JP2004300569A - 建材用純チタン材およびその製造方法 - Google Patents

建材用純チタン材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
建材として用いられた建材用チタンで問題となっていた経年変色性が低減された建材用純チタン材を提供する。
【解決手段】
建材用の純チタンに含まれる不純物元素としてのFeを0.08質量%以下,Nbを0.02質量%以下,Coを0.02質量%以下に抑制することによって、厳しい環境にさらされる場合であっても、建材用純チタン材の経年変色を顕著に低減することに成功した。

Description

本発明は、建造物の外壁材料や補強材料等に用いられる建材用純チタン材とその製造方法に関するものであり、特に経年変色を生じ難いという特徴を有するものである。
チタンは表面が酸化皮膜で覆われており、大気中では全く錆びることがなく耐食性に優れる上に適度な機械的性質を有することから、建材としてのチタンが注目されている。
ところが近年、ウォーターフロント開発の進展や酸性雨の発生によってビルなどの建築物をとりまく環境が厳しくなるに伴い、年月の経過によりチタン材の表面が銀白色から薄茶色に変色するという問題が生じている。変色したチタン材は最早美しい金属色を示さないことから、建築物の意匠性を損なう原因となる。斯かる経年変色に対しては、表面のワイピングや表面研磨をすることが考えられるが、その様な処理には多大な費用がかかり、また、メンテナンス自体が不可能な場所もある。従って、経年変色性が低減されたチタン材について、様々な検討が為されてきた。
例えば、特許文献1に記載のチタンまたはチタン合金材は、表面粗度をRaで3μm以下とし且つ酸化皮膜厚さを20Å以上に規定することによって、経年変色の抑制を図っている。また、特許文献2には、酸化皮膜厚さが100Å以下で酸化皮膜と素地表層部のC量が規定されたチタン材およびチタン合金材が開示されている。
表層のC量を規定することによって経年変色の問題の解決を図った技術としては、例えば特許文献3にも開示されている。この技術に係るチタン板の製造に当たっては、冷間圧延後に750〜800℃で3〜5分焼鈍することによって、経年変色の原因とみなされている炭素濃化層を消失させることが示されている。
しかし、建材用チタン材の経年変色性の低減に関する要求は、近年ますます厳しくなっていることから、経年変色性が更に低減されたチタン材の実現が切望されている。例えば、上記特許文献1〜3に記載されている経年変色に関する試験データは、酸性雨等の環境を模擬した律速条件で行われるものであるが、いずれの評価系を採用するにしても、経年変色性をより一層低減する必要がある。
特開平10−8234号公報(請求項1等) 特許第3255610号明細書(請求項1等) 特開2001−348634号公報(特許請求の範囲)
上述した様に、これまでにも経年変色の抑制を目的とした様々な建材用チタン材が提案されているが、建築物の意匠性に対する要求やメンテナンスに要する費用が年々高くなっている状況下では、経年変色性の一層の低減が求められているのが実情である。
そこで、本発明が解決すべき課題は、経年変色性が従来のものよりも顕著に低減された建材用純チタン材を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく様々なチタン材につき鋭意研究を重ね、経年変色性に関する厳しい評価を繰り返した。その結果、チタン材に含まれる特定の不純物元素が、その経年変色性に影響を与えることを見出した。
つまり、建材として使用されるチタン材としては、チタン合金材のみならず純チタン材も用いられ、この純チタン材としては、工業用純チタンの中でも最も不純物量が少なく成形性に優れるJIS1種の工業用純チタンが使用される場合が多い。しかし、スクラップチタンを混合せず、高純度といわれるJIS1種用のスポンジチタンのみを原料とする場合であっても、少量ながら様々な不純物が混入している。この様な不純物については、例えばJIS1種の工業用純チタンでは、成形性の観点から不純物としての酸素量や鉄量等が規定されているが、耐経年変色性を向上させる点からは、従来、全く意識されていなかった。
これに対して本発明者は、特定の不純物元素が一定の規定量以下に抑えられた純チタンであれば、建材として用いた場合であっても経年変色が殆ど生じないことを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の建材用純チタン材は、不純物元素としてのFeが0.08質量%以下,Nbが0.02質量%以下,Coが0.02質量%以下に抑制されていることを特徴とする。
