JP2009249721A - スパッタリングターゲット - Google Patents

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Abstract

【課題】ターゲット材を冷却水で冷却しながらスパッタリングを行う場合など、バッキングプレートに反りが生じたときにターゲット材の割れまたは剥離等が生じることのないスパッタリングターゲットを提供すること。
【解決手段】ターゲット材と、バッキングプレートと、前記ターゲット材と前記バッキングプレートとの間に設置された少なくとも1枚の緩衝板と、前記ターゲット材、バッキングプレートおよび緩衝板を一体的に接合するボンディング材とを有してなることを特徴とするスパッタリングターゲット。
【選択図】図1

Description

本発明は、スパッタリングターゲットに関し、さらに詳しくは、多量の冷却水でターゲット材を冷却しながらスパッタリングしても、ターゲット材の割れが生じにくいスパッタリングターゲットに関する。
従来より、例えば、半導体などの電子・電気部品用材料の成膜法として、膜厚および成分を容易に制御することができるスパッタリング法が広範に用いられている。
このようなスパッタリング法において用いられるスパッタリングターゲットは、一般に、薄膜を形成しようとする材料からなるターゲット材と、導電性・熱伝導性に優れた材質からなるバッキングプレートとを、ボンディング材を介して接合することによって構成されている。大面積のターゲット材を用いる必要がある場合には、複数の分割ターゲット材を使用して、磁場を加えながらスパッタリングを行う方法が採られている。
このようなスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングを行うと、ターゲット部材は発熱し、スパッタリングの効率が低下する。このため、スパッタリングをしている間、ターゲット材を冷却する必要がある。
ターゲット材を冷却する方法としては、一般に、バッキングプレートに冷却水が流通する冷却水流通路を設け、この冷却水流通路に冷却水を流して、バッキングプレートを冷却することによって、ターゲット材から熱を奪う方法が採られている。この方法においては、通常冷却水流通路は、バッキングプレートの一端部の底面に設けられた流通路入口から鉛直上方に伸び、ターゲット材の直下に達した後、バッキングプレートの中央部を横切って他端部まで伸び、バッキングプレート底面に設けられた出口に至る。前記のように磁場をかけながらスパッタリングを行うと、通常、ターゲット材の端部に大きなパワーがかかり、特にこの部分の発熱量が多い。このため、上記にようにターゲット材の端部の下方周辺部に流通路入口を設け、ここから冷却水流通路を通ってターゲット材の端部の直下部に冷却水が流れるようにすると、効率的にターゲット材の冷却を行うことができる。また、ターゲット材端部の直下周辺部における冷却水流通路を太くしたり、バッキングプレートを薄くしたりして、ターゲット材端部を効率的に冷却できるようにしている。
しかし、このように冷却水を用いてターゲット材の冷却を行うと、ターゲット材に割れが生じることが多いという問題があった。このターゲット材の割れは、冷却水量を多くすると多く発生する傾向があった。また、このターゲット材の割れは、冷却水流通路の入口の上方部に生じることが多く、特に、上記のように冷却水流通路の入口の上方部に大きなパワーがかかり、発熱量が多い場合に顕著に発生した。このようなターゲット材の割れは、冷却水の水圧等によりバッキングプレートに反りが生じることが原因の一つであると考えられる。
スパッタリングにより大型基板に成膜する需要が増加し、これに伴いターゲット材も大型化している近年の状況のもとでは、スパッタリングの成膜速度を速くすることが要求され、そのためには、大きな電力を投入しなければならず、自ずと発生する熱量が増す。このような状況下でターゲット材を効率的に冷却するには、上記にように発熱量の多い部分に直接冷却水が流れるようにし、さらに冷却水量を多くする必要がある。しかし、このようにすると、前述のとおり、ターゲット材の割れが顕著に発生する。現状は、このように二律背反的な状況にある。
また、スパッタリングは真空中で行われるため、バッキングプレートには、ターゲット材が設置されている方向に強い力が加わり、バッキングプレートに反りが生じることがある。このバッキングプレートの反りが原因となって、バッキングプレートに接着されたターゲット材に割れが生じることがあった。
ターゲット材を冷却水で冷却しながらスパッタリングを行う際に生じるターゲット材の反り、割れおよび剥離を防止する方法として、特開平6−65728号公報において、バッキングプレートとターゲット材との接合の領域をターゲット部材の外周部分を外した範囲に制限する方法が開示されている。
しかし、この方法は、スパッタリングターゲットに磁場をかけて行われるスパッタリングを対象にするものではく、この方法を、上記のように、ターゲット材の端部に大きなパワーがかかり、この部分に特に割れが生じやすいという事情があるスパッタリングに適用しても、十分な効果を得ることはできない。
特開平6−65728号公報
