JP2004297031A - 電磁妨害波低減方法および筐体構造 - Google Patents

電磁妨害波低減方法および筐体構造 Download PDF

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健 金井
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Abstract

【課題】電子機器を内蔵した筐体の構成を複雑にすることなく、電磁波ノイズのシールドと放熱効果を両立した電磁妨害波低減方法及び筐体構造を提供する。
【解決手段】電磁シールド効果を有する材料で構成される筐体1で電子機器2を覆うことにより、電子機器によって生じる電磁妨害波を低減する方法であって、筐体1に空隙3を設ける場合に、空隙3の長手方向が、筐体に空隙が無い場合の表面電流分布に沿った方向になるように空隙3を設置する。具体的には、筐体1の内部に発生する磁界4の中心位置から放射状になるように空隙3を設けることにより、該空隙3は、磁界ベクトルの周回の中心部分から磁界ベクトルに直角となるように配置され、空隙3の長手方向が誘導電流の方向に沿って配置されるので、筐体1に複数の空隙3を設けても表面電流分布を乱すことなく配置でき、電磁波ノイズのシールド効果と放熱効果を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器を具備する筐体に生じる電磁妨害波を低減させることができる電磁妨害波低減方法及び筐体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器が搭載されている各種装置が普及しているが、近年の電子機器の高機能化、高クロック化に伴い電子機器から発生する電磁波による障害が問題となっている。特に、複写機などの画像形成装置の画像読取部においては、高画質化のためにクロック数が高くなっており、漏洩する電磁波ノイズの各部への影響がさらに問題となっている。
【0003】
また、本発明と類似する筐体構造を有する従来の複写機として、画像読取部、画像書込部および画信号を補正処理する一次信号処理部等の電子部品からなる電子機器部分を、アースされた導電性の筐体内部に収納して電磁波シールドを図り、筐体外部へ漏洩する電磁波ノイズを低減する構成の複写機がある(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−199340号公報
【非特許文献1】
HENRY W.OTT著、「増補改訂版 実践ノイズ逓減技法」、ジャテック出版
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の複写機においては、導電性の筐体に収容した電子機器からの放熱のため、筐体において穴や開口、隙間等の空隙部を形成することは必要なこととなる。このため、空隙部から電磁波ノイズが漏洩して放熱効果と電磁波ノイズのシールドとの両立ができないという問題がある。
特に、従来の複写機においては、画像読取部のスキャナを構成する筐体には、高周波数の作動クロックの読取装置および信号処理部が設置されているため、導電性の筐体に収容しても小さな放熱用の空隙部から電磁波ノイズが漏れてしまう虞があった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、電子機器が搭載される筐体の寸法で決定する共振周波数の電磁界分布、および筐体表面を流れる電流分布と筐体の空隙部の位置関係に着目し、電子機器の構成を複雑にすることなく、電磁波ノイズのシールド効果と放熱効果を両立した電磁妨害波低減方法及び筐体構造を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は製造が容易な筐体を用いて電磁波ノイズのシールド効果と放熱効果を両立した電磁妨害波低減方法及び筐体構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段として、本発明は以下のような特徴を有する。
本発明の第1の手段は、電磁波に対するシールド効果を有する材料で構成される筐体で電子機器を覆うことにより、該電子機器によって生じる電磁妨害波を低減する電磁妨害波低減方法であって、前記筐体に放熱あるいは配線用の空隙を設ける場合に、該空隙の長手方向が、前記筐体に空隙が無い場合の表面電流分布に沿った方向になるように、前記空隙を設置することを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の手段は、第1の手段の電磁妨害波低減方法において、前記筐体を、体積抵抗率が10Ω・cm以下の導体または半導体からなる材料で構成することを特徴とする。
【0010】
本発明の第3の手段は、第1または第2の手段の電磁妨害波低減方法において、前記空隙はスリット状あるいは長方形状に形成され、該空隙の長手方向を、前記筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする。
【0011】
本発明の第4の手段は、第3の手段の電磁妨害波低減方法において、前記筐体が直方体形状である時、前記空隙の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする。
【0012】
本発明の第5の手段は、第1または第2の手段の電磁妨害波低減方法において、前記空隙はスリット状あるいは長方形状に形成され、該空隙の長手方向を、前記筐体内部で所定の数式によって算出される磁界の中心位置から放射状に形成することを特徴とする。
【0013】
本発明の第6の手段は、第1〜5の手段の何れか1つの電磁妨害波低減方法において、前記筐体の寸法は、電磁波ノイズ規制の上限周波数より高い周波数だけで筐体内電磁波の共振周波数が発生するように設定することを特徴とする。
【0014】
本発明の第7の手段は、第1〜6の手段の何れか1つの電磁妨害波低減方法において、前記筐体に前記空隙以外の穴を設ける場合には、その穴の大きさを低減する電磁波波長の4分の1以下、より好ましくは10分の1以下に設定することを特徴とする。
【0015】
本発明の第8の手段は、第1〜7の手段の何れか1つの電磁妨害波低減方法において、前記空隙を、前記筐体の上部または下部、あるいは前記筐体の上下部に設けることを特徴とする。
【0016】
本発明の第9の手段は、第1〜8の手段の何れか1つの電磁妨害波低減方法において、前記筐体が接合部を有する場合には、該接合部の長手方向を、前記空隙の長手方向に沿うように設けることを特徴とする。
【0017】
本発明の第10の手段は、第1〜8の手段の何れか1つの電磁妨害波低減方法において、前記筐体が接合部を有する場合には、該接合部の長手方向を、前記筐体に接合部がない場合の表面電流分布に沿った方向に設置することを特徴とする。
【0018】
本発明の第11の手段は、第10の手段の電磁妨害波低減方法において、前記接合部の長手方向を、前記筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする。
【0019】
本発明の第12の手段は、第10の手段の電磁妨害波低減方法において、前記筐体が直方体形状である時、前記接合部の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする。
【0020】
本発明の第13の手段は、第1〜8の手段の何れか1つの電磁妨害波低減方法において、前記筐体が電気抵抗の良好な接合部と電気抵抗の良好でない接合部を有する場合には、前記筐体に前記電気抵抗の良好でない接合部がない場合の表面電流分布に沿った方向に、前記電気抵抗の良好でない接合部の長手方向を設置することを特徴とする。
【0021】
本発明の第14の手段は、第13の手段の電磁妨害波低減方法において、前記電気抵抗の良好でない接合部の長手方向を、前記筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする。
【0022】
本発明の第15の手段は、第13の手段の電磁妨害波低減方法において、前記筐体が直方体形状である時、前記電気抵抗の良好でない接合部の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする。
【0023】
本発明の第16の手段は、第1〜15の手段の何れか1つの電磁妨害波低減方法において、前記空隙の配置を、除熱あるいは換気のための冷却媒体の流れを妨げない方向とすることを特徴とする。
【0024】
本発明の第17の手段は、第1〜16の手段の何れか1つの電磁妨害波低減方法において、前記筐体に、該筐体の内と外とを連通するための管を設けた場合には、前記管の開口部の幅を、低減する周波数の波長の半分以下とすることを特徴とする。
【0025】
本発明の第18の手段は、第1〜17の手段の何れか1つの電磁妨害波低減方法において、前記筐体に、筐体内部の電子機器と外部との情報や電力のやり取りを行うハーネスあるいは電線(コード)類を設ける場合には、前記ハーネスあるいは電線(コード)類を、前記筐体に前記ハーネスあるいは電線(コード)類がない場合の表面電流分布を乱さないように設置することを特徴とする。
【0026】
本発明の第19の手段は、第1〜17の手段の何れか1つの電磁妨害波低減方法において、前記筐体内部の電子機器と外部との情報のやり取りを行なう場合に、前記筐体内部に設置される電子機器の電気信号を光信号に変換する電気光変換素子と、前記電気光変換素子により変換された光信号を前記空隙部分から筐体外部に送り出す光ファイバと、前記光ファイバにより筐体外部に送り出された光信号を電気信号に変換する光電気変換素子とを新たに設け、前記筐体内の電子機器の電気信号を電気光変換素子により光信号に変換し、該変換した光信号を、前記光ファイバを介して前記空隙部分から筐体外部の光電気変換素子に送り出し電気信号に変換することを特徴とする。
【0027】
本発明の第20の手段は、第1〜17の手段の何れか1つの電磁妨害波低減方法において、前記筐体内部の電子機器と外部との情報のやり取りを行なう場合に、前記筐体内部に設置される電子機器の電気信号を赤外線に変換する電気赤外線変換素子と、前記電気赤外線変換素子により変換された赤外線を電気信号に変換する赤外線電気変換素子とを新たに設け、前記筐体内の電子機器の電気信号を電気赤外線変換素子により赤外線信号に変換し、該変換した赤外線を空隙部分から筐体外部に送り出し、該送り出した赤外線を赤外線電気変換素子により電気信号に変換することを特徴とする。
【0028】
本発明の第21の手段は、第1〜17の手段の何れか1つの電磁妨害波低減方法において、前記筐体に設置される電子機器で発生した熱を筐体外部に放出するヒートパイプを設ける場合には、該ヒートパイプを筐体壁面に沿って新たに設けることを特徴とする。
【0029】
本発明の第22の手段は、第1〜21の手段の何れか1つの電磁妨害波低減方法において、前記筐体が金属材料で構成されていることを特徴とする。
【0030】
本発明の第23の手段は、第1〜21の手段の何れか1つの電磁妨害波低減方法において、前記筐体として、導体からなる薄膜層を内面あるいは外面に施した筐体を用いることを特徴とする。
【0031】
本発明の第24の手段は、第23の手段の電磁妨害波低減方法において、前記筐体を体積抵抗率が10Ω・cm以上の材料で形成し、該筐体の内面あるいは外面に体積抵抗率が10−4Ω・cm以下の材料の薄膜層を設けたことを特徴とする。
【0032】
本発明の第25の手段は、第24の手段の電磁妨害波低減方法において、前記筐体をプラスチック材料で形成し、該筐体の内面あるいは外面に金属薄膜層を設けたことを特徴とする。
【0033】
本発明の第26の手段は、第23〜25の手段の何れか1つの電磁妨害波低減方法において、前記薄膜層の厚さがEMI規制の下限周波数での表皮効果の表皮厚さ以上であることを特徴とする。
【0034】
本発明の第27の手段は、第23〜26の手段の何れか1つの電磁妨害波低減方法において、前記薄膜層は粘着層を介して筐体に接着されており、前記薄膜層を貼り合わせる場合に、その合わせ目部を、該合わせ目部がない場合の筐体の表面電流分布に沿った方向に設置することを特徴とする。
【0035】
本発明の第28の手段は、第27の手段の電磁妨害波低減方法において、前記薄膜層の合わせ目部の長手方向を、前記筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする。
【0036】
