以下、モータアクチュエータの一実施形態について説明する。
図1に示すモータアクチュエータ1は、車両用空調装置に備えられて送風路切替ドア(各種ダンパ)を駆動するものである。このモータアクチュエータ1は、ハウジング10の内部に、回転を出力する複数(本実施形態では2つ)の出力グループ81,91(即ち第1出力グループ81及び第2出力グループ91)等を収容して形成されている。
図2(b)に示すように、ハウジング10は、互いに重ね合わされる第1ケース11及び第2ケース51から構成され、中空の箱状をなしている。この第1ケース11及び第2ケース51は樹脂材料から形成されている。
図2(b)及び図2(c)に示すように、第1ケース11は、略四角形状の板状をなす第1底部12と、該第1底部12の外周縁に沿って立設された第1側壁部13とを有し、皿状をなしている。そして、第1側壁部13の外周面には、第1ケース11の外側に突出した複数(本実施形態では8個)の係合突起14が形成されている。また、第1ケース11の開口部、即ち第1側壁部13における第1底部12と反対側の端部には、複数(本実施形態では4個)の第1固定部15が形成されている。第1固定部15は、第1側壁部13から第1ケース11の外側に向かって第1底部12と平行に延設されており、略四角形の平板状をなしている。各第1固定部15には、該第1固定部15を厚さ方向に貫通する第1挿通孔16が形成されている。
図1、図2(b)及び図4に示すように、第1側壁部13の先端面、即ち第1側壁部13における第1底部12と反対側の端面は、第1合わせ面17となっている。第1合わせ面17は、第1側壁部13の長手方向に沿って延びる平面状をなすとともに、第1底部12と平行な平面状をなしている。また、本実施形態の第1合わせ面17は、第1ケース11と第2ケース51との組付け方向と直交する平面状をなしている。尚、第1ケース11と第2ケース51との組付け方向は、第1ケース11と第2ケース51とが重ね合わされる方向であり、図1においては紙面垂直方向、図2(b)においては左右方向、図4においては上下方向である。また、第1側壁部13には、第1合わせ面17から第1側壁部13の基端側に凹設された段差凹部18が形成されている。段差凹部18は、第1側壁部13の先端部において第1合わせ面17の内周縁部を同第1側壁部13の基端側に凹設した形状をなしており、第1ケース11の内側及び第1側壁部13の先端側に開口している。この段差凹部18が形成されることにより、第1側壁部13の先端部に段差が形成されている。また、段差凹部18の底面は、第1底部12と平行な平面状をなす当接面19となっている。更に、この段差凹部18が形成されることにより、第1側壁部13の先端部において当接面19の外側となる部分には、第1側壁部13の厚さ方向に段差凹部18と隣り合う第1ラビリンス構造壁20が形成されている。第1ラビリンス構造壁20は、第1側壁部13と平行に立設されている。
また、図1及び図5に示すように、第1ケース11の下端部に位置する第1側壁部13の内側面は、第1下方内側面21となっている。第1下方内側面21は、ハウジング10が車両に固定された状態(即ち図1に示す状態)において上側を向いている。そして、第1ケース11には、第1下方内側面21から第1ケース11の外側に向かって凹設された第1端子収容凹部22が設けられている。この第1端子収容凹部22は、第1底部12の厚さ方向から見ると矩形状に凹設されている。
また、図5及び図7に示すように、第1ケース11には、第1ケース11の外側に突出した第1コネクタ形成部23が形成されている。第1コネクタ形成部23は、第1端子収容凹部22の第1収容底部24から第1ケース11の外側に突出している。尚、この第1収容底部24は、第1端子収容凹部22の凹設方向における底部であって、本実施形態では、第1収容底部24は、第1側壁部13の一部であり第1底部12と直角をなしている。この第1コネクタ形成部23は、略四角筒状をなしており、前記第1下方内側面21と直角をなす方向であって第1底部12と平行な方向に突出している。即ち、前記第1下方内側面21は、第1コネクタ形成部23の先端と反対方向を向いている。そして、第1コネクタ形成部23の突出方向は、前記第1端子収容凹部22の凹設方向と同じ方向となっている。
第1コネクタ形成部23は、該第1コネクタ形成部23の先端から基端に貫通する挿入孔25を有し、略四角筒状をなしている。そして、挿入孔25における第1コネクタ形成部23の先端側の端部は、ハウジング10の外部に開口するコネクタ開口部26となっている。また、第1コネクタ形成部23の基端部には、第1コネクタ形成部23の内部空間と第1ケース11の内部空間とを仕切る第1保持部27が立設されている。第1保持部27は、挿入孔25における第1コネクタ形成部23の基端側の開口部の第1底部12側の約半分の部分を塞ぐように設けられている。そして、第1保持部27は、第1底部12と直交する平板状をなしている。また、第1保持部27の先端部(即ち第1保持部27における第1底部12と反対側の端部)には、複数(本実施形態では8個)の第1保持凹部28が形成されている。各第1保持凹部28は、第1保持部27の先端から該第1保持凹部28の基端側に凹設されるとともに、第1保持部27を厚さ方向に貫通している。また、各第1保持凹部28は、第1コネクタ形成部23の突出方向から見た形状が矩形状をなしている。そして、8個の第1保持凹部28は、互いに離間して等間隔に並んでいる。
また、第1コネクタ形成部23における第1ケース11の開口部側の端面は、第1コネクタ合わせ面29となっている。第1コネクタ合わせ面29は、第1底部12と平行な平面状をなしている。また、第1コネクタ合わせ面29は、第1側壁部13の先端面と同一平面内に形成されており、第1合わせ面17に含まれている。
