JP5159009B2 - 水溶性高分子分散液及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水溶性高分子分散液及びその製造方法に関するものであり、詳しくは、塩水溶液中にカチオン性、両性及び非イオン性から選択された一種以上のイオン性を有する水溶性高分子微粒子と、分散剤として該塩水溶液に可溶で、かつ特定の構造を有する重合系高分子と重縮合系高分子のうち、各々少なくとも一種以上が共存する水溶性高分子分散液に関し、またその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水溶性高分子は、廃水処理用の凝集剤或いは製紙用薬剤として使用されているが、高分子化合物であるため水に溶解した状態では高粘性溶液となる。そのためどのような製品形態にするかが商品化するうえで大きなポイントとなる。たとえば、水溶液の静置重合法では、高分子量の重合体を得るためには、10重量%以上の単量体濃度で重合を行うため、生成物は、含水したゲル状となり、そのままの状態では溶解も困難であるため、該生成物を更に希釈して流動性のある低濃度溶液で市販するかなど重合後の工程が必要になる。その対策のひとつの形態として粉末化があり、多くの製品がこの形態と採っている。しかし、粉末品は使用時、溶解するのに時間がかかり、そのためのエネルギ−も多く要する。その解決を図ったのがエマルジョン製品である。油中水型エマルジョンの状態で重合し、重合後、親水性界面活性剤を添加し、溶解し易くした状態で販売される。粉末に較べると溶解時間は短く、高重合度の高分子物も得られる。
【0003】
しかし、油中水型のエマルジョンでは、引火性を有し、更に貴重な有機溶剤を無駄に消費する欠点を有しており、また、疏水性溶媒中での懸濁重合では、シクロヘキサン、トルエン等の引火性物質を用いるため、製造設備に多額の費用が必要となるなど欠点を有している。油中水型エマルジョン重合法の欠点を克服するために、多価アニオン塩水溶液中で、たとえばアクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウム塩化物の(共)重合体のように、前記多価アニオン塩水溶液に溶解しない重合体を微細粒子として塩水中に分散した分散液を製造する方法が開発された。これは特公平4−39481号公報や特公平6−51755号公報に記載された方法によって製造することが可能である。前者の公報は、分散剤として多価アルコ−ルを重合時共存させる方法が開示され、後者の公報では、分散剤として多価アニオン塩水溶液中に可溶なカチオン性高分子を重合時共存させる方法が開示されている。
【0004】
これらの公報には、アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウム塩化物のような(メタ)アクリロイルオキシエチルベンジルジアルキルアンモニウム塩化物系単量体は必須成分として重合時共存させ、共重合時併用するカチオン性単量体は、N,N−ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレ−トは、三級アミノ基あるいは四級アンモニウム塩基含有アクリル型単量体である。現在、問題となっている点は、前記ベンジル系単量体の共重合率を減少させた場合や全く使用しない場合、重合時の増粘が激しくしばしば分散重合が不可能になることである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、塩水溶液中、高分子分散剤共存下、分散重合法による安定な水溶性高分子分散液を開発することであり、特に重合反応中の重合物の増粘を低下させることである。さらに効率良く分散液を製造する方法を開発することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者等は、詳細な検討を行った結果、重合時、特定の重合系高分子と重縮合系高分子を共存させることにより上記課題を解決できることがわかり本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明の請求項1の発明は、いずれも塩水溶液に可溶な重合系高分子(A)と重縮合高分子(B)を分散剤として共存させ、下記一般式(1)及び/又は(2)で表される単量体0〜100モル%、(3)で表される単量体0〜50モル%、アクリルアミド0〜100モル%及び共重合可能な他の非イオン性単量体0〜30モル%からなる単量体(混合物)を、塩水溶液中攪拌下、分散重合し製造することによって得た粒径100μm以下のカチオン性、両性及び非イオン性から選択された一種以上の水溶性高分子微粒子からなる水溶性高分子分散液に関する。
重合系高分子(A);アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物重合物、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物/アクリルアミド共重合物、ジアリルジメチルアンモニウム塩化物重合物、ポリビニルアミン、ポリアミジン系重合物、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物/N−ビニルホルムアミド共重合物、ポリエチレンイミン塩酸中和物、ポリビニルピロリドン、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物/アクリロイルモルホリン共重合物、ブテン/無水マレイン酸完全アミド化物から選択される一種以上。
