JP2004300832A - 接続配管の抜止構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】接続配管のステーへの取り付け作業を簡略化できる抜止構造を提供すること。また、抜止構造の部品点数を減少し、抜止構造のコストを低減すること。また、取付後には振動などによっても接続配管の取付が緩むことが無く脱落のおそれのない抜止構造を提供すること。
【解決手段】その一端側が給水配管等の端末に接続されると共に他端側は第1ステー54に穿設された挿通孔58に挿通されて水栓本体20の接続部22,24に接続されるエルボの、第1ステー54に対する抜け止めを行うための接続配管の抜止構造10であって、エルボ42の外周面に突設片44を設け、第1ステー54に穿設された挿通孔58は挿通されるエルボ42が回動可能に設け、挿通孔58のエルボ42側周縁部には、周縁部から立ち上がり次いで挿通孔58の周縁部に沿って屈曲すると共に、突設片44を収容して係止可能に形成された鉤状突片59が設けられた。
【選択図】 図2
【解決手段】その一端側が給水配管等の端末に接続されると共に他端側は第1ステー54に穿設された挿通孔58に挿通されて水栓本体20の接続部22,24に接続されるエルボの、第1ステー54に対する抜け止めを行うための接続配管の抜止構造10であって、エルボ42の外周面に突設片44を設け、第1ステー54に穿設された挿通孔58は挿通されるエルボ42が回動可能に設け、挿通孔58のエルボ42側周縁部には、周縁部から立ち上がり次いで挿通孔58の周縁部に沿って屈曲すると共に、突設片44を収容して係止可能に形成された鉤状突片59が設けられた。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配管端末に接続される接続配管のステーに対する抜け止めを行う接続配管の抜止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、湯水混合水栓等の水栓本体と給水配管や給湯配管とを接続するためにエルボ等の接続配管が用いられている。このような接続配管は、壁面等の取付部に固定されたステーの挿通孔に挿通されるなどしてステー正面側に配設される水栓本体に接続されるが、接続配管がステーから抜け落ちないようするために、接続配管をステーの挿通孔に挿通すると共にこの接続配管をナットやビスなどを用いてステーに螺着固定するような抜止構造が知られている。
【0003】
これを、図4を参照して説明する。水栓本体20背面側(図の上方)からは、吐水口やシャワーホースから吐出される湯水を混合する水栓本体内の混合室へと連通する円筒状の水側接続部22及び湯側接続部24がそれぞれ突設されている。一方、給水配管及び給湯配管は、壁面等の取付部70の裏側に引き回されている。接続配管71には、それぞれ雄ねじが刻設された後方接続口72及び前方接続口73が備えられており、両接続口の間には、後述する取付部70の取付孔74よりも大径のフランジ部75が設けられている。給水配管1側及び給湯配管1側にそれぞれ用意された2つの接続配管71は、固定ステー76の固定用孔77にそれぞれ挿通された状態でその後方接続口72にナット78が螺着され、所定の間隔に定められて固定ステー78に取り付けられている。固定ステー76の固定用孔77は、両接続配管71が水栓本体20の両接続部22,24の間隔に合わせた間隔となるように設けられており、予め両接続配管71の間隔を定めておいて水栓本体20の接続配管71への接続作業を容易にするものである。また、図示は省略するが、後方接続口72にはさらに袋ナットにより給水配管・給湯配管がそれぞれ接続固定されている。そして、固定ステー76に取り付けられた各接続配管71を、その前方接続口73を取付部70の取付孔74に挿通させて、取付部70前方側に前方接続口73の開口部を臨ませる。
【0004】
取付部70前方側においては、シートパッキン80及び取付ステー81を介して、円筒状の固定部材82が前方接続口73に螺着固定される。固定部材82の前方側には、取付部70の取付孔74及び取付ステー81の取付孔85よりも大径のフランジ部83が設けられており、上述した接続配管71のフランジ部75とこの固定部材82のフランジ部83とにより取付部70及び取付ステー81が狭持されて、接続配管71が固定ステー76に対して抜け止めされることとなる。また同時に、取付ステー81、固定部材82等が取付部70に固定される。そして、接続配管71の前方接続口73内周面にはOリング40が装着されており、この前方接続口73に水栓本体20の接続部22,24がそれぞれ挿嵌接続されて、接続部22,24と接続配管71とが水密に接続されることとなる。また、水栓本体20は別途取付ステー81に固定されて、水栓本体20自体も取付部70に固定されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−3409号公報(図2及び図3参照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した接続配管の抜止構造84では、接続配管71が固定ステー76から抜け落ちないようにするために、取付ステー81表側から接続配管71に固定部材82を螺着する必要があり作業が煩雑なものとなっていた。また、このような固定部材82を用いるため、接続配管71の抜止めのために別途固定部材82という部品が必要となり部品点数が増加するという問題も生じていた。また、接続配管71の取付後に、ウォーターハンマの振動等によって螺着した固定部材82が緩むことがあり、接続配管71の脱落のおそれも生ずることとなっていた。なお、このように固定部材82を用いる抜止構造のみならず、ビスなどによって接続配管71を固定ステーにねじ止めする抜止構造においても同様の問題が生じていた。