上記建材用純チタン材の表面酸化皮膜厚さとしては、170Å以下が好ましい。純チタン材の表面には酸化皮膜が存在し、一般的にこれが厚くなる程変色が強くなる。しかし、上記の成分組成を有する純チタン材でその酸化皮膜厚さが170Å以下であれば、チタン特有の美しい銀白色を示す上に酸化皮膜層の成長が著しく抑制されるので、経年変色が意匠性を損なう程進行することはなく銀白色が維持されるからである。
また、本発明に係る建材用純チタン材の製造方法は、不純物元素であるFeが0.08質量%以下,Nbが0.02質量%以下,Coが0.02質量%以下に抑制された純チタンを用い、最終工程において、酸洗処理に続き、130〜280℃で加熱時間T(分)をT≧239408×X−2.3237[Xは温度(℃)を示す]とする条件にて加熱することを特徴とする。当該最終工程によって、加熱による有害着色が抑制された範囲でチタン材の表面に適度な酸化皮膜層を形成できることに加え、変色の原因となる不純物元素が低減されていることから、本発明方法によって製造される純チタン材は、経年変色性が一層顕著に低減されることになる。
本発明に係る建材用純チタン材は、経年変色が問題となっていた従来のチタンまたはチタン合金材に比べて経年変色性が顕著に低減されているため、高い意匠性が求められる建築物,海風や酸性雨に曝される建築物,メンテナンス費用が高い或いはメンテナンスが困難な建築物等の建材として非常に有用である。従って、本発明は、建材用材として産業上極めて有用なものである。
本発明に係る建材用純チタン材が享有する最大の特徴は、厳しい環境に曝される建築物の建材として使用されても、経年変色の進行が著しく低減されている点にある。
即ち、従来にも経年変色性の低減を意図したチタンまたはチタン合金材は存在したが、その経年変色性は充分といえるものではなかった。つまり、耐食性等の面から建材として使用されていた純チタンであっても、年を経るごとに変色が生じ、問題となっていた。そこで、本発明者は、経年変色を進行させる原因が特定の元素にあることを明らかにし、これらの含有量を抑えた純チタン材を建材として用いれば、厳しい環境下にあっても経年変色性を著しく低減できることを見出した。
以下に、斯かる特徴を発揮する本発明の実施形態、及びその効果について説明する。
本発明の建材用純チタン材では、不純物元素としてのFeを0.08質量%以下,Nbを0.02質量%以下,Coを0.02質量%以下に抑制する。本発明者によって初めて明らかにされたことであるが、純チタンに含まれるこれらFe,Nb,Coの各元素が、外気に曝されるチタン建材の経年変色を進行させる原因となる。しかし、これら元素の含有量を上記規定値以下にすれば、経年変色を顕著に低減できる。従って、上記規定値における「質量%以下」は、0質量%(元素を含まない、或いは検出限界以下を意味する。)を含むものとする。また、上記規定値の好適値は、Fe:0.06質量%以下(更に好ましくは0.05質量%以下),Nb:0.015質量%以下(更に好ましくは0.01質量%以下),Co:0.015質量%以下(更に好ましくは0.01質量%以下)である。
本発明の純チタン材に含まれるFe,Nb,Coを一定値以下にするには、最初に溶製されるチタン原料に含まれるこれら不純物元素の含有量を調整すればよい。具体的には、原料として用いるスポンジチタン等の不純物元素含有量を測定し、規定内のものを選択して使用する。
本発明に係る純チタン材の「純チタン」とは、Fe,Nb,Coが規定値範囲内に抑制され且つこれら以外の不可避的不純物を含む他は、残部がTiであるものをいう。
本発明に係る純チタン材の表面に存在する酸化皮膜層の厚さは、170Å以下が好適である。この場合の酸化皮膜層は、チタン材としての製造後で建材としての使用時前のものをいう。この時点での酸化皮膜層厚さが170Å以下であり本発明に係る成分組成を有するものであれば、一般的にチタンに特有の美しい銀白色を有しており、且つ変色の原因となる酸化層皮膜の成長が顕著に抑制されるため、建材として特に優れるからである。
この酸化皮膜層厚さの調節は、チタン材製造中の酸化皮膜層が成長する工程の条件を調整することによって行なうことができる。つまり、チタンの酸化皮膜層は焼鈍工程において大気中の酸素により成長し、また、酸洗によって除去されるので、例えば真空焼鈍中の真空度や真空焼鈍後に大気開放を始める部材温度を調整したり、酸洗工程後の水洗の程度を調節したりすればよい。具体的には、サンプルの酸化皮膜厚さと条件設定の調節を繰り返し、好ましい条件を設定する。
また、酸化皮膜層厚さの測定方法に特に制限はないが、例えばオージェ電子分光分析法を用いることができる。即ち、酸化皮膜の厚さは、図1(酸素の深さ方向濃度のプロファイル)に示した様に、酸素濃度が最高濃度とベース濃度の中間濃度に減少するまでに要したスパッタ時間にスパッタ速度を乗じて求めることができる(酸化皮膜層厚さ=スパッタ時間t×スパッタ速度)。また、このときのスパッタ速度は、測定時のスパッタ条件でSiOをスパッタしたときの速度(換算値)等を用いることができる。
