JP2004307491A - ヘパリン類似物質を含有する皮膚外用剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 保湿性成分等を含む皮膚外用剤において、長期保存後もpH上昇その他の品質劣化を防ぐことができ、保湿等の効果を持続できるものを提供する。
【解決手段】ヘパリン類似物質と、リドカインと、アミノアルコールと、さらには、ピロリドンカルボン酸塩を含み、製造時にはpHが中性域に調整されている。好ましくは、尿素や、ビタミンEを含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、皮膚の炎症や疾患、肌荒れ等に対処するための皮膚外用剤に関する。特には、乾燥性疾患等に対処すべく保湿性成分を含む皮膚外用剤に関する。
アトピー性皮膚炎をはじめとする皮膚の乾燥を伴う皮膚疾患や炎症が、近年増加している。また、このような皮膚疾患以外でも、皮脂分泌の少ない乾燥肌の人や、洗い物を行う主婦等の肌荒れ防止や、美容等の目的で、皮膚の角質層における水分を一定水準に保つ必要がある。そのため、グリセリン、尿素、コラーゲン、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウムといった保湿剤成分が皮膚外用剤が配合されて用いられている。
これら保湿剤のうちでも、尿素は、殺菌作用、創傷治癒作用、細胞賦活作用等を有し、保湿性のある成分として化粧品や皮膚外用剤に配合されている。
一方、皮膚の炎症や疾患に対処するために、ヘパリン類似物質(Heparinoid)を皮膚外用剤に配合することも検討されている。ヘパリン類似物質は、抗炎症作用及び血行促進作用を有するとともに、皮膚の角質中における水分保持を助ける作用を有する。そこで、ヘパリン類似物質と尿素とを併用することも提案されている(特許文献1〜2)。
しかしながら、尿素は水の存在下において、酸,アルカリ,熱等により容易に加水分解反応を生じ、二酸化炭素とアンモニアに分解する。このため、水を含有する化粧料に尿素を配合して長期間保存すると、アンモニア臭が発生し、著しく商品価値が損なわれるという欠点がある。ヘパリン類似物質にも多少の尿素安定化効果は認められるが、はなはだ不充分であり、気温の高い夏場では、数カ月の保存後にpHの上昇などの品質劣化が見られることがある。
また、尿素以外の成分についても、経時的な劣化による有効成分の変成や品質劣化が見られることがある。
そこで、例えば、尿素を安定化し、尿素による保湿効果等を長期保存後も持続させるための検討としては、コラーゲン及びその加水分解蛋白質を添加して安定化する方法、多価アルコール,カルボキシビニルポリマー,塩基性物質を添加して安定化する方法、炭化水素,高級アルコール,エーテル型ノニオン界面活性剤を添加して安定化する方法等が提案されている(特許文献3〜5)。
特開2000−143518 特開平3−291207 特公平5−31541号 特公平6−21061号 特公平7−74144号
しかし、上記従来技術によると、保湿効果等の経時安定性が不充分であった。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、保湿性成分等の有効成分を含む皮膚外用剤において、長期保存後もpH上昇その他の品質劣化を防ぐことができ、保湿等の効果を持続することのできる皮膚外用剤を提供しようとするものである。
本発明の皮膚外用剤は、ヘパリン類似物質と、リドカインと、アミノアルコール(アルカノールアミン)とを含むことを特徴とする。また、本発明の皮膚外用剤は、別の態様において、ヘパリン類似物質と、ピロリドンカルボン酸塩とを含むことを特徴とする。
好ましい態様においては、ヘパリン類似物質と、リドカインと、アミノアルコールと、ピロリドンカルボン酸塩とを含む。また、特に好ましい態様においては、保湿効果等に優れた尿素が含まれる。また、好ましくは、ビタミンE及び/またはビタミンAを含む。すなわち、好ましくは、ビタミンE及びビタミンAの一方または両者を含む。
皮膚炎症を治癒または改善する効果に優れ、かつ、保存安定性に優れる。