【0007】
本発明は、上記した従来の接続配管の抜止構造の問題点を解消するものであり、接続配管のステーへの取り付け作業を簡略化できる抜止構造を提供することにある。また、抜止構造の部品点数を減少し、抜止構造のコストを低減することも目的とする。さらにまた、取付後には振動などによっても接続配管の取付が緩むことが無く脱落のおそれのない抜止構造を提供することも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、本発明の採った手段を以下に説明する。本発明は、その一端側が配管の端末に接続されると共に他端側はステーに穿設された挿通孔に挿通されて水栓本体の接続部に接続される接続配管の、前記ステーに対する抜け止めを行うための接続配管の抜止構造であって、前記接続配管の外周面には突設片が設けられ、前記ステーに穿設された挿通孔は前記挿通される接続配管が回動可能に設けられ、前記挿通孔の接続配管側周縁部には、周縁部から立ち上がり次いで挿通孔の周縁部に沿って屈曲すると共に、前記突設片を収容して係止可能に形成された鉤状突片が設けられたことを特徴とする接続配管の抜止構造である(請求項1)。
【0009】
本発明では、突設片を鉤状突片からずらした状態で、挿通孔に接続配管を挿通し、この状態から接続配管を回動させて突設片を鉤状突片内に収容することにより突設片が鉤状突片に係止され、接続配管のステーに対する抜け止めを行うことができる。このように、接続配管の突設片をステー側の鉤状突片に係止可能に設けることにより、ねじ止めや固定部材によって接続配管の抜け止めを行う必要がなく、極めて簡便に抜け止めを行うことができる。また、突設片は鉤状突片に係止されているだけなので、振動によりねじが緩むことによる脱落のおそれもない。ここで「接続配管」は、その配管側が給水・給湯配管側に接続されると共に水栓本体側は水栓本体の接続部に接続される配管を言い、ストレート管やエルボなどの剛性管や可撓管など種々の配管を含み、その形状や材質などは限定されない。「突設片」は、鉤状突片に収容されて係止可能な突片、舌片その他の接続配管から突設される種々の部位をいう。「鉤状突片」も同様に、「周縁部から立ち上がり次いで挿通孔の周縁部に沿って屈曲すると共に、前記突設片を収容して係止可能」であればその長さなど形状についての限定はされない。また、突設片や鉤状突片は、接続配管やステーとは別に形成された上で、接続配管やステーに取り付けられるものでもよい。また、本発明の接続配管は給水配管や給湯配管に接続されることにより回動が規制されるので、ねじ止めや固定部材によって接続配管の抜け止めを行う必要がなく、極めて簡単に抜け止めを行うことができるのであるが、給水配管や給湯配管が不安定な状態で引き回されている場合には、配管接続が回動して外れ、接続配管が外れるおそれがあるので、接続配管をねじ止めや固定部材を用いて抜け止めを行うことと併用することができる。こうすることにより、給水配管や給湯配管が不安定な状態で引き回されている場合でも配管接続が回動して外れて脱落するのを防止することができる。
【0010】
また、前記突設片は少なくとも2つ以上設けられ、前記鉤状突片は少なくとも前記突設片と対向する位置に備えられているものとすることができる(請求項2)。
【0011】
確実・安定的に接続配管の抜け止めを行うためには、突設片は少なくとも2つ以上の数が設けられることとして係止される箇所を2つ以上とすることが望ましい。また当然ながら、これに対応して、突設片と対向する位置に少なくとも鉤状突片を設けることとなる。なお、突設片の数は2つ以上であってもよく、これに対応して鉤状突片も少なくとも突設片と同じ数を設けることとしているが、鉤状突片の数は突設片よりも多く設けることすることも可能である。この場合には、接続配管の方向を変えてステーに取付けることができ、接続配管を給水配管や給湯配管の配設状態に合わせてステーに取付けることができるので、接続配管のステーへの取付け作業を簡略化できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の接続配管の抜止構造の実施の形態を、図を参考にして詳細に説明する。図1に示すように、本実施の形態の抜止構造10は、壁面に対して固定される第1ステー54に、その一端側が給水配管・給湯配管にそれぞれ接続されたエルボ42(本発明にいう「接続配管」の一例である)の他端側を取り付けるものであり、さらにこのエルボ42に湯水混合水栓の水栓本体20の水側接続部22・湯側接続部24を挿嵌接続するものである。また、水栓本体20はエルボ42にその接続部22,24が挿嵌接続されると共に、第1ステー54にねじ止め固定される第2ステー64に対して別途ねじ止め固定され、第2ステー64及び第1ステー54を介して壁面に固定される。
【0013】
水栓本体20は、その両側に温度調節ハンドル26及び吐水切換ハンドル28がそれぞれ取り付けられており、温度調節ハンドル26によって水栓本体20に内蔵されたサーモスタットカートリッジを駆動して吐水の温度を調節し、切換ハンドル28によって水栓本体20に内蔵された切換弁を駆動して、シャワーヘッド又は吐水口からの吐水の切換、及び吐水量の調節を行うものである。また、水栓本体20の背面側には、上記したように、水栓本体20に供給される湯・水が流入される円筒状の水側接続部22・湯側接続部24が、水栓本体20の背面側の左右に並ぶように、水栓本体20と一体的にそれぞれ突設されている。水栓本体20と一体的に形成された両接続部22,24は、予め定められた間隔で形成されており、本水栓本体20においてはその軸心間が100mmに定められている。また、これらの接続部22,24の間には、シャワー接続口32が突設されている。このシャワー接続口32には、シャワーヘッドが取り付けられたシャワーホースがその一端側に接続される接続管30が接続され、シャワーヘッドからの吐水が流出される。また、接続管30の他端側には、袋ナット34により接続管30にアダプター36が取り付けられている。後述するように、このアダプター36内にシャワー接続口32が挿嵌接続されており、アダプター36の開口部内周面にはOリング40が装着され、シャワー接続口32の挿嵌状態においてシャワー接続口32との水密が図られる。