本発明の第29の手段は、第28の手段の電磁妨害波低減方法において、前記筐体が直方体である場合は、前記薄膜層の合わせ目部の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする。
【0037】
本発明の第30の手段は、第23〜29の手段の何れか1つの電磁妨害波低減方法において、前記筐体に、該筐体の内と外とを連通するための金属管を設けた場合には、前記薄膜層に接触するように金属管を設けることを特徴とする。
【0038】
本発明の第31の手段は、電磁波に対するシールド効果を有する材料で構成される筐体であり、該筐体で内部に設置される電子機器を覆うことにより、該電子機器によって生じる電磁妨害波を低減する筐体構造において、放熱あるいは配線用の空隙を有し、該空隙の長手方向が、空隙が無い場合の表面電流分布に沿った方向になるように、前記空隙を設置したことを特徴とする。
【0039】
本発明の第32の手段は、第31の手段の筐体構造において、体積抵抗率が10Ω・cm以下の導体または半導体からなる材料で構成することを特徴とする。
【0040】
本発明の第33の手段は、第31または第32の手段の筐体構造において、前記空隙はスリット状あるいは長方形状に形成され、該空隙の長手方向を、表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする。
【0041】
本発明の第34の手段は、第33の手段の筐体構造において、前記筐体が直方体形状である時、前記空隙の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする。
【0042】
本発明の第35の手段は、第31または第32の手段の筐体構造において、前記空隙はスリット状あるいは長方形状に形成され、該空隙の長手方向を、前記筐体内部で所定の数式によって算出される磁界の中心位置から放射状に形成することを特徴とする。
【0043】
本発明の第36の手段は、第31〜35の手段の何れか1つの筐体構造において、前記筐体の寸法は、電磁波ノイズ規制の上限周波数より高い周波数だけで筐体内電磁波の共振周波数が発生するように設定することを特徴とする。
【0044】
本発明の第37の手段は、第31〜36の手段の何れか1つの筐体構造において、前記筐体に前記空隙以外の穴を設ける場合には、その穴の大きさを低減する電磁波波長の4分の1以下、より好ましくは10分の1以下に設定することを特徴とする。
【0045】
本発明の第38の手段は、第31〜37の手段の何れか1つの筐体構造において、前記空隙を、前記筐体の上部または下部、あるいは前記筐体の上下部に設けたことを特徴とする。
【0046】
本発明の第39の手段は、第31〜38の手段の何れか1つの筐体構造において、前記筐体が接合部を有する場合には、該接合部の長手方向を、前記空隙の長手方向に沿うように設けることを特徴とする。
【0047】
本発明の第40の手段は、第31〜38の手段の何れか1つの筐体構造において、前記筐体が接合部を有する場合には、該接合部の長手方向を、前記筐体に接合部がない場合の表面電流分布に沿った方向に設置することを特徴とする。
【0048】
本発明の第41の手段は、第40の手段の筐体構造において、前記接合部の長手方向を、前記筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする。
【0049】
本発明の第42の手段は、第40の手段の筐体構造において、前記筐体が直方体形状である時、前記接合部の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする。
【0050】
本発明の第43の手段は、第31〜38の手段の何れか1つの筐体構造において、前記筐体が電気抵抗の良好な接合部と電気抵抗の良好でない接合部を有する場合には、前記筐体に前記電気抵抗の良好でない接合部がない場合の表面電流分布に沿った方向に、前記電気抵抗の良好でない接合部の長手方向を設置することを特徴とする。
【0051】
本発明の第44の手段は、第43の手段の筐体構造において、前記電気抵抗の良好でない接合部の長手方向を、前記筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする。
【0052】
本発明の第45の手段は、第43の手段の筐体構造において、前記筐体が直方体形状である時、前記電気抵抗の良好でない接合部の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする。
【0053】
本発明の第46の手段は、第31〜45の手段の何れか1つの筐体構造において、前記空隙の配置を、除熱あるいは換気のための冷却媒体の流れを妨げない方向とすることを特徴とする。
【0054】
本発明の第47の手段は、第31〜46の手段の何れか1つの筐体構造において、前記筐体に、該筐体の内と外とを連通するための管を設けた場合には、前記管の開口部の幅を、低減する周波数の波長の半分以下とすることを特徴とする。
【0055】
本発明の第48の手段は、第31〜47の手段の何れか1つの筐体構造において、前記筐体に、筐体内部の電子機器と外部との情報や電力のやり取りを行うハーネスあるいは電線(コード)類を設ける場合には、前記ハーネスあるいは電線(コード)類を、前記筐体に前記ハーネスあるいは電線(コード)類がない場合の表面電流分布を乱さないように設置することを特徴とする。
【0056】
本発明の第49の手段は、第31〜47の手段の何れか1つの筐体構造において、前記筐体内部の電子機器と外部との情報のやり取りを行なう場合に、前記筐体内部に設置される電子機器の電気信号を光信号に変換する電気光変換素子と、前記電気光変換素子により変換された光信号を前記空隙部分から筐体外部に送り出す光ファイバと、前記光ファイバにより筐体外部に送り出された光信号を電気信号に変換する光電気変換素子とを新たに設けたことを特徴とする。
【0057】
本発明の第50の手段は、第31〜47の手段の何れか1つの筐体構造において、前記筐体内部の電子機器と外部との情報のやり取りを行なう場合に、前記筐体内部に設置される電子機器の電気信号を赤外線に変換する電気赤外線変換素子と、前記電気赤外線変換素子により変換された赤外線を電気信号に変換する赤外線電気変換素子とを新たに設けたことを特徴とする。
【0058】
本発明の第51の手段は、第31〜47の手段の何れか1つの筐体構造において、前記筐体に設置される電子機器で発生した熱を筐体外部に放出するヒートパイプを設ける場合には、該ヒートパイプを筐体壁面に沿って新たに設けることを特徴とする。
【0059】
本発明の第52の手段は、第31〜51の手段の何れか1つの筐体構造において、金属材料で構成されていることを特徴とする。
【0060】
本発明の第53の手段は、第31〜51の手段の何れか1つの筐体構造において、導体からなる薄膜層を内面あるいは外面に施したことを特徴とする。
【0061】
本発明の第54の手段は、第53の手段の筐体構造において、体積抵抗率が10Ω・cm以上の材料で形成され、内面あるいは外面に体積抵抗率が10−4Ω・cm以下の材料の薄膜層を設けたことを特徴とする。
【0062】
本発明の第55の手段は、第54の手段の筐体構造において、プラスチック材料で形成され、内面あるいは外面に金属薄膜層を設けたことを特徴とする。
【0063】
本発明の第56の手段は、第53〜55の手段の何れか1つの筐体構造において、前記薄膜層の厚さがEMI規制の下限周波数での表皮効果の表皮厚さ以上であることを特徴とする。
【0064】
本発明の第57の手段は、第53〜56の手段の何れか1つの筐体構造において、前記薄膜層は粘着層を介して筐体に接着されており、前記薄膜層を貼り合わせる場合に、その合わせ目部を、該合わせ目部がない場合の筐体の表面電流分布に沿った方向に設置することを特徴とする。
【0065】
本発明の第58の手段は、第57の手段の筐体構造において、前記薄膜層の合わせ目部の長手方向を、前記筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする。
【0066】
本発明の第59の手段は、第58の手段の筐体構造において、前記筐体が直方体である場合は、前記薄膜層の合わせ目部の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする。
【0067】
本発明の第60の手段は、第53〜59の手段の何れか1つの筐体構造において、前記筐体に、該筐体の内と外とを連通するための金属管を設けた場合には、前記薄膜層に接触するように金属管を設けることを特徴とする。
【0068】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る実施の形態について説明する。
まず、図1を参照しながら本発明に係る電磁妨害波低減方法および筐体構造について説明する。
図1(a)において、符号1は電磁波に対するシールド効果を有する材料で構成された箱状の構造体(筐体)であり、この筐体1の内部には電子機器、例えば電子回路(図示せず)と基板線路2bが形成されたプリント基板2が設置されている。また、筐体1の上面には、放熱用(あるいは配線用)の複数のスリット状の空隙3が設けられている。
このように、電磁波に対するシールド効果を有する材料で構成された筐体1で内部に設置されるプリント基板2を覆うことにより、該プリント基板2によって生じる電磁妨害波を低減することができる。
なお、筐体1における共振周波数fは、筐体1のX、Y、Z方向の長さをX=a、Y=b、Z=cとして電磁波の速さをvとすれば、以下の数式[数1]で示される。
【0069】
【数1】
Figure 2004297031
【0070】
なお、上記数1において、m、n、qは、それぞれ、X、Y、Z方向の磁界パターンの数を示す。
【0071】
次に、図1(b)を参照しながら、ある磁界パターンにおける磁界の分布について説明する。
なお、図1(b)は、図1(a)において、数1にm=3、n=2、q=0を代入した共振周波数での磁界の分布をZ軸から見たものであり、図1(b)に示す符号1が筐体であり、4が筐体内での周回する磁界分布、C1,1〜C3,2が筐体内で周回する磁界の中心位置を示す。
また、図1(b)に示すCm1、n1(m1=1〜m(mは任意の整数)、n1=1〜n(nは任意の整数))の位置は、以下の数式[数2]により求めることが可能となる。
【0072】
【数2】
Figure 2004297031
【0073】
ここで、筐体1において、a=200mm、b=200mm、c=50mmとすれば、一番低い共振周波数fは、m=1、n=1、q=0として、f=1.061GHzとなる。
また、筐体1の境界条件から、筐体内の磁界分布は金属面の接線方向となり、1GHzより低い周波数でも1つの周回する磁界分布が筐体内では支配的となり、m=1、n=1、q=0に近い磁界分布となる。
【0074】
なお、図2は、図1(a)をZ軸から見たものであり、周波数は1GHz以下として、1は筐体、2は筐体に内蔵された電子機器(プリント基板)、3は筐体にある複数スリット、4は筐体内の磁界分布であり、1つの周回する磁界分布となっている。
また、数2において、m=1、n=1、q=0、m1=1、n1=1を代入すると、C1,1=(a/2,−b/2)となり、筐体の上部フタの中央位置を中心として放射状に複数のスリット状の空隙3を配置する。なお、符号5は筐体上部のフタを流れる誘導電流(破線の矢印)であり、この誘導電流5は筐体内部の磁界分布を打ち消すように流れる。
【0075】
本発明では、複数のスリット状の空隙3の長手方向が、筐体1に空隙が無い場合の誘導電流5の表面電流分布に沿った方向になるように、前記空隙3を設置する。より具体的には、複数のスリット状の空隙3の長手方向を、上記の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分(すなわち筐体内部で上記の数式によって算出される磁界の中心位置)から放射状となるように配置する。
【0076】
周波数が1GHzまでは、筐体内の磁界分布は1つの周回する磁界分布が支配的であること、筐体1の上部フタの誘導電流は筐体内部の磁界分布を打ち消すように流れるため、筐体1のフタの中心からふちへの向きと、ふちから中心へ向かう向きである。
従って、筐体1に配置されたスリット状の空隙3は、磁界分布ベクトルの周回の中心部分から磁界分布ベクトルに直角となるように(すなわち、誘導電流5の方向に沿った方向に)設けるため、筐体1のふたに発生する誘導電流を妨げず、筐体1に複数のスリット状の空隙3がありながら電磁波ノイズのシールド効果を得ることが可能となり、また放熱効果も得ることが可能となる。
