JP2004298064A - 麺類の原料粉及び麺類 - Google Patents

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Abstract

【課題】つなぎや添加成分の改良ではなく、蕎麦粉の代替品によって、腰が強く、のど越しの良好な食感を有し、かつ、蕎麦風味・色を有し、しかも茹で上げ後に保存性の良い麺類を提供すること。
【解決手段】亜麻仁種子を搾油して得られたミールを含有することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、麺類の原料粉及び麺類に関する。
【0002】
【従来の技術】
蕎麦の原料である蕎麦粉は、蕎麦種実から蕎麦殻を除去した内実を粉砕して得られる。良質の蕎麦粉は、蕎麦種実の胚乳部を主体にした蕎麦粉であるが、収率が悪くてコスト高になる。収率を上げた安価な蕎麦粉は、蕎麦種実中の甘皮部、胚芽部、殻の細粉の混入が多くなり、これを蕎麦に用いると、食感的には滑らかさ、弾力に欠け、外観的にはつやに欠け、肌荒れが見られる蕎麦となる。
【0003】
また、蕎麦粉に含まれる蛋白質は、大半が水溶性で、小麦粉の蛋白質のごとき麺帯を形成する結合力がなく、蕎麦の製麺にはつなぎとして小麦粉を混ぜて使用するのが一般的である。小麦粉の比率が多くなると麺帯の形成は容易となり、安価な蕎麦粉を使用した場合でもある程度滑らかさ、弾力、肌荒れの改善につながるが、蕎麦としての風味・色、食感が悪くなる。小麦粉が少ない場合には何らかのつなぎの働きをするものを要し、山芋を使用する、或は、蕎麦粉に熱湯を加えてその一部を糊化してつなぎの働きをさせる等の工夫がされている。しかし、山芋は高価であるし、澱粉の部分的糊化を一定にするのは困難であることから、後者では一定の品質が得難い問題があった。
【0004】
また、近年、腰の強いのど越しの良好な食感を有し、しかも茹で後に多少時間がたってものびの少ない蕎麦が求められている。腰の強い歯ごたえのある食感を持たせ、かつ、のびを少なくするために、蕎麦では、卵、グルテン、じねんじょ粉、海藻抽出物等を蕎麦粉に加えること、さらにはガム類や乳化剤等の食感改良剤を添加することが従来行われている。
【0005】
なお、本発明は、発明者独自の着想により完成されたもので、先行技術文献として記載すべきものはない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術は、多量のつなぎや添加成分により蕎麦本来の風味や色が損なわれたり、添加成分に基づく異味を蕎麦に生じたりするという欠点があった。
【0007】
さらに、蕎麦は、アレルゲンタンパクを含むため、蕎麦アレルギーを持つ人が食べると、アナフィラキシーショックを起こし、生命に危険を及ぼす可能性を持っている。
【0008】
そこで、本発明の目的は、つなぎや添加成分の改良ではなく、蕎麦粉の代替品によって、腰が強く、のど越しの良好な食感を有し、かつ、蕎麦風味・色を有し、しかも茹で上げ後に保存性の良い麺類を得ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明者らは、蕎麦粉の代替品の研究及び改良を続けてきた。その結果、本発明者らは、蕎麦粉の代わりに、亜麻仁種子を搾油して得られたミールを含有することによって、腰が強く、のど越しの良好な食感を有し、かつ、蕎麦風味・色を有し、しかも保存性の良い麺類が得られることを見いだした。
【0010】
すなわち、本発明は、亜麻仁種子を搾油して得られたミールを含有することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、亜麻仁種子を搾油して得られたミールを用いているので、蕎麦風味・色を有する麺類が得られるとともに、麺類の食感を向上することができ、しかも保存性の良い麺類が得られる。また、添加成分によらずに、蕎麦粉の代替品であるミールによって麺類の食感を向上したものであるため、添加成分に伴う異味を麺類に与えることがない。
