JP2004301561A - 分光学的識別定量システム - Google Patents

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Abstract

【課題】微生物の繁殖の様子などを観察できるようにする。
【解決手段】分光学的識別定量システム2は、パルスレーザ光を発するレーザ光源4と、レーザ光源4からのパルスレーザ光を広範囲な計測面Sに均一に照射させる第1の光学系6と、計測面Sからの反射波を集光する第2の光学系8と、第2の光学系8からの光を分光する分光部14と、分光部14からの光を電気信号に変換して検出信号を得る光検出手段10と、光検出手段10からの検出信号を取り込み、所定の処理するデータ処理手段12とを備えたものである。データ処理手段12は、計測面Sにおける蛍光の発光状態を2次元画像として出力可能である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プランクトンや細菌などの微生物の繁殖状態などを調べるのに好適な分光学的識別定量システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、微生物やタンパク質の中で蛍光を発するものを観測する場合には、当該微生物やタンパク質のサンプルを蛍光顕微鏡やマイクロプレートリーダを用いて測定する方法が取られていた。この観測方法では、当然のことながら、少量のサンプルしか測定できず、広範囲な測定を行うということができなかった。したがって、前記従来の観測方法では、例えば植物プランクトンなどのように種類によって生活の場や繁殖の時期が異なり、かつ、広い海中に分布するような微生物について種類及び量を観測することは、非常に困難で多大な労力を必要としていた。また、上述した従来の観測方法では、繁殖の様子や時間的経過をとらえることが困難である。
【0003】
このような不都合を解消するために、従来、例えば植物プランクトン濃度の定量方法が提案された(例えば、特許文献1参照)。この植物プランクトン濃度の定量方法は次のようにしている。まず、人工海水等の移送液をポンプでインジェクタに圧送し、その圧力を用いてインジェクタで海水試料を吸い込み、その移送液と海水試料の混合液を混合器に送り込む。また、発光試薬をポンプで混合器に送り込む。前記混合器で移送液と海水試料と発光試薬とが混合されて、暗箱内に設置されたフローセルに送られる。暗箱内には、フローセルと光電子倍増管とが設けられており、フローセル中を流れる移送液と海水試料と発光試薬との混合液が発生する化学発光を前記光電子倍増管で検出して記録するものである。この植物プランクトン濃度の定量方法によれば、時間的な測定ができ、かつ、多量の海水の観測が可能になる。
【0004】
一方、生きた細胞(生細胞)および死んだ細胞(死細胞)と結合して励起光により蛍光を放射する物質と、死細胞とのみ結合して励起光により異なる波長の蛍光を放射する物質との混合溶液を試料に加え、生細胞と死細胞とを同時に観察することが提案されている(特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−75893号公報
【特許文献2】
特開2001−286296号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された従来の植物プランクトン濃度の定量方法によれば、大量の海水試料を観測できる利点はあるものの、いまだ自然に近い状態でプランクトンの種類及び量を正確に測定することができないという不都合があった。このため、繁殖の状態など、他の微生物との競合関係などを観察することができない。
【0007】
また、特許文献2に記載の生細胞と死細胞とを同時に観察する方法は、細胞または微生物を付着させた小さなプレートまたは少量の試料を使用して観察するようになっており、実際の繁殖の様子や時間的経過を観察することができない。また、特許文献2においては、生細胞と死細胞とを観察する場合に、フィルタを交換するようにしており、迅速な観察を行なうことができない。