【0077】
次に、上記構成からなる筐体により得られた効果を数値シミュレーションにより検証する。まず、図1に示すスリット状の空隙3のように、中心部から放射状になる形状(CASE1)と、図3に示すように、筐体上部にまったくフタがない形状(CASE2)と、図4に示すスリット状の空隙7のように、周回する磁界分布に直角となるように発生する誘導電流を妨げる形状(CASE3)と、について放射電界強度を計算する。また、ここでの筐体1は金属材料から構成されるものとして、一般的な金属の体積抵抗率を用いるものとする。
なお、図1、図3、図4の寸法形状を図5、図6、図7に示す。ここで、a=200mm,b=200mm,d=85mm,e=35mm,f=70mm,g=5mmである。ここでは有限差分時間領域法(fdtd法)といわれる計算解析手法によるシミュレーションによって評価を行う。この解析では、解析空間を格子状に分割して、Maxwell方程式を差分して時間領域で解く。具体的には、入力点であるプリント基板2の入力端にガウシアンパルスを入力し、筐体直上の観測点で取り込んだ出力波形をフーリエ変換することにより周波数領域での情報を得ることが可能である。
【0078】
まず、図1に示すCASE1と、図3に示すCASE2(比較例)との場合における放射電界強度を、筐体フタの直上の電界から計算する。図8にCASE1とCASE2とでの放射電界強度の周波数特性を示す。
なお、図8(a)が周波数=3.00E+09[Hz](3GHz)までを示し、図8(b)が周波数=1.50E+09[Hz](1.5GHz)までを示す。また、本実施形態では、3.00×10を3.00E+09と表記しており、以下、同様の表記とする。
【0079】
図8(b)からわかるようにフタの開いているCASE2は周波数で2.00E+08[Hz](200MHz)から1.00E+09[Hz](1GHz)までの間で、8.00E−06[V/m]を越えているのに対し、CASE1では2.00E+08[Hz](200MHz)から1.00E+09[Hz](1GHz)までの間で、3.00E−6[V/m]以下である。これからCASE1の筐体1のフタの中心部から放射状になるスリット形状の空隙3とした方が、CASE2の筐体にフタがない場合より、2.00E+08[Hz](200MHz)から1.00E+09[Hz](1GHz)までの間で、2倍以上のシールド効果があるのがわかる。
なお、上記において示した値は、CASE1とCASE2とを比較し、シールド効果があることを立証するために用いたおおよその値である。
【0080】
次に、図1に示すCASE1と、図4に示すCASE3(比較例)との場合における放射電界強度を、筐体フタの直上の電界から計算する。
図9にCASE1とCASE3とでの放射電界強度の周波数特性を示す。図9(a)が、周波数=3.00E+09[Hz](3GHz)までを示し、図9(b)が、周波数=1.50E+09[Hz](1.5GHz)までを示す。
【0081】
図9(b)からわかるように、CASE3は周波数で2.00E+08[Hz](200MHz)から1.00E+09[Hz](1GHz)までの間で、6.00E−06[V/m]を越えているのに対し、CASE1では2.00E+08[Hz](200MHz)から1.00E+09[Hz](1GHz)までの間で、3.00E−06[V/m]以下である。CASE1がCASE3より2.00E+08[Hz](200MHz)から1.00E+09[Hz](1GHz)までの間で、2倍以上のシールド効果があり、また、図9(b)からわかるようにCASE1の漏洩電界は、1.00E+08[Hz](1GHz)までは、ほぼ一定である。また、スリット状の空隙があることにより放熱効果もある。
【0082】
なお、図9(a)に示すデータから明らかなように、一番低い共振周波数の1.061GHzより高い周波数でもCASE1はCASE3より漏洩電界が低くシールド性が高いことが確認できる。
【0083】
次に実際に該当する筐体を試作して、電波暗室の計測でシールド性を確認した。試作する筐体としては、(1)図1に示したように、スリット状の複数の空隙3を、筐体表面の誘導電流分布に沿うようにして中心部から放射状になるように設けたもの(CASE1)と、(2)図4に示すように、スリット状の複数の空隙7を、周回する磁界分布に沿うようにして発生する誘導電流を妨げるように設けたもの(CASE3)、の2例とした。
これらの筐体はアルミニウムで構成されており、ノイズ源としてはプリント基板ではなく、基板線路の代用として図10に示すようなモノポールアンテナ2bを使用した。
このモノポールアンテナ2bと筐体1との位置関係は、図10に示すように、hが100mm、iが25mmとなっており、また、モノポールアンテナ2bの長さは33mmと83mmとなっており、これはモノポールアンテナの電磁波放射効率が周波数で大きく変動するためである。
【0084】
図11は試作した筐体を計測アンテナと測定対象との距離が3mである電波暗室内で計測した結果であり、(a)がモノポールアンテナの長さが83mmで周波数の範囲は200〜1120[MHz]であり、(b)がモノポールアンテナの長さが33mmで周波数の範囲は1200〜2520[MHz]である。
図11(a),(b)において、横軸は周波数で、縦軸が絶対利得であり、図11(a)から分かるようにCASE3の方がCASE1より20dB程利得が高く、CASE3の方が電界換算で100倍程度、電磁波が出やすいことが分かる。
また、CASE3のピーク周波数の1058MHzでは、CASE1より、30dB程度高く、これはCASE3がCASE1より電界換算で1000倍程度、電磁波が出やすい。
【0085】
以上から分かるように、実際の試作筐体からもCASE1はCASE3より、漏洩電界が低くシールド性が高いことが確認できた。これにより、複数のスリット状の空隙3の長手方向が、筐体1に空隙が無い場合の誘導電流5の表面電流分布に沿った方向になるように空隙3を設置する、より具体的には、複数のスリット状の空隙3の長手方向を、前述の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分(すなわち筐体内部で上記の数式によって算出される磁界4の中心位置)から放射状となるように配置するという簡易な構造で、電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができる。また、図1に示すように筐体1が直方体の場合には、簡単な計算で空隙3の最適配置ができる。
以下に、本発明のより具体的な実施形態を説明する。
【0086】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態では、図1に示した構成の筐体1を、体積抵抗率が10Ω・cm以下の導体または半導体からなる材料で構成するものである。より具体的には、筐体1を、例えばシリコンなどの半導体、あるいはアルミニウム、鉄などの金属材料で構成する。
これは筐体1の材料が半導体であっても、筐体内部の磁界分布により誘導作用で筐体に表面電流が発生し、電磁波のシールド効果が期待できるからである。
また、筐体1を体積抵抗率が10Ω・cm以下の導体または半導体からなる材料で構成する場合、筐体全体をこれらの材料で形成する方法の他、筐体の内面あるいは外面のみを上記材料で構成してもよい。すなわち筐体1をプラスチック等の絶縁体で形成した場合にも、後述するように、筐体1の内面あるいは外面に金属膜を形成したり、あるいは筐体1の内面あるいは外面に導電性塗料を塗布することにより、シールド効果を得ることができる。
【0087】
なお、筐体1を上記の材料で構成する場合には、第1の実施の形態で述べたように筐体1に設ける空隙3は、筐体に空隙がない場合の表面電流分布を変更しないように設置する。すなわち複数のスリット状の空隙3の長手方向が、筐体1に空隙が無い場合の誘導電流5の表面電流分布に沿った方向になるように空隙3を設置することにより、十分なシールド効果が期待できる。これにより簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができる。
また、筐体1の寸法は、電磁波ノイズ規制の上限周波数より高い周波数だけで筐体内電磁波の共振周波数が発生するように設定することにより、図9(b)のCASE1に示されるように1GHz以下の共振周波数が始まるまで高いシールド効果が期待できる。これにより簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、より高いシールド効果が得られる。
【0088】
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態では、図1に示した構成の筐体1において、筐体1に前記空隙3以外の穴を設ける場合には、その穴の大きさを低減する電磁波波長の4分の1以下、より好ましくは10分の1以下に設定するものである。
例えば非特許文献1のP199には、筐体等での開口部の大きさとシールド効果について記載されてるが、理想的には開口部の大きさが波長の20分の1ならば20dBのシールド効果があるが、波長の4分の1でも6dBのシールド効果がある。また、波長の10分の1以下に設定すれば十分なシールド効果が得られると考えられる。すなわち筐体1に設ける開口部(穴)の大きさを、低減する電磁波波長の4分の1以下、より好ましくは10分の1以下に設定すれば、電磁波のシールド効果を高めながら放熱効果も期待できる。
ここで、筐体1に波長λの10分の1の穴(λ/10穴)を開けた場合のシールド効果について説明する。
非特許文献1によれば、筐体に開ける穴の最大寸法をL、波長をλとすると、そのシールド効果は下記の(1) 式となる。
S1=20Log(λ/2L) ・・・(1)
ここで、例えばシールド効果が20dBあるというのは、筐体外部の電界強度が筐体内部の電界強度に比べて10分の1になったということである。
これからλ/10穴のシールド効果は、L=λ/10として(1)式から下記の(2)式となる。
S1=20Log(10λ/2λ)≒14 ・・・(2)
ここで上記の (1)式は筐体に1つの穴を開けた場合であり、N個の穴を開けた場合のシールド効果の削減量は下記の (3)式となる。
S2=−20Log√N ・・・(3)
例えばλ/10穴が5個ある場合のシールド効果は下記の (4)式となる。
S1+S2=14−20Log√5=14−7=7 ・・・(4)
以上の結果から、λ/10穴が1個の場合のシールド効果は14dB(筐体外部の電界強度が内部に比べて5分の1)であり、十分なシールド効果が得られ、λ/10穴が5個の場合のシールド効果は7dB(筐体外部の電界強度が内部に比べて2.2分の1)であり、穴の数が多いとシールド効果が低くなる。
以上のことから明らかなように、筐体に開ける穴の数が1つ等の少ない場合は、穴の大きさは波長の4分の1以下でもシールド効果はあるが、十分なシルード効果を得るためには、穴の大きさは波長の10分の1以下がより好ましく、筐体に複数の穴を開ける場合には、穴の大きさは波長の10分の1以下にする必要がある。そして、このようにすることにより、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、構造体に穴をあけた場合のシールド効果を前もって見積もることができる。
【0089】
(第4の実施の形態)
次に本発明の第4の実施の形態では、筐体にスリット状や長方形状の空隙を設ける場合に、空隙の長手方向を、筐体に空隙がない場合の表面電流分布を変更しないように設置する、すなわち図1に示したように、筐体1に複数のスリット状の空隙3を設ける場合には、複数のスリット状の空隙3の長手方向が、筐体1に空隙が無い場合の誘導電流5の表面電流分布に沿った方向になるように空隙3を設置するものである。
例えば非特許文献1のP198には筐体等での開口部のあけかたについて記述されており、長方形のスリットにより表面電流分布が乱されて、シールド効果が下がることが指摘されている。
本実施形態では、筐体にスリット状や長方形状の空隙を設ける場合には、前述したように空隙の長手方向を表面電流を乱さない方向に設置して、シールド効果を高めるので、これにより簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、スリット状や長方形状の空隙の最適な配置ができる。
