JP2004296977A - 半導体素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄膜トランジスタの製造工程数を少なくする。
【解決手段】例えば、ソース電極8およびドレイン電極9をAl層8a、9aおよびCr層8b、9bの2層構造で島状に形成する。次に、ソース電極8およびドレイン電極9等を含む層間絶縁膜5の上面に窒化シリコンからなるオーバーコート膜10を成膜する。次に、350〜550℃の温度で熱処理を行なうと、Cr層8b、9bに引っ張り応力が生じ、オーバーコート膜10に圧縮応力が生じ、この応力差により、Cr層8b、9b上におけるオーバーコート膜10が選択的に除去され、コンタクトホール11、12が形成される。この場合、熱処理であるので、フォトリソグラフィ法と比較して、製造工程数を少なくすることができる。
【選択図】 図6
【解決手段】例えば、ソース電極8およびドレイン電極9をAl層8a、9aおよびCr層8b、9bの2層構造で島状に形成する。次に、ソース電極8およびドレイン電極9等を含む層間絶縁膜5の上面に窒化シリコンからなるオーバーコート膜10を成膜する。次に、350〜550℃の温度で熱処理を行なうと、Cr層8b、9bに引っ張り応力が生じ、オーバーコート膜10に圧縮応力が生じ、この応力差により、Cr層8b、9b上におけるオーバーコート膜10が選択的に除去され、コンタクトホール11、12が形成される。この場合、熱処理であるので、フォトリソグラフィ法と比較して、製造工程数を少なくすることができる。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は半導体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体素子の1つである薄膜トランジスタを備えたアクティブマトリクス型の液晶表示装置における薄膜トランジスタパネルには、基板上に走査ラインおよびデータラインがマトリクス状に設けられ、その各交点近傍にスイッチング素子としての薄膜トランジスタが両ラインに接続されて設けられ、それらの上に画素電極が薄膜トランジスタに接続されて設けられたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平1−156725号公報(第1図、第4図)
【0004】
すなわち、特許文献1に記載の薄膜トランジスタパネルでは、基板上に半導体薄膜が設けられ、その上にゲート絶縁膜が設けられ、その上にゲート電極を含む走査ラインが設けられ、その上に層間絶縁膜が設けられ、その上にデータラインが半導体薄膜のドレイン領域に接続されて設けられ、その上にオーバーコート膜が設けられ、その上に画素電極が半導体薄膜のソース領域に接続されて設けられている。
【0005】
この場合、データラインは、その下の層間絶縁膜およびゲート絶縁膜にフォトリソグラフィ法により形成されたコンタクトホールを介して半導体薄膜のドレイン領域に接続されている。また、画素電極は、その下のオーバーコート膜、層間絶縁膜およびゲート絶縁膜にフォトリソグラフィ法により形成されたコンタクトホールを介して半導体薄膜のソース領域に接続されている。さらに、例えば走査ラインの接続パッド部を露出させるため、少なくとも層間絶縁膜にフォトリソグラフィ法によりコンタクトホールを形成する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、特許文献1に記載の薄膜トランジスタパネルでは、コンタクトホールを形成するためのフォトリソグラフィ工程が少なくとも3回であるため、どちらかと言えば製造工程数が多いという問題があった。
そこで、この発明は、製造工程数を少なくすることができる半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して半導体薄膜に接続される配線を有する半導体素子の製造方法において、前記絶縁膜の上面に複数の金属層を少なくとも最上層の金属層が島状となるように積層して形成する工程と、前記積層金属層を含む前記絶縁膜の上面に上層絶縁膜を形成する工程と、熱処理により前記積層金属層の最上層の金属層上における前記上層絶縁膜を選択的に除去して前記最上層の金属層に配線を接続するためのコンタクトホールを形成する工程とを有し、前記最上層の金属層は前記上層絶縁膜と応力の方向が逆になる金属からなることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記最上層の金属層はCrからなり、前記上層絶縁膜は窒化シリコンからなることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記積層金属層の最下層の金属層はAlからなることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記熱処理は350〜550℃の温度で行なうことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記積層金属層は薄膜トランジスタのソース電極およびドレイン電極であり、これらの電極上における前記上層絶縁膜を除去してコンタクトホールを形成することを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記上層絶縁膜の上面に画素電極を一方の前記コンタクトホールを介して前記ソース電極に接続させて形成することを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記上層絶縁膜の上面に前記画素電極と同一の材料によってデータラインを他方の前記コンタクトホールを介して前記ドレイン電極に接続させて形成することを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記積層金属層は薄膜トランジスタのゲート電極であり、該ゲート電極上における前記上層絶縁膜を除去してコンタクトホールを形成することを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記上層絶縁膜の上面に画素電極を前記薄膜トランジスタのソース電極に接続させて形成することを特徴とするものである。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記上層絶縁膜の上面に前記画素電極と同一の材料によって走査ラインを前記コンタクトホールを介して前記ゲート電極に接続させて形成することを特徴とするものである。