【0012】
さらに、蕎麦粉を全く用いずに、蕎麦風味・色を有する良好な麺類が得られるため、蕎麦アレルギーを持つ人が食べても、生命に危険を及ぼすことがない。したがって、蕎麦アレルギーを持つ人の食生活を豊かにすることができる。
【0013】
また、本発明は、前記亜麻仁種子を80℃以下で搾油することが好ましい。
【0014】
亜麻仁種子を低温条下で搾油して得られたミールを用いているので、熱変化を起こさせないことにより、蕎麦風味・色が良好で、かつ、栄養バランス及び保存安定性に優れた低カロリーの麺類が得られる。
【0015】
また、本発明は、前記ミールを、0.5重量%以上80重量%以下で含有することが好ましい。
【0016】
0.5重量%未満であると、充分な蕎麦風味・色を有する麺類が得られず、また、80重量%を超えると、麺類を製麺する際、麺生地の粘着性が高く、作業性を困難とする。
【0017】
また、本発明は、前記ミールを、0.5重量%以上30重量%以下で含有することが、蕎麦風味・色の付与や作業性の点から特に好ましい。
【0018】
また、本発明は、さらに、小麦粉を95重量%以下で含有することが好ましい。
【0019】
小麦粉を含有することにより、滑らかさ、弾力に極めて優れていて良好な食感を有し、しかも茹でのび耐性に極めて優れる麺類を得ることができる。
【0020】
また、本発明は、さらに、蕎麦粉を95重量%以下で含有してもよい。
【0021】
蕎麦粉を用いるとコスト高になるが、蕎麦粉とミールとを混合して用いることにより安価な蕎麦を得ることができるとともに、ミールの食物繊維により麺帯を形成する結合力を持たせた蕎麦の原料粉を得ることができる。
【0022】
そして、上述した麺類の原料粉を用いて麺類を製麺することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0024】
亜麻仁種子とは、リグナンや食物繊維、それにα−リノレン酸等の栄養成分を豊富に含む種子である。ところが、亜麻仁種子は、40重量%程度の油分を含んでいるため、その食品用用途への加工において品質維持を図ることが難しく、また油分がもたらす高カロリーは、昨今の低カロリー志向の流れに反するものである。
【0025】
そこで、亜麻仁種子を搾油して得られたミールを麺類に含有することにより、蕎麦風味・色を良好とするミールが得られることにたどり着き、本発明に利用した。
【0026】
さらに、亜麻仁種子を80℃以下で搾油して得られたミールとすることにより、蕎麦風味・色が良好で、かつ、栄養バランス及び保存安定性に優れた低カロリーのミールが得られることにたどり着いた。
【0027】
本発明で使用する亜麻仁種子とは、その産地や銘柄・等級を問わず、いずれでも使用可能であるが、茶系色のものを用いることが好ましい。
【0028】
このような亜麻仁種子から、本発明で使用するミールは製造される。
【0029】
まず、亜麻仁種子を、準備工程に適用する。最初に、製油所に運び込まれた亜麻仁種子とともに混在する異種植物の種子や茎及び葉、傷の付いた種子、未熟種子等を除去して、亜麻仁種子の精選(選別)を行う。この種子の精選は、フルイ(篩)分け、種子の比重差を利用する風別、磁石による鉄片の除去等を適宜組み合わせて実施する。また、傾斜した振動篩板上に均一な空気層を形成することで、種子のわずかな比重差に基づいて正確に優良な亜麻仁種子だけを選抜する方法(キップケリー方式)や、グレンセパレーター等も利用できる。
【0030】
次に、精選された亜麻仁種子を、粗砕及び乾燥の工程に任意に適用する。
【0031】
なお、これら粗砕及び乾燥の工程は、本発明にあっては任意の工程であり、また、これら工程を実施するにしても、処理対象物の品温が上がらないように注意することが好ましい。
