JP2004304951A - モータアクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ブラシのパターン導体に対する接触状態の安定性を保持しながら耐久性を向上させることができ、且つ、低コスト化を図ることができるモータアクチュエータを提供する。
【解決手段】モータアクチュエータ1は、モータにより回転する歯車機構30と、歯車機構30とともに回動するパターン基板40と、パターン基板40に摺接するブラシ55,56,57とを備える。ブラシ55,56,57のパターン基板40側部に、ブラシ55,56,57の反パターン基板40側部よりも熱膨張係数の小さい板部材61,62,63をそれぞれ設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】モータアクチュエータ1は、モータにより回転する歯車機構30と、歯車機構30とともに回動するパターン基板40と、パターン基板40に摺接するブラシ55,56,57とを備える。ブラシ55,56,57のパターン基板40側部に、ブラシ55,56,57の反パターン基板40側部よりも熱膨張係数の小さい板部材61,62,63をそれぞれ設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータアクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、モータアクチュエータとして、モータにより回転する歯車に、歯車とともに回動するパターン導体が設けられており、このパターン導体に複数のブラシが摺接される構成のものがある。この構成により、ブラシがパターン導体に摺接することで回路が導通してモータが駆動され、パターン導体とともにパターン基板に設けられた絶縁部にて回路が遮断されてモータが所定位置で停止される(特許文献1参照)。例えば、上記のモータアクチュエータが自動車エアコン用に用いられる場合、当該アクチュエータの出力軸とダンパとが連結され、モータの駆動及び停止に対応してダンパが開閉される。
【0003】
上記のモータアクチュエータにおいて、ブラシが回動するパターン導体に対して摺接するため、その接点部が摩耗するという問題があった。そこで、パターン導体とブラシとの間に発生する摩擦力を軽減させるために、ブラシの前記接点部の接触圧をできるだけ低下させたモータアクチュエータが提案されている。しかし、そうすると、高温多湿雰囲気下において、ブラシのパターン導体に対する接触状態が不安定となるという問題があった。そこで、ブラシのパターン導体に対する接触圧をできるだけ低下させるとともに、ブラシのパターン導体に対する接点部に接触安定性のある金を用いていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平9―219957号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高温時にブラシの接触圧が安定するようにブラシのパターン導体に対する接触圧を設定すると、常温時においてはこの接触圧は必要以上の大きさとなり、ブラシはそれにともない摩耗するため、寿命が短いという問題があった。また、各ブラシのパターン導体に接触する部分に金を用いると、金が高価であるためコストアップを招くという問題があった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、ブラシのパターン導体に対する接触状態の安定性を保持しながら耐久性を向上させることができ、且つ、低コスト化を図ることができるモータアクチュエータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、モータにより回転する歯車と、前記歯車とともに回動するパターン導体と、前記パターン導体に摺接するブラシとを備えたモータアクチュエータにおいて、前記ブラシの前記パターン導体側部を、該ブラシの反パターン導体側部に対して熱膨張係数の小さい低膨張部としたことを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、ブラシのパターン導体側部をブラシの反パターン導体側部に対して熱膨張係数の小さい低膨張部としたため、ブラシが熱膨張するとパターン導体側部よりも反パターン導体側部の方が大きく膨張し、低膨張部が設けられた部分において、ブラシは両端側がパターン導体側に向かって湾曲変形する(バイメタル効果)。このため、ブラシのパターン導体に対する接触圧は、ブラシが熱膨張したときのみ上昇される。従って、ブラシが熱膨張していないときは、ブラシとパターン導体との間に発生する摩擦力を抑制して摩耗を軽減し、耐久性を向上させることができる。そして、ブラシが熱膨張したときは、ブラシのパターン導体に対する接触圧の上昇により、ブラシとパターン導体との接触状態の安定性を確保することができる。また、ブラシにおいてパターン導体側部を低膨張部とした構成であるため金等の高価な材料を用いる必要はなく、低コスト化を図ることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、モータにより回転する歯車と、表面に円周方向に延びる抵抗部が形成された、前記歯車とともに回動するパターン導体と、前記パターン導体に摺接するブラシとを備えたモータアクチュエータにおいて、前記ブラシの前記パターン導体側部を、該ブラシの反パターン導体側部に対して熱膨張係数の小さい低膨張部としたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、ブラシのパターン導体側部をブラシの反パターン導体側部に対して熱膨張係数の小さい低膨張部としたため、ブラシが熱膨張するとパターン導体側部よりも反パターン導体側部の方が大きく膨張し、この部分においてブラシは両端側がパターン導体側に向かって湾曲変形する(バイメタル効果)。このため、ブラシのパターン導体に対する接触圧をブラシが熱膨張したときのみ上昇させることができる。従って、ブラシが熱膨張していないときは、ブラシとパターン導体との間に発生する摩擦力を抑制して摩耗を軽減し、耐久性を向上させることができる。そして、ブラシが熱膨張したときは、ブラシのパターン導体に対する接触圧の上昇により、ブラシとパターン導体との接触状態の安定性を確保することができる。また、ブラシにおいてパターン導体側部を低膨張部とした構成であるため金等の高価な材料を用いる必要はなく、低コスト化を図ることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2において、前記パターン導体側部を前記ブラシを形成する材料と異なる材料で形成したことを特徴とする。
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、ブラシのパターン導体側部を、ブラシを形成する材料と異なる材料で形成したため、ブラシにおいてパターン導体側部にブラシよりも熱膨張係数の小さい低膨張部が設けられる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2において、前記反パターン導体側部を前記ブラシを形成する材料と異なる材料で形成したことを特徴とする。
請求項4の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、ブラシの反パターン導体側部を、ブラシを形成する材料と異なる材料で形成したため、ブラシにおいて反パターン導体側部にブラシよりも熱膨張係数の大きい部分が設けられる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項において、前記パターン導体側部と反パターン導体側部のうちいずれか一方をブラシ本体部の一部分とし、他方を板部材として、該板部材を前記ブラシ本体部に接続して前記ブラシを構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明によれば、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、ブラシ本体部に板部材を接続することで、ブラシを構成することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項において、前記ブラシは、先端側に前記パターン導体に摺接する接点部が設けられ、前記パターン導体側部及び反パターン導体側部は、前記ブラシが固定された基端側に形成され、該パターン導体側部及び反パターン導体側部よりも先端側に、先端側を前記パターン導体側に屈曲させる屈曲部を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載のモータアクチュエータ。
