JP2004300246A - 水溶性重合体分散液及びその製造方法 - Google Patents

水溶性重合体分散液及びその製造方法 Download PDF

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JP2004300246A JP2003093802A JP2003093802A JP2004300246A JP 2004300246 A JP2004300246 A JP 2004300246A JP 2003093802 A JP2003093802 A JP 2003093802A JP 2003093802 A JP2003093802 A JP 2003093802A JP 2004300246 A JP2004300246 A JP 2004300246A
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元輔 小野
Takumi Ohara
工 大原
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Abstract

【課題】重合する単量体の種類に影響されることが少なく、また重合時塩を共存させる必要もなく容易に重合体分散液が製造可能である分散液とその製造方法を提供することである。
【解決手段】カチオン性、両性、非イオン性及びアニオン性から選択される一種以上のイオン性を有する粒径100μm以下の水溶性重合体微粒子とアミジン系高分子が共存する水溶性重合体分散液において、前記アミジン系高分子が水溶液あるいは含水粒状物に酸化剤水溶液を混合・含浸させ、酸化反応により製造した低分子化物である水溶性重合体分散液によって達成できる。また前記低分子化物アミジン系高分子中で、単量体を重合することによって容易に製造することができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水溶性重合体分散液に関するものであり、詳しくはカチオン性、両性、非イオン性及びアニオン性から選択される一種以上のイオン性を有する粒径100μm以下の水溶性重合体微粒子とアミジン系高分子が共存する水溶性重合体分散液において、前記アミジン系高分子が酸化反応により製造した低分子化物であることを特徴とする水溶性重合体分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平5−192513号公報
【特許文献2】特開昭61−12610号公報
【特許文献3】特公昭62−5170号公報
一方、製紙用薬剤あるいは廃水処理用の凝集剤として使用されているカチオン性水溶性重合体分散液の製造方法として、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどを塩化ベンジルや疎水性モノハロゲン化アルキルにより四級化したカチオン性単量体を用いて共重合を行う時、該単量体の重合体あるいは共重合体を溶解しない塩水溶液中で、且つその塩水溶液に溶解可能な高分子の共存下で重合を行って、分散状態で重合体を得る製造方法が特許文献2に開示されている。この方法は、使用するカチオン性単量体がジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどを塩化ベンジルや疎水性モノハロゲン化アルキルにより四級化した特定の疎水性カチオン性単量体を使用しなければならない欠点を有している。
【0003】
また、ポリエチレングリコール等の高分子水溶液を分散媒とする水溶性重合体微粒子の分散液を製造する方法が、特許文献3に開示されている。上記特許公報に開示された方法を実施する場合、製紙および廃水処理薬剤として有用であるジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩化メチル4級化物の単独重合あるいは共重合には適用できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、重合する単量体の種類に影響されることが少なく、また重合時塩を共存させる必要も
なく容易に重合体分散液が製造可能である分散液とその製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題を解決する方法を各種検討した結果、以下のような発明に達した。すなわち請求項1の発明は、カチオン性、両性、非イオン性及びアニオン性から選択される一種以上であって、粒径100μm以下の水溶性重合体微粒子とアミジン系高分子が共存する水溶性重合体分散液において、前記アミジン系高分子が10〜60質量%の範囲で含有する3000mPa・s以上の水溶液あるいは粒状物に酸化剤水溶液を混合・含浸させ、酸化反応により製造した低分子化物であることを特徴とする水溶性重合体分散液に関する。
【0006】
請求項2の発明は、前記酸化反応を実質的に無攪拌下で行なうことを特徴とする請求項1に記載の水溶性重合体分散液である。
【0007】