【0032】
粗砕工程とは、種子内部に包含された油脂部分を取り出すために、種子を物理的に圧壊又は裂開するための工程であって、好ましくは、荒割りロール(クラッキンロール:Cracking Roll)と呼ばれるスジロール(一段式のペアロール)で、亜麻仁種子を4〜8分割程度に砕く。
【0033】
粗砕したこれら亜麻仁種子に関して、次に、その水分の調整を行う。例えば、減圧下で攪拌する等の操作による水分調整を行うことができる。
【0034】
精選された亜麻仁種子又は粗砕した亜麻仁種子片を、圧搾工程(搾油処理工程)に適用する。この工程で用いられる圧搾方法として、特に限定されないが、本発明にあっては、低温下での物理的圧搾法(コールドプレス法)を好ましくは利用する。
【0035】
コールドプレス法とは、精選した生の亜麻仁種子又は粗砕した亜麻仁種子片を、処理対象物がなるべく熱を受けないように、低温条件下で圧搾するものである。 コールドプレス法での圧搾温度は、亜麻仁種子の種類や、使用するコールドプレス機の仕様に応じて適宜調整されるものであり、亜麻仁種子の風味成分を残存せしめるべく、80℃以下に設定されることが好ましい。亜麻仁圧搾粕での残油分を、油脂酸化によるミールの劣化防止を念頭に置いて、蕎麦風味を付与する点から好ましくは、25重量%以下、さらに好ましくは、0.1〜25重量%、特に好ましくは、0.1〜15重量%の量とする。
【0036】
さらに、コールドプレス法に適用可能な搾油機としては、稼働中に処理対象の品温の上昇を招かないように工夫された搾油機であれば、いずれでも使用可能であり、例えば、スクリュープレスAP−08型(ライナルツ(Reinartz)社製:ドイツ)等が、本発明において好適に使用できる。
【0037】
コールドプレス法による圧搾工程を経て得られたミールは、好ましくは、処理対象物がなるべく熱を受けないよう注意しながら、さらに、粉砕機で粉砕する。粉砕機としては、当該技術分野で周知の粉砕機であればいずれも使用可能であり、例えば、ニュー・コスモマイザー(株式会社ダルトン)、パワーミル(粗粉砕機:株式会社ダルトン)、アトマイザー(微粉砕機:株式会社ダルトン)等を単独又は組み合わせて使用することができるが、特に、粉砕機能と分級機能とを兼ね備えたネアミル粉砕機(不二パウダル株式会社、以下、単に「ネアミル粉砕機」と称する)等が、本発明において好適に使用できる。
【0038】
本発明に係るミールの粒度分布は、特に限定されず、得ようとする麺類に準じて決められることができる。
【0039】
なお、本発明の麺類の原料粉は、ミールを別に微粉砕してから、所定量を配合することによって得られてもよく、所定量のミール及びその他の穀粒を混合して、一緒に製粉することによって得られてもよい。
【0040】
そして、本発明の麺類の原料粉は、ミールを、0.5重量%以上80重量%以下で含有することが好ましく、0.5重量%以上30重量%以下で含有することがさらに好ましい。
【0041】
また、本発明の麺類の原料粉では、つなぎとして、小麦粉が好ましく用いられる。小麦粉としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、それらの2種以上の混合粉等が挙げられ、麺類の種類や、求める食感によって適宜選択して使用することができる。小麦粉の配合量は、製麺時の作業性、得られる麺類の食感、風味・色等の点から、95重量%以下であることが好ましい。
【0042】
また、本発明の麺類の原料粉は、蕎麦粉を含有してもよい。蕎麦粉としては、従来から蕎麦の製造に用いられてきた蕎麦粉であればいずれもが使用でき、特に制限されず、例えば、御前粉、更級粉、上物粉、中物粉、下物粉、それらの2種以上の混合粉等を用いることができる。蕎麦粉の配合量は、95重量%以下であることが好ましい。
