JP2004296492A - 熱処理装置 - Google Patents

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Sadao Nakajima
定夫 中嶋
Naoto Nakamura
直人 中村
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Abstract

【課題】熱処理時に発生する基板の反りの問題を解決し、高品質な半導体装置や基板を製造することができる熱処理装置を提供する。
【解決手段】基板を支持する支持部58は、シリコン製の支持部本体64に第1のコーティング膜66と第2のコーティング膜68とが形成され、この第1のコーティング膜66と第2のコーティング膜68とは熱膨張量に差がある。第1のコーティング膜66と第2のコーティング膜68は、膜厚に差があり、材料が異なり、又は層構造が異なる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハやガラス基板等を熱処理するための熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板を熱処理する場合、基板を基板支持体(ボート)に支持した状態で行う。
この種の基板支持体の一つとして、垂直に配置された複数の支柱を有し、この支柱には垂直方向で等間隔に支持部が形成され、この支持部に基板を水平方向で支持するようにしたものが知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−250787号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】基板支持体の支柱は、炭化珪素、珪素又は石英から構成されている。この基板支持体の支持部にシリコン製の基板を支持した状態で、例えば1100°C以上の温度で熱処理すると、基板の支持部と接触する領域で、該基板にはスリップラインが発生し、基板が反ってしまう問題があった。反りの発生により、基板裏面の平坦度が劣化する。これらのため、例えばLSI製造工程の重要な一工程であるリソグラフィ工程で、マスク合わせずれ(焦点ずれ又は変形による合わせずれ)が生じ、所望パターンを有するLSIデバイスの製造が困難であるといった問題が発生していた。
【0006】原因は次のように考えられる。
基板は支持部に、微視的には限られた点(通常は3点)で支持される。600°C〜1000°C以上で加熱した反応炉内では、基板と支持部とで溶着が起こる。その後の温度上昇時に基板及び支持部は熱膨張するが、それぞれの熱膨張量が異なるため、該溶着点で大きな応力が発生し、この値が単結晶基板の降伏応力を超えると、該溶着点から転位が発生し、更にはこの転位からスリップラインが成長すると考えられる。また、降温時には、基板及び支持部は収縮するが、それぞれの収縮量が異なるため、前述した溶着部分から転位が発生し、更にはこの転位からスリップラインが成長し、最終的には基板が反ってしまう。
【0007】そこで、本発明は、熱処理時に発生する基板の反りの問題を解決し、高品質な半導体装置や基板を製造することができる熱処理装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明の特徴とするところは、基板を基板支持体に支持した状態で熱処理する熱処理装置において、前記基板支持体は、本体部と、この本体部に設けられ前記基板と接触する支持部とを有し、この支持部は、前記基板と接触する面に形成された第1のコーティング膜と、前記本体部側の面に形成された第2のコーティング膜とを有し、前記第1のコーティング膜と前記第2のコーティング膜とは熱膨張量に差がある熱処理装置にある。したがって、支持部の基板と接触する面と本体部側の面とでは熱膨張量に差があるようにしたので、熱処理時における温度変化に対応して支持部が湾曲変形する(いわゆるバイメタル効果)。このため、基板と支持部との接触部分が温度変化に対応して刻々と変化し、基板と支持部との溶着を防止することができる。熱処理時には基板と支持部との間の何ヶ所かで溶着が起こるが、降温が始まると、支持部が自動的に変形し、早い段階で基板と支持部との溶着点が切り離される。即ち、基板と支持部との収縮差に起因する基板支持点での応力が増大するのを防止することができ、例えば単結晶基板の降伏点応力より小さい応力値に抑えることができ、転位やこの転位に続くスリップラインの発生を防止し、もって基板の反り発生を少なくすることができる。