【0014】
図示しない給水配管・給湯配管は、ユニットバスの躯体壁面の裏側に引き回されて、水栓本体20の下方から躯体内側に引き込まれている。躯体内側に引き込まれた両配管は上方に向かって立ち上げられ、その端末にエルボ42が袋ナットによりそれぞれ接続固定されている。なお、本実施の形態ではエルボ42は給水配管・給湯配管に接続されるものとしたがこれに限られず他の種々の配管に接続されるものに適用可能である。
【0015】
このエルボ42は、その全体形状が略L字状に屈曲形成された接続配管である。エルボ42の一端側には下方から立ち上がる給水・給湯配管に接続されるために雄ねじが刻設されている。そして、図1及び図2に示すように、この雄ねじが刻設された一端側とは反対側の他端側には2つの突設片44が設けられている。突設片44は、屈曲されるエルボ42の配管側の屈曲方向と略直交する方向において、エルボ42水栓本体側の外周面の対向する部位に、エルボ42外周面からほぼ垂直に立ち上がるようにそれぞれ突設されている。そして後述するように、エルボ42の他端側には水栓本体20の水側接続部22・湯側接続部24がそれぞれ挿嵌接続される。この水栓本体20の接続部22,24が接続される他端側開口部内周面には、2つのOリング40がそれぞれ装着されており、挿嵌される水栓本体20の接続部22,24外周面との間の水密が図られている。
【0016】
次いで、エルボ42の突設片44について説明する。突設片44は、エルボ42の他端側の外周面に他端側の軸心を挟んで対向する位置に、それぞれエルボ42の径方向に立ち上がるように舌片状に突設されている。突設片44は後述する第1ステー54の鉤状突片59に収容可能な厚み・長さに形成されており、突設片44がエルボ42の他端側が挿通される方向と逆方向において係止されるように形成されている。後述するように、この鉤状突片59に突設片44を収容するには、鉤状突片59の間に突設片44を差し込むようにしながら第1ステー54の挿通孔58にエルボ42の他端側を挿通し、次いでエルボ42を他端側軸心周りに回動させて鉤状突片59内に突設片44を収容させることとしている。よって、突設片44の厚みは、鉤状突片59と第1ステー54本体背面側との間隔よりも若干小さく設けられて、突設片44が鉤状突片59内に容易に収容できるように設けられている。
【0017】
第1ステー54は、その取付面56が壁面にねじ止め固定されている。また、第1ステー54には、その正面側にエルボ42の水栓本体側が挿通される2つの挿通孔58がそれぞれ設けられており、これらの挿通孔58の間隔は水栓本体20の2つの接続部22,24の間隔と同じ間隔に設けられている。挿通孔58の内径はエルボ42の他端側外径よりも若干大きな寸法に設けられており、挿通孔58内でエルボ42の位置を調節できるように設けられている。
【0018】
挿通孔58の左右には、上記したように、エルボ42の突設片44を収容する鉤状突片59が設けられている。鉤状突片59は、第1ステー54の本体背面からほぼ垂直に立ち上がると共にその先端側は挿通孔58の周縁部周りに時計回りと反対方向に折り曲げられて全体として断面略L字状に形成されている。鉤状突片59と第1ステー54本体との間の間隔は、上記したように、ここに収容されるエルボ42の突設片44の厚みよりも若干大きく設けられて、この鉤状突片59内に突設片44が容易に収容可能に構成されている。なお、この鉤状突片59は、挿通孔58周縁部の一部を切り欠いてこの部位を折り曲げ形成されて設けられているが、これに限られず、別途形成した鉤状突片59を第1ステー54本体に取り付け固定することとしても良い。また、これらの2つの挿通孔5の間には、上記した接続管30に取り付けられるアダプター36が挿通される挿通孔61も別途設けられている。
【0019】
また図1に示すように、本例においては、カバー62によりエルボ42などの配管類が被覆されている。カバー62は、第2ステー64よりも背面側を被覆するものであり、エルボ42、第1ステー54、給水配管・給湯配管、水栓本体20とシャワーホースとを接続する接続管30等を使用者の目に触れないようにして、水栓全体の美観を損なわないようにするものである。また、カバー62は第1ステー54の正面側に、さらにその正面側に配設される第2ステー64とともに、同じく段付きビスによって第1ステー54にねじ止め固定されている。このようにして、カバー62及び第2ステー64が第1ステー54に固定されている。また、カバー62及び第2ステー64には、第1ステー54に固定された状態で第1ステー54の挿通孔58と対応する部位に、同様にエルボ42の他端側を挿通させるための挿通孔66がそれぞれ設けられている。また、同様にアダプター36が挿通される挿通孔67も設けられている。そして、図示は省略するが、さらに第2ステー64に対して水栓本体20がねじ止め固定されており、水栓本体20も第1ステー54及び第2ステー64を介して壁面に固定されている。
【0020】
エルボ42の水栓本体側開口部は、図1に示すように、第1ステー54、カバー62及び第2ステー64のそれぞれの挿通孔58,66に挿通されて第2ステー64の正面側に露呈されており、この開口部内に水栓本体20の接続部22,24がそれぞれ挿嵌接続されている。
【0021】