【0043】
さらに、本発明では、上述したもの以外に、従来から麺類に汎用されている副原料や添加物、例えば、米粉、豆粉、大麦粉、山芋粉、蕎麦澱粉や小麦澱粉やタピオカ澱粉や馬鈴薯澱粉やコーン澱粉やワキシーコーン澱粉や米澱粉や甘薯澱粉やそれらの加工澱粉等の澱粉類、卵白粉等の卵製品、脱脂粉乳等の乳製品、油脂、乳化剤、活性グルテン等の蛋白質、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸等の栄養強化剤、増粘剤、食塩、アルコール、ゲル化剤、着色料、防腐剤、茶粉末、海草粉末、野菜粉末等の1種又は2種以上を加えてもよい。これらは麺類の種類によって適宜選択して使用することができる。
【0044】
本発明の麺類の原料粉に加える水の量は、特に制限されず、ミールに含まれる食物繊維が吸水するため、ミールの配合量に応じて調整すればよいが、一般に、麺類の原料粉の重量に対して水を27〜50重量%で添加して麺生地を製造することが好ましい。このとき、水は、ミールに含まれる食物繊維を膨潤させるため、70〜100℃であることが好ましい。
【0045】
このような本発明の麺類の原料粉により得られる麺類としては、生麺、半乾燥麺、乾麺、茹麺、蒸麺、冷凍麺、即席麺等が挙げられる。これらの麺類の種類としては、蕎麦、蕎麦代替品、うどん、素麺、スパゲティ、マカロニ等が挙げられる。特に、蕎麦、蕎麦代替品が本発明において蕎麦風味・色を有する麺類が得られる点から好ましい。
【0046】
ここで、本発明の麺類の原料粉を用いる蕎麦、蕎麦代替品の一例について説明する。一般に、茹で蕎麦として流通している蕎麦の原料粉は、蕎麦粉を20〜30重量%で含有している。本発明では、このような蕎麦の原料粉中の蕎麦粉の一部又は全部を等量のミールに代えることができる。
【0047】
このような原料粉を用いることにより、茹で蕎麦、蕎麦代替品を製造し、その茹で蕎麦、蕎麦代替品を密封状態で冷蔵保存し流通することができる。
【0048】
このような蕎麦、蕎麦代替品は、ミールを含有しない蕎麦以上の蕎麦風味・色を有するとともに、食感を向上することができ、さらに優れた保存性を有することができる。
【0049】
また、蕎麦粉を全く用いない場合、蕎麦アレルギーを持つ人が食べても、生命に危険を及ぼすことがない。
【0050】
また、本発明の麺類の原料粉を用いて、麺類を製麺する場合は、得ようとする麺類の種類に応じて、それら各種の麺類に対して従来から知られている製造方法及び製造装置のいずれかをも採用することができる。例えば、(1)常圧下或いは減圧下に混合して麺生地を調製した後、圧延又は圧延・複合を行って麺帯をつくり、その麺帯を麺線に切り出す方法、(2)押出機を用いて麺帯を押出した後に、その麺帯を麺線に切り出す方法、(3)押出機を用いて麺線を直接押し出し成型する方法等を挙げることができる。
【0051】
ここで、本発明の麺類の原料粉を用いる蕎麦の製造方法の一例について説明する。本発明では、ミール、蕎麦粉、水及び小麦粉等の麺類の原料粉をミキサー等を用いて予め短時間混合して麺生地を調製しておき、その麺生地を混練して、減圧下にて麺帯に押し出すことができる。
【0052】
また、減圧下での麺帯への押し出しは、例えば、真空吸引装置を備える単軸押出機、二軸押出機等を用いることができる。なお、減圧下での押し出しは、通常、650Torr以下の減圧下に行うことが、滑らかさ、弾力及び茹でのび耐性に優れる蕎麦を製麺し得る点から好ましい。
【0053】
なお、押出機を用いて混練、押し出しを行う場合は、スクリューの回転速度、押出機に麺生地を供給してから麺帯に押し出すまでの時間等は、押出機の規模や混練能力、押出機に供給する麺生地の量、真空度等に応じて調節することができる。
【0054】