本発明は、上述した従来技術の欠点を解消し、微生物の繁殖の様子などを観察できるようにすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決しようとする手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る分光学的識別定量システムは、レーザ光を放射する励起光光源と、前記レーザ光を拡散し、フラットトップビームにして試料に照射する光学系、前記試料から放射された蛍光を複数の波長帯域に分ける分光部と、前記各波長帯域に対応して設けられ、受光量に応じた電気信号を出力する複数の光検出部と、前記各光検出部の出力信号に基づいて、対応する前記各波長帯域の蛍光を放射した前記試料中に含まれる微生物または細胞の量を求めるデータ処理手段と、を有することを特徴としている。
【0009】
また、本発明は、レーザ光を放射する励起光光源と、前記レーザ光を拡散し、フラットトップビームにして試料に照射する光学系と、前記試料から放射された蛍光を波長分散する分光部と、この分光部が波長分散した前記蛍光の複数の波長帯域のそれぞれに対応して設けられ、受光量に応じた電気信号を出力する複数の光検出部と、前記各光検出部の出力信号に基づいて、対応する前記各波長帯域の蛍光を放射した前記試料中に含まれる微生物または細胞の量を求めるデータ処理手段と、を有することを特徴としている。
【0010】
このようになっている本発明は、広い範囲に励起光であるレーザ光を照射することができ、シャーレや水槽などの大きな容器内の試料を観察することができる。したがって、自然に近い状態で微生物の繁殖の様子などを容易に観察することができる。しかも、複数の波長帯域において同時に観察できるため、微生物の繁殖や生死の推移などを容易、正確に観察することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る分光学的識別定量システムの好ましい実施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施の形態に係る分光学的識別定量システムの概略を示すブロック図である。この図1において、本発明に係る分光学的識別定量システム2は、計測すべき微生物であるプランクトンの存在する計測面Sに試薬を投入し、計測面Sのどの部分も均一の強度としたパルスレーザ光を照射し、前記計測面Sからプランクトンの状態に応じて発する蛍光を取り込み、広範囲に観測できる装置としたものである。試薬は、プランクトンと結合し、励起光によって蛍光を放射する物質からなっている。本発明に係る分光学的識別定量システム2の具体的構成例は次のとおりである。
【0012】
すなわち、実施形態に係る分光学的識別定量システム2は、大別すると、パルスレーザ光を発するレーザ光源(励起光光源)4と、レーザ光源4が放射したパルスレーザ光を拡散するとともに、フラットトップビームにする第1の光学系6を有する。第1の光学系6は、フラットトップビームからなる励起光を広範囲な計測面Sに照射する。また、分光学的識別定量システム2は、計測面Sにおいて試料から放射される蛍光を集光して平行光にする第2の光学系8と、 第2の光学系8からの光を分光する分光部14と、分光部14からの光を電気的な検出信号に変換して所定の検出データにする光検出手段10と、光検出手段10からの検出データを取り込み所定の処理するデータ処理手段12とを備えている。
【0013】
前記第1の光学系6は、光学レンズとディフューザ(拡散板)との組合せからなり、レーザ光源4の出力した強度分布がガウス分布をなすレーザ光を、広範囲な計測面Sに対して一様な強度の光(フラットトップビーム)にして計測面Sに照射できるものである。なお、計測面Sは、適宜の大きさのシャーレや水槽などによって形成される。
【0014】
前記第2の光学系8は、広範囲な計測面Sからの蛍光を集光する光学系凸レンズ、凹レンズの組合せからなり、広範囲な計測面Sにおいて試料が発する蛍光を集光して平行光にして分光部14に供給できるような光学系である。
【0015】
第1実施形態の分光部14は、図2のようになっていて、第2の光学系8から入射した蛍光を複数の波長帯域に分けるようにしてある。すなわち、分光部14は、実施形態の場合、第2の光学系8からの蛍光を3つの波長帯域に分けるようになっていて、例えば波長が600nm以上の光を反射し、600nm以下の光を透過するダイクロイックフィルタからなる第1フィルタ14aと、第1フィルタ14aの後方側に配置され、例えば波長が500nm以上の光を反射し、500nm以下の光を透過するダイクロイックフィルタからなる第2フィルタ14aと、第2フィルタ14bの後方側に配置されて第2フィルタ14bを透過した光を反射する反射鏡14cとから構成してある。
【0016】