また、第1コネクタ形成部23には、第1コネクタ合わせ面29から挿入孔25まで第1コネクタ形成部23の側壁部を貫通した係合孔30が形成されている。係合孔30は、第1コネクタ形成部23の基端側の部分よりも第1コネクタ形成部23の先端側の部分の方が幅が狭く形成されており、第1ケース11の開口部側から見た形状が略T字状をなしている。
また、第1コネクタ形成部23の第1コネクタ合わせ面29には、一対のラビリンス構造溝31,32が形成されている。一対のラビリンス構造溝31,32は、係合孔30の両側であって第1コネクタ合わせ面29において第1コネクタ形成部23の突出方向と直交する方向の両端部に形成されている。そして、各ラビリンス構造溝31,32は、第1コネクタ合わせ面29から第1底部12側に凹設された溝状をなすとともに、第1コネクタ形成部23の突出方向に沿って直線状に第1コネクタ形成部23の先端面の手前まで延びている。また、各ラビリンス構造溝31,32は、第1コネクタ形成部23の基端部において前記段差凹部18に繋がっている。そして、各ラビリンス構造溝31,32の深さは、段差凹部18の深さと等しく形成されており、各ラビリンス構造溝31,32の底面は、段差凹部18の当接面19と同一平面内に形成されている。
2つのラビリンス構造溝31,32のうち一方のラビリンス構造溝31は、第1コネクタ形成部23の基端側の端部に、第1ケース11の内側(即ちハウジング10の内部)に開口する入口開口部33を有する。即ち、一方のラビリンス構造溝31は、この入口開口部33において段差凹部18と連通するとともにハウジング10の内部と連通している。また、一方のラビリンス構造溝31は、第1コネクタ形成部23の先端側の端部に、第1コネクタ形成部23の外側、即ちハウジング10の外部に開口する出口開口部34を有する。図5及び図6に示すように、出口開口部34は、第1コネクタ形成部23の外側面において第1コネクタ合わせ面29の両側の外側面のうち一方のラビリンス構造溝31に近い方の外側面に開口している。出口開口部34は、第1コネクタ合わせ面29から第1底部12側に切欠かれた形状をなしており、矩形状をなしている。
図5及び図7に示すように、上記のような第1コネクタ形成部23の内部には、モータアクチュエータ1への給電、車両に搭載された外部装置(図示略)との電気信号のやりとり等を行うための複数(本実施形態では8本)のコネクタ端子41が配置されている。8本のコネクタ端子41は、導電性を有する金属材料から形成されており、棒状をなしている。また、8本のコネクタ端子41は、それぞれ第1コネクタ形成部23の突出方向に沿って延びるように配置されている。更に、8本のコネクタ端子41は、互いに離間した状態で平行に延びるとともに、その先端が挿入孔25の内部に位置する。また、8本のコネクタ端子41は、その長手方向の中央部よりもやや先端側の部分が、8個の第1保持凹部28内に配置されることにより、第1保持部27によって保持されている。そして、8本のコネクタ端子41は、第1保持部27を厚さ方向に貫通し、その基端部が第1端子収容凹部22の内部に配置されている。尚、前記出口開口部34は、複数のコネクタ端子41が配置された挿入孔25と反対側、即ち複数のコネクタ端子41と反対方向に開口している。
図2(a)及び図2(b)に示すように、前記第2ケース51は、前記第1ケース11の第1底部12と対向する第2底部52と、該第2底部52の外周縁に沿って形成された第2側壁部53とを有し、皿状をなしている。本実施形態では、第2側壁部53は、第1側壁部13よりも高さ(第2底部52からの高さ)が低く形成されており、第2ケース51は、第1ケース11よりも浅い皿状をなしている。そして、第2側壁部53の外周面には、前記係合突起14と同数(即ち8個)の係合片54が形成されている。8個の係合片54は、第1ケース11に形成された8個の係合突起14と対向する位置に形成されており、第2底部52と反対側に延びている。また、第2ケース51の開口部、即ち第2側壁部53における第2底部52と反対側の端部には、前記第1固定部15と同数(即ち4個)の第2固定部55が形成されている。4個の第2固定部55は、第1ケース11に形成された4個の第1固定部15と対向する位置に形成されており、第2側壁部53から第2ケース51の外側に向かって第2底部52と平行に延設されるとともに、略四角形の平板状をなしている。各第2固定部55には、該第2固定部55を厚さ方向に貫通する第2挿通孔56が形成されている。
図2(b)及び図4に示すように、第2側壁部53の先端面、即ち第2側壁部53における第2底部52と反対側の端面は、第2合わせ面57となっている。第2合わせ面57は、第2側壁部53の長手方向に沿って延びる平面状をなすとともに、第2底部52と平行な平面状をなしている。また、本実施形態の第2合わせ面57は、第1ケース11と第2ケース51との組付け方向と直交する平面状をなしている。また、第2側壁部53には、第2合わせ面57から第2側壁部53の基端部と反対側に突出した第2ラビリンス構造壁58が形成されている。第2ラビリンス構造壁58は、第2側壁部53の先端部において第2合わせ面57の内周縁部に立設されている。また、第2ラビリンス構造壁58は、第2側壁部53と平行に立設されている。そして、第2ラビリンス構造壁58の厚さは、前記段差凹部18の幅よりも若干薄く形成されている。更に、第2ラビリンス構造壁58の高さ(第2合わせ面57からの高さ)は、段差凹部18の深さ(即ち第1ラビリンス構造壁20における当接面19からの高さ)と等しく形成されている。