そして、この発明によれば、熱処理により最上層の金属層上における上層絶縁膜を選択的に除去してコンタクトホールを形成しているので、フォトリソグラフィ法によりコンタクトホールを形成する場合と比較して、製造工程数を少なくすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1はこの発明の第1実施形態としての製造方法により製造された薄膜トランジスタパネルの要部の断面図を示す。この場合、図1において、右側は薄膜トランジスタ等形成領域であり、その左側は走査ラインの接続パッド形成領域であり、その左側はデータラインの接続パッド形成領域である。
【0009】
まず、薄膜トランジスタ等形成領域について説明する。ガラス基板1の上面の所定の箇所にはポリシリコン薄膜(半導体薄膜)2が設けられている。ポリシリコン薄膜2のほぼ中央部は真性領域からなるチャネル領域2aとされ、その両側はn型不純物注入領域からなるソース領域2bおよびドレイン領域2cとされている。
【0010】
ポリシリコン薄膜2を含むガラス基板1の上面には酸化シリコンからなるゲート絶縁膜3が設けられている。チャネル領域2a上におけるゲート絶縁膜3の上面の所定の箇所にはAlからなるゲート電極4が設けられている。また、ゲート絶縁膜3の上面の所定の箇所にはAlからなる走査ライン(図示せず)がゲート電極4に接続されて設けられている。ゲート電極4および走査ラインを含むゲート絶縁膜3の上面には窒化シリコンからなる層間絶縁膜5が設けられている。
【0011】
ポリシリコン薄膜7のソース領域2bおよびドレイン領域2c上における層間絶縁膜5およびゲート絶縁膜3にはコンタクトホール6、7が設けられている。各コンタクトホール6、7内およびその各近傍の層間絶縁膜5の上面の各所定の箇所にはソース電極8およびドレイン電極9が島状に設けられている。この場合、ソース電極8およびドレイン電極9はAl層8a、9aおよびCr層8b、9bの2層構造となっている。ここで、島状とは、他の要素とは物理的および電気的に分離されているという意味合いであり、以下において、同様の定義で用いられる。
【0012】
ソース電極8およびドレイン電極9を含む層間絶縁膜5の上面には窒化シリコンからなるオーバーコート膜10が設けられている。ソース電極8およびドレイン電極9上におけるオーバーコート膜10にはコンタクトホール11、12が設けられている。
【0013】
オーバーコート膜10の上面の所定の箇所にはITOからなる画素電極13がコンタクトホール11を介してソース電極8に接続されて設けられている。また、オーバーコート膜10の上面の他の所定の箇所にはITOからなるデータライン14がコンタクトホール12を介してドレイン電極9に接続されて設けられている。
【0014】
そして、ポリシリコン薄膜2、ゲート絶縁膜3、ゲート電極4、層間絶縁膜5、コンタクトホール6、7、ソース電極8およびドレイン電極9により、薄膜トランジスタ15が構成されている。
【0015】
次に、走査ラインの接続パッド形成領域について説明する。走査ラインの接続パッド16は、下から順に、Al層16a、Al層16b、Cr層16c、ITO層16dの4層構造となっている。すなわち、ゲート絶縁膜3の上面の所定の箇所にはAl層16aが設けられている。この場合、Al層16aは走査ラインに接続されている。
【0016】
Al層16a上における層間絶縁膜5にはコンタクトホール17が設けられている。コンタクトホール17内およびその近傍の層間絶縁膜5の上面の所定の箇所にはAl層16bおよびCr層16cが島状に設けられている。Cr層16c上におけるオーバーコート膜10にはコンタクトホール18が設けられている。コンタクトホール18内およびその近傍のオーバーコート膜10の上面の所定の箇所にはITO層16dが島状に設けられている。
【0017】
次に、データラインの接続パッド形成領域について説明する。データラインの接続パッド19は、下から順に、Al層19a、Cr層19b、ITO層19cの3層構造となっている。すなわち、層間絶縁膜10の上面の所定の箇所にはAl層19aおよびCr層19bが島状に設けられている。Cr層19b上におけるオーバーコート膜10にはコンタクトホール20が設けられている。コンタクトホール20内およびその近傍のオーバーコート膜10の上面の所定の箇所にはITO層19cが設けられている。この場合、ITO層19cはデータライン14に接続されている。
【0018】
ここで、上述の如く、ゲート電極4と接続パッド16のAl層16aとを接続する走査ラインは、ゲート絶縁膜3上に設けられている。一方、ドレイン電極9と接続パッド19のITO層19cとを接続するデータライン14は、オーバーコート膜10上に設けられている。したがって、走査ラインとデータライン14とをマトリクス状に配置しても、両ラインがショートすることはない。
【0019】
次に、上記構成の薄膜トランジスタパネルの製造方法の一例について説明する。まず、図2に示すように、ガラス基板1の上面にプラズマCVD法によりアモルファスシリコン薄膜21を成膜する。次に、エキシマレーザを照射することにより、アモルファスシリコン薄膜21を多結晶化し、ポリシリコン薄膜22とする。次に、ポリシリコン薄膜22をパターニングすることにより、ガラス基板1の上面の所定の箇所にポリシリコン薄膜2を島状に形成する。
【0020】
次に、図3に示すように、ポリシリコン薄膜2を含むガラス基板1の上面にプラズマCVD法により酸化シリコンからなるゲート絶縁膜3を成膜する。次に、ゲート絶縁膜3の上面の各所定の箇所に、スパッタ法により成膜されたAl層をパターニングすることにより、ゲート電極4、Al層16aおよびゲート電極4とAl層16aとを接続する走査ライン(図示せず)を形成する。
【0021】
次に、ゲート電極4をマスクとしてn型不純物を注入する。すると、ポリシリコン薄膜2のゲート電極4下の領域は真性領域からなるチャネル領域2aとなり、その両側はn型不純物注入領域からなるソース領域2bおよびドレイン領域2cとなる。
【0022】