【0016】
請求項6の発明によれば、請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、ブラシが熱膨張すると、ブラシの熱膨張による湾曲変形は基端側に規制されて先端側のみが変形されるため、ブラシのパターン導体に対する接触圧を効率よく上昇させることができる。また、ブラシの屈曲部よりも基端側は、ブラシが固定される基端側に支持されているため、屈曲部よりも先端側と比較して可撓性が低い。このため、ブラシが熱膨張していない状態において、屈曲部よりも基端側に板部材を設けてもブラシのパターン導体に対する接触圧に影響が出にくく、ブラシのパターン導体に対する接触圧を変化させずに低膨張部を任意の大きさとすることができる。つまり、ブラシが熱膨張したときのブラシのパターン導体に対する接触圧を、ブラシが熱膨張していないときのブラシのパターン導体に対する接触圧を変動させることなく調整することが可能であり、ブラシの構造設計を容易にすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、例えば、車両用エアコンのダンパ制御を行うモータアクチュエータ1に具体化した実施形態を、図1乃至図5を参照して説明する。図1は本実施形態のモータアクチュエータ1の分解斜視図であり、図2は図1の部分拡大図である。また、図3はモータアクチュエータの部分断面図、図4は作用を説明するモータアクチュエータの部分断面図である。また、図5はパターン導体を説明する平面図である。
【0018】
図1に示すように、モータアクチュエータ1は、ハウジング10に、モータ20と、歯車としての歯車機構30と、パターン導体としてのパターン基板40と、ブラシ55,56,57が設けられた導電ユニット50とが収容されて構成されている。
【0019】
ハウジング10は、モータ20、歯車機構30、パターン基板40及び導電ユニット50が取り付けられるケース部11と、ケース部11を覆うカバー部12とを備える。
【0020】
ケース部11は、モータ20が固定されるモータ取付部11aと、歯車機構30が固定される2つの取付部11b及びボス11dと、導電ユニット50が固定される取付突起11cとが形成されている。また、ケース部11に導電ユニット50が固定された状態において、導電ユニット50に設けられた複数のコネクタピン54が配設されるコネクタ部15aが設けられている。そして、ケース部11の外周側面には、カバー部12と係合するための複数の係合突起13aと、モータアクチュエータ1を車両本体に取り付けるための4つの取付部14aとが設けられている。
【0021】
カバー部12は、ケース部11のボス11dと対向する位置に、出力穴12aが形成されている。また、ケース部11のコネクタ部15aに対向する位置に、コネクタ部15bが設けられている。コネクタ部15bは、ケース部11のコネクタ部15aとともに、ハウジング10内部と外部とを連通させる矩形状の開口部を形成する。この開口部は、外部との電気的接続を行うプラグを差し込むジャックとされる。そして、カバー部12の外周側面の、ケース部11の係合突起13aと対向する位置には、係合突起13aと係合する係合片13bが設けられている。それぞれの係合突起13aと係合片13bとが係合されて、ケース部11とカバー部12とが一体とされ、ハウジング10が形成される。また、カバー部12の、ケース部11に設けられた取付部14aと対向する位置には、取付部14bが設けられている。取付部14bは、ケース部11の取付部14aと重ねられた状態で、ネジが貫通されて車両本体に固定される。
【0022】
モータ20は、一端側にはモータ20の回転を出力する出力軸23が設けられ、他端側には電源と接続される端子21,22が突出されている。モータ20は、ケース部11のモータ取付部11aに固定される。
【0023】
歯車機構30は、ウォーム31と、減速歯車32,33と、出力歯車34とが連結されて構成されている。ウォーム31は、モータ20の出力軸23に取り付けられており、モータ20とともに回転する。減速歯車32は、大径歯車32aと小径歯車32bとが一体的に形成されており、回転中心には貫通孔32cが形成されている。減速歯車32は、貫通孔32cがケース部11の取付部11bに挿通されて固定される。また、減速歯車33は、大径歯車33aと小径歯車33bとが一体的に形成されており、回転中心には貫通孔33cが形成されている。減速歯車33は、貫通孔33cがケース部11の取付部11bに挿通されて固定される。出力歯車34は、回転軸35が一体的に構成されており、回転軸35の一端側はケース部11のボス11dに固定され、他端側はカバー部12の出力穴12aからハウジング10の外部に突出される。
【0024】
歯車機構30は、ハウジング10に固定された状態において、ウォーム31と小径歯車32bとが噛合され、大径歯車32aと小径歯車33bとが噛合され、更に、大径歯車33aと出力歯車34とが噛合される。これにより、モータ20の回転は、ウォーム31を介して減速歯車32に伝達され、減速歯車32から減速歯車33に伝達され、更に、減速歯車33から出力歯車34に伝達される。このように、モータ20により出力歯車34が回転し、出力歯車34の回転はハウジング10の出力穴12aから突出された回転軸35により外部に出力される。なお、図示は省略するが、ハウジング10から突出された回転軸35の端部にはダンパが連結される。
【0025】
パターン基板40は、出力歯車34の一方の面に固定されており、出力歯車34とともに回動する。図5に示すように、パターン基板40は、外周縁付近にリング状に形成された導体部41と、導体部41の内周側にリング状に形成された導体部43と、導体部41と導体部43との間に形成された抵抗部42とを備える。抵抗部42は、導体部41,43と比較して抵抗値が高く抵抗器となるものであり、パターン基板40の円周方向に延びるように形成されている。抵抗部42は、導体部41の内周方向に突出して形成された突出部41aと、導体部43の外周方向に突出して形成された突出部43aとの間に設けられており、長手方向の両端にて突出部41aと突出部43aとに電気的に接続されている。このパターン基板40には、導電ユニット50に設けられたブラシ55,56,57に摺接される。ブラシ55,56,57がパターン基板40に摺接されて、制御部70に接続される。
【0026】
図1に示すように、導電ユニット50は、ブラシ55,56,57及び複数のコネクタピン54が設けられた保持部51が、取付部52に固定されて形成されている。また、取付部52には、2つの給電端子53が設けられている。取付部52には取付穴52aが形成されており、取付穴52aがケース部11の取付突起11cを挿通させた状態で固定され、導電ユニット50はケース部11に取り付けられる。導電ユニット50がケース部11に固定されると、ブラシ55,56,57はそれぞれパターン基板40に摺接する。また、複数のコネクタピン54は、ハウジング10のコネクタ部15a,15bにより形成された開口部に配設され、外部から接続可能とされる。これにより、ブラシ55,56,57は、コネクタピン54を介して外部電源(図示せず)と接続される。また、2つの給電端子53は、モータ20の端子21,22に接続される。
【0027】
図3に示すように、保持部51は、ブラシ55(56,57)を貫通させて保持する第1保持部51aと、複数のコネクタピン54を保持する第2保持部51bとを備える。そして、コネクタピン54は、ブラシ55(56,57)と電気的に接続されている。なお、保持部51は、絶縁樹脂により形成されている。
【0028】
ここで、ブラシ55,56,57について詳述する。