また、図3に示すように、第2ケース51の下端部に位置する第2側壁部53の内側面は、第2下方内側面59となっている。第2下方内側面59は、第2側壁部53の内側面において、ハウジング10が車両に固定された状態のときに上側を向く部分である。そして、第2ケース51には、第2下方内側面59から第2ケース51の外側に向かって凹設された第2端子収容凹部60が設けられている。この第2端子収容凹部60は、第2底部52の厚さ方向から見ると、前記第1端子収容凹部22と同様の矩形状に凹設されている。
また、図3及び図8に示すように、第2ケース51には、第2ケース51の外側に突出した第2コネクタ形成部61が形成されている。第2コネクタ形成部61は、第2端子収容凹部60の第2収容底部62から第2ケース51の外側に突出している。尚、この第2収容底部62は、第2端子収容凹部60の凹設方向における底部であって、本実施形態では、第2収容底部62は、第2側壁部53の一部であり第2底部52と直角をなしている。この第2コネクタ形成部61は、略四角形の平板状をなしており、前記第2下方内側面59と直角をなす方向であって第2底部52と平行な方向に突出している。即ち、前記第2下方内側面59は、第2コネクタ形成部61の先端と反対方向を向いている。そして、第2コネクタ形成部61の突出方向は、前記第2端子収容凹部60の凹設方向と同じ方向となっている。
第2コネクタ形成部61における第2ケース51の開口部側の端面は、第2コネクタ合わせ面63となっている。第2コネクタ合わせ面63は、第2底部52と平行な平面状をなしている。また、第2コネクタ合わせ面63は、第2側壁部53の先端部に設けられた第2合わせ面57と同一平面内に形成されており、第2合わせ面57に含まれている。
また、第2コネクタ形成部61の基端部には、第2保持部64が立設されている。第2保持部64は、第2コネクタ形成部61の基端部において第2コネクタ合わせ面63から突出しており、第2コネクタ合わせ面63と直交する平板状をなしている。また、第2保持部64の先端部(即ち第2保持部64における第2コネクタ合わせ面63と反対側の端部)には、複数(本実施形態では8個)の第2保持凹部65が形成されている。各第2保持凹部65は、第2保持部64の先端から該第2保持部64の基端側に凹設されるとともに、第2保持部64を厚さ方向に貫通している。また、各第2保持凹部65は、前記第1保持凹部28と同様に第2コネクタ形成部61の突出方向から見た形状が矩形状をなしている。そして、8個の第2保持凹部65は、互いに離間して等間隔に並んでいる。
また、第2コネクタ形成部61の基端部には、第2保持部64と隣接する位置に押え板66が立設されている。押え板66は、第2保持部64よりも第2コネクタ形成部61の先端側に位置する。そして、押え板66は、第2コネクタ形成部61の基端部において第2コネクタ合わせ面63から突出しており、第2コネクタ合わせ面63と直交する平板状をなしている。また、押え板66の高さ(第2コネクタ合わせ面63からの高さ)は、第2保持部64の高さよりも低く形成されるとともに、同押え板66の先端面は、第2コネクタ合わせ面63からの高さが前記第2保持凹部65の底面よりも高い位置にある。
また、第2コネクタ形成部61には、第2コネクタ合わせ面63から突出した係合部67が形成されている。係合部67は、第2コネクタ合わせ面63において押え板66よりも第2コネクタ形成部61の先端側に形成され、押え板66と隣接している。そして、係合部67は前記係合孔30に対応した形状をなしている。即ち、係合部67は、第2コネクタ形成部61の基端側の部分よりも第2コネクタ形成部61の先端側の部分の方が幅が狭く形成されており、第2ケース51の開口部側から見た形状が略T字状をなしている。
また、第2コネクタ合わせ面63には、一対のラビリンス構造壁68,69が形成されている。一対のラビリンス構造壁68,69は、係合部67の両側であって第2コネクタ合わせ面63における第2コネクタ形成部61の突出方向と直交する方向の両端部に形成されている。各ラビリンス構造壁68,69は、第2コネクタ合わせ面63から同第2コネクタ合わせ面63と直角をなすように突出している。更に、各ラビリンス構造壁68,69は、第2コネクタ形成部61の突出方向に沿って直線状に延びる突条をなしており、第2コネクタ形成部61の先端面の手前まで延びている。また、各ラビリンス構造壁68,69の高さ(第2コネクタ合わせ面63からの高さ)は、第2ラビリンス構造壁58の高さ(第2合わせ面57からの高さ)と等しい。更に、各ラビリンス構造壁68,69は、第2コネクタ形成部61の基端部において第2ラビリンス構造壁58に繋がっている。
図2(b)に示すように、第1ケース11と第2ケース51とは、互いの開口部が対向した状態で重ね合わされている。そして、第1ケース11の開口部は第2ケース51によって閉塞されている。また、第1ケース11の8個の係合突起14に、第2ケース51の8個の係合片54がスナップフィット係合することにより、これらの係合突起14及び係合片54によって第1ケース11と第2ケース51とが締結固定されて一体化されている。また、図4に示すように、第1ケース11と第2ケース51とが重ね合わされることにより、第1ケース11と第2ケース51との組付け方向から段差凹部18に第2ラビリンス構造壁58が挿入されるとともに、第1合わせ面17(第1ラビリンス構造壁20の先端面)と第2合わせ面57とが組付け方向に対向して当接する。更に、第2ラビリンス構造壁58の先端面と当接面19とが当接する。これにより、互いに突き合わされた第1側壁部13の先端部及び第2側壁部53の先端部(即ち第1ケース11と第2ケース51との合わせ部)に、段差凹部18(第1ラビリンス構造壁20)及び第2ラビリンス構造壁58によってラビリンス構造が形成される。このラビリンス構造によって、第1側壁部13と第2側壁部53との合わせ部からハウジング10の内部に塵埃が入ることが抑制される。
