JP2004295992A - 記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性を高めながらスピンオフを低減することができる記録媒体を提供する。
【解決手段】磁気的、光学的あるいはその他原理で情報を記録・再生するヘッドにより該情報が記録され、適当な材質からなる基板11、基板11上に形成され情報が記録される記録層12、記録層12上に形成された保護層13、保護層13上に形成された潤滑層14よりなる記録媒体1において、潤滑層14中で該保護層表面に結合した潤滑剤分子からなる層を結合層141、保護層13表面と結合せず移動可能な潤滑剤分子からなる層を流動層142としたとき、結合層141を構成する潤滑剤と流動層142を構成する潤滑剤が異なり、流動層142を構成する潤滑剤に比し、結合層141を構成する潤滑剤の表面エネルギーが高い。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は記録媒体およびその製造方法に関し、より詳細には、磁気あるいは光学的手段により情報を記録再生する記録装置における記録媒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータの扱う情報量は年々増大の一途を辿っており、これに合わせてその外部記憶装置には大容量化が求められている。一方で、モバイルコンピュータへの利用を中心として、記憶装置の小型化に対する要求も強くなっている。このため、外部記憶装置、特に磁気記録装置は年々その記録密度を高めている。
【0003】
磁気記録装置は、情報を記録・再生するヘッドと、情報が記録される記録媒体からなる。従って、記録密度を高めるため、すなわち高密度で情報を記録媒体に書き込むためには、ヘッドの浮上量を下げることにより、ヘッドと記録媒体との間隔を狭める必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図1に記録媒体の断面模式図を示す。記録媒体1は基板11、記録層12、保護層13、潤滑層14から構成されている。潤滑層14は、保護層13に結合している結合潤滑層141、および保護層13に結合せずに移動可能な流動潤滑層142より構成されている。ヘッド2はこの記録媒体1の上を空気浮上し、情報の記録・再生を行う。
【0005】
このような記録媒体において、ヘッド2と記録媒体1の間隔を狭小化すると、ヘッド2と記録媒体1の接触頻度が高くなるので、記録媒体には従来以上の耐摩耗性が要求される。
【0006】
耐摩耗性は、潤滑層の流動性により大きく変わる。ヘッドが潤滑層に接触すると、流動潤滑層はこれを受け自ら移動すなわち流動し、一時的に薄膜化するが、その後再び流動し再び元の状態に戻る。従って、素早く流動修復できれば絶えず当初の良好な潤滑状態を保つことができ、高い耐摩耗性を得ることができる。
【0007】
なお、このような異なる材料の潤滑層を有する記録媒体としては、例えば特許文献1に、保護層と堅固に結合している液体潤滑剤層(ボンデッド層)の上層にフリー層を設けて摩擦力を低減したものが記載されている。
【0008】
また、二種類の材料によりなる潤滑層を有する記録媒体としては、例えば特許文献2に、液体潤滑層が、カルボキシル基を持つ化合物の液体潤滑剤と、水酸基を持つ化合物の液体潤滑剤とからなるものが開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−184622号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平8−329451号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、記録媒体は高速回転するため、流動性を上げると空気のせん断流や遠心力により、潤滑剤分子が外周部へ移動・飛散し、潤滑特性が低下するという問題が発生する。このことは、一般的に「スピンオフが大きい」と表現される。例えば、流動性を上げるには潤滑剤分子間の相互作用を緩くすれば良いが、流動性が上がる分潤滑剤分子は動き易くなるため、スピンオフが大きくなってしまう。このように、耐摩耗性とスピンオフとはトレードオフの関係にある。
【0012】
近年の高記録密度化に伴い、ヘッドと媒体との間隔が狭小化し接触頻度が大きくなっている。このため、ヘッドと媒体との接触頻度が小さい場合に問題とされていなかった、より高い耐摩耗性が要求される。しかしながら、上述したような従来の記録媒体では、耐摩耗性およびスピンオフという両特性を同時に満足させることが困難であるという問題があった。
