JP2004307989A - イオンビームスパッタ用ターゲットおよびこれを具備するイオンビームスパッタ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】分割ターゲット材とバッキングプレートの間に生ずる熱膨張係数の差に起因する応力を減少し、分割ターゲットの割れ、接合の剥離が緩和され、イオンビームの衝突により叩き出される不純物の量の極く少ないイオンビームスパッタ用ターゲットおよびこれを具備するイオンビームスパッタ装置を提供する。
【解決手段】複数個の分割ターゲット材1構成し、分割ターゲット材の幅より小さい幅のバッキングプレート2を分割ターゲット材に個々に裏打ちとしてはみ出さずに張り合わせた分割ターゲット材1の複数個を一体化バッキングプレート3に水平方向に配列固定したイオンビームスパッタ用ターゲット10を、水冷装置ジャケットより成るターゲットホルダ4に結合固定したイオンビームスパッタ用ターゲットおよびこれを具備するイオンビームスパッタ装置。
【選択図】 図3
【解決手段】複数個の分割ターゲット材1構成し、分割ターゲット材の幅より小さい幅のバッキングプレート2を分割ターゲット材に個々に裏打ちとしてはみ出さずに張り合わせた分割ターゲット材1の複数個を一体化バッキングプレート3に水平方向に配列固定したイオンビームスパッタ用ターゲット10を、水冷装置ジャケットより成るターゲットホルダ4に結合固定したイオンビームスパッタ用ターゲットおよびこれを具備するイオンビームスパッタ装置。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、イオンビームスパッタ用ターゲットおよびこれを具備するイオンビームスパッタ装置に関し、特に、分割ターゲットとバッキングプレートの間に発生する熱膨張に起因する応力は減少し、分割ターゲットの割れ、張り合わせ材による接合の剥離の問題が緩和され、イオンビームの衝突により叩き出される不純物の量の極く少ないイオンビームスパッタ用ターゲットおよびこれを具備するイオンビームスパッタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ターゲット材を構成するターゲット原材料として、弗化物焼結体或いは酸化物焼結体の如き焼結体を使用する場合、これを大形の板状に成形することは一般に困難である。これに対応するに、弗化物或いは酸化物を粉末にしてこれを加圧成型焼結することにより板状の焼結体を製造することができるが、この板状の焼結体の複数個を平面状に一体化して大形のイオンビームスパッタ用ターゲットを製造することが行われている(特許文献1 参照)。
【0003】
ここで、図8を参照するに、ターゲット材を構成するターゲット原材料である板状の焼結体に対して斜め加工、面取り加工その他の切削、研削加工を施してこれを分割ターゲット材1として使用する。この分割ターゲット材1を銅より成る大形のバッキングプレート2の表面に複数個平面状に張り合わせて一体化し、イオンビームスパッタ用ターゲットを構成する。張り合わせには銀、インジウム、半田その他の蝋材より成る張り合わせ材を使用する。バッキングプレート2の上面に張り合わせ材を適用した状態で加熱し、分割ターゲット材1をバッキングプレート2の表面に載置し、冷却して分割ターゲット材1とバッキングプレート2の間を接合して大形のイオンビームスパッタ用ターゲットが出来上がる。
【0004】
【特許文献1】
特開平09−003637号 公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、イオンビームスパッタ用ターゲットの面積が50cm×50cm程度の大形のものともなると、分割ターゲット材1と大形のバッキングプレート2との間の熱膨張係数の差に起因して両者間に発生する応力により、分割ターゲット材1自体に割れが生じ、或いは張り合わせ材による接合の一部が剥離して分割ターゲット材1に浮きが発生するという問題を生ずる。そして、浮きの発生により隣接する分割ターゲット材1同士の間に形成される隙間からイオンビームが進入してバッキングプレート1および張り合わせ材に衝突し、バッキングプレートおよび張り合わせ材からこれらの材料を叩き出して成膜に不純物として混入する問題も発生する。
【0006】
この発明は、分割ターゲット材とバッキングプレートの間に生ずる熱膨張係数の差に起因する応力を減少し、分割ターゲットの割れ、接合の剥離の問題が緩和され、イオンビームの衝突により叩き出される不純物の量の極く少ないイオンビームスパッタ用ターゲットおよびこれを具備するイオンビームスパッタ装置を提供するものである。
ところで、以上のイオンビームスパッタ装置による成膜プロセスにおいては、イオンビームを絞ってターゲットに照射するので、成膜回数と共にターゲットの消耗は中心部で特に顕著に生じて周辺部においては殆ど生じない。長時間使用後のターゲットの消耗の度合いを示すと、図9に示される如くである。図9において、横軸はターゲットの周辺を原点に取り、ここからターゲットの中心を通り対向するターゲットの周辺に到る位置を示し、縦軸はターゲット厚さを示す。
【0007】
この様な事情から、一体型ターゲットを使用した場合、中心部が特に顕著に消耗した周辺部は殆ど消耗していないターゲットを交換することになり、これは高価なターゲットの有効利用の観点から不経済である。
この発明は、消耗が最も顕著に発生する中心部を基準にして、同じ大きさのターゲットを周辺部に複数枚配置する。ターゲットの中心部が消耗した場合、中心に配置したターゲットのみを交換し、周辺部のターゲットは再利用する。この場合、周辺部のターゲットをそのままの位置で再利用すると、交換した新規のターゲットと消耗した周辺部のターゲットの間に段差が生ずるところから、周辺部のターゲットはその中心側と外側を入れ替え配置し直して使用する。この発明は、これにより、中心に配置したターゲットの交換を、消耗した周辺部のターゲットとの間に段差を生ずることなしに実行し、ターゲットを有効再利用するイオンビームスパッタ装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1:複数個の分割ターゲット材1を構成し、分割ターゲット材1の幅より小さい幅のバッキングプレート2を分割ターゲットに個々に裏打ちとしてはみ出さずに張り合わせた分割ターゲット材1の複数個を一体化バッキングプレート3に水平方向に配列固定したイオンビームスパッタ用ターゲットを構成した。