更に、図3に示すように、第1ケース11と第2ケース51とが重ね合わされることにより、第1端子収容凹部22と第2端子収容凹部60とが重ね合わされて略直方体状の端子収容凹部71がハウジング10の内部に形成される。端子収容凹部71は、第1下方内側面21及び第2下方内側面59からハウジング10の外側に向かって凹設されている。そして、この端子収容凹部71の内部に、複数のコネクタ端子41の基端部が配置されている。また、図2(b)及び図3に示すように、第1ケース11と第2ケース51とが重ね合わされることにより、第1コネクタ形成部23と第2コネクタ形成部61とが重ね合わされて四角筒状のコネクタ部72が形成される。コネクタ部72の先端には、コネクタ開口部26が開口している。更に、図7及び図8に示すように、第1コネクタ形成部23と第2コネクタ形成部61とは、係合孔30に係合部67が嵌合し、且つ第1コネクタ合わせ面29と第2コネクタ合わせ面63とが組付け方向に対向して当接するように重ね合わされている。更に、第1コネクタ形成部23と第2コネクタ形成部61とが重ね合わされることにより、一対のラビリンス構造溝31,32に、一対のラビリンス構造壁68,69が挿入されて、一対のラビリンス構造壁68,69の先端面が、それぞれ挿入されたラビリンス構造溝31,32の底面に当接している。また、第2コネクタ合わせ面63が一対のラビリンス構造溝31,32における第1コネクタ合わせ面29に開口した開口部を閉塞されている。そして、一対のラビリンス構造溝31,32及び一対のラビリンス構造壁68,69によって第1コネクタ形成部23と第2コネクタ形成部61の合わせ部にラビリンス構造が形成されている。更に、図9に示すように、一対のラビリンス構造溝31,32のうち一方のラビリンス構造溝31のうち、一方のラビリンス構造溝31は、第2コネクタ合わせ面63にて開口部が閉塞されることによって、水誘導通路73を形成している。尚、水誘導通路73において、ラビリンス構造溝31の内周面とラビリンス構造壁68の外周面との間の隙間74は、毛細管現象により水誘導通路73の内部に水を誘導可能な幅となっている。また、図9及び図10に示すように、第2コネクタ合わせ面63からラビリンス構造溝31の内部に突出したラビリンス構造壁68は、ラビリンス構造溝31の幅方向の中央部に配置され、ラビリンス構造溝31の内部で同ラビリンス構造溝31に沿って(即ちコネクタ部72の突出方向に沿って)延びている。従って、水誘導通路73においては、ラビリンス構造壁68の幅方向の両側に隙間74が形成されている。
また、図7及び図8に示すように、第1ケース11と第2ケース51とが重ね合わされることにより、8本のコネクタ端子41における長手方向の中央よりやや先端側の部位が8個の第2保持凹部65にそれぞれ挿入されるとともに、第1保持部27と押え板66とによって8本のコネクタ端子41が第1ケース11と第2ケース51との組付け方向に挟持される。そして、第1保持部27と第2保持部64とによってコネクタ部72の内部空間とハウジング10の内部空間とが仕切られている。
また、図1、図2(a)、図2(b)及び図3に示すように、第1ケース11と第2ケース51とが重ね合わされることにより、第1固定部15と第2固定部55とが重ね合わされ、第1挿通孔16と第2挿通孔56とが重ね合わされる。ハウジング10は、互いに重ね合わされた第1固定部15及び第2固定部55の第1挿通孔16及び第2挿通孔56に螺子(図示略)を挿通して締め付けることにより車両に対して固定される。尚、図1は、ハウジング10が車両に固定されたときの固定姿勢を示している。そして、ハウジング10は、第1下方内側面21及び第2下方内側面59が上側を向くように、且つ端子収容凹部71(第1端子収容凹部22及び第2端子収容凹部60)がハウジング10の下端側となるように車両に対して固定される。また、ハウジング10は、コネクタ部72のコネクタ開口部26が下側を向くように車両に対して固定される。更に、このハウジング10は、第1底部12の厚さ方向から見て同第1底部12の中央部を中心として反時計方向に若干回転させた状態で車両に固定される。そして、車両に固定された状態のハウジング10においては、一対のラビリンス構造溝31,32のうちより下方に位置するラビリンス構造溝31に、入口開口部33と出口開口部34とが設けられている。
図1に示すように、第1出力グループ81は、モータ82と、ウォーム83と、第1減速ギヤ84と、第2減速ギヤ85と、出力ギヤ86とから構成されている。尚、ウォーム83、第1減速ギヤ84、第2減速ギヤ85及び出力ギヤ86は、何れも少なくとも一部がハウジング10の内部に配置されてモータ82の回転が伝達されるものであるとともに、何れもモータ82の回転を減速して出力するための減速ギヤである。
モータ82は、両端が閉塞された円筒状のハウジングケース82aを有する。そして、このハウジングケース82aの軸方向の一端面の中央からモータ82の回転軸82bが突出するとともに、同ハウジングケース82aの軸方向の他端面には、モータ82に給電するための一対のモータ側給電端子(図示略)が設けられている。モータ82は、このモータ側給電端子から電源が供給されると回転軸82bを回転させる。また、ハウジングケース82aの軸方向の両端面の中央部には、同ハウジングケース82aの軸方向に突出した支持突起82cがそれぞれ形成されている。そして、ハウジング10の内部において、第1底部12には、モータ82を支持するための一対のモータ支持部12aが同第1底部12と一体に形成されている。一対のモータ支持部12aは、第1底部12上で、該第1底部12と直角をなすように立設されている。モータ82は、一対のモータ支持部12a間にハウジングケース82aが配置された状態で、ハウジングケース82aの軸方向の両端部に設けられた2つの支持突起82cが一対のモータ支持部12aによって支持されることにより、モータ支持部12aによって支持されている。
