JP2004307054A - 蓋付容器 - Google Patents

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Hozumi Kiyota
穂積 清田
Kensho Narita
憲昭 成田
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Abstract

【課題】容器本体を左手で持って、右手でポップコーンを摘み出して食するに際して、この右手で蓋体を支えなければならず面倒である。
【解決手段】蓋体30をヒンジ15を介して回動して、この蓋体30を略直立状態にした場合に、蓋側摩擦プレート部38を2枚の容器側摩擦プレート部19間に入り込ませて、楔作用で容器側摩擦プレート部19間を押し広げて、蓋側摩擦プレート部38を容器側摩擦プレート部19に摩擦接触させる構成であり、蓋側摩擦プレート部38と、この蓋側摩擦プレート部38を挟む容器側摩擦プレート部19との間の摩擦力の発生により、蓋体30から指を離しても、蓋体30が、その回動位置に保持されて自立するようにしたものである。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、ポップコーンを入れたポップコーン用容器のような蓋付容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、蓋付容器としては容器本体のヒンジを介して蓋体を取付けた構成であり、容器本体内に入れた収容物が、例えば、ポップコーンのような食物である場合、蓋体をヒンジを介して回動して、この蓋体に手を添えて容器本体の口部を開けた状態にして容器本体内のポップコーンを摘み出して食するようになる。
【0003】
なお、従来のポップコーン用容器としては、紙を主材料とするシートによって形成されたカップ状の容器本体と、この容器本体の開口縁部に装着される合成樹脂製の蓋体とから成り、容器本体の開口縁部は外側に巻込まれて成るカール部を有し、蓋体の周璧部の段部がカール部に係合されて蓋体が容器本体の開口縁部に装着され、しかも蓋体の周璧部の段部には外周側へ突出してカール部との間に空気の通路を形成する膨出部が円周方向に沿って間欠的に複数設けられているものがある(特許文献1参照)。
【0004】
このポップコーン用容器の場合、容器内に例えば食用油脂がまぶされた処理コーンを収納して供給される。このようなポップコーンは容器に入ったままの状態で電子レンジで加熱される。このときのポップコーンの発泡に伴う内圧の増加に伴い、段部に設けられている膨出部によって形成される空気の通路を通して内部の空気が外に排出され、内圧の増加を吸収することになる。従って、これにより、蓋体が外れることがなく、電子レンジによる加熱に支障を生じなくなる。
【0005】
そして、所定時間の加熱を行って、ポップコーンを十分に発泡させたならば、その後、電子レンジから容器を取り出して、蓋体を取り外すことによってポップコーンを食する。
【0006】
【特許文献1】
実用新案公開平07−040551号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したように蓋付容器の場合には、蓋体をヒンジを介して回動して、この蓋体に手を添えて容器本体の口部を開けた状態にして容器本体内のポップコーンを摘み出して食するようになり、容器本体を左手で持って、右手でポップコーンを摘み出して食するに際して、この右手で蓋体を支えなければならず、面倒であるという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記の問題点に着目して成されたものであって、その目的とするところは、蓋体に手を添えることなく、容器本体の口部を開けた状態にして容器本体内の収容物(例えばポップコーン)を摘み出すことができる蓋付容器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る蓋付容器は、容器本体と、この容器本体にヒンジを介して開閉可能に設けられた蓋体とより構成された蓋付容器であって、蓋体をヒンジを支点として所定の角度に回動した状態で、この蓋体を自立させる蓋姿勢制御手段を備えたものである。