本発明の皮膚外用剤は、ヘパリン類似物質(Heparinoid)と、特定の保湿性成分とを含む。ヘパリン類似物質は、ムコ多糖の多硫酸エステルであり、日本薬局方外医薬品規格に収載されたものを好適に用いることができる。皮膚外用剤中におけるヘパリン類似物質の含有量は、例えば0.03〜2重量%であり、好ましくは0.1〜0.5重量%である。
第1の態様の皮膚外用剤は、ヘパリン類似物質、リドカイン、及び、少なくとも1種のアミノアルコールを含む。リドカインは、かゆみ止め(鎮痒)効果に優れた局所麻酔剤であり、皮膚の炎症等に対して、ヘパリン類似物質との組み合わせにより優れた治癒効果または炎症改善効果を発揮する。リドカインを配合するにあたっては、そのままの形態、または、塩酸塩、アミノ安息香酸エチル塩等の塩の形態で行うことができる。
一方、好適に使用可能なアミノアルコールとしては、アミノアルコール類がモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン及びトリイソプロパノールアミンが挙げられる。これらの2種以上を組み合わせて用いることもできる。皮膚外用剤中におけるアミノアルコールの含有量は、例えば0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%である。
アミノアルコール類は、たとえばジエタノールアミン及びトリエタノールアミンの水溶液中のpHが10.5〜11.5、トリイソプロパノールアミンのpHが11.2と高いアルカリ性を示す。しかし、皮膚外用剤は、適量の酸等を用いて、製造時にほぼ中性に調整される。pH調整用の酸としては、例えば塩酸が用いられる。
リドカインはpH5〜7で安定であるが、pHを安定させるアミノアルコールを配合することにより、長期保存が可能となっている。すなわち、ヘパリン類似物質及びリドカインを含有する皮膚外用剤に、アミノアルコールを加えてpH初期値を中性に調整することにより、リドカインが安定化され、また、経時的なpHの上昇は抑えられる。製造時におけるpHの初期値は、5.5〜8.0、好ましくは6.0〜7.5、より好ましくは6.5〜7.2に調整される。初期のpH値が高いと尿素の分解が促進される他、皮膚の酸による制菌効果を阻害する。
第2の態様の皮膚外用剤は、リドカイン及びアミノアルコールに代えて、ピロリドンカルボン酸塩を含む。なお、本発明の皮膚外用剤は、好ましくは、リドカイン及びアミノアルコールと、dl-ピロリドンカルボン酸塩との両者を含む。
dl-ピロリドンカルボン酸は塩の形で皮膚中に存在し天然の保湿剤の役割を果たしている。吸湿性で、皮膚や毛髪に湿潤性を示し、柔軟性と弾力性を与える。そのナトリウム塩液のpHは6.8であって、皮膚に優しいだけでなく、ヘパリン類似物質やビタミンA等を安定にする。したがって、ヘパリン類似物質と組み合わされて、乾燥性疾患等の皮膚炎症に対して優れた効果を発揮する。また、上記リドカイン及びアミノアルコールと組み合わさることにより、さらに優れた効果を発揮する。ピロリドンカルボン酸塩の添加量は、ナトリウム塩の場合、例えば0.1〜7重量%、好ましくは0.5〜4重量%である。
本発明の皮膚外用剤には、保湿効果や殺菌効果等を有する尿素を配合することにより、皮膚炎症の治癒や改善のための、より優れた効果を発揮することができる。
本発明の皮膚外用剤には、ビタミンAまたはビタミンEを適宜配合することができ、これら両者を組み合わせて配合することもできる。ビタミンAは、レチノール(ビタミンA1)の他、3−デヒドロレチノール(ビタミンA2)、レチノイン酸(ビタミンA酸)等の形態であっても良い。また、パルミチン酸塩等のカルボン酸塩の形態をはじめ種々の形態をとることができる。一方、ビタミンEは、天然ビタミンや、α―トコフェロール、β―トコフェロール、γ―トコフェロールの他、酢酸トコフェロールやニコチン酸トコフェロール等の誘導体の形態であっても良い。
ビタミンAは、生体の代謝機構を促進することで、皮膚を若々しく保つ等の効果を有する。また、ビタミンEは、血行促進等の作用を行う他、他の有効成分を保護する酸化防止剤ないし劣化防止剤としての作用を行う。
本発明の皮膚外用剤には、さらに、一般に皮膚外用剤に配合される成分、例えば、界面活性剤、油剤、粉体、水溶性高分子、保湿剤、美容成分、薬剤、紫外線吸収剤、染料、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。本発明の皮膚外用剤は、医薬部外品または化粧料として、皮膚疾患治療薬の他にも、スキンケア製品、メーキャップ製品、ヘアケア製品等に用いることができる。