重縮合高分子(B);アンモニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジメチルアミノプロピルアミンから選択された一種以上のアミン類とエピハロヒドリンとの重縮合物。
【化1】
一般式(1)
R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3のアルキルあるいはアルコキシル基、R4は水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基を表わす、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。
【化2】
一般式(2)
R5は水素又はメチル基、R6、R7は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X2は陰イオンをそれぞれ表わす。
【化3】
一般式(3)
R8は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、QはSO3、C6H4SO3、CONHC(CH3)2CH2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R9は水素またはCOOY2、Y2、Y2は水素または陽イオン
【0007】
請求項2の発明は、前記重合系高分子(A)のイオン当量値が1.5〜22meq/gであることを特徴とする請求項1に記載の水溶性高分子分散液である。
【0008】
請求項3の発明は、前記重縮合系高分子(B)のイオン当量値が4.0〜8.0meq/gであることを特徴とする請求項1に記載の水溶性重合体分散液である。
【0009】
請求項4の発明は、高分子分散液を構成するカチオン性、非イオン性及び両性から選択された一種以上の水溶性高分子の重量平均分子量が、200万以上、2000万以下であることを特徴とする請求項1に記載の水溶性高分子分散液である。
【0010】
請求項5の発明は、塩水溶液を構成する塩が、少なくとも一種の多価アニオン塩を含有することを特徴とする請求項1に記載の水溶性高分子分散液である。
【0011】
請求項6の発明は、いずれも塩水溶液に可溶な重合系高分子(A)と重縮合高分子(B)を分散剤として共存させ、下記一般式(1)及び/又は(2)で表される単量体0〜100モル%、(3)で表される単量体0〜50モル%、アクリルアミド0〜100モル%及び共重合可能な他の非イオン性単量体0〜30モル%からなる単量体(混合物)を、塩水溶液中攪拌下、分散重合することを特徴とする粒径100μm以下のカチオン性、両性及び非イオン性から選択された一種以上の水溶性高分子微粒子からなる水溶性高分子分散液の製造方法である。
重合系高分子(A);アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物重合物、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物/アクリルアミド共重合物、ジアリルジメチルアンモニウム塩化物重合物、ポリビニルアミン、ポリアミジン系重合物、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物/N−ビニルホルムアミド共重合物、ポリエチレンイミン塩酸中和物、ポリビニルピロリドン、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物/アクリロイルモルホリン共重合物、ブテン/無水マレイン酸完全アミド化物から選択される一種以上。
重縮合高分子(B);アンモニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジメチルアミノプロピルアミンから選択された一種以上のアミン類とエピハロヒドリンとの重縮合物。
【化1】
一般式(1)
R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3のアルキルあるいはアルコキシル基、R4は水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基を表わす、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。
【化2】
一般式(2)
R5は水素又はメチル基、R6、R7は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X2は陰イオンをそれぞれ表わす。
【化3】
一般式(3)
R8は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、QはSO3、C6H4SO3、CONHC(CH3)2CH2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R9は水素またはCOOY2、Y2、Y2は水素または陽イオン