【0010】
かかる構成により、蓋体をヒンジを介して回動して、この蓋体が所定の角度に起立すると、蓋体が蓋姿勢制御手段より、その回動位置に保持されて自立するようになる。従って、容器本体内に入れた収容物が、例えば、ポップコーンのような食物である場合、蓋体をヒンジを介して回動して、この蓋体に手を添えることなく、容器本体の口部を開けた状態にして容器本体内のポップコーンを摘み出して食することができる。
【0011】
また、本発明に係る蓋付容器は、上記した本発明に係る蓋付容器において、蓋姿勢制御手段が、蓋体の回動により移動する突起部と、蓋体の回動時に、突起部が摩擦接触する摩擦接触部とで構成されている。
【0012】
かかる構成により、蓋体をヒンジを介して回動して、この蓋体が所定の角度に起立すると、突起部が摩擦接触部に摩擦接触する。このために、突起部と摩擦接触部との間に摩擦力が発生して、この蓋体から指を離しても、蓋体は、その回動位置に保持されて自立する。従って、容器本体内に入れた収容物が、例えば、ポップコーンのような食物である場合、蓋体をヒンジを介して回動して、この蓋体に手を添えることなく、容器本体の口部を開けた状態にして容器本体内のポップコーンを摘み出して食することができる。
【0013】
また、本発明に係る蓋付容器は、上記した本発明に係る蓋付容器において、突起部は、蓋体に設けられた蓋側摩擦プレート部であり、摩擦接触部は、容器本体に設けられた2枚の容器側摩擦プレート部の互いに対向する壁部であり、蓋側摩擦プレート部は、その先端部から基部に至るにしたがって、その厚さが順次厚くなるテーパを有しており、蓋体の所定の角度の回動時に、蓋側摩擦プレート部が容器側摩擦プレート部間に入り込んで、楔作用で容器側摩擦プレート部間を押し広げて、蓋側摩擦プレート部が容器側摩擦プレート部に摩擦接触するものである。
【0014】
かかる構成により、蓋体をヒンジを介して回動して、この蓋体が所定の角度に起立すると、蓋側摩擦プレート部が2枚の容器側摩擦プレート部間に入り込んで、楔作用で容器側摩擦プレート部間を押し広げて、蓋側摩擦プレート部が容器側摩擦プレート部に摩擦接触する。このために、蓋側摩擦プレート部と、この蓋側摩擦プレート部を挟む容器側摩擦プレート部との間に摩擦力が発生して、この蓋体から指を離しても、蓋体は、その回動位置に保持されて自立する。従って、容器本体内に入れた収容物が、例えば、ポップコーンのような食物である場合、蓋体をヒンジを介して回動して、この蓋体に手を添えることなく、容器本体の口部を開けた状態にして容器本体内のポップコーンを摘み出して食することができる。
【0015】
また、本発明に係る蓋付容器は、上記した本発明に係る蓋付容器において、容器本体内にポップコーンを入れるようにしたものである。
【0016】
かかる構成により、蓋体をヒンジを介して回動して、この蓋体が所定の角度に起立すると、この蓋体から指を離しても、蓋体は、その回動位置に保持されて自立するようになるために、蓋体に手を添えることなく、容器本体内のポップコーンを摘み出すことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
本発明に係る蓋付容器は、容器本体1と、この容器本体1に設けられた取手部材21と、容器本体1に開閉可能に設けられた蓋体30とより構成してある。
【0019】
容器本体1は、底部1Aと、この底部1Aの周縁部に立上げられた周壁部1Bとを有していて、これらで上方に開口する収容空間2を形成している。そして、図5及び図6に示すように、周壁部1Bの一部は平坦な後面部3にしてあり、この後面部3に対する前面部4と左、右面部5、6とは連続した湾曲面に形成してあり、後面部3の中心から前面部の中心を通る中心線イに対して左右対称になっている。
【0020】
そして、容器本体1の口部7の周部には、図4に示すように、周壁部1Bと段部8を介して連なる開口周壁部9が形成してあり、この開口周壁部9の周縁部は蓋受け部10にしてあり、この蓋受け部10は開口周壁部9と段部11を介して連なっていて、段部11の外周部には蓋係止部にしてある。