【0009】第1のコーティング膜と第2のコーティング膜とに熱膨張量差を付けるには、それぞれの膜種が同じ場合には膜厚に差を設ければよく、又はそれぞれの膜種や膜構成を異ならせてもよい。それぞれの膜種を同じとした場合は、膜厚差として1μm以上とすることが好ましい。また、支持部の厚さを3mm程度とした場合、第1のコーティング膜と第2のコーティング膜とは100μm以下とすることが好ましい。
【0010】また、第1のコーティング膜と第2のコーティング膜は、炭化珪素、窒化珪素、酸化珪素、又はその他の耐熱材料からなり、それぞれ一層であってもよいし、多層であってもよい。
【0011】また、支持部を主に構成する支持部本体(第1のコーティング膜と第2のコーティング膜を除いた部分)は、基板と同一材料(シリコン製の基板であればシリコン)であることが好ましい。このように支持部本体を基板と同一材料とすれば支持部の熱膨張率を基板と略同一とすることができ、基板と支持部との熱膨張率の差によって基板に与える応力を小さくし、転位やスリップラインが発生するのをより防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の実施形態に係る熱処理装置10が示されている。この熱処理装置10は、例えば縦型であり、主要部が配置された筺体12を有する。この筺体12には、ポッドステージ14が接続されており、このポッドステージ14にポッド16が搬送される。ポッド16は、例えば25枚の基板が収納され、図示しない蓋が閉じられた状態でポッドステージ14にセットされる。
【0013】筺体12内において、ポッドステージ14に対向する位置には、ポッド搬送装置18が配置されている。また、このポッド搬送装置18の近傍には、ポッド棚20、ポッドオープナ22及び基板枚数検知器24が配置されている。ポッド搬送装置18は、ポッドステージ14とポッド棚20とポッドオープナ22との間でポッド16を搬送する。ポッドオープナ22は、ポッド16の蓋を開けるものであり、この蓋が開けられたポッド16内の基板枚数が基板枚数検知器24により検知される。
【0014】さらに、筺体12内には、基板移載機26、ノッチアライナ28及び基板支持体30(ボート)が配置されている。基板移載機26は、例えば5枚の基板を取り出すことができるアーム32を有し、このアーム32を動かすことにより、ポッドオープナ22の位置に置かれたポッド、ノッチアライナ28及び基板支持体30間で基板を搬送する。ノッチアライナ28は、基板に形成されたノッチまたはオリフラを検出して基板のノッチまたはオリフラを一定の位置に揃えるものである。基板支持体30は、本体部56を有しており、この本体部56は、上部板34、下部板36、及び上部板34と下部板36との間を接続する例えば3本の支柱38から構成されている。なお、支柱38は、3本に限らず、基板を支持できれば何本であってもよい。
【0015】図2において、反応炉40が示されている。この反応炉40は、反応管42を有し、この反応管42内に基板支持体30が挿入される。反応管42の下方は、基板支持体30を挿入するために開放され、この開放部分はシールキャップ44により密閉されるようにしてある。また、反応管42の周囲は、均熱管46により覆われ、さらに均熱管46の周囲にヒータ48が配置されている。熱電対50は、反応管42と均熱管46との間に配置され、反応炉40内の温度をモニタできるようにしてある。そして、反応管42には、処理ガスを導入する導入管52と、処理ガスを排気する排気管54とが接続されている。
【0016】次に上述したように構成された熱処理装置10の作用について説明する。
まず、ポッドステージ14に複数枚の基板を収容したポッド16がセットされると、ポッド搬送装置18によりポッド16をポッドステージ14からポッド棚20へ搬送し、このポッド棚20にストックする。次に、ポッド搬送装置18により、このポッド棚20にストックされたポッド16をポッドオープナ22に搬送してセットし、このポッドオープナ22によりポッド16の蓋を開き、基板枚数検知器24によりポッド16に収容されている基板の枚数を検知する。
【0017】次に、基板移載機26により、ポッドオープナ22の位置にあるポッド16から基板を取り出し、ノッチアライナ28に移載する。このノッチアライナ28においては、基板を回転させながら、ノッチ又はオリフラを検出し、検出した情報に基づいて複数枚の基板のノッチ又はオリフラを同じ位置に整列させる。次に、基板移載機26により、ノッチアライナ28から基板を取り出し、基板支持体30に移載する。
【0018】このようにして、1バッチ分の基板を基板支持体30に移載すると、例えば600°C程度の温度に設定された反応炉40内に複数枚の基板を装填した基板支持体30を装入し、シールキャップ44により反応管42内を密閉する。次に、炉内温度を熱処理温度まで昇温させて、導入管52から処理ガスを導入する。処理ガスには、窒素、アルゴン、水素、酸素等が含まれる。基板を熱処理する際、基板は例えば1000°C以上、さらには1350°C以上の温度に加熱される。なお、この間、熱電対50により反応管42内の温度をモニタしながら、予め設定された昇温、熱処理プログラムに従って基板の熱処理を実施する。