次に、図4に示すように、ゲート電極4およびAl層16a等を含むゲート絶縁膜3の上面にプラズマCVD法により窒化シリコンからなる層間絶縁膜5を成膜する。次に、フォトリソグラフィ法により、ポリシリコン薄膜2のソース領域2bおよびドレイン領域2c上における層間絶縁膜5およびゲート絶縁膜3にコンタクトホール6、7を形成する。次に、フォトリソグラフィ法により、Al層16a上における層間絶縁膜5にコンタクトホール17を形成する。
【0023】
次に、図5に示すように、各コンタクトホール6、7、17内を含む層間絶縁膜5の上面の各所定の箇所に、スパッタ法により連続して成膜されたAl層およびCr層を連続してパターニングすることにより、Al層8aとCr層8bとからなる2層構造のソース電極8を島状に形成し、またAl層9aとCr層9bとからなる2層構造のドレイン電極9を島状に形成し、またAl層16a上にAl層16bおよびCr層16cを島状に形成し、さらにデータラインの接続パッド形成領域にAl層19aおよびCr層19bを島状に形成する。
【0024】
次に、ソース電極8およびドレイン電極9等を含む層間絶縁膜5の上面にプラズマCVD法により窒化シリコンからなるオーバーコート膜10を成膜する。次に、350〜550℃の温度で熱処理を行なうと、図6に示すように、Cr層8b、9b、16c、19b上におけるオーバーコート膜10が選択的に除去され、コンタクトホール11、12、18、20が形成される。
【0025】
ここで、熱処理によりオーバーコート膜10が選択的に除去される理由について説明する。まず、一般論として、下層金属層(上記実施形態の場合、Al層8a、9a、16b、19a)は、薄膜での内部応力が比較的小さく、且つ、下層絶縁膜(上記実施形態の場合、窒化シリコンからなる層間絶縁膜5)との密着性が強くて、上層金属層(上記実施形態の場合、Cr層8b、9b、16c、19b)が応力変形しても上層金属層との強い密着性を維持することができるように、硬度が比較的小さいつまり比較的柔らかい金属からなり、応力緩衝層としての役割を担う。
【0026】
一方、上層金属層(上記実施形態の場合、Cr層8b、9b、16c、19b)は、薄膜での内部応力が比較的大きく、上層絶縁膜(上記実施形態の場合、窒化シリコンからなるオーバーコート膜10)と応力の方向が逆になる金属からなり、応力作用層としての役割を担う。上記実施形態の場合、Cr層8b、9b、16c、19bは引っ張り応力となり、窒化シリコンからなるオーバーコート膜10は圧縮応力となる。
【0027】
そして、上記実施形態において、350〜550℃の温度で熱処理を行なうと、主として窒化シリコンからなる層間絶縁膜5との密着性が強いAl層8a、9a、16b、19aが応力緩衝層としての役割を担いながら、Cr層8b、9b、16c、19bに引っ張り応力が生じ、窒化シリコンからなるオーバーコート膜10に圧縮応力が生じ、この応力差により、図6に示すように、Cr層8b、9b、16c、19b上におけるオーバーコート膜10が選択的に除去され、コンタクトホール11、12、18、20が形成される。
【0028】
次に、図1に示すように、コンタクトホール11、12、18、20内を含むオーバーコート膜10の上面の各所定の箇所に、スパッタ法により成膜されたITO層をパターニングすることにより、画素電極13をコンタクトホール11を介してCr層8bに接続させて形成し、またデータライン14をコンタクトホール12を介してCr層9bに接続させて形成し、またCr層16c上にITO層16dを島状に形成し、さらにCr層19b上にITO層19cをデータライン14に接続させて形成する。かくして、図1に示す薄膜トランジスタパネルが得られる。
【0029】
以上のように、上記製造方法では、図6に示すように、熱処理により、Cr層8b、9b、16c、19b上におけるオーバーコート膜10を選択的に除去してコンタクトホール11、12、18、20を形成しているので、フォトリソグラフィ法によりコンタクトホールを形成する場合と比較して、製造工程数を少なくすることができる。ちなみに、上記製造方法において、コンタクトホールを形成するためのフォトリソグラフィ工程は、コンタクトホール6、7を形成するためと、コンタクトホール17を形成するための2回である。
【0030】
(第2実施形態)
図7はこの発明の第2実施形態としての製造方法により製造された薄膜トランジスタパネルの図1同様の断面図を示す。図7において、図1に示す第1実施形態の場合と大きく異なる点は、ゲート電極4をAl層4aとCr層4bとからなる2層構造とし、ソース電極8およびドレイン電極9をCr層の1層構造とした点である。
【0031】
次に、この第2実施形態の薄膜トランジスタパネルの製造方法の一例について説明する。まず、図2に示す製造工程を経た後に、図8に示すように、ポリシリコン薄膜2を含むガラス基板1の上面にプラズマCVD法により酸化シリコンからなるゲート絶縁膜3を成膜する。次に、ゲート絶縁膜3の上面の各所定の箇所に、スパッタ法により連続して成膜されたAl層およびCr層を連続してパターニングすることにより、Al層4aとCr層4bとからなる2層構造のゲート電極4を島状に形成し、また走査ラインの接続パッド形成領域にAl層16aおよびCr層16bを島状に形成する。
【0032】
次に、ゲート電極4をマスクとしてn型不純物を注入する。すると、ポリシリコン薄膜2のゲート電極4下の領域は真性領域からなるチャネル領域2aとなり、その両側はn型不純物注入領域からなるソース領域2bおよびドレイン領域2cとなる。
【0033】
次に、図9に示すように、ゲート電極4およびCr層16bを含むゲート絶縁膜3の上面にプラズマCVD法により窒化シリコンからなる層間絶縁膜5を成膜する。次に、350〜550℃の温度で熱処理を行なうと、上記第1実施形態の場合と同様な理由により、図10に示すように、Cr層4b、16b上における層間絶縁膜5が選択的に除去され、コンタクトホール31、17が形成される。
【0034】
次に、図11に示すように、フォトリソグラフィ法により、ポリシリコン薄膜2のソース領域2bおよびドレイン領域2c上における層間絶縁膜5およびゲート絶縁膜3にコンタクトホール6、7を形成する。
【0035】