前記光検出手段10は、分光部14からの蛍光を電気信号に変換する光電気変換手段16と、前記光電気変換手段16からの電気信号を読み取り所定の検出データにするデータ読取部18とから構成されている。光電気変換手段16は、分光部14が分けた3つの波長帯域に対応して光検出部である光電変換部17(17a〜17c)を備えている。また、データ読取部18は、各光電変換部17に対応してデータ読取回路21(21a〜21c)を有している。なお、分光部14の反射鏡14cを設けずに、第2フィルタ14bを透過した光を直接光電変換部17cに入射させるようにしてもよい。
【0017】
光電気変換手段16を構成している各光電変換部17a〜17cは、同じように構成してあって、第1フィルタ14a、第2フィルタ14b、反射鏡14cによって反射された蛍光が入射し、入射した蛍光を電子(光電子)に変換する光電変換面と、この光電変換面に対面して設けた電子を増幅する複数の光電子増倍管(Photomultiplier Tube 以下「PMT」という)19、………とを有する。複数のPMT19は、平面状(マトリックス状)に整然と並べてある。
【0018】
すなわち、各光電変換部17は、図3に示したようになっていて、真空容器31の前面に光電変換面33を有する。また、光電変換部17は、光電変換面33に対面させたマイクロチャンネルプレート35と、検出モジュール37とがこの順で配設してある。そして、光電変換部17は、光電変換面33とマイクロチャンネルプレート35と検出モジュール37とが相互に密接するように配置してある。マイクロチャンネルプレート35は、多数のPMT(マイクロキャピラリー)19がマトリックス状に配列してある。
【0019】
すなわち、光電変換部17は、真空容器31を有し真空容器31の前面に光電変換面33を備えている。光電変換面33は、蛍光である光子pの入射によって電子eを放出する。そして、光電変換部17は、光電変換面33に対向配置されて光電変換面33が放出した電子eを増幅するマイクロチャンネルプレート35と、前記マイクロチャンネルプレート35を構成しているPMT(マイクロキャピラリー)19に対応して設けられ、PMT19で増幅された電子εが入射する検出電極が複数設けられてなる検出モジュール37とを有する。この検出モジュール37は、動作制御部39に接続してあって、動作制御部39によって駆動され、データ読取部18を構成しているデータ読取回路21に検出信号を出力する。データ読取回路21は、動作制御部39が出力する駆動制御信号に同期して検出モジュール37の出力信号を読み込み、検出データとして出力する。
【0020】
図4は、検出モジュール37の一例を示す説明図である。検出モジュール37は、図4に示すように、マイクロチャンネルプレート35のPMT(マイクロキャピラリー)19の出力側に対面してn個×n個マトリックス状に設けた検出電極51、51、………を有している。
【0021】
さらに説明すると、検出モジュール37は、MOSトランジスタからなる複数の検出トランジスタ53(53ij)と、MOSトランジスタからなる複数の読み出しトランジスタ55(55a、55b、……… )とを備えている。検出トランジスタ53ij(i=1 、2、3、………n、j=1、2、3、………n)は、マイクロチャンネルプレート35を構成しているPMT19に対応してn×n個がマトリックス状に配置してある。また、読み出しトランジスタ55は、マトリックス状に配置した検出トランジスタ53の各列に対応してn個設けてある。
【0022】
検出トランジスタ53は、各行ごとにゲートがゲート制御線63(63a、63b、………)に接続され、これらのゲート制御線63が動作制御部39を構成しているスイッチング用集積回路65のゲート切替回路67に接続してある。また、検出トランジスタ53は、ドレインが各列ごとにデータ線69(69a、69b、………)を介して読み出しトランジスタ55のソースに接続してある。そして、各読み出しトランジスタ55は、ドレインがデータ読取回路21に接続してあり、それぞれのゲートが対応する読み出し線71(71a、71b、………)に接続してある。また、各検出トランジスタ53のソースには、PMT19の出力側に対面して設けた検出電極51が接続してある。
【0023】