<ローション製造方法>
水層の調製:精製水の全量の65%重量にエデト酸ナトリウムをスターラーで混ぜ溶解し、ヘパリン類似物質、尿素を溶解して、ジイソプロパノールアミンを溶解して、dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液、プロピレングリコールを加えて攪拌して、水層用の溶液とした。
油層の調製:セトステアリルアルコール、ポリオキシベヘニルエーテル(BB−20)、ポリソルベート60を、ホットスータラーを65℃にして融かし、ジブチルヒドロキシトルエン、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、リドカインを加えて溶かし、ミリスチン酸イソプロピル、酢酸トコフェロール、l−メントールを溶かして油層とした。
水層を65℃付近にホットスターラーで加温し、油層を加えて攪拌しながら溶かし、その後徐々に放冷した。冷えてから塩酸を加えて、pH6.7付近に調整し精製水を加えて全量にし、30分間混ぜてプラスチック容器(ポリエチレン製)に充填した。
<ローションの処方、及び評価>
下記表1に示す処方にて、比較例1、及び実施例1〜8のローション液を調製し、保存安定性を評価した。下記の表2には、保存安定性の評価結果をまとめて示す。
保存安定性の評価のためには、40℃、75%RH(相対湿度)の加速試験条件での1カ月、3カ月及び6カ月後における主要有効成分の残存含量、及びpHを測定した。また、適宜、50℃、75%RH(相対湿度)の「苛酷試験」条件での2週間及び4週間後における主要有効成分の残存含量、及びpHを測定した。さらには、適宜、室温6カ月後におけるpHを測定した。
ここで、残存含量測定のための定量は下記のように行った。
ヘパリン類似物質の定量:ヘパリン類似物質4mgに相当する試料を精秤し、酢酸カリウムのメタノール溶液を加えてから、超音波をかけて抽出する。遠心分離して得た残留物を乾固した後、一定量の水を加えて溶かし、試料溶液とする。一方、D−グルクロノラクトンの所定濃度の水溶液を標準溶液とする。そして、試料溶液及び標準溶液を、氷冷した所定濃度の四ホウ酸ナトリウム・硫酸液の上に、層をなすように加える。そして、冷却しつつ混合してから、加熱及び冷却を行った後、所定量のカルバゾール・エタノール液を加えて混合して加熱した後、室温まで冷却する。このように得られた各試料について、吸光度測定を行い、得られた吸光度についての標準溶液との比から定量を行う。
ビタミンA―パルミチテート(パルミチン酸レチノール)の定量:パルミチン酸レチノール2000単位に相当する試料を精秤し、フィトナジオンを内標準溶液として添加しつつ、所定量の2−プロパノールに溶解し、試料溶液とする。そして、液体クロマトグラフ法により、ピーク面積に基づく定量を行う。この際、既知濃度のパルミチン酸レチノールの2−プロパノール溶液であって上記内標準物質を同一濃度含むものを標準溶液とする。すなわち、標準溶液により、該内標準物質のピーク面積に対する、所定濃度のパルミチン酸レチノールのピーク面積を予め求めておく。
リドカインの定量:リドカイン100mgに相当する試料を精秤し、所定量のエタノールを加えた後、超音波をかけて抽出を行う。そして、所定量の抽出液に、塩酸ジフェンヒドラミンのメタノール溶液を内標準溶液として加え、さらにメタノールを加えて試料溶液とする。そして、液体クロマトグラフ法により、ピーク面積に基づく定量を行う。この際、既知濃度のリドカイン−メタノール溶液であって上記内標準物質を同一濃度だけ含むものを標準溶液とする。すなわち、内標準物質のピーク面積に対する所定濃度のリドカインのピーク面積を予め求めておく。
Figure 2004307491
Figure 2004307491
上記表2中、まず、ヘパリン類似物質の残存含量について見ると、測定を行った全ての実施例(1〜6)において、6カ月の加速試験後の残存含量が初期値の95%以上であった。これに対して、アミノアルコール及びピロリドンカルボン酸塩のいずれも配合していない比較例1では、6カ月の加速試験後の残存含量が初期値の88%であった。