次に、図7に示すように、各コンタクトホール31、6、7、17内を含む層間絶縁膜5の上面の各所定の箇所に、スパッタ法により成膜されたCr層をパターニングすることにより、Cr層4b上に中継電極32を島状に形成し、またソース電極8を島状に形成し、またCr層16b上にCr層16cを島状に形成し、またドレイン電極9を形成し、またデータラインの接続パッド形成領域にCr層19aを形成し、さらにドレイン電極9とCr層19aとを接続するデータライン(図示せず)を形成する。
【0036】
次に、ソース電極8およびドレイン電極9等を含む層間絶縁膜5の上面にプラズマCVD法により窒化シリコンからなるオーバーコート膜10を成膜する。次に、フォトリソグラフィ法により、中継電極32、ソース電極8およびCr層16c、19a上におけるオーバーコート膜10にコンタクトホール33、11、18、20を形成する。
【0037】
次に、コンタクトホール33、11、18、20内を含むオーバーコート膜10の上面の各所定の箇所に、スパッタ法により成膜されたITO層をパターニングすることにより、走査ライン34をコンタクトホール33を介して中継電極32に接続させて形成し、また画素電極13をコンタクトホール11を介してソース電極8に接続させて形成し、またCr層16c上にITO層16dを走査ライン34に接続させて形成し、さらにCr層19a上にITO層19bを島状に形成する。かくして、図7に示す薄膜トランジスタパネルが得られる。
【0038】
以上のように、上記製造方法では、図10に示すように、熱処理により、Cr層4b、16b上における層間絶縁膜5を選択的に除去してコンタクトホール31、17を形成しているので、フォトリソグラフィ法によりコンタクトホールを形成する場合と比較して、製造工程数を少なくすることができる。ちなみに、上記製造方法において、コンタクトホールを形成するためのフォトリソグラフィ工程は、コンタクトホール6、7を形成するためと、コンタクトホール33、11、18、20を形成するための2回である。
【0039】
ここで、上述の如く、ゲート電極4上の中継電極32と接続パッド16のITO層16dとを接続する走査ライン34は、オーバーコート膜10上に設けられている。一方、ドレイン電極9と接続パッド19のCr層19aとを接続するデータラインは、層間絶縁膜5上に設けられている。したがって、走査ライン34とデータラインとをマトリクス状に配置しても、両ラインがショートすることはない。
【0040】
(第3実施形態)
図12はこの発明の第3実施形態としての製造方法により製造された薄膜トランジスタパネルの図1同様の断面図を示す。図12において、図1および図7に示す第1および第2実施形態の場合と異なる点は、中継電極32をAl層32aとCr層32bとからなる2層構造とし、走査ラインの接続パッド16をAl層16a、Cr層16b、Al層16c、Cr層16d、ITO層16eの5層構造とした点である。
【0041】
この場合の製造方法は、上記第1および第2実施形態の各製造方法から容易に理解し得るので、簡単に説明する。コンタクトホール6、7は、フォトリソグラフィ法により形成する。コンタクトホール31、17は、熱処理により形成する。コンタクトホール33、11、12、18、20は、熱処理により形成する。したがって、この場合、コンタクトホールを形成するためのフォトリソグラフィ工程が1回であり、熱処理工程が2回であり、製造工程数をさらに少なくすることができる。
【0042】
ところで、図12に示す場合には、ゲート電極4上の中継電極32と接続パッド16のITO層16dとを接続する走査ライン34は、オーバーコート膜10上に設けられている。一方、ドレイン電極9と接続パッド19のCr層19cとを接続するデータライン14も、オーバーコート膜10上に設けられている。したがって、この場合には、走査ライン34とデータライン14とをマトリクス状に配置しない構造とする。
【0043】
(その他の実施形態)
なお、図1および図12において、データラインの接続パッド19は、オーバーコート膜10の上面に設けられたITO層19cのみによって形成してもよい。また、図7および図12において、走査ラインの接続パッド16は、オーバーコート膜10の上面に設けられたITO層16d、16eのみによって形成してもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、熱処理により最上層の金属層上における上層絶縁膜を選択的に除去してコンタクトホールを形成しているので、フォトリソグラフィ法によりコンタクトホールを形成する場合と比較して、製造工程数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態としての製造方法により製造された薄膜トランジスタパネルの要部の断面図。
【図2】図1に示す液晶表示素子の製造に際し、当初の工程の断面図。
【図3】図2に続く工程の断面図。
【図4】図3に続く工程の断面図。
【図5】図4に続く工程の断面図。
【図6】図5に続く工程の断面図。
【図7】この発明の第2実施形態としての製造方法により製造された薄膜トランジスタパネルの要部の断面図。
【図8】図7に示す液晶表示素子の製造に際し、所定の工程の断面図。
【図9】図8に続く工程の断面図。
【図10】図9に続く工程の断面図。
【図11】図10に続く工程の断面図。
【図12】この発明の第3実施形態としての製造方法により製造された薄膜トランジスタパネルの要部の断面図。
【符号の説明】
1 ガラス基板
2 ポリシリコン薄膜
3 ゲート絶縁膜
4 ゲート電極
5 層間絶縁膜
6、7 コンタクトホール
8 ソース電極
9 ドレイン電極
10 オーバーコート膜
11、12 コンタクトホール
13 画素電極
14 データライン
15 薄膜トランジスタ
16 接続パッド
17、18 コンタクトホール
19 接続パッド
20 コンタクトホール
31、33 コンタクトホール
32 中継電極
33 走査ライン
【発明の属する技術分野】
この発明は半導体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体素子の1つである薄膜トランジスタを備えたアクティブマトリクス型の液晶表示装置における薄膜トランジスタパネルには、基板上に走査ラインおよびデータラインがマトリクス状に設けられ、その各交点近傍にスイッチング素子としての薄膜トランジスタが両ラインに接続されて設けられ、それらの上に画素電極が薄膜トランジスタに接続されて設けられたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平1−156725号公報(第1図、第4図)