図2に示すように、ブラシ55,56,57は、それぞれブラシ本体部55X,56X,57Xと、ブラシ本体部55X,56X,57Xに固着された低膨張部としての板部材61,62,63とを備える。板部材61,62,63は、ブラシ本体部55X,56X,57Xを形成する材料よりも低い熱膨張係数を有する材料で形成されている。この板部材61,62,63は、ブラシ55,56,57が固定されている基端側(第1保持部51a側)に設けられている。また、各ブラシ本体部55X,56X,57Xの先端部には、パターン基板40に摺接する接点部55c,56c,57cがそれぞれ形成されている。ブラシ55の接点部55cは導体部41に、ブラシ56の接点部56cは抵抗部42に、ブラシ57の接点部57cは導体部43に摺接する(図5参照)。
【0029】
図3に示すように、ブラシ55のブラシ本体部55Xは、第1保持部51a内部にて固定された基端部55aから水平方向に突出され、屈曲部55bにてパターン基板40側に屈曲されている。ブラシ本体部55Xにおいて、基端部55aと屈曲部55bとの間を固定部55Yとし、屈曲部55bよりも先端側(接点部55c側)を先端部55Zとする。ブラシ55を構成する板部材61は、固定部55Yのパターン基板40側に固着されている。また、ブラシ本体部55Xの基端部55aよりも反接点部55c側が第1保持部51aから突出されて、コネクタピン54と電気的に接続される。
【0030】
ここで、ブラシ本体部55Xにおいて、板部材61は屈曲部55bよりも基端側の固定部55Yに固着されている。固定部55Yは、基端側が基端部55aに固定されて支持されるため、先端部55Zと比較して可撓性が低い。つまり、先端部55Zは、基端部が固定部55Yの先端部とされるため、その可撓性は固定部55Yと比較して高くなる。従って、ブラシ本体部55X及び板部材61が熱膨張していない状態において固定部55Yに板部材61を設けても、固定部55Y(ブラシ本体部55X)はあまり撓んで変形することがなく、板部材61を設けていないときと比較して接点部55cにおけるパターン基板40への接触圧はあまり変化しない。なお、ブラシ56及びブラシ57も、上記ブラシ55と同様の構成とされている。
【0031】
〔実施形態の作用〕
次に、上記のモータアクチュエータ1の作用について説明する。
上記のモータアクチュエータ1において、回転軸35の当該モータアクチュエータ1から突出する部分は出力軸とされ、ダンパ(図示せず)が連結されている。そして、回転軸35によりダンパを駆動し、デフロスタ用ダクト、又は冷暖房用ダクトに切換え、且つ、この冷暖房ダクトを、上方の吹出口又は下方の吹出口のいずれかに切換えられるように構成されている。なお、モータアクチュエータ1によりダンパを駆動させるには、モータアクチュエータ1の回転の運動を揺動運動に変える必要があるが、そのための機構は公知であるためその説明を省略する。
【0032】
上記の構成のモータアクチュエータ1において、パターン基板40にブラシ55,56,57が摺接される。すると、図5に示すように、ブラシ55の接点部55cは導体部41に摺接して制御部70の端子71に接続され、ブラシ56の接点部56cは抵抗部42に摺接して制御部70の端子72に接続され、ブラシ57の接点部57cは導体部43に摺接して制御部70の端子73に接続される。制御部70では、端子71と端子72と端子73との間に一定の電圧が印加するとともに、端子71と端子72との間の電圧を検出して記憶する。この構成により、接点部56cの位置によって、接点部55cと接点部56cとの間の抵抗値が変わり、この間に現れる電圧が変化する。即ち、接点部55cと接点部56cとの間の抵抗値は、接点部56cが突出部41aに近づくほど小さくなり、接点部56cが突出部43aに近づくほど大きくなる。こうして、制御部70は、検出された電圧によって、パターン基板40が設けられた出力歯車34、即ち回転軸35の回動位置を検出する。そして、こうして検出された回転軸35の回動位置に対応して、ダンパの開閉状態が判定される。
【0033】
制御部70は、コントローラ部(図示せず)にて設定された温度に対応するダンパの開閉状態を判断し、これに対応する回転軸35の回転位置を判断する。そして、これに対応する接点部56cの位置を判断し、これに対応して接点部55cと接点部56cとの間に現れるべき電圧を演算設定する。そして、制御部70は、この電圧が現れる方向にパターン基板40を回動させるために、端子74と端子75との間に所定の電圧を印加してモータ20を駆動する。その後、接点部55cと接点部56cとの間に実際に現れた電圧と、ダンパの開閉状態に対応して設定された電圧とが一致すれば、制御部70は電源の供給を停止してモータ20を停止させる。このように、モータアクチュエータ1を自動車のエアコン用に適用すれば、温度設定をすることで、回転軸35を任意の回転位置で停止させ、ダンパを所定の開閉状態とするようにモータ20を駆動させることができる。
【0034】
ブラシ55,56,57の温度変化に対応する動作について説明する。
ブラシ55,56,57が熱膨張していない状態においてはブラシ55,56,57のパターン基板40に対する接点部55c,56c,57cの接触圧は、図5に示す導体部41、抵抗部42及び導体部43に対して摺接可能な範囲で、できるだけ低く設定されている。なお、以降の説明においては、この状態を「低温状態」という。
【0035】
そして、モータアクチュエータ1が高温雰囲気下におかれると、ブラシ55,56,57が熱膨張する。なお、以降の説明においては、この状態を「高温状態」という。このとき、板部材61,62,63はブラシ本体部55X,56X,57Xよりも低い熱膨張係数を有する材料で形成されているため、ブラシ本体部55X,56X,57Xは板部材61,62,63が設けられた部分において、両端部がパターン基板40側に湾曲しようとする。
【0036】
このとき、図3に示すように、ブラシ55において、板部材61はブラシ本体部55Xの固定部55Yに設けられているため、固定部55Yの基端部55aは固定されて動作を拘束され、屈曲部55b側のみが変形する。そして、図4に示すように、高温状態においては、ブラシ55の先端部55Zは、低温状態の位置(図中二点鎖線で示す位置)からパターン基板40側に回動される。これにより、高温状態においては、ブラシ55の接点部55cはパターン基板40に押し付けられ、低温状態のときよりも大きな接触圧でパターン基板40を押圧することとなる。このように、ブラシ本体部55Xに板部材61が設けられることで、高温状態となったときのみ、ブラシ55のパターン基板40に対する接触圧を低温状態のときよりも大きくすることができる。なお、ブラシ56,57も上記ブラシ55と同様の動作をする。
【0037】
ところで、高温多湿雰囲気下においては、接点部55c,56c,57cのモータ20の表面に対する接触状態が不安定となる。仮に、接点部55c,56c,57cのモータ20表面に対する接触状態が不安定となると、ノイズが発生して接点部56cと接点部55cとの間の接触抵抗が変動しやすく、接点部56cの位置に対応する正しい接触抵抗が検出されない。すると、接点部56cの位置が誤った位置で検出されてしまう。この接触抵抗は、ノイズにより僅かでも誤差が生じると、接点部56cのパターン基板40に接触する位置が誤った位置として検出されてしまうため、常に安定することが望ましい。そして、本実施形態においては、高温状態において、ブラシ55,56,57の接点部55c,56c,57cにおけるパターン基板40への接触圧を大きくしているので、接点部56cが摺接することにより検出される接触抵抗は安定し、パターン基板40の回転位置の検出は適正に行われる。
【0038】
〔実施形態の効果〕
従って、第1実施形態のモータアクチュエータ1によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0039】