【0013】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、耐摩耗性を高めながらスピンオフを低減することができる記録媒体およびその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基板と、該基板上に形成され、情報を記録または再生するヘッドにより該情報が磁気的または光学的に記録される記録層と、該記録層上に形成された保護層と、該保護層上に形成された潤滑層であって、前記保護層表面に結合した分子を含む第1の潤滑剤からなる結合層、および、前記第1の潤滑層と異なる構造を有し、前記保護層上を移動可能な分子を含む第2の潤滑剤からなる流動層とを有する潤滑層とを備えた記録媒体において、前記第1の潤滑剤は、前記第2の潤滑剤より表面エネルギーが高いことを特徴とする。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の記録媒体において、前記第1および第2の潤滑剤は、主鎖と末端基とを含む鎖状構造を有する高分子潤滑剤であり、前記結合した分子の末端基の構造と、前記移動可能な分子の末端基の構造とは異なることを特徴とする。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の記録媒体において、前記結合した分子の末端基の極性は、前記移動可能な分子の末端基の極性より高いことを特徴とする。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の記録媒体において、前記結合した分子の末端基と、前記移動可能な分子の末端基とは、同種の極性基を含むことを特徴とする。
【0018】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の記録媒体において、前記結合した分子の末端基の中に含まれる極性基の数は、前記移動可能な分子の末端基に含まれる極性基の数より多いことを特徴とする。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の記録媒体において、前記第1および第2の潤滑剤は主鎖と末端基とを含む鎖状構造を有する高分子潤滑剤であり、前記結合した分子の主鎖の分子量と、前記移動可能な分子の主鎖の分子量とは異なることを特徴とする。
【0020】
また、請求項7に記載の発明は、基板上に、情報を記録または再生するヘッドにより該情報が磁気的または光学的に記録される記録層を形成する工程と、該記録層上に保護層を形成する工程と、該保護層上に、第1の潤滑剤からなる結合層であって、前記保護層表面に前記第1の潤滑剤に含まれる分子を結合させた結合層と、前記第1の潤滑剤より表面エネルギーが低く、前記保護層上を移動可能な分子を含む第2の潤滑剤を含む流動層とを有する潤滑層を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0021】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の記録媒体の製造方法において、前記潤滑層を形成する工程は、前記保護層上に、前記第1の潤滑剤を浸漬塗布、スピンコートまたは蒸着により付着させ、前記第1の潤滑剤に含まれる分子を前記保護層表面に結合させる工程と、前記結合層上に前記第2の潤滑剤を浸漬塗布、スピンコートまたは蒸着により付着させる工程とを有することを特徴とする。
【0022】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の記録媒体の製造方法において、前記潤滑層を形成する工程は、前記結合させる工程において前記保護層に結合しない前記第1の潤滑剤を除去する工程を更に有することを特徴とする。
【0023】
また、請求項10に記載の発明は、請求項7に記載の記録媒体の製造方法において、前記潤滑層を形成する工程は、前記第1および第2の潤滑剤の混合物を生成する工程と、前記保護層上に前記混合物を浸漬塗布、スピンコートまたは蒸着により付着させる工程とを有することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0025】
まず、本発明の原理について説明する。いま、潤滑層間の相互作用について考えるため、
[相互作用A]=流動潤滑層と保護層との相互作用
[相互作用B]=結合潤滑層と流動潤滑層との相互作用
[相互作用C]=流動潤滑層内の相互作用