【0004】
すなわち、特許文献1に記載の薄膜トランジスタパネルでは、基板上に半導体薄膜が設けられ、その上にゲート絶縁膜が設けられ、その上にゲート電極を含む走査ラインが設けられ、その上に層間絶縁膜が設けられ、その上にデータラインが半導体薄膜のドレイン領域に接続されて設けられ、その上にオーバーコート膜が設けられ、その上に画素電極が半導体薄膜のソース領域に接続されて設けられている。
【0005】
この場合、データラインは、その下の層間絶縁膜およびゲート絶縁膜にフォトリソグラフィ法により形成されたコンタクトホールを介して半導体薄膜のドレイン領域に接続されている。また、画素電極は、その下のオーバーコート膜、層間絶縁膜およびゲート絶縁膜にフォトリソグラフィ法により形成されたコンタクトホールを介して半導体薄膜のソース領域に接続されている。さらに、例えば走査ラインの接続パッド部を露出させるため、少なくとも層間絶縁膜にフォトリソグラフィ法によりコンタクトホールを形成する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、特許文献1に記載の薄膜トランジスタパネルでは、コンタクトホールを形成するためのフォトリソグラフィ工程が少なくとも3回であるため、どちらかと言えば製造工程数が多いという問題があった。
そこで、この発明は、製造工程数を少なくすることができる半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して半導体薄膜に接続される配線を有する半導体素子の製造方法において、前記絶縁膜の上面に複数の金属層を少なくとも最上層の金属層が島状となるように積層して形成する工程と、前記積層金属層を含む前記絶縁膜の上面に上層絶縁膜を形成する工程と、熱処理により前記積層金属層の最上層の金属層上における前記上層絶縁膜を選択的に除去して前記最上層の金属層に配線を接続するためのコンタクトホールを形成する工程とを有し、前記最上層の金属層は前記上層絶縁膜と応力の方向が逆になる金属からなることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記最上層の金属層はCrからなり、前記上層絶縁膜は窒化シリコンからなることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記積層金属層の最下層の金属層はAlからなることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記熱処理は350〜550℃の温度で行なうことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記積層金属層は薄膜トランジスタのソース電極およびドレイン電極であり、これらの電極上における前記上層絶縁膜を除去してコンタクトホールを形成することを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記上層絶縁膜の上面に画素電極を一方の前記コンタクトホールを介して前記ソース電極に接続させて形成することを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記上層絶縁膜の上面に前記画素電極と同一の材料によってデータラインを他方の前記コンタクトホールを介して前記ドレイン電極に接続させて形成することを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記積層金属層は薄膜トランジスタのゲート電極であり、該ゲート電極上における前記上層絶縁膜を除去してコンタクトホールを形成することを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記上層絶縁膜の上面に画素電極を前記薄膜トランジスタのソース電極に接続させて形成することを特徴とするものである。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記上層絶縁膜の上面に前記画素電極と同一の材料によって走査ラインを前記コンタクトホールを介して前記ゲート電極に接続させて形成することを特徴とするものである。
そして、この発明によれば、熱処理により最上層の金属層上における上層絶縁膜を選択的に除去してコンタクトホールを形成しているので、フォトリソグラフィ法によりコンタクトホールを形成する場合と比較して、製造工程数を少なくすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1はこの発明の第1実施形態としての製造方法により製造された薄膜トランジスタパネルの要部の断面図を示す。この場合、図1において、右側は薄膜トランジスタ等形成領域であり、その左側は走査ラインの接続パッド形成領域であり、その左側はデータラインの接続パッド形成領域である。
【0009】
まず、薄膜トランジスタ等形成領域について説明する。ガラス基板1の上面の所定の箇所にはポリシリコン薄膜(半導体薄膜)2が設けられている。ポリシリコン薄膜2のほぼ中央部は真性領域からなるチャネル領域2aとされ、その両側はn型不純物注入領域からなるソース領域2bおよびドレイン領域2cとされている。
【0010】
ポリシリコン薄膜2を含むガラス基板1の上面には酸化シリコンからなるゲート絶縁膜3が設けられている。チャネル領域2a上におけるゲート絶縁膜3の上面の所定の箇所にはAlからなるゲート電極4が設けられている。また、ゲート絶縁膜3の上面の所定の箇所にはAlからなる走査ライン(図示せず)がゲート電極4に接続されて設けられている。ゲート電極4および走査ラインを含むゲート絶縁膜3の上面には窒化シリコンからなる層間絶縁膜5が設けられている。
【0011】
ポリシリコン薄膜7のソース領域2bおよびドレイン領域2c上における層間絶縁膜5およびゲート絶縁膜3にはコンタクトホール6、7が設けられている。各コンタクトホール6、7内およびその各近傍の層間絶縁膜5の上面の各所定の箇所にはソース電極8およびドレイン電極9が島状に設けられている。この場合、ソース電極8およびドレイン電極9はAl層8a、9aおよびCr層8b、9bの2層構造となっている。ここで、島状とは、他の要素とは物理的および電気的に分離されているという意味合いであり、以下において、同様の定義で用いられる。