請求項3の発明は、前記水溶性重合体微粒子が、前記アミジン系高分子共存下で、下記一般式(1)及び/又は(2)で表わされる単量体5〜100モル%、下記一般式(3)で表わされる単量体0〜50モル%、水溶性非イオン性単量体0〜95モル%からなる単量体(混合物)を攪拌下、分散重合し製造されたものであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の水溶性重合体分散液である。
【化1】
Figure 2004300246
Figure 2004300246
R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、R4は水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、X1は陰イオンをそれぞれ表わす
【化2】
Figure 2004300246
Figure 2004300246
R5は水素又はメチル基、R6、R7は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X2は陰イオンをそれぞれ表わす
【化3】
Figure 2004300246
Figure 2004300246
R8は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、QはSO3、C6H4SO3、
CONHC(CH3)2CH2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R9は水素またはCOOY2、Y1あるいはY2は水素または陽イオン
【0008】
請求項4の発明は、前記水溶性重合体微粒子が、前記アミジン系高分子共存下で、前記一般式(3)で表わされる単量体0〜100モル%、水溶性非イオン性単量体0〜100モル%からなる単量体(混合物)を攪拌下、分散重合し製造されたものであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の水溶性重合体分散液である。
【0009】
請求項5の発明は、10〜60質量%の範囲で含有する3000mPa・s以上のアミジン系高分子水溶液あるいは粒状物に酸化剤水溶液を混合・含浸させ、酸化反応により製造した低分子化物共存下で、水溶性単量体(混合物)を攪拌下、分散重合により製造することを特徴とする水溶性重合体分散液の製造方法である。
【0010】
請求項6の発明は、前記単量体(混合物)が、前記一般式(1)及び/又は(2)で表わされる単量体5〜100モル%、前記一般式(3)で表わされる単量体0〜50モル%及び水溶性非イオン性単量体0〜95モル%からなることを特徴とする請求項5に記載の水溶性重合体分散液の製造方法である。
【0011】
請求項7の発明は、前記単量体(混合物)が、前記一般式(3)で表わされる単量体0〜100モル%及び水溶性非イオン性単量体0〜100モル%からなることを特徴とする請求項5に記載の水溶性重合体分散液の製造方法である。
【0012】
請求項8の発明は、前記酸化反応を実質的に無攪拌下で行なうことを特徴とする請求項5に記載の水溶性重合体分散液の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の水溶性重合体分散液は、アミジン系高分子を含有する水溶液あるいは粒状物に酸化剤水溶液を含浸させた後、無攪拌下、酸化反応により重合度を低下させることによって得た流動性の良い水溶液を分散重合の分散媒として使用し、前記分散媒中で水溶性単量体を重合し、水溶性重合体の分散液とするものである。具体的には、アミジン系高分子の粉末を容器に投入し、これに例えば過酸化水素水溶液を含浸させ、外部を一定の温度に保ち、無攪拌下、数時間から数日間、酸化反応させ分子を切断する。アミジン系水溶性高分子は、その製法が特許文献1に開示されているが、その粉末は普通、酸により中和した粉末が市販されているので、酸化反応による切断、水溶液化後は、中和された高分子溶液として得ることができ、適宜重合反応時、pHを調節し単量体と混合する。
【0014】
使用する酸化剤としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウム、ペルオクソ二硫酸カリウム、ペルオクソ二硫酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウあるいは過酸化水素などが挙げられるが、過酸化水素が好ましい。また、反応後、溶液中に残存する酸化剤を消去するため亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムあるいはチオ硫酸ナトリウム、蟻酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸などを添加し酸化反応を停止する。これら還元剤の添加量は、添加した酸化剤に対して5〜25モル%が目安である。
【0015】
反応温度は、反応初期は攪拌ができないので無攪拌であるが、外部温度によって反応速度が大きく影響されるので、速くおこなう場合は、外部温度を高めに設定し、ゆっくり行なう場合は、外部温度を低めに設定する。水溶性高分子の組成によっては、酸化反応を高くして行なうと副反応を起こし好ましくない場合がるので注意する。凡そ外部温度として5〜60℃、好ましくは20〜50℃である。また、反応濃度としては攪拌が必要ないので高くすることが可能であり、15〜60質量%であり、好ましくは20〜60質量%、最も好ましくは25〜50質量%である。