【0012】
請求項7の発明は、 前記重合系高分子(A)のイオン当量値が1.5〜22meq/gであることを特徴とする請求項6に記載の水溶性高分子分散液の製造方法である。
【0013】
請求項8の発明は、 前記重縮合系高分子(B)のイオン当量値が4.0〜8.0meq/gであることを特徴とする請求項6に記載の水溶性高分子分散液の製造方法である。
【0014】
請求項9の発明は、塩水溶液を構成する塩が、少なくとも一種の多価アニオン塩を含有することを特徴とする請求項6に記載の水溶性高分子分散液の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
水溶性単量体あるいは水溶性単量体混合物を、塩水溶液中で該塩水溶液に可能なイオン性高分子分散剤を共存させる分散重合法により製造された水溶性高分子からなる分散液の製造方法は、特公平4−39481号公報や特公平6−51755号公報に記載された方法によって製造することが可能である。前者の公報は、分散剤として多価アルコ−ルを重合時共存させる方法が開示され、後者の公報では、分散剤として多価アニオン塩水溶液中に可溶なカチオン性高分子を重合時共存させる方法が開示されている。これらの公報には、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物のような(メタ)アクリロイルオキシエチルトリアキルアンモニウム塩化物系単量体の重合体や共重合体を分散剤として重合時共存させることが必要である。
【0016】
以下具体的に製造方法を説明する。本発明の水溶性高分子分散液は硫酸アンモニウムのような多価アニオン塩の水溶液を調製し、この中に三級あるいは四級アンモニウム塩基含有単量体をしこみ、さらにアニオン性単量体である(メタ)アクリル酸と非イオン性単量体のアクリルアミドを加え、分散剤として該塩水溶液に可溶な重合系高分子であるアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物重合体などと、ジメチルアミン/エピクロロヒドリン/ペンタエチレンヘキサミンからなる重縮合系高分子を重合前に共存させる。この時のpHは2〜6に設定する。混合物を均一に溶解した後、窒素置換により反応系の酸素を除去しラジカル重合性開始剤を添加することによって重合を開始させ、攪拌下、重合体を製造することができる。
【0017】
初めに重合系高分子について説明する。カチオン性あるいは非イオン性高分子のいずれでも使用可能であるが、カチオン性高分子のほうがより好ましい。カチオン性高分子としては、カチオン性単量体である(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物などの重合体である。また、前記カチオン性単量体と非イオン性単量体との共重合体も使用可能である。非イオン性単量体の例としては、アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N、N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、N−アクリロイルモルホリンのなどである。その他カチオン変性ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン変性物、ブテン/無水マレイン酸のカチオン変性物などがあげられる。
【0018】
非イオン性高分子としては、上記非イオン性単量体の重合体、ポリビニルアルコ−ル、ブテン/無水マレイン酸やスチレン/無水マレイン酸の完全アミド化物などがあげられる。上記イオン性高分子の分子量は、10,000〜300万であり、好ましくは50,000〜100万である。非イオン性高分子の分子量は、10,000〜50万であり、好ましくは10,000〜10万である。
【0019】
重縮合系高分子は、アンモニア、脂肪族一価アミン及び脂肪族ポリアミンから選択された少なくとも一種以上の化合物とエピハロヒドリンとの重縮合物である。脂肪族一価アミンとしては、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノ、ジあるいはトリ各々エタノ−ルアミン類などである。脂肪族ポリアミンはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミンなどである。これらアミン類のなかで特に好ましいものは、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチレンジアミンあるいはペンタエチレンヘキサミンである。重縮合物は、これらアンモニア、脂肪族一価アミンあるいは脂肪族ポリアミンは、単独でも二種以上を混合しエピハロヒドリンと反応させたせた生成物でも良いし、また反応第一段階でまず脂肪族一価アミンとエピハロヒドリンとを反応し縮合物を生成させ、反応第ニ段階でアンモニアあるいは脂肪族ポリアミンと反応させ、分子量を増大した生成物でも良い。重縮合物の分子量としては、数百〜約200万である。
【0020】