【0090】
(第5の実施の形態)
次に本発明の第5の実施の形態では、筐体にスリット状や長方形状の空隙を設ける場合に、空隙の長手方向を筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置するものである。
図1に示したように、筐体1が直方体であれば、前述したように共振周波数、または筐体での表面電流の湧き出しまたは集中部分の位置(磁界の中心位置)を解析的に求めることができるので、空隙3の長手方向を筐体1の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することができる。
【0091】
しかし図12(a)に示すように、筐体1がL型形状である場合には解析的に求めることは不可能であるので、この場合には、前述のfdtd法のような計算解析あるいは近傍磁界分布を計測解析して図12(b)の符号5で示すような表面電流分布を求め、この湧き出しまたは集中部分の位置から空隙3の長手方向を放射状になるように配置することで、シールド効果を高める。これにより簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、筐体1が直方体でなくても数値解析等で表面電流分布を計算して、空隙の最適配置を行なうことができる。
【0092】
(第6の実施の形態)
次に本発明の第6の実施の形態として、図13を参照しながら、筐体上部あるいは筐体上下部に複数の空隙部分を設けた場合について説明する。
図13において、符号3が筐体上部にある複数のスリット状の空隙、3bが筐体底面部にある複数のスリット状の空隙である。
このように、筐体1の上部および底面部にスリット状の空隙3を設けることで対流によりさらに効果的な放熱効果を得ることが可能となる。なお、筐体1の底面部のみにスリット状の空隙を設けることも可能である。
また、筐体1の上部、下部に複数の空隙3,3bを設ける場合にも、空隙3,3bの長手方向を筐体1の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することにより、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができる。
【0093】
(第7の実施の形態)
次に本発明の第7の実施の形態は、筐体に接合部がある場合には、該接合部を、筐体に接合部がない場合での表面電流を変更しないように設置することである。
一般に接合部は、筐体より抵抗値が高く、そのため表面電流分布が乱れてしまう。そこで筐体に接合部がない場合での表面電流を変更しないように設置することで、十分なシールド効果が期待できる。これにより簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができまた、接合部があっても高いシールド性が得られる。
【0094】
ここで、図14を参照しながら、筐体1に形成される空隙部分3の長手方向に沿うように、筐体1を結合するための筐体接合部(接合面)を設けた場合について説明する。
図14(a)において、1が筐体、2が筐体に内蔵された電子機器(プリント基板)、3が筐体にある複数のスリット状の空隙、8が筐体接合面、9が発生した誘導電流である。
図1を参照して説明した筐体形状、周波数であるならば9の誘導電流は筐体1の上部フタの中央からから流れる、あるいは、中央に向かう電流だけである。そして8の筐体接合面が筐体1の間隙部分の長手方向に沿うようにしているので、結果として電流の流れに沿って、簡便な導電処理で高く安定したシールド性が期待できる。
図14(a)に対して図14(b)が比較例であり、符号9bが誘導電流で8bが筐体接合面である。8bの筐体接合面は9bの誘導電流に直角になるようし、9bの筐体接合面の導電処理が不完全だと誘導電流が十分に流れず、シールド性が期待できない。
従って、放射状に形成された空隙3部分の長手方向に沿うように筐体接合面を設けることで、筐体接合部分の導電性が悪くても安定した電磁波ノイズの低減効果を得ることが可能となる。
【0095】
以上のように、筐体に接合部がある場合には、接合部の長手方向を、筐体に接合部がない場合の表面電流分布を変更しないように、接合部を設置することが重要である。
前述したように、長方形のスリットにより表面電流分布が乱されて、シールド効果が下がることが指摘されているが、これと同様に一般に接合部の長手方向により表面電流分布が乱されて、シールド効果が下がる。
そこで接合部に長手方向がある場合には、上記のように、接合部の長手方向が表面電流を乱さないように設置することにより、シールド効果を高めることができる。これにより簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、接合部に長手方向があった場合も最適な配置ができる。
【0096】
(第8の実施の形態)
次に本発明の第8の実施の形態は、筐体に接合部がある場合には、接合部の長手方向を筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置するものである。
筐体が直方体であれば、前述したように共振周波数あるいは筐体での表面電流の湧き出しまたは集中部分の位置を解析的に求めることができる。
しかし図15(a)のように筐体がL型形状である場合には解析的に求めることは不可能である。そこで前述のfdtd法のような計算解析あるいは近傍磁界分布を計測解析して図15(b)の符号5で示すような表面電流分布を求め、この表面電流の湧き出しまたは集中部分の位置から筐体接合部8の長手方向を放射状になるように配置することで、シールド効果を高めることができる。これにより、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、筐体が直方体でなくても数値解析等で表面電流分布を計算して接合部8の最適な配置を行なうことができる。
【0097】
尚、筐体が直方体である場合には、前述したように共振周波数あるいは筐体での表面電流の湧き出しまたは集中部分の位置を解析的に求めることができるので、図14(a)と同様に、表面電流の湧き出しまたは集中の位置にから放射状となるように接合部8を配置することで、シールド効果を高めることができる。これにより簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができる。また、筐体が直方体の場合には、簡単な計算で接合部の最適配置を行なうことができる。
【0098】
(第9の実施の形態)
次に本発明の第9の実施の形態を図16を参照して説明する。図16において、符号1は筐体、3は筐体の上部に設けた複数のスリット状の空隙、5は筐体上部に発生する表面電流、8は電気抵抗の良好でない接合部(接触抵抗が大きく、かつ接合位置によって抵抗にむらがあり、導電性が悪い接合部)、8aは電気抵抗の良好な接合部(接触抵抗が小さく、かつ接合位置による抵抗のむらが少なく、導電性が良い接合部)である。電子機器を内蔵した筐体1を製造する場合、一つの接合部(例えば8の接合部)だけでは実際の製造は困難であり、コストがかかってしまう。そこで製造時は筐体1の上部をフタ状にして、この上部フタを外せるようにし、8aの個所に接合部を設ける。しかし、筐体本体と上部フタとを機械的に接合(例えばネジ止め等により接合)する場合、この接合部8aにおける接触抵抗が大きくなり、また、接触位置によって抵抗にむらが生じるため、上部フタに発生した誘導電流を乱す原因となる。すなわち、第7の実施形形態でも説明したように、筐体本体と上部フタとの間の接合部8aは、上部フタに発生する誘導電流に直交する方向に向いているため、この接合部で電流分布が大きく乱され、シールド効果が弱くなる。筐体本体と上部フタとの接合部は理想的には溶接や半田付けで封止した方が良好な導電性を得られ、シールド性が向上するが、筐体内に電子機器を内蔵した後で溶接や半田付けを行なうことは、電子機器に熱による悪影響があり好ましくない。このため、筐体本体と上部フタとを機械的に接合しなければならないが、この際、接合部8aに例えば導電性ガスケットを介在させることにより接合部8aでの接触抵抗をかなり減らすことができ、また、ネジ締めのトルクも管理することにより、接合位置による抵抗むらも減らすことができ、電気抵抗の良好な接合部とすることができる。なお、この導電性ガスケットを介在させた接合部8aの開閉は製造時だけとすれば、電気抵抗の良好な状態を保持することができ、導電性を確保することができる。そしてメンテナンス時等に筐体を開閉する場合は、電気抵抗の良好でない接合部8で行う。これにより製造コストを下げながら、シールド効果を高めることができる。
【0099】
ここで、図16に示すように、筐体1が電気抵抗の良好な接合部8aと電気抵抗の良好でない接合部8を有する場合には、筐体1に電気抵抗の良好でない接合部がない場合の表面電流分布に沿った方向に、電気抵抗の良好でない接合部8の長手方向を設置する。より具体的には、第7の実施形形態でも説明したように、電気抵抗の良好でない接合部8の長手方向を、筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置する。つまり、電気抵抗の良好でない接合部8は、スリット状の空隙3と同様な配置にする。
特に、筐体1が直方体形状である時、電気抵抗の良好でない接合部8の長手方向を、前述の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置する。これにより簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、表面電流を乱さないように接合部の配置を行いながら製造が容易な筐体を提供することができる。
【0100】
(第10の実施の形態)
ところで、以上に説明した実施の形態において、空隙3の配置は、表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置するとともに、除熱あるいは換気のための冷却媒体の流れを妨げない方向とする。すなわち、空隙3による放熱、内部空気の対流を計算解析、計測解析により求め、その結果に基づいて最適な配置を行うことが重要であり、これにより放熱効果を高めながら、シールド効果を高めることができる。そして、このようにして空隙3の最適な配置を行なうことにより、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、より放熱効果を上げることができる。
【0101】
(第11の実施の形態)
次に、図17を参照しながら、図1と同様の構成の筐体1において、筐体1の外と内とを連通する管を設け、その幅が低減する周波数の波長の半分以下とする場合について説明する。
図17において、10が管で、10bが管の開口部、10cが開口部の幅とする。ここで管の開口部10bの高さより、10cの幅の方が大きいとする。一般には金属矩形導波管では半波長以下の管幅で電磁波は伝達しない。そこでEMI規制の上限周波数を1GHzとすると、半波長は0.165mである。これで開口部10bの幅10cの寸法を0.165mとすると、1GHz以下の電磁波は開口部10bから漏洩しないので、ここから電子機器(プリント基板)2の信号線を引き出すことが可能となる。
従って、筐体1に信号線を通すための管(例えば金属管)10を設け、該設けた管10の開口部10bの幅10cを低減する周波数の波長の半分以下とすることにより、信号線を通す管10からは低減する周波数より低い周波数の電磁波は漏洩できないこととなる。
【0102】
(第12の実施の形態)
本発明の第12の実施の形態を図18を参照して説明する。図18において符号1は筐体、2は電子機器の一例であるプリント基板、21はプリント基板から伸びたハーネス(あるいは電線(コード)類)である。
筐体内部のプリント基板2と外部との情報や電力のやり取りを行うハーネス(あるいは電線(コード)類)21を配置する場合、図18(a)に示すようにハーネス(あるいは電線(コード)類)21を配置すると、ハーネス(あるいは電線(コード)類)21の境界条件により筐体内部の磁界分布が乱れ、表面電流も乱れてしまう。そこで本実施形態では、筐体1にハーネス(あるいは電線(コード)類)21を設ける場合には、ハーネス(あるいは電線(コード)類)21を、筐体1にハーネス(あるいは電線(コード)類)がない場合の表面電流分布を乱さないように設置する。具体的には、図18(b)に示すように、ハーネス(あるいは電線(コード)類)21を筐体1の壁面に近づけて配置することで、筐体内部の磁界の乱れも少なくなり、表面電流の乱れも少なくなり、ハーネス(あるいは電線(コード)類)を筐体につけても良好なシールド効果が期待できる。これにより簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、ハーネス(あるいは電線(コード)類)を筐体につけても良好なシールド効果がある。