【0019】基板の熱処理が終了すると、例えば炉内温度を600°C程度の温度に降温した後、基板支持体30を反応炉40からアンロードし、基板支持体30に支持された全ての基板が冷えるまで、基板支持体30を所定位置で待機させる。なお、炉内温度降温の際も、熱電対50により反応管42内の温度をモニタしながら、予め設定された降温プログラムに従って降温を実施する。次に、待機させた基板支持体30の基板が所定温度まで冷却されると、基板移載機26により、基板支持体30から基板を取り出し、ポッドオープナ22にセットされている空のポッド16に搬送して収容する。次に、ポッド搬送装置18により、基板が収容されたポッド16をポッド棚20に搬送し、さらにポッドステージ14に搬送して完了する。
【0020】次に上記基板支持体30について詳述する。
図3において、基板支持体30は、本体部56と、この本体部56に設けられた支持部58とから構成されている。本体部56は、例えば炭化珪素(SiC)、シリコン(Si)(単結晶又は多結晶)又は石英(SiO)からなる。例えば3本又は4本の支柱38には、支柱38の垂直方向で等間隔に爪部60がそれぞれ多数形成されている。この爪部60は、基板支持体30の内側へ向けて水平に延びており、この爪部60に支持部58が載置支持されている。
【0021】支持部58は、板状部材、例えば円板状に形成された部材から構成され、この支持部58上に基板62が接触載置されるようになっている。なお、この実施形態においては、支持部58は円板状に形成されているが、他の形状を持つ板状、リング状又は円盤状等であってもよく、1つ又は複数の溝又は孔が形成されていてもよい。
【0022】次に支持部58について詳述する。
図4(a)において、第1例に係る支持部58が示されている。支持部58は、支持部本体64と、基板と接触する面に形成された第1のコーティング膜66と、本体部側の面に形成された第2のコーティング膜68とから構成されている。支持部本体64は、基板62と同じ材料、例えば基板62がシリコン製の場合はシリコンであることが好ましい。これにより、基板62と支持部58との熱膨張率の差に基づいて生じる基板62の応力を少なくし、基板62に転位やスリップラインが発生するのを少なくすることができる。
【0023】この実施形態においては、第1のコーティング膜66と第2のコーティング膜68はそれぞれ一層であり、同じ材料、即ち、炭化珪素(SiC)、酸化珪素(SiO)、窒化珪素(SiN)、又はその他の耐熱性材料からなる。これらのコーティング膜66,68は、例えばプラズマCVD又は熱CVDにより形成されている。
【0024】第1のコーティング膜66と第2のコーティング膜68とは、熱膨張量に差があるようにしてある。この第1例においては、第1のコーティング膜66の膜厚d1と第2のコーティング膜68の膜厚d2とに差を設けてある。膜厚d1とd2との差は1μm以上であることが好ましい(d1−1μm≧d2)。また、支持部58の厚さが約3mmの場合は、膜厚d1とd2は100μm以下(支持部58の厚さの1/30以下)とすることが好ましい。
【0025】したがって、同じ材料であれば膜厚が厚い方が熱膨張量が大きいので、支持部58は、第1のコーティング膜66と第2のコーティング膜68とで熱膨張量に差を生じ、熱処理時の温度変化に対応して湾曲変形する。このため、基板62と支持部58との接触部分が温度変化に対応して刻々と変化し、基板62と支持部58との溶着を防止することができる。熱処理時には基板62と支持部58の第1のコーティング膜66との間の何ヶ所かで溶着が起こるが、降温が始まると、支持部58が自動的に溶着部分を離す方向に変形し、早い段階で基板62と支持部58との溶着点が切り離される。これにより基板62における転位やこの転位に続くスリップラインの発生を防止し、もって基板62の反り発生を少なくすることができる。
【0026】図4(b)において、第2例に係る支持部58が示されている。この第2例においては、第1のコーティング膜66及び第2のコーティング膜68が二層構造となっており、それぞれ支持部本体64にコーティングされた第1層70と、この第1層70にコーティングされた第2層72とから構成されている。第1層70の基板と接触する面側と本体部と接触する面側のそれぞれと第2層72の基板と接触する面側と本体部と接触する面側のそれぞれとは、炭化珪素、酸化珪素、窒化珪素、又はその他の耐熱性材料から選ばれた同じ材料からなり、例えば炭化珪素と窒化珪素、炭化珪素と酸化珪素、又は窒化珪素と酸化珪素からなる。第1層70と第2層72とのコート順は支持部58の両面で任意である。また、第1のコーティング膜66と第2のコーティング膜68とを構成する少なくとも一つの膜種の層に対する厚さ(図4(b)では第1層70の厚さ)は、上述した第1例と同様に差を設けており、これにより熱膨張量に差が生じるようにしている。