(1) 本実施形態では、ブラシ55,56,57において、ブラシ本体部55X,56X,57Xのパターン基板40側部に、ブラシ本体部55X,56X,57Xよりも熱膨張係数の小さい板部材61,62,63を設けた。この構成により、ブラシ55,56,57が熱膨張すると、板部材61,62,63(パターン基板40側部)よりもブラシ本体部55X,56X,57X(反パターン基板40側部)の方が大きく膨張し、この部分においてブラシ55,56,57は両端側がパターン基板40側に向かって湾曲変形する。このため、ブラシ55,56,57のパターン基板40に対する接触圧をブラシ55,56,57が熱膨張したときのみ上昇させることができる。従って、ブラシ55,56,57が熱膨張していないときは、ブラシ55,56,57とパターン基板40との間に発生する摩擦力を抑制して摩耗を軽減し、耐久性を向上させることができる。そして、ブラシ55,56,57が熱膨張したときは、ブラシ55,56,57のパターン基板40に対する接触圧の上昇により、ブラシ55,56,57とパターン基板40との接触状態の安定性を確保することができる。また、ブラシ55,56,57において、ブラシ本体部55X,56X,57Xに板部材61,62,63をそれぞれ固着した構成であるため、金等の高価な材料を用いる必要がなく、低コスト化を図ることができる。
【0040】
(2) 本実施形態においては、ブラシ55,56,57において、パターン基板40側部に設ける板部材61,62,63を、ブラシ本体部55X,56X,57Xを形成する材料と異なる材料で形成した。このため、ブラシ本体部55X,56X,57Xよりも熱膨張係数の小さい板部材61,62,63が固着される。
【0041】
(3) 本実施形態においては、ブラシ55,56,57において、ブラシ本体部55X,56X,57Xの一部分を反パターン基板40側部とし、ブラシ本体部55X,56X,57Xと別部材である板部材61,62,63をパターン基板40側部とした。このため、ブラシ本体部55X,56X,57Xに板部材61,62,63をそれぞれ接続することで、ブラシ55,56,57を構成することができる。
【0042】
(4) 本実施形態においては、ブラシ55,56,57において、ブラシ本体部55X,56X,57Xは、先端側にパターン基板40に摺接する接点部55c,56c,57cがそれぞれ設けられている。また、板部材61,62,63はブラシ本体部55X,56X,57Xが固定された基端側に接続されており、ブラシ本体部55X,56X,57Xは板部材61,62,63が固着された部分よりも先端側に、先端側をパターン基板40側に屈曲させる屈曲部55b,56b,57bを有する。このため、ブラシ55,56,57が熱膨張すると、ブラシ55,56,57の熱膨張による湾曲変形は基端側に規制されるため、先端側のみが変形され、ブラシ55,56,57のパターン基板40に対する接触圧を効率よく上昇させることができる。また、ブラシ55,56,57の屈曲部55b,56b,57bよりも基端側は、ブラシ55,56,57が固定される第1保持部51aに支持されているため、屈曲部55b,56b,57bよりも先端側と比較して可撓性が低い。このため、ブラシ55,56,57が熱膨張していない状態において、屈曲部55b,56b,57bよりも基端側に板部材61,62,63を設けてもブラシ55,56,57のパターン基板40に対する接触圧に影響が出にくい。故に、ブラシ55,56,57のパターン基板40に対する接触圧を変化させずに板部材61,62,63を任意の大きさとすることができる。つまり、ブラシ55,56,57が熱膨張したときのブラシ55,56,57のパターン基板40に対する接触圧を、ブラシ55,56,57が熱膨張していないときのブラシ55,56,57のパターン基板40に対する接触圧を変動させることなく調整することが可能である。従って、ブラシ55,56,57の構造設計を容易にすることができる。
【0043】
〔別例〕
なお、上記実施形態は以下のような別例に変更して具体化してもよい。
・ 本実施形態では、ブラシ55,56,57において、ブラシ本体部55X,56X,57Xのパターン基板40側部に、ブラシ本体部55X,56X,57Xよりも熱膨張係数の小さい板部材61,62,63を固着した。しかし、図6に示すように、ブラシ本体部55Xよりも熱膨張係数の大きい板部材81を固定部55Yの反パターン基板40側に固着して、ブラシ58を構成してもよい。これにより、ブラシ58が熱膨張すると、ブラシ本体部55Xの板部材81を設けた部分がバイメタル効果により変形し、ブラシ本体部55Xの先端部55Zは図中二点鎖線に示す位置からパターン基板40側に回動する。従って、ブラシ55の接点部55cはパターン基板40を押圧することとなり、ブラシ58が熱膨張したときのみ、ブラシ58のパターン基板40に対する接触圧を上昇させることができる。
【0044】
・ 本実施形態では、ブラシ55,56,57は、ブラシ本体部55X,56X,57Xとは別部材である板部材61,62,63がブラシ本体部55X,56X,57Xに接続されて構成されるものとしたが、図7に示すように、パターン導体側部に低膨張部91が形成されたブラシ59としてもよい。低膨張部91はブラシ59と一体的に構成されているため、ブラシ59の厚みを肥大化を防止することができ、低膨張部91を設けることによるブラシ59のパターン導体に対する接触圧への影響を抑えることができる。また、ブラシの反パターン導体側部に、ブラシを形成する材料よりも高い熱膨張係数を有する高膨張部を設けてもよい。
【0045】
・ 本実施形態では、パターン基板40に設けられた抵抗部42により、回転軸35の位置検出を行うとともに、ダンパが設定温度に対応する開閉状態となるようにモータ20が駆動制御されるものとしたが、パターン導体としてのパターン基板は、この形態に限定されるものではない。例えば、パターン導体として、円盤状に形成された導体部に、円周方向に絶縁部を形成したものとし、このパターン導体にブラシ55,56,57を摺動させることで回転軸35を絶縁部に対応する位置で停止させるように構成してもよい。この場合、ブラシ55,56,57がパターン基板に摺接されることで、モータ20がオンオフ制御されるが、高温多湿雰囲気下においては、ブラシ55,56,57が導体部の絶縁部以外の部分に接触する位置において接触状態が不安定となり、接触していないと認識される事態が起こり得る。しかし、ブラシ55,56,57及び板部材61,62,63が熱膨張すると、ブラシ55,56,57のパターン基板に対する接触圧が上昇されるため、高温多湿雰囲気下においても、ブラシ55,56,57はパターン基板に確実に摺接されパターン基板の絶縁部の位置が誤認識されるのを防止することができる。
【0046】
・ 本実施形態では、モータアクチュエータ1に設けられたブラシ55,56,57のブラシ本体部55X,56X,57Xに、それぞれ板部材(低膨張部)61,62,63を固着したが、板部材を全てのブラシに設けなくてもよい。即ち、ブラシ55,56,57のうち少なくとも1つのブラシに、板部材(低膨張部)を設けてもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1乃至請求項6に記載の発明によれば、ブラシのパターン導体に対する接触状態の安定性を保持しながら耐久性を向上させることができ、且つ、低コスト化を図ることができるモータアクチュエータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のモータアクチュエータの分解斜視図。
【図2】図1の部分拡大図。
【図3】モータアクチュエータの部分断面図。
【図4】作用を説明するモータアクチュエータの部分断面図。
【図5】パターン導体を説明する平面図。
【図6】別例のモータアクチュエータの作用を説明する部分断面図。
【図7】別例のモータアクチュエータを説明する部分断面図。
【符号の説明】
1…モータアクチュエータ,20…モータ,40…パターン基板(パターン導体)、42…抵抗部、55…ブラシ、55a…基端部、55b…屈曲部、55c…接点部、55X…ブラシ本体部、55Y…固定部、55Z…先端部、56…ブラシ、56b…屈曲部、56c…接点部、56X…ブラシ本体部、57…ブラシ、57b…屈曲部、57c…接点部、57X…ブラシ本体部、58…ブラシ、59…ブラシ、61…板部材(低膨張部)、62…板部材(低膨張部)、63…板部材(低膨張部)、81…板部材(低膨張部)、91…低膨張部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータアクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、モータアクチュエータとして、モータにより回転する歯車に、歯車とともに回動するパターン導体が設けられており、このパターン導体に複数のブラシが摺接される構成のものがある。この構成により、ブラシがパターン導体に摺接することで回路が導通してモータが駆動され、パターン導体とともにパターン基板に設けられた絶縁部にて回路が遮断されてモータが所定位置で停止される(特許文献1参照)。例えば、上記のモータアクチュエータが自動車エアコン用に用いられる場合、当該アクチュエータの出力軸とダンパとが連結され、モータの駆動及び停止に対応してダンパが開閉される。