本発明は、ターゲット材を冷却水で冷却しながらスパッタリングを行う場合など、バッキングプレートに反りが生じたときにターゲット材の割れまたは剥離等が生じることのないスパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、ターゲット材と、バッキングプレートと、前記ターゲット材と前記バッキングプレートとの間に設置された少なくとも1枚の緩衝板と、前記ターゲット材、バッキングプレートおよび緩衝板を一体的に接合するボンディング材とを有してなることを特徴とするスパッタリングターゲットである。
前記スパッタリングターゲットの好適な態様として、前記ターゲット材が、複数の分割ターゲット材から構成され、該分割ターゲット材の少なくとも1枚の下に、該分割ターゲット材と略同一の平面形状を有する少なくとも1枚の前記緩衝板が積層されており、
前記スパッタリングターゲットの表面が略面一となるように、前記複数の分割ターゲット材が配置されており、
前記緩衝板の材料が前記バッキングプレートの材料と同じであり、
前記緩衝板の厚みが0.5〜10mmであり、
緩衝板が1枚の場合には、前記ターゲット材と前記緩衝板との間に介在する前記ボンディング材によって形成されるボンディング層の厚みと、前記バッキングプレートと前記緩衝板との間に介在する前記ボンディング材によって形成されるボンディング層の厚みとの合計が0.25〜4.5mmであり、緩衝板が2枚以上の場合には、前記ターゲット材と前記緩衝板との間に介在する前記ボンディング材によって形成されるボンディング層の厚みと、前記バッキングプレートと前記緩衝板との間に介在する前記ボンディング材によって形成されるボンディング層の厚みと、前記緩衝板と緩衝板との間に介在する前記ボンディング材によって形成されるボンディング層の厚みとの合計が0.25〜4.5mmであり、
前記ターゲット材の材料が、粉末冶金により製造された材料であり、
前記ターゲット材の材料が、セラミックスであり、
前記バッキングプレートが、前記ターゲット材を冷却する冷却水が流通する冷却水流通路を備えている。
本発明のスパッタリングターゲットによれば、ターゲット材を冷却水で冷却しながらスパッタリングを行っても、ターゲット材の反り、割れまたは剥離等の発生を防止することができる。このスパッタリングターゲットを用いれば、冷却水量が多くても、また、冷却水流通路の入口の上方部に大きなパワーがかかる場合であっても、ターゲット材の割れ等の発生を抑制することが可能である。
したがって、本発明のスパッタリングターゲットを用いれば、大型のターゲット材を使用して、成膜速度を速くしても、ターゲット材を冷却水で冷却しながら、効率良くスパッタリングを行うことができる。
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
図1および図2は、本発明のスパッタリングターゲットの一具体例であるスパッタリングターゲット1を示し、図1はその上面図であり、図2は、図1のV−V線での断面図である。
スパッタリングターゲット1は、バッキングプレート2と、緩衝板3aおよび緩衝板3bと、ターゲット材4と、ボンディング材5とを有してなる。
バッキングプレート2は、厚肉部の中央部2cと、薄肉部の端部2aおよび端部2bとから形成され、中央部2cと端部2aおよび端部2bとの間に段部を有する断面略凸状の形状を有する。
バッキングプレート2には、冷却水流通路6が設けられている。冷却水流通路6には、スパッタリング中、冷却水が流され、この冷却水により、バッキングプレート2上に配置されたターゲット材4が冷却される。冷却水流通路6は、バッキングプレート2の端部2aの底面に設けられた冷却水流通路入口7から上方に伸び、端部2aの上面の直下部に至る流通路入口部6aと、端部2aの上面の前記直下部から中央部2cを横切り、端部2bの上面の直下部に至る流通路中央部6cと、端部2bの上面の前記直下部から下方に伸びて、端部2bの底面に設けられた冷却水流通路出口8に至る流通路出口部6bとから形成される。
バッキングプレート2の材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、導電性・熱伝導性に優れた銅、リン酸銅、チタン、アルミニウムおよびステンレス等を用いることができる。
緩衝板3aは、バッキングプレート2の端部2a上に配置され、緩衝板3bは、バッキングプレート2の端部2b上に配置されている。緩衝板3aおよび緩衝板3bは、冷却水が冷却水流通路6を流れるときに生じる水圧等やスパッタリングターゲット1が真空化に置かれたときにバッキングプレートに加わる力を緩衝し、バッキングプレート2は上方向に反るのを抑制する部材である。
緩衝板3aは、ボンディング材5により、その底面において端部2aの上面に、その一側面において中央部2cの側面に接合されることにより、バッキングプレート2に固定されている。緩衝板3bも同様に、ボンディング材5により、その底面において端部2bの上面に、その一側面において中央部2cの側面に接合されることにより、バッキングプレート2に固定されている。緩衝板3aは、冷却水流通路6の流通路入口部6aが冷却水流通路入口7から上方に伸びる方向上に位置しており、緩衝板3bは、冷却水流通路6の流通路出口部6cが冷却水流通路出口8から上方に伸びる方向上に位置している。
緩衝板3aおよび緩衝板3bの材料は、前述の緩衝作用を有する限り特に制限はないが
、導電性・熱伝導性等を確保する観点から、銅、リン酸銅、チタン、アルミニウムおよびステンレス等、前記バッキングプレート2の材料と同じにすることが好ましい。