次いで、本接続配管の抜止構造10の取付方法について説明する。まず、ユニットバスの躯体内に給水配管・給湯配管を引き込み、第1ステー54が取り付けられる部位の下方にそれらの端末を引き回しておく。次に、第1ステー54を壁面にねじ止めした後、エルボ42の他端側を第1ステー54に抜止固定する。エルボ42の取付に際しては、図2に示すように、第1ステー54の背面側からみて、エルボ42の正規の取り付け位置よりも突設片44が時計回りと逆方向に若干回動された位置に合わせて、突設片44を鉤状突片59の間に押し込むようにして、エルボ42の他端側を第1ステー54の挿通孔58に挿通する。次いで、図2の矢印方向に示すようにエルボ42を時計回りに回動すると、突設片44が鉤状突片59内に収容される。この状態でエルボ42の一端側は下方を向くので、エルボ42の一端側を給水配管・給湯配管に袋ナットにて螺着して接続する。これにより、エルボ42の第1ステー54への抜け止め及び給水配管・給湯配管への接続が完了する。
【0022】
次いで、挿通孔66にエルボ42の他端側を挿通させて取り付けるとともに、カバー62及び第2ステー64を第1ステー54にねじ止めする。同時にアダプター36も挿通孔67に挿通しておく。そして、第2ステー64の正面側からエルボ42の水栓本体側開口部内に水栓本体20の各接続部22,24を挿嵌接続する。この際に、挿通孔58,66はエルボ42の他端側外径よりも大きな内径に設けられておりエルボ42を水栓本体20の両接続部22,24の間隔方向において移動調節することができるので、両接続部22,24の間隔に合わせてエルボ42の位置を微調整しながら、エルボ42の水栓本体側開口部内に接続部22,24を容易に挿嵌することができる。また同時に、シャワー接続口32をアダプター36に挿嵌接続する。そして、これらの挿嵌作業を終えた後に水栓本体20を第2ステー64にねじ止め固定する。このようにエルボ42に接続部22,24が挿嵌接続された水栓本体20が第2ステー64に固定されることにより、エルボ42は、水栓本体20正面側方向にも脱落しないこととなる。第2ステー64は第1ステー54を介して壁面に固定されているので、エルボ42とともに水栓本体20も壁面に対して充分に固定される。このようにして取り付け作業が完了する。
【0023】
本抜止構造10では上記したように、エルボ42の第1ステー54への抜け止めについては固定部材の取付やねじ止めなどの作業を必要とせず、単にエルボ42を回動して鉤状突片59内に突設片44を収容して係止すれば足りるので、極めて簡便な取付作業だけで抜け止めを行うことができる。また、抜け止めに際しては固定部材やねじなど別に部品を必要としないので、抜止構造に必要な部品点数を削減することもできる。また、この抜け止めは鉤状突片59内にエルボ42の突設片44が単に係止されているだけなので、水栓に生ずるウォーターハンマなどの振動によりねじが緩むなどのおそれがなく、水栓に生ずる振動を原因とする第1ステー54からのエルボ42の脱落のおそれも減少させることができる。
【0024】
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能である。例えば突設片44や鉤状突片59の数は上記したように2つに限られることはなく、3つ以上であっても良く、また、抜け止めが充分に行えるのであれば1つだけ設けることとすることも可能である。また、同様に抜け止めが行えるのであれば、鉤状突片59の数と突設片44の数が異なるように設けられてもよい。図3に示すのは、エルボ42の突設片44が3つ設けられ、また、鉤状突片59も3箇所に設けられたものである。
【0025】
また、例えば鉤状突片は、上記した実施例とは逆に、第1ステー54背面側から見て時計回り方向に折曲されたものとしてもよい。この場合には、エルボ42の取付の際には、エルボ42を第1ステー54の挿通孔58に挿通した後に、上記例とは逆方向、すなわち時計回りとは逆方向に回動させて鉤状突片内に収容し係止させることとなる。
【0026】
また、鉤状突片59の先端寄り部分を第1ステー54背面側から離れる方向に折曲形成して幅を広くとると、突設片44を鉤状突片59内に収容する際に鉤状突片59奥側に容易に案内することができる。また、突設片44が収容された状態において突設片44よりも鉤状突片59の先端寄りの内側の部位に、第1ステー54の方向に突設される係合突起を設けると、いったん鉤状突片59内に収容された突設片44が係合突起により干渉されて鉤状突片59内から脱落し難くなり、エルボ42の抜け止めがより確実・安定的になされる。また、上記した実施の形態では、鉤状突片59は第1ステー54本体の一部が切り欠かれて形成されているが、第1ステー54本体を切り欠くことなく、別に形成した鉤状突片を第1ステー54本体に取り付けることも可能である。
【0027】
【発明の効果】
本発明は上記のように突設片と鉤状突片により抜け止めを行うように構成されているので、極めて簡便に抜け止めを行うことができる。また、突設片は鉤状突片に係止されているだけなので、振動によりねじが緩むことによる脱落のおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接続配管の抜止構造を用いた水栓の一部破断面図である。
【図2】ステー背面側からみた接続配管の抜止構造の分解斜視図である。
【図3】別の接続配管の抜止構造の分解斜視図である。
【図4】従来の接続配管の抜止構造を用いた水栓の一部破断面図である。
【符号の説明】
10;抜止構造、20;水栓本体、22;水側接続部、24;湯側接続部、26;温度調節ハンドル、28;吐水切換ハンドル、30;接続管、32;シャワー接続口、34;袋ナット、36;アダプター、40;Oリング、42;エルボ、44;突設片、50;段付きビス、54;第1ステー、56;取付面、58;挿通孔、59;鉤状突片、61;挿通孔、62;カバー、64;第2ステー、66;挿通孔、67;挿通孔、70;取付部、71;接続配管、72;後方接続口、73;前方接続口、74;取付孔、75;フランジ部、76;固定ステー、77;固定用孔、78;ナット、79;袋ナット、80;シートパッキン、81;取付ステー、82;固定部材、83;フランジ部、84;取付構造、85;取付孔。