【0016】
低分子化アミジン系高分子の分子量としては、1000〜10万であるが、好ましくは1000〜1万である。10万より高いと分散重合後の分散液粘性が高くなり好ましくない。また分散媒として使用するとき、低分子化アミジン系高分子濃度としては、15〜50質量%であり、好ましくは20〜40質量%である。これら濃度範囲にあるときの見かけ粘性としては、50〜1000mPa・sが好ましく、50〜500mPa・sであれば更に好ましい。
【0017】
次に上記低分子化反応によって得た高分子水溶液からなる分散を用いた分散重合について説明する。低分子化アミジン系高分子水溶液pHは、重合前2〜5に調整した後使用することが好ましい。単量体濃度としては、10〜40重量%であり、好ましくは1〜30重量%である。低分子化アミジン系高分子の単量体に対する添加量は、20〜200重量%であるが、好ましくは20〜150重量%、さらに好ましくは40〜150重量%である。
【0018】
その後、窒素雰囲気下にて、重合開始剤、例えば2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物または2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物のような水溶性アゾ系重合開始剤、あるいは過硫酸アンモニウムおよび亜硫酸水素ナトリウム併用のような水溶性レドックス系重合開始剤を添加し、撹拌下ラジカル重合を行う。重合の反応温度は0〜100℃の範囲で重合開始剤の性質に応じて任意に選ぶ事ができるが、好ましくは10〜60℃であり、更に好ましくは20〜50℃である。
【0019】
分子量調節のため通常のラジカル重合に用いられるようなイソプロピルアルコールやメルカプタン等の連鎖移動剤を添加することも任意に選択することができる。また高分子改質のためメチレンビスアクリルアミドやエチレングルコ−ルジ(メタ)アクリレ−トなどの複数のビニル基を有する単量体を共重合し架橋性高分子を重合することもできる。これら架橋剤の単量体混合物中の配合比としては、0.001〜0.1モル%である。更に重合体微細粒子の分散安定化の為、撹拌を行う必要がり、撹拌速度の上限は無く、任意の撹拌条件を選ぶことができる。
【0020】
次に水溶性重合体を製造する場合に使用する単量体について説明する。カチオン性水溶性重合体を製造する場合には、カチオン性単量体の一種以上を使用し、また非イオン性単量体との共重合をすることもできる。カチオン性単量体の例としては、一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルやジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、メチルジアリルアミンなどの重合体や共重合体が上げられ、四級アンモニウム基含重合体の例は、前記三級アミノ含有単量体の塩化メチルや塩化ベンジルによる四級化物である(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物などである。また、一般式(2)で表されるジメチルジアリルアンモニウム系単量も使用可能であり、その例としてジメチルジアリルアンモニウム塩化物、ジアリルメチルベンジルアンモニウム塩化物などである。
【0021】
非イオン性単量体の例としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン、アくリロイルピペラジンなどがあげられる。
【0022】
両性水溶性重合体を製造する場合には、前記カチオン性と非イオン性単量体に加えて、さらに一般式(3)で表されるアニオン性単量体を共重合する。その例としては、スルフォン基でもカルボキシル基でもさしつかいなく、両方を併用しても良い。スルフォン基含有単量体の例は、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸あるいは2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸などである。またカルボキシル基含有単量体の例は、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸あるいはp−カルボキシスチレンなどである。
【0023】
アニオン性水溶性重合体を製造する場合には、前記一般式(3)で表されるアニオン性単量体の一種以上の共重合、あるいは前記アニオン性単量体と水溶性非イオン性単量体との共重合によって製造する。アニオン性単量体と水溶性非イオン性単量体の例としては、前記のようなものを使用する。
【0024】
さらに非イオン性水溶性重合体を製造する場合には、前記非イオン性単量体の一種以上を使用する。特に好ましい非イオン性単量体としては、アクリルアミドである。
【0025】
重合開始は、ラジカル重合開始剤を用いる。そのような開始剤は油溶性あるいは水溶性のどちらでも良く、アゾ系,過酸化物系、レドックス系いずれでも重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネ−ト)、4、4−アゾビス(4−メトキシ−2、4ジメチル)バレロニトリルなどがあげられ、水混溶性溶剤に溶解し添加する。