緩衝板3aおよび緩衝板3bの厚みについても、前述の緩衝作用を確保できる限り特に制限はないが、通常のスパッタリングの操作条件においては、通常0.3〜10mmであり、好ましくは0.5〜8mmであり、さらに好ましくは1〜6mmであり、特に好ましくは2〜5mmである。緩衝板3aおよび緩衝板3bの厚みが0.3mmより小さいと前述の緩衝作用が不十分になる場合が多く、10mmより大きいと、スパッタリングターゲットに装着することが困難になる場合があり、またターゲット材と基材との距離が、適性範囲から外れて、放電が安定しなくなる場合がある。なお、後述するとおり、スパッタリングターゲット1の表面が略面一になるように、緩衝板3aおよび緩衝板3bの厚みを決定することが好ましい。
ターゲット材4は、3つの分割ターゲット材、すなわち両端に配置される端部分割ターゲット材4aおよび端部分割ターゲット材4b、並びに中央に配置される中央部分割ターゲット材4cから構成されている。
端部分割ターゲット材4aは、矩形板状であり、緩衝板3aと略同一の平面形状を有している。端部分割ターゲット材4aは、端部分割ターゲット材4bと同じ大きさの厚みを有し、中央部分割ターゲット材4cよりも大きな厚みを有する。端部分割ターゲット材4aは、その4つの各側面が緩衝板3aの4つの各側面と略面一になるように、緩衝板3a上に積層され、ボンディング材5により緩衝板3aに接合されている。
端部分割ターゲット材4bも同様に、矩形板状であり、緩衝板3bと略同一の平面形状を有している。端部分割ターゲット材4bは、その4つの各側面が緩衝板3bの4つの各側面と略面一になるように、緩衝板3b上に積層され、ボンディング材5により緩衝板3bに接合されている。
端部分割ターゲット材4cは、矩形板状であり、バッキングプレート2の中央部2c上に配置され、ボンディング材5によりバッキングプレート2に接合されている。
端部分割ターゲット材4a、端部分割ターゲット材4bおよび中央部分割ターゲット材4cは、図2に示されるように、ターゲット材4の表面、すなわちスパッタリングターゲット1の表面が略面一となるように配置されている。つまり、スパッタリングターゲット1の表面が略面一となるように、バッキングプレート2の端部2aおよび2bおよび中央部2c、緩衝板3aおよび3b、端部分割ターゲット材4aおよび4bおよび中央部分割ターゲット材4c、並びにこれらの間に形成されているボンディング材5の厚みが決定されている。このように、スパッタリングターゲット1の表面が略面一であると、分割部にゴミが溜まりにくく、またパーティクルが発生せず、アーキングが発生しないという点で好ましい。
端部分割ターゲット材4aと端部分割ターゲット材4bとの間、および端部分割ターゲット材4bと中央部分割ターゲット材4cとの間には、間隙部9が形成されている。この間隙部9は、スパッタリング中にターゲット材が発熱し、膨張することによって生じるターゲット材の割れ、パーティクルやアーキングを防止する作用をする。
端部分割ターゲット材4a、端部分割ターゲット材4bおよび中央部分割ターゲット材4cは、2つの間隙部9を挟んで、平面形状が略長方形状になるように配置されている。、
ターゲット材4の材料としては、特に制限されることはないが、クロムおよびモリブデン等の金属を用いた粉末冶金により製造された材料、並びにITO(Indium-Tin-Oxide)
、SnO2系、ZnO系、ガラスおよびAl23等からなるセラミックス等を挙げること
ができる。
ボンディング材5は、ターゲット材4、バッキングプレート2並びに緩衝板3aおよび3bを一体的に接合する。ボンディング材5は、バッキングプレート2の端部2aと緩衝板3aとの間にボンディング層5a1を、端部分割ターゲット材4aと緩衝板3aとの間にボンディング層5a2を形成し、バッキングプレート2の端部2bと緩衝板3bとの間にボンディング層5b1を、端部分割ターゲット材4bと緩衝板3bとの間にボンディング層5b2を形成し、さらにバッキングプレート2の中央部2cと中央部分割ターゲット材4cとの間にボンディング層5cを形成している。
ボンディング材5の材料としては、スパッタリング操作に耐えられるようにターゲット材4、緩衝板3aおよび3b、並びにバッキングプレート2を接合することができれば特に制限はなく、これらの材料に応じて適宜決定することができ、たとえば、In系、Sn系、Zn系などのはんだ合金、ロウ材、並びに樹脂などを用いることができる。
ボンディング層5a1、ボンディング層5a2、ボンディング層5b1およびボンディング層5b2の厚みは、スパッタリング操作に耐えられるようにバッキングプレート2、緩衝板3a、緩衝板3bおよびターゲット材4の接合をすることができれば特に制限はないが、ボンディング層5a1の厚みとボンディング層5a2の厚みとの合計、およびボンディング層5b1の厚みとボンディング層5b2の厚みとの合計が、0.25〜4.5mmであることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜2.5mmである。ボンディング層5a1およびボンディング層5a2は、緩衝板3aと同様に上記緩衝作用を有すると考えられ、その厚みが上記範囲内であると、十分な接合作用と同時に、好適な緩衝作用を発現することが期待できる。なお、ボンディング材にて接着する際、ボンディング材を融解し、ターゲット材と緩衝板との間、またはバッキングプレートと緩衝板との間に挟んだとき、ボンディング材がこれらの間から流出しにくいので、ボンディング材の厚みを大きくすることができ、緩衝板を用いないときよりも、ボンディング層を厚くすることができる。このため、ボンディング層による上記緩衝作用をより大きくすることができる。