モータ82の回転軸82bには、前記ウォーム83が該回転軸82bと一体回転可能に装着されている。そして、ハウジング10の内部において、このウォーム83の近傍に前記第1減速ギヤ84が配置されている。第1減速ギヤ84は、円板状をなす第1大径歯車84aと、該第1大径歯車84aと一体に形成された第1小径歯車84bとを有する。第1小径歯車84bは、第1大径歯車84aよりも直径が小さい円板状をなすとともに、第1大径歯車84aの軸方向の一端面に同第1大径歯車84aと同軸となるように一体に形成されている。そして、第1減速ギヤ84は、第1大径歯車84aと第1底部12との間に第1小径歯車84bが配置されるようにハウジング10の内部に回転可能に組み付けられるとともに、第1大径歯車84aがウォーム83と噛合している。
ハウジング10の内部において、第1減速ギヤ84の近傍に前記第2減速ギヤ85が配置されている。第2減速ギヤ85は、円板状をなす第2大径歯車85aと、該第2大径歯車85aと一体に形成された第2小径歯車85bとを有する。第2小径歯車85bは、第2大径歯車85aよりも直径が小さい円板状をなすとともに、第2大径歯車85aの軸方向の一端面に同第2大径歯車85aと同軸となるように一体に形成されている。そして、第2減速ギヤ85は、第2小径歯車85bと第1底部12との間に第2大径歯車85aが配置されるようにハウジング10の内部に回転可能に組み付けられるとともに、第2大径歯車85aが前記第1減速ギヤ84の第1小径歯車84bと噛合している。
ハウジング10の内部において、第2減速ギヤ85の近傍に前記出力ギヤ86が配置されている。出力ギヤ86は、略円板状をなすとともに、その径方向の中央部に、出力軸86aが形成されている。出力軸86aは、円柱状をなすとともに、その先端面に連結凹部86bが形成されている。連結凹部86bは、出力ギヤ86の回転軸線方向から見た形状が略T字状をなしている。そして、出力ギヤ86は、出力軸86aが第1底部12と反対側を向いた状態でハウジング10の内部に回転可能に組み付けられるとともに、第2減速ギヤ85の第2小径歯車85bと噛合している。また、図2(a)に示すように、出力軸86aは、第2ケース51の第2底部52において出力ギヤ86と該出力ギヤ86の軸方向に対向する部分に形成された第1出力孔52aからハウジング10の外部に突出している。そして、ハウジング10の外部に突出した出力軸86aの先端部には、送風路切替ドアを作動させるリンク機構(図示略)が連結される。即ち、出力軸86aは、リンク機構を介して送風路切替ドアに連結される。尚、出力軸86aに連結されるリンク機構には、前記連結凹部に対応した略T字状の突起が形成されており、該突起を前記連結凹部86bに挿入することにより、当該リンク機構は出力軸86aに対して相対回転不能に連結される。
図1に示すように、上記のような第1出力グループ81では、モータ82が作動すると、回転軸82bの回転がウォーム83に伝達される。ウォーム83に伝達された回転は、第1減速ギヤ84、第2減速ギヤ85、出力ギヤ86の順に減速されながら伝達されていく。そして、出力ギヤ86に伝達された回転は出力軸86aから出力され、出力軸86aに連結されたリンク機構を介して送風路切替ドアが駆動される。
前記第2出力グループ91は、モータ92と、ウォーム93と、出力ギヤ94と、センサ出力軸95とから構成されている。尚、ウォーム93、出力ギヤ94及びセンサ出力軸95は、何れも少なくとも一部がハウジング10の内部に配置されてモータ92の回転が伝達されるものであるとともに、何れもモータ92の回転を減速して出力するための減速ギヤである。
モータ92は、前記第1出力グループ81を構成するモータ82と同じ形状をなしている。即ち、モータ92は、両端が閉塞された円筒状のハウジングケース92aを有する。そして、このハウジングケース92aの軸方向の一端面の中央からモータ92の回転軸92bが突出するとともに、同ハウジングケース92aの軸方向の他端面には、モータ92に給電するための一対のモータ側給電端子(図示略)が設けられている。モータ92は、このモータ側給電端子から電源が供給されると回転軸92bを回転させる。また、ハウジングケース92aの軸方向の両端面の中央部には、同ハウジングケース92aの軸方向に突出した支持突起92cがそれぞれ形成されている。そして、ハウジング10の内部において、第1底部12には、モータ92を支持するための一対のモータ支持部12bが同第1底部12と一体に形成されている。一対のモータ支持部12bは、第1底部12上で、該第1底部12と直角をなすように立設されている。モータ92は、一対のモータ支持部12b間にハウジングケース92aが配置された状態で、ハウジングケース92aの軸方向の両端部に設けられた2つの支持突起92cが一対のモータ支持部12bによって支持されることにより、モータ支持部12bによって支持されている。
モータ92の回転軸92bには、前記ウォーム93が該回転軸92bと一体回転可能に装着されている。そして、ハウジング10の内部において、このウォーム93の近傍に前記出力ギヤ94が配置されている。出力ギヤ94は、円板状をなす大径歯車94aと、該大径歯車94aと一体に形成された小径歯車94bとを有する。小径歯車94bは、大径歯車94aよりも直径が小さい円板状をなすとともに、大径歯車94aの軸方向の一端面に同大径歯車94aと同軸となるように一体に形成されている。そして、出力ギヤ94は、小径歯車94bと第1底部12との間に大径歯車94aが配置されるようにハウジング10の内部に回転可能に組み付けられるとともに、大径歯車94aがウォーム93と噛合している。また、図2(a)に示すように、出力ギヤ94の小径歯車94bは、第2ケース51の第2底部52において出力ギヤ94と該出力ギヤ94の軸方向に対向する部分に形成された第2出力孔52bからハウジング10の外部に突出している。