【0021】
容器本体1の左、右面部5、6には、その開口周壁部9側に位置させて、支承孔形成部13が相対向するようにして形成してあり、これらの支承孔形成部13には支承孔14が形成してある。
【0022】
また、容器本体1の後面部3の左右対称位置には、その開口周壁部9側に位置させて、蓋取付用のヒンジ15が設けてある。
【0023】
これらのヒンジ15は、後壁部3から開口周壁部9にかけて一対の突片17を突設して、これらの突片17でヒンジ軸部18を保持した構成である。
【0024】
また、図6に示すように、開口周壁部9には、ヒンジ15の一対の突片17間に位置させて2枚の容器側摩擦プレート部19が突設してある。これらの容器側摩擦プレート部19は上下方向に向けてあって、互いに平行している。そして、2枚の容器側摩擦プレート部19の相対向する壁部が摩擦接触部にしてある。
【0025】
取手部材21は略半円弧形状の部材本体21Aの両端部にヒンジピン部22を突設して構成してある。
【0026】
そして、この取手部材21は、そのヒンジピン部22を支承孔14に回転可能に支承することで容器本体1に取付けてある。
【0027】
蓋体30は、図4、図7及び図8に示すように、容器本体1の口部7の形状に倣う蓋本体31を有しており、この蓋本体31の周部には、この蓋本体31と段部31Aを介して連なる蓋周壁部32が形成してあり、この蓋周壁部32の一部は直線状の後側部33にしてあり、段部31Aの内面が当り部31Bにしてある。
【0028】
そして、前側部34の蓋周壁部32には、その外側に摘み部34が突設してあり、その内側に係止部35が形成してある。
【0029】
また、後側部33の蓋周壁部32の左右対称位置には蓋側ヒンジ部36が突設してある。これらの蓋側ヒンジ部36は、上方向に開放した側面U字形状の溝部37から構成してある。
【0030】
そして、蓋側ヒンジ部36には溝部37の開放方向(上方向)とは反対方向(下方向)に突起部である蓋側摩擦プレート部38が突設している。この蓋側摩擦プレート部38は、その先端部から基部に至るにしたがって、その厚さが順次厚くなるテーパ形状にしてある。
【0031】
そして、蓋体30の蓋側ヒンジ部36を、ヒンジ15の一対の突片17間に上から挿入して、蓋体30を容器本体1側に倒すことで、蓋側ヒンジ部36の溝部37を下からヒンジ軸部18に合致させることで、蓋体30が容器本体1に回動可能に且つ着脱可能に取付けてある。
【0032】
そして、蓋体30が、その当り部31Bを容器本体1の蓋受け部10に接した状態で、この容器本体1の口部7を閉じており、この場合、蓋周壁部32の内側の係止部35が容器本体1の蓋係止部である段部11に係脱可能に係止している。
【0033】
そして、上記したように蓋体30が容器本体1の口部7を閉じた状態では、図3に示すように、蓋側ヒンジ部36に設けられた蓋側摩擦プレート部38は2枚の容器側摩擦プレート部19間に挿入されていない。
【0034】
そして、2枚の容器側摩擦プレート部19と蓋側摩擦プレート部38とで蓋姿勢制御手段を構成している。
【0035】
次に、上記のように構成された蓋付容器における蓋体30の開閉動作を説明する。
【0036】
摘み部34に指を引っ掛けて蓋体30を上方向に引くことで、この蓋体30の係止部35を容器本体1の段部11から外し、蓋体30をヒンジ軸部18を支点にして後方に回動させることにより容器本体1の口部7を開ける。
【0037】
この場合、蓋体30を後方に回動すると、蓋側摩擦プレート部38の先端部が2枚の容器側摩擦プレート部19間に入り込み、楔作用で蓋側摩擦プレート部38が2枚の容器側摩擦プレート部19の隙間20を押し広げる。このために、蓋側摩擦プレート部38の壁部と、この蓋側摩擦プレート部38を挟む容器側摩擦プレート部19の壁部との間に摩擦力が発生して、この蓋体30から指を離しても、蓋体30は、その回動位置である略直立状態に保持されて、自立するようになる。
【0038】
また、蓋体30を、その略直立状態の位置から前方に指で回動させると、蓋側摩擦プレート部38が容器側摩擦プレート部19間から外れるために、上記した摩擦力がなくなり、蓋体30は容器本体1側に倒れて、その当り部31Bが容器本体1の蓋受け部10に接し、この容器本体1の口部7が閉ざされる。この状態で、摘み部34を指で押すことで係止部35を容器本体1の段部11に係脱可能に係止する。