【0103】
(第13の実施の形態)
次に、図19を参照しながら、図1と同様の構成の筐体1に、電気信号を光信号に変換するための電気光変換素子と、光信号を電気信号に変換するための光電気変換素子と、光ファイバと、を付加した場合の実施形態について説明する。
図19において、符号11が電気光変換素子で、12が光ファイバ、13が光電気変換素子である。2の電子機器(プリント基板)からの電気信号を11の電気光変換素子に送り、光信号に変換する。該変換された光信号は12光ファイバにより3のスリット状の空隙から1の筐体外部に出て、13の光電気変換素子で電気信号に変換される。この構成で筐体外部との信号のやり取りが出来、また信号伝送用開口部からの全周波数での電磁波漏洩がなくなる。
従って、筐体内部に設置される電子機器に対して、電気光変換素子を接続し、電気光変換素子に接続された光ファイバを、筐体に形成された空隙部分から筐体外部に出し、該光ファイバに光電気変換素子を接続することで、電子機器の信号を電気光変換素子により光信号に変換し、該変換した光信号を光ファイバを介して筐体外部に放出し、光電気変換素子により電気信号に変換することで、筐体外部との信号のやり取りが行え、信号伝送用開口部からの全周波数での電磁波漏洩がなくなることとなる。
【0104】
(第14の実施の形態)
次に、図20を参照しながら、図1と同様の構成の筐体1に、電気信号を赤外線に変換する電気赤外線変換素子と、赤外線を電気信号に変換する赤外線電気変換素子とを設けた場合の実施形態について説明する。
図20において、符号14が電気赤外線変換素子で、15が放射された赤外線、16が赤外線電気変換素子である。2の電子機器(プリント基板)からの信号を14の電気赤外線変換素子に送り、15の赤外線信号に変える。変換された赤外線信号は3のスリットの空隙から1の筐体外部に出て、16の赤外線電気変換素子で電気信号に変換される。この構成で筐体外部との信号のやり取りができ、また信号伝送用開口部からの全周波数での電磁波漏洩がなくなる。そして比較的安価に実施が可能となる。
従って、筐体内部に設置される電子機器に対して、電気赤外線変換素子を接続し、電気赤外線変換素子から放射された赤外線が、筐体に形成された空隙部分を介して、筐体外部に設けられた赤外線電気変換素子に送られ、該赤外線電気変換素子により、電気信号に変換することで、筐体外部との信号のやり取りが行われ、また信号伝送用開口部からの全周波数での電磁波漏洩がなくなることとなる。
【0105】
(第15の実施の形態)
次に、図21を参照しながら、図1と同様の構成の筐体1に、ヒートパイプを設けた場合の実施形態について説明する。
図21(a)において、符号17がヒートパイプ、18が発生する磁界である。2の電子機器(プリント基板)で発生した熱を17のヒートパイプで19の筐体壁面に熱を逃がす。この場合に17のヒートパイプを出来るだけ筐体壁面に沿うように設置する。一般にヒートパイプの表面は金属でできており、磁界は金属表面を接線方向に分布する。しかし17のヒートパイプが筐体壁面に沿うようになっているため18の磁界分布はほとんど乱れない。このためヒートパイプによりさらに放熱効果が期待でき、また磁界分布が乱れないのでヒートパイプにいるシールド効果の低下はない。図21(b)が図21(a)の比較例であるが17bのヒートパイプが筐体壁面に沿っておらず、筐体の中央を横切っている。このため、18bの磁界分布が大きく乱れる。
従って、筐体内部に設置される電子機器と接続させるヒートパイプを筐体壁面に沿って設けることで、放熱性があがり、ヒートパイプによる磁界分布の乱れ及び電磁波シールド性の低減を抑えることが可能となる。
【0106】
(第16の実施の形態)
次に第16の実施の形態は、第1〜15の実施の形態において、筐体1を構成している材料を金属とするものである。このように、筐体1全体を金属で構成することにより、表面電流が良好に流れより高いシールド効果が期待できる。これにより簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、より高いシールド効果が得られる。
【0107】
(第17の実施の形態)
次に第17の実施の形態は、第1〜15の実施の形態において、筐体は導体からなる薄膜層を内面あるいは外面に施した構造とするものである。すなわち筐体を構成する主材料が絶縁体でも、その内面あるいは外面に導体からなる薄膜層を施すことにより、電磁波ノイズに対するシールド性が得られる。より具体的には、筐体1は、体積抵抗率が10Ω・cm以上の材料で形成し、その内面あるいは外面に体積抵抗率が10−4Ω・cm以下の材料の薄膜層を設けた構造とする。ここで、例えば体積抵抗率が10Ω・cm以上の材料としてはプラスチック材料などがあり、体積抵抗率が10−4Ω・cm以下の材料として金属がある。
このような筐体構造とすることにより、製造が容易なプラスチックを用いて筐体を形成することができ、その内面あるいは外面に金属薄膜層を設けることにより、第15の実施の形態で説明した金属筐体と同様の電磁波ノイズのシールド効果と放熱効果とを得ることが可能となる。
【0108】
以下、金属薄膜層を内側に施したプラスチック筐体を用いた場合における実際の効果を数値シミュレーションにより検証する。
なお、プラスチック筐体を用いた場合は、図22に示すようにプラスチック筐体の内面側に金属薄膜層を施すこととなる。図22はプラスチック筐体の断面図を示し、1aがプラスチック筐体、1bがプラスチック筐体の内側に施された金属薄膜層、2がプラスチック筐体内部に内蔵されたプリント基板を示す。
なお、本実施形態における筐体の構成は、第1の実施の形態の筐体1と同様に構成されているものとする。
【0109】
まず、図1に示すように配置されたスリット状の空隙3のように、中心部から放射状になる形状(CASE1)と、図3に示すように筐体上部にまったくフタがない形状(CASE2)と、図4に示すように配置されたスリット状の空隙7のように、周回する磁界分布に沿うようにして発生する誘導電流を妨げる形状(CASE3)と、について放射電界強度を計算する。図1、図3、図4の寸法形状を図5、6、7に示す。ここで、a=200mm,b=200mm,d=85mm,e=35mm,f=70mm,g=5mmである。なお、プラスチックの比誘電率は3、プラスチックの厚さは5mmとする。
ここでは、第1の実施の形態と同様に、有限差分時間領域法といわれる計算解析手法によるシミュレーションによって評価を行う。
【0110】
まず、図1に示すCASE1と図3に示すCASE2(比較例)との場合における放射電界強度を、筐体フタの直上の電界から計算する。図23にCASE1とCASE2との放射電界強度の周波数特性を示す。図23(a)が周波数=3.00E+09[Hz](3GHz)までを示し、図23(b)が周波数=1.40E+09[Hz](1.4GHz)までを示す。
【0111】
図23(b)のデータからわかるように、フタの開いているCASE2は周波数が2.00E+08[Hz](200MHz)から1.00E+09[Hz](1GHz)までの間で、1.00E−05[V/m]を越えているのに対し、CASE1では2.00E+08[Hz](200MHz)から1.00E+09[Hz](1GHz)までの間で4.00E−6[V/m]以下である。これからCASE1の筐体フタの中心部から放射状になるスリット形状の方が、CASE2の筐体にフタがない場合より、2.00E+08[Hz](200MHz)から1.00E+09[Hz](1GHz)までの間で2倍以上のシールド効果があるのがわかる。
【0112】
次に、図1のCASE1と図4のCASE3(比較例)との場合における放射電界強度を筐体フタの直上の電界から計算する。図24にCASE1とCASE3とでの放射電界強度の周波数特性を示す。図24(a)が周波数=3.00E+09[Hz](3GHz)までを示し、図24(b)が周波数=1.40E+09[Hz](1.4GHz)までを示す。
【0113】
図24(b)のデータからわかるようにCASE3は周波数が5.00E+08[Hz](500MHz)から1.00E+09[Hz](1GHz)までの間で8.00E−06[V/m]を越えているのに対し、CASE1では2.00E+08[Hz](200MHz)から1.00E+09[Hz](1GHz)の間で4.00E−06[V/m]以下である。CASE1がCASE3より5.00E+08[Hz](500MHz)から1.00E+09[Hz](1GHz)までの間で2倍以上のシールド効果があり、また、図24(b)のデータからわかるようにCASE1の漏洩電界は1.00E+09[Hz](1GHz)までほぼ一定である。またスリットがあることにより放熱効果もある。
なお、図24(a)のデータにより一番低い共振周波数の1.061GHzより高い周波数でもCASE1はCASE3より漏洩電界が低くシールド性が高いのが確認できる。
【0114】
(第18の実施の形態)
次に第18の実施の形態は、第17の実施の形態において、金属薄膜層の厚さをEMI規制の下限周波数での表皮効果の表皮厚さ以上にするものである。より具体的には、金属薄膜層の厚さを数十μm以上にすることにより、金属薄膜層を流れる表面電流が無理なく流れ、より高いシールド効果が期待できる。これにより簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、金属薄膜層の厚さを前もって見積もれ、効果的なシールド効果が得られる。
【0115】
(第19の実施の形態)
次に第19の実施の形態は、第17,18の実施の形態において、金属薄膜層を粘着層を介して筐体に接着し、金属薄膜層を貼り合わせる場合には、その合わせ目部を、該合わせ目部がない場合の筐体の表面電流分布に沿った方向に設置するものである。このようにすることにより、プラスチック筐体の内部に金属テープを張ることで容易に金属薄膜層を設けることができ、製造が簡易で、高いシールド効果が期待できる。これにより簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、金属薄膜層部分を安価な金属テープで代用することができる。
【0116】
(第20の実施の形態)
次に第20の実施の形態は、第19の実施の形態において、前記金属薄膜層の合わせ目部の長手方向を、筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置するものである。このような配置とすることにより、プラスチック筐体の内部に金属テープを張ることで容易に金属薄膜層を設けることができ、製造が簡易で、高いシールド効果が期待できる。これにより簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、数値解析等で金属テープを貼る位置の最適配置ができる。
【0117】
(第21の実施の形態)
次に第21の実施の形態は、第20の実施の形態において、筐体が直方体である場合は、金属薄膜層の合わせ目部の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置するものである。このように、筐体が直方体形状である場合には、金属薄膜層の合わせ目部の長手方向を、第1の実施の形態で説明したように所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することにより、プラスチック筐体の内部に金属テープを張ることで容易に金属薄膜層を設けることができ、製造が簡易で、高いシールド効果が期待できる。これにより簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、筐体が直方体の場合、簡易な計算で金属テープを貼る位置の最適配置ができる。
【0118】
(第22の実施の形態)