これら重合系高分子と重縮合系高分子の配合比は、8:1〜1:8、好ましくは5:1〜1:5である。本発明で使用する重縮合系高分子は、ポリアミン系であるので比較的カチオン当量は高い。従って重合系高分子を適宜、重合する単量体に合わせ選択すると効果的である。特にカチオン性単量体の比率が低い共重合を実施するときは、重縮合系高分子に対してイオン性の高い重合系高分子との比率を多くすると効果的である。反対にイオン性単量体の共重合比が低いときは、重縮合系高分子に対してイオン性の高い重合系高分子の比率を多くすると効果的である。本発明の分散剤は、重合系あるいは重縮合系とも、各々ニ種以上使用することは制限はないが、二種、三種、四種と組合せるのは管理上、非常に煩雑であり、好ましくは重合系あるいは重縮合系とも各々一種を選択し、最適な配合比を決定したほうが効率的であり、効果的でもある。また添加量は、重合系と重縮合系を合わせた添加量で単量体に対して1/100〜20/100であり、好ましくは2/100〜15/100である。
【0021】
本発明で重縮合系高分子を使用すると効果的であるのは、理論的には不明な部分が多く解明できない。しかし、現象面から推定すると以下のようになる。すなわち塩水溶液中で重合が進行していくと、生成高分子濃度は、溶解度以上となり高分子粒子の析出が始まるが、その手前では溶解している高分子のため重合物自体(重合系)の粘性も増加し、溶解高分子と析出粒子が共存した状態になる。この後、析出した高分子の割合は増加していき、重合物は徐々に粘性が低下し、分散状態に相変化する。この共存状態時に、析出粒子とゲル状の溶解高分子間における滑りを向上させ、相変化前の増粘状態から分散状態への相変化をスム−ズに移行させるのが、相移行期における分散剤の主な役目と考えられる。重縮合系高分子は、アクリル系カチオン性高分子に較べ分子量がかなり低く、比較的カチオン密度が高い。そのため吸着した重縮合系高分子は、析出粒子の表面を密に覆い、粒子間の電気的反発によって分散を安定化し、また析出粒子と溶解ゲル状高分子間にミクロな相分離状況を発生させる。しかし分子量が低いため析出粒子を覆うコーテイング層は薄く、攪拌によって発生するシエアに弱くコーテイング層が破壊され易い。そのため分子量的には高い重合系高分子を併用することによりコーテイング層を補強すると考えられる。析出粒子の上記効果により粒子周辺の粘性を低下させ、析出粒子と溶解ゲル状高分子間の滑りを向上させ、スム−ズな相変化を達成させると推定される。
【0022】
塩水溶液中で分散重合する水溶性高分子は、カチオン性、両性、非イオン性のいずれでも可能である。カチオン性単量体の例としては、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルやジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、メチルジアリルアミンなどが上げられる。また、四級アンモニウム基含有単量体の例としては、前記三級アミノ含有単量体の塩化メチルや塩化ベンジルによる四級化物である(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物などである。
【0023】
アニオン性単量体の例としては、ビニルスルフォン酸、ビニルベンゼンスルフォン酸あるいは2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸あるいはp−カルボキシスチレンなどである。さらに非イオン性の単量体の例えば(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどがあげられ、これら一種または二種以上との共重合が可能である。非イオン性高分子を製造する場合は、アクリルアミドを用い、上記非イオン性単量体を0〜30モル%の範囲で共重合することもできる。
【0024】
カチオン性水溶性高分子の場合は、前記カチオン性単量体を1モル%以上〜100モル%、好ましくは10モル%〜100モル%共重合あるいは重合する。また、両性水溶性高分子の場合は、前記アニオン性単量体を1モル%以上〜50モル%、好ましくは5モル%〜30モル%共重合する。非イオン性高分子の場合は、アクリルアミドを用い、場合によっては他の非イオン性単量体を0〜30モル%共重合することもできる。
【0025】
重合条件は通常、使用する単量体や共重合モル%によって適宜決めていき、温度としては0〜100℃の範囲で行う。重合開始はラジカル重合開始剤を使用する。これら開始剤は油溶性あるいは水溶性のどちらでも良く、アゾ系,過酸化物系、レドックス系いずれでも重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネ−ト)、4、4−アゾビス(4−メトキシ−2、4ジメチル)バレロニトリルなどがあげられ、水混溶性溶剤に溶解し添加する。
【0026】
水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などがあげられる。またレドックス系の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどとの組み合わせがあげられる。さらに過酸化物の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウムあるいはカリウム、過酸化水素,ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t-ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエ−トなどをあげることができる。これら開始剤の中で最も好ましいのは、水溶性アゾ開始剤である2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物である。