【0003】
上記のモータアクチュエータにおいて、ブラシが回動するパターン導体に対して摺接するため、その接点部が摩耗するという問題があった。そこで、パターン導体とブラシとの間に発生する摩擦力を軽減させるために、ブラシの前記接点部の接触圧をできるだけ低下させたモータアクチュエータが提案されている。しかし、そうすると、高温多湿雰囲気下において、ブラシのパターン導体に対する接触状態が不安定となるという問題があった。そこで、ブラシのパターン導体に対する接触圧をできるだけ低下させるとともに、ブラシのパターン導体に対する接点部に接触安定性のある金を用いていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平9―219957号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高温時にブラシの接触圧が安定するようにブラシのパターン導体に対する接触圧を設定すると、常温時においてはこの接触圧は必要以上の大きさとなり、ブラシはそれにともない摩耗するため、寿命が短いという問題があった。また、各ブラシのパターン導体に接触する部分に金を用いると、金が高価であるためコストアップを招くという問題があった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、ブラシのパターン導体に対する接触状態の安定性を保持しながら耐久性を向上させることができ、且つ、低コスト化を図ることができるモータアクチュエータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、モータにより回転する歯車と、前記歯車とともに回動するパターン導体と、前記パターン導体に摺接するブラシとを備えたモータアクチュエータにおいて、前記ブラシの前記パターン導体側部を、該ブラシの反パターン導体側部に対して熱膨張係数の小さい低膨張部としたことを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、ブラシのパターン導体側部をブラシの反パターン導体側部に対して熱膨張係数の小さい低膨張部としたため、ブラシが熱膨張するとパターン導体側部よりも反パターン導体側部の方が大きく膨張し、低膨張部が設けられた部分において、ブラシは両端側がパターン導体側に向かって湾曲変形する(バイメタル効果)。このため、ブラシのパターン導体に対する接触圧は、ブラシが熱膨張したときのみ上昇される。従って、ブラシが熱膨張していないときは、ブラシとパターン導体との間に発生する摩擦力を抑制して摩耗を軽減し、耐久性を向上させることができる。そして、ブラシが熱膨張したときは、ブラシのパターン導体に対する接触圧の上昇により、ブラシとパターン導体との接触状態の安定性を確保することができる。また、ブラシにおいてパターン導体側部を低膨張部とした構成であるため金等の高価な材料を用いる必要はなく、低コスト化を図ることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、モータにより回転する歯車と、表面に円周方向に延びる抵抗部が形成された、前記歯車とともに回動するパターン導体と、前記パターン導体に摺接するブラシとを備えたモータアクチュエータにおいて、前記ブラシの前記パターン導体側部を、該ブラシの反パターン導体側部に対して熱膨張係数の小さい低膨張部としたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、ブラシのパターン導体側部をブラシの反パターン導体側部に対して熱膨張係数の小さい低膨張部としたため、ブラシが熱膨張するとパターン導体側部よりも反パターン導体側部の方が大きく膨張し、この部分においてブラシは両端側がパターン導体側に向かって湾曲変形する(バイメタル効果)。このため、ブラシのパターン導体に対する接触圧をブラシが熱膨張したときのみ上昇させることができる。従って、ブラシが熱膨張していないときは、ブラシとパターン導体との間に発生する摩擦力を抑制して摩耗を軽減し、耐久性を向上させることができる。そして、ブラシが熱膨張したときは、ブラシのパターン導体に対する接触圧の上昇により、ブラシとパターン導体との接触状態の安定性を確保することができる。また、ブラシにおいてパターン導体側部を低膨張部とした構成であるため金等の高価な材料を用いる必要はなく、低コスト化を図ることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2において、前記パターン導体側部を前記ブラシを形成する材料と異なる材料で形成したことを特徴とする。
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、ブラシのパターン導体側部を、ブラシを形成する材料と異なる材料で形成したため、ブラシにおいてパターン導体側部にブラシよりも熱膨張係数の小さい低膨張部が設けられる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2において、前記反パターン導体側部を前記ブラシを形成する材料と異なる材料で形成したことを特徴とする。
請求項4の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、ブラシの反パターン導体側部を、ブラシを形成する材料と異なる材料で形成したため、ブラシにおいて反パターン導体側部にブラシよりも熱膨張係数の大きい部分が設けられる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項において、前記パターン導体側部と反パターン導体側部のうちいずれか一方をブラシ本体部の一部分とし、他方を板部材として、該板部材を前記ブラシ本体部に接続して前記ブラシを構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明によれば、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、ブラシ本体部に板部材を接続することで、ブラシを構成することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項において、前記ブラシは、先端側に前記パターン導体に摺接する接点部が設けられ、前記パターン導体側部及び反パターン導体側部は、前記ブラシが固定された基端側に形成され、該パターン導体側部及び反パターン導体側部よりも先端側に、先端側を前記パターン導体側に屈曲させる屈曲部を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載のモータアクチュエータ。
【0016】
請求項6の発明によれば、請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、ブラシが熱膨張すると、ブラシの熱膨張による湾曲変形は基端側に規制されて先端側のみが変形されるため、ブラシのパターン導体に対する接触圧を効率よく上昇させることができる。また、ブラシの屈曲部よりも基端側は、ブラシが固定される基端側に支持されているため、屈曲部よりも先端側と比較して可撓性が低い。このため、ブラシが熱膨張していない状態において、屈曲部よりも基端側に板部材を設けてもブラシのパターン導体に対する接触圧に影響が出にくく、ブラシのパターン導体に対する接触圧を変化させずに低膨張部を任意の大きさとすることができる。つまり、ブラシが熱膨張したときのブラシのパターン導体に対する接触圧を、ブラシが熱膨張していないときのブラシのパターン導体に対する接触圧を変動させることなく調整することが可能であり、ブラシの構造設計を容易にすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、例えば、車両用エアコンのダンパ制御を行うモータアクチュエータ1に具体化した実施形態を、図1乃至図5を参照して説明する。図1は本実施形態のモータアクチュエータ1の分解斜視図であり、図2は図1の部分拡大図である。また、図3はモータアクチュエータの部分断面図、図4は作用を説明するモータアクチュエータの部分断面図である。また、図5はパターン導体を説明する平面図である。