【0026】
水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などがあげられる。またレドックス系の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどとの組み合わせがあげられる。さらに過酸化物の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウムあるいはカリウム、過酸化水素、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエ−トなどをあげることができる。
【0027】
本発明の水溶性重合体分散液は重合時、あるいは重合後、ハロゲン化アルカリ金属塩や、硫酸塩、燐酸塩などの無機塩類を共存させても良い。これら塩類としては塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、塩化アンモニウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、燐酸水素アンモニウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム等を例示することができ、これらの塩を液中濃度として2質量%〜飽和濃度であるが、好ましくは2〜15質量%が更に好ましい。
【0028】
本発明の水溶性重合体分散液は、単量体を重合する際、アミジン系高分子を共存させるので、アミジン系高分子の一部に一般式(1)〜(3)で表される単量体がグラフト重合していると推定されるので、分散液の安定化にも大いに寄与すると推定される。
【0029】
本発明で使用するアミジン系高分子は、酸化反応により重合度を低下させることによって生成した低分子化高分子である。従来、低重合度高分子は、ビニル化合物の重合あるいは重縮合反応によって合成されている。このうちビニル化合物の重合による方法は、連鎖移動剤や重合開始剤を多量に共存させる、高温で重合するなどの方法が採られていた。一方、重縮合系高分子は、重合度的には、低分子量のものしか生成しないが、イオン性の面からはカチオン性のものが生成しやすく、重合度やイオン性など自由度は選択しにくい。従って応用面を考慮するとビニル化合物の重合物が最も便利である。反応的に見ると、低重合度高分子は高温で重合する、あるいは連鎖移動剤を多量に添加するなど方法が採られていた。その結果、重合度が低下する。ところが高温度で重合すると、側鎖活性基の変性などが起き、これを重合の分散剤として使用することは、好ましくない。また連鎖移動剤を多量に添加して合成した高分子は、これをそのまま使用すると、後の重合反応に影響を与えることは十分に予想される。
【0030】
そのため本発明においては、酸化反応により重合度を低下させることによって生成した低分子化高分子を使用する。低分子化する原料となる水溶性高分子は、水溶液品あるいは粉末品など使用可能だが、純度が高いものが得られやすい粉末品を使用することが好ましい。その結果、従来の低分子化高分子水溶液に較べ高温による熱劣化が少なく、連鎖移動剤による汚染が低い純粋な高分子水溶液が得られ、分散重合の分散媒としては、非常に適したものである。
【0031】
また、本発明のイオン性水溶性重合体分散液は、アミジン系高分子の他、分子量の比較的低いカチオン性水溶性重合体を併用することもできる。そのようなカチオン性水溶性重合体としては、例えば前記一般式(1)及び/又は前記一般式(2)で表されるカチオン性単量体一種以上の重合体あるいは共重合体である。あるいは前記カチオン性単量体一種以上と水溶性非イオン性単量体との共重合体も使用できる。また、ビニルアミン系高分子なども使用することができる。これらカチオン性水溶性重合体は、重合時、あるいは重合後添加する。分子量は、1,000〜500,000であり、好ましくは1,000〜100,000である。
【0032】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0033】
(合成例1)ビーカー中に35%過酸化水素水43.5g、蒸留水513.7gを入れ均一溶液とし、粉末状ポリアミジン(平均分子量約300万)300gを投入し、おおよそ均一に分散した状態になるように攪拌すると、間もなくゲル状の塊となり、これをウォーターバス中で50℃に5日間保温すると均一溶液となった。結果を表1に示す。
【0034】
この未調整の高分子水溶液のうち171.4gを取り出して、溶液pHを5.5に調節した後、粉末の亜硫酸水素ナトリウム0.9gを加えて未反応過酸化水素を消去し、更に蒸留水を添加してポリマー濃度を30%に調整し、目的の高分子水溶液200gを得た。この水溶液中のポリマーの平均分子量をGPCにより測定したところ約3万であった。また、この高分子水溶液の粘度を回転粘度計で測定したところ196mPa・sであった。また核磁気共鳴装置による測定から各置換基モル数は、アミジン構造単位;81モル%、アクリロニトル構造単位;6モル%、一級アミノ基構造単位;9モル%、N−ビニルホルムアミド構造単位;4モル%であった。(分散媒−1)結果を表1に示す。
【0035】
[GPC測定条件]