【0027】図4(c)において、第3例に係る支持部58が示されている。この第3例においては、第1のコーティング膜66及び第2のコーティング膜68が三層構造となっており、それぞれ支持部本体64にコーティングされた第1層70と、この第1層70にコーティングされた第2層72と、この第2層72にコーティングされた第3層74から構成されている。第1層70、第2層72及び第3層74のそれぞれの基板と接触する面側と本体部と接触する面側のそれぞれは、同じ材料からなり、例えば炭化珪素、窒化珪素及び酸化珪素からなる。第1層70乃至第3層74のコート順は支持部58の両面で任意である。また、第1のコーティング膜66と第2のコーティング膜68とを構成する少なくとも一つの膜種の層に対する厚さ(図4(c)では第1層70の厚さ)は、上述した第1例又は第2例と同様に差が設けられており、これにより熱膨張に差があるようにしている。
【0028】図4(d)において、第4例に係る支持部58が示されている。この第4例においては、第1のコーティング膜66が二層、第2のコーティング膜68が一層として構成されている。第1のコーティング膜66の第1層70又は第2層72と、第2のコーティング膜68とは、同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。例えば第1のコーティング膜66の第1層70を炭化珪素、第1のコーティング膜66の第2層72と第2のコーティング膜68とを酸化珪素又は窒化珪素とし、第1のコーティング膜66の第1層70を窒化珪素、第1のコーティング膜66の第2層72と第2のコーティング膜68とを炭化珪素又は酸化珪素とし、第1のコーティング膜66の第1層70を酸化珪素、第1のコーティング膜66の第2層72と第2のコーティング膜68とを炭化珪素又は窒化珪素とすることができる。第1層70と第2層72とのコート順は支持部58の両面で任意である。また、第1のコーティング膜66と第2のコーティング膜68とに熱膨張差を付けられるならば、それぞれの膜厚は限定されない。
【0029】図4(e)において、第5例に係る支持部58が示されている。この第5例においては、第1のコーティング膜66を一層とし、第2のコーティング膜68を三層としたものである。この第5例においても、第4例と同様に、第1のコーティング膜66と第2のコーティング膜68とに熱膨張差を付けられるならば、それぞれの膜種や膜厚は限定されない。
【0030】図4(f)において、第6例に係る支持部58が示されている。この第6例においては、第1のコーティング膜66を二層とし、第2のコーティング膜68を三層としたものである。この第6例においても、第4例又は第5例と同様に、第1のコーティング膜66と第2のコーティング膜68とに熱膨張差を付けられるならば、それぞれの膜種や膜厚は限定されない。
【0031】図4(g)において、第7例に係る支持部58が示されている。この第7例においては、第1のコーティング膜66と第2のコーティング膜68とはそれぞれ一層ではあるが、異なる材料からなる。第1のコーティング膜66と第2のコーティング膜68は、例えば炭化珪素と窒化珪素、炭化珪素と酸化珪素、又は酸化珪素と炭化珪素である。第1のコーティング膜66と第2のコーティング膜68とは熱膨張差を付けられるならば、それぞれの膜厚が等しくてもよいし、異なってもよい。
【0032】なお、支持部58の側面については、コーティング膜を形成してもよいし、形成しなくてもよい。
【0033】次に本発明に係る実施例を比較例と比較しながら説明する。
【0034】
【実施例1】
図3に示すように、炭化珪素製の本体部56に支持部58を載置し、この支持部58に基板62を載置した。支持部58は、図4(d)に示すように、シリコン製の支持部本体64に第1のコーティング膜66の第1膜70として厚さ8μm炭化珪素膜をコートし、第1のコーティング膜66の第2層72と第2のコーティング膜68として厚さ1μmの酸化珪素膜をコートした。基板62は、Φ300mmのシリコン基板であり、図1に示す縦型熱処理炉10により熱処理を行った。熱処理は、650°Cの温度に保持した反応炉内に基板支持体30に支持した基板62をロードし、基板ロード後、反応炉内を処理温度である1350°Cまで昇温度速度を段階的に変えて昇温し、反応炉内を1350°Cの処理温度で11時間保持し、その後反応炉内温度を600°Cまで降温速度を段階的に変えて降温して基板支持体30に支持された基板62をアンロードした。その後、取り出した基板62の裏面を光学顕微鏡及びX線トポグラフィで観察した結果、基板62にはスリップの発生は見られなかった。