押し出す麺帯の厚さは、蕎麦の種類、厚さ等に応じて調整できるが、麺線に切り出す直前の最終的な麺帯厚さの5〜20倍の厚さになるようにして押し出すことが、次に、圧延工程で麺帯を円滑に強圧延することができ、それによって弾力及び茹でのび耐性に優れる蕎麦が得られる点から好ましい。
【0055】
押し出した麺帯を次に圧延する。押し出した麺帯を圧延する圧延装置の種類や構造等は、特に制限されず、蕎麦の製造に従来から用いられている圧延装置のいずれもが使用でき、一般には圧延ローラが好ましく用いられる。
【0056】
圧延は、押し出した麺帯を最初の圧延処理で急激に薄くする強圧延によって行うことが、弾力及び茹でのび耐性に一層優れる蕎麦が得られる点から好ましい。
【0057】
麺線への切り出し方法及び切り出し装置の種類、構造や形状等は、特に制限されず、蕎麦の製造に従来から用いられている麺線切り出し装置のいずれを使用してもよい。
【0058】
また、麺線への切り出しによる蕎麦の断面形状は、特に制限されず、例えば、方形、円形、楕円形、偏平形、三角形、多角形等のいずれの形状であってもよい。また、切り出された麺線のサイズ(厚さ、幅、直径等)も、特に制限されず、従来の蕎麦に準じて決めることができる。
【0059】
このようにして得られた本発明の麺類である蕎麦は、そのまま生蕎麦とすることもできるし、これを乾燥して乾燥蕎麦、或いは茹でて茹で蕎麦に、さらに茹で蕎麦を静菌処理してロングライフ蕎麦にすることができる。また、生蕎麦を蒸した後乾燥して即席蕎麦にすることもできる。
【0060】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきものではないことはもちろんである。
【0061】
(粉砕ミールの作製)
精選したカナダ産の亜麻仁種子100kgを、スクリュープレスAP−08型(ライナルツ社製)搾油機に適用して、シャフト速度20rpmで亜麻仁種子の搾油を行い、65kgのミールを得た。さらに、得られたミールをネアミル粉砕機で粉砕し、粉砕ミール(以下、実施例中では、単に「ミール」と称する)を得た。
【0062】
(実施例1)茹で蕎麦
(1)ミール5g、蕎麦粉85g、準強力小麦粉(日清製粉株式会社製)210g、及び、水98gを、卓上ミキサー(株式会社エフ・エム・アイ製「キッチンエイド KSW90WW」)にて、8分間、低速の回転速度で混練して麺生地を製造した後、麺生地をビニール袋に移し、10分間室温で熟成させた。
【0063】
(2)小野式製麺機(株式会社小野機械製造所製)のローラをギャップ3mmに調整し、熟成させた麺生地をギャップ3mmのローラに通過させ、麺帯を得た。得られた麺帯を半分に折り返し、再度ギャップ3mmのローラに通過させ、さらに、得られた麺帯を半分に折り返し、再々度ギャップ3mmのローラに通過させた後、麺帯をビニール袋に移し、30分間25℃で熟成させた。
【0064】
(3)小野式製麺機のローラをギャップ1mmに調整し、熟成させた麺帯をギャップ1mmのローラに通過させ、麺帯を得た。得られた麺帯を、再度ギャップ1mmのローラに通過させ、麺帯を得た。
【0065】
(4)得られた麺帯をカッター歯付きローラに通過させ、麺線を得た。
【0066】
(5)得られた麺線を沸騰水中で2分間茹でた後、湯切り、水洗い、冷却を行って茹で蕎麦を得た。
【0067】
(6) 茹で蕎麦について、熟練したパネラーにより、色(見た目)、風味、のど越し、及び、腰を下記に示す評価基準にしたがって評価した。その結果を、下記表1に示す。なお、下記表1に原料粉の配合も示す。
【0068】
評価基準は、◎は「非常に良い」、○は「やや良い」、△は「やや悪い」、×は「悪い」を示す4段階評価とする。
【0069】
(実施例2−3)茹で蕎麦
原料粉の配合を表1に示すように変化させた以外は、実施例1と同様の作業を行った。
【0070】
(実施例4−5)茹で蕎麦代替品
原料粉の配合を表1に示すように変化させた以外は、実施例1と同様の作業を行った。