次に第22の実施の形態は、第17〜21の実施の形態において、筐体に、図17に示したような筐体の内外を連通するための金属管を設けた場合には、金属薄膜層に接触するように金属管を設けるものである。また、この場合にも、その管の幅は低減する周波数の波長の半分以下とする。このようにすることにより、金属薄膜層を用いた筐体でも、第11の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0119】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。
例えば、第17〜21の実施の形態においては、金属薄膜層を内側に施したプラスチック筐体の例を示したが、これに限定されるものではなく、セラミック、ガラス、木材等、金属薄膜層を内側に形成することが可能となる材料を用いた筐体であれば適用可能となる。
【0120】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように本発明は以下のような効果を奏する。
前述の本発明の第1または第31の手段の効果としては、筐体に放熱あるいは配線用の空隙を設ける場合に、該空隙の長手方向が、前記筐体に空隙が無い場合の表面電流分布に沿った方向になるように、前記空隙を設置することにより、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができる。
また、第2、第32の手段の効果としては、筐体を、体積抵抗率が10Ω・cm以下の導体または半導体からなる材料で構成することにより、金属でなくてもシールド効果を得ることができる。
【0121】
第3または第33の手段の効果としては、空隙をスリット状あるいは長方形状に形成し、該空隙の長手方向を、前記筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することにより、より簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができる。
また、第4または第34の手段の効果としては、空隙の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することにより、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、筐体が直方体でなくても数値解析等で表面電流分布を計算して空隙の最適配置ができる。
【0122】
第5または第35の手段の効果としては、前記空隙をスリット状あるいは長方形状に形成し、該空隙の長手方向を、筐体内部で所定の数式によって算出される磁界の中心位置から放射状に形成することにより、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、筐体が直方体でなくても数値解析等で磁界の中心位置を計算して空隙の最適配置ができる。
【0123】
第6または第36の手段の効果としては、筐体の寸法を、電磁波ノイズ規制の上限周波数より高い周波数だけで筐体内電磁波の共振周波数が発生するように設定することにより、漏洩する電磁界強度を一定にすることが可能となる。
また、第7または第37の手段の効果として、筐体に空隙以外の穴を設ける場合には、その穴の大きさを低減する電磁波波長の4分の1以下、より好ましくは10分の1以下に設定することにより、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、筐体に穴を開ける場合のシールド効果も前もって見積もることができる。
さらに、第8または第38の手段の効果としては、空隙を、筐体の上部または下部、あるいは筐体の上下部に設けることにより、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、筐体の放熱性をさらに高めることができる。
【0124】
第9または第39の手段の効果としては、筐体が接合部を有する場合には、該接合部の長手方向を、空隙の長手方向に沿うように設けることにより、筐体に接合部がある場合にも安定した電磁波ノイズの低減効果があり、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができる。
また、第10または第40の手段の効果としては、筐体が接合部を有する場合には、該接合部の長手方向を、前記筐体に接合部がない場合の表面電流分布に沿った方向に設置することにより、筐体に接合部がある場合にも安定した電磁波ノイズの低減効果があり、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができる。
さらに、第11または第41の手段の効果としては、前記接合部の長手方向を、前記筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することにより、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、接合部の長手方向を最適な方向に配置するので、筐体が直方体でなくても数値解析等で表面電流分布を計算して接合部の最適配置ができ、より高いシールド性が得られる。
さらにまた、第12または第42の手段の効果としては、筐体が直方体形状である時、接合部の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することにより、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、筐体が直方体であるので、簡単な計算で表面電流分布を計算して接合部の最適配置ができ、より高いシールド性が得られる。
【0125】
第13または第43の手段の効果としては、筐体が電気抵抗の良好な接合部と電気抵抗の良好でない接合部を有する場合には、筐体に電気抵抗の良好でない接合部がない場合の表面電流分布に沿った方向に、電気抵抗の良好でない接合部の長手方向を設置することにより、筐体に導電性の悪い接合部がある場合にも安定した電磁波ノイズの低減効果があり、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、表面電流を乱さないように導電性の悪い接合部の配置を行いながら製造が容易な筐体を提供することができる。
また、第14または第44の手段の効果としては、前記電気抵抗の良好でない接合部の長手方向を、前記筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することにより、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、電気抵抗の良好でない接合部の長手方向を最適な方向に配置するので、筐体が直方体でなくても数値解析等で表面電流分布を計算して電気抵抗の良好でない接合部の最適配置ができ、より高いシールド性が得られる。
さらに、第15または第45の手段の効果としては、前記筐体が直方体形状である時、前記電気抵抗の良好でない接合部の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することにより、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、筐体が直方体であるので、簡単な計算で表面電流分布を計算して電気抵抗の良好でない接合部の最適配置ができ、より高いシールド性が得られる。
【0126】
第16または第46の手段の効果としては、前記空隙の配置を、除熱あるいは換気のための冷却媒体の流れを妨げない方向とすることにより、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、より高い放熱効果を得ることができる。
また、第17または第47の手段の効果としては、前記筐体に、該筐体の内と外とを連通するための管を設けた場合には、前記管の開口部の幅を、低減する周波数の波長の半分以下とすることにより、筐体内外をつなぐ信号線を通す管からは低減する周波数より低い周波数の電磁波は漏洩できないこととなり、電磁波ノイズの高いシールド性を保つことができる。
【0127】
第18または第48の手段の効果としては、前記筐体に、筐体内部の電子機器と外部との情報や電力のやり取りを行うハーネスあるいは電線(コード)類を設ける場合には、前記ハーネスあるいは電線(コード)類を、前記筐体に前記ハーネスあるいは電線(コード)類がない場合の表面電流分布を乱さないように設置することにより、筐体にハーネスあるいは電線(コード)類を設けた場合にも良好なシールド効果があり、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができる。
【0128】
第19または第49の手段の効果としては、筐体内部の電子機器と外部との情報のやり取りを行なう場合に、前記筐体内部に設置される電子機器の電気信号を光信号に変換する電気光変換素子と、前記電気光変換素子により変換された光信号を前記空隙部分から筐体外部に送り出す光ファイバと、前記光ファイバにより筐体外部に送り出された光信号を電気信号に変換する光電気変換素子とを新たに設けることにより、筐体外部との信号のやり取りを光で行うことができるので、信号伝送用開口部からの全周波数での電磁波漏洩をなくすことができ、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができる。
【0129】
第20または第50の手段の効果としては、筐体内部の電子機器と外部との情報のやり取りを行なう場合に、前記筐体内部に設置される電子機器の電気信号を赤外線に変換する電気赤外線変換素子と、前記電気赤外線変換素子により変換された赤外線を電気信号に変換する赤外線電気変換素子とを新たに設けることにより、筐体外部との信号のやり取りを赤外線で行うことができるので、信号伝送用開口部からの全周波数での電磁波漏洩をなくすことができ、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができる。また、安価にシステムを構築することが可能となる。
【0130】
第21または第51の手段の効果としては、筐体に設置される電子機器で発生した熱を筐体外部に放出するヒートパイプを設ける場合には、該ヒートパイプを筐体壁面に沿って設けることにより、放熱性があがり、ヒートパイプにより本来の表面電流分布や磁界分布が乱れ電磁波シールド性が低下するのを防ぐことが可能となる。従って、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の向上を図ることができる。
【0131】
第22または第52の手段の効果としては、筐体を金属材料で構成することにより、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の向上をさらに図ることができる。
【0132】
第23または第53の手段の効果としては、筐体に、導体からなる薄膜層を内面あるいは外面に施した筐体を用いることにより、製造が容易なプラスチック等を用いても金属筐体と同様な効果を得ることが可能となる。
また、第24または第54の手段の効果としては、筐体を体積抵抗率が10Ω・cm以上の材料で形成し、筐体の内面あるいは外面に体積抵抗率が10−4Ω・cm以下の材料の薄膜層を設けることにより、種々の材料を用いてシールド効果が得られる筐体を形成することが可能となる。
さらに、第25または第55の手段の効果としては、筐体をプラスチック材料で形成し、該筐体の内面あるいは外面に金属薄膜層を設けることにより、製造が容易なプラスチックを用い金属筐体と同様なシールド効果が得られる筐体を形成でき、電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができる。
さらにまた、第26または第56の手段の効果としては、前記薄膜層の厚さがEMI規制の下限周波数での表皮効果の表皮厚さ以上であることにより、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができ、また、薄膜層の厚さを前もって見積もることができるので、効果的なシールド効果を得ることができる。
【0133】
第27または第57の手段の効果としては、前記薄膜層は粘着層を介して筐体に接着されており、前記薄膜層を貼り合わせる場合に、その合わせ目部を、該合わせ目部がない場合の筐体の表面電流分布に沿った方向に設置することにより、前記薄膜層に安価な金属テープ等を用いることが可能となり、より簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができる。