そして、請求項2:請求項1に記載されるイオンビームスパッタ用ターゲットにおいて、分割ターゲット材1を構成するターゲット原材料を弗化物焼結体或いは酸化物焼結体としたイオンビームスパッタ用ターゲットを構成した。
【0009】
また、請求項3:複数個の分割ターゲット材1構成し、分割ターゲット材の幅より小さい幅のバッキングプレート2を分割ターゲット材に個々に裏打ちとしてはみ出さずに張り合わせた分割ターゲット材1の複数個を一体化バッキングプレート3に水平方向に配列固定したイオンビームスパッタ用ターゲット10を、水冷装置ジャケットより成るターゲットホルダ4に結合固定したイオンビームスパッタ装置を構成した。
更に、請求項4:請求項3に記載されるイオンビームスパッタ装置において、分割ターゲット材を構成するターゲット原材料を弗化物焼結体或いは酸化物焼結体としたイオンビームスパッタ装置を構成した。
【0010】
ここで、請求項5:請求項1および請求項2に記載されるイオンビームスパッタ用ターゲットにおいて、中心部分割ターゲット材を新規の分割ターゲット材とすると共に、周辺部分割ターゲット材を、中心部分割ターゲット材を中心として相対向する周辺部分割ターゲット材の外側を中心側にして相互に入れ替えた周辺部分割ターゲット材としたイオンビームスパッタ用ターゲットを構成した。
そして、請求項6:請求項3および請求項4に記載されるイオンビームスパッタ装置において、中心部分割ターゲット材を新規の分割ターゲット材とすると共に、周辺部分割ターゲット材を、中心部分割ターゲット材を中心として相対向する周辺部分割ターゲット材の外側を中心側にして相互に入れ替えた周辺部分割ターゲット材としたイオンビームスパッタ装置を構成した。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図の実施例を参照して説明する。
図1を参照するに、これは分割ターゲット材とこれを裏打ちするバッキングプレートを説明する図である。
図1において、1は分割ターゲット材であり、2は分割ターゲット材1を裏打ちするバッキングプレートである。バッキングプレート2は分割ターゲット1の幅より小さい幅に形成され、分割ターゲット1に個々に裏打ちされる。分割ターゲット材1を構成するターゲット原材料の一例として、弗化物焼結体であるMgF2 を使用する。大形のMgF2 を板状に成形することは一般に困難である。これに対応して、MgF2粉末を加圧成型焼結することにより板状のMgF2焼結体を製造することができる。分割ターゲット材1の原材料である板状のMgF2焼結体には、図2に示される如く、予め、面を相互に直交せしめる加工を施し、更に面取り加工を施して、後のイオンビームスパッタ用ターゲットの組み立て製造時の割れ、欠けを防止することができる形状の分割ターゲット材1としておく。分割ターゲット材1をバッキングプレート2により裏打ち接合する張り合わせには銀、インジウム、半田その他の蝋材より成る張り合わせ材を使用する。バッキングプレート2の上面に張り合わせ材を適用した状態で加熱し、張り合わせ材を溶融したところで、分割ターゲット材1をバッキングプレート2の表面に載置し、冷却して両者間を接合する。バッキングプレート2の幅は、分割ターゲット材1の幅より僅かに小さい幅に設計され、接合に際してバッキングプレート2が分割ターゲット材1からはみ出すことく分割ターゲットに接合せしめられる。分割ターゲット材1は、後で分割ターゲット材1の周端面同士を密接触係合した状態で複数個が一体化されるが、バッキングプレート2の周端面は分割ターゲット材1の密接触係合する周端面から1mm程度水平方向に引っ込めて接合される。
【0012】
図3を参照するに、板状のMgF2 焼結体を原材料とする分割ターゲット材1はバッキングプレート2に張り合わせ接合されるが、これに先だって、バッキングプレート2の接合面とは反対側の面にネジ孔21を複数箇所に形成しておく。バッキングプレート2により裏打ちされた分割ターゲット材1は一体化バッキングプレート3に水平方向に配列して複数個一体化され、イオンビームスパッタ用ターゲット10が構成される。一体化バッキングプレート3にはバッキングプレート2のネジ孔21に対応する貫通孔31が穿設されている。32は取り付けネジである。分割ターゲット材1、バッキングプレート2、ネジ孔21、一体化バッキングプレート3、貫通孔31の間の相互位置関係は、取り付けネジ32を貫通孔31に挿通してネジ孔21に螺合した場合、隣接する分割ターゲット材1の周端面同士が密接触係合した状態で、バッキングプレート2が一体化バッキングプレート3に一体結合する位置関係にある。
【0013】
4は水冷装置ジャケットより成るターゲットホルダであり、バッキングプレート2に裏打ちされた分割ターゲット材1の複数個を一体化バッキングプレート3により結合一体化したイオンビームスパッタ用ターゲット10のホルダを構成している。そして、先の一体化バッキングプレート3にはホルダネジ孔33も形成されている。また、ターゲットホルダ4には、一体化バッキングプレート3のホルダネジ孔33に対応してジャケット貫通孔41が穿設されている。ここで、ターゲット固定ネジ42をジャケット貫通孔41に挿通し、これをホルダネジ孔33に螺合することにより、一体化したイオンビームスパッタ用ターゲット10がターゲットホルダ4に固定保持されることになる。イオンビームスパッタ用ターゲット10は、一体化バッキングプレート3を介して水冷装置ジャケットより成るターゲットホルダ4に固定保持されており、分割ターゲット材1は水冷装置ジャケットを流通せしめられる冷却水により一体化バッキングプレート3を介して適正な温度に保持される。一体化バッキングプレート3は水冷装置ジャケットより成るターゲットホルダ4に直接固定保持されていることにより、バッキングプレート2を介在して最上面に位置する分割ターゲット材1と比較して、低温に保持されている。
【0014】
図4はこの発明のイオンビームスパッタ用ターゲットを具備するイオンビームスパッタ装置を概念的に説明する図である。