ボンディング層5cの厚みも、スパッタリング操作に耐えられるようにバッキングプレート2とターゲット材4との接合をすることができれば特に制限はない。
スパッタリングターゲット1は以下のように作用する。
スパッタリングターゲット1を用いてスパッタリングを行う場合、冷却水流通路入口7から冷却水流通路6に冷却水を流し、冷却水流通路出口8から排出する。冷却水の流量は、ターゲット材4を効率的に冷却することができるように決定される。
通常のスパッタリング条件にてスパッタリング操作を行う。スパッタリングを行うとArイオンがターゲット材4に叩き付けられることにより、ターゲット材4が発熱する。このとき、冷却水流通路6に冷却水が流されているので、この冷却水によりバッキングプレート2が冷却され、冷却されたバッキングプレート2が、緩衝板3a、緩衝板3bおよびボンディング材5を介して発熱したターゲット材4から熱を奪い、ターゲット材4が冷却される。
この過程において、ターゲット材とバッキングプレートとの間に緩衝板が設置されていない従来のスパッタリングターゲットにおいては、ターゲット材に割れが生じることが多かった。図3に緩衝板が設置されていない従来のスパッタリングターゲット21の断面図を示す。スパッタリングターゲット21は、緩衝板を有していない点以外は、スパッタリングターゲット1と同様の構造を有し、端部分割ターゲット材24a、端部分割ターゲッ
ト材24bおよび中央部分割ターゲット材24cからなるターゲット材24と、端部22a、端部22bおよび中央部22cからなるバッキングプレート22と、ボンディング材25とから構成されている。バッキングプレート22には、冷却水流通路入口27および冷却水流通路出口28を有する冷却水流通路26が設けられている。また、スパッタリングターゲット21の表面が略面一になるように、各部材の厚みが決定されている。
このスパッタリングターゲット22を使用して上記と同様の操作を行うと、特に冷却水流通路入口27の垂直方向に当たる端部分割ターゲット材24aに割れが生じることが多い。たとえば冷却水流通路入口を中央部の底面に設けると、その冷却水流通路入口の垂直方向に当たる中央部分割ターゲット材に割れが生じることが多い。また、スパッタリング中に大きなパワーが加わるターゲット材上の部位に割れが生じることが多く、特にスパッタリングターゲット22のように、端部分割ターゲット材24aおよび24bに大きなパワーがかかり、そのパワーがかかる部位が冷却水流通路入口27の垂直方向にある場合には、その部位に割れが生じやすい。したがって、スパッタリングターゲット22では、特に端部分割ターゲット材24aに割れが生じることが多い。このように冷却水流通路入口27の垂直方向に当たるターゲット材に割れが生じることが多いのは、冷却水流通路入口27から冷却水流通路26内に流入する冷却水の水圧等により、端部22aの上面が上方向に反るためであると考えられる。
また、スパッタリングは真空中で行われるので、スパッタリング中にバッキングプレート22が上方向に反り、このためにターゲット材24に割れが生じるものと考えられる。
いずれにしても、スパッタリング中に生じるターゲット材24の割れは、バッキングプレート22が上方向に反ることが大きな要因である。
これに対し、本発明のスパッタリングターゲット1は、端部分割ターゲット材4aとバッキングプレート2との間に緩衝板3aを備えているので、冷却水流通路入口27から冷却水流通路26内に流入する冷却水の水圧等により端部22aの上面が上方向に反っても、緩衝板3aがその作用を緩衝し、端部分割ターゲット材4aの割れを防止することができる。また、緩衝板3aを挿入したことにより、端部分割ターゲット材4aとバッキングプレート2との間には2層のボンディング層が形成され、緩衝板がない場合よりもボンディング層が1層多くなっているので、このボンディング層の緩衝作用によっても端部分割ターゲット材4aの割れが防止されているものと考えられる。このため、スパッタリングターゲット1のように、大きなパワーがかかる端部分割ターゲット材4aが冷却水流通路入口7の垂直方向にあり、特に端部分割ターゲット材4aに割れが生じやすい場合であっても、その割れを防止することができる。
端部分割ターゲット材4bにおいても、これとバッキングプレート2との間に挿入された緩衝板3bの作用により、端部分割ターゲット材4aの場合と同様に割れの発生を抑制することができる。
また、スパッタリングターゲット1が真空中に置かれても、緩衝板3aおよび3bが、バッキングプレート2の反りを抑制し、また反りが生じてもその作用がターゲット材4に伝わるのを抑制するので、ターゲット材4の割れを防止することができる。
以上のように、本発明のスパッタリングターゲットは、バッキングプレートに反りが生じることにより発生するターゲット材の割れを、バッキングプレートとターゲット材との間に設置された緩衝板の作用により防止するものである。したがって、本発明のスパッタリングターゲットは、上記緩衝板の作用が発現される限り、スパッタリングターゲット1には制限されず、様々な態様を採りうる。