【0027】
使用する塩類としては、ナトリウムやカリウムのようなアルカリ金属イオンやアンモニウムイオンとハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオンなどとの塩であるが、多価陰イオンとの塩がより好ましい。これら塩類の塩濃度としては、7重量%〜飽和濃度まで使用できる。
【0028】
本発明の高分子分散液からなる水溶性高分子は、製紙工業におけるパルプスラッジの脱水、その他食品工業、金属、石油精製の各排水処理、また建材関係の砂利洗浄排水の処理また、一般産業排水処理で生じる有機性汚泥及び凝集汚泥を含む混合汚泥などに適用可能である。特に有効な対象物として下水、し尿の消化汚泥、あるいは食品工業排水の余剰汚泥などに優れた効果を発揮する。これら汚泥は、本発明の両性水溶性高分子分散液を水に溶解し水溶液とした後、添加し、凝集させた後、ベルトプレス、フィルタ−プレス、デカンタ−あるいはスクリュ−プレスなどの脱水機により脱水する。添加量としては、排水の種類、懸濁物濃度などのよって変化するものであるが、液量に対して0.1〜1000ppm程度である。また、汚泥に対しては、汚泥ssに対して0.1〜3重量%である。
【0029】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0030】
(合成例−1アクリル系及びジアリルアミン系重合体の合成例)
表1に示すようなモル比でアクリロイルオキエチルトリメチルアンモニウム塩化物単独重合体(高分子NO.1)およびアクロイルオキエチルトリメチルアンモニウム塩化物/アクリルアミド共重合体(高分子NO.2)を合成した。各単量体の20重量%水溶液300gを調製し、pHを硫酸により5.0に調節後、42℃で30分間窒素置換の後、開始剤として2、2−アゾビスアミジノプロパンニ塩化水素化物の2%水溶液を3g(対単量体当たり0.1重量%)添加し重合を開始させた。15時間42℃に保温した後、加熱を停止し重合を終了させた。その後、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定し、コロイド滴定法によって重合物のカチオン当量値(meq/g)を測定した。結果は表1に示す。
【0031】
(合成例―2アミジン系重合体の合成例)撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた50mlの四つ口フラスコに、表−1に示すモル分率のアクリロニトリルを含有する、アクリロニトリルとN−ビニルホルムアミドの混合物6.0gおよび34.0gの脱塩水を入れた。窒素ガス気流中、撹拌しつつ60℃に昇温したのち、10%の2,2′−アゾビス−2−アミジノプロパン・2塩酸塩水溶液0.12gを添加した。45℃で4時間、撹拌保持した後、60℃に昇温し、更に3時間保持し、水中に重合体が析出した懸濁物を得た。該懸濁物に水を20g添加し、次いで、重合体中のホルミル基に対して2当量の濃塩酸を添加して撹拌しつつ100℃に4時間保持し、重合体をアミジン化した。得られた重合体の溶液をアセトン中に添加し、析出せしめ、これを真空乾燥して高分子NO.3を得た。
【0032】
高分子NO.3につき、以下に示す方法により組成と光散乱法による重量平均分子量を測定した。結果を表−1に示す。
【0033】
(組成の分析法)アミジン化を行う前の各原料重合体の組成は、13C−NMRスペクトル(13C−該磁気共鳴スペクトル)の各モノマー単位に対応した吸収ピークの積分値より算出した。アミジン化後の重合体A〜Eの組成は、13C−NMRスペクトルの各繰り返し単位に対応した吸収ピークの積分値より算出した。なお、繰り返し単位(1)と(2)は区別することなく、その総量として求めた。繰り返し単位(8)と(9)も区別することなく、その総量として求めた。
【0034】
また、繰り返し単位(1)と(2)、(6)及び(8)と(9)の吸収ピークは170〜185ppm付近の非常に近接した位置に認められるため、以下のような方法により各吸収ピークに対応する構造を帰属した。即ち、重合体の元素分析、水分量の測定により重量収支を確認し、更に、重合体の13C−NMRスペクトルの他にIRスペクトルも測定し、重合体のスペクトルとアミジン基、アミド基及びラクタム基等を有する既知化合物でのスペクトルとを詳細に比較検討する方法を採用したものである。
【0035】
(分子量の測定)
高分子NO.3につき、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。以上の結果を表1に示す。
【0036】
(合成例―3ビニルアミン系重合体の合成例)
撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた50mlの四つ口フラスコに、N−ビニルホルムアミドの6.0gおよび34.0gの脱塩水を入れた。窒素ガス気流中、撹拌しつつ60℃に昇温したのち、10%の2,2′−アゾビス−2−アミジノプロパン・2塩酸塩水溶液0.12gを添加した。45℃で6時間、撹拌保持した後、60℃に昇温し、更に2時間保持し、N−ビニルホルムアミド重合体水溶液を得た。該懸濁物に水を20g添加し、次いで、重合体中のホルミル基に対して2当量の濃塩酸を添加して撹拌しつつ100℃に4時間保持し、重合体をアミジン化した。得られた重合体の溶液をアセトン中に添加し、析出せしめ、これを真空乾燥して試料−6を得た。カチオン化度はコロイド滴定法により、分子量は光散乱法により測定した。結果は表−1に示す。
【0037】
(その他分散剤)PEIは株式会社日本触媒製のP−1050(分子量50,000)、ブテン/無水マレイン酸共重合物完全アミド化物はイソバン(クラレ製)を用いた。各物性は表―1に示す。
【0038】
【表1】
DMQ:アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物DD:ジアリルジメチルアンモニウム塩化物NVF:N−ビニルホルムアミド、ACM:アクリロイルモルホリン分子量:単位は万、カチオン当量:meq/g
【0039】
(合成例4)温度計、攪拌機、窒素導入管、ペリスタポンプ(SMP−21型、東京理化器械製)に接続した単量体供給管およびコンデンサ−を備えた500mLの4ツ口フラスコ内に50%水溶液のジメチルアミン90.0g、イオン交換水97.8gをし込んだ。そして反応器を氷水で冷却しながら温度を50℃以下に保ち、エピクロロヒドリン101.8gを1時間かけ供給した。モル比は1:1.1である。その後、5時間反応を行い終了した。反応後、カチオン当量と光散乱法による重量平均分子量を測定した。これを高分子N0.−11とする。結果は表2に示す。
【0040】
(合成例5)合成例4と同様に高分子N0.−12〜N0.−15を合成した。結果は表2に示す。
【0041】
【表2】
DA:ジメチルアミン、HA:ペンタエチレンヘキサミン、AM:アンモニア、TMA:トリメチルアミン、DPA:ジメチルアミノプロピルアミン、EPI:エピクロロヒドリン
【0042】
【実施例1】
撹拌器、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた五つ口セパラブルフラスコに、合成例1で作成した高分子NO.1(20%水溶液)、25.0g(対単量体4.0%)、合成例4で作成した高分子NO.11(50%水溶液)、7.5g(対単量体3.0%)、イオン交換水170.4g、硫酸アンモニウム115.0g、アクリルアミド50%水溶液67.4g及びアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、80%水溶液115.0gを仕込み、完全に溶解させた。内温を33〜35℃に保ち、30分間窒素置換後、開始剤として2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物の1%水溶液1.9g(対単量体0.015%)を加え重合を開始させた。開始2.5時間後、反応物はやや粘度の上昇が観測されたが、25分間その状態が継続したが、その後すぐに収まり分散液に移行していった。開始8時間後、前記開始剤溶液を0.5g追加しさらに8時間重合を行った。得られた分散液のしこみ単量体濃度は25.0%であり、ポリマー粒径は10μm以下、分散液の粘度は180mPa・sであった。また、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。この試料を試作−1とする。結果を表4に示す。
【0043】
【実施例2〜10】
実施例1と同様な操作により表1の重合系高分子と表2と重縮合系高分子とを組み合わせた分散剤系を用い、表3に示す添加量と単量体組成により試作―2〜試作―10を合成した。結果を表4に示す。
【0044】
【実施例11】
撹拌器、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた五つ口セパラブルフラスコに、合成例1で作成した高分子NO.4(20%水溶液)、26.3g(対単量体5.0%)、合成例4で作成した高分子NO.15(40%水溶液)、10.5g(対単量体4.0%)、イオン交換水136.0g、硫酸アンモニウム115.0g、アクリルアミド50%水溶液210gを仕込み、完全に溶解させた。内温を29〜33℃に保ち、30分間窒素置換後、開始剤として2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物の1%水溶液1.1g(対単量体0.010%)を加え重合を開始させた。開始2時間後、反応物はやや粘度の上昇が観測され、40分間その状態が継続したが、その後収まり分散液に移行していった。開始8時間後、前記開始剤溶液を0.5g追加しさらに8時間重合を行った。得られた分散液のしこみ単量体濃度は21.0%であり、ポリマー粒径は10μm以下、分散液の粘度は200mPa・sであった。この試料を試作−11とする。結果を表4に示す。
【0045】
【実施例12〜13】
実施例11と同様な操作により表1の重合系高分子と表2と重縮合系高分子とを組み合わせた分散剤系を用い、表3に示す添加量と単量体組成により試作―12〜試作―13を合成した。結果を表4に示す。