【0035】
【実施例2】
実施例1において、昇温及び保持温度を1200°Cとし、1200°Cにおける保持時間を2時間として同様に基板62の熱処理を実施した。その後、取り出した基板62の裏面を光学顕微鏡及びX線トポグラフィで観察した結果、基板62にはスリップの発生は見られなかった。
【0036】
【比較例】
図3において、支持部58を除き、基板62を直接本体部56の爪部60に支持し、実施例1及び実施例2と同一の試験条件で熱処理を実施した。その結果、基板62の裏面に爪部60と接触する3ヶ所で大きさ50〜300μmの傷が発生した。それらの傷からは、長さが約4〜80mmのスリップラインが多数本発生した。また、基板62には約60〜90μmの反りがあった(熱処理前に測定した基板62の反り量は10μm以下)。
【0037】なお、上記実施形態及び実施例の説明にあっては、熱処理装置として、複数の基板を熱処理するバッチ式のものを用いたが、これに限定するものではなく、枚葉式のものであってもよい。
【0038】本発明の熱処理装置は、基板の製造工程にも適用することができる。
【0039】SOI(Silicon On Insulator)ウエハの一種であるSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)ウエハの製造工程の一工程に本発明の熱処理装置を適用する例について説明する。
【0040】まずイオン注入装置等により単結晶シリコンウエハ内へ酸素イオンをイオン注入する。その後、酸素イオンが注入されたウエハを上記実施形態の熱処理装置を用いて、例えばAr、O雰囲気のもと、1300°C〜1400°C、例えば1350°C以上の高温でアニールする。これらの処理により、ウエハ内部にSiO層が形成された(SiO層が埋め込まれた)SIMOXウエハが作製される。
また、SIMOXの他、水素アニールウエハの製造工程の一工程に本発明の熱処理装置を適用することも可能である。この場合、ウエハを本発明の熱処理装置を用いて、水素雰囲気中で1200°C以上の高温でアニールすることとなる。これによりICが作られるウエハ表面層の結晶欠陥を低減することができ、結晶の完全性を高めることができる。また、この他、エピタキシャルウエハの製造工程の一工程に本発明の熱処理装置を適用することも可能である。
以上のような基板の製造工程の一工程として行う高温アニール処理を行う場合であっても、本発明の熱処理装置を用いることにより、基板のスリップの発生を防止することができる。
【0041】本発明の熱処理装置は、半導体装置の製造工程にも適用することも可能である。
特に、比較的高い温度で行う熱処理工程、例えば、ウェット酸化、ドライ酸化、水素燃焼酸化(パイロジェニック酸化)、HCl酸化等の熱酸化工程や、硼素(B)、リン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)等の不純物(ドーパント)を半導体薄膜に拡散する熱拡散工程等に適用するのが好ましい。
このような半導体デバイスの製造工程の一工程としての熱処理工程を行う場合においても、本発明の熱処理装置を用いることにより、スリップの発生を防止することができる。
【0042】以上のように、本発明は、特許請求の範囲に記載した事項を特徴とするが、さらに次のような実施形態が含まれる。
(1)請求項1記載の熱処理装置において、第1のコーティング膜の膜厚と第2のコーティング膜の膜厚とが異なることを特徴とする熱処理装置。
(2)請求項1又は(1)記載の第1のコーティング膜又は第2のコーティング膜は炭化珪素、窒化珪素又は酸化珪素からなることを特徴とする熱処理装置。
(3)(1)記載の熱処理装置において、第1のコーティング膜と第2のコーティング膜との膜厚差が1μm以上であることを特徴とする熱処理装置。
(4)請求項1記載の熱処理装置において、第1のコーティング膜の材料と第2のコーティング膜の材料とが異なることを特徴とする熱処理装置。
(5)請求項1記載の熱処理装置において、第1のコーティング膜の層構造と第2のコーティング膜の層構造とが異なることを特徴とする熱処理装置。
(6)(5)記載の熱処理装置において、第1のコーティング膜と第2のコーティング膜とは、少なくともいずれか一方が複数の層からなることを特徴とする熱処理装置。