また、第28または第58の手段の効果としては、前記薄膜層の合わせ目部の長手方向を、前記筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することにより、薄膜層に安価な金属テープ等を用いる場合にも、数値解析等で金属テープを貼る位置の最適配置を行なうことができ、簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができる。
さらに、第29または第59の手段の効果としては、前記筐体が直方体である場合に、前記薄膜層の合わせ目部の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することにより、薄膜層に安価な金属テープ等を用いる場合にも、直方体に対応した簡単な計算で金属テープを貼る位置の最適配置を行なうことができ、より簡易な構造で電磁波ノイズの高いシールド性と放熱効果の両立ができる。
さらにまた、第30または第60の手段の効果としては、前記薄膜層を有する筐体に、該筐体の内と外とを連通するための金属管を設ける場合には、薄膜層に接触するように金属管を設けることにより、金属薄膜層を用いた筐体に金属管を設ける場合にも、管からの電磁波の漏洩を防止でき、電磁波ノイズの高いシールド性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる筐体の構造例を示す図であり、(a)は筐体を立体構造で示した図であり、(b)は筐体に生じる磁界の分布をZ軸上から見た図である。
【図2】筐体に生じる磁界および誘導電流の分布をZ軸上から見た図である。
【図3】筐体上部に蓋がない形状例を示す図である。
【図4】周回する磁界分布に直角となるように発生する誘導電流を妨げる形状例を示す図である。
【図5】図1の筐体の寸法形状を説明するための図である。
【図6】図3の筐体の寸法形状を説明するための図である。
【図7】図4の筐体の寸法形状を説明するための図である。
【図8】図1の筐体と図3の筐体に金属筐体を用いた場合の放射電界強度の周波数特性を示す図であり、(a)は周波数が3GHzまでを示し、(b)は周波数が1.4GHzまでを示す図である。
【図9】図1の筐体と図4の筐体に金属筐体を用いた場合の放射電界強度の周波数特性を示す図であり、(a)は周波数が3GHzまでを示し、(b)は周波数が1.4GHzまでを示す図である。
【図10】シールド性の計測用に試作した金属筐体と、その筐体内にノイズ源として設置されるモノポールアンテナとを示す図である。
【図11】図1と図3の構造で、図10のようにモノポールアンテナを設置して試作した2つの筐体を用いて電波暗室で計測した結果を示す図であり、(a)はモノポールアンテナの長さが83mmで周波数の範囲を200〜1120MHzとした場合の利得を示す図であり、(b)はモノポールアンテナの長さが33mmで周波数の範囲を1200〜2520MHzとした場合の利得を示す図である。
【図12】筐体がL型形状である場合の表面電流分布と空隙の配置例を示す図である。
【図13】筐体上部あるいは筐体上下部に複数の空隙部分を設けた例を示す図である。
【図14】筐体の空隙部分の長手方向に沿うように筐体接合面を設けた例を示す図であり、(a)は本発明にかかる実施例を示す図であり、(b)は比較例を示す図である。
【図15】筐体がL型形状である場合の表面電流分布と接合部の配置例を示す図である。
【図16】筐体に電気抵抗の良好でない接合部と、電気抵抗の良好な接合部がある場合の接合部の配置例を示す図である。
【図17】筐体に内外を連通する管を設けた例を示す図である。
【図18】筐体にハーネスあるいは電線(コード)類を設ける場合の配置例を示す図である。
【図19】筐体に、電気光変換素子と光電気変換素子と光ファイバとを設けた例を示す図である。
【図20】筐体に、電気赤外線変換素子と赤外線電気変換素子とを設けた例を示す図である。
【図21】筐体に、ヒートパイプを設けた例を示す図であり、(a)は本発明にかかる実施例を示す図であり、(b)は比較例を示す図である。
【図22】筐体に金属薄膜層を施した例を示す図である。
【図23】図1の筐体と図3の筐体を、金属薄膜層を施したプラスチック筐体とした場合の、放射電界強度の周波数特性を示す図であり、(a)は周波数が3GHzまでを示し、(b)は周波数が1.4GHzまでを示す図である。
【図24】図1の筐体と図3の筐体を、金属薄膜層を施したプラスチック筐体とした場合の、放射電界強度の周波数特性を示す図であり、(a)は周波数が3GHzまでを示し、(b)は周波数が1.4GHzまでを示す図である。
【符号の説明】
1:筐体
1a:プラスチック筐体
1b:金属薄膜層
2:プリント基板(電子機器)
2b:プリント基板線路(モノポールアンテナ)
3,3b,7:空隙
4:磁界分布
5,9,9b:誘導電流
8,8b:筐体の接合部(接合面)
10:金属管
11:電気光変換素子
12:光ファイバ
13:光電気変換素子
14:電気赤外線変換素子
15:赤外線信号
16:赤外線電気変換素子
17,17b:ヒートパイプ
18,18b:磁界
19:壁面
21:ハーネス(あるいは電線(コード)類)

Claims (60)

  1. 電磁波に対するシールド効果を有する材料で構成される筐体で電子機器を覆うことにより、該電子機器によって生じる電磁妨害波を低減する電磁妨害波低減方法であって、
    前記筐体に放熱あるいは配線用の空隙を設ける場合に、該空隙の長手方向が、前記筐体に空隙が無い場合の表面電流分布に沿った方向になるように、前記空隙を設置することを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  2. 請求項1記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体を、体積抵抗率が10Ω・cm以下の導体または半導体からなる材料で構成することを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  3. 請求項1または2記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記空隙はスリット状あるいは長方形状に形成され、該空隙の長手方向を、前記筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  4. 請求項3記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体が直方体形状である時、前記空隙の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  5. 請求項1または2記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記空隙はスリット状あるいは長方形状に形成され、該空隙の長手方向を、前記筐体内部で所定の数式によって算出される磁界の中心位置から放射状に形成することを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体の寸法は、電磁波ノイズ規制の上限周波数より高い周波数だけで筐体内電磁波の共振周波数が発生するように設定することを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体に前記空隙以外の穴を設ける場合には、その穴の大きさを低減する電磁波波長の4分の1以下、より好ましくは10分の1以下に設定することを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記空隙を、前記筐体の上部または下部、あるいは前記筐体の上下部に設けることを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体が接合部を有する場合には、該接合部の長手方向を、前記空隙の長手方向に沿うように設けることを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  10. 請求項1〜8の何れか1項に記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体が接合部を有する場合には、該接合部の長手方向を、前記筐体に接合部がない場合の表面電流分布に沿った方向に設置することを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  11. 請求項10記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記接合部の長手方向を、前記筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  12. 請求項10記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体が直方体形状である時、前記接合部の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  13. 請求項1〜8の何れか1項に記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体が電気抵抗の良好な接合部と電気抵抗の良好でない接合部を有する場合には、前記筐体に前記電気抵抗の良好でない接合部がない場合の表面電流分布に沿った方向に、前記電気抵抗の良好でない接合部の長手方向を設置することを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  14. 請求項13記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記電気抵抗の良好でない接合部の長手方向を、前記筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  15. 請求項13記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体が直方体形状である時、前記電気抵抗の良好でない接合部の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  16. 請求項1〜15の何れか1項に記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記空隙の配置を、除熱あるいは換気のための冷却媒体の流れを妨げない方向とすることを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  17. 請求項1〜16の何れか1項に記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体に、該筐体の内と外とを連通するための管を設けた場合には、前記管の開口部の幅を、低減する周波数の波長の半分以下とすることを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  18. 請求項1〜17の何れか1項に記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体に、筐体内部の電子機器と外部との情報や電力のやり取りを行うハーネスあるいは電線(コード)類を設ける場合には、前記ハーネスあるいは電線(コード)類を、前記筐体に前記ハーネスあるいは電線(コード)類がない場合の表面電流分布を乱さないように設置することを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  19. 請求項1〜17の何れか1項に記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体内部の電子機器と外部との情報のやり取りを行なう場合に、前記筐体内部に設置される電子機器の電気信号を光信号に変換する電気光変換素子と、前記電気光変換素子により変換された光信号を前記空隙部分から筐体外部に送り出す光ファイバと、前記光ファイバにより筐体外部に送り出された光信号を電気信号に変換する光電気変換素子とを新たに設け、前記筐体内の電子機器の電気信号を電気光変換素子により光信号に変換し、該変換した光信号を、前記光ファイバを介して前記空隙部分から筐体外部の光電気変換素子に送り出し電気信号に変換することを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  20. 