本発明に係る純チタン材は、一般的には、少なくとも鋳塊製造工程,熱間圧延工程,冷間圧延工程,および仕上げ工程を経て製造される。これら各工程の条件も一般的なものを採用すればよいが、冷間圧延後に行なわれる工程はチタン材の表面性状に大きな影響を与えるため、注意が必要である。
例えば、チタン材の仕上げ工程としては、真空焼鈍(VA仕上げ)と大気焼鈍の後に酸洗(AP仕上げ)するものがあるが、VA仕上げ材の酸化皮膜中には多量のCが存在し、これが経年変色の原因になると考えられるので、仕上げ工程としては酸洗仕上げが好ましい。また、この酸洗仕上げの効果を損なわない限り、更なる工程を付加してもよい。例えば、酸洗後、ダルロールを用いて軽圧延(スキンパス)し、ダル目をつける様に仕上げることによって意匠性(鮮鋭性)を向上させてもよい。
また、上記仕上げ工程として酸洗によって表面を処理した場合には、続いて130〜280℃で加熱時間T(分)をT≧239408×X−2.3237(Xは温度を示す)とする条件にて加熱処理を行なえば、経年変色性が顕著に低減されたチタン材を得ることができる。本発明者が初めて見出したことであるが、130〜280℃の範囲内であれば加熱によって意匠性を損なう有害な着色は抑制される上に、上記式を満たす加熱条件であれば、経年変色性をより一層低減することができる。当該熱処理が経年変色性を低減させる理由は明らかでないが、おそらく最終的に得られる酸化皮膜の構造が変化することによると考えられる。
但し、大気中で250℃以上の加熱(250〜280℃)を長時間行なう場合には有害な着色が生じる場合があるので、この場合には加熱時間を30分以下にすることが好ましく、更に好ましくは10分以下にする。また、着色が生じた場合であっても、着色初期では全面が極薄く金色に着色するために却って意匠性に優れることもあり、その段階で加熱を止めれば、そのまま製品として使用しても差し支えない場合がある。
上記加熱処理工程にも真空中で加熱する場合と大気中で加熱する場合とがあるが、真空中での加熱処理の場合は着色のおそれがないため、加熱時間の上限は特に制限されない。
本発明は以上の様に構成されており、本発明の構成を採る建材用純チタン材は、従来のチタンまたはチタン合金材に比べて経年変色性が顕著に低減されている。
以下に、実施例を示すことにより本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(製造例1)
不純物元素の含有量と経年変色との関係を調べるために、高純度チタン(5N,純度99.999%以上)に被検元素を所定量添加したものを原料として、試料(No.1〜21)を作成した。
具体的には、真空ボタン溶解炉を使用して、表1の組成を有する原料チタンから100〜200gの鋳塊を製造し、これを1000℃で1時間加熱した後に6mmまで熱間圧延した。次いで1000℃で10分間加熱し、引続いて850℃で1時間加熱した後、直ちに6mmから3mmまで2回目の熱間圧延を実施した。この熱延板を800℃で10分間焼鈍した後、空冷した。その後、表面の酸化スケールを除去すべく片面0.5mmの平面研削を行ない、更に冷間圧延により厚さ約1mmの純チタン板を作製した。
更に、最終仕上として、以下の条件で真空焼鈍を行なった。
温度 : 650℃
650℃までの昇温時間 : 5時間
均熱時間 : 3時間
真空度 : 10−6torr
その他 : 200℃以下になった時点で大気開放。
(試験例1)経年変色性試験
Fe,Nb,Coが経年変色性に与える影響を試験するために、建材が酸性雨や海風に曝された場合を想定して、製造例1で作製した純チタン板をpH4に調整した60℃の硫酸中に3日間浸漬した後に、硫酸の残留による変色促進の影響が無い様に十分水洗し、乾燥させてから、各試料の色差(ΔE*)を色差計で測定した。
色差測定では三次元の色空間を想定し、先ず試料の色を3つの軸成分、即ち1つの明度軸(白/黒)と2つの色味軸(赤/緑と黄/青)に分解し、三次元座標で表す。そして、色差は、試料間の色の差を座標間の距離で表現したものである。この色差が小さい程変色は少ないことになるが、ΔE*が5未満であれば充分に経年変色性が低減されていると判断できる。結果を表1に示す。
Figure 2004300569
表1中、本発明の規定値外であるものには下線を付してある。
表1に示した結果から明らかな様に、Fe含有量が本発明の規定範囲外であるNo.13〜15は、明確な変色(色差)が表われている。また、この様な状況は、Fe含有量が本発明の規定範囲内であってもNbとCoの両方(No.16,17),Nbのみ(No.19,21),Coのみ(No.18,20)が規定範囲外である純チタンでも同様であり、何れもΔE*が5を超えている。
一方、Fe,Nb,Coの含有量が全て本発明の規定範囲内であるNo.1〜12のチタンでは、ΔE*が5未満に抑えられており、経年変色性が顕著に低減されていることが分かる。
(製造例2)