図1に示すように、ハウジング10の内部において、出力ギヤ94から離間した位置に前記センサ出力軸95が配置されている。センサ出力軸95は、略円板状をなすとともに、その径方向の中央部に連結軸95aが形成されている。連結軸95aは、センサ出力軸95の回転軸線方向から見た形状が略T字状をなす柱状をなしている。そして、センサ出力軸95は、連結軸95aの先端が第1ケース11の第1底部12と反対側を向いた状態でハウジング10の内部に回転可能に組み付けられている。また、図2(a)に示すように、センサ出力軸95は、第2ケース51の第2底部52においてセンサ出力軸95と対向する部分に形成された第3出力孔52cからハウジング10の外部に露出している。この第3出力孔52cは、センサ出力軸95の外径と略等しい円形状をなしている。更に、連結軸95aは、第3出力孔52cからハウジング10の外部に突出している。そして、図1に示すように、ハウジング10の外部に突出した連結軸95aには、送風路切替ドアを作動させるリンク機構を構成するリンク部材101が連結される。リンク部材101は、円形の歯車状をなしている。このリンク部材101の径方向の中央部には、該リンク部材101の軸方向から見た形状が前記連結軸95aの外径形状に対応した略T字状をなす連結孔101aが形成されている。そして、リンク部材101は、該連結孔101aに前記連結軸95aを挿入することにより、センサ出力軸95に一体回転可能に連結される。センサ出力軸95に連結されたリンク部材101は、ハウジング10の外部に配置されるとともに、ハウジング10の外部で前記出力ギヤ94の小径歯車94bに噛合する。即ち、出力ギヤ94は、リンク部材101を含むリンク機構を介して送風路切替ドアに連結されている。
上記のような第2出力グループ91では、モータ92が作動すると、回転軸92bの回転がウォーム93に伝達される。ウォーム93に伝達された回転は、出力ギヤ94の小径歯車94bから出力される。そして、出力ギヤ94の小径歯車94bに噛合したリンク部材101が回転されて、該リンク部材101を含むリンク機構によって送風路切替ドアが駆動される。この時、リンク部材101は、センサ出力軸95にて支持されながら同センサ出力軸95と一体回転する。従って、出力ギヤ94に伝達されたモータ92の回転は、リンク部材101を介してセンサ出力軸95に伝達される。尚、この第2出力グループ91においては、最後段の減速ギヤは、ハウジング10にて回転可能に支持されてモータ92の回転が伝達される最後の部品であるセンサ出力軸95に該当する。
また、ハウジング10の内部には回路基板111が収容されている。回路基板111は、第1底部12よりも小さい平板状をなしている。そして、回路基板111は、第1底部12においてモータ82及びモータ92とコネクタ部72との間となる部分に配置され、同第1底部12に固定されている。この回路基板111は、第1端子収容凹部22の内部に突出した端子接続部111aを有する。
また、第1出力グループ81の出力ギヤ86には、該出力ギヤ86の回転位置を検出するための第1位置検出センサ121が装着されている。第1位置検出センサ121は、出力ギヤ86と第1底部12との間に配置されている。そして、第1位置検出センサ121は、ハウジング10の内部において第1底部12上に配置されたバスバー部材131を介して前記回路基板111に電気的に接続されており、出力ギヤ86の回転位置に応じたパルス信号をバスバー部材131を介して出力する。また、第2出力グループ91のセンサ出力軸95には、該センサ出力軸95と一体回転するリンク部材101と噛合した出力ギヤ94の回転位置を検出するための第2位置検出センサ122が装着されている。第2位置検出センサ122は、センサ出力軸95と第1底部12との間に配置されている。そして、第2位置検出センサ122は、ハウジング10の内部において前記バスバー部材131を介して前記回路基板111に電気的に接続されており、出力ギヤ94の回転位置に応じたパルス信号をバスバー部材131を介して出力する。
また、前記回路基板111には、モータ82に給電するための一対の給電端子141及びモータ92に給電するための一対の給電端子142が設けられている。一対の給電端子141は、モータ82における回転軸82bが突出した側と反対側の軸方向の端部付近に設けられ、同モータ82のモータ側給電端子に圧接されることにより同モータ側給電端子に電気的に接続されている。同様に、一対の給電端子142は、モータ92における回転軸92bが突出した側と反対側の軸方向の端部付近に設けられ、同モータ92のモータ側給電端子に圧接されることにより同モータ側給電端子に電気的に接続されている。
また、回路基板111には、複数の前記コネクタ端子41が接続されている。複数のコネクタ端子41は、端子収容凹部71の内部において、その基端部が回路基板111の端子接続部111aに電気的に接続されている。そして、複数のコネクタ端子41は、コネクタ部72に差し込まれる外部コネクタ(図示略)と電気的に接続される。この外部コネクタを介してモータアクチュエータ1への給電、車両に搭載された外部装置との電気信号のやりとり等が行われる。