次ぎに、リドカインについて見ると、測定を行った全ての実施例(3〜5)において、6カ月の加速試験後の残存含量が初期値の90%以上であった。これに対して、比較例1では、対応する残存含量が初期値の85%であった。一方、ビタミンAの残存含量について見ると、測定を行った全ての実施例(1〜4)において、6カ月の加速試験後の残存含量が初期値の78%以上であったのに対して、比較例1では、対応する残存含量が初期値の69%であった。
pHの安定性について見ると、測定を行った全ての実施例(2〜8)において、6カ月の加速試験後のpHが、8.4以下であった。
上記実施例中、アミノアルコールを配合した実施例と、同様の条件にてアミノアルコールを配合していない実施例とでは、明確な差が見られた。なお、全ての実施例においてピロリドンカルボン酸塩を配合した。
アミノアルコールを1重量%配合した実施例2,4,5及び7においては、6カ月の加速試験後のpHが7.1〜7.8であった。これに対し、アミノアルコールを配合していない他は同様の配合である実施例3及び6では、6カ月の加速試験後のpHが8.35前後であった。また、リドカイン残存含量について見ると、アミノアルコールを配合した実施例4及び5では初期値の95%であったのに対し、アミノアルコールを配合しなかった実施例3では91%であった。
アミノアルコールを配合した実施例5と、同様の条件でアミノアルコールを配合しなかった実施例6とを比較しても、6カ月の加速試験後のpHが、それぞれ、7.7及び8.4であった。同様に、アミノアルコールを配合した実施例7と、配合しなかった実施例8とを比較しても、6カ月の加速試験後のpHが、それぞれ、7.1及び8.3であった。
したがって、ピロリドンカルボン酸塩が比較的多量に含まれる条件でも、アミノアルコールによるpH安定化効果、及びリドカインに対する安定化効果が明瞭に観察された。<クリームの製造方法>
水層の調整:常温下で、精製水の全量の48%重量にエデト酸ナトリウムをスターラーで混ぜ溶解し、ヘパリン類似物質、尿素を溶解して、dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液、プロピレングリコールを加えて攪拌して水層をなす溶液とした。
油層の調製:セトステアリルアルコール及びポリオキシベヘニルエーテルを、ホットスターラーを65℃にして融かし、ジブチルヒドロキシトルエン、ラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピルを加えて溶かし、ミリスチン酸イソプロピル、ビタミンA−パルミテート、酢酸トコフェロール、無水エタノール、l−メントールを溶かして油層とした。
水層を65℃付近にホットスータラーで加温し、油層をくわえて攪拌しながら徐々に冷ましていくと、40℃付近でクリームになった。クリームになってから精製水を加えて全量にし、30分間混ぜて乳化しプラスチックチューブ(ポリエチレン製)に充填した。1N水酸化ナトリウムを添加することにより、pH7.0付近に調整した。
<ゲル製造方法>
調製容器に精製水の全量の60%重量を入れ、65℃付近に加温してから軽く攪拌しながらポリソルベート60、グリセリン、プロピレングリコール(PG)を添加・溶解させた。次にパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、ジブチルヒドロキシトルエン、酢酸トコフェロール、リドカインを加えて溶かした後、自然放冷下でdl-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液、尿素、グリシン及びヘパリン類似物質を溶かした。次いでカルボキシビニルポリマーを徐々に添加して分散膨潤させ、低粘性の溶解液を作成した。最後にトリイソプロパノールアミンを加えてpH6.98のゲルを作製し、プラスチック容器(ポリエチレン製)に充填した。
<クリーム及びゲルの処方及び評価>
下記表3にクリーム及びゲルを製造する処方、及び、評価結果についてまとめて示す。残存含量は、40℃、75%RH(相対湿度)での加速試験条件にて、1カ月、3カ月及び6カ月後に測定を行った結果であり、pHは同一の加速試験条件にて6カ月後に測定を行った結果である。表3の下端部に示す「稠度」とは、JIS規格(JIS K 2220)の混和稠度試験方法によって測定した結果である。また、融点は、日本薬局方の融点測定法の第2法にしたがって測定した結果である。