【0046】
【実施例14】
撹拌器、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた五つ口セパラブルフラスコに、アクリルアミド50%水溶液59.0gとアクリル酸60%水溶液25.0gをし込み、35%水酸化ナトリウム水溶液23.8gによりアクリル酸に対し当量分中和した。これに高分子NO.10(20%水溶液)28.8g(対単量対5.0%)、高分子NO.14(40%水溶液)14.4g(対単量対5.0%)、イオン交換水132.5g、硫酸アンモニウム115.0g、及びアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、80%水溶液100.6gを仕込み、完全に溶解させた。内温を33〜35℃に保ち、30分間窒素置換後、開始剤として2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物の1%水溶液1.9g(対単量対0.015%)gを加え重合を開始させた。開始2時間後、反応物はやや粘度の上昇が観測されたが、30分間その状態が継続し、その後すぐに収まり分散液に移行していった。開始8時間後、前記開始剤溶液を0.9g追加しさらに8時間重合を行った。得られた分散液のし込み単量対濃度は23%であり、ポリマー粒径は1〜20μmの範囲にあり、分散液の粘度は150mPa・sであった。結果を表4に示す。
【0047】
【実施例15〜20】
実施例11と同様な操作により表1の重合系高分子と表2と重縮合系高分子とを組み合わせた分散剤系を用い、表3に示す添加量と単量体組成により試作―15〜試作―20を合成した。結果を表4に示す。
【0048】
【比較例1】
撹拌器、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた五つ口セパラブルフラスコに、合成例1で作成した高分子NO.1(20%水溶液)、25.0g(対単量体4.0%)、イオン交換水178.2g、硫酸アンモニウム115.0g、アクリルアミド50%水溶液67.4g及びアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、80%水溶液115.0gを仕込み、完全に溶解させた。内温を33〜35℃に保ち、30分間窒素置換後、開始剤として2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物の1%水溶液1.9g(対単量体0.015%)を加え重合を開始させた。開始2時間後、反応物は激しく粘度が上昇したが、反応はそのまま継続した。その後1持間で粘性は低下していき分散液に移行していった。開始8時間後、前記開始剤溶液を0.5g追加しさらに8時間重合を行った。結果を表4に示す。
【0049】
【比較例2〜7】
比較例1と同様な操作により表1あるいは表2の重合系高分子単独あるいは重縮合系高分子単独で分散剤として用い、表3に示す添加量と単量体組成により比較―2〜比較―7を合成した。結果を表4に示す。
【0050】
【表3】
DMQ:アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物DMC:メタアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物ABC:アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウム塩化物DMPQ:アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物AAC:アクリル酸、IA:イタコン酸、AAM:アクリルアミド
【0051】
【表4】
添加量:対単量体質量%、分散液粘度:mPa・s、分子量:万
Claims (9)
- いずれも塩水溶液に可溶であり、下記に列記する重合系高分子(A)と重縮合高分子(B)を分散剤として共存させ、下記一般式(1)及び/又は(2)で表される単量体0〜100モル%、(3)で表される単量体0〜50モル%、アクリルアミド0〜100モル%及び共重合可能な他の非イオン性単量体0〜30モル%からなる単量体(混合物)を、塩水溶液中攪拌下、分散重合し製造することによって得た粒径100μm以下のカチオン性、両性及び非イオン性から選択された一種以上の水溶性高分子微粒子からなる水溶性高分子分散液。
重合系高分子(A);アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物重合物、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物/アクリルアミド共重合物、ジアリルジメチルアンモニウム塩化物重合物、ポリビニルアミン、ポリアミジン系重合物、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物/N−ビニルホルムアミド共重合物、ポリエチレンイミン塩酸中和物、ポリビニルピロリドン、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物/アクリロイルモルホリン共重合物、ブテン/無水マレイン酸完全アミド化物から選択される一種以上。