また、回路基板111には、モータアクチュエータ1の制御を行う駆動IC151が搭載されている。駆動IC151は、外部コネクタを介して外部装置から入力される電気信号、並びに第1位置検出センサ121及び第2位置検出センサ122から入力される電気信号に基づいて、モータ82及びモータ92への給電を制御する。
次に、本実施形態のモータアクチュエータ1の作用について説明する。
ハウジング10は、コネクタ部72のコネクタ開口部26が下側向くように車両に固定されている。そして、ハウジング10においては、コネクタ部72の基端部と端子収容凹部71とが隣り合うとともに、コネクタ部72に対して端子収容凹部71が上部に位置している。このため、ハウジング10の内部で結露した水の大部分は、端子収容凹部71の方へ流れていく。そして、端子収容凹部71の内部に流れ込んだ水は、端子収容凹部の底部(第1収容底部24及び第2収容底部62)、即ちコネクタ部72の基端部の方へ流れていく。更に、この水は、毛細管現象により入口開口部33から水誘導通路73の内部に引き込まれていく。更に、水誘導通路73の内部に引き込まれた水は、出口開口部34からハウジング10の外部に排出される。また、ハウジング10の内部で結露した水に限らず、モータアクチュエータ1が被水してハウジング10の内部に水が浸入した場合においても、同様にしてハウジング10の内部からハウジング10の外部へ水誘導通路73から水が排出される。
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)ハウジング10はコネクタ開口部26が下側を向いた状態で車両に固定されているため、ハウジング10の内部で結露した水は、ハウジング10の内部でコネクタ部72付近に流れていく。そして、コネクタ部72には水誘導通路73が設けられているため、ハウジング10の内部で結露してコネクタ部72付近に流れた水は、水誘導通路73を通ってハウジング10の外部に出ることができる。従って、ハウジング10の内部においてコネクタ部72付近に水が溜まることを抑制することができる。その結果、ハウジング10の内部に生じた水によってコネクタ端子41同士が短絡されることを抑制できる。
(2)水誘導通路73は、第1コネクタ合わせ面29に形成されてコネクタ部72の突出方向に延びるラビリンス構造溝31と、第2コネクタ合わせ面63からラビリンス構造溝31の内部に突出しラビリンス構造溝31に沿って延びるラビリンス構造壁68とを有する。そして、ラビリンス構造溝31は、ラビリンス構造溝31におけるコネクタ部72の先端側の端部に外部に開口する出口開口部34を有するとともに、ハウジング10の内部に開口する入口開口部33を有する。更に、水誘導通路73は、ラビリンス構造壁68とラビリンス構造溝31の内周面との間で生じる毛細管現象により出口開口部34の方へ水を誘導する。従って、ハウジング10の内部でコネクタ部72付近に流れた水は、毛細管現象によって水誘導通路73の内部に引き込まれやすくなる。その結果、ハウジング10の内部でコネクタ部72付近に流れた水をハウジング10の外部により排出しやすくなる。また、ラビリンス構造溝31の内部にラビリンス構造壁68が挿入されることにより、第1コネクタ形成部23と第2コネクタ形成部61との合わせ部にラビリンス構造が形成される。従って、このラビリンス構造によってコネクタ部72の内部に塵埃が入ることを抑制することができる。
(3)コネクタ部72の基端部と隣り合う端子収容凹部71をハウジング10が有する場合には、ハウジング10の内部で結露した水は、この端子収容凹部71に溜まりやすくなる。そして、端子収容凹部71に流れ込んだ水は、コネクタ部72に設けられた水誘導通路73からハウジング10の外部に出ることができる。従って、端子収容凹部71に配置された端子接続部111aに複数のコネクタ端子41が接続される構成であっても、水誘導通路73からハウジング10の外部に水を排出できるため、ハウジング10の内部に生じた水によってコネクタ端子41同士が短絡されることを抑制できる。
(4)出口開口部34が複数のコネクタ端子41と反対側に開口しているため、出口開口部34から排出された水が複数のコネクタ端子41にかかることを抑制できる。
(5)2つの出力グループ81,91を内部に収容する本実施形態のハウジング10は、出力グループを1つのみ内部に収容するハウジングに比べて体格が大きくなりやすい。そして、ハウジング10の体格が大きくなると、内部に発生する結露水が多くなりやすい。このようなハウジング10において、コネクタ部72に水誘導通路73が設けられているため、ハウジング10の内部に発生した水を水誘導通路73からハウジング10の外部に排出することができる。従って、2つの出力グループ81,91を収容したハウジング10の内部に生じた水によってコネクタ端子41同士が短絡されることを抑制できる。
(6)2つのラビリンス構造溝31,32のうち、ハウジング10が車両に固定された状態においてより下側に位置する方のラビリンス構造溝31が水誘導通路73を構成している。従って、水誘導通路73に更に水が流れ込みやすくなるため、水誘導通路73からハウジング10の外部に水をより排出しやすい。
(7)ハウジング10の内部に溜まった水を排出するために、例えばハウジング10の第1底部12、第1側壁部13等にハウジング10の内部と外部とを連結する孔を設けることが考えられる。ハウジング10に水を排出するための孔を設ける場合には、孔の大きさを大きく設定しないと水の表面張力によってハウジング10の内部から外部に水を排出することが困難となる虞がある。しかし、ハウジング10に大きな孔を設けると、当該孔からハウジング10の内部に塵埃が入り込み、モータアクチュエータ1において異音が発生したり作動不良となったりすることが懸念される。これに対し、本実施形態の水誘導通路73は、第1コネクタ合わせ面29に開口した溝状のラビリンス構造溝31が第2コネクタ合わせ面63によって閉塞された狭い通路状をなしている。そのため、水誘導通路73からハウジング10の内部へ塵埃が侵入し難い。従って、水誘導通路73からハウジング10の内部への塵埃の侵入を抑制しつつ、同水誘導通路73からハウジング10の外部へ水を排出することができる。