と定義する。流動潤滑層の流動性については、[相互作用A]および[相互作用B]が大きいほど、また[相互作用C]が小さいほど流動性が高くなり、ヘッド接触により押しのけられた潤滑剤分子が素早く修復される。一方、スピンオフについては、[相互作用A]、[相互作用B]および[相互作用C]のいずれについても、大きいほどスピンオフが小さくなる。
【0026】
つまり、[相互作用A]および[相互作用B]が大きければ、流動性の向上およびスピンオフの低減の両者に効果があるということができる。本発明では、特に[相互作用B]と[相互作用C]との関係を利用する。すなわち、本発明は、同一の[相互作用C]に対して[相互作用B]を向上させれば、流動性向上(=耐摩耗性向上)とスピンオフ低減の両立が可能となることに着目してなされたものである。
【0027】
本実施形態による記録媒体としては、図1に示すものが使用される。同図に示すように、記録媒体1は基板11、記録層12、保護層13および潤滑層14から構成されている。潤滑層14は、保護層13表面に結合した分子を含む第1の潤滑剤からなる結合潤滑層141、および、第1の潤滑剤より表面エネルギーが低く、保護層13上を移動可能な分子を含む第2の潤滑剤からなる流動層142より構成されている。ヘッド2は潤滑層14の上を空気浮上し、情報の記録・再生を磁気的あるいは光学的に行う。
【0028】
図1において、従来、流動潤滑層142と結合潤滑層141は同一の潤滑剤より構成されていたため、適用する潤滑剤が決まれば一意に[相互作用C]および[相互作用B]が決まっていた。これに対して、流動潤滑層142に適用する第1の潤滑剤(以下、流動潤滑剤という)と、結合潤滑層141に適用する第2の潤滑剤(以下、結合潤滑剤という)とを異なるものとし、流動潤滑層142により強い相互作用を及ぼすことのできる結合潤滑剤を選ぶことができれば、同一の[相互作用C]に対して[相互作用B]を向上させることができる。
【0029】
例を上げて説明する。図2は、潤滑層の流動性とスピンオフ量の関係を示している。流動性を高くし、かつスピンオフ量を小さくするには、同図では右下方向に向かう特性が求められる。まず流動潤滑層142と、結合潤滑層141とが同一である従来の単層潤滑層について考える。潤滑剤としては、例えばAusimont社のFOMBLIN Z−dol を考えても良い。同潤滑剤はHOCF −[CF −(OCF CF )p−(O−CF )q−O−CF ]−CF OHの構造で、[ ]内の主鎖と末端基−CF OHより構成される。ここで潤滑剤分子間の相互作用を下げると、[相互作用B]は小さくなるが、[相互作用C]が小さくなる効果の方がより大きくなるため、流動性を上げることができる。
【0030】
図2に示す潤滑剤A1〜A3はZ−dol で、A1、A2およびA3の分子量、および各々の相互作用は、A1>A2>A3という関係にある。同図に示すように、分子量の低減と共に流動性は高くなるが、スピンオフ量は大きくなり両者はトレードオフの関係となる。
【0031】
これに対して、潤滑層を二層構造とし、流動潤滑剤はA3としたままで、結合潤滑剤にA3よりも強い相互作用を及ぼす潤滑剤B1、B2を適用する。このとき、{単層:潤滑剤A3}に対して{二層:潤滑剤A3(流動潤滑層)+潤滑剤B1(結合潤滑層)}、{二層:潤滑剤A3(流動潤滑層)+潤滑剤B2(結合潤滑層)}は流動性が大きく、かつ、スピンオフ量も小さくなっている。この傾向は、結合潤滑層の相互作用が大きいほど強くなる。図2ではB1の相互作用よりB2の相互作用の方が大きい。
【0032】
結合潤滑層の相互作用を大きくするには潤滑剤の表面エネルギーを高くすれば良い。具体的には極性末端基の極性を高くする、あるいは分子量を変えるなどの手段が考えられる。例えば流動潤滑剤Z−dol に対して、結合潤滑剤にはAusimont社のFOMBLIN Z−tetraol を選んでも良い。Z−tetraol の末端極性基は−CH OCH CH(OH)CH OHの構造を持ち、Z−dol の極性末端基CH OHに対して極性基−OHをより多く含んでおり、極性が大きく相互作用が大きい。
【0033】
次に、二層潤滑層の形成方法について説明する。まず、保護層上に結合潤滑剤を浸漬塗布、スピンコートあるいは蒸着などの方法により付着・結合させる。然る後、流動潤滑剤を結合潤滑層上に浸漬塗布、スピンコートあるいは蒸着などにより付着させる。この際、結合潤滑層と流動層の潤滑剤を明確に分けようとするならば、結合潤滑層を形成した後に、保護層上に結合されなかった同潤滑剤を適当な手段により除去し、然る後、結合潤滑層上に流動潤滑層を形成すれば良い。この場合、潤滑剤を除去する手段として、適当な溶剤によるリンス処理などの方法を採用することができる。
【0034】