冷却水の影響に基づくターゲット材の割れを防止するには、冷却水流通路入口の上方部に緩衝板を設けるのが最も効果的であるので、冷却水流通路入口の設置位置に合わせて緩衝板を設置する位置を決定することができ、たとえば冷却水流通路入口がバッキングプレートの中央部にある場合には、緩衝板をその中央部の上方に設置することが好ましい。
緩衝板は、ターゲット材の底面全体に接合してもよい。たとえば、ターゲット材が分割ターゲット材の場合には、各分割ターゲット材の底面に1枚ずつ緩衝板を接合してもいいし、複数の分割ターゲット材の底面に1枚の緩衝板を接合してもよい。ターゲット材が、1枚の板材からできている場合には、そのターゲット材の底面全体に1枚の緩衝板を接合してもいいし、複数の緩衝板を接合してもよい。このようにターゲット材の底面全体に緩衝板を接合すると、スパッタリングターゲットが真空中に置かれた場合に生じるバッキングプレートの反りに基づくターゲット材の割れを効果的に防止することができる。
本発明のスパッタリングターゲットには、2枚以上の緩衝板を積層して設置することもできる。積層する緩衝板の数を増やすと、各緩衝板間にもボンディング層が形成されるので、とターゲット材とバッキングプレートとの間に形成されるボンディング層の数も増える。前述のとおり、ボンディング層も、緩衝板と同様に緩衝作用を有すると考えられるので、積層する緩衝板の数を増やすと、このボンディング層による緩衝作用が大きくなり、緩衝板の作用と相俟ってターゲット材の割れ防止に役立つ。2枚以上の緩衝板を用いる場合、各緩衝板の厚みの合計は、通常0.3〜10mmであり、好ましくは0.5〜8mmであり、さらに好ましくは1〜6mmであり、特に好ましくは2〜5mmである。ターゲット材とバッキングプレートとの間に形成されるボンディング層の厚みの合計は、0.25〜4.5mmであることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜2.5mmである。
また緩衝板が2枚以上の場合には、ターゲット材と緩衝板との間に介在するボンディング材によって形成されるボンディング層の厚みと、バッキングプレートと緩衝板との間に介在するボンディング材によって形成されるボンディング層の厚みと、緩衝板と緩衝板との間に介在するボンディング材によって形成されるボンディング層の厚み(緩衝板が3枚以上の場合には、緩衝板と緩衝板との間に形成される2層以上のボンディング層の厚みの合計)の合計は、0.25〜4.5mmであることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜2.5mmである。
また、スパッタリングターゲット1における中央部分割ターゲット材4cは1枚の板材であるが、本発明のスパッタリングターゲットにおける中央部分割ターゲット材は2つ以上に分割されていてもよい。
[実施例1]
127mm×381mm×4.8mmの大きさを有するITO製のターゲット材(T)、150mm×440mm×7mmの大きさを有するCu製のバッキングプレート(BP)、および127mm×381mm×0.3mmの大きさを有するCu製の緩衝板を、図4に示すように積層して、インジウム系のボンディング材で接合し、スパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層(BN)の厚みは0.01mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング(BN)層の厚みは0.01mmであった。
[比較例1]
緩衝板を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.01mmであった。
[実施例2]
緩衝板の厚みを0.5mmとしたこと以外は実施例1と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層の厚みは0.01mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.01mmであった。
[実施例3]
緩衝板の厚みを1mmとしたこと以外は実施例1と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層の厚みは0.01mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.01mmであった。
[実施例4]
緩衝板の厚みを2mmとしたこと以外は実施例1と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層の厚みは0.01mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.01mmであった。
[実施例5]
緩衝板の厚みを4mmとしたこと以外は実施例1と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層の厚みは0.01mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.01mmであった。
[実施例6]
緩衝板の厚みを6mmとしたこと以外は実施例1と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層の厚みは0.01mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.01mmであった。