各読み出し線71は、集積回路65を構成している読み出し線切替回路75に接続してある。動作制御部39を構成している集積回路65は、ゲート切替回路67、読み出し線切替回路75、切替制御部77などから構成してある。そして、切替制御部77は、2値直交変調パターン(直交変調パターン)に基づいて切替制御信号を生成し、この切替制御信号をゲート切替回路67と読み出し線切替回路75とに与え、各検出トランジスタ53を直交変調パターンに基づいて切替動作させるようになっている。実施形態の場合、この切替え動作は、直交変調パターンであるアダマール行列を構成する変調パターンによって切替えるようにしてある。なお、アダマール行列に基づく変調、復調については、本願出願人の出願に係る特開2003−4636号公報に詳しく説明されている。
【0024】
データ読取部18を構成しているデータ読取回路21は、各検出トランジスタ53の出力する電流信号を取り込み、これを電圧に変換して出力する。そして、各データ読取回路21は、実施形態の場合、各光電変換部17を構成している各PMT19の出力を、アダマール行列を構成する直交変調パターンを利用する手法で読み取り、それらを信号処理して検出データとして出力できる信号処理が可能な回路である。なお、前記各PMT19は、計測面Sの直交するx軸、y軸に対応させて整然と配置されており、計測面Sのx座標、y座標に対応した検出信号を出力するようになっている。もちろん、各検出トランジスタ53の出力を1つずつ順次読み出すようにしてもよい。
【0025】
前記データ処理手段12は、例えばコンピュータシステムで構成すればよく、前記データ読取部18からの検出データを当該コンピュータシステムに読み込んで、コンピュータシステムで実行する解析プログラムによって解析し、その解析結果を表示するように構成したものである。このコンピュータシステムは、図示しないが、各種入出力インターフェースを備えかつ各種の演算処理を実行するコンピュータ本体と、前記コンピュータ本体に必要な指令やデータを入力する入力装置(例えば、キーボード、マウスなど)と、コンピュータ本体で処理した結果等を表示したり、ハードコピーを取る出力装置(表示装置、プリンタなど)とから構成されている。
【0026】
前記コンピュータ本体は、各種の演算処理や解析処理を実行する中央処理部と、オペレーティングシステムと解析プログラムを記憶するメインメモリと、マウス・キーボード・プリンタが接続される入力出力ポートと、前記データ読取部18からのデータを読み取るためのインターフェースと、オペレーティングシステムと解析プログラムと各種定数と、その他必要なデータベースを格納するハードディスク装置と、その他の機器と、これらを接続するバスラインとが内蔵されている。そして、データ処理手段12は、各データ読取回路21の出力信号をアダマール逆変換してマイクロチャンネルプレート35の電子eが入射した位置、すなわち計測面Sの蛍光が放射された位置と、その蛍光を放射した微生物の数を予め与えられているデータと比較して求める。
【0027】
このような第1実施形態に係る分光学的識別定量システム2の作用について、図1ないし4に基づいて、図5を参照して簡単に説明する。ここで、図5は、分光学的識別定量システム2によって解析したある時刻における計測データの模式図である。この図5においては、横軸に計測面Sのx軸を、縦軸に計測面Sのy軸を、それぞれとったものである。
【0028】
まず、計測面Sを構成している容器(例えばシャーレや水槽)中の試料に試薬(蛍光物質)を投入する。この試薬(蛍光物質)は、例えば蛍光物質DAPI(4′6 Diamidino−2−phenylindole dihydrochloride)とPI(Propidium Iodide)との混合溶液であって、これらの試薬によって試料中に存在するプランクトンなどの微生物を二重染色する。これらの試薬は、微生物(細胞の核)と結合することにより、励起光に励起されて蛍光を発するようになる。実施形態の場合、分光学的識別定量システム2では、前述した2種類の試薬(蛍光物質)を使用しており、試薬(蛍光物質)を計測面Sに投入後、1分経過すると、計測が可能になる。なお、DAPIは、細胞の核と結合すると、波長397nm以下の紫外線によって励起され、波長460nmの青色の蛍光を放射する。また、PIは、波長468nmに励起のピーク値をもち、波長610〜620nmの赤色の蛍光を放射する。
【0029】