イオンビームスパッタ用ターゲット10は水冷装置ジャケットより成るターゲットホルダ4を介して真空チャンバーに取り付け収容され、イオンガン6および基板7も同様に真空チャンバーに取り付け収容されている。イオンガン6は、そのイオン放射端部に高電圧が印加されるイオン引き出しグリッドが設置されている。基板7の下面には薄膜が成膜されるべき成膜部品が取り付けられる。
【0015】
基板7は回転駆動軸を介して外部から回転駆動される。ポンプにより排気し、イオンガン6からイオンビームを発生させる。
イオンガン6から発生せしめられたイオンは、加速されてイオンビーム61として引き出し放射される。このビーム61はターゲット10に衝突し、ターゲット10を構成する物質をスパッタリングする。ターゲット10からスパッタリングされたターゲット構成物質の成膜粒子62は基板7に保持される成膜部品の表面に付着し、ここにターゲット構成物質の薄膜が成膜される。
【0016】
図5を参照して第2の実施例を説明する。第2の実施例は或る一定の厚さを有する正方形の板より成る正方形分割ターゲット材を使用して構成される。正方形分割ターゲット材としては、全て同一の形状寸法の正方形分割ターゲット材を使用する。図5(a)はイオンビームスパッタを実施後で交換前の分割ターゲット材を説明する図である。図5(a)(イ)は交換前の分割ターゲット材を上から視たところを示す図であり、図5(a)(ロ)はターゲットの中心を通る左右方向の直線に沿った厚さ方向の断面の厚さを示す図である。図5(a)において、円内はイオンビームスパッタにより損耗する領域を示している。ここで、11は中心部分割ターゲット材を示す。18は左側分割ターゲット材、19は右側分割ターゲット材、16は上側分割ターゲット材、17は下側分割ターゲット材、12は左上側分割ターゲット材、13は右下側分割ターゲット材、15は左下側分割ターゲット材、14は右上側分割ターゲット材を示す。
【0017】
イオンビームを絞ってターゲットに照射することにより、成膜回数と共にターゲットの消耗は中心部で特に顕著に生じて、中心部分割ターゲット材11の消耗は、図5(a)の(ロ)に示される如く周辺部の左側分割ターゲット材18および右側分割ターゲット材19と比較して遙かに大きい。左側分割ターゲット材18および右側分割ターゲット材19の外側領域は殆ど消耗せず、厚さの減少は極く小さい。ところで、左側分割ターゲット材18および右側分割ターゲット材19の消耗は小さいとは言え、これらの中心部分割ターゲット材11に隣接する中心側の一部領域は中心部分割ターゲット材11の周縁部領域に近似して消耗し、厚さを減少している。ターゲットの中心を通る上下方向、傾斜方向の直線に沿った厚さ方向の断面についても、同様の消耗の仕方をしている。
【0018】
図5(b)はイオンビームスパッタを実施後で中心部分割ターゲット材のみを新規の中心部分割ターゲット材に交換したところを説明する図である。図5(b)(イ)は交換後の分割ターゲット材を上から視たところを示す図であり、図5(b)(ロ)はターゲットの中心を通る左右方向の直線に沿った厚さ方向の断面の厚さを示す図である。
図5(b)(ロ)を参照するに、中心部分割ターゲット材11’は交換した新規の分割ターゲット材であるので、消耗のない本来の厚さを有している。ところが、左側分割ターゲット材18および右側分割ターゲット材19は消耗は小さいとは言え、中心部分割ターゲット材11’に隣接する中心側の一部領域は、上述した通り消耗して厚さを減少している。従って、中心部分割ターゲット材11’と左側分割ターゲット材18の中心側の境界、中心部分割ターゲット材11’と右側分割ターゲット材19の中心側の境界において、段差が生じている。ターゲットの中心を通る上下方向、傾斜方向の直線に沿った厚さ方向の断面についても同様の段差が生じている。
【0019】
図5(c)はイオンビームスパッタを実施後で中心部分割ターゲット材を新規の中心部分割ターゲット材に交換すると共に、周辺部の分割ターゲット材を入れ替えたところを説明する図である。図5(c)(イ)は交換入れ替え後の分割ターゲット材を上から視たところを示す図であり、図5(c)(ロ)はターゲットの中心を通る左右方向の直線に沿った厚さ方向の断面の厚さを示す図である。
図5(a)(イ)と図5(c)(イ)とを参照して周辺部の分割ターゲット材の入れ替えを説明する。
【0020】
図5(a)(イ)を参照するに、左側分割ターゲット材18は右側である中心側が消耗して厚さを減少して左側である外側の厚さは殆ど減少していない。これに対して、右側分割ターゲット材19は左側である中心側が消耗して厚さを減少して右側である外側の厚さは殆ど減少していない。従って、左側分割ターゲット材18の厚さが減少していない左側と、右側分割ターゲット材19の厚さが減少していない右側を使用する。図5(c)(イ)を参照するに、これには、左側分割ターゲット材18と右側分割ターゲット材19とを、左側分割ターゲット材18の左側と右側分割ターゲット材19の右側とを中心側にして、相互に入れ替える。
【0021】
図5(a)(イ)を参照するに、上側分割ターゲット材16は下側である中心側が消耗して厚さを減少して上側である外側の厚さは殆ど減少していない。これに対して、下側分割ターゲット材17は上側である中心側が消耗して厚さを減少して下側である外側の厚さは殆ど減少していない。従って、上側分割ターゲット材16の厚さが減少していない上側と、下側分割ターゲット材17の厚さが減少していない下側を使用する。図5(c)(イ)を参照するに、これには、上側分割ターゲット材16と下側分割ターゲット材17とを、上側分割ターゲット材16の上側と下側分割ターゲット材17の下側とを中心側にして、相互に入れ替える。
【0022】
図5(a)(イ)を参照するに、左上側分割ターゲット材12はその右下隅部である中心側が消耗して厚さを減少して左上隅部である外側の厚さは殆ど減少していない。これに対して、右下側分割ターゲット材13は左上隅部である中心側が消耗して厚さを減少して右下隅部である外側の厚さは殆ど減少していない。従って、左上側分割ターゲット材12の厚さが減少していない左上隅部と、右下側分割ターゲット材13の厚さが減少していない右下隅部を使用する。図5(c)(イ)を参照するに、これには、左上側分割ターゲット材12と右下側分割ターゲット材13とを、左上側分割ターゲット材12の左上隅部と右下側分割ターゲット材13の右下隅部とを中心側にして、相互に入れ替える。