【0012】
ソース電極8およびドレイン電極9を含む層間絶縁膜5の上面には窒化シリコンからなるオーバーコート膜10が設けられている。ソース電極8およびドレイン電極9上におけるオーバーコート膜10にはコンタクトホール11、12が設けられている。
【0013】
オーバーコート膜10の上面の所定の箇所にはITOからなる画素電極13がコンタクトホール11を介してソース電極8に接続されて設けられている。また、オーバーコート膜10の上面の他の所定の箇所にはITOからなるデータライン14がコンタクトホール12を介してドレイン電極9に接続されて設けられている。
【0014】
そして、ポリシリコン薄膜2、ゲート絶縁膜3、ゲート電極4、層間絶縁膜5、コンタクトホール6、7、ソース電極8およびドレイン電極9により、薄膜トランジスタ15が構成されている。
【0015】
次に、走査ラインの接続パッド形成領域について説明する。走査ラインの接続パッド16は、下から順に、Al層16a、Al層16b、Cr層16c、ITO層16dの4層構造となっている。すなわち、ゲート絶縁膜3の上面の所定の箇所にはAl層16aが設けられている。この場合、Al層16aは走査ラインに接続されている。
【0016】
Al層16a上における層間絶縁膜5にはコンタクトホール17が設けられている。コンタクトホール17内およびその近傍の層間絶縁膜5の上面の所定の箇所にはAl層16bおよびCr層16cが島状に設けられている。Cr層16c上におけるオーバーコート膜10にはコンタクトホール18が設けられている。コンタクトホール18内およびその近傍のオーバーコート膜10の上面の所定の箇所にはITO層16dが島状に設けられている。
【0017】
次に、データラインの接続パッド形成領域について説明する。データラインの接続パッド19は、下から順に、Al層19a、Cr層19b、ITO層19cの3層構造となっている。すなわち、層間絶縁膜10の上面の所定の箇所にはAl層19aおよびCr層19bが島状に設けられている。Cr層19b上におけるオーバーコート膜10にはコンタクトホール20が設けられている。コンタクトホール20内およびその近傍のオーバーコート膜10の上面の所定の箇所にはITO層19cが設けられている。この場合、ITO層19cはデータライン14に接続されている。
【0018】
ここで、上述の如く、ゲート電極4と接続パッド16のAl層16aとを接続する走査ラインは、ゲート絶縁膜3上に設けられている。一方、ドレイン電極9と接続パッド19のITO層19cとを接続するデータライン14は、オーバーコート膜10上に設けられている。したがって、走査ラインとデータライン14とをマトリクス状に配置しても、両ラインがショートすることはない。
【0019】
次に、上記構成の薄膜トランジスタパネルの製造方法の一例について説明する。まず、図2に示すように、ガラス基板1の上面にプラズマCVD法によりアモルファスシリコン薄膜21を成膜する。次に、エキシマレーザを照射することにより、アモルファスシリコン薄膜21を多結晶化し、ポリシリコン薄膜22とする。次に、ポリシリコン薄膜22をパターニングすることにより、ガラス基板1の上面の所定の箇所にポリシリコン薄膜2を島状に形成する。
【0020】
次に、図3に示すように、ポリシリコン薄膜2を含むガラス基板1の上面にプラズマCVD法により酸化シリコンからなるゲート絶縁膜3を成膜する。次に、ゲート絶縁膜3の上面の各所定の箇所に、スパッタ法により成膜されたAl層をパターニングすることにより、ゲート電極4、Al層16aおよびゲート電極4とAl層16aとを接続する走査ライン(図示せず)を形成する。
【0021】
次に、ゲート電極4をマスクとしてn型不純物を注入する。すると、ポリシリコン薄膜2のゲート電極4下の領域は真性領域からなるチャネル領域2aとなり、その両側はn型不純物注入領域からなるソース領域2bおよびドレイン領域2cとなる。
【0022】
次に、図4に示すように、ゲート電極4およびAl層16a等を含むゲート絶縁膜3の上面にプラズマCVD法により窒化シリコンからなる層間絶縁膜5を成膜する。次に、フォトリソグラフィ法により、ポリシリコン薄膜2のソース領域2bおよびドレイン領域2c上における層間絶縁膜5およびゲート絶縁膜3にコンタクトホール6、7を形成する。次に、フォトリソグラフィ法により、Al層16a上における層間絶縁膜5にコンタクトホール17を形成する。
【0023】
次に、図5に示すように、各コンタクトホール6、7、17内を含む層間絶縁膜5の上面の各所定の箇所に、スパッタ法により連続して成膜されたAl層およびCr層を連続してパターニングすることにより、Al層8aとCr層8bとからなる2層構造のソース電極8を島状に形成し、またAl層9aとCr層9bとからなる2層構造のドレイン電極9を島状に形成し、またAl層16a上にAl層16bおよびCr層16cを島状に形成し、さらにデータラインの接続パッド形成領域にAl層19aおよびCr層19bを島状に形成する。
【0024】
次に、ソース電極8およびドレイン電極9等を含む層間絶縁膜5の上面にプラズマCVD法により窒化シリコンからなるオーバーコート膜10を成膜する。次に、350〜550℃の温度で熱処理を行なうと、図6に示すように、Cr層8b、9b、16c、19b上におけるオーバーコート膜10が選択的に除去され、コンタクトホール11、12、18、20が形成される。
【0025】
ここで、熱処理によりオーバーコート膜10が選択的に除去される理由について説明する。まず、一般論として、下層金属層(上記実施形態の場合、Al層8a、9a、16b、19a)は、薄膜での内部応力が比較的小さく、且つ、下層絶縁膜(上記実施形態の場合、窒化シリコンからなる層間絶縁膜5)との密着性が強くて、上層金属層(上記実施形態の場合、Cr層8b、9b、16c、19b)が応力変形しても上層金属層との強い密着性を維持することができるように、硬度が比較的小さいつまり比較的柔らかい金属からなり、応力緩衝層としての役割を担う。
【0026】