また、流動潤滑剤に対して結合潤滑剤の末端極性基に、より保護層表面と結合し易い特性を持たせれば、結合潤滑剤および流動潤滑剤を予め適当な比率で混合しておき、これを該保護層上に浸漬塗布、スピンコートあるいは蒸着により付着・結合させることができる。これにより、2段階に分けた形成方法によらずとも、選択的に結合潤滑剤が保護層表面と結合し二層潤滑層が形成される。この場合、混合比としては、1:4〜4:1が望ましい。
【0035】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0036】
【実施例】
(実施例1)
図1に示した記録媒体を製造した。この際、アルミからなる基板上に、スパッタ法によりCoからなる磁性層12を10nm形成し、該磁性層12上に、プラズマCVD法により窒素添加アモルファスカーボンからなる保護層13を4nm形成した。次いで、保護層13上に潤滑層14を形成した。ここで、結合潤滑層141は0.6nmのZ−Tetraol(Ausimont社製)、流動潤滑層142は0.8nmのZ−Do1 2000(Ausimont 社製)とした。
【0037】
得られた磁気記録媒体を用いて、スピンオフ試験と摺動耐久性試験を行った。スピンオフ試験は、温度50℃・湿度80%という環境下で、10,000r/min にて2週間サンプルを回転させ、回転前後の潤滑層膜厚を測定して評価した。摺動耐久性試験は、サンプル上でSUS球を取り付けたヘッドを一定荷重で摺動させ、OSA(Optical Surface Analyzer)にて摺動部付近のP波反射率を測定し、その反射率のピーク面積をカーボン摩耗量として相対比較して評価した。
【0038】
(実施例2)
実施例1において、流動潤滑層142をZ−Dol 4000 (Ausimont社製)とした以外は、実施例1と同様に磁気記録媒体を作製した。
【0039】
(比較例1)
実施例1において、流動潤滑層142をZ03(Ausimont 社製)とした以外は、実施例1と同様に磁気記録媒体を作製した。
【0040】
(比較例2)
実施例1において、結合潤滑層141および流動潤滑層142が共にZ−Dol 4000(Ausimont 社製)である以外は、実施例1と同様に磁気記録媒体を作製した。
【0041】
図3にスピンオフ試験による膜厚減少率と摺動耐久性試験によるカーボン摩耗量の相対値との関係を示す。ここで、符号Aは、結合潤滑層141であるZ−Tetraol と同種の極性基を持つZ−Dol 2000を流動潤滑層142に用いた実施例1のサンプルの測定結果である。また、符号Bは、結合潤滑層141であるZ−Tetraolと同種の極性基を持つZ−Dol 4000を流動潤滑層142に用いた実施例2のサンプルの測定結果である。また、符号Cは、流動潤滑層142にZ03を用いた比較例1のサンプルの測定結果である。また、符号Dは、結合潤滑層141および流動潤滑層142が共にZ−Dol 4000である比較例2のサンプルの測定結果である。
【0042】
同図に示すように、実施例1および実施例2のサンプルが、比較例1や比較例2のサンプルよりも、スピンオフ特性および摺動耐久性の両特性を総合的に判断すると良好であることがわかる。
【0043】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限らず、他の種々の形態で実施できることはいうまでもない。例えば、記録媒体の基板には、アルミの他、ガラス、プラスチック等の適当な材質を用いることができる。
【0044】
また、記録層への情報の記録は、磁気的あるいは光学的記録に限定されるものではなく、例えば静電気、機械的接触を採用することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板と、該基板上に形成され、情報を記録または再生するヘッドにより該情報が磁気的または光学的に記録される記録層と、該記録層上に形成された保護層と、該保護層上に形成された潤滑層であって、前記保護層表面に結合した分子を含む第1の潤滑剤からなる結合層、および、前記第1の潤滑層と異なる構造を有し、前記保護層上を移動可能な分子を含む第2の潤滑剤からなる流動層とを有する潤滑層とを備えた記録媒体において、前記第1の潤滑剤は、前記第2の潤滑剤より表面エネルギーが高い。従って、流動層を構成する潤滑剤に比し、結合層を構成する潤滑剤の表面エネルギーを、末端極性基あるいは分子量を変えて高くすることにより、該結合層が該流動量に及ぼす相互作用が大きくなるので、潤滑層の流動性の向上、すなわち耐摩耗性の向上とスピンオフ量の低減を同時に達成できる。結果として、ヘッドと記録媒体の接触機会が増加しても十分な信頼性が確保できるので、ヘッドと該記録媒体の間隔を狭小化し記録媒体の記録密度を向上させることができる。