【0018】
図1に示すように、モータアクチュエータ1は、ハウジング10に、モータ20と、歯車としての歯車機構30と、パターン導体としてのパターン基板40と、ブラシ55,56,57が設けられた導電ユニット50とが収容されて構成されている。
【0019】
ハウジング10は、モータ20、歯車機構30、パターン基板40及び導電ユニット50が取り付けられるケース部11と、ケース部11を覆うカバー部12とを備える。
【0020】
ケース部11は、モータ20が固定されるモータ取付部11aと、歯車機構30が固定される2つの取付部11b及びボス11dと、導電ユニット50が固定される取付突起11cとが形成されている。また、ケース部11に導電ユニット50が固定された状態において、導電ユニット50に設けられた複数のコネクタピン54が配設されるコネクタ部15aが設けられている。そして、ケース部11の外周側面には、カバー部12と係合するための複数の係合突起13aと、モータアクチュエータ1を車両本体に取り付けるための4つの取付部14aとが設けられている。
【0021】
カバー部12は、ケース部11のボス11dと対向する位置に、出力穴12aが形成されている。また、ケース部11のコネクタ部15aに対向する位置に、コネクタ部15bが設けられている。コネクタ部15bは、ケース部11のコネクタ部15aとともに、ハウジング10内部と外部とを連通させる矩形状の開口部を形成する。この開口部は、外部との電気的接続を行うプラグを差し込むジャックとされる。そして、カバー部12の外周側面の、ケース部11の係合突起13aと対向する位置には、係合突起13aと係合する係合片13bが設けられている。それぞれの係合突起13aと係合片13bとが係合されて、ケース部11とカバー部12とが一体とされ、ハウジング10が形成される。また、カバー部12の、ケース部11に設けられた取付部14aと対向する位置には、取付部14bが設けられている。取付部14bは、ケース部11の取付部14aと重ねられた状態で、ネジが貫通されて車両本体に固定される。
【0022】
モータ20は、一端側にはモータ20の回転を出力する出力軸23が設けられ、他端側には電源と接続される端子21,22が突出されている。モータ20は、ケース部11のモータ取付部11aに固定される。
【0023】
歯車機構30は、ウォーム31と、減速歯車32,33と、出力歯車34とが連結されて構成されている。ウォーム31は、モータ20の出力軸23に取り付けられており、モータ20とともに回転する。減速歯車32は、大径歯車32aと小径歯車32bとが一体的に形成されており、回転中心には貫通孔32cが形成されている。減速歯車32は、貫通孔32cがケース部11の取付部11bに挿通されて固定される。また、減速歯車33は、大径歯車33aと小径歯車33bとが一体的に形成されており、回転中心には貫通孔33cが形成されている。減速歯車33は、貫通孔33cがケース部11の取付部11bに挿通されて固定される。出力歯車34は、回転軸35が一体的に構成されており、回転軸35の一端側はケース部11のボス11dに固定され、他端側はカバー部12の出力穴12aからハウジング10の外部に突出される。
【0024】
歯車機構30は、ハウジング10に固定された状態において、ウォーム31と小径歯車32bとが噛合され、大径歯車32aと小径歯車33bとが噛合され、更に、大径歯車33aと出力歯車34とが噛合される。これにより、モータ20の回転は、ウォーム31を介して減速歯車32に伝達され、減速歯車32から減速歯車33に伝達され、更に、減速歯車33から出力歯車34に伝達される。このように、モータ20により出力歯車34が回転し、出力歯車34の回転はハウジング10の出力穴12aから突出された回転軸35により外部に出力される。なお、図示は省略するが、ハウジング10から突出された回転軸35の端部にはダンパが連結される。
【0025】
パターン基板40は、出力歯車34の一方の面に固定されており、出力歯車34とともに回動する。図5に示すように、パターン基板40は、外周縁付近にリング状に形成された導体部41と、導体部41の内周側にリング状に形成された導体部43と、導体部41と導体部43との間に形成された抵抗部42とを備える。抵抗部42は、導体部41,43と比較して抵抗値が高く抵抗器となるものであり、パターン基板40の円周方向に延びるように形成されている。抵抗部42は、導体部41の内周方向に突出して形成された突出部41aと、導体部43の外周方向に突出して形成された突出部43aとの間に設けられており、長手方向の両端にて突出部41aと突出部43aとに電気的に接続されている。このパターン基板40には、導電ユニット50に設けられたブラシ55,56,57に摺接される。ブラシ55,56,57がパターン基板40に摺接されて、制御部70に接続される。
【0026】
図1に示すように、導電ユニット50は、ブラシ55,56,57及び複数のコネクタピン54が設けられた保持部51が、取付部52に固定されて形成されている。また、取付部52には、2つの給電端子53が設けられている。取付部52には取付穴52aが形成されており、取付穴52aがケース部11の取付突起11cを挿通させた状態で固定され、導電ユニット50はケース部11に取り付けられる。導電ユニット50がケース部11に固定されると、ブラシ55,56,57はそれぞれパターン基板40に摺接する。また、複数のコネクタピン54は、ハウジング10のコネクタ部15a,15bにより形成された開口部に配設され、外部から接続可能とされる。これにより、ブラシ55,56,57は、コネクタピン54を介して外部電源(図示せず)と接続される。また、2つの給電端子53は、モータ20の端子21,22に接続される。
【0027】
図3に示すように、保持部51は、ブラシ55(56,57)を貫通させて保持する第1保持部51aと、複数のコネクタピン54を保持する第2保持部51bとを備える。そして、コネクタピン54は、ブラシ55(56,57)と電気的に接続されている。なお、保持部51は、絶縁樹脂により形成されている。
【0028】
ここで、ブラシ55,56,57について詳述する。
図2に示すように、ブラシ55,56,57は、それぞれブラシ本体部55X,56X,57Xと、ブラシ本体部55X,56X,57Xに固着された低膨張部としての板部材61,62,63とを備える。板部材61,62,63は、ブラシ本体部55X,56X,57Xを形成する材料よりも低い熱膨張係数を有する材料で形成されている。この板部材61,62,63は、ブラシ55,56,57が固定されている基端側(第1保持部51a側)に設けられている。また、各ブラシ本体部55X,56X,57Xの先端部には、パターン基板40に摺接する接点部55c,56c,57cがそれぞれ形成されている。ブラシ55の接点部55cは導体部41に、ブラシ56の接点部56cは抵抗部42に、ブラシ57の接点部57cは導体部43に摺接する(図5参照)。
【0029】
図3に示すように、ブラシ55のブラシ本体部55Xは、第1保持部51a内部にて固定された基端部55aから水平方向に突出され、屈曲部55bにてパターン基板40側に屈曲されている。ブラシ本体部55Xにおいて、基端部55aと屈曲部55bとの間を固定部55Yとし、屈曲部55bよりも先端側(接点部55c側)を先端部55Zとする。ブラシ55を構成する板部材61は、固定部55Yのパターン基板40側に固着されている。また、ブラシ本体部55Xの基端部55aよりも反接点部55c側が第1保持部51aから突出されて、コネクタピン54と電気的に接続される。
【0030】
ここで、ブラシ本体部55Xにおいて、板部材61は屈曲部55bよりも基端側の固定部55Yに固着されている。固定部55Yは、基端側が基端部55aに固定されて支持されるため、先端部55Zと比較して可撓性が低い。つまり、先端部55Zは、基端部が固定部55Yの先端部とされるため、その可撓性は固定部55Yと比較して高くなる。従って、ブラシ本体部55X及び板部材61が熱膨張していない状態において固定部55Yに板部材61を設けても、固定部55Y(ブラシ本体部55X)はあまり撓んで変形することがなく、板部材61を設けていないときと比較して接点部55cにおけるパターン基板40への接触圧はあまり変化しない。なお、ブラシ56及びブラシ57も、上記ブラシ55と同様の構成とされている。