【0023】
図5(a)(イ)を参照するに、右上側分割ターゲット材14はその左下隅部である中心側が消耗して厚さを減少して右上隅部である外側の厚さは殆ど減少していない。これに対して、左下側分割ターゲット材15は右上隅部である中心側が消耗して厚さを減少して左下隅部である外側の厚さは殆ど減少していない。従って、右上側分割ターゲット材14の厚さが減少していない右上隅部と、左下側分割ターゲット材15の厚さが減少していない左下隅部を使用する。図5(c)(イ)を参照するに、これには、右上側分割ターゲット材14と左下側分割ターゲット材15とを、右上側分割ターゲット材14の右上隅部と左下側分割ターゲット材15の左下隅部とを中心側にして、相互に入れ替える。
【0024】
上述した入れ替えを総合して、中心部分割ターゲット材11と、左右側分割ターゲット材18、19、上下側分割ターゲット材16、17、左上、右下、右上左下側分割ターゲット材12、13、14、15の8枚の分割ターゲット材との間に生ずる段差を解消してこれら8枚の分割ターゲット材を再利用することができる。
図6を参照して第3の実施例を説明する。第3の実施例は或る一定の厚さを有する正方形の板より成る3枚の正方形分割ターゲット材11、16、17を上下方向に配置し、上下方向に配置した3枚の正方形分割ターゲット材11、16、17の左右両側に2枚の半円板状分割ターゲット材18’、19’を配置して構成される。図6において、円内はイオンビームスパッタにより損耗する領域を示している。
【0025】
第3の実施例においては、11を中心部分割ターゲット材とし、分割ターゲット材の交換時は、中心部分割ターゲット材11と、左右両側の2枚の半円板状分割ターゲット材18’、19’を交換する。そして、中心部分割ターゲット材11の上下両側分割ターゲット材16、17を、これらの外側を中心側にして、相互に入れ替える。この入れ替えにより、中心部分割ターゲット材11と上下両側分割ターゲット材16、17との間に生ずる段差を解消して2枚の分割ターゲット材16、17を再利用することができる。
【0026】
図7を参照して第4の実施例を説明する。図7において、円内はイオンビームスパッタにより損耗する領域を示している。第4の実施例は或る一定の厚さを有する正方形の板より成る5枚の正方形分割ターゲット材11、18、19、16および17を正方形分割ターゲット材11を中心部分割ターゲット材として、左右上下方向に配置し、中心部分割ターゲット材11の左上、右下、右上、左下側に三角形状の左上側分割ターゲット材12、右下側分割ターゲット材13、右上側分割ターゲット材14、左下側分割ターゲット材15を配置して構成される。
【0027】
第4の実施例においては、11を中心部分割ターゲット材とし、分割ターゲット材の交換時は、中心部分割ターゲット材11と、三角形状の左上側分割ターゲット材12、右下側分割ターゲット材13、右上側分割ターゲット材14、左下側分割ターゲット材15を交換する。そして、中心部の分割ターゲット材11の左右両側分割ターゲット材18、19をこれらの外側を中心側にして、相互に入れ替えると共に、上下両側分割ターゲット材16、17をこれらの外側を中心側にして相互に入れ替える。これらの入れ替えにより、中心部分割ターゲット材11と、左右両側分割ターゲット材18、19および上下両側分割ターゲット材16、17との間に生ずる段差を解消してこれら4枚の分割ターゲット材を再利用することができる。
【0028】
【発明の効果】
上述した通りであって、この発明は、ターゲットは複数個の分割ターゲットに分割構成すると共に、分割ターゲットの幅より小さい幅のバッキングプレートを分割ターゲットに個々に裏打ちとしてはみ出さずに取付けたことにより、バッキングプレートとターゲット材を融着固定する際に発生する熱膨張に起因する応力は減少し、分割ターゲットの割れ、張り合わせ材による接合の剥離の問題は緩和される。
【0029】
そして、分割したバッキングプレートをターゲットと比較して小さく構成したことにより、分割ターゲット間に隙間が発生しない。従って、バッキングプレートおよび張り合わせ材がスパッタリングされることがないので、成膜への不純物の混入を防止することができる。
更に、中心部分割ターゲット材を新規の分割ターゲット材とすると共に、周辺部分割ターゲット材を、中心部分割ターゲット材を中心として相対向する周辺部分割ターゲット材の外側を中心側にして相互に入れ替えた周辺部分割ターゲット材としたことにより、中心部分割ターゲット材と周辺部分割ターゲット材との間に生ずる段差を解消して周辺部分割ターゲット材を再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】分割ターゲット材とこれを裏打ちするバッキングプレートを説明する図。
【図2】分割ターゲット材の形状を示す図。
【図3】イオンビームスパッタ用ターゲットの組み立てを説明する図。
【図4】イオンビームスパッタ装置の実施例を概念的に説明する図。
【図5】第2の実施例を説明する図。
【図6】第3の実施例を説明する図。
【図7】第4の実施例を説明する図。
【図8】従来例を説明する図。
【図9】ターゲットの消耗の度合いを示す図。
【符号の説明】
1 分割ターゲット材 10 イオンビームスパッタ用ターゲット
11 中心部分割ターゲット材 11’新規中心部分割ターゲット材
12 左上側分割ターゲット材 13 右下側分割ターゲット材
14 右上側分割ターゲット材 15 左下側分割ターゲット材
16 上側分割ターゲット材 17 下側分割ターゲット材
18 左側分割ターゲット材 18’半円板状分割ターゲット材
19 右側分割ターゲット材 19’半円板状分割ターゲット材
2 バッキングプレート 21 ネジ孔
3 一体化バッキングプレート 31 貫通孔
32 取り付けネジ 33 ホルダネジ孔
4 ターゲットホルダ 41 ジャケット貫通孔
42 ターゲット固定ネジ 6 イオンガン
61 イオンビーム 62 成膜粒子
7 基板
【産業上の利用分野】