【発明の属する技術分野】
本発明は、配管端末に接続される接続配管のステーに対する抜け止めを行う接続配管の抜止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、湯水混合水栓等の水栓本体と給水配管や給湯配管とを接続するためにエルボ等の接続配管が用いられている。このような接続配管は、壁面等の取付部に固定されたステーの挿通孔に挿通されるなどしてステー正面側に配設される水栓本体に接続されるが、接続配管がステーから抜け落ちないようするために、接続配管をステーの挿通孔に挿通すると共にこの接続配管をナットやビスなどを用いてステーに螺着固定するような抜止構造が知られている。
【0003】
これを、図4を参照して説明する。水栓本体20背面側(図の上方)からは、吐水口やシャワーホースから吐出される湯水を混合する水栓本体内の混合室へと連通する円筒状の水側接続部22及び湯側接続部24がそれぞれ突設されている。一方、給水配管及び給湯配管は、壁面等の取付部70の裏側に引き回されている。接続配管71には、それぞれ雄ねじが刻設された後方接続口72及び前方接続口73が備えられており、両接続口の間には、後述する取付部70の取付孔74よりも大径のフランジ部75が設けられている。給水配管1側及び給湯配管1側にそれぞれ用意された2つの接続配管71は、固定ステー76の固定用孔77にそれぞれ挿通された状態でその後方接続口72にナット78が螺着され、所定の間隔に定められて固定ステー78に取り付けられている。固定ステー76の固定用孔77は、両接続配管71が水栓本体20の両接続部22,24の間隔に合わせた間隔となるように設けられており、予め両接続配管71の間隔を定めておいて水栓本体20の接続配管71への接続作業を容易にするものである。また、図示は省略するが、後方接続口72にはさらに袋ナットにより給水配管・給湯配管がそれぞれ接続固定されている。そして、固定ステー76に取り付けられた各接続配管71を、その前方接続口73を取付部70の取付孔74に挿通させて、取付部70前方側に前方接続口73の開口部を臨ませる。
【0004】
取付部70前方側においては、シートパッキン80及び取付ステー81を介して、円筒状の固定部材82が前方接続口73に螺着固定される。固定部材82の前方側には、取付部70の取付孔74及び取付ステー81の取付孔85よりも大径のフランジ部83が設けられており、上述した接続配管71のフランジ部75とこの固定部材82のフランジ部83とにより取付部70及び取付ステー81が狭持されて、接続配管71が固定ステー76に対して抜け止めされることとなる。また同時に、取付ステー81、固定部材82等が取付部70に固定される。そして、接続配管71の前方接続口73内周面にはOリング40が装着されており、この前方接続口73に水栓本体20の接続部22,24がそれぞれ挿嵌接続されて、接続部22,24と接続配管71とが水密に接続されることとなる。また、水栓本体20は別途取付ステー81に固定されて、水栓本体20自体も取付部70に固定されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−3409号公報(図2及び図3参照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した接続配管の抜止構造84では、接続配管71が固定ステー76から抜け落ちないようにするために、取付ステー81表側から接続配管71に固定部材82を螺着する必要があり作業が煩雑なものとなっていた。また、このような固定部材82を用いるため、接続配管71の抜止めのために別途固定部材82という部品が必要となり部品点数が増加するという問題も生じていた。また、接続配管71の取付後に、ウォーターハンマの振動等によって螺着した固定部材82が緩むことがあり、接続配管71の脱落のおそれも生ずることとなっていた。なお、このように固定部材82を用いる抜止構造のみならず、ビスなどによって接続配管71を固定ステーにねじ止めする抜止構造においても同様の問題が生じていた。
【0007】
本発明は、上記した従来の接続配管の抜止構造の問題点を解消するものであり、接続配管のステーへの取り付け作業を簡略化できる抜止構造を提供することにある。また、抜止構造の部品点数を減少し、抜止構造のコストを低減することも目的とする。さらにまた、取付後には振動などによっても接続配管の取付が緩むことが無く脱落のおそれのない抜止構造を提供することも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、本発明の採った手段を以下に説明する。本発明は、その一端側が配管の端末に接続されると共に他端側はステーに穿設された挿通孔に挿通されて水栓本体の接続部に接続される接続配管の、前記ステーに対する抜け止めを行うための接続配管の抜止構造であって、前記接続配管の外周面には突設片が設けられ、前記ステーに穿設された挿通孔は前記挿通される接続配管が回動可能に設けられ、前記挿通孔の接続配管側周縁部には、周縁部から立ち上がり次いで挿通孔の周縁部に沿って屈曲すると共に、前記突設片を収容して係止可能に形成された鉤状突片が設けられたことを特徴とする接続配管の抜止構造である(請求項1)。
【0009】