一方、上層金属層(上記実施形態の場合、Cr層8b、9b、16c、19b)は、薄膜での内部応力が比較的大きく、上層絶縁膜(上記実施形態の場合、窒化シリコンからなるオーバーコート膜10)と応力の方向が逆になる金属からなり、応力作用層としての役割を担う。上記実施形態の場合、Cr層8b、9b、16c、19bは引っ張り応力となり、窒化シリコンからなるオーバーコート膜10は圧縮応力となる。
【0027】
そして、上記実施形態において、350〜550℃の温度で熱処理を行なうと、主として窒化シリコンからなる層間絶縁膜5との密着性が強いAl層8a、9a、16b、19aが応力緩衝層としての役割を担いながら、Cr層8b、9b、16c、19bに引っ張り応力が生じ、窒化シリコンからなるオーバーコート膜10に圧縮応力が生じ、この応力差により、図6に示すように、Cr層8b、9b、16c、19b上におけるオーバーコート膜10が選択的に除去され、コンタクトホール11、12、18、20が形成される。
【0028】
次に、図1に示すように、コンタクトホール11、12、18、20内を含むオーバーコート膜10の上面の各所定の箇所に、スパッタ法により成膜されたITO層をパターニングすることにより、画素電極13をコンタクトホール11を介してCr層8bに接続させて形成し、またデータライン14をコンタクトホール12を介してCr層9bに接続させて形成し、またCr層16c上にITO層16dを島状に形成し、さらにCr層19b上にITO層19cをデータライン14に接続させて形成する。かくして、図1に示す薄膜トランジスタパネルが得られる。
【0029】
以上のように、上記製造方法では、図6に示すように、熱処理により、Cr層8b、9b、16c、19b上におけるオーバーコート膜10を選択的に除去してコンタクトホール11、12、18、20を形成しているので、フォトリソグラフィ法によりコンタクトホールを形成する場合と比較して、製造工程数を少なくすることができる。ちなみに、上記製造方法において、コンタクトホールを形成するためのフォトリソグラフィ工程は、コンタクトホール6、7を形成するためと、コンタクトホール17を形成するための2回である。
【0030】
(第2実施形態)
図7はこの発明の第2実施形態としての製造方法により製造された薄膜トランジスタパネルの図1同様の断面図を示す。図7において、図1に示す第1実施形態の場合と大きく異なる点は、ゲート電極4をAl層4aとCr層4bとからなる2層構造とし、ソース電極8およびドレイン電極9をCr層の1層構造とした点である。
【0031】
次に、この第2実施形態の薄膜トランジスタパネルの製造方法の一例について説明する。まず、図2に示す製造工程を経た後に、図8に示すように、ポリシリコン薄膜2を含むガラス基板1の上面にプラズマCVD法により酸化シリコンからなるゲート絶縁膜3を成膜する。次に、ゲート絶縁膜3の上面の各所定の箇所に、スパッタ法により連続して成膜されたAl層およびCr層を連続してパターニングすることにより、Al層4aとCr層4bとからなる2層構造のゲート電極4を島状に形成し、また走査ラインの接続パッド形成領域にAl層16aおよびCr層16bを島状に形成する。
【0032】
次に、ゲート電極4をマスクとしてn型不純物を注入する。すると、ポリシリコン薄膜2のゲート電極4下の領域は真性領域からなるチャネル領域2aとなり、その両側はn型不純物注入領域からなるソース領域2bおよびドレイン領域2cとなる。
【0033】
次に、図9に示すように、ゲート電極4およびCr層16bを含むゲート絶縁膜3の上面にプラズマCVD法により窒化シリコンからなる層間絶縁膜5を成膜する。次に、350〜550℃の温度で熱処理を行なうと、上記第1実施形態の場合と同様な理由により、図10に示すように、Cr層4b、16b上における層間絶縁膜5が選択的に除去され、コンタクトホール31、17が形成される。
【0034】
次に、図11に示すように、フォトリソグラフィ法により、ポリシリコン薄膜2のソース領域2bおよびドレイン領域2c上における層間絶縁膜5およびゲート絶縁膜3にコンタクトホール6、7を形成する。
【0035】
次に、図7に示すように、各コンタクトホール31、6、7、17内を含む層間絶縁膜5の上面の各所定の箇所に、スパッタ法により成膜されたCr層をパターニングすることにより、Cr層4b上に中継電極32を島状に形成し、またソース電極8を島状に形成し、またCr層16b上にCr層16cを島状に形成し、またドレイン電極9を形成し、またデータラインの接続パッド形成領域にCr層19aを形成し、さらにドレイン電極9とCr層19aとを接続するデータライン(図示せず)を形成する。
【0036】
次に、ソース電極8およびドレイン電極9等を含む層間絶縁膜5の上面にプラズマCVD法により窒化シリコンからなるオーバーコート膜10を成膜する。次に、フォトリソグラフィ法により、中継電極32、ソース電極8およびCr層16c、19a上におけるオーバーコート膜10にコンタクトホール33、11、18、20を形成する。
【0037】
次に、コンタクトホール33、11、18、20内を含むオーバーコート膜10の上面の各所定の箇所に、スパッタ法により成膜されたITO層をパターニングすることにより、走査ライン34をコンタクトホール33を介して中継電極32に接続させて形成し、また画素電極13をコンタクトホール11を介してソース電極8に接続させて形成し、またCr層16c上にITO層16dを走査ライン34に接続させて形成し、さらにCr層19a上にITO層19bを島状に形成する。かくして、図7に示す薄膜トランジスタパネルが得られる。
【0038】
以上のように、上記製造方法では、図10に示すように、熱処理により、Cr層4b、16b上における層間絶縁膜5を選択的に除去してコンタクトホール31、17を形成しているので、フォトリソグラフィ法によりコンタクトホールを形成する場合と比較して、製造工程数を少なくすることができる。ちなみに、上記製造方法において、コンタクトホールを形成するためのフォトリソグラフィ工程は、コンタクトホール6、7を形成するためと、コンタクトホール33、11、18、20を形成するための2回である。
【0039】
ここで、上述の如く、ゲート電極4上の中継電極32と接続パッド16のITO層16dとを接続する走査ライン34は、オーバーコート膜10上に設けられている。一方、ドレイン電極9と接続パッド19のCr層19aとを接続するデータラインは、層間絶縁膜5上に設けられている。したがって、走査ライン34とデータラインとをマトリクス状に配置しても、両ラインがショートすることはない。