重縮合高分子(B);アンモニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジメチルアミノプロピルアミンから選択された一種以上のアミン類とエピハロヒドリンとの重縮合物。
R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3のアルキルあるいはアルコキシル基、R4は水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基を表わす、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。
R5は水素又はメチル基、R6、R7は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X2は陰イオンをそれぞれ表わす。
R8は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、QはSO3、C6H4SO3、CONHC(CH3)2CH2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R9は水素またはCOOY2、Y2、Y2は水素または陽イオン - 前記重合系高分子(A)のイオン当量値が1.5〜22meq/gであることを特徴とする請求項1に記載の水溶性高分子分散液。
- 前記重縮合系高分子(B)のイオン当量値が4.0〜8.0meq/gであることを特徴とする請求項1に記載の水溶性重合体分散液。
- 高分子分散液を構成するカチオン性、非イオン性及び両性から選択された一種以上の水溶性高分子の重量平均分子量が、200万以上、2000万以下であることを特徴とする請求項1に記載の水溶性高分子分散液。
- 塩水溶液を構成する塩が、少なくとも一種の多価アニオン塩を含有することを特徴とする請求項1に記載の水溶性高分子分散液。
- いずれも塩水溶液に可溶な重合系高分子(A)と重縮合高分子(B)を分散剤として共存させ、下記一般式(1)及び/又は(2)で表される単量体0〜100モル%、(3)で表される単量体0〜50モル%、アクリルアミド0〜100モル%及び共重合可能な他の非イオン性単量体0〜30モル%からなる単量体(混合物)を、塩水溶液中攪拌下、分散重合することを特徴とする粒径100μm以下のカチオン性、両性及び非イオン性から選択された一種以上の水溶性高分子微粒子からなる水溶性高分子分散液の製造方法。
重合系高分子(A);アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物重合物、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物/アクリルアミド共重合物、ジアリルジメチルアンモニウム塩化物重合物、ポリビニルアミン、ポリアミジン系重合物、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物/N−ビニルホルムアミド共重合物、ポリエチレンイミン塩酸中和物、ポリビニルピロリドン、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物/アクリロイルモルホリン共重合物、ブテン/無水マレイン酸完全アミド化物から選択される一種以上。
重縮合高分子(B);アンモニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジメチルアミノプロピルアミンから選択された一種以上のアミン類とエピハロヒドリンとの重縮合物。
R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3のアルキルあるいはアルコキシル基、R4は水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基を表わす、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。
R5は水素又はメチル基、R6、R7は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X2は陰イオンをそれぞれ表わす。
R8は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、QはSO3、C6H4SO3、CONHC(CH3)2CH2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R9は水素またはCOOY2、Y2、Y2は水素または陽イオン - 前記重合系高分子のイオン当量値が1.5〜22meq/gであることを特徴とする請求項6に記載の水溶性高分子分散液の製造方法。
- 前記重縮合系高分子(B)のイオン当量値が4.0〜8.0meq/gであることを特徴とする請求項6に記載の水溶性高分子分散液の製造方法。
- 塩水溶液を構成する塩が、少なくとも一種の多価アニオン塩を含有することを特徴とする請求項6に記載の水溶性高分子分散液の製造方法。
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