この発明は、イオンビームスパッタ用ターゲットおよびこれを具備するイオンビームスパッタ装置に関し、特に、分割ターゲットとバッキングプレートの間に発生する熱膨張に起因する応力は減少し、分割ターゲットの割れ、張り合わせ材による接合の剥離の問題が緩和され、イオンビームの衝突により叩き出される不純物の量の極く少ないイオンビームスパッタ用ターゲットおよびこれを具備するイオンビームスパッタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ターゲット材を構成するターゲット原材料として、弗化物焼結体或いは酸化物焼結体の如き焼結体を使用する場合、これを大形の板状に成形することは一般に困難である。これに対応するに、弗化物或いは酸化物を粉末にしてこれを加圧成型焼結することにより板状の焼結体を製造することができるが、この板状の焼結体の複数個を平面状に一体化して大形のイオンビームスパッタ用ターゲットを製造することが行われている(特許文献1 参照)。
【0003】
ここで、図8を参照するに、ターゲット材を構成するターゲット原材料である板状の焼結体に対して斜め加工、面取り加工その他の切削、研削加工を施してこれを分割ターゲット材1として使用する。この分割ターゲット材1を銅より成る大形のバッキングプレート2の表面に複数個平面状に張り合わせて一体化し、イオンビームスパッタ用ターゲットを構成する。張り合わせには銀、インジウム、半田その他の蝋材より成る張り合わせ材を使用する。バッキングプレート2の上面に張り合わせ材を適用した状態で加熱し、分割ターゲット材1をバッキングプレート2の表面に載置し、冷却して分割ターゲット材1とバッキングプレート2の間を接合して大形のイオンビームスパッタ用ターゲットが出来上がる。
【0004】
【特許文献1】
特開平09−003637号 公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、イオンビームスパッタ用ターゲットの面積が50cm×50cm程度の大形のものともなると、分割ターゲット材1と大形のバッキングプレート2との間の熱膨張係数の差に起因して両者間に発生する応力により、分割ターゲット材1自体に割れが生じ、或いは張り合わせ材による接合の一部が剥離して分割ターゲット材1に浮きが発生するという問題を生ずる。そして、浮きの発生により隣接する分割ターゲット材1同士の間に形成される隙間からイオンビームが進入してバッキングプレート1および張り合わせ材に衝突し、バッキングプレートおよび張り合わせ材からこれらの材料を叩き出して成膜に不純物として混入する問題も発生する。
【0006】
この発明は、分割ターゲット材とバッキングプレートの間に生ずる熱膨張係数の差に起因する応力を減少し、分割ターゲットの割れ、接合の剥離の問題が緩和され、イオンビームの衝突により叩き出される不純物の量の極く少ないイオンビームスパッタ用ターゲットおよびこれを具備するイオンビームスパッタ装置を提供するものである。
ところで、以上のイオンビームスパッタ装置による成膜プロセスにおいては、イオンビームを絞ってターゲットに照射するので、成膜回数と共にターゲットの消耗は中心部で特に顕著に生じて周辺部においては殆ど生じない。長時間使用後のターゲットの消耗の度合いを示すと、図9に示される如くである。図9において、横軸はターゲットの周辺を原点に取り、ここからターゲットの中心を通り対向するターゲットの周辺に到る位置を示し、縦軸はターゲット厚さを示す。
【0007】
この様な事情から、一体型ターゲットを使用した場合、中心部が特に顕著に消耗した周辺部は殆ど消耗していないターゲットを交換することになり、これは高価なターゲットの有効利用の観点から不経済である。
この発明は、消耗が最も顕著に発生する中心部を基準にして、同じ大きさのターゲットを周辺部に複数枚配置する。ターゲットの中心部が消耗した場合、中心に配置したターゲットのみを交換し、周辺部のターゲットは再利用する。この場合、周辺部のターゲットをそのままの位置で再利用すると、交換した新規のターゲットと消耗した周辺部のターゲットの間に段差が生ずるところから、周辺部のターゲットはその中心側と外側を入れ替え配置し直して使用する。この発明は、これにより、中心に配置したターゲットの交換を、消耗した周辺部のターゲットとの間に段差を生ずることなしに実行し、ターゲットを有効再利用するイオンビームスパッタ装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1:複数個の分割ターゲット材1を構成し、分割ターゲット材1の幅より小さい幅のバッキングプレート2を分割ターゲットに個々に裏打ちとしてはみ出さずに張り合わせた分割ターゲット材1の複数個を一体化バッキングプレート3に水平方向に配列固定したイオンビームスパッタ用ターゲットを構成した。
そして、請求項2:請求項1に記載されるイオンビームスパッタ用ターゲットにおいて、分割ターゲット材1を構成するターゲット原材料を弗化物焼結体或いは酸化物焼結体としたイオンビームスパッタ用ターゲットを構成した。
【0009】
また、請求項3:複数個の分割ターゲット材1構成し、分割ターゲット材の幅より小さい幅のバッキングプレート2を分割ターゲット材に個々に裏打ちとしてはみ出さずに張り合わせた分割ターゲット材1の複数個を一体化バッキングプレート3に水平方向に配列固定したイオンビームスパッタ用ターゲット10を、水冷装置ジャケットより成るターゲットホルダ4に結合固定したイオンビームスパッタ装置を構成した。
更に、請求項4:請求項3に記載されるイオンビームスパッタ装置において、分割ターゲット材を構成するターゲット原材料を弗化物焼結体或いは酸化物焼結体としたイオンビームスパッタ装置を構成した。
【0010】
ここで、請求項5:請求項1および請求項2に記載されるイオンビームスパッタ用ターゲットにおいて、中心部分割ターゲット材を新規の分割ターゲット材とすると共に、周辺部分割ターゲット材を、中心部分割ターゲット材を中心として相対向する周辺部分割ターゲット材の外側を中心側にして相互に入れ替えた周辺部分割ターゲット材としたイオンビームスパッタ用ターゲットを構成した。
そして、請求項6:請求項3および請求項4に記載されるイオンビームスパッタ装置において、中心部分割ターゲット材を新規の分割ターゲット材とすると共に、周辺部分割ターゲット材を、中心部分割ターゲット材を中心として相対向する周辺部分割ターゲット材の外側を中心側にして相互に入れ替えた周辺部分割ターゲット材としたイオンビームスパッタ装置を構成した。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図の実施例を参照して説明する。