(7)(6)記載の熱処理装置において、第1のコーティング膜と第2のコーティング膜とは同じ材料からなる層を有し、該層の膜厚が異なることを特徴とする熱処理装置。
(8)(7)記載の熱処理装置において、前記層の膜厚差が1μm以上であることを特徴とする熱処理装置。
(9)請求項1又は(1)乃至(8)いずれか記載の熱処理装置において、前記支持部は、第1のコーティング膜と第2のコーティング膜とがコートされる支持部本体を有し、この支持部本体がシリコンからなることを特徴とする熱処理装置。
(10)請求項1又は(1)乃至(9)いずれか記載の熱処理装置において、前記支持部は板状部材からなることを特徴とする熱処理装置。
(11)請求項1又は(1)乃至(10)いずれか記載の熱処理装置において、前記本体部は炭化珪素又はシリコンからなることを特徴とする熱処理装置。
(12)請求項1又は(1)乃至(11)いずれか記載の熱処理装置において、前記基板支持体は複数枚の基板を略水平状態で隙間をもって複数段に支持するよう構成されていることを特徴とする熱処理装置。
(13)請求項1又は(1)乃至(12)いずれか記載の熱処理装置において、熱処理は1000°C以上の温度で行うことを特徴とする熱処理装置。
(14)請求項1又は(1)乃至(12)いずれか記載の熱処理装置において、熱処理は1350°C以上の温度で行うことを特徴とする熱処理装置。
(15)反応炉内に基板を搬入する工程と、
本体部と、この本体部に設けられ前記基板と接触する支持部とを有し、この支持部は、前記基板と接触する面に形成された第1のコーティング膜と、前記本体部側の面に形成された第2のコーティング膜とを有し、前記第1のコーティング膜と前記第2のコーティング膜とは熱膨張量に差がある基板支持体により基板を支持する工程と、
基板を前記支持部に支持した状態で熱処理する工程と、
基板を反応炉内から搬出する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(16)反応炉内に基板を搬入する工程と、
本体部と、この本体部に設けられ前記基板と接触する支持部とを有し、この支持部は、前記基板と接触する面に形成された第1のコーティング膜と、前記本体部側の面に形成された第2のコーティング膜とを有し、前記第1のコーティング膜と前記第2のコーティング膜とは熱膨張量に差がある基板支持体により基板を支持する工程と、
基板を前記支持部に支持した状態で熱処理する工程と、
基板を反応炉内から搬出する工程とを有することを特徴とする基板の製造方法。
(17)反応炉内に基板を搬入する工程と、
本体部と、この本体部に設けられ前記基板と接触する支持部とを有し、この支持部は、前記基板と接触する面に形成された第1のコーティング膜と、前記本体部側の面に形成された第2のコーティング膜とを有し、前記第1のコーティング膜と前記第2のコーティング膜とは熱膨張量に差がある基板支持体により基板を支持する工程と、
基板を前記支持部に支持した状態で熱処理する工程と、
基板を反応炉内から搬出する工程とを有することを特徴とする基板処理方法。
【0043】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、支持部の両面に形成されたコーティング膜の熱膨張量が異なるようにしたので、基板の熱処理時に支持部が変形し、基板に傷やスリップラインが発生するのを防止し、基板が反るのを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る熱処理装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る熱処理装置に用いた反応炉を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る熱処理装置に用いた基板支持体の一部を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態における支持部を示す断面図である。
10 熱処理装置
30 基板支持体
56 本体部
58 支持部
62 基板
64 支持部本体
66 第1のコーティング膜
68 第2のコーティング膜

Claims (1)

  1. 基板を基板支持体に支持した状態で熱処理する熱処理装置において、前記基板支持体は、本体部と、この本体部に設けられ前記基板と接触する支持部とを有し、この支持部は、前記基板と接触する面に形成された第1のコーティング膜と、前記本体部側の面に形成された第2のコーティング膜とを有し、前記第1のコーティング膜と前記第2のコーティング膜とは熱膨張量に差があることを特徴とする熱処理装置。
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