そこで、レーザ光源4からパルスレーザ光を第1の光学系6に入射する。なお、レーザ光源4は、実施形態の場合、波長可変の色素レーザ光源を用いている。これは、例えば生細胞と死細胞とを同時に観察する場合、上記のように励起波長の異なる2種類の蛍光物質を使用する必要がある。したがって、レーザ光源4から放射するレーザ光の波長を、使用する蛍光物質の励起光に合わせて切り替えることにより、2種類の蛍光物質を励起することが可能となり、生細胞と死細胞とを同時に観察することができる。なお、出力(放射)波長の異なる複数のレーザ光源を用意し、これらを同時にまたは交互に駆動するようにしてもよい。
【0030】
第1の光学系6は、入射したレーザ光を計測面Sのどの面でも均一の強さのフラットトップビームにして計測面Sに照射する。すると、生菌体(あるいは生きているプランクトン)は青い蛍光を発し、死菌体(あるいは死滅しているプランクトン)は赤い蛍光を発する。
【0031】
これらの蛍光は、第2の光学系8が集光して平行光にして分光部14に入射する。分光部14は、第1フィルタ14aが赤色の蛍光を反射し、光電気変換手段16の光電変換部17aに入射する。また、青色の蛍光は、第1フィルタ14a、第2フィルタ14bを透過し、反射鏡14cによって反射され、光電気変換手段16の光電変換部17cに入射する。各光電変換部17a、17cは、図3に示したように、蛍光(光子p)が入射すると、光電変換面33が光子pを電子eに変換する。電子eは、マイクロチャンネルプレート35のPMT19に入射する。PMT19は、電子eを増幅して増幅された電子εを検出モジュール37の検出電極51に入射する。検出モジュール37を構成している検出トランジスタ53は、検出電極51に増幅された電子εが入射すると、検出信号を出力する。各検出トランジスタ53の出力信号は、アダマール変調されてデータ読取回路21に読み取られ、検出データとしてデータ処理手段12に入力される。
【0032】
データ処理手段12は、予め与えられているプログラムにしたがって、検出データをアダマール逆変換して検出信号を出力した検出トランジスタ53、すなわちマイクロチャンネルプレート35を構成しているPMT19の位置を求める。これにより、計測面Sの蛍光を発している位置を特定することができる。すなわち、プランクトンなどの微生物が存在している位置を得ることができる。
【0033】
また、データ処理手段12は、検出トランジスタ53の出力した検出信号の数、すなわちPMT19に入射した電子eの数を、予め与えられているデータと比較し、赤色の蛍光を放射した死滅した菌体(あるいは死滅したプランクトン)の数や濃度と、生菌体(あるいは生きているプランクトン)の数や濃度とを演算して求める。蛍光の強さと微生物の数とは相関関係にあることが知られており、予めこの関係を求めておくことにより、微生物の数を容易に求めることができる。そして、データ処理手段12は、例えば生菌体(あるいは生きているプランクトン)の分布状態などを、図5のように示したように、図示しない表示装置に表示する。図5は、ある時刻の解析結果を表示装置に表示させた模式図である。この図5において、蛍光強度(計測データのカウント数)が大きいほど、色が濃く表示されることになる。なお、データ処理手段12は、解析プログラムの処理により、時々刻々と変化する試料中に含まれる菌体(あるいはプランクトン)の状態をある時間内で表示させることができる。また、データ処理装置12は、生菌体と死菌体とのいずれか一方または双方の数や濃度を異なった色によって表示可能であり、波長の異なる蛍光体を使用することにより、複数種類のプランクトンなどの微生物の表示が可能である。
【0034】
以上説明したように本発明に係る分光学的識別定量システム2によれば、ある時間内で状態を知ることが可能で、かつ、広範囲な計測面Sにおけるプランクトンの種類(生死)とその具体量を定量的に観測することができる利点がある。しかも、レーザ光を広い範囲にわたって照射することができるため、大きな容器内の微生物を観察することが可能となる。このため、自然に近い状態の観察が可能で、プランクトンなどの繁殖状態や他の微生物との競合関係などを容易、確実に観察することができる。また、実施形態においては、計測面Sからの蛍光を複数の波長帯域に分けて同時に検出するようにしているため、繁殖の状態、生死の時間的経過を容易に観察することができる。
【0035】
なお、上述した第1の実施の形態では、菌体(あるいはプランクトン)を観測するために上述した試薬(蛍光物質)を使用したが、例えば珪藻類をはじめとする微細藻類が含有するクロロフィル由来の蛍光を利用する場合には、生きている珪藻類をはじめとする微細藻類は赤色の蛍光を放射させ、死滅している珪藻類をはじめとする微細藻類は黄色の蛍光を放射させる試薬(蛍光物質)(TO−PRO−1 iodide)を用いることもできる。また、上記実施形態においては、微生物の検出について説明したが、細胞の検出などにも適用することができる。