図1を参照するに、これは分割ターゲット材とこれを裏打ちするバッキングプレートを説明する図である。
図1において、1は分割ターゲット材であり、2は分割ターゲット材1を裏打ちするバッキングプレートである。バッキングプレート2は分割ターゲット1の幅より小さい幅に形成され、分割ターゲット1に個々に裏打ちされる。分割ターゲット材1を構成するターゲット原材料の一例として、弗化物焼結体であるMgF2 を使用する。大形のMgF2 を板状に成形することは一般に困難である。これに対応して、MgF2粉末を加圧成型焼結することにより板状のMgF2焼結体を製造することができる。分割ターゲット材1の原材料である板状のMgF2焼結体には、図2に示される如く、予め、面を相互に直交せしめる加工を施し、更に面取り加工を施して、後のイオンビームスパッタ用ターゲットの組み立て製造時の割れ、欠けを防止することができる形状の分割ターゲット材1としておく。分割ターゲット材1をバッキングプレート2により裏打ち接合する張り合わせには銀、インジウム、半田その他の蝋材より成る張り合わせ材を使用する。バッキングプレート2の上面に張り合わせ材を適用した状態で加熱し、張り合わせ材を溶融したところで、分割ターゲット材1をバッキングプレート2の表面に載置し、冷却して両者間を接合する。バッキングプレート2の幅は、分割ターゲット材1の幅より僅かに小さい幅に設計され、接合に際してバッキングプレート2が分割ターゲット材1からはみ出すことく分割ターゲットに接合せしめられる。分割ターゲット材1は、後で分割ターゲット材1の周端面同士を密接触係合した状態で複数個が一体化されるが、バッキングプレート2の周端面は分割ターゲット材1の密接触係合する周端面から1mm程度水平方向に引っ込めて接合される。
【0012】
図3を参照するに、板状のMgF2 焼結体を原材料とする分割ターゲット材1はバッキングプレート2に張り合わせ接合されるが、これに先だって、バッキングプレート2の接合面とは反対側の面にネジ孔21を複数箇所に形成しておく。バッキングプレート2により裏打ちされた分割ターゲット材1は一体化バッキングプレート3に水平方向に配列して複数個一体化され、イオンビームスパッタ用ターゲット10が構成される。一体化バッキングプレート3にはバッキングプレート2のネジ孔21に対応する貫通孔31が穿設されている。32は取り付けネジである。分割ターゲット材1、バッキングプレート2、ネジ孔21、一体化バッキングプレート3、貫通孔31の間の相互位置関係は、取り付けネジ32を貫通孔31に挿通してネジ孔21に螺合した場合、隣接する分割ターゲット材1の周端面同士が密接触係合した状態で、バッキングプレート2が一体化バッキングプレート3に一体結合する位置関係にある。
【0013】
4は水冷装置ジャケットより成るターゲットホルダであり、バッキングプレート2に裏打ちされた分割ターゲット材1の複数個を一体化バッキングプレート3により結合一体化したイオンビームスパッタ用ターゲット10のホルダを構成している。そして、先の一体化バッキングプレート3にはホルダネジ孔33も形成されている。また、ターゲットホルダ4には、一体化バッキングプレート3のホルダネジ孔33に対応してジャケット貫通孔41が穿設されている。ここで、ターゲット固定ネジ42をジャケット貫通孔41に挿通し、これをホルダネジ孔33に螺合することにより、一体化したイオンビームスパッタ用ターゲット10がターゲットホルダ4に固定保持されることになる。イオンビームスパッタ用ターゲット10は、一体化バッキングプレート3を介して水冷装置ジャケットより成るターゲットホルダ4に固定保持されており、分割ターゲット材1は水冷装置ジャケットを流通せしめられる冷却水により一体化バッキングプレート3を介して適正な温度に保持される。一体化バッキングプレート3は水冷装置ジャケットより成るターゲットホルダ4に直接固定保持されていることにより、バッキングプレート2を介在して最上面に位置する分割ターゲット材1と比較して、低温に保持されている。
【0014】
図4はこの発明のイオンビームスパッタ用ターゲットを具備するイオンビームスパッタ装置を概念的に説明する図である。
イオンビームスパッタ用ターゲット10は水冷装置ジャケットより成るターゲットホルダ4を介して真空チャンバーに取り付け収容され、イオンガン6および基板7も同様に真空チャンバーに取り付け収容されている。イオンガン6は、そのイオン放射端部に高電圧が印加されるイオン引き出しグリッドが設置されている。基板7の下面には薄膜が成膜されるべき成膜部品が取り付けられる。
【0015】
基板7は回転駆動軸を介して外部から回転駆動される。ポンプにより排気し、イオンガン6からイオンビームを発生させる。
イオンガン6から発生せしめられたイオンは、加速されてイオンビーム61として引き出し放射される。このビーム61はターゲット10に衝突し、ターゲット10を構成する物質をスパッタリングする。ターゲット10からスパッタリングされたターゲット構成物質の成膜粒子62は基板7に保持される成膜部品の表面に付着し、ここにターゲット構成物質の薄膜が成膜される。
【0016】
図5を参照して第2の実施例を説明する。第2の実施例は或る一定の厚さを有する正方形の板より成る正方形分割ターゲット材を使用して構成される。正方形分割ターゲット材としては、全て同一の形状寸法の正方形分割ターゲット材を使用する。図5(a)はイオンビームスパッタを実施後で交換前の分割ターゲット材を説明する図である。図5(a)(イ)は交換前の分割ターゲット材を上から視たところを示す図であり、図5(a)(ロ)はターゲットの中心を通る左右方向の直線に沿った厚さ方向の断面の厚さを示す図である。図5(a)において、円内はイオンビームスパッタにより損耗する領域を示している。ここで、11は中心部分割ターゲット材を示す。18は左側分割ターゲット材、19は右側分割ターゲット材、16は上側分割ターゲット材、17は下側分割ターゲット材、12は左上側分割ターゲット材、13は右下側分割ターゲット材、15は左下側分割ターゲット材、14は右上側分割ターゲット材を示す。