【0046】
また、潤滑層を形成する際に、保護層上に、第1の潤滑剤を浸漬塗布、スピンコートまたは蒸着により付着・結合させ、保護層に結合しない第1の潤滑剤を除去して結合層を形成し、結合層上に第2の潤滑剤を浸漬塗布、スピンコートまたは蒸着により付着させるので、結合層と流動層の潤滑剤を明確に分けることができ、より良好な上記特性を得ることができる。
【0047】
更に、潤滑層を形成する際に、第1および第2の潤滑剤の混合物を生成し、保護層上に混合物を浸漬塗布、スピンコートまたは蒸着により付着させるので、1回の工程で上記潤滑層を形成することができ、製造コストの低減に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の記録媒体の断面模式図である。
【図2】潤滑層の流動性とスピンオフ量との関係図である。
【図3】潤滑膜厚の減少率とカーボン保護膜の摩耗量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 記録媒体
11 基板
12 磁性層
13 保護層
14 潤滑層
141 結合潤滑層
142 流動潤滑層
2 記録ヘッド

Claims (10)

  1. 基板と、該基板上に形成され、情報を記録または再生するヘッドにより該情報が磁気的または光学的に記録される記録層と、該記録層上に形成された保護層と、該保護層上に形成された潤滑層であって、前記保護層表面に結合した分子を含む第1の潤滑剤からなる結合層、および、前記第1の潤滑層と異なる構造を有し、前記保護層上を移動可能な分子を含む第2の潤滑剤からなる流動層とを有する潤滑層とを備えた記録媒体において、前記第1の潤滑剤は、前記第2の潤滑剤より表面エネルギーが高いことを特徴とする記録媒体。
  2. 請求項1に記載の記録媒体において、前記第1および第2の潤滑剤は、主鎖と末端基とを含む鎖状構造を有する高分子潤滑剤であり、前記結合した分子の末端基の構造と、前記移動可能な分子の末端基の構造とは異なることを特徴とする記録媒体。
  3. 請求項2に記載の記録媒体において、前記結合した分子の末端基の極性は、前記移動可能な分子の末端基の極性より高いことを特徴とする記録媒体。
  4. 請求項2に記載の記録媒体において、前記結合した分子の末端基と、前記移動可能な分子の末端基とは、同種の極性基を含むことを特徴とする記録媒体。
  5. 請求項4に記載の記録媒体において、前記結合した分子の末端基の中に含まれる極性基の数は、前記移動可能な分子の末端基に含まれる極性基の数より多いことを特徴とする記録媒体。
  6. 請求項1に記載の記録媒体において、前記第1および第2の潤滑剤は主鎖と末端基とを含む鎖状構造を有する高分子潤滑剤であり、前記結合した分子の主鎖の分子量と、前記移動可能な分子の主鎖の分子量とは異なることを特徴とする記録媒体。
  7. 基板上に、情報を記録または再生するヘッドにより該情報が磁気的または光学的に記録される記録層を形成する工程と、
    該記録層上に保護層を形成する工程と、
    該保護層上に、第1の潤滑剤からなる結合層であって、前記保護層表面に前記第1の潤滑剤に含まれる分子を結合させた結合層と、前記第1の潤滑剤より表面エネルギーが低く、前記保護層上を移動可能な分子を含む第2の潤滑剤を含む流動層とを有する潤滑層を形成する工程と
    を備えることを特徴とする記録媒体の製造方法。
  8. 請求項7に記載の記録媒体の製造方法において、前記潤滑層を形成する工程は、
    前記保護層上に、前記第1の潤滑剤を浸漬塗布、スピンコートまたは蒸着により付着させ、前記第1の潤滑剤に含まれる分子を前記保護層表面に結合させる工程と、
    前記結合層上に前記第2の潤滑剤を浸漬塗布、スピンコートまたは蒸着により付着させる工程とを有することを特徴とする記録媒体の製造方法。
  9. 請求項8に記載の記録媒体の製造方法において、前記潤滑層を形成する工程は、前記結合させる工程において前記保護層に結合しない前記第1の潤滑剤を除去する工程を更に有することを特徴とする記録媒体の製造方法。
  10. 請求項7に記載の記録媒体の製造方法において、前記潤滑層を形成する工程は、
    前記第1および第2の潤滑剤の混合物を生成する工程と、
    前記保護層上に前記混合物を浸漬塗布、スピンコートまたは蒸着により付着させる工程とを有することを特徴とする記録媒体の製造方法。
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