【0071】
(比較例1−2)茹で蕎麦
原料粉の配合を表1に示すように変化させた以外は、実施例1と同様の作業を行った。
【0072】
【表1】
Figure 2004298064
表1の結果から、実施例1−2に係る茹で蕎麦及び実施例4に係る茹で蕎麦代替品は、比較例1に係る茹で蕎麦以上の優れた色・風味を有し、さらに、実施例1−2に係る茹で蕎麦及び実施例4に係る茹で蕎麦代替品は、比較例1に係る茹で蕎麦よりも優れた腰及びのど越しを有した。すなわち、茹で蕎麦において、蕎麦粉の一部又は全部を等量のミールに代えることにより優れた色・風味・のど越し・腰を示した。
【0073】
また、実施例3に係る茹で蕎麦及び実施例5に係る茹で蕎麦代替品は、比較例1−2に係る茹で蕎麦と同等の色・風味を有しながら、比較例1−2に係る茹で蕎麦よりも優れた腰及びのど越しを有した。
【0074】
さらに、実施例4−5に係る茹で蕎麦代替品は、蕎麦粉を用いないため、蕎麦アレルギーを持つ人が食べても、生命に危険を及ぼすことがない。
【0075】
(実施例6)茹で蕎麦(冷蔵保存)
実施例2の(4)で得られた麺線を熱湯中で2分間茹でた後、冷水冷却、水切りを行って茹で蕎麦を得た。その後、密封状態で一晩冷蔵保存した茹で蕎麦を取り出して、熱湯で温め直し、湯切りを行って茹で蕎麦を得た。茹で蕎麦を実施例1と同様に評価した結果を、下記表2に示す。
【0076】
(実施例7)茹で蕎麦代替品(冷蔵保存)
実施例2の(4)で得られた麺線を、実施例4で得られた麺線に変更させた以外は、実施例6と同様の作業を行った。
【0077】
(比較例3)茹で蕎麦(冷蔵保存)
実施例2の(4)で得られた麺線を、比較例1で得られた麺線に変更させた以外は、実施例6と同様の作業を行った。
【0078】
【表2】
Figure 2004298064
表2の結果から、実施例6に係る茹で蕎麦及び実施例7に係る茹で蕎麦代替品は、比較例3に係る茹で蕎麦よりも、風味の変化もなく、腰も強く優れた保存性を有した。すなわち、冷蔵保存した茹で蕎麦において、蕎麦粉の一部又は全部を等量のミールに代えることにより優れた保存性を示した。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、亜麻仁種子を搾油して得られたミールを用いているので、蕎麦風味・色を有し良好な麺類が得られるとともに、麺類の食感を向上することができ、しかも保存性の良い麺類が得られる。また、添加成分によらずに、蕎麦粉の代替品であるミールによって麺類の食感を向上したものであるため、添加成分に伴う異味を麺類に与えることがない。
さらに、蕎麦粉を全く用いずに、蕎麦風味・色を有する良好な麺類が得られるため、蕎麦アレルギーを持つ人が食べても、生命に危険を及ぼすことがない。したがって、蕎麦アレルギーを持つ人の食生活を豊かにすることができる。

Claims (7)

  1. 亜麻仁種子を搾油して得られたミールを含有することを特徴とする麺類の原料粉。
  2. 前記亜麻仁種子を80℃以下で搾油する請求項1に記載の麺類の原料粉。
  3. 前記ミールを、0.5重量%以上80重量%以下で含有する請求項1又2に記載の麺類の原料粉。
  4. 前記ミールを、0.5重量%以上30重量%以下で含有する請求項1又は2に記載の麺類の原料粉。
  5. さらに、小麦粉を95重量%以下で含有する請求項1〜4のいずれかに記載の麺類の原料粉。
  6. さらに、蕎麦粉を95重量%以下で含有する請求項1〜5のいずれかに記載の麺類の原料粉。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の麺類の原料粉を用いて製麺されたことを特徴とする麺類。
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