【0039】
上記したように、本発明の実施の形態によれば、蓋体30をヒンジ15を介して回動して、この蓋体30が略直立状態になると、蓋側摩擦プレート部38が2枚の容器側摩擦プレート部19間に入り込んで、楔作用で容器側摩擦プレート部19間を押し広げて、蓋側摩擦プレート部38が容器側摩擦プレート部19に摩擦接触する。このために、蓋側摩擦プレート部38と、この蓋側摩擦プレート部38を挟む容器側摩擦プレート部19との間に摩擦力が発生して、この蓋体30から指を離しても、蓋体30は、その回動位置に保持されて自立する。
【0040】
従って、容器本体1内に入れた収容物が食物である場合、蓋体30をヒンジ15を介して回動して、この蓋体30に手を添えることなく、容器本体1の口部7を開けた状態にして容器本体1内の食物を摘み出して食することができる。
【0041】
上記のように構成された蓋付容器は、その収容空間2にポップコーンを入れたポップコーン収容用容器に使用される。
【0042】
この場合、蓋体30が略直立状態で自立するために、この蓋体30に手を添えることなく、収容空間2内のポップコーンを摘み出すことができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る蓋付容器によれば、容器本体内に入れた収容物が、例えば、ポップコーンのような食物である場合、蓋体をヒンジを介して回動して、この蓋体に手を添えることなく、容器本体の口部を開けた状態にして容器本体内のポップコーンを摘み出して食することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蓋付容器において蓋体を閉じた状態の斜視図である。
【図2】同蓋付容器において蓋体を開けた状態の斜視図である。
【図3】同蓋付容器において蓋体を閉じた状態での縦断面図である。
【図4】同蓋付容器において蓋体を開いた状態での縦断面図である。
【図5】同蓋付容器における容器本体の平面図である。
【図6】同容器本体の底面図である。
【図7】同蓋付容器における蓋体の平面図である。
【図8】同蓋体の側面図である。
【符号の説明】
1 容器本体
11 段部(蓋係止部)
15 ヒンジ
19 容器側摩擦プレート部(摩擦接触部)(蓋姿勢制御手段)
30 蓋体
38 蓋側摩擦プレート部(突起部)(蓋姿勢制御手段)

Claims (4)

  1. 容器本体と、この容器本体にヒンジを介して開閉可能に設けられた蓋体とより構成された蓋付容器であって、
    前記蓋体を前記ヒンジを支点として所定の角度に回動した状態で、この蓋体を自立させる蓋姿勢制御手段を備えたことを特徴とする蓋付容器。
  2. 前記蓋姿勢制御手段が、前記蓋体の回動により移動する突起部と、前記蓋体の回動時に、前記突起部が摩擦接触する摩擦接触部とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の蓋付容器。
  3. 前記突起部は、前記蓋体に設けられた蓋側摩擦プレート部であり、前記摩擦接触部は、前記容器本体に設けられた2枚の容器側摩擦プレート部の互いに対向する壁部であり、
    前記蓋側摩擦プレート部は、その先端部から基部に至るにしたがって、その厚さが順次厚くなるテーパを有しており、
    前記蓋体の所定の角度の回動時に、前記蓋側摩擦プレート部が前記容器側摩擦プレート部間に入り込んで、楔作用で前記容器側摩擦プレート部間を押し広げて、前記蓋側摩擦プレート部が前記容器側摩擦プレート部に摩擦接触することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蓋付容器。
  4. 前記容器本体内にポップコーンを入れるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかの一に記載の蓋付容器。
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