本発明では、突設片を鉤状突片からずらした状態で、挿通孔に接続配管を挿通し、この状態から接続配管を回動させて突設片を鉤状突片内に収容することにより突設片が鉤状突片に係止され、接続配管のステーに対する抜け止めを行うことができる。このように、接続配管の突設片をステー側の鉤状突片に係止可能に設けることにより、ねじ止めや固定部材によって接続配管の抜け止めを行う必要がなく、極めて簡便に抜け止めを行うことができる。また、突設片は鉤状突片に係止されているだけなので、振動によりねじが緩むことによる脱落のおそれもない。ここで「接続配管」は、その配管側が給水・給湯配管側に接続されると共に水栓本体側は水栓本体の接続部に接続される配管を言い、ストレート管やエルボなどの剛性管や可撓管など種々の配管を含み、その形状や材質などは限定されない。「突設片」は、鉤状突片に収容されて係止可能な突片、舌片その他の接続配管から突設される種々の部位をいう。「鉤状突片」も同様に、「周縁部から立ち上がり次いで挿通孔の周縁部に沿って屈曲すると共に、前記突設片を収容して係止可能」であればその長さなど形状についての限定はされない。また、突設片や鉤状突片は、接続配管やステーとは別に形成された上で、接続配管やステーに取り付けられるものでもよい。また、本発明の接続配管は給水配管や給湯配管に接続されることにより回動が規制されるので、ねじ止めや固定部材によって接続配管の抜け止めを行う必要がなく、極めて簡単に抜け止めを行うことができるのであるが、給水配管や給湯配管が不安定な状態で引き回されている場合には、配管接続が回動して外れ、接続配管が外れるおそれがあるので、接続配管をねじ止めや固定部材を用いて抜け止めを行うことと併用することができる。こうすることにより、給水配管や給湯配管が不安定な状態で引き回されている場合でも配管接続が回動して外れて脱落するのを防止することができる。
【0010】
また、前記突設片は少なくとも2つ以上設けられ、前記鉤状突片は少なくとも前記突設片と対向する位置に備えられているものとすることができる(請求項2)。
【0011】
確実・安定的に接続配管の抜け止めを行うためには、突設片は少なくとも2つ以上の数が設けられることとして係止される箇所を2つ以上とすることが望ましい。また当然ながら、これに対応して、突設片と対向する位置に少なくとも鉤状突片を設けることとなる。なお、突設片の数は2つ以上であってもよく、これに対応して鉤状突片も少なくとも突設片と同じ数を設けることとしているが、鉤状突片の数は突設片よりも多く設けることすることも可能である。この場合には、接続配管の方向を変えてステーに取付けることができ、接続配管を給水配管や給湯配管の配設状態に合わせてステーに取付けることができるので、接続配管のステーへの取付け作業を簡略化できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の接続配管の抜止構造の実施の形態を、図を参考にして詳細に説明する。図1に示すように、本実施の形態の抜止構造10は、壁面に対して固定される第1ステー54に、その一端側が給水配管・給湯配管にそれぞれ接続されたエルボ42(本発明にいう「接続配管」の一例である)の他端側を取り付けるものであり、さらにこのエルボ42に湯水混合水栓の水栓本体20の水側接続部22・湯側接続部24を挿嵌接続するものである。また、水栓本体20はエルボ42にその接続部22,24が挿嵌接続されると共に、第1ステー54にねじ止め固定される第2ステー64に対して別途ねじ止め固定され、第2ステー64及び第1ステー54を介して壁面に固定される。
【0013】
水栓本体20は、その両側に温度調節ハンドル26及び吐水切換ハンドル28がそれぞれ取り付けられており、温度調節ハンドル26によって水栓本体20に内蔵されたサーモスタットカートリッジを駆動して吐水の温度を調節し、切換ハンドル28によって水栓本体20に内蔵された切換弁を駆動して、シャワーヘッド又は吐水口からの吐水の切換、及び吐水量の調節を行うものである。また、水栓本体20の背面側には、上記したように、水栓本体20に供給される湯・水が流入される円筒状の水側接続部22・湯側接続部24が、水栓本体20の背面側の左右に並ぶように、水栓本体20と一体的にそれぞれ突設されている。水栓本体20と一体的に形成された両接続部22,24は、予め定められた間隔で形成されており、本水栓本体20においてはその軸心間が100mmに定められている。また、これらの接続部22,24の間には、シャワー接続口32が突設されている。このシャワー接続口32には、シャワーヘッドが取り付けられたシャワーホースがその一端側に接続される接続管30が接続され、シャワーヘッドからの吐水が流出される。また、接続管30の他端側には、袋ナット34により接続管30にアダプター36が取り付けられている。後述するように、このアダプター36内にシャワー接続口32が挿嵌接続されており、アダプター36の開口部内周面にはOリング40が装着され、シャワー接続口32の挿嵌状態においてシャワー接続口32との水密が図られる。
【0014】
図示しない給水配管・給湯配管は、ユニットバスの躯体壁面の裏側に引き回されて、水栓本体20の下方から躯体内側に引き込まれている。躯体内側に引き込まれた両配管は上方に向かって立ち上げられ、その端末にエルボ42が袋ナットによりそれぞれ接続固定されている。なお、本実施の形態ではエルボ42は給水配管・給湯配管に接続されるものとしたがこれに限られず他の種々の配管に接続されるものに適用可能である。
【0015】
このエルボ42は、その全体形状が略L字状に屈曲形成された接続配管である。エルボ42の一端側には下方から立ち上がる給水・給湯配管に接続されるために雄ねじが刻設されている。そして、図1及び図2に示すように、この雄ねじが刻設された一端側とは反対側の他端側には2つの突設片44が設けられている。突設片44は、屈曲されるエルボ42の配管側の屈曲方向と略直交する方向において、エルボ42水栓本体側の外周面の対向する部位に、エルボ42外周面からほぼ垂直に立ち上がるようにそれぞれ突設されている。そして後述するように、エルボ42の他端側には水栓本体20の水側接続部22・湯側接続部24がそれぞれ挿嵌接続される。この水栓本体20の接続部22,24が接続される他端側開口部内周面には、2つのOリング40がそれぞれ装着されており、挿嵌される水栓本体20の接続部22,24外周面との間の水密が図られている。