【0036】
図6は、本発明の第2実施形態に係る分光学的識別定量システムの要部説明図である。この図6において、分光学的識別定量システムは、分光部が透過型の回折格子100によって構成してある。回折格子100は、第2の光学系8から入射した蛍光を、図6に示したように、赤色から青色まで波長分散する。そして、この第2の実施形態においては、赤色の波長帯域と青色の波長帯域とに対応した位置のそれぞれに、光電気変換手段16を構成している光電変換部17d、17eが配置してある。また、データ読取部18は、各光電変換部17に対応したデータ読取回路21d、21eを有している。
【0037】
すなわち、この第2実施形態は、図6に示すように、例えば死んでいる菌体(またはプランクトン)と、生きている菌体(またはプランクトン)との双方を検出するために、光電変換部17dを赤色の波長の位置(図示左側)に配置し、光電変換部17eを青色の波長の位置(図示右側)に平面状に配置している。なお、回析格子14bは、紫色、藍色、青色、緑色、黄色、橙色、赤色と光を波長分散するので、検出したい試料と蛍光試薬に応じて当該波長領域に光電変換部17を配置すれば、検出したい試料中の微生物の種類や生死などを同時に検出することができる。また、分光部は、反射型回折格子やプリズムなどによって構成してもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、広い範囲にレーザ光を照射することができ、シャーレや水槽などの大きな容器内の試料を観察することができるため、自然に近い状態で微生物の繁殖の様子などを容易に観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る分光学的識別定量システムの概略を示すブロック図である。
【図2】第1実施の形態に係る分光部の詳細説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る光電変換部の詳細説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る検出モジュールの詳細図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る分光学的識別定量システムによる計測データの模式図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る分光学的識別定量システムの要部説明図である。
【符号の説明】
2………分光学的識別定量システム、4………励起光光源(レーザ光源)、6………第1の光学系、8………第2の光学系、10………光検出手段、12………データ処理手段、14………分光部、16………光電気変換手段、17a〜17e………光検出部(光電変換部)、18………データ読取部、19………電子増倍管、21a〜21e………データ読取回路、100………分光部(回折格子)。

Claims (2)

  1. レーザ光を放射する励起光光源と、
    前記レーザ光を拡散し、フラットトップビームにして試料に照射する光学系、
    前記試料から放射された蛍光を複数の波長帯域に分ける分光部と、
    前記各波長帯域に対応して設けられ、受光量に応じた電気信号を出力する複数の光検出部と、
    前記各光検出部の出力信号に基づいて、対応する前記各波長帯域の蛍光を放射した前記試料中に含まれる微生物または細胞の量を求めるデータ処理手段と、
    を有することを特徴とする分光学的識別定量システム。
  2. レーザ光を放射する励起光光源と、
    前記レーザ光を拡散し、フラットトップビームにして試料に照射する光学系と、
    前記試料から放射された蛍光を波長分散する分光部と、
    この分光部が波長分散した前記蛍光の複数の波長帯域のそれぞれに対応して設けられ、受光量に応じた電気信号を出力する複数の光検出部と、
    前記各光検出部の出力信号に基づいて、対応する前記各波長帯域の蛍光を放射した前記試料中に含まれる微生物または細胞の量を求めるデータ処理手段と、
    を有することを特徴とする分光学的識別定量システム。
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