合には、杭穴24の底25から3mの付近にセメントミルクを再充填しつつ、充分に撹拌し既製杭を埋設して基礎杭を構築する(図示していない)。
1 収容部
2 出入口
3 フランジ
5 蓋体
7 開口
10 単位採取具
12 上端連結部
14 先端金具
16 連結ロッド(中間)
17 連結ロッド(上端)
20 試料採取装置
22 掘削ロッド
24 杭穴
25 杭穴底

Claims (6)

  1. 掘削した杭穴又は縦穴内に、セメントミルク類を充填して、基礎杭又はソイルセメント柱を構築するに際して、以下のような要件を具備することを特徴とするセメントミルク類の固化強度判定方法。
    (1) 充填したセメントミルク類をまだ固まる前に、前記杭穴又は縦穴内から採取して、試料として地上にあげる。
    (2) 地上で、前記「試料の比重」を測定し、その比重が、予め「設定した比重」と較べて高いか低いかを比較する。
    (3) 前記「試料の比重」が、予め「設定した比重」より高い場合には「設計通り」と判定し、低い場合には、「固化強度が不足する可能性がある」と判定する。
  2. 以下のような要件を具備したことを特徴とする請求項1記載のセメントミルク類の固化強度判定方法。
    (1)根固め部の深さ方向に、複数箇所で試料を採取して、
    (2) 各試料について、比重を測定して、前記試料の採取位置毎に、判定をする。
  3. 以下のような要件を具備したことを特徴とする請求項1記載のセメントミルク類の固化強度判定方法。
    (1)予め計測した施工現場のN値及び/又は地盤性状により、比重−圧縮強度の対応表を作成する。
    (2) 前記対応表にしたがって、予め設定した圧縮強度から、予め「設定した比重」を設定する。
  4. 以下のような要件を具備して、掘削した杭穴内に、セメントミルク類を充填して、基礎杭を構築することを特徴とする基礎杭の構築方法。
    (1) 掘削した杭穴内にセメントミルク類を充填し、該杭穴内の未だ固まる前の杭穴充填物を試料として採取して、地上にあげる。
    (2) 地上で、前記「試料の比重」を測定し、その比重が、予め「設定した比重」と較べて高いか低いかを比較する。
    (3) 前記「試料の比重」が予め「設定した比重」より高い場合に、そのまま後工程を施工する。
  5. 以下のような要件を具備して、掘削した縦穴内に、セメントミルク類を充填して、セメントミルク柱体を構築することを特徴とするセメントミルク柱体の構築方法。
    (1) 掘削した縦穴内にセメントミルク類を充填し、該縦穴内の未だ固まる前の縦穴充填物を試料として採取して、地上にあげる。
    (2) 地上で、前記「試料の比重」を測定し、その比重が、予め「設定した比重」と較べて高いか低いかを比較する。
    (3)前記試料の比重が、予め「設定した比重」より高い場合に、そのまま後工程を施工する。
  6. 以下のような要件を具備したことを特徴とする杭穴内又は縦穴内の試料採取装置。
    (1) 側面に出入口を有する収容部の外側に蓋体を移動自在に取り付けて、かつ上下に接合用のフランジを形成して、単位採取具を構成する。
    (2)前記単位採取具は、「密封状態」において前記出入口を塞ぐことできるように前記蓋体を構成し、「開放状態」において前記出入口と一致できる開口を前記蓋体に形成する。
    (3) 前記単位採取具を、前記上下の接合用のフランジ同士を連結して、長さ方向で直列に、かつ前記単位採取具の収容部を取り外し可能に連結し、さらに前記各蓋体を前記収容部との相対位置を保った状態で連結する。
    (4) 前記上下に位置する単位採取具の前記各蓋体は、地上からの連結ロッドで連結され、前記杭穴内又は縦穴内に位置した状態で、地上からの前記連結ロッドの昇降操作で、「密封状態」又は「開放状態」を取ることができる構造とする。
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