【0016】
次いで、エルボ42の突設片44について説明する。突設片44は、エルボ42の他端側の外周面に他端側の軸心を挟んで対向する位置に、それぞれエルボ42の径方向に立ち上がるように舌片状に突設されている。突設片44は後述する第1ステー54の鉤状突片59に収容可能な厚み・長さに形成されており、突設片44がエルボ42の他端側が挿通される方向と逆方向において係止されるように形成されている。後述するように、この鉤状突片59に突設片44を収容するには、鉤状突片59の間に突設片44を差し込むようにしながら第1ステー54の挿通孔58にエルボ42の他端側を挿通し、次いでエルボ42を他端側軸心周りに回動させて鉤状突片59内に突設片44を収容させることとしている。よって、突設片44の厚みは、鉤状突片59と第1ステー54本体背面側との間隔よりも若干小さく設けられて、突設片44が鉤状突片59内に容易に収容できるように設けられている。
【0017】
第1ステー54は、その取付面56が壁面にねじ止め固定されている。また、第1ステー54には、その正面側にエルボ42の水栓本体側が挿通される2つの挿通孔58がそれぞれ設けられており、これらの挿通孔58の間隔は水栓本体20の2つの接続部22,24の間隔と同じ間隔に設けられている。挿通孔58の内径はエルボ42の他端側外径よりも若干大きな寸法に設けられており、挿通孔58内でエルボ42の位置を調節できるように設けられている。
【0018】
挿通孔58の左右には、上記したように、エルボ42の突設片44を収容する鉤状突片59が設けられている。鉤状突片59は、第1ステー54の本体背面からほぼ垂直に立ち上がると共にその先端側は挿通孔58の周縁部周りに時計回りと反対方向に折り曲げられて全体として断面略L字状に形成されている。鉤状突片59と第1ステー54本体との間の間隔は、上記したように、ここに収容されるエルボ42の突設片44の厚みよりも若干大きく設けられて、この鉤状突片59内に突設片44が容易に収容可能に構成されている。なお、この鉤状突片59は、挿通孔58周縁部の一部を切り欠いてこの部位を折り曲げ形成されて設けられているが、これに限られず、別途形成した鉤状突片59を第1ステー54本体に取り付け固定することとしても良い。また、これらの2つの挿通孔5の間には、上記した接続管30に取り付けられるアダプター36が挿通される挿通孔61も別途設けられている。
【0019】
また図1に示すように、本例においては、カバー62によりエルボ42などの配管類が被覆されている。カバー62は、第2ステー64よりも背面側を被覆するものであり、エルボ42、第1ステー54、給水配管・給湯配管、水栓本体20とシャワーホースとを接続する接続管30等を使用者の目に触れないようにして、水栓全体の美観を損なわないようにするものである。また、カバー62は第1ステー54の正面側に、さらにその正面側に配設される第2ステー64とともに、同じく段付きビスによって第1ステー54にねじ止め固定されている。このようにして、カバー62及び第2ステー64が第1ステー54に固定されている。また、カバー62及び第2ステー64には、第1ステー54に固定された状態で第1ステー54の挿通孔58と対応する部位に、同様にエルボ42の他端側を挿通させるための挿通孔66がそれぞれ設けられている。また、同様にアダプター36が挿通される挿通孔67も設けられている。そして、図示は省略するが、さらに第2ステー64に対して水栓本体20がねじ止め固定されており、水栓本体20も第1ステー54及び第2ステー64を介して壁面に固定されている。
【0020】
エルボ42の水栓本体側開口部は、図1に示すように、第1ステー54、カバー62及び第2ステー64のそれぞれの挿通孔58,66に挿通されて第2ステー64の正面側に露呈されており、この開口部内に水栓本体20の接続部22,24がそれぞれ挿嵌接続されている。
【0021】
次いで、本接続配管の抜止構造10の取付方法について説明する。まず、ユニットバスの躯体内に給水配管・給湯配管を引き込み、第1ステー54が取り付けられる部位の下方にそれらの端末を引き回しておく。次に、第1ステー54を壁面にねじ止めした後、エルボ42の他端側を第1ステー54に抜止固定する。エルボ42の取付に際しては、図2に示すように、第1ステー54の背面側からみて、エルボ42の正規の取り付け位置よりも突設片44が時計回りと逆方向に若干回動された位置に合わせて、突設片44を鉤状突片59の間に押し込むようにして、エルボ42の他端側を第1ステー54の挿通孔58に挿通する。次いで、図2の矢印方向に示すようにエルボ42を時計回りに回動すると、突設片44が鉤状突片59内に収容される。この状態でエルボ42の一端側は下方を向くので、エルボ42の一端側を給水配管・給湯配管に袋ナットにて螺着して接続する。これにより、エルボ42の第1ステー54への抜け止め及び給水配管・給湯配管への接続が完了する。
【0022】
次いで、挿通孔66にエルボ42の他端側を挿通させて取り付けるとともに、カバー62及び第2ステー64を第1ステー54にねじ止めする。同時にアダプター36も挿通孔67に挿通しておく。そして、第2ステー64の正面側からエルボ42の水栓本体側開口部内に水栓本体20の各接続部22,24を挿嵌接続する。この際に、挿通孔58,66はエルボ42の他端側外径よりも大きな内径に設けられておりエルボ42を水栓本体20の両接続部22,24の間隔方向において移動調節することができるので、両接続部22,24の間隔に合わせてエルボ42の位置を微調整しながら、エルボ42の水栓本体側開口部内に接続部22,24を容易に挿嵌することができる。また同時に、シャワー接続口32をアダプター36に挿嵌接続する。そして、これらの挿嵌作業を終えた後に水栓本体20を第2ステー64にねじ止め固定する。このようにエルボ42に接続部22,24が挿嵌接続された水栓本体20が第2ステー64に固定されることにより、エルボ42は、水栓本体20正面側方向にも脱落しないこととなる。第2ステー64は第1ステー54を介して壁面に固定されているので、エルボ42とともに水栓本体20も壁面に対して充分に固定される。このようにして取り付け作業が完了する。