(8)近年、車両用空調装置は、自動車内の快適性向上のために、左右独立温度コントロールタイプや上下独立温度コントロールタイプのものが増加している。このような車両用空調装置は、きめ細かい空調制御を行うことができる。しかしながら、左右独立温度コントロールタイプ及び上下独立温度コントロールタイプの車両用空調装置は、左右共通温度コントロールタイプ及び上下共通温度コントロールタイプの車両用空調装置に比べて、送風路切替ドアの数が多くなる。従って、左右独立温度コントロールタイプや上下独立温度コントロールタイプの車両用空調装置に、出力グループを1つのみ備えた従来のモータアクチュエータを用いると、多数の送風路切換ドアを駆動するために、当該モータアクチュエータを車両に多数搭載することになる。その結果、コストの増大を招いてしまう。これに対し、本実施形態のモータアクチュエータ1は、1つのハウジング10の内部に2つの出力グループ81,91を収容しているため、出力グループを1つのみ備えた従来のモータアクチュエータを複数用いる場合に比べて、部品点数及び組付け工数を低減することができるため、コストの増大を抑制することができる。
尚、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、ハウジング10の内部には2つの出力グループ81,91が枢要されている。しかしながら、ハウジング10の内部に収容される出力グループの数はこれに限らない。ハウジング10の内部には、出力グループが1つのみ収容されてもよいし、3つ以上の出力グループが収容されてもよい。
・上記実施形態では、第1出力グループ81は、1つのモータ82及び4つの減速ギヤ(即ちウォーム83、第1減速ギヤ84、第2減速ギヤ85及び出力ギヤ86)から構成されている。また、第2出力グループ91は、1つのモータ92及び3つの減速ギヤ(即ちウォーム93、出力ギヤ94及びセンサ出力軸95)から構成されている。しかしながら、各出力グループ81,91は、1つのモータと、該モータの回転を減速して出力する少なくとも1つの減速ギヤとから構成されていれば、上記実施形態の構成に限らない。
・上記実施形態では、出口開口部34は、複数のコネクタ端子41と反対方向に開口している。しかしながら、出口開口部34の開口方向はこれに限らない。例えば、図11に示すように、出口開口部34は、第1コネクタ形成部23の先端面に設けられ、コネクタ開口部26と同方向に開口するものであってもよい。尚、図11に示すハウジング10は、上記実施形態と同じ姿勢で車両に固定されるものである。このようにしても上記実施形態の(1)〜(3),(5)〜(8)と同様の効果を得ることができる。
・ハウジング10は、端子収容凹部71を必ずしも備えなくてもよい。
・上記実施形態では、モータアクチュエータ1は、ハウジング10の内部に回路基板111を備えている。しかしながら、モータアクチュエータ1は、必ずしも回路基板111を備えなくてもよい。この場合、回路基板111を介することなくモータ82,92及びバスバー部材131とコネクタ端子41とが電気的に接続される。
・上記実施形態では、第1コネクタ形成部23の第1コネクタ合わせ面29にラビリンス構造溝31が形成され、第2コネクタ形成部61の第2コネクタ合わせ面63にラビリンス構造壁68が形成されている。しかしながら、第2コネクタ形成部61の第2コネクタ合わせ面63にラビリンス構造溝31を形成し、第1コネクタ形成部23の第1コネクタ合わせ面29にラビリンス構造壁68を形成してもよい。
・水誘導通路73の形状は、ハウジング10の内部からハウジング10の外部へ水を誘導可能であれば、上記実施形態の形状に限らない。例えば、図12に示すように、水誘導通路73は、第2コネクタ合わせ面63にて閉塞されるラビリンス構造溝31から構成され、ラビリンス構造壁68を備えない構成であってもよい。また、水誘導通路73は、第1コネクタ合わせ面29と第2コネクタ合わせ面63との両方に形成されたラビリンス構造溝31を重ね合わせて形成された通路状のものであってもよい。また、ハウジング10に複数の水誘導通路73を設けてもよい。
・ハウジング10は、コネクタ開口部26が下側を向いた状態で車両に固定されるのであれば、車両に対する固定姿勢は上記実施形態のものに限らない。例えば、図13(a)に示すように、ハウジング10は、第1底部12の厚さ方向から見て同第1底部12の中央部を中心として時計方向に若干回転された状態で車両に固定されてもよい。この場合、図13(b)に示すように、一対のラビリンス構造溝31,32のうちより下方に位置するラビリンス構造溝32に、入口開口部33と出口開口部34とが設けられている。このようにしても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。また、図14(a)に示すように、ハウジング10は、コネクタ部72の突出方向と上下方向とが一致した状態で車両に固定されてもよい。この場合、図14(b)に示すように、一対のラビリンス構造溝31,32の両方に入口開口部33及び出口開口部34を設けてもよい。このようにしても上記実施形態の(1)〜(3),(5),(7),(8)と同様の効果を得ることができる。また、2つのラビリンス構造溝31,32の両方が水誘導通路73を構成するため、より効率良くハウジング10の内部から外部へ水を排出することができる。