機器構成:日本分光HPLC(BIP−1,DG−3310),昭和電工SE−51,東ソー、TSKgel、GMPW、溶離液:0.5M酢酸+0.5M酢酸ナトリウム、流速:1.0ml/min.、分子量標準物質:ポリエチレングリコール。
【0036】
(合成例2)ビーカー中に35%過酸化水素水87.0g、蒸留水470.2gを入れ均一溶液とし、合成例1で用いたポリアミジンと同様な粉末(平均分子量約300万)300gを投入し、おおよそ均一に分散した状態になるように攪拌すると、間もなくゲル状の塊となり、これをウォーターバス中で50℃に5日間保温すると均一溶液となった。この溶液pHを5.5に調節した後、粉末の亜硫酸水素ナトリウム0.5gを加えて未反応過酸化水素を消去し、更に蒸留水を添加してポリマー濃度を30%に調整し、目的の高分子水溶液200gを得た。この水溶液中のポリマーの平均分子量をGPCにより測定したところ約5000であり、高分子水溶液の粘度は103mPa・sであった。また核磁気共鳴装置による測定から各置換基モル数は、アミジン構造単位;82モル%、アクリロニトル構造単位;5モル%、一級アミノ基構造単位;8モル%、N−ビニルホルムアミド構造単位;5モル%であった。(分散媒−2)結果を表1に示す。
【0037】
(比較合成例1)水溶液重合法により、N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリル50:50(モル比)からなる共重合体を重合後、塩酸により加水分解しアミジン系高分子を合成した。攪拌機および温度制御装置を備えた反応槽に、脱イオン水200.0g、N−ビニルホルムアミド85.9g及びアクリロニトリル64.1g、メタリルスルホン酸ナトリウム単量体0.26g(対単量体0.2質量%)を添加し単量体溶液の温度を35〜38℃に保ち、窒素置換を30分行った後、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物の10%水溶液0.35g(対単量体0.05重量%)を加え、重合反応を開始させた。反応温度を37±1℃で12時間重合させ反応を完結させた。重合後、N−ビニルホルムアミドに対しモル比で1.2倍の35%塩酸133.5gを添加し、70℃で5時間、90℃で3時間反応させ、加水分解とアミジン化反応を行った。
【0038】
反応後、一部を取り出しアセトン脱水し、洗浄乾燥した後、物性を測定した。分析は、核磁気共鳴装置、GPCよって行った。その結果、平均分子量;5万、アミジン構造単位;86モル%、アクリロニトル構造単位;6モル%、一級アミノ基構造単位;4モル%、N−ビニルホルムアミド構造単位;4モル%であった。(比較分散媒−1)
【0039】
【実施例1】
攪拌機および温度制御装置を備えた反応器に30質量%低分子化ポリアミジン水溶液125g、メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド80%水溶液93.75g、イオン交換水77.5gに溶解し、pHを3.5に調整した。窒素で置換しながら10重量%の2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド水溶液0.38g(対モノマーあたり0.05重量%)を重合開始剤として添加し、撹拌下50℃で18時間重合した。その結果、粒径0.1〜10μmの微粒子の重合体分散液が得られた(試料−1)。生成したポリマ―分散液をB型粘度計により測定した分散液の粘度、及び静的光散乱法によるGPCによって重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
【0040】
【実施例2〜6】
実施例1と同様な操作によって、表1に示す組成からなる単量体混合物を、低分子化ポリアミジンを分散媒として水溶性重合体分散液試料−2〜試料−6を製造した。結果を表1に示す。
【0041】
【比較例1】
攪拌機および温度制御装置を備えた反応器に比較合成例1で合成した比較分散媒−1、30質量%ポリアミジン水溶液125gを仕込み、これにメタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド80%水溶液93.75g、イオン交換水77.5gに溶解し、pHを3.5に調整した。窒素で置換しながら10重量%の2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド水溶液0.38g(対モノマーあたり0.05重量%)を重合開始剤として添加し、撹拌下50℃で18時間重合した。その結果、粒径0.1〜10μmの微粒子の重合体分散液が得られた(比較−1)。生成したポリマ―分散液をB型粘度計により測定した分散液の粘度、及び静的光散乱法によるGPCによって重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
【0042】
【比較例2】