【0031】
〔実施形態の作用〕
次に、上記のモータアクチュエータ1の作用について説明する。
上記のモータアクチュエータ1において、回転軸35の当該モータアクチュエータ1から突出する部分は出力軸とされ、ダンパ(図示せず)が連結されている。そして、回転軸35によりダンパを駆動し、デフロスタ用ダクト、又は冷暖房用ダクトに切換え、且つ、この冷暖房ダクトを、上方の吹出口又は下方の吹出口のいずれかに切換えられるように構成されている。なお、モータアクチュエータ1によりダンパを駆動させるには、モータアクチュエータ1の回転の運動を揺動運動に変える必要があるが、そのための機構は公知であるためその説明を省略する。
【0032】
上記の構成のモータアクチュエータ1において、パターン基板40にブラシ55,56,57が摺接される。すると、図5に示すように、ブラシ55の接点部55cは導体部41に摺接して制御部70の端子71に接続され、ブラシ56の接点部56cは抵抗部42に摺接して制御部70の端子72に接続され、ブラシ57の接点部57cは導体部43に摺接して制御部70の端子73に接続される。制御部70では、端子71と端子72と端子73との間に一定の電圧が印加するとともに、端子71と端子72との間の電圧を検出して記憶する。この構成により、接点部56cの位置によって、接点部55cと接点部56cとの間の抵抗値が変わり、この間に現れる電圧が変化する。即ち、接点部55cと接点部56cとの間の抵抗値は、接点部56cが突出部41aに近づくほど小さくなり、接点部56cが突出部43aに近づくほど大きくなる。こうして、制御部70は、検出された電圧によって、パターン基板40が設けられた出力歯車34、即ち回転軸35の回動位置を検出する。そして、こうして検出された回転軸35の回動位置に対応して、ダンパの開閉状態が判定される。
【0033】
制御部70は、コントローラ部(図示せず)にて設定された温度に対応するダンパの開閉状態を判断し、これに対応する回転軸35の回転位置を判断する。そして、これに対応する接点部56cの位置を判断し、これに対応して接点部55cと接点部56cとの間に現れるべき電圧を演算設定する。そして、制御部70は、この電圧が現れる方向にパターン基板40を回動させるために、端子74と端子75との間に所定の電圧を印加してモータ20を駆動する。その後、接点部55cと接点部56cとの間に実際に現れた電圧と、ダンパの開閉状態に対応して設定された電圧とが一致すれば、制御部70は電源の供給を停止してモータ20を停止させる。このように、モータアクチュエータ1を自動車のエアコン用に適用すれば、温度設定をすることで、回転軸35を任意の回転位置で停止させ、ダンパを所定の開閉状態とするようにモータ20を駆動させることができる。
【0034】
ブラシ55,56,57の温度変化に対応する動作について説明する。
ブラシ55,56,57が熱膨張していない状態においてはブラシ55,56,57のパターン基板40に対する接点部55c,56c,57cの接触圧は、図5に示す導体部41、抵抗部42及び導体部43に対して摺接可能な範囲で、できるだけ低く設定されている。なお、以降の説明においては、この状態を「低温状態」という。
【0035】
そして、モータアクチュエータ1が高温雰囲気下におかれると、ブラシ55,56,57が熱膨張する。なお、以降の説明においては、この状態を「高温状態」という。このとき、板部材61,62,63はブラシ本体部55X,56X,57Xよりも低い熱膨張係数を有する材料で形成されているため、ブラシ本体部55X,56X,57Xは板部材61,62,63が設けられた部分において、両端部がパターン基板40側に湾曲しようとする。
【0036】
このとき、図3に示すように、ブラシ55において、板部材61はブラシ本体部55Xの固定部55Yに設けられているため、固定部55Yの基端部55aは固定されて動作を拘束され、屈曲部55b側のみが変形する。そして、図4に示すように、高温状態においては、ブラシ55の先端部55Zは、低温状態の位置(図中二点鎖線で示す位置)からパターン基板40側に回動される。これにより、高温状態においては、ブラシ55の接点部55cはパターン基板40に押し付けられ、低温状態のときよりも大きな接触圧でパターン基板40を押圧することとなる。このように、ブラシ本体部55Xに板部材61が設けられることで、高温状態となったときのみ、ブラシ55のパターン基板40に対する接触圧を低温状態のときよりも大きくすることができる。なお、ブラシ56,57も上記ブラシ55と同様の動作をする。
【0037】
ところで、高温多湿雰囲気下においては、接点部55c,56c,57cのモータ20の表面に対する接触状態が不安定となる。仮に、接点部55c,56c,57cのモータ20表面に対する接触状態が不安定となると、ノイズが発生して接点部56cと接点部55cとの間の接触抵抗が変動しやすく、接点部56cの位置に対応する正しい接触抵抗が検出されない。すると、接点部56cの位置が誤った位置で検出されてしまう。この接触抵抗は、ノイズにより僅かでも誤差が生じると、接点部56cのパターン基板40に接触する位置が誤った位置として検出されてしまうため、常に安定することが望ましい。そして、本実施形態においては、高温状態において、ブラシ55,56,57の接点部55c,56c,57cにおけるパターン基板40への接触圧を大きくしているので、接点部56cが摺接することにより検出される接触抵抗は安定し、パターン基板40の回転位置の検出は適正に行われる。
【0038】
〔実施形態の効果〕
従って、第1実施形態のモータアクチュエータ1によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0039】
(1) 本実施形態では、ブラシ55,56,57において、ブラシ本体部55X,56X,57Xのパターン基板40側部に、ブラシ本体部55X,56X,57Xよりも熱膨張係数の小さい板部材61,62,63を設けた。この構成により、ブラシ55,56,57が熱膨張すると、板部材61,62,63(パターン基板40側部)よりもブラシ本体部55X,56X,57X(反パターン基板40側部)の方が大きく膨張し、この部分においてブラシ55,56,57は両端側がパターン基板40側に向かって湾曲変形する。このため、ブラシ55,56,57のパターン基板40に対する接触圧をブラシ55,56,57が熱膨張したときのみ上昇させることができる。従って、ブラシ55,56,57が熱膨張していないときは、ブラシ55,56,57とパターン基板40との間に発生する摩擦力を抑制して摩耗を軽減し、耐久性を向上させることができる。そして、ブラシ55,56,57が熱膨張したときは、ブラシ55,56,57のパターン基板40に対する接触圧の上昇により、ブラシ55,56,57とパターン基板40との接触状態の安定性を確保することができる。また、ブラシ55,56,57において、ブラシ本体部55X,56X,57Xに板部材61,62,63をそれぞれ固着した構成であるため、金等の高価な材料を用いる必要がなく、低コスト化を図ることができる。
【0040】
(2) 本実施形態においては、ブラシ55,56,57において、パターン基板40側部に設ける板部材61,62,63を、ブラシ本体部55X,56X,57Xを形成する材料と異なる材料で形成した。このため、ブラシ本体部55X,56X,57Xよりも熱膨張係数の小さい板部材61,62,63が固着される。
【0041】
(3) 本実施形態においては、ブラシ55,56,57において、ブラシ本体部55X,56X,57Xの一部分を反パターン基板40側部とし、ブラシ本体部55X,56X,57Xと別部材である板部材61,62,63をパターン基板40側部とした。このため、ブラシ本体部55X,56X,57Xに板部材61,62,63をそれぞれ接続することで、ブラシ55,56,57を構成することができる。
【0042】