請求項1〜17の何れか1項に記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体内部の電子機器と外部との情報のやり取りを行なう場合に、前記筐体内部に設置される電子機器の電気信号を赤外線に変換する電気赤外線変換素子と、前記電気赤外線変換素子により変換された赤外線を電気信号に変換する赤外線電気変換素子とを新たに設け、前記筐体内の電子機器の電気信号を電気赤外線変換素子により赤外線信号に変換し、該変換した赤外線を空隙部分から筐体外部に送り出し、該送り出した赤外線を赤外線電気変換素子により電気信号に変換することを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  21. 請求項1〜17の何れか1項に記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体に設置される電子機器で発生した熱を筐体外部に放出するヒートパイプを設ける場合には、該ヒートパイプを筐体壁面に沿って新たに設けることを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  22. 請求項1〜21の何れか1項に記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体が金属材料で構成されていることを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  23. 請求項1〜21の何れか1項に記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体として、導体からなる薄膜層を内面あるいは外面に施した筐体を用いることを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  24. 請求項23記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体を体積抵抗率が10Ω・cm以上の材料で形成し、該筐体の内面あるいは外面に体積抵抗率が10−4Ω・cm以下の材料の薄膜層を設けたことを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  25. 請求項24記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体をプラスチック材料で形成し、該筐体の内面あるいは外面に金属薄膜層を設けたことを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  26. 請求項23〜25の何れか1項に記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記薄膜層の厚さがEMI規制の下限周波数での表皮効果の表皮厚さ以上であることを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  27. 請求項23〜26の何れか1項に記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記薄膜層は粘着層を介して筐体に接着されており、前記薄膜層を貼り合わせる場合に、その合わせ目部を、該合わせ目部がない場合の筐体の表面電流分布に沿った方向に設置することを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  28. 請求項27記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記薄膜層の合わせ目部の長手方向を、前記筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  29. 請求項28記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体が直方体である場合は、前記薄膜層の合わせ目部の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  30. 請求項23〜29の何れか1項に記載の電磁妨害波低減方法において、
    前記筐体に、該筐体の内と外とを連通するための金属管を設けた場合には、前記薄膜層に接触するように金属管を設けることを特徴とする電磁妨害波低減方法。
  31. 電磁波に対するシールド効果を有する材料で構成される筐体であり、該筐体で内部に設置される電子機器を覆うことにより、該電子機器によって生じる電磁妨害波を低減する筐体構造において、
    放熱あるいは配線用の空隙を有し、該空隙の長手方向が、空隙が無い場合の表面電流分布に沿った方向になるように、前記空隙を設置したことを特徴とする筐体構造。
  32. 請求項31記載の筐体構造において、
    体積抵抗率が10Ω・cm以下の導体または半導体からなる材料で構成することを特徴とする筐体構造。
  33. 請求項31または32記載の筐体構造において、
    前記空隙はスリット状あるいは長方形状に形成され、該空隙の長手方向を、表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする筐体構造。
  34. 請求項33記載の筐体構造において、
    前記筐体が直方体形状である時、前記空隙の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする筐体構造。
  35. 請求項31または32記載の筐体構造において、
    前記空隙はスリット状あるいは長方形状に形成され、該空隙の長手方向を、前記筐体内部で所定の数式によって算出される磁界の中心位置から放射状に形成することを特徴とする筐体構造。
  36. 請求項31〜35の何れか1項に記載の筐体構造において、
    前記筐体の寸法は、電磁波ノイズ規制の上限周波数より高い周波数だけで筐体内電磁波の共振周波数が発生するように設定することを特徴とする筐体構造。
  37. 請求項31〜36の何れか1項に記載の筐体構造において、
    前記筐体に前記空隙以外の穴を設ける場合には、その穴の大きさを低減する電磁波波長の4分の1以下、より好ましくは10分の1以下に設定することを特徴とする筐体構造。
  38. 請求項31〜37の何れか1項に記載の筐体構造において、
    前記空隙を、前記筐体の上部または下部、あるいは前記筐体の上下部に設けたことを特徴とする筐体構造。
  39. 請求項31〜38の何れか1項に記載の筐体構造において、
    前記筐体が接合部を有する場合には、該接合部の長手方向を、前記空隙の長手方向に沿うように設けることを特徴とする筐体構造。
  40. 請求項31〜38の何れか1項に記載の筐体構造において、
    前記筐体が接合部を有する場合には、該接合部の長手方向を、前記筐体に接合部がない場合の表面電流分布に沿った方向に設置することを特徴とする筐体構造。
  41. 請求項40記載の筐体構造において、
    前記接合部の長手方向を、前記筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする筐体構造。
  42. 請求項40記載の筐体構造において、
    前記筐体が直方体形状である時、前記接合部の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする筐体構造。
  43. 請求項31〜38の何れか1項に記載の筐体構造において、
    前記筐体が電気抵抗の良好な接合部と電気抵抗の良好でない接合部を有する場合には、前記筐体に前記電気抵抗の良好でない接合部がない場合の表面電流分布に沿った方向に、前記電気抵抗の良好でない接合部の長手方向を設置することを特徴とする筐体構造。
  44. 請求項43記載の筐体構造において、
    前記電気抵抗の良好でない接合部の長手方向を、前記筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする筐体構造。
  45. 請求項43記載の筐体構造において、
    前記筐体が直方体形状である時、前記電気抵抗の良好でない接合部の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする筐体構造。
  46. 請求項31〜45の何れか1項に記載の筐体構造において、
    前記空隙の配置を、除熱あるいは換気のための冷却媒体の流れを妨げない方向とすることを特徴とする筐体構造。
  47. 請求項31〜46の何れか1項に記載の筐体構造において、
    前記筐体に、該筐体の内と外とを連通するための管を設けた場合には、前記管の開口部の幅を、低減する周波数の波長の半分以下とすることを特徴とする筐体構造。
  48. 請求項31〜47の何れか1項に記載の筐体構造において、
    前記筐体に、筐体内部の電子機器と外部との情報や電力のやり取りを行うハーネスあるいは電線(コード)類を設ける場合には、前記ハーネスあるいは電線(コード)類を、前記筐体に前記ハーネスあるいは電線(コード)類がない場合の表面電流分布を乱さないように設置することを特徴とする筐体構造。
  49. 請求項31〜47の何れか1項に記載の筐体構造において、
    前記筐体内部の電子機器と外部との情報のやり取りを行なう場合に、前記筐体内部に設置される電子機器の電気信号を光信号に変換する電気光変換素子と、前記電気光変換素子により変換された光信号を前記空隙部分から筐体外部に送り出す光ファイバと、前記光ファイバにより筐体外部に送り出された光信号を電気信号に変換する光電気変換素子とを新たに設けたことを特徴とする筐体構造。
  50. 請求項31〜47の何れか1項に記載の筐体構造において、
    前記筐体内部の電子機器と外部との情報のやり取りを行なう場合に、前記筐体内部に設置される電子機器の電気信号を赤外線に変換する電気赤外線変換素子と、前記電気赤外線変換素子により変換された赤外線を電気信号に変換する赤外線電気変換素子とを新たに設けたことを特徴とする筐体構造。
  51. 請求項31〜47の何れか1項に記載の筐体構造において、
    前記筐体に設置される電子機器で発生した熱を筐体外部に放出するヒートパイプを設ける場合には、該ヒートパイプを筐体壁面に沿って新たに設けることを特徴とする筐体構造。
  52. 請求項31〜51の何れか1項に記載の筐体構造において、
    金属材料で構成されていることを特徴とする筐体構造。
  53. 請求項31〜51の何れか1項に記載の筐体構造において、
    導体からなる薄膜層を内面あるいは外面に施したことを特徴とする筐体構造。
  54. 請求項53記載の筐体構造において、
    体積抵抗率が10Ω・cm以上の材料で形成され、内面あるいは外面に体積抵抗率が10−4Ω・cm以下の材料の薄膜層を設けたことを特徴とする筐体構造。
  55. 請求項54記載の筐体構造において、
    プラスチック材料で形成され、内面あるいは外面に金属薄膜層を設けたことを特徴とする筐体構造。
  56. 請求項53〜55の何れか1項に記載の筐体構造において、
    前記薄膜層の厚さがEMI規制の下限周波数での表皮効果の表皮厚さ以上であることを特徴とする筐体構造。
  57. 請求項53〜56の何れか1項に記載の筐体構造において、
    前記薄膜層は粘着層を介して筐体に接着されており、前記薄膜層を貼り合わせる場合に、その合わせ目部を、該合わせ目部がない場合の筐体の表面電流分布に沿った方向に設置することを特徴とする筐体構造。
  58. 請求項57記載の筐体構造において、
    前記薄膜層の合わせ目部の長手方向を、前記筐体の表面電流の湧き出しまたは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする筐体構造。
  59. 請求項58記載の筐体構造において、
    前記筐体が直方体である場合は、前記薄膜層の合わせ目部の長手方向を、所定の数式によって算出される表面電流の湧き出しあるいは集中部分から放射状となるように配置することを特徴とする筐体構造。
  60. 請求項53〜59の何れか1項に記載の筐体構造において、
    前記筐体に、該筐体の内と外とを連通するための金属管を設けた場合には、前記薄膜層に接触するように金属管を設けることを特徴とする筐体構造。
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