[実施例7]
ターゲット材と緩衝板との間、および緩衝板とバッキングプレートとの間にCu製のワイヤーをスペーサーとして挟んだこと以外は実施例3と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層の厚みは0.10mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.15mmであった。
[実施例8]
ターゲット材と緩衝板との間、および緩衝板とバッキングプレートとの間にCu製のワイヤーをスペーサーとして挟んだこと以外は実施例3と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層の厚みは0.25mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.25mmであった。
[実施例9]
ターゲット材と緩衝板との間、および緩衝板とバッキングプレートとの間にCu製のワイヤーをスペーサーとして挟んだこと以外は実施例3と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層の厚みは0.50mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.50mmであっ
た。
[実施例10]
ターゲット材と緩衝板との間、および緩衝板とバッキングプレートとの間にCu製のテープをスペーサーとして挟み、ボンディング材で接合した後、ターゲット材と緩衝板との間のスペーサーを除去したこと以外は実施例3と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層の厚みは0.80mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.50mmであった。
[実施例11]
ターゲット材と緩衝板との間にCu製のワイヤーをスペーサーとして挟み、緩衝板とバッキングプレートとの間にCu製のテープをスペーサーとして挟んだこと以外は実施例3と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層の厚みは1.50mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは1.00mmであった。
[比較例2]
緩衝板を使用せず、ターゲット材とバッキングプレートとの間に径の異なるCu製のワイヤーをスペーサーとして挟んだこと以外は実施例8と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.50mmであった。
[比較例3]
緩衝板を使用せず、ターゲット材とバッキングプレートとの間に径の異なるCu製のワイヤーをスペーサーとして挟んだこと以外は実施例9と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは1.00mmであった。
[比較例4]
緩衝板を使用せず、ターゲット材とバッキングプレートとの間に厚さの異なるCu製のテープをスペーサーとして挟んだこと以外は実施例10と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは2.00mmであった。
[実施例12]
緩衝板の厚みを2mmとし、ターゲット材とバッキングプレートとの間に挟む緩衝板を2枚としたこと以外は実施例1と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層の厚みは0.01mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.01mmであり、2枚の緩衝板間のボンディング層の厚みは0.01mmであった。
[実施例13]
緩衝板の厚みを2mmとし、ターゲット材とバッキングプレートとの間に挟む緩衝板を3枚とし、ターゲット材と緩衝板との間、緩衝板とバッキングプレートとの間、および各緩衝板間にCu製のテープをスペーサーとして挟んだこと以外は実施例1と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層の厚みは1.00mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは1.00mmであり、2枚の緩衝板間のボンディング層の厚みは各0.50mmであった。
[実施例14]
緩衝板の厚みを2mmとし、ターゲット材とバッキングプレートとの間に挟む緩衝板を3枚とし、ターゲット材と緩衝板との間、緩衝板とバッキングプレートとの間、および各緩衝板間にCu製のテープをスペーサーとして挟んだこと以外は実施例1と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層の厚みは1.50mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは1.50mmであり、2枚の緩衝板間のボンディング層の厚みは各0.75mmであった。
[実施例15]
緩衝板をAl製にしたこと以外は実施例9と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層の厚みは0.50mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.50mmであった。