【0040】
(第3実施形態)
図12はこの発明の第3実施形態としての製造方法により製造された薄膜トランジスタパネルの図1同様の断面図を示す。図12において、図1および図7に示す第1および第2実施形態の場合と異なる点は、中継電極32をAl層32aとCr層32bとからなる2層構造とし、走査ラインの接続パッド16をAl層16a、Cr層16b、Al層16c、Cr層16d、ITO層16eの5層構造とした点である。
【0041】
この場合の製造方法は、上記第1および第2実施形態の各製造方法から容易に理解し得るので、簡単に説明する。コンタクトホール6、7は、フォトリソグラフィ法により形成する。コンタクトホール31、17は、熱処理により形成する。コンタクトホール33、11、12、18、20は、熱処理により形成する。したがって、この場合、コンタクトホールを形成するためのフォトリソグラフィ工程が1回であり、熱処理工程が2回であり、製造工程数をさらに少なくすることができる。
【0042】
ところで、図12に示す場合には、ゲート電極4上の中継電極32と接続パッド16のITO層16dとを接続する走査ライン34は、オーバーコート膜10上に設けられている。一方、ドレイン電極9と接続パッド19のCr層19cとを接続するデータライン14も、オーバーコート膜10上に設けられている。したがって、この場合には、走査ライン34とデータライン14とをマトリクス状に配置しない構造とする。
【0043】
(その他の実施形態)
なお、図1および図12において、データラインの接続パッド19は、オーバーコート膜10の上面に設けられたITO層19cのみによって形成してもよい。また、図7および図12において、走査ラインの接続パッド16は、オーバーコート膜10の上面に設けられたITO層16d、16eのみによって形成してもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、熱処理により最上層の金属層上における上層絶縁膜を選択的に除去してコンタクトホールを形成しているので、フォトリソグラフィ法によりコンタクトホールを形成する場合と比較して、製造工程数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態としての製造方法により製造された薄膜トランジスタパネルの要部の断面図。
【図2】図1に示す液晶表示素子の製造に際し、当初の工程の断面図。
【図3】図2に続く工程の断面図。
【図4】図3に続く工程の断面図。
【図5】図4に続く工程の断面図。
【図6】図5に続く工程の断面図。
【図7】この発明の第2実施形態としての製造方法により製造された薄膜トランジスタパネルの要部の断面図。
【図8】図7に示す液晶表示素子の製造に際し、所定の工程の断面図。
【図9】図8に続く工程の断面図。
【図10】図9に続く工程の断面図。
【図11】図10に続く工程の断面図。
【図12】この発明の第3実施形態としての製造方法により製造された薄膜トランジスタパネルの要部の断面図。
【符号の説明】
1 ガラス基板
2 ポリシリコン薄膜
3 ゲート絶縁膜
4 ゲート電極
5 層間絶縁膜
6、7 コンタクトホール
8 ソース電極
9 ドレイン電極
10 オーバーコート膜
11、12 コンタクトホール
13 画素電極
14 データライン
15 薄膜トランジスタ
16 接続パッド
17、18 コンタクトホール
19 接続パッド
20 コンタクトホール
31、33 コンタクトホール
32 中継電極
33 走査ライン
Claims (10)
- 絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して半導体薄膜に接続される配線を有する半導体素子の製造方法において、前記絶縁膜の上面に複数の金属層を少なくとも最上層の金属層が島状となるように積層して形成する工程と、前記積層金属層を含む前記絶縁膜の上面に上層絶縁膜を形成する工程と、熱処理により前記積層金属層の最上層の金属層上における前記上層絶縁膜を選択的に除去して前記最上層の金属層に配線を接続するためのコンタクトホールを形成する工程とを有し、前記最上層の金属層は前記上層絶縁膜と応力の方向が逆になる金属からなることを特徴とする半導体素子の製造方法。
- 請求項1に記載の発明において、前記最上層の金属層はCrからなり、前記上層絶縁膜は窒化シリコンからなることを特徴とする半導体素子の製造方法。
- 請求項2に記載の発明において、前記積層金属層の最下層の金属層はAlからなることを特徴とする半導体素子の製造方法。
- 請求項2に記載の発明において、前記熱処理は350〜550℃の温度で行なうことを特徴とする半導体素子の製造方法。
- 請求項1に記載の発明において、前記積層金属層は薄膜トランジスタのソース電極およびドレイン電極であり、これらの電極上における前記上層絶縁膜を除去してコンタクトホールを形成することを特徴とする半導体素子の製造方法。
- 請求項5に記載の発明において、前記上層絶縁膜の上面に画素電極を一方の前記コンタクトホールを介して前記ソース電極に接続させて形成することを特徴とする半導体素子の製造方法。
- 請求項6に記載の発明において、前記上層絶縁膜の上面に前記画素電極と同一の材料によってデータラインを他方の前記コンタクトホールを介して前記ドレイン電極に接続させて形成することを特徴とする半導体素子の製造方法。
- 請求項1に記載の発明において、前記積層金属層は薄膜トランジスタのゲート電極であり、該ゲート電極上における前記上層絶縁膜を除去してコンタクトホールを形成することを特徴とする半導体素子の製造方法。
- 請求項8に記載の発明において、前記上層絶縁膜の上面に画素電極を前記薄膜トランジスタのソース電極に接続させて形成することを特徴とする半導体素子の製造方法。
- 請求項9に記載の発明において、前記上層絶縁膜の上面に前記画素電極と同一の材料によって走査ラインを前記コンタクトホールを介して前記ゲート電極に接続させて形成することを特徴とする半導体素子の製造方法。
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