【0017】
イオンビームを絞ってターゲットに照射することにより、成膜回数と共にターゲットの消耗は中心部で特に顕著に生じて、中心部分割ターゲット材11の消耗は、図5(a)の(ロ)に示される如く周辺部の左側分割ターゲット材18および右側分割ターゲット材19と比較して遙かに大きい。左側分割ターゲット材18および右側分割ターゲット材19の外側領域は殆ど消耗せず、厚さの減少は極く小さい。ところで、左側分割ターゲット材18および右側分割ターゲット材19の消耗は小さいとは言え、これらの中心部分割ターゲット材11に隣接する中心側の一部領域は中心部分割ターゲット材11の周縁部領域に近似して消耗し、厚さを減少している。ターゲットの中心を通る上下方向、傾斜方向の直線に沿った厚さ方向の断面についても、同様の消耗の仕方をしている。
【0018】
図5(b)はイオンビームスパッタを実施後で中心部分割ターゲット材のみを新規の中心部分割ターゲット材に交換したところを説明する図である。図5(b)(イ)は交換後の分割ターゲット材を上から視たところを示す図であり、図5(b)(ロ)はターゲットの中心を通る左右方向の直線に沿った厚さ方向の断面の厚さを示す図である。
図5(b)(ロ)を参照するに、中心部分割ターゲット材11’は交換した新規の分割ターゲット材であるので、消耗のない本来の厚さを有している。ところが、左側分割ターゲット材18および右側分割ターゲット材19は消耗は小さいとは言え、中心部分割ターゲット材11’に隣接する中心側の一部領域は、上述した通り消耗して厚さを減少している。従って、中心部分割ターゲット材11’と左側分割ターゲット材18の中心側の境界、中心部分割ターゲット材11’と右側分割ターゲット材19の中心側の境界において、段差が生じている。ターゲットの中心を通る上下方向、傾斜方向の直線に沿った厚さ方向の断面についても同様の段差が生じている。
【0019】
図5(c)はイオンビームスパッタを実施後で中心部分割ターゲット材を新規の中心部分割ターゲット材に交換すると共に、周辺部の分割ターゲット材を入れ替えたところを説明する図である。図5(c)(イ)は交換入れ替え後の分割ターゲット材を上から視たところを示す図であり、図5(c)(ロ)はターゲットの中心を通る左右方向の直線に沿った厚さ方向の断面の厚さを示す図である。
図5(a)(イ)と図5(c)(イ)とを参照して周辺部の分割ターゲット材の入れ替えを説明する。
【0020】
図5(a)(イ)を参照するに、左側分割ターゲット材18は右側である中心側が消耗して厚さを減少して左側である外側の厚さは殆ど減少していない。これに対して、右側分割ターゲット材19は左側である中心側が消耗して厚さを減少して右側である外側の厚さは殆ど減少していない。従って、左側分割ターゲット材18の厚さが減少していない左側と、右側分割ターゲット材19の厚さが減少していない右側を使用する。図5(c)(イ)を参照するに、これには、左側分割ターゲット材18と右側分割ターゲット材19とを、左側分割ターゲット材18の左側と右側分割ターゲット材19の右側とを中心側にして、相互に入れ替える。
【0021】
図5(a)(イ)を参照するに、上側分割ターゲット材16は下側である中心側が消耗して厚さを減少して上側である外側の厚さは殆ど減少していない。これに対して、下側分割ターゲット材17は上側である中心側が消耗して厚さを減少して下側である外側の厚さは殆ど減少していない。従って、上側分割ターゲット材16の厚さが減少していない上側と、下側分割ターゲット材17の厚さが減少していない下側を使用する。図5(c)(イ)を参照するに、これには、上側分割ターゲット材16と下側分割ターゲット材17とを、上側分割ターゲット材16の上側と下側分割ターゲット材17の下側とを中心側にして、相互に入れ替える。
【0022】
図5(a)(イ)を参照するに、左上側分割ターゲット材12はその右下隅部である中心側が消耗して厚さを減少して左上隅部である外側の厚さは殆ど減少していない。これに対して、右下側分割ターゲット材13は左上隅部である中心側が消耗して厚さを減少して右下隅部である外側の厚さは殆ど減少していない。従って、左上側分割ターゲット材12の厚さが減少していない左上隅部と、右下側分割ターゲット材13の厚さが減少していない右下隅部を使用する。図5(c)(イ)を参照するに、これには、左上側分割ターゲット材12と右下側分割ターゲット材13とを、左上側分割ターゲット材12の左上隅部と右下側分割ターゲット材13の右下隅部とを中心側にして、相互に入れ替える。
【0023】
図5(a)(イ)を参照するに、右上側分割ターゲット材14はその左下隅部である中心側が消耗して厚さを減少して右上隅部である外側の厚さは殆ど減少していない。これに対して、左下側分割ターゲット材15は右上隅部である中心側が消耗して厚さを減少して左下隅部である外側の厚さは殆ど減少していない。従って、右上側分割ターゲット材14の厚さが減少していない右上隅部と、左下側分割ターゲット材15の厚さが減少していない左下隅部を使用する。図5(c)(イ)を参照するに、これには、右上側分割ターゲット材14と左下側分割ターゲット材15とを、右上側分割ターゲット材14の右上隅部と左下側分割ターゲット材15の左下隅部とを中心側にして、相互に入れ替える。
【0024】
上述した入れ替えを総合して、中心部分割ターゲット材11と、左右側分割ターゲット材18、19、上下側分割ターゲット材16、17、左上、右下、右上左下側分割ターゲット材12、13、14、15の8枚の分割ターゲット材との間に生ずる段差を解消してこれら8枚の分割ターゲット材を再利用することができる。
図6を参照して第3の実施例を説明する。第3の実施例は或る一定の厚さを有する正方形の板より成る3枚の正方形分割ターゲット材11、16、17を上下方向に配置し、上下方向に配置した3枚の正方形分割ターゲット材11、16、17の左右両側に2枚の半円板状分割ターゲット材18’、19’を配置して構成される。図6において、円内はイオンビームスパッタにより損耗する領域を示している。
【0025】