[実施例16]
緩衝板をSUS製にしたこと以外は実施例9と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層の厚みは0.50mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.50mmであった。
[実施例17]
ターゲット材をガラス製にしたこと以外は実施例9と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層の厚みは0.50mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.50mmであった。
[比較例5]
緩衝板を使用せず、ターゲット材をガラス製にしたこと以外は実施例1と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.01mmであった。
[実施例18]
ターゲット材をAl23製にしたこと以外は実施例9と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層の厚みは0.50mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.50mmであった。
[比較例6]
緩衝板を使用せず、ターゲット材をAl23製にしたこと以外は実施例1と同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.01mmであった。
[実施例19]
ターゲット材をSnO2−Sb23製にしたこと以外は実施例9と同様にしてスパッタ
リングターゲットを作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層の厚みは0.50mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.50mmであった。
[比較例7]
緩衝板を使用せず、ターゲット材をSnO2−Sb23製にしたこと以外は実施例1と
同様にしてスパッタリングターゲットを作成した。ターゲット材とバッキングプレートと
の間のボンディング層の厚みは0.01mmであった。
[実施例20]
冷却水流通間が設けられているスパッタリング装置(ULVAC製インライン式スパッタリング装置SDPシリーズ用)を用いて、図6に示すように、6枚のITO製分割ターゲット材44(両端の分割ターゲット材:300mm×100mm×9mm、両端以外の分割ターゲット材:300m×470mm×7mm)をCu製のバッキングプレート42上に並べ、両端の分割ターゲット材の下に、ワイヤーをスペーサーとして挟んでCu製の緩衝板43(300mm×100mm×3mm)を積層し、インジウム系のボンディング材で接合して、表面が略面一のスパッタリングターゲット(スパッタリングターゲット41A)を作成した。ターゲット材と緩衝板との間のボンディング層の厚みは0.50mmであり、緩衝板とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.05mmであった。
[比較例8]
図7に示すように、緩衝板を使用しなかったこと以外は実施例20と同様にしてスパッタリングターゲット(スパッタリングターゲット41B)を作成した。ターゲット材とバッキングプレートとの間のボンディング層の厚みは0.50mmであった。
(耐圧性試験)
実施例1〜19および比較例1〜7で作成したスパッタリングターゲットに対して、以下の方法で耐圧性の試験を行った。図5に示すように、スパッタリングターゲットのバッキングプレート32をジグ10にネジで固定し、バッキングプレートの裏面全体に等圧がかかるようにした。空間11中に窒素ガスを導入して、バッキングプレート32に圧力を加えていき、ターゲット材34に割れが生じたときの圧力を測定した。実施例1〜11および比較例1〜4についての結果を表1に、実施例12〜19および比較例5〜7についての結果を表2に示した。
実施例1〜6および比較例1の結果より、スパッタリングターゲットは、0.3mmの緩衝板を使用すると、4.0Kgf/cm2以上の圧力に耐えられ、1.0mmの緩衝板
を使用すると、5.0Kgf/cm2以上の圧力に耐えられ、2.0mmの緩衝板を使用
すると、5.5Kgf/cm2以上の圧力に耐えられることがわかった。
実施例3および7〜11の結果より、スパッタリングターゲットは、使用する緩衝板の厚みが同じでも、ボンディング層の厚みの合計が大きくなると、耐えられる圧力が大きくなることがわかった。
実施例8と比較例2との比較、実施例9と比較例3との比較、および実施例10と比較例4との比較より、スパッタリングターゲットは、ボンディング層の厚みの合計が大きくなると耐えられる圧力が大きくなるが、緩衝板を使用しない場合よりも緩衝板を使用した場合のほうが耐えられる圧力が大きくなることがわかった。
実施例12〜14の結果より、スパッタリングターゲットは、使用する緩衝板の枚数を2枚以上にすることによって、より大きな圧力に耐えられるようになることがわかった。
実施例9および15〜16の結果より、異なる材料の緩衝板を使用しても、同様の効果が得られることがわかった。