表3中に示すように、ピロリドンカルボン酸塩を含む参考例1〜2のクリーム試料では、40℃,75%RH(相対湿度)での加速試験条件にて6カ月保持した後に、ヘパリン類似物質の残存含量が初期値の95%以上であり、ビタミンAの残存含量が初期値の86%以上であった。これに対して、比較例2のクリーム試料では、同様の加速試験の後、ヘパリン類似物質の残存含量が初期値の93%であり、ビタミンAの残存含量が初期値の82%であった。
これらの結果から、ピロリドンカルボン酸塩の存在により、顕著な安定化効果が得られたことが知られる。一方、ゲル試料(参考例3)については、製造処方のみを示し具体的な測定データを示さないが、同様の安定化効果が得られている。
Figure 2004307491
<保湿効果の測定>
下表に処方を示すクリーム(検体1〜4)を調製し、保湿効果の測定を行って、その効果を比較した。測定用試料のうち、検体3は、保湿性の薬効成分を含まないプラセボ(placebo)であり、検体4は、本発明の皮膚外用剤に相当する。各検体試料の調製は、上記クレームの製造方法に準じて行った。
Figure 2004307491
保湿効果の測定は、下記のように、電気伝導度の測定により行った。
24〜40才の健常男性6名を被験者とし、左右足膝下の外側部上部と下部の4箇所を試験部位とした。冬季の2週間に25℃50%RHに設定した試験室で、各試験部位に各サンプル0.05gを、朝(9:20)、及び午後(2:20)の2回、10秒間塗布した。塗布開始前[A]と、塗布期間終了3時間後に各試験部位をエタノールで払拭して30分後[B]に、インピーダンスメーター(I.B.S.株式会社製、モデルSKICON-200EX)を用いて各試験部位の電気伝導度(μS)を各3回測定した。なお、電気伝導度の測定値が大きい程、角質層中の水分量が多いことを示す。
保湿効果の評価のためには、まず、次のようにして、各被験者についての有効変化値[D]を求めた。すなわち、保湿成分入りクリームの使用による角質層中の水分量増加についての指標を得た。このようにして得られた測定データを下記表5にまとめて示す。
各試験部位の電気伝導度[B]値―塗布開始前の電気伝導度[A]値
=各試験部位の電気伝導度の変化値[C]
各実施例検体の電気伝導度の変化値[C]―プラセボ(検体3)の電気伝導度の変化値[C]
=有効変化値[D]
Figure 2004307491
また、表5の測定データに基づき、下記表6のように、検体ごとの評価値を求めた。すなわち、各被験者についての有効変化値[D]について、10μSごとにクラス分けして表6の左半部に示すような点数をつけ、その総和でもって検体ごとの評価値を算出した。
Figure 2004307491
表6の評価結果から明らかなごとく、プラセボに比較して検体1、2および4の保湿効果を認めた。その効果は、検体1(尿素、トコフェロール及びピロリドン酸ナトリウム配合処方)<検体2(ヘパリン類似物質と尿素配合処方)<検体4(ヘパリン類似物質、尿素、トコフェロール及びピロリドン酸ナトリウム配合処方)と、順に大きくなった。特には、本発明の皮膚外用剤に相当する検体4のクリームが、他の検体に比べて顕著な保湿効果を示した。

Claims (5)

  1. ヘパリン類似物質と、リドカインと、アミノアルコールとを含むことを特徴とする皮膚外用剤。
  2. ピロリドンカルボン酸塩を含むことを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤。
  3. ヘパリン類似物質と、ピロリドンカルボン酸塩とを含むことを特徴とする皮膚外用剤。
  4. 尿素を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚外用剤。
  5. ビタミンE及び/またはビタミンAを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の皮膚外用剤。
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