(4) 本実施形態においては、ブラシ55,56,57において、ブラシ本体部55X,56X,57Xは、先端側にパターン基板40に摺接する接点部55c,56c,57cがそれぞれ設けられている。また、板部材61,62,63はブラシ本体部55X,56X,57Xが固定された基端側に接続されており、ブラシ本体部55X,56X,57Xは板部材61,62,63が固着された部分よりも先端側に、先端側をパターン基板40側に屈曲させる屈曲部55b,56b,57bを有する。このため、ブラシ55,56,57が熱膨張すると、ブラシ55,56,57の熱膨張による湾曲変形は基端側に規制されるため、先端側のみが変形され、ブラシ55,56,57のパターン基板40に対する接触圧を効率よく上昇させることができる。また、ブラシ55,56,57の屈曲部55b,56b,57bよりも基端側は、ブラシ55,56,57が固定される第1保持部51aに支持されているため、屈曲部55b,56b,57bよりも先端側と比較して可撓性が低い。このため、ブラシ55,56,57が熱膨張していない状態において、屈曲部55b,56b,57bよりも基端側に板部材61,62,63を設けてもブラシ55,56,57のパターン基板40に対する接触圧に影響が出にくい。故に、ブラシ55,56,57のパターン基板40に対する接触圧を変化させずに板部材61,62,63を任意の大きさとすることができる。つまり、ブラシ55,56,57が熱膨張したときのブラシ55,56,57のパターン基板40に対する接触圧を、ブラシ55,56,57が熱膨張していないときのブラシ55,56,57のパターン基板40に対する接触圧を変動させることなく調整することが可能である。従って、ブラシ55,56,57の構造設計を容易にすることができる。
【0043】
〔別例〕
なお、上記実施形態は以下のような別例に変更して具体化してもよい。
・ 本実施形態では、ブラシ55,56,57において、ブラシ本体部55X,56X,57Xのパターン基板40側部に、ブラシ本体部55X,56X,57Xよりも熱膨張係数の小さい板部材61,62,63を固着した。しかし、図6に示すように、ブラシ本体部55Xよりも熱膨張係数の大きい板部材81を固定部55Yの反パターン基板40側に固着して、ブラシ58を構成してもよい。これにより、ブラシ58が熱膨張すると、ブラシ本体部55Xの板部材81を設けた部分がバイメタル効果により変形し、ブラシ本体部55Xの先端部55Zは図中二点鎖線に示す位置からパターン基板40側に回動する。従って、ブラシ55の接点部55cはパターン基板40を押圧することとなり、ブラシ58が熱膨張したときのみ、ブラシ58のパターン基板40に対する接触圧を上昇させることができる。
【0044】
・ 本実施形態では、ブラシ55,56,57は、ブラシ本体部55X,56X,57Xとは別部材である板部材61,62,63がブラシ本体部55X,56X,57Xに接続されて構成されるものとしたが、図7に示すように、パターン導体側部に低膨張部91が形成されたブラシ59としてもよい。低膨張部91はブラシ59と一体的に構成されているため、ブラシ59の厚みを肥大化を防止することができ、低膨張部91を設けることによるブラシ59のパターン導体に対する接触圧への影響を抑えることができる。また、ブラシの反パターン導体側部に、ブラシを形成する材料よりも高い熱膨張係数を有する高膨張部を設けてもよい。
【0045】
・ 本実施形態では、パターン基板40に設けられた抵抗部42により、回転軸35の位置検出を行うとともに、ダンパが設定温度に対応する開閉状態となるようにモータ20が駆動制御されるものとしたが、パターン導体としてのパターン基板は、この形態に限定されるものではない。例えば、パターン導体として、円盤状に形成された導体部に、円周方向に絶縁部を形成したものとし、このパターン導体にブラシ55,56,57を摺動させることで回転軸35を絶縁部に対応する位置で停止させるように構成してもよい。この場合、ブラシ55,56,57がパターン基板に摺接されることで、モータ20がオンオフ制御されるが、高温多湿雰囲気下においては、ブラシ55,56,57が導体部の絶縁部以外の部分に接触する位置において接触状態が不安定となり、接触していないと認識される事態が起こり得る。しかし、ブラシ55,56,57及び板部材61,62,63が熱膨張すると、ブラシ55,56,57のパターン基板に対する接触圧が上昇されるため、高温多湿雰囲気下においても、ブラシ55,56,57はパターン基板に確実に摺接されパターン基板の絶縁部の位置が誤認識されるのを防止することができる。
【0046】
・ 本実施形態では、モータアクチュエータ1に設けられたブラシ55,56,57のブラシ本体部55X,56X,57Xに、それぞれ板部材(低膨張部)61,62,63を固着したが、板部材を全てのブラシに設けなくてもよい。即ち、ブラシ55,56,57のうち少なくとも1つのブラシに、板部材(低膨張部)を設けてもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1乃至請求項6に記載の発明によれば、ブラシのパターン導体に対する接触状態の安定性を保持しながら耐久性を向上させることができ、且つ、低コスト化を図ることができるモータアクチュエータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のモータアクチュエータの分解斜視図。
【図2】図1の部分拡大図。
【図3】モータアクチュエータの部分断面図。
【図4】作用を説明するモータアクチュエータの部分断面図。
【図5】パターン導体を説明する平面図。
【図6】別例のモータアクチュエータの作用を説明する部分断面図。
【図7】別例のモータアクチュエータを説明する部分断面図。
【符号の説明】
1…モータアクチュエータ,20…モータ,40…パターン基板(パターン導体)、42…抵抗部、55…ブラシ、55a…基端部、55b…屈曲部、55c…接点部、55X…ブラシ本体部、55Y…固定部、55Z…先端部、56…ブラシ、56b…屈曲部、56c…接点部、56X…ブラシ本体部、57…ブラシ、57b…屈曲部、57c…接点部、57X…ブラシ本体部、58…ブラシ、59…ブラシ、61…板部材(低膨張部)、62…板部材(低膨張部)、63…板部材(低膨張部)、81…板部材(低膨張部)、91…低膨張部。
Claims (6)
- モータにより回転する歯車と、前記歯車とともに回動するパターン導体と、前記パターン導体に摺接するブラシとを備えたモータアクチュエータにおいて、
前記ブラシの前記パターン導体側部を、該ブラシの反パターン導体側部に対して熱膨張係数の小さい低膨張部としたことを特徴とするモータアクチュエータ。 - モータにより回転する歯車と、表面に円周方向に延びる抵抗部が形成された、前記歯車とともに回動するパターン導体と、前記パターン導体に摺接するブラシとを備えたモータアクチュエータにおいて、
前記ブラシの前記パターン導体側部を、該ブラシの反パターン導体側部に対して熱膨張係数の小さい低膨張部としたことを特徴とするモータアクチュエータ。 - 前記パターン導体側部を前記ブラシを形成する材料と異なる材料で形成したことを特徴とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のモータアクチュエータ。
- 前記反パターン導体側部を前記ブラシを形成する材料と異なる材料で形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のモータアクチュエータ。
- 前記パターン導体側部と反パターン導体側部のうちいずれか一方をブラシ本体部の一部分とし、他方を板部材として、該板部材を前記ブラシ本体部に接続して前記ブラシを構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載のモータアクチュエータ。
- 前記ブラシは、先端側に前記パターン導体に摺接する接点部が設けられ、前記パターン導体側部及び反パターン導体側部は、前記ブラシが固定された基端側に形成され、該パターン導体側部及び反パターン導体側部よりも先端側に、先端側を前記パターン導体側に屈曲させる屈曲部を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載のモータアクチュエータ。
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