実施例17と比較例5との比較、実施例18と比較例6との比較、および実施例19と比較例7との比較より、異なる材料のターゲット材を使用しても、緩衝板による同様の効果が得られることがわかった。
(反り試験)
実施例20で作成したスパッタリングターゲット(スパッタリングターゲット41A)および比較例8で作成したスパッタリングターゲット(スパッタリングターゲット41B)に対して、以下の方法で反り試験を行った。図8に示したように、台50の上に枕木51を置き、枕木51がスパッタリングターゲット41の中央部下に位置するように、スパッタリングターゲット41を枕木51の上に置き、スパッタリングターゲット41の両端においてネジ52を均等に締め付けて、スパッタリングターゲット41を台50に固定した。さらに2つのネジ52を均等に締め付けることにより、スパッタリングターゲット41を5mm反らせ、そのときに割れが発生したか否かを観察した。その結果、スパッタリングターゲット41Aには割れが発生せず、スパッタリングターゲット41Bには、端部分割ターゲット材において割れが発生した。
Figure 2009249721
Figure 2009249721
本発明のスパッタリングターゲット1の上面図である。 本発明のスパッタリングターゲット1の断面図である。 緩衝板を有しない従来のスパッタリングターゲット21の断面図である。 実施例1〜16で作成したスパッタリングターゲットの断面図である。 耐圧試験の状態を示す概略説明図である。 実施例17で作成したスパッタリングターゲットの断面図である。 比較例4で作成したスパッタリングターゲットの断面図である。 反り試験の状態を示す概略説明図である。
符号の説明
1 スパッタリングターゲット
2 バッキングプレート
3a、3b 緩衝板
4 ターゲット材
4a、4b 端部分割ターゲット材
4c 中央部分割ターゲット材
5 ボンディング材
6 冷却水流通路
7 冷却水流通路入口
8 冷却水流通路出口
21 スパッタリングターゲット
22 バッキングプレート
24 ターゲット材
24a、24b 端部分割ターゲット材
24c 中央部分割ターゲット材
25 ボンディング材
26 冷却水流通路
27 冷却水流通路入口
28 冷却水流通路出口
32 バッキングプレート
33 緩衝板
34 ターゲット材
35 ボンディング材
41 スパッタリングターゲット
42 バッキングプレート
43 緩衝板
44 分割ターゲット材

Claims (9)

  1. ターゲット材と、バッキングプレートと、前記ターゲット材と前記バッキングプレートとの間に設置された少なくとも1枚の緩衝板と、前記ターゲット材、バッキングプレートおよび緩衝板を一体的に接合するボンディング材とを有してなることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  2. 前記ターゲット材が、複数の分割ターゲット材から構成され、該分割ターゲット材の少なくとも1枚の下に、該分割ターゲット材と略同一の平面形状を有する少なくとも1枚の前記緩衝板が積層されている請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
  3. 前記スパッタリングターゲットの表面が略面一となるように、前記複数の分割ターゲット材が配置されている請求項2に記載のスパッタリングターゲット。
  4. 前記緩衝板の材料が前記バッキングプレートの材料と同じである請求項1〜3のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲット。
  5. 前記緩衝板の厚みが0.5〜10mmである請求項1〜4のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
  6. 緩衝板が1枚の場合には、前記ターゲット材と前記緩衝板との間に介在する前記ボンディング材によって形成されるボンディング層の厚みと、前記バッキングプレートと前記緩衝板との間に介在する前記ボンディング材によって形成されるボンディング層の厚みとの合計が0.25〜4.5mmであり、
    緩衝板が2枚以上の場合には、前記ターゲット材と前記緩衝板との間に介在する前記ボンディング材によって形成されるボンディング層の厚みと、前記バッキングプレートと前記緩衝板との間に介在する前記ボンディング材によって形成されるボンディング層の厚みと、前記緩衝板と緩衝板との間に介在する前記ボンディング材によって形成されるボンディング層の厚みとの合計が0.25〜4.5mmである
    請求項1〜5のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
  7. 前記ターゲット材の材料が、粉末冶金により製造された材料である請求項1〜6のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
  8. 前記ターゲット材の材料が、セラミックスである請求項1〜6のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
  9. 前記バッキングプレートが、前記ターゲット材を冷却する冷却水が流通する冷却水流通路を備えている請求項1〜8のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
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