攪拌機および温度制御装置を備えた反応器にジメチルジアリルアンモニウムクロリド40質量%水溶液(比較分散媒−2、分子量32,000、30質量%粘度350mPa・s)93.7gを仕込み、これにメタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド80%水溶液93.75g、イオン交換水108.5gに溶解し、pHを3.5に調整した。窒素で置換しながら10重量%の2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド水溶液0.38g(対モノマーあたり0.05重量%)を開始剤として添加し、重合を開始させた。約2時間後、反応液が徐々に増粘し攪拌機のシャフトに巻き上がり始めたが、それ以上は増粘せず、徐々に粘性は下がったが、流動性は悪かった。このまま反応を継続し、開始から18時間の時点で終了した。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 2004300246
DMC:メタクロルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド
DMQ:アクロルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、AAC:アクリル酸、AAM:アクリルアミド、分子量単位;万
分散液粘度;mPa・s、高分子濃度;分散媒高分子の単量体に対する質量%
単量体濃度;分散液全体に対する質量%濃度

Claims (8)

  1. カチオン性、両性、非イオン性及びアニオン性から選択される一種以上であって、粒径100μm以下の水溶性重合体微粒子とアミジン系高分子が共存する水溶性重合体分散液において、前記アミジン系高分子が10〜60質量%の範囲で含有する3000mPa・s以上の水溶液あるいは粒状物に酸化剤水溶液を混合・含浸させ、酸化反応により製造した低分子化物であることを特徴とする水溶性重合体分散液。
  2. 前記酸化反応を実質的に無攪拌下で行なうことを特徴とする請求項1に記載の水溶性重合体分散液。
  3. 前記水溶性重合体微粒子が、前記アミジン系高分子共存下で、下記一般式(1)及び/又は(2)で表わされる単量体5〜100モル%、下記一般式(3)で表わされる単量体0〜50モル%、水溶性非イオン性単量体0〜95モル%からなる単量体(混合物)を攪拌下、分散重合し製造されたものであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の水溶性重合体分散液。
    Figure 2004300246
    Figure 2004300246
    R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、R4は水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、X1は陰イオンをそれぞれ表わす
    Figure 2004300246
    Figure 2004300246
    R5は水素又はメチル基、R6、R7は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X2は陰イオンをそれぞれ表わす
    Figure 2004300246
    Figure 2004300246
    R8は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、QはSO3、C6H4SO3、
    CONHC(CH3)2CH2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R9は水素またはCOOY2、Y1あるいはY2は水素または陽イオン
  4. 前記水溶性重合体微粒子が、前記アミジン系高分子共存下で、前記一般式(3)で表わされる単量体0〜100モル%、水溶性非イオン性単量体0〜100モル%からなる単量体(混合物)を攪拌下、分散重合し製造されたものであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の水溶性重合体分散液。
  5. 10〜60質量%の範囲で含有する3000mPa・s以上のアミジン系高分子水溶液あるいは粒状物に酸化剤水溶液を混合・含浸させ、酸化反応により製造した低分子化物共存下で、水溶性単量体(混合物)を攪拌下、分散重合により製造することを特徴とする水溶性重合体分散液の製造方法。
  6. 前記単量体(混合物)が、前記一般式(1)及び/又は(2)で表わされる単量体5〜100モル%、前記一般式(3)で表わされる単量体0〜50モル%及び水溶性非イオン性単量体0〜95モル%からなることを特徴とする請求項5に記載の水溶性重合体分散液の製造方法。
  7. 前記単量体(混合物)が、前記一般式(3)で表わされる単量体0〜100モル%及び水溶性非イオン性単量体0〜100モル%からなることを特徴とする請求項5に記載の水溶性重合体分散液の製造方法。
  8. 前記酸化反応を実質的に無攪拌下で行なうことを特徴とする請求項5に記載の水溶性重合体分散液の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103819607A (zh) * 2014-03-12 2014-05-28 山东大学 一种阳离子聚脒絮凝剂及其制备方法

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