第3の実施例においては、11を中心部分割ターゲット材とし、分割ターゲット材の交換時は、中心部分割ターゲット材11と、左右両側の2枚の半円板状分割ターゲット材18’、19’を交換する。そして、中心部分割ターゲット材11の上下両側分割ターゲット材16、17を、これらの外側を中心側にして、相互に入れ替える。この入れ替えにより、中心部分割ターゲット材11と上下両側分割ターゲット材16、17との間に生ずる段差を解消して2枚の分割ターゲット材16、17を再利用することができる。
【0026】
図7を参照して第4の実施例を説明する。図7において、円内はイオンビームスパッタにより損耗する領域を示している。第4の実施例は或る一定の厚さを有する正方形の板より成る5枚の正方形分割ターゲット材11、18、19、16および17を正方形分割ターゲット材11を中心部分割ターゲット材として、左右上下方向に配置し、中心部分割ターゲット材11の左上、右下、右上、左下側に三角形状の左上側分割ターゲット材12、右下側分割ターゲット材13、右上側分割ターゲット材14、左下側分割ターゲット材15を配置して構成される。
【0027】
第4の実施例においては、11を中心部分割ターゲット材とし、分割ターゲット材の交換時は、中心部分割ターゲット材11と、三角形状の左上側分割ターゲット材12、右下側分割ターゲット材13、右上側分割ターゲット材14、左下側分割ターゲット材15を交換する。そして、中心部の分割ターゲット材11の左右両側分割ターゲット材18、19をこれらの外側を中心側にして、相互に入れ替えると共に、上下両側分割ターゲット材16、17をこれらの外側を中心側にして相互に入れ替える。これらの入れ替えにより、中心部分割ターゲット材11と、左右両側分割ターゲット材18、19および上下両側分割ターゲット材16、17との間に生ずる段差を解消してこれら4枚の分割ターゲット材を再利用することができる。
【0028】
【発明の効果】
上述した通りであって、この発明は、ターゲットは複数個の分割ターゲットに分割構成すると共に、分割ターゲットの幅より小さい幅のバッキングプレートを分割ターゲットに個々に裏打ちとしてはみ出さずに取付けたことにより、バッキングプレートとターゲット材を融着固定する際に発生する熱膨張に起因する応力は減少し、分割ターゲットの割れ、張り合わせ材による接合の剥離の問題は緩和される。
【0029】
そして、分割したバッキングプレートをターゲットと比較して小さく構成したことにより、分割ターゲット間に隙間が発生しない。従って、バッキングプレートおよび張り合わせ材がスパッタリングされることがないので、成膜への不純物の混入を防止することができる。
更に、中心部分割ターゲット材を新規の分割ターゲット材とすると共に、周辺部分割ターゲット材を、中心部分割ターゲット材を中心として相対向する周辺部分割ターゲット材の外側を中心側にして相互に入れ替えた周辺部分割ターゲット材としたことにより、中心部分割ターゲット材と周辺部分割ターゲット材との間に生ずる段差を解消して周辺部分割ターゲット材を再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】分割ターゲット材とこれを裏打ちするバッキングプレートを説明する図。
【図2】分割ターゲット材の形状を示す図。
【図3】イオンビームスパッタ用ターゲットの組み立てを説明する図。
【図4】イオンビームスパッタ装置の実施例を概念的に説明する図。
【図5】第2の実施例を説明する図。
【図6】第3の実施例を説明する図。
【図7】第4の実施例を説明する図。
【図8】従来例を説明する図。
【図9】ターゲットの消耗の度合いを示す図。
【符号の説明】
1 分割ターゲット材 10 イオンビームスパッタ用ターゲット
11 中心部分割ターゲット材 11’新規中心部分割ターゲット材
12 左上側分割ターゲット材 13 右下側分割ターゲット材
14 右上側分割ターゲット材 15 左下側分割ターゲット材
16 上側分割ターゲット材 17 下側分割ターゲット材
18 左側分割ターゲット材 18’半円板状分割ターゲット材
19 右側分割ターゲット材 19’半円板状分割ターゲット材
2 バッキングプレート 21 ネジ孔
3 一体化バッキングプレート 31 貫通孔
32 取り付けネジ 33 ホルダネジ孔
4 ターゲットホルダ 41 ジャケット貫通孔
42 ターゲット固定ネジ 6 イオンガン
61 イオンビーム 62 成膜粒子
7 基板
Claims (6)
- 複数個の分割ターゲット材を構成し、分割ターゲット材の幅より小さい幅のバッキングプレートを分割ターゲット材に個々に裏打ちとしてはみ出さずに張り合わせた分割ターゲット材複数個を一体化バッキングプレートに水平方向に配列固定したことを特徴とするイオンビームスパッタ用ターゲット。
- 請求項1に記載されるイオンビームスパッタ用ターゲットにおいて、
分割ターゲット材を構成するターゲット原材料を弗化物焼結体或いは酸化物焼結体としたことを特徴とするイオンビームスパッタ用ターゲット。 - 複数個の分割ターゲット材構成し、分割ターゲット材の幅より小さい幅のバッキングプレートを分割ターゲット材に個々に裏打ちとしてはみ出さずに張り合わせた分割ターゲット材複数個を一体化バッキングプレートに水平方向に配列固定したイオンビームスパッタ用ターゲットを、水冷装置ジャケットより成るターゲットホルダに結合固定したことを特徴とするイオンビームスパッタ装置。
- 請求項3に記載されるイオンビームスパッタ装置において、
分割ターゲット材を構成するターゲット原材料を弗化物焼結体或いは酸化物焼結体としたことを特徴とするイオンビームスパッタ装置。 - 請求項1および請求項2に記載されるイオンビームスパッタ用ターゲットにおいて、
中心部分割ターゲット材を新規の分割ターゲット材とすると共に、周辺部分割ターゲット材を、中心部分割ターゲット材を中心として相対向する周辺部分割ターゲット材の外側を中心側にして相互に入れ替えた周辺部分割ターゲット材としたことを特徴とするイオンビームスパッタ用ターゲット。 - 請求項3および請求項4に記載されるイオンビームスパッタ装置において、
中心部分割ターゲット材を新規の分割ターゲット材とすると共に、周辺部分割ターゲット材を、中心部分割ターゲット材を中心として相対向する周辺部分割ターゲット材の外側を中心側にして相互に入れ替えた周辺部分割ターゲット材としたことを特徴とするイオンビームスパッタ装置。
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