上記製造例1と同様にして下表2中No.22〜45の組成を有する厚さ約1mmの純チタン板を作製した。
但し、No.22〜33では、最終工程として真空焼鈍の代わりに酸洗を行なった。即ち、冷間圧延後に大気焼鈍(700℃で20秒),ソルト浸漬(550℃で15秒)し、最終工程として酸洗(40℃の15質量%硝酸+1.5質量%弗酸を使用。板厚で40μmを酸洗)を行なった。
(試験例2)
先ず、経年変色性試験のために硫酸中へ浸漬する前に、表面酸化皮膜厚さを測定した。具体的には、各試料をアセトン中で超音波洗浄した後、自然乾燥させたものについて、下記の条件で酸素濃度を測定した。
装置 : パーキン・エルマー社製
PHI650走査型オージェ電子分光装置
一次電子
エネルギー,電流 : 5keV,300nA
入射角 : 試料法線に対して30度
分析領域 : 約10μm×10μm
イオンスパッタ
エネルギー,電流 : 3keV,25mA
入射角度 : 試料法線に対して約58度
スパッタ速度 : 約1.9nm/分(SiO換算)。
得られたデータを基に、酸素濃度が最高濃度とベース濃度の中間濃度に減少するまでに要したスパッタ時間(測定値)に上記スパッタ速度(約1.9nm/分)を乗じて表面酸化皮膜層厚さを求めた。
表面酸化皮膜厚さ測定後は、上記試験例1と同様にΔE*を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2004300569
表2に示された結果の通り、Fe,NbおよびCoの含有量が規定内の純チタン材は、ΔE*が5未満に抑制されており、経年変色性が顕著に低減されていることがわかる。
但し、最終仕上げ工程として真空焼鈍を実施したものは、酸洗によるものよりもΔE*が高い傾向がある。従って、最終仕上げ工程は酸洗による方が好ましい。
また、表面酸化層皮膜厚さが170Å以下であれば、ΔE*が抑制されており、経年変色性が低減されることも明らかにされた。
(製造例3)
上記製造例2に示したものと同様の酸洗工程を経て、Feが0.06または0.03質量%,NbおよびCoが0.001質量%の成分組成を有する純チタン板を調製した後、表3に示す条件で最終加熱処理を行ないチタン材(No.46〜83)を製造した。また、239408×X−2.3237(Xは温度を示す)の値を式(1)値として計算した。
Figure 2004300569
(試験例3)
各加熱工程を経て製造したチタン材(No.46〜83)につき、上記試験例1と同様に色差を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2004300569
表4に示した結果より、本発明に係る純チタン材は、最終仕上工程として酸洗処理を行ない、且つ所定の最終加熱工程を経れば、変色を顕著に低減できることが明確となった。
但し、加熱条件P〜Rでは、加熱時間が式(1)値である最短加熱時間に満たないために効果が多少小さくなった。従って、経年変色性の一層の低減を図るためには、加熱時間(分)を式(1)値(239408×X−2.3237)以上にすべきことが明らかにされた。斯かる加熱時間と加熱温度との関係を図2として示す。
また、加熱条件Sでは、ΔE*は小さいものの、大気中高温下での長時間に及ぶ加熱(280℃で150分)により金色の着色が生じた。これは無発色のチタンが要求されるチタン材としては不適であるが、金色のチタン材が求められる場合には使用可能である。
一方、加熱条件Lは280℃で120分という条件で加熱した例であるが、ΔE*は加熱条件Sのときよりも大きいものの十分に小さい値といえる。また、加熱条件Sよりも、加熱による変色の程度は小さかったが、金色に着色されていた。これらの結果からして、大気加熱による着色を防ぐという観点からすれば、前述した条件(加熱温度:250〜280℃、加熱時間:30分以下)での大気加熱が好ましいことが分かる。
酸化皮膜厚さをAES法によって測定する方法を説明するための図である。 経年変色性の一層の低減を図るための加熱時間と加熱温度との関係を示す図である。

Claims (3)

  1. 建材として用いられる純チタン材であって、不純物元素としてのFeが0.08質量%以下,Nbが0.02質量%以下,Coが0.02質量%以下に抑制されていることを特徴とする建材用純チタン材。
  2. 表面酸化皮膜厚さが170Å以下である請求項1に記載の建材用純チタン材。
  3. 建材として用いられる純チタン材の製造方法であって、原料として不純物元素であるFeが0.08質量%以下,Nbが0.02質量%以下,Coが0.02質量%以下に抑制された純チタンを用い、最終工程において、酸洗処理に続き、130〜280℃で加熱時間T(分)をT≧239408×X−2.3237[Xは温度(℃)を示す]とする条件にて加熱することを特徴とする建材用純チタン材の製造方法。
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