【0023】
本抜止構造10では上記したように、エルボ42の第1ステー54への抜け止めについては固定部材の取付やねじ止めなどの作業を必要とせず、単にエルボ42を回動して鉤状突片59内に突設片44を収容して係止すれば足りるので、極めて簡便な取付作業だけで抜け止めを行うことができる。また、抜け止めに際しては固定部材やねじなど別に部品を必要としないので、抜止構造に必要な部品点数を削減することもできる。また、この抜け止めは鉤状突片59内にエルボ42の突設片44が単に係止されているだけなので、水栓に生ずるウォーターハンマなどの振動によりねじが緩むなどのおそれがなく、水栓に生ずる振動を原因とする第1ステー54からのエルボ42の脱落のおそれも減少させることができる。
【0024】
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能である。例えば突設片44や鉤状突片59の数は上記したように2つに限られることはなく、3つ以上であっても良く、また、抜け止めが充分に行えるのであれば1つだけ設けることとすることも可能である。また、同様に抜け止めが行えるのであれば、鉤状突片59の数と突設片44の数が異なるように設けられてもよい。図3に示すのは、エルボ42の突設片44が3つ設けられ、また、鉤状突片59も3箇所に設けられたものである。
【0025】
また、例えば鉤状突片は、上記した実施例とは逆に、第1ステー54背面側から見て時計回り方向に折曲されたものとしてもよい。この場合には、エルボ42の取付の際には、エルボ42を第1ステー54の挿通孔58に挿通した後に、上記例とは逆方向、すなわち時計回りとは逆方向に回動させて鉤状突片内に収容し係止させることとなる。
【0026】
また、鉤状突片59の先端寄り部分を第1ステー54背面側から離れる方向に折曲形成して幅を広くとると、突設片44を鉤状突片59内に収容する際に鉤状突片59奥側に容易に案内することができる。また、突設片44が収容された状態において突設片44よりも鉤状突片59の先端寄りの内側の部位に、第1ステー54の方向に突設される係合突起を設けると、いったん鉤状突片59内に収容された突設片44が係合突起により干渉されて鉤状突片59内から脱落し難くなり、エルボ42の抜け止めがより確実・安定的になされる。また、上記した実施の形態では、鉤状突片59は第1ステー54本体の一部が切り欠かれて形成されているが、第1ステー54本体を切り欠くことなく、別に形成した鉤状突片を第1ステー54本体に取り付けることも可能である。
【0027】
【発明の効果】
本発明は上記のように突設片と鉤状突片により抜け止めを行うように構成されているので、極めて簡便に抜け止めを行うことができる。また、突設片は鉤状突片に係止されているだけなので、振動によりねじが緩むことによる脱落のおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接続配管の抜止構造を用いた水栓の一部破断面図である。
【図2】ステー背面側からみた接続配管の抜止構造の分解斜視図である。
【図3】別の接続配管の抜止構造の分解斜視図である。
【図4】従来の接続配管の抜止構造を用いた水栓の一部破断面図である。
【符号の説明】
10;抜止構造、20;水栓本体、22;水側接続部、24;湯側接続部、26;温度調節ハンドル、28;吐水切換ハンドル、30;接続管、32;シャワー接続口、34;袋ナット、36;アダプター、40;Oリング、42;エルボ、44;突設片、50;段付きビス、54;第1ステー、56;取付面、58;挿通孔、59;鉤状突片、61;挿通孔、62;カバー、64;第2ステー、66;挿通孔、67;挿通孔、70;取付部、71;接続配管、72;後方接続口、73;前方接続口、74;取付孔、75;フランジ部、76;固定ステー、77;固定用孔、78;ナット、79;袋ナット、80;シートパッキン、81;取付ステー、82;固定部材、83;フランジ部、84;取付構造、85;取付孔。
Claims (2)
- その一端側が配管の端末に接続されると共に他端側はステーに穿設された挿通孔に挿通されて水栓本体の接続部に接続される接続配管の、前記ステーに対する抜け止めを行うための接続配管の抜止構造であって、
前記接続配管の外周面には突設片が設けられ、
前記ステーに穿設された挿通孔は前記挿通される接続配管が回動可能に設けられ、前記挿通孔の接続配管側周縁部には、周縁部から立ち上がり次いで挿通孔の周縁部に沿って屈曲すると共に、前記突設片を収容して係止可能に形成された鉤状突片が設けられたことを特徴とする接続配管の抜止構造。 - 前記突設片は少なくとも2つ以上設けられ、前記鉤状突片は少なくとも前記突設片と対向する位置に備えられている請求項1に記載の接続配管の抜止構造。
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KR101991637B1 (ko) * | 2018-11-23 | 2019-09-30 | 이용석 | 수전이 회동가능하게 설치되